JP5518124B2 - 収差計測方法、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

収差計測方法、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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本発明は、投影光学系の収差を計測する方法、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子及び薄膜磁気ヘッド等の微細パターンを有するデバイスは、フォトリソグラフィ技術を用いて製造される。その際、レチクル又はフォトマスク等の原版に描画されたパターンを投影光学系によってウエハ等の基板に投影してパターンを転写する投影露光装置が従来から使用されている。投影露光装置においては、基板上にすでに形成されたパターンに対して、投影光学系を介して形成される原版パターンの投影像を、該装置に搭載されたアライメント検出系によって位置合わせを行った後に、露光を行う。位置合わせとしては、原版のパターンと基板のパターンとの重ね合わせと焦点合わせがある。
投影露光装置においては、集積回路の微細化及び高密度化に伴い、より高い解像力でレチクルのパターンをウエハに投影露光することが要求されている。投影露光装置で転写できる最少の線幅(解像度)は、露光に用いる光の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、波長を短くすればするほど解像度は良くなる。このため、近年の光源は超高圧水銀ランプg線(波長約436nm)、i線(波長約365nm)から波長の短いKrFエキシマレーザ(波長約248nm)やArFエキシマレーザ(波長約193nm)に移行している。さらにFレーザ(波長約157nm)の実用化も進んでおり、将来的には波長が数nm〜百nmの極端紫外光(Extreme Ultra Violet:EUV光)の採用も見込まれている。
また露光装置の解像度のさらなる向上の為に、投影光学系とウエハとの間の少なくとも一部に屈折率が1よりも大きい液体を浸してNAの増大を図ることにより解像度の向上を図る液浸露光装置も登場している。この液浸露光装置においては、ウエハと投影光学系のウエハ側先端面を構成する光学素子との間の空間に、フォトレジスト層の屈折率に近い屈折率を有する液体が充填される。これにより、ウエハ側から見た投影光学系の有効開口数が増加し、解像度を向上させることができる。
この種の露光装置では、レチクル上のパターンを所定の倍率(縮小率)で高精度にウエハ上に転写する為、結像性能の良い収差を抑えた投影光学系を用いることが重要となってくる。しかし現状の集積回路の微細化要求の流れでは、投影光学系には露光面積の拡大と高NA化が求められており、投影光学系の収差補正をより困難な状況に追い込んでいる。このような投影光学系の収差に対する要求が厳しくなっている状況で、さらに露光装置内に投影光学系を搭載した状態、すなわち露光装置上で投影光学系の収差計測や収差調整を行うことが望まれる。これは投影レンズ等々の経時的な変化により収差の変化が発生する場合や、露光中の露光による熱の影響で投影光学系の収差が変化する可能性がある為、露光装置上で定期的にかつ簡易に投影光学系の収差の状態を測定する必要があるからである。つまり、露光装置上で投影光学系の収差を計測することにより、実際の使用状態に即した精密なレンズ調整を行うことで、高集積度のデバイス設計が初めて可能となる。
しかしながら、従来、露光装置内に搭載された投影光学系の収差を計測する為に行われていた方法は、実際にパターンを露光、現像し、パターンシフトや形状を走査型電子顕微鏡(SEM)などで計測することで収差量を類推する方法等であった。従来はこのように実際にパターンを露光、現像し、SEMなどでパターンシフトを計測することで投影光学系の収差量を求めた後、この収差量に基づき投影光学系の収差調整を行う。さらに、再度パターンを露光、現像して収差の計測及び調整を行うといったシーケンスで露光装置上での投影光学系の収差調整を行っていた(特許文献1)。
特開平8−22951号公報
ところで、上記のような実際にパターンを露光、現像してパターンシフトや形状から収差量を類推する方法では、投影光学系の収差量を計測するまでに時間がかかり、装置のスループット上の問題となっていた。またレジストや現像におけるプロセス要因との切り分けが難しく、計測される収差精度も作業者によってバラツキがある等の問題もあった。
一方、干渉計を用いて投影光学系の波面収差を求める方法も知られている。しかしながら、この方法は一般的に投影光学系の製造段階の検査装置としては用いられるが、露光装置に搭載することは、露光装置自体の拡大化やコストの増大等を招く為、実用には至っていない。
以上のような背景から、本発明では、投影光学系の収差をより簡易に計測できる手法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため本発明の計測方法は、投影光学系の球面収差量及びコマ収差量を計測する計測方法であって、第1計測条件を用いて物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて像面側マーク上に投影し、前記投影光学系の光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第1フォーカス位置を計測し、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面内において前記像面側マークの位置を変えて前記面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記面内における前記物体面側マークの像の第1位置を計測する第1計測工程と、第2計測条件を用いて物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第2フォーカス位置を計測し、前記光軸に対して垂直な面内であって前記光軸の方向にデフォーカスしたデフォーカス面内において前記像面側マークの位置を変えて前記デフォーカス面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の第2位置を計測する第2計測工程と、前記第1フォーカス位置と前記第2フォーカス位置との差分から前記球面収差量を求める工程と、前記第1位置と前記第2位置との差分から前記コマ収差量を求める工程とを有し、
