JP5514708B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5514708B2
JP5514708B2 JP2010278388A JP2010278388A JP5514708B2 JP 5514708 B2 JP5514708 B2 JP 5514708B2 JP 2010278388 A JP2010278388 A JP 2010278388A JP 2010278388 A JP2010278388 A JP 2010278388A JP 5514708 B2 JP5514708 B2 JP 5514708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fixing
rotation speed
roller
control unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010278388A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012128102A (ja
Inventor
敏貴 佐藤
Original Assignee
株式会社沖データ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社沖データ filed Critical 株式会社沖データ
Priority to JP2010278388A priority Critical patent/JP5514708B2/ja
Priority to US13/298,638 priority patent/US9146509B2/en
Publication of JP2012128102A publication Critical patent/JP2012128102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5514708B2 publication Critical patent/JP5514708B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、転写されたトナー像を熱と圧力で用紙に定着させる定着器を備えた画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置は、印刷画像に対応したトナー像を転写部で用紙に転写させ、そのトナー像を定着ローラおよび加圧ローラの熱と圧力により用紙に定着する定着器を備え、その定着ローラおよび加圧ローラの温度差を縮めるため、非通紙時にそれぞれのローラの回転速度を変更し、定着器を通過する用紙のカールの発生を防止するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−316199号公報(段落「0040」〜段落「0048」、図6)
しかしながら、上述した従来の技術においては、加圧ローラの温度が上昇し過ぎると用紙へ与える熱量が過剰となり、トナー像が定着ローラに付着してしまう所謂ホットオフセットによる定着不良が発生するという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、用紙のカールを抑制するとともに定着不良の発生を抑制することを目的とする。
そのため、本発明は、用紙に熱を供給する定着手段と、前記定着手段に熱を供給する加熱手段と、前記定着手段に対向して配置され、用紙に圧力を与える加圧手段とを有する定着器を備えた画像形成装置において、前記定着手段の温度を検出する第1の温度検出手段と、前記加圧手段の温度を検出する第2の温度検出手段と、前記加熱手段で前記定着手段を設定温度に加熱する加熱制御手段と、前記加熱制御手段の設定温度を設定する温度設定手段と、前記定着手段の回転速度を変化させる回転速度制御手段とを備え、前記温度設定手段は、前記第2の温度検出手段の検出した温度に応じて前記定着手段の設定温度を第1の設定温度または第2の設定温度に設定し、前記回転速度制御手段は、前記定着手段を第1の設定温度または第2の設定温度に設定したことにより変動した、前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差に基づいて回転速度を制御し、前記回転速度制御手段は、前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差が大きいと回転速度を速くする制御を行うことを特徴とする。
このようにした本発明は、用紙のカールを抑制するとともに定着不良の発生を抑制することができるという効果が得られる。
第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図 第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図 第1の実施例における定着器の構成を示す概略斜視図 第1の実施例における定着器の構成を示す断面図 第1の実施例における印刷処理を示すフローチャート 第1の実施例における加圧ローラの温度と定着ローラの設定温度との関係を示すグラフ 第1の実施例における加圧ローラの上昇温度を示すグラフ 第1の実施例における定着ローラと加圧ローラとの温度差を示すグラフ 比較例の印刷動作を示すタイミングチャート 第1の実施例における印刷動作を示すタイミングチャート 第2の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図 第1の実施例における印刷用紙が奪う熱量が大きいときの定着動作を示すタイミングチャート 第2の実施例における印刷処理を示すフローチャート 第2の実施例における加圧ローラの上昇温度を示すグラフ 第2の実施例における上下温度差を示すグラフ 第2の実施例における印刷動作を示すタイミングチャート