前記第1計測条件と前記第2計測条件とでは、前記物体面側マークを照明する照明条件が互いに異なる、又は、前記物体面側マークのピッチが互いに異なることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、投影光学系を用いて基板を露光する露光装置であって、物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて像面側マーク上に投影し、記像面側マークを透過した光を検出する検出器と、前記検出器による検出結果を用いて前記投影光学系の球面収差量及びコマ収差量を求める算出部とを有し、第1計測条件を用いて前記物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記投影光学系の光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第1フォーカス位置を計測し、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面内において前記像面側マークの位置を変えて前記面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記面内における前記物体面側マークの像の第1位置を計測し、第2計測条件を用いて前記物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第2フォーカス位置を計測し、前記光軸に対して垂直な面内であって前記光軸の方向にデフォーカスしたデフォーカス面内において前記像面側マークの位置を変えて前記デフォーカス面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の第2位置を計測し、前記算出部は、前記第1フォーカス位置と前記第2フォーカス位置との差分から前記球面収差量を求め、前記第1位置と前記第2位置との差分から前記コマ収差量を求め、前記第1計測条件と前記第2計測条件とでは、前記物体面側マークを照明する照明条件が互いに異なる、又は、前記物体面側マークのピッチが互いに異なることを特徴とする。
さらに、本発明に係るデバイス製造は、上記露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された基板を現像するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、原版の像を基板上に投影する投影光学系の収差をより簡易に計測することができる。
本発明の一実施例に係る投影露光装置の構成を概略的に示す図である。 ウエハとウエハアライメントマークなどを示す図である。 球面収差に対するベストフォーカス位置の変化を示した図である。 球面収差計測のフローチャートである。 実施例2に係るレチクル上マークを示した図である。 コマ収差に対するベストフォーカス位置の変化を示した図である。 コマ収差に対する所定デフォーカス位置の変化を示した図である。 コマ収差計測のフローチャートである。 ポジションに対する光量変化を示した図である。 輪帯絞りを示した図である。 露光装置を使用したデバイスの製造を説明するためのフローチャートである。 図11に示すフローチャートにおけるステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。 本発明の一実施例に係る投影露光装置の構成を概略的に示す図である。
本発明の好ましい実施の形態において、本発明の収差計測方法は、原版の像(レチクルやフォトマスク等の回路パターン)を投影光学系を介して基板上に投影露光する露光装置に適用される。基板は、例えば半導体ウエハ、又は液晶表示素子のパネルやカラーフィルタ用のガラス基板である。この露光装置は、原版側マークと基板側マークを用いて原版と基板の位置合わせを行う位置検出系を有する。また、前記投影光学系で発生する球面又はコマ収差を調整可能な収差調整光学部材を有する。位置検出系は、前記投影光学系を介して基板側マーク上に投影された原版側マークと基板側マークの、2種類以上の各計測条件における位置合わせ状態を検出する。
そして、球面収差を計測する場合は、第一の計測条件で該検出系が計測したフォーカス位置と、第一の計測条件とは条件の異なる第二の計測条件で該検出系が計測したフォーカス位置の差分を利用して投影光学系の球面収差を算出する。
また、コマ収差を検出する場合は、前記原版又は基板のフォーカス状態を変更可能なフォーカス手段を用いる。そして、フォーカス状態を含む第一の計測条件で前記位置検出系が計測した位置情報と、第一の計測条件とは条件の異なる第二の計測条件で前記位置検出系が計測した位置情報との差分に基づいて前記投影光学系のコマ収差を算出する。
前記計測条件は、例えば、原版を照明する照明光学系の照明条件である。この為、本実施形態に係る露光装置は、前記原版に露光光を導く照明光学系の照明条件を第一の照明条件と第二の照明条件とに切り換える切換機構を備える。そして、この照明条件を切り換えることにより前記計測条件を第一の計測条件と第二の計測条件とに切り換える。
特に、球面収差を計測する場合、前記計測条件は、前記原版側マーク及び基板側マークの少なくとも一方のマーク形状又は寸法であってもよい。前記原版側マークと基板側マークの少なくとも一方を変更することにより前記計測条件を変更することができる。
また、計測の対象が球面収差である場合、前記検出される位置合わせ状態は、前記投影光学系のベストフォーカス位置とすることが好ましい。一方、計測の対象がコマ収差である場合、前記検出される位置合わせ状態は、前記検出される位置合わせ状態は、前記投影光学系による所定のデフォーカス状態におけるマーク位置のシフト量とすることが好ましい。
また、前記計測条件のうち少なくとも1つの計測条件での前記位置合わせ状態の情報は予め記憶しておき、この位置合わせ状態との比較で、収差を検出するようにしても良い。この場合、予め記憶する計測条件は、前記収差の影響を受けない計測条件であることが好ましい。
さらに、前記投影光学系の収差調整を行う為に、上述のようにして算出された投影光学系の球面収差量に基づいて、前記球面収差調整用光学部材を自動で動かすことのできる駆動機構を備えることが好ましい。
半導体製造用の露光装置について説明すると、照明光学系からの露光光がレチクルステージ上のレチクル基準プレート上、若しくはレチクル上に構成されたレチクル上マーク(原版側マーク)を通る。該レチクル上マークを透過した光は投影光学系を通りウエハステージ上のステージ基準プレート上またはウエハ上に構成されたウエハ上マーク(基板側マーク)に到達する。該ウエハ上マークに到達した光は該マークを透過し、該ステージ基準プレート内に構成された光電子変換素子で検出されることでレチクルステージとウエハステージの位置合わせが行われる。本露光装置は、前記照明光学系の異なる照明条件における該位置検出装置でのフォーカスずれやシフトずれに基づいて、前記投影光学系の球面収差とコマ収差を分離して計測・調整することを特徴とした投影露光装置である。
本実施形態では、露光装置上で投影光学系の収差を調整する際に球面収差とコマ収差を分離して調整することを特徴とする。具体的には、前記照明光学系の異なる照明条件での前記位置検出装置のフォーカスずれを基に前記投影光学系の球面収差を計測し、シフトずれを基に前記投影光学系のコマ収差を計測することを特徴とする。
また本実施形態では、常に収差が調整された結像性能の良い投影光学系を実現することができ、高集積度のデバイスを容易に製造することが可能な投影露光装置を提供することができる。
以下、本発明を半導体露光装置内の投影光学系への適用例について図面を参照しながら説明する。投影光学系の球面収差を計測する実施例を実施例1及び2として、コマ収差を計測する実施例を実施例3として示す。
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例に係る露光装置の概略の構成を示す。
図1の露光装置は、レチクル1を支持するレチクルステージ2と、ウエハ3を支持するウエハステージ4と、レチクルステージ2に支持されているレチクル1を露光光で照明する照明光学系5とを備えている。さらに、露光光で照明されたレチクル1のレチクルパターン像をウエハステージ4に支持されたウエハ3に投影露光する投影光学系6と、露光装置全体の動作を統括制御する制御装置(不図示)とを備えている。
本実施例では、露光装置としてレチクル1とウエハ3とを走査方向に互いに同期移動しつつレチクル1に形成されたレチクルパターンをウエハ3に露光する走査型露光装置(スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。勿論、本発明はレチクル1を固定しレチクルパターンをウエハ3にステップアンドリピート方式で露光するタイプの露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
以下の説明においては、投影光学系6の光軸と一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でレチクル1とウエハ3との同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をX軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
レチクル1上の所定の照明領域は照明光学系5により均一な照度分布の露光光で照明される。照明光学系5内には照明条件の切換を行うことのできる照明絞り(不図示)が構成されており、状況に応じて照明条件の切換を行うことができる。照明光学系5から射出される露光光としては、これまで主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレーザが用いられるようになり、さらに短波長のArFエキシマレーザやFレーザの実用化が進められている。また今後は、より微細な半導体素子等を製造するために、露光光として波長が数nm〜百nmの極端紫外光(Extreme Ultra Violet:EUV光)を使用した露光装置の開発も行われつつある。
レチクルステージ2は、レチクル1を支持するものであって、投影光学系6の光軸に垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能であり、かつθZ方向に微小回転可能である。レチクルステージ2は最低1軸駆動でも良いが、6軸駆動であることが好ましい。レチクルステージ2はリニアモータ等のレチクルステージ駆動装置(不図示)により駆動され、レチクルステージ駆動装置は前記制御装置により制御される。
レチクルステージ2上にはレチクルステージ上ミラー7が設けられている。また、該ミラー7に対向する位置にはレチクルステージ上ミラー計測用XY方向用レーザ干渉計9が設けられている。レチクルステージ2上のレチクル1の2次元方向の位置、及び回転角は該レーザ干渉計9によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置に出力される。制御装置は該レーザ干渉計9の計測結果に基づいてレチクルステージ駆動装置を駆動することでレチクルステージ2に支持されているレチクル1の位置決めを行う。
投影光学系6は、レチクル1のレチクルパターンを所定の投影倍率βでウエハ3に投影露光するものであって、複数の光学素子で構成されている。本実施形態において、投影光学系6は、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小投影系である。
ウエハステージ4はウエハ3を支持するものであって、ウエハ3をウエハチャックを通して保持するZステージと、Zステージを支持するXYステージと、XYステージを支持するベースとを備えている。ウエハステージ4はリニアモータ等のウエハステージ駆動装置(不図示)により駆動される。ウエハステージ駆動装置は制御装置により制御される。
また、ウエハステージ4上にはウエハステージ4とともに移動するウエハステージ上ミラー8が設けられている。そして、該ミラー8に対向する位置にはウエハステージ上ミラー計測用XY方向用レーザ干渉計10とウエハステージ上ミラー計測用Z方向用レーザ干渉計12が設けられている。ウエハステージ4のXY方向の位置、及びθZはレーザ干渉計10によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置に出力される。また、ウエハステージ4のZ方向の位置、及びθX、θYについては該レーザ干渉計12によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置に出力される。これら該レーザ干渉計10、12の計測結果に基づいてウエハステージ駆動装置を通してXYZステージを駆動することでウエハ3のXYZ方向における位置を調整し、ウエハステージ4に支持されているウエハ3の位置決めを行う。