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
図2において、1は画像形成装置であり、用紙トレイに収容された用紙を1枚ずつ分離して搬送する用紙搬送部4と、記録光露光部材としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド3と、記録光に応じたトナー像を形成するトナー像形成部5と、用紙上にトナー像を定着させる定着器6とからなる、例えば電子写真方式のプリンタ等である。
また、画像形成装置1は用紙搬送部4が形成する用紙搬送路上に、搬送される用紙の位置を検出する書き出しセンサ8および搬出センサ9を備え、用紙搬送路の用紙搬送方向における上流から順に、書き出しセンサ8、トナー像形成部5、加熱ローラ64および加圧ローラ63からなる定着器6、および排出センサ9が配置され、LEDヘッド3はトナー像形成部5に隣接して配置されている。
画像形成装置1は、図示しない印刷制御部が上位装置としてのホストコンピュータ等から印刷指示を受けると、用紙搬送部4により用紙を1枚ずつ画像形成のタイミングに合わせてトナー像形成部5へ搬送する。LEDヘッド3は受けた印刷指示の印刷情報に応じた記録光をトナー像形成部5へ照射し、トナー像形成部5は照射された記録光に応じたトナー像を搬送された用紙上に形成する。その後、トナー像が形成された用紙は用紙搬送部4により定着器6へ搬送されると、定着器6の加熱ローラ64および加圧ローラ63の熱と圧力により用紙上のトナー像がその用紙に定着され、トナー像が定着された用紙は用紙搬送部4により画像形成装置1の外へ排出される。
図1は第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成装置1は、印刷動作を制御する印刷制御部100と、記録光露光部材としてのLEDヘッド3と、記録光に応じたトナー像を形成するトナー像形成部5と、トナー像形成部5に電圧を印加するトナー像形成部電源7と、用紙を搬送する各ローラを回転させる用紙搬送モータ18と、用紙搬送モータ18に電力を供給するモータ電源17と、定着器6のローラを回転させる定着器モータ21と、定着器モータ21に電力を供給するモータ電源20と、搬送される用紙の位置を検出する書き出しセンサ8および排出センサ9と、図2に示す定着ローラ64を加熱する定着ヒータ61を内蔵する定着器6と、定着ヒータ61へ電力を供給するヒータ電源16と、定着器6の図2に示す定着部材としての定着ローラ64の温度を検知する定着ローラサーミスタ62と、図2に示す加圧部材としての加圧ローラ63の温度を検知する加圧ローラサーミスタ65とからなる。
印刷制御部100は、演算手段および制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)および記憶手段としてのメモリ等により構成され、モータ制御部101と、温度検知部102と、温度設定部103と、加熱制御部104とを内蔵し、画像形成装置1が行う印刷動作を制御する。なお、印刷制御部100は時間の経過を計測するタイマ等の計時手段を有している。
回転速度制御手段としてのモータ制御部101は、用紙搬送モータ18の動作を制御するために、モータ電源17から供給される電力と、定着器モータ21の動作を制御するためにモータ電源20から供給される電力とを制御する。用紙搬送モータ18には図2に示す用紙搬送部4の各ローラが接続され、また定着器モータ21には図2に示す定着ローラ64が接続されており、モータ制御部101は用紙搬送部の給紙ローラを含む各ローラおよび定着ローラの回転速度を変化させる制御を行うことができるようになっている。なお、以下の実施例では、回転速度を周速度として説明する。
温度検知部102は、定着ローラサーミスタ62より定着ローラの表面温度を検知し、また加圧ローラサーミスタ65より加圧ローラの表面温度を検知する。
温度設定手段としての温度設定部103は、画像形成装置1の動作条件に合わせて定着器6の最適な温度を選択し、設定する。
加熱制御手段としての加熱制御部104は、温度検知部102の温度検知結果に基づいて、定着器6を温度設定部103で選択された設定温度に加熱するためにヒータ電源16を制御する。したがって、加熱制御部104はヒータ電源16を制御することにより、定着器6の定着ローラの加熱制御を行うことができるようになっている。
印刷制御部100には、LEDヘッド3、トナー像形成部電源7、モータ電源17、モータ電源20、書き出しセンサ8、排出センサ9、定着ローラサーミスタ62、加圧ローラサーミスタ65、およびヒータ電源16が接続されている。また、トナー像形成部電源7とトナー像形成部5とが接続され、モータ電源17と用紙搬送モータ18とが接続され、モータ電源20と定着器モータ21とが接続され、ヒータ電源16と定着ヒータ61とが接続されている。
図3は第1の実施例における定着器の構成を示す概略斜視図である。
図3において、定着器6は、用紙に熱を供給し、またその用紙を搬送するための定着手段としての定着ローラ64と、定着ローラ64に熱を供給して加熱する加熱手段としての定着ヒータ61と、定着ローラ64の外周面に接触するように対向配置され、用紙に圧力を与える加圧手段としての加圧ローラ63と、定着ローラ64の表面温度を検出する第1の温度検出手段としての定着ローラサーミスタ62と、加圧ローラ63の表面温度を検出する第2の温度検出手段としての加圧ローラサーミスタ65とからなる。
なお、定着ローラ64は図中矢印Cが示す方向へ、加圧ローラ63は図中矢印Dが示す方向へ回転し、定着ローラ64と加圧ローラ63とにより用紙を挟持して搬送するとともに、熱と圧力で用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させる。