レチクルとウエハの位置合わせは、レチクルマーク(不図示)とレチクルアライメント検出用基準マーク17(図2)の位置を相対的に合わせることで行う。不図示のレチクルマークは、レチクル1上もしくはレチクルステージ2上のレチクル基準プレート13上に構成されている。レチクルアライメント検出用基準マーク17は、ウエハステージ4上のステージ基準プレート11上にある。具体的には、照明光学系5を通過した露光光が投影光学系6を通してレチクルマーク(不図示)とレチクルアライメント検出用基準マーク17を照射し、レチクルアライメント検出用基準マーク17からの透過光をレチクルアライメント検出系14により検出する。レチクルアライメント検出系14はレチクルアライメント検出用基準マーク17からの透過光を検出するための光量センサなどを搭載している。この時、ウエハステージ4をX方向(もしくはY方向)とZ方向に駆動させながら透過光の光量を測定する。そして、レチクル1上またはレチクルステージ2上のレチクル基準プレート13上に構成されたレチクルマーク(不図示)とレチクルアライメント検出用基準マーク17の位置及びフォーカスを合わせることができる。
図9はウエハステージをX方向(もしくはY方向)及びZ方向に駆動させたときのポジションを横軸に取り、各ポジションでの透過光の光量を縦軸に取ったものである。レチクルとウエハの位置合わせには、まず、図9のようなポジションに対する光量のデータを取り、該データを関数フィッティングや重心処理等によって得られる光量が最大となるポジション位置を、レチクルとウエハの位置が合ったポジションとする。この時のZ方向のポジションのことを投影光学系6のベストフォーカス位置と定義する。
図1及び図2を参照して、ウエハステージ4の1つのコーナにあるステージ基準プレート11は、ウエハ3表面とほぼ同じ高さに設置されている。そして、ウエハアライメント検出系16が検出するウエハアライメント検出用基準マーク18とレチクルアライメント検出系14が検出するレチクルアライメント検出用基準マーク17とを備えている。
なお、ステージ基準プレート11はウエハステージ4の複数のコーナに配置されていても良いし、1つのステージ基準プレート11が複数のレチクルアライメント検出用基準マーク17及びウエハアライメント検出用基準マーク18を含んでいても良い。またレチクルアライメント検出用基準マーク17とウエハアライメント検出用基準マーク18との位置関係(XY方向)は既知であるとする。このレチクルアライメント検出用基準マーク17とウエハアライメント検出用基準マーク18は共通のマークであっても良いとする。
フォーカス検出系15は検出光をウエハ3表面に投射する投射系とそのウエハ3からの反射光を受光する受光系とを備えており、フォーカス検出系15の検出結果は制御装置に出力される。制御装置は、フォーカス検出系15の検出結果に基づいてZステージを駆動し、Zステージに保持されているウエハ3のZ軸方向における位置(フォーカス位置)及び傾斜角を調整することが可能である。
ウエハアライメント検出系16は検出光をウエハ3上のウエハアライメントマーク19やステージ基準プレート11上のウエハアライメント検出用基準マーク18に投射する投射系と該マークからの反射光を受光する受光系を備えている。ウエハアライメント検出系16の検出結果は制御装置に出力される。制御装置は、ウエハアライメント検出系16の検出結果に基づいてウエハステージ4をXY方向に駆動することで、ウエハステージ4に保持されているウエハ3のXY方向における位置を調整することが可能である。
次に、投影光学系の球面収差の計測手法について説明する。本実施例では複数の照明条件において投影光学系6のベストフォーカス位置(結像位置)を計測することで、投影光学系の球面収差を計測することができる。
まず投影光学系の球面収差とベストフォーカス位置の関係の一例について、各照明条件ごとに説明する。図3は2つの異なる照明条件における、投影光学系の球面収差に対するベストフォーカス位置の変化を表したものである。図3の点線20は照明光学系5内の照明絞り値σが0.3の時のデータであり、球面収差量に対してベストフォーカス位置が一次的に変化している様子が分かる。それに対し図3中の実線21は照明光学系5内の照明絞りが、図10のような中心に遮光部がある輪帯絞りの時のデータであり、このときは球面収差量に対してベストフォーカス位置は一定であることが分かる。つまり投影光学系の球面収差に対してベストフォーカス位置が一次的に変化する球面収差に対して敏感な照明条件(図3中の点線20)と、ベストフォーカス位置が一定な、球面収差に対して鈍感な照明条件(図3中の実線21)が存在することがわかる。勿論、球面収差が全く存在しない理想的な投影光学系であれば、図3中の22に示したように照明条件によらずベストフォーカス位置は同じ位置となる。また投影光学系のベストフォーカス位置はコマ収差によって変化することはない為、図3中の点線20と実線21の関係は投影光学系のコマ収差量には依存しない。
通常、露光装置内に搭載される投影光学系は、製造段階で干渉計を用いて波面収差を求め該光学系の収差を調整しているが、製造段階で投影光学系の波面収差を高精度に調整したとしても、露光装置に搭載時には収差が変化していることもある。また近年のデバイスの微細化要求においては、露光の際に発生する熱や外部環境(地震など)の影響で投影光学系の収差が経時変化することが問題となっていた。例えば露光装置搭載直後には図3の22のような投影光学系の球面収差量が、経時変化によって図3の23のような球面収差量にまで変化することが考えられる。以上のような経緯から、露光装置上で投影光学系の収差を簡易に計測、調整する手法の確立が求められていた。
上記のように経時変化によって投影光学系の球面収差が発生したとしても、投影光学系の球面収差を計測することができる。それは、球面収差に対してベストフォーカス位置が常に一定な照明条件でのベストフォーカス位置を基準とし、球面収差に対してベストフォーカス位置が一次的に変化する球面収差計測用の照明条件でのベストフォーカス位置との差分から計測する。例えば、投影光学系が図3中の23に示すような球面収差量になっていたとする。すると、実線21のような基準となる照明条件でのベストフォーカス位置と点線20のような球面収差計測用の照明条件でのベストフォーカス位置から、ベストフォーカス位置の差分24を求めることができる。このとき、図3に示すような各照明条件での球面収差におけるベストフォーカス位置の変化のデータを予め取得しておくことで、差分24に対応する球面収差量を求めることが可能となる。露光装置上で球面収差量が求まれば、該球面収差量を基準として投影光学系の収差調整をすることで、より高精度、高集積度なデバイスの生産が可能となる。
上述のように、投影光学系の球面収差によりベストフォーカス位置が異なる2つの計測条件でベストフォーカス位置を計測することにより球面収差を求める。計測条件とは例えば照明条件である。ここで、第1の照明条件は、投影光学系の球面収差に対してベストフォーカス位置が常に一定な基準となる照明条件(以下、基準照明条件)である。第2の照明条件は、投影光学系の球面収差に対してベストフォーカス位置が一次的に変化する球面収差計測用の照明条件(以下、球面収差計測用照明条件)である。これら2つの照明条件において計測された2つのベストフォーカス位置と差分から該光学系の球面収差を求めることで該光学系の球面収差を調整し、常に露光装置上で理想的な投影光学系の状態を保つことができる。
本実施例の投影光学系の球面収差計測手法のシーケンスについて図4のフローチャートを用いて説明する。
まず初めに図4の201に示したように、投影光学系の各照明条件(基準照明条件と球面収差計測用照明条件を含む)での球面収差におけるベストフォーカス位置のデータを取得する。このとき投影光学系の球面収差は露光装置内に搭載した球面収差調整機構を動かすことによって、各球面収差量でのベストフォーカス位置のデータを取得する。このように予め、図3の点線20と実線21に対応する球面収差に対するベストフォーカス位置のデータを取得しておく。
次に投影光学系の球面収差を計測したい時に、基準照明条件でのベストフォーカス位置を計測し(202)、さらに球面収差計測用照明条件でのベストフォーカス位置を計測する(203)。この202と203の順序は逆でも良いし該基準マークの高さが保証されている場合は、202の基準照明条件でのベストフォーカス位置は球面収差に対して不変となるので、計測しなくても良い。次に、203で計測した球面収差計測用照明条件でのベストフォーカス位置と、202で計測した基準照明条件でのベストフォーカス位置かもしくは201で求めている基準照明条件でのベストフォーカス位置から、ベストフォーカス位置の差分を求める(204)。これによって図3の差分24に対応するデータが分かる。次に204で求めたベストフォーカス位置の差分に対応する球面収差量を、201で取得した各照明条件での球面収差におけるベストフォーカス位置のデータから求める(205)。これによって図3の差分24に対応する球面収差量は23、というように投影光学系の球面収差量を求めることができる。そして最後に205で求めた該光学系の球面収差をもとに、投影光学系の調整を行う(206)。
上述の説明に用いた図3の点線20の照明条件は照明σ値が0.3で、実線21の照明条件は輪帯の照明条件であるとしたが、本発明は当然これらの照明条件に限定されるものではない。投影光学系の球面収差量に対して図3に示した24のような差分が生じる照明条件であれば、どのような照明σ値又は輪帯比の照明条件でも良い。
本実施例では、レチクルアライメント検出用基準マーク17からの透過光を検出する透過型のレチクルアライメント検出系14を用いて本発明について説明した。勿論、本発明は投影光学系の球面収差とコマ収差を分離して計測できるのであれば、検出系の形態には依存しない。図13に示したような反射型のレチクルアライメント検出系33を使用しても良い。この反射型のレチクルアライメント検出系33は実際にウエハ3を露光する光源と同一の光源を用いる。そして、投影光学系6を通してレチクル1上もしくはレチクルステージ2上のレチクル基準プレート13上に構成されたレチクルマーク(不図示)とウエハステージ上のステージ基準プレート11上にあるレチクルアライメント検出用基準マーク17を照射する。また、その反射光を検出する為の光電変換素子(例えばCCDカメラなど)を搭載している。
[実施例2]
上述の説明では照明光学系5内の照明絞り(不図示)の切換により、異なる2つの照明条件でのベストフォーカス位置の差分から球面収差を求める手法を説明した。しかし、本発明は図3の点線20と実線21のように球面収差に対してベストフォーカス位置のずれを生じる計測条件であれば、照明条件の切換のみに限定されない。例えば照明光学系5内の照明絞り(不図示)は同じで(同じ照明条件で)、レチクル1上若しくはレチクル基準プレート13上に構成されたレチクルマーク(不図示)のピッチを異ならせてもよい。この場合、ピッチが異なる2つの計測条件での球面収差に対するベストフォーカス位置のずれを利用する。
レチクルマークのピッチ差の異なる2つの計測条件を用いた球面収差計測について、以下に図5を用いて説明する。図5に25で示したライン&スペースマークはレチクル1上若しくはレチクル基準プレート13上に構成されたレチクルマークを示しており、レチクルアライメント検出用基準マーク17と同じピッチ間隔でライン&スペースが配置されている。
例えば照明光学系5内の照明絞りをσ値0.3として、このレチクルマーク25を用いて球面収差に対するベストフォーカス位置のずれを計測すると、図3の点線20のようなデータを得ることができる。それに対して同じ照明条件(σ値0.3)のまま、レチクルマーク25のピッチ間隔よりもスペースの間隔が小さいレチクルマーク26を用いれば、球面収差に対するベストフォーカス位置のずれは図3の実線21のようなデータとなる。つまり照明光学系5内の照明絞り(不図示)は固定で同一の照明条件でも、異なるレチクルマークを用いることで投影光学系の球面収差計測が可能となる。このレチクルマークのピッチ差を利用して投影光学系の収差計測を行う場合、図5のレチクルマーク25が図4で言う球面収差計測用照明条件に相当し、レチクルマーク26が基準照明条件に相当する。
上述の説明では、照明条件とウエハ上マークを固定でレチクルマークのピッチの異なる2つのマークを用いた。しかし、照明条件とレチクルマークを固定しレチクルアライメント検出用基準マーク17のピッチを変えることで2つの異なる計測条件としても良い。