ここで、定着器6の定着ローラ64および加圧ローラ63の構成を図4に基づいて説明する。図4は第1の実施例における定着器の構成を示す断面図である。なお、図4(a)は定着ローラおよび加圧ローラの断面図であり、図4(b)は図4(a)におけるAA´断面図(定着器の長手方向における中央部の断面図)、図4(c)は図4(a)におけるBB´断面図(定着器の長手方向における端部の断面図)である。
図4において、定着器6は、定着ローラ64および加圧ローラ63を回転可能に支持する回転支持部材としてのボールベアリング66と、図示しない定着器モータからの駆動力を定着ローラ64へ伝達する駆動力伝達手段としてのギア67とを備えている。
定着ローラ64は、その外周面が加圧ローラ63の外周面と接触するように配置され、中空構造の内部に、定着ヒータ61が定着ローラ64の内側と非接触に配置されている。
図示しない定着ローラサーミスタ62は、定着ローラ64の外周面の表面に接触して配置されている。また、図示しない加圧ローラサーミスタ65は、加圧ローラ63の外周面の表面に接触して配置されている。
なお、定着ヒータ61は、定着ローラ64の内側に接触して配置されていても良い。また、図示しない定着ローラサーミスタ62および加圧ローラサーミスタ65は、それぞれ定着ローラ64および加圧ローラ63の外周面の表面に非接触として配置するようにしても良い。
ボールベアリング66は、定着ローラ64および加圧ローラ63の回転軸の両端に接続され、定着ローラ64および加圧ローラ63を回転可能に支持している。
ギア67は、定着ローラ64の回転軸の片側に端部に接続され、図示しない定着器モータからの駆動力を定着ローラ64の回転軸に伝達する。
定着ローラ64は、例えば外径が30mmの鉄製の素管によって構成されている基体としての芯金64aと、この芯金64aを被覆するシリコンゴム製の厚さ1mmの弾性層64bとにより構成されたものである。基体としての芯金64aは、その両端でボールベアリング66を介して回転可能に支持部材に支持されており、さらにその片側に駆動力伝達機構としてのギア67を備えている。
このギア67が、図示しない定着器モータからの駆動力により回転駆動されることで定着ローラ64は回転駆動される。
加圧ローラ63は、ばね等の図示しない弾性体により、定着ローラ64に押圧する向きに付勢され、加圧ローラ63の外周面は定着ローラ64の外周面に押圧され、これにより加圧ローラ63と定着ローラ64との間で当接領域(ニップ部)を形成している。
加圧ローラ63の回転軸63aは、その両端でボールベアリング66を介して回転可能に支持部材に支持されている。
図3の説明に戻り、定着ローラサーミスタ62および加圧ローラサーミスタ65は、温度に応じて自身の抵抗値が変化する素子であり、図1に示す印刷制御部100の温度検知部102はその抵抗値を検知することにより、定着ローラサーミスタ62および加圧ローラサーミスタ65の温度を検知することができるようになっている。
ここで、定着ローラサーミスタ62は定着ローラ64の外周面の表面に接触しており、同様に加圧ローラサーミスタ65は加圧ローラ63の外周面の表面に接触しているため、図1に示す温度検知部102は、定着ローラ64および加圧ローラ63の温度を検知することができるようになっている。
なお、本実施例では、定着ローラサーミスタ62および加圧ローラサーミスタ65は、温度の上昇に伴って抵抗値が減少する素子を用いている。
定着ヒータ61は、商用電源からの電力を供給するとそれに応じて発熱する発熱体であり、例えばハロゲンヒータである。この定着ヒータ61へ印加される電圧は、例えば100Vであり、定着ヒータ61の出力は、例えば800Wとする。
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置の動作の概略を図1に基づいて図2および図3を参照しながら説明する。
印刷制御部100が上位装置等から印刷指示を受けると、モータ制御部101は定着器モータ21によりギアを介して定着ローラ64を回転させる。
次に、印刷制御部100は、定着器6の定着ローラサーミスタ62で検知した温度が、予め決定しておいた印刷可能温度範囲内であるか否かを判定し、その範囲内であれば用紙の搬送を開始する。
ここで、印刷可能温度範囲とは、用紙へトナーを定着させることができる定着ローラ64の温度の下限温度から上限温度までの範囲であり、下限温度をT1、上限温度をT2とすると、その下限温度T1は、例えば175℃であり、上限温度T2は、例えば205℃である。
定着ローラサーミスタ62で検知した温度が上限温度T2よりも高い温度であった場合、加熱制御部104は、ヒータ電源16からヒータ61への電力供給を停止し、定着ローラ64の温度を低下させるクールダウンを行う。
一方、定着ローラサーミスタ62で検知した温度が下限温度T1よりも低い温度であった場合、加熱制御部104は、ヒータ電源16からヒータ61へ電力供給を行い、定着ローラ64の温度を上昇させるウォームアップを行う。
印刷制御部100は、上述したクールダウンまたはウォームアップを行った後、定着器6の定着ローラサーミスタ62で検知した温度が、予め決定しておいた印刷可能温度範囲内になると用紙の搬送を開始する。
印刷制御部100は、画像形成のタイミングに合わせてモータ電源17から用紙搬送モータ18へ電力を供給することにより、用紙搬送部4による用紙搬送を開始し、同時にモータ電源20から定着器モータ21へ電力を供給することにより、定着器6の定着ローラ64の回転を開始し、用紙をトナー像形成部5へ搬送する。
LEDヘッド3は、印刷指示の印刷情報に応じた記録光をトナー像形成部5へ照射し、トナー像形成部5は照射された記録光に応じたトナー像を用紙上に形成する。
その後、用紙搬送部4によって定着器6へ用紙が搬送されると定着器6の熱および圧力により用紙上のトナー像が定着され、トナー像が定着された用紙は画像形成装置1の外へ排出される。