[実施例1及び2の変形例]
上述のようにして計測された投影光学系の球面収差を調整する際には、投影光学系の球面収差調整機構に駆動装置(不図示)を備えつけることで自動調整を行うことも可能である。上記の駆動装置を搭載した投影光学系の自動球面収差調整システムは露光装置の定期メンテナンス時や装置に不具合が発生した時に行うと良い。
上述のようにして投影光学系の球面収差が検出された場合、実際にパターンを露光、現像し、パターンシフトや形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で計測して収差量を類推する手法等でより高精度に投影光学系の収差計測、調整してもよい。これは、本発明による投影光学系の球面収差計測法を投影光学系の収差検出用に使い、該計測値がある閾値を超えたときのみ、パターン焼きを行い投影光学系の収差を調整する手法である。
[実施例3]
実施例1では2つの異なる計測条件での投影光学系の球面収差の調整について説明した。本実施例では2つの異なる照明条件での投影光学系のコマ収差の調整について説明する。以下、本発明の半導体露光装置内の投影光学系への適用について図面を参照しながら説明する。本発明の説明には図1のような露光装置を用いる。
まず投影光学系のコマ収差とシフト位置の関係について、各照明条件ごとに説明する。図6は投影光学系のベストフォーカス位置における、2つの異なる照明条件での投影光学系のコマ収差に対するシフト位置の変化を表したものである。図6の実線27は照明光学系5内の照明絞り(不図示)が輪帯絞りの時のデータであり、このときコマ収差に対してシフト位置は一定であることが分かる。また図6の点線28は照明光学系5内の照明σ値が0.3の時のデータであり、このときもコマ収差に対してシフト位置は一定となっていることが分かる。つまり図6のような投影光学系のベストフォーカス位置における2つの異なる照明条件では、コマ収差に対するシフト差が発生しない為(若しくは発生してもシフト差が小さい為)、このままではシフト差から投影光学系のコマ収差を計測できないことになる。
次に、投影光学系のベストフォーカス位置からデフォーカスしたフォーカスポジション(以下、コマ収差計測用デフォーカス位置と呼ぶ)でのコマ収差に対するシフト位置の変化について考える。図7の点線29は投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置での照明σ値0.3の時のコマ収差に対するシフト位置の変化を示したもの、つまり、図6の点線28のデフォーカス版である。図7の点線29を見ると、コマ収差に対してシフトずれが発生しており、実線27とのシフト差分から投影光学系のコマ収差を求めることが可能となる。つまり、投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置では、投影光学系のコマ収差に対してシフト位置が一次的に変化する、コマ収差に対して敏感な照明条件(図7中の点線29)が存在することが分かる。本実施例では、投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置でのコマ収差に対してシフト敏感度を持つ照明条件と、この照明条件とは異なりコマ収差に対してシフト敏感度を持たない照明条件でのシフト差分から、投影光学系のコマ収差を求める。図7中の30は、コマ収差が調整されているポイントである。
通常、露光装置内に搭載される投影光学系は、製造段階で干渉計を用いて波面収差を求め該光学系の収差を調整しているが、製造段階で投影光学系の波面収差を高精度に調整したとしても、露光装置に搭載時には収差が変化していることもある。また近年のデバイスの微細化要求においては、露光の際に発生する熱や外部環境(地震など)の影響で投影光学系の収差が経時変化することが問題となっていた。以上のような経緯から、露光装置上での投影光学系の収差計測手法の確立が求められていた。
上記のように経時変化によって投影光学系のコマ収差が発生したとしても、コマ収差に対してシフト位置が常に一定な照明条件でのシフト位置を基準とする。そして、コマ収差に対してシフト位置が一次的に変化するコマ収差計測用の照明条件でのシフト位置との差分から、投影光学系のコマ収差を計測することができる。本実施例は、この際の、コマ収差に対してシフト位置が一次的に変化するコマ収差計測用の照明条件とは、投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置での計測であることを特徴とする。例えば、投影光学系が図7中の31に示すようなコマ収差量になっていたとすると、実線27のような基準となる照明条件でのシフト位置と点線29のようなコマ収差計測用の照明条件でのシフト位置から、シフト位置の差分32を求めることができる。このとき、図7に示すような各照明条件でのコマ収差におけるシフト位置の変化のデータを予め取得しておくことで、差分32に対応するコマ収差量を求めることが可能となる。露光装置上でコマ収差が求まれば、該コマ収差を基準として投影光学系の収差調整をすることで、より高精度・高集積度なデバイスの生産が可能となる。
上述のように、2種類の照明条件における2つのシフト位置の差分から該光学系のコマ収差を求めることで、該光学系のコマ収差を調整し、常に露光装置上で理想的な投影光学系の状態を保つことができる。ここで、第1の照明条件は、投影光学系のコマ収差に対してシフト位置が常に一定な基準となる照明条件(以下、基準照明条件)である。又、第2の照明条件は、コマ収差に対してシフト位置が一次的に変化するコマ収差計測用の照明条件(以下、コマ収差計測用照明条件)である。
本実施例の投影光学系のコマ収差計測手法のシーケンスについて図8のフローチャートを用いて説明する。なおコマ収差計測用照明条件でのコマ収差に対するシフト位置の変化のデータは、投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置で取得することを特徴とする。
まず初めに図8の301に示したように投影光学系のベストフォーカス位置で、基準照明条件でのコマ収差に対するシフト位置のデータを取得する。次に投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置で、コマ収差計測用照明条件でのコマ収差に対するシフト位置のデータを取得する(302)。これによって図8の実線27と点線29に対応するデータを取得することができる。この301と302の順序は逆でも良い。次に投影光学系のベストフォーカス位置で、基準照明条件でのシフト位置を計測し(303)、さらに投影光学系のコマ収差計測用デフォーカス位置で、コマ収差計測用照明条件でのシフト位置を計測する(304)。この303と304の順序は逆でも良いし、303の基準照明条件でのシフト位置はコマ収差に対して不変であるから、計測しなくても良い。
次に、304で計測したコマ収差計測用照明条件でのシフト位置と、303で計測した基準照明条件でのシフト位置かもしくは301で求めている基準照明条件でのシフト位置から、シフト位置の差分を求める(305)。これによって図7の差分32に対応するシフト差分量が分かる。次に305で求めた差分に対応するコマ収差量を、301、302で取得した2つの異なる照明条件でのコマ収差におけるシフト位置のデータから求める(306)。これによって図7の差分32に対応するコマ収差量は31、というように投影光学系のコマ収差量を求めることができる。そして最後に306で求めた該光学系のコマ収差をもとに、投影光学系の調整を行う(307)。
上述の説明に用いた図7の点線29の照明条件は照明σ値0.3で、実線27の照明条件は輪帯の照明条件であるとしたが、本発明は当然これらの照明条件に限定されるものではない。投影光学系のコマ収差量に対して図7に示した32のような差分が生じる照明条件であれば、どのような照明σ値又は輪帯比の照明条件でも良い。
以上の説明では、レチクルアライメント検出用基準マーク17からの透過光を検出する透過型のレチクルアライメント検出系14を用いて本発明について説明した。しかし、勿論、本発明は投影光学系の球面収差とコマ収差を分離して計測できるのであれば、検出系の形態には依存しない。図13に示したような反射型のレチクルアライメント検出系33を使用しても良い。この反射型のレチクルアライメント検出系33は実際にウエハ3を露光する光源と同一の光源を用いる。そして、投影光学系6を通してレチクル1上もしくはレチクルステージ2上のレチクル基準プレート13上に構成されたレチクルマーク(不図示)とウエハステージ上のステージ基準プレート11上にあるレチクルアライメント検出用基準マーク17を照射する。その反射光は、光電変換素子(例えばCCDカメラ)で検出される。
本発明で計測された投影光学系のコマ収差を調整するには、投影光学系のコマ収差調整機構に駆動装置(不図示)を備えつけることで自動調整を行うことも可能である。上記の駆動装置を搭載した投影光学系の自動コマ収差調整システムは露光装置の定期メンテナンス時や装置に不具合が発生した時に行うと良い。
本発明で投影光学系のコマ収差が検出された場合、実際にパターンを露光、現像し、パターンシフトや形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で計測することで収差量を類推する手法等で、より高精度に投影光学系の収差計測、調整を行ってもよい。これは、本発明による投影光学系のコマ収差計測法を投影光学系の収差検出用に使い、該計測値がある閾値を超えたときのみ、パターン焼きを行い投影光学系の収差を調整する手法である。
上述の実施例によれば、複数の異なる計測条件でのベストフォーカス位置または所定のデフォーカス位置のずれやシフトずれを計測する。これにより、投影光学系の球面収差やコマ収差を従来から露光装置に構成されている部品を用いて簡易な方法で計測し、投影光学系を調整することが可能となる。また上記技術を利用した投影露光装置では露光装置上で投影光学系の収差状態を計測、調整できる為に、該収差が電子回路パターン像に与える悪影響を極力少なくすることが可能であり、常に高解像度の電子回路パターン像を得ることが可能となる。
さらに、上記の技術によれば投影光学系の該収差測定にSEMなどの顕微鏡を使う必要がない為に、投影光学系の収差測定を誰でも容易に測定することが可能となる。また従来のSEMなどの顕微鏡での計測と比べ、計測時間が大幅に改善されると共に露光装置上での投影光学系の自動収差計測、自動調整といった自動化が容易に達成され、常に安定的に高解像度のデバイスを生産することが可能となる。
[デバイス製造方法の実施例]
次に、図11および図12を参照して、上述の投影露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図11は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスク(原版またはレチクルともいう)を製作する。ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組立)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図12は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
1 レチクル
2 レチクルステージ
3 ウエハ
4 ウエハステージ
5 照明光学系
6 投影光学系
7 レチクルステージ上ミラー
8 ウエハステージ上ミラー
9 レチクルステージ上ミラー計測用XY方向用レーザ干渉計
10 ウエハステージ上ミラー計測用XY方向用レーザ干渉計
11 ステージ基準プレート
12 ウエハステージ上ミラー計測用Z方向用レーザ干渉計
13 レチクル基準プレート
14 透過型レチクルアライメント検出系
15 フォーカス検出系
16 ウエハアライメント検出系
17 レチクルアライメント検出用基準マーク
18 ウエハアライメント検出用基準マーク
19 ウエハアライメントマーク
20 照明σ0.3での球面収差に対するベストフォーカス位置の変化を表した線
21 輪帯照明での球面収差に対するベストフォーカス位置の変化を表した線
22 球面収差が調整されているポイント
23 球面収差が発生しているポイント
24 球面収差23での照明条件20と21でのベストフォーカス位置の差分
25 標準のレチクルマーク
26 球面収差に対してのベストフォーカス位置の変化が図3の点線20になるようなレチクルマーク
27 投影光学系のベストフォーカス位置での輪帯照明でのコマ収差に対するシフト位置の変化を表した線
28 投影光学系のベストフォーカス位置でのσ値0.3でのコマ収差に対するシフト位置の変化を表した線