上記の動作は、印刷指示が用紙1枚の場合について説明したが、実際にはより多くの枚数を連続して印刷することが多く、その場合、1枚目の用紙を給紙した後に用紙の搬送位置を常にセンサにより監視し、1枚目の用紙後端から所定の距離(間隔)をあけてから次の2枚目の用紙の給紙を開始する。
このように、前の用紙の後端から所定距離をあけて次の用紙の給紙を開始することを継続することにより、同一の用紙間距離(以下、「紙間」という。)を保持して通紙が行われることとなる。
紙間では、用紙が存在しないことにより印刷処理、画像形成処理は行われないため、紙間はより短い方が所定時間内に印刷される用紙の枚数が増えることにより、スループット、生産性(所定時間内に印刷される用紙の枚数)が増加する。しかし、この紙間は、用紙搬送の精度や画像形成の位置精度の制約から所定の距離とされており、例えば60mmである。
このようにして、印刷制御部100が、定着部材である定着ベルト64の温度を印刷可能温度範囲内に制御することにより、用紙に適切な熱を与え、印刷品位の低下を防止している。
次に、印刷制御部が行う印刷処理を図5の第1の実施例における印刷処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1、図2および図3を参照しながら詳細に説明する。
S101:印刷制御部100は、図示しない上位装置から印刷指示としての印刷要求の受信を待機し、印刷要求の発生を検知すると処理をS102へ移行し、印刷開始処理を行う。
S102:印刷要求の発生を検知した印刷制御部100は、定着器6が印刷可能な状態か否かを確認する。
まず、印刷制御部100は、温度検知部102により定着ローラ64の温度および加圧ローラ63の温度を取得する。ここで、取得した定着ローラ64の温度をTup、加圧ローラ63の温度をTlwとする。
S103:印刷制御部100は、取得した定着ローラ64の温度Tup、加圧ローラ63の温度Tlwから現在の定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差(以下、「上下温度差」ともいう。)ΔT=温度Tup−温度Tlwを算出する。
S104:温度設定部103は、定着ローラ64の設定温度Tsp=TpA×(加圧ローラ63の温度Tlw−α)を算出する。
ここで、Tp〔℃〕は、加圧ローラ63の温度がα〔℃〕のときにトナー像の定着性が良好となる定着ローラ64の温度であり、またα〔℃〕は加圧ローラ63の所定の温度であり、さらに係数Aは最適な設定温度を算出するための係数である。このTp〔℃〕、α〔℃〕および係数Aの数値は実験から求められる数値であり、例えば、Tp=170℃、α=120℃、係数A=0.25である。
したがって、加圧ローラ63の温度Tlwが140℃の場合、定着ローラ64の設定温度Tsp=1700.25×(140−120)=15℃となる。
ここで、加圧ローラ63の温度Tlwと定着ローラ64の設定温度Tspとの関係を図6に基づいて説明する。
連続的にトナー像を用紙に定着させる場合、用紙が加圧ローラ63から奪う熱量が増加するため、加圧ローラ63の温度Tlwが低下する。用紙にトナー像を良好に定着させるためには所定の熱量が必要であり、加圧ローラ63の温度Tlwが低下した場合は、その低下した温度を補うため定着ローラ64の設定温度Tspを高く設定する。
一方、図示しない上位装置の処理等に時間がかかり、用紙にトナー像を定着させず、定着ローラ64と加圧ローラ63とを継続して回転させて上位装置の処理の完了を待つ状態が長く続くと、加圧ローラ63は定着ローラ64からより多くの熱量を受けるため温度Tlwが上昇する。加圧ローラ63の温度Tlwが上昇すると用紙へ与える熱量が過剰となるため、定着ローラ64の設定温度Tspを低く設定する。
したがって、図6に示すように、定着ローラ64の設定温度Tsp=TpA×(加圧ローラ63の温度Tlw−α)の関係を満たすように、定着ローラ64の設定温度Tspを設定する。
S105:加熱制御部104は、定着ローラ64の温度が温度設定部103で決定された設定温度Tspとなるように定着ヒータ61の制御を行う。
なお、上述したS102〜S105の処理は以降の処理においても行われるため、説明の便宜上まとめて定着器温度制御処理と呼ぶこととする。
S106:モータ制御部101は、S103において算出した定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTに応じて最適な定着ローラ64の回転速度であるVmotを以下の式を用いて算出する。
回転速度Vmot=V0+B×(温度差ΔT−β)〔mm/s〕
ここで、V0〔mm/s〕は定着時の回転速度であり、β〔℃〕は回転速度V0の時に用紙のカールが最適となる定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差であり、比例定数としての係数Bは現在の定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差から紙間終了時にβまで定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差を変化させるのに必要な回転速度と温度差との関係を示す係数である。
V0〔mm/s〕、Bおよびβ〔℃〕の数値は実験から求められるものであり、例えば、V0=140、B=1.2、β=60であり、回転速度Vmot=140+1.2×(温度差ΔT−60)〔mm/s〕となる。
したがって、定着ローラ64の温度Tupが170℃、加圧ローラ63の温度Tlwが80℃の場合、温度差ΔT=90となり、回転速度Vmot=140+1.2×(90−60)=176〔mm/s〕となる。
ここで、定着ローラ64の回転速度と加圧ローラ63の温度変化の関係について図7に基づいて説明する。図7は第1の実施例における加圧ローラの上昇温度を示すグラフであり、定着ローラ64の回転速度を変えたときの定着ローラ64の回転経過時間(横軸)と加圧ローラ63の上昇温度(縦軸)の関係を示している。
図7に示すように、同一の定着ローラ64の回転経過時間(例えば、図中に示した通常紙間時)で比較すると、定着ローラ64の高速回転時(回転速度=V0+ΔV)の方が、通常速度回転時(回転速度=V0)より加圧ローラ63の温度が上昇、すなわち回転速度が速い方が、より加圧ローラ63の温度が上昇していることがわかる。
これは、定着ローラ64の回転速度が速くなることで、温度の高い定着ローラ64と温度の低い加圧ローラ63とが接触する頻度が高まり、その結果定着ローラ64の熱が、より頻繁に加圧ローラ63へと移動するためである。
したがって、本実施例では、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差が大きいほど定着ローラ64の回転速度をより速く設定し、温度差が小さい場合に定着ローラ64の回転速度をより遅く設定することにより、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTを所定の温度差βへ近づけるように定着ローラ64の回転速度を制御する。
S107:次に、印刷制御部100は、温度検知部102の検知結果を用いて定着ローラ64の温度Tupが印刷可能温度範囲内にあるか否かを判定する。定着ローラ64の温度Tupが印刷可能温度範囲内にある場合、処理をS108へ移行し、一方定着ローラ64の温度Tupが印刷可能温度範囲外である場合、処理をS102へ移行し、定着器温度制御処理を継続する。
S108:定着ローラ64の温度Tupが印刷可能温度範囲内にあると判定した印刷制御部100は、定着器6が印刷可能な状態であるため、用紙搬送部4による用紙の搬送およびトナー像形成部5による画像形成処理を開始する。
S109:印刷制御部100は、書き出しセンサ8の出力から用紙が定着器6へ到達したか否かを判定し、定着器6へ到達していないと判定すると処理をS102へ移行し、定着器6へ到達したと判定すると処理をS110へ移行する。
用紙が定着器6へ到達したか否かの判定は、以下のような処理により実現することができる。
印刷制御部100は、書き出しセンサ8の出力変化を検出して書き出しセンサ8の位置に用紙の先端が到達したことを検知すると時間の経過の計測を開始する。書き出しセンサ8と定着器6との間の用紙搬送距離は既定である為、その用紙搬送距離を用紙搬送速度で除算することにより、書き出しセンサ8の位置から定着器6の位置までに到達するに必要な時間が算出され、印刷制御部100は、用紙の先端が書き出しセンサ8に到達してから経過時間を計測することで用紙が定着器6へ到達したか否かの判定を行うことができる。
S110:用紙の先端が定着器6へ到達したと印刷制御部100により判定されるとモータ制御部101は、定着器モータ21の回転速度Vmotを定着時(印刷用)の回転速度V0に変更する。
S111:加熱制御部104は、定着器6に通紙を行っている間は、上述した定着器温度制御処理を継続して行い、定着ローラ64の温度を定着に最適な温度とする制御を行う。
S112:印刷制御部100は、用紙搬送位置を排出センサ9の出力により検出し、定着器6が通紙状態か否かを判定し、通紙状態であると判定すると処理をS110へ移行し、非通紙状態であると判定すると処理をS113へ移行する。
定着器6が通紙状態であるか否かの判定は、以下のような処理により実現することができる。
印刷制御部100は、排出センサ9の出力を検出することで用紙の先端が排出センサ9の位置へ到達したことを検出することができ、その後さらに用紙の搬送を継続し、排出センサ9の出力を検出することで用紙の後端が排出センサ9の位置を通過したことを検出することができる。排出センサ9は、定着器6よりも用紙搬送方向における下流側に位置しているため、排出センサ9により用紙後端を検知した時点で用紙が定着器6から排出されたと判定することができる。
なお、印刷制御部100が書き出しセンサ8で用紙の後端の通過を検出した時点から書き出しセンサ8と定着器6との距離を通過するだけの時間が経過したことを計測して用紙が定着器6を通過したと判定するようにしても良い。
S113:印刷制御部100により定着器6が非通紙状態であると判定されると、モータ制御部101は、S106と同様に定着ローラ64の回転速度を定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTに応じて最適な定着ローラ64の回転速度である回転速度Vmot=V0+B×(温度差ΔT−β)〔mm/s〕に変更する。
ここで、比較例と本実施例とを対比し、定着ローラ64の回転速度を定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔT〔℃〕とβ〔℃〕、非通紙時の回転速度Vmotについて説明する。
まず、比較例のように、定着ローラ64の回転速度を定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTが所定の温度差以下では回転速度をV0に設定し、所定の温度差より大きい場合は最高速度Vmaxで定着ローラ64を回転させる場合を考える。
このとき、温度差ΔTが所定の温度差よりも1℃でも大きい場合、最高速度Vmaxで定着ローラ64を回転させるため、紙間終了後の定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTは所定の温度差よりも大幅に小さくなり、次の紙間では定着ローラ64の回転速度はV0で回転されることになる。
そのため、さらに次の紙間では定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTが所定の温度差よりも大きくなる場合があり、その場合は再び最高速度Vmaxで定着ローラ64を回転させることとなる。
以上の動作を繰り返すため、紙間における温度上昇が最小と最大を繰り返すこととなり、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差が大きく変動することとなる。定着ローラ64の温度は温度制御部104により制御されるため、結果として加圧ローラ63の温度Tlwが大きく変動することとなり、用紙へ与える熱量が大きく変動することになる。
次に、本実施例では、図8に示すように、回転速度Vmot=V0+B×(温度差ΔT−β)〔mm/s〕とし、非通紙時の定着ローラ64の回転速度Vmotを定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差(上下温度差)ΔTに応じて変化させ、かつ温度差ΔTに応じて連続的に定着ローラ64の回転速度Vmotを変化させる。
この場合、例えば温度差ΔTがβよりもやや大きい場合では、定着ローラ64の回転数の増加は少ないため、紙間時の加圧ローラ63の温度上昇は通常の回転速度V0の回転時よりもやや増加することとなる。反対に温度差ΔTがβよりも大幅に大きい場合では、定着ローラ64は通常の回転速度V0よりも大幅に速い速度で回転されるため、定着ローラ64の回転数の増加は大きくなり、紙間時の加圧ローラ63の温度上昇は通常の回転速度V0の回転時よりも大幅に増加する。
このように、本実施例では、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTと、βとの差分に応じて、その差分をなくすのに必要なだけの定着ローラ64の回転速度の変化を発生させるため、結果として定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTの変動が少なくなる。
つまり、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTと、βとの差分に応じて、その差分をなくすのに必要なだけの定着ローラ64の回転速度の変化を発生させるようにしたことにより、加圧ローラ63の温度Tlwの変動を少なくすることができ、用紙へ与える熱量が安定し、定着不良の発生を確実に防止することができる。
S114:印刷制御部100は、要求された印刷処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定すると印刷処理を終了し、終了していないと判定すると処理をS111へ移行し、定着器温度制御処理を再開する。
印刷処理の終了判定は、例えば図示しない上位装置から指示された印刷がすべて完了したか否かを確認することで行うことができる。
以上の一連の処理を行い、印刷中の定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTを所定の温度差以内に収めることにより、用紙のカールを抑えることができる。
また、定着ローラ64の設定温度Tspを加圧ローラ63の温度Tlwに応じて調整することにより、用紙へ与える熱量を常に一定にすることができ、定着不良を防止することができる。
本実施例の動作を図9の比較例の印刷動作を示すタイミングチャートおよび図10の第1の実施例における印刷動作を示すタイミングチャートを用い、図1〜図3を参照しながらより詳細に説明する。
図9および図10は、横軸に時間の経過を示し、図中上段は定着器6の定着ローラ64の温度および加圧ローラ63の温度を示し、図中中段以下は、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差(A:上下温度差)、モータ制御部101による定着器モータ21(定着ローラ64)の回転速度(B:回転速度)、書き出しセンサ8の用紙検出結果(D:書き出しセンサ)、排出センサ9の用紙検出結果(E:排出センサ)、上記書き出しセンサ8および排出センサ9の検出結果を基に定着器6での通紙状態(C:定着器通紙状態)を示している。また、ST00〜ST04は期間を示し、ST00は待機状態、ST01は印刷待ち状態、ST02は印刷状態、ST03は印刷待ち状態、ST04は印刷状態を示している。
まず、図9に基づいて比較例の動作を説明する。
期間ST00は、印刷制御部100が上位装置からの印刷要求を待機している状態を示し、図5のS101に相当する。このとき、用紙搬送モータ18は停止し、各センサの出力も用紙なしの状態であり、定着器6も非通紙状態である。
期間ST01では、印刷制御部100は、印刷要求を受信すると温度設定部103により定着ローラ64の温度設定を行なった後、定着ローラ64および加圧ローラ63の回転を行い、印刷待ち状態とする。
モータ制御部101は、回転速度をVsに設定し、定着器モータ21(定着ローラ64および加圧ローラ63)の回転を開始する。このとき用紙の搬送は行っておらず、定着ローラ64および加圧ローラ63の回転により定着ローラ64から加圧ローラ63へ熱が移動するため、加圧ローラ63の温度が上昇する。なお、本比較例では、回転速度Vsは印刷時の速度であり、一定である。
印刷制御部100は、定着器6の定着ローラ64の温度が印刷可能温度範囲内にあると判定すると用紙搬送および画像形成処理を開始する。
期間ST02では、用紙搬送および画像形成処理を開始した印刷制御部100は、印刷処理を行うが、印刷を行うと定着器6の通紙時に加圧ローラ63の熱が用紙に奪われ加圧ローラ63の温度は低下し、数枚の用紙を印刷すると加圧ローラ63の温度は徐々に低下していく。これは、紙間の定着器6の非通紙時では、加圧ローラ63は定着ローラ64と接触するため定着ローラ64から熱を受けて温度が上昇するが、その接触頻度は少なく、用紙に奪われる熱量のほうが多くなり、結果として加圧ローラ63の温度は低下していくためである。
このとき、温度制御部104は、定着ローラ64の温度を一定に保つように定着ヒータ61を制御するため、定着ローラ64の温度は一定に保たれる。その結果、図9に示すA:上下温度差は徐々に大きくなっていく。
このように、本比較例では、上下温度差が大きくなり、その上下温度差が用紙にカールが発生する温度差であるカール限界温度差を超えてしまい、印刷した用紙がカールしてしまう。なお、カール限界温度差は、例えば70℃である。
期間ST03では、図示しない上位装置の画像処理部での処理に時間がかかる場合等は、印刷制御部100は、定着器温度制御処理および定着ローラ64と加圧ローラ63の回転を行い、印刷待ち状態とする。このとき、通紙を行うことなく、定着ローラ64および加圧ローラ63を回転させて待機状態とするので、加圧ローラ63の温度は上昇していく。
期間ST04では、印刷制御部100は、用紙搬送および画像形成処理を開始し、印刷処理を行う。期間ST03における待機状態が長時間継続し、加圧ローラ63の温度が大きく上昇した状態で定着器6に通紙し、定着動作を行うと用紙へ与える熱量は大きくなり、本比較例のように定着ローラ64の設定温度を変えずに印刷、定着を行った場合、加圧ローラ63から用紙へ与える熱量が過多となり、定着ローラ64の温度が相対的にホットオフセット発生温度を超えてしまい、ホットオフセットによる定着不良が発生してしまった。
次に、図10に基づいて本実施例の動作を図中T1〜T20で表す各タイミングに従って説明する。
T1:印刷制御部100が上位装置からの印刷要求を待機している状態(期間ST10)、すなわち用紙搬送モータ18は停止し、各センサの出力も用紙なしの状態であり、定着器6も非通紙状態において、印刷要求を受信すると印刷制御部100は、定着器温度制御処理、定着ローラ64の回転速度の設定処理および定着ローラ64と加圧ローラ63の回転(図5に示すS102〜S107)を行い、印刷待ち状態(期間ST11)とする。
本実施例では、図10に示すA:上下温度差が大きいため、定着ローラ64の回転速度を印刷速度V0より高速として回転させるものとする。その後、用紙の搬送を開始するまでの間も常に定着器温度制御処理および定着ローラ64の回転速度の設定処理を行うため、上下温度差に応じて定着ローラ64の回転速度が変更され、上下温度差が小さくなるに連れて定着ローラ64の回転速度は徐々に低速になるものとする。
T2:印刷制御部100は、定着ローラ64の温度が印刷可能温度範囲内にあると判定すると、定着器6が印刷可能な状態であるため、用紙の搬送および画像形成処理を開始し、書き出しセンサ8は搬送された用紙を検出する。
T3:書き出しセンサ8の検出結果から用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T4:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T5:印刷制御部100は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された2枚目の用紙を検出する。
T6:書き出しセンサ8の検出結果から2枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T7:排出センサ9の検出結果から2枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T8:印刷制御部100は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された3枚目の用紙を検出する。
T9:書き出しセンサ8の検出結果から3枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T10:排出センサ9の検出結果から3枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T11:印刷制御部100は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された4枚目の用紙を検出する。
T12:書き出しセンサ8の検出結果から4枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T13:排出センサ9の検出結果から4枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
このように印刷状態(ST12)では、モータ制御部101が、紙間の定着器6の非通紙状態において、定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更することを繰り返すことにより、定着器6の非通紙時に加圧ローラ63の温度を上昇させることができ、その結果、図10に示すようにA:上下温度差を用紙にカールを発生させるカール限界温度差よりも小さく収めることができる。
4枚目の用紙を印刷した後、図示しない上位装置の画像処理部での処理に時間がかかる場合等は、印刷制御部100は、定着器温度制御処理および定着ローラ64と加圧ローラ63の回転を行い、印刷待ち状態(期間ST13)とする。
このとき、通紙を行うことなく、定着ローラ64および加圧ローラ63を回転させて待機状態とするが、本実施例では、非通紙時の定着ローラ64および加圧ローラ63の回転により加圧ローラ63の温度が上昇しても、温度設定部103により、定着ローラ64の設定温度が上下温度差に応じた最適な定着ローラ64の設定温度に変更される。
また、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T14:加圧ローラ63の温度がさらに上昇するとモータ制御部101は、定着ローラ64の回転速度を小さくなった上下温度差に応じた回転速度、すなわち定着速度V0より遅い回転速度に変更する。
その結果、再び印刷状態(ST14)へ移行して定着器6に通紙を開始するときには、定着ローラ64の設定温度は、高温の加圧ローラ63の温度に対応した低温の温度設定になっており、また定着ローラ64の回転速度は、小さくなった上下温度差に対応した低速の回転速度の設定になっており、用紙へ与える熱量は適正なものとなり、ホットオフセットを防止することができる。
さらに、その後の通紙により再び加圧ローラ63の温度が低下しても定着ローラ64の設定温度は低温の加圧ローラ63の温度に対応した高温の温度設定になり、また定着ローラ64の回転速度は大きくなった上下温度差に対応した高速の回転速度の設定となるため、熱量が不足することによるオフセットの発生も防止することができる。
T15:印刷制御部100は、図示しない上位装置の印刷指示により用紙の搬送および画像形成処理を開始し、書き出しセンサ8は搬送された用紙を検出する。
T16:書き出しセンサ8の検出結果から5枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T17:排出センサ9の検出結果から5枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T18:印刷制御部100は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された6枚目の用紙を検出する。
T19:書き出しセンサ8の検出結果から6枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T20:排出センサ9の検出結果から6枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部100が検出すると、モータ制御部101は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
以上説明したように、第1の実施例では、印刷中の定着ローラと加圧ローラとの温度差を所定の温度差以内に収めることにより、加圧ローラの内部に発熱体を備えない定着器であっても用紙のカールを抑えることができるという効果が得られる。
また、定着ローラの設定温度を加圧ローラの温度に応じて調整することにより、用紙へ与える熱量を常に一定にすることができ、ホットオフセット等による定着不良を防止することができるという効果が得られる。
さらに、定着ローラの回転速度を定着ローラと加圧ローラとの温度差に応じて調整することにより、ホットオフセット等による定着不良を防止することができるという効果が得られる。
第2の実施例の構成は、画像形成装置の制御構成における印刷制御部、モータ制御部および温度設定部が第1の実施例の構成と異なるものである。なお、画像形成装置および定着器の構成は上述した第1の実施例と同様であり、同一の符号を付してその説明を省略し、またその他の上述した第1の実施例と同様の部分も、同一の符号を付してその説明を省略する。
図11は第2の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図11において、画像形成装置1は、印刷動作を制御する印刷制御部200と、記録光露光部材としてのLEDヘッド3と、記録光に応じたトナー像を形成するトナー像形成部5と、トナー像形成部5に電圧を印加するトナー像形成部電源7と、用紙を搬送する各ローラを回転させる用紙搬送モータ18と、用紙搬送モータ18に電力を供給するモータ電源17と、定着器6のローラを回転させる定着器モータ21と、定着器モータ21に電力を供給するモータ電源20と、搬送される用紙の位置を検出する書き出しセンサ8および排出センサ9と、図2に示す定着ローラ64を加熱する定着ヒータ61を内蔵する定着器6と、定着ヒータ61へ電力を供給するヒータ電源16と、定着器6の図2に示す定着部材としての定着ローラ64の温度を検知する定着ローラサーミスタ62と、図2に示す加圧部材としての加圧ローラ63の温度を検知する加圧ローラサーミスタ65とからなる。
印刷制御部200は、演算手段および制御手段としてのCPUおよび記憶手段としてのメモリ等により構成され、モータ制御部201と、温度検知部102と、温度設定部203と、加熱制御部104とを内蔵し、画像形成装置1が行う印刷動作を制御する。なお、印刷制御部200は時間の経過を計測するタイマ等の計時手段を有している。
回転速度制御手段としてのモータ制御部201は、用紙搬送モータ18の動作を制御するために、モータ電源17から供給される電力と、定着器モータ21の動作を制御するためにモータ電源20から供給される電力とを制御する。用紙搬送モータ18には図2に示す用紙搬送部4の各ローラが接続され、また定着器モータ21には図2に示す定着ローラ64が接続されており、モータ制御部201は用紙搬送部の各ローラおよび定着ローラの回転速度を変化させる制御を行うことができるようになっている。
さらに、用紙搬送制御手段としてのモータ制御部201は用紙搬送部の給紙ローラを含む各ローラを制御することにより、用紙トレイに収容された用紙を給紙するタイミングを変えて連続印刷中の非通紙時間(印刷する用紙間の時間間隔)を変更、すなわち用紙の搬送間隔を変化させることができるようになっている。
温度設定手段としての温度設定部203は、画像形成装置1の動作条件に合わせて定着器6の最適な温度を選択し、設定する。
印刷制御部200には、LEDヘッド3、トナー像形成部電源7、モータ電源17、モータ電源20、書き出しセンサ8、排出センサ9、定着ローラサーミスタ62、加圧ローラサーミスタ65、およびヒータ電源16が接続されている。また、トナー像形成部電源7とトナー像形成部5とが接続され、モータ電源17と用紙搬送モータ18とが接続され、モータ電源20と定着器モータ