29 投影光学系のベストフォーカス位置からデフォーカスしたフォーカスポイントでの、σ値0.3でのコマ収差に対するシフト位置の変化を表した線
30 コマ収差が調整されているポイント
31 コマ収差が発生しているポイント
32 コマ収差31での照明条件27と29でのシフト位置の差分
33 反射型レチクルアライメント検出系

Claims (7)

  1. 投影光学系の球面収差量及びコマ収差量を計測する計測方法であって、
    第1計測条件を用いて物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて像面側マーク上に投影し、前記投影光学系の光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第1フォーカス位置を計測し、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面内において前記像面側マークの位置を変えて前記面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記面内における前記物体面側マークの像の第1位置を計測する第1計測工程と、
    第2計測条件を用いて物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第2フォーカス位置を計測し、前記光軸に対して垂直な面内であって前記光軸の方向にデフォーカスしたデフォーカス面内において前記像面側マークの位置を変えて前記デフォーカス面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を検出することにより前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の第2位置を計測する第2計測工程と、
    前記第1フォーカス位置と前記第2フォーカス位置との差分から前記球面収差量を求める工程と
    前記第1位置と前記第2位置との差分から前記コマ収差量を求める工程とを有し、
    前記第1計測条件と前記第2計測条件とでは、前記物体面側マークを照明する照明条件が互いに異なる、又は、前記物体面側マークのピッチが互いに異なることを特徴とする計測方法。
  2. 前記第1計測条件は、前記投影光学系の光軸方向のフォーカス位置が球面収差量によって変化せず、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面内における前記物体面側マークの像の位置がコマ収差量によって変化しない条件であって、
    前記第2計測条件は、前記投影光学系の光軸方向のフォーカス位置が球面収差量によって変化し、前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の位置がコマ収差量によって変化する条件であることを特徴とする計測方法。
  3. 前記第1計測条件における前記投影光学系の光軸方向の前記第1フォーカス位置と、前記第2計測条件における前記投影光学系の光軸方向のフォーカス位置および前記球面収差量の関係と、を予め取得するステップを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の計測方法。
  4. 前記第2計測条件における、前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の位置とコマ収差量との関係を表すデータを予め取得するステップを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の計測方法。
  5. 前記第1計測条件と前記第2計測条件とでは、前記物体面側マークを照明する照明形状が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の計測方法。
  6. 投影光学系を用いて基板を露光する露光装置であって、
    物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて像面側マーク上に投影し、記像面側マークを透過した光を検出する検出器と、
    前記検出器による検出結果を用いて前記投影光学系の球面収差量及びコマ収差量を求める算出部とを有し、
    第1計測条件を用いて前記物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記投影光学系の光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第1フォーカス位置を計測し、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面内において前記像面側マークの位置を変えて前記面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記面内における前記物体面側マークの像の第1位置を計測し、
    第2計測条件を用いて前記物体面側マークを照明して前記物体面側マークの像を前記投影光学系を用いて前記像面側マーク上に投影し、前記光軸方向の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記投影光学系の光軸方向の第2フォーカス位置を計測し、前記光軸に対して垂直な面内であって前記光軸の方向にデフォーカスしたデフォーカス面内において前記像面側マークの位置を変えて前記デフォーカス面内の複数の位置で前記像面側マークを透過した光を前記検出器を用いて検出することにより前記デフォーカス面内における前記物体面側マークの像の第2位置を計測し、
    前記算出部は、前記第1フォーカス位置と前記第2フォーカス位置との差分から前記球面収差量を求め、前記第1位置と前記第2位置との差分から前記コマ収差量を求め、
    前記第1計測条件と前記第2計測条件とでは、前記物体面側マークを照明する照明条件が互いに異なる、又は、前記物体面側マークのピッチが互いに異なることを特徴とする露光装置。
  7. 請求項に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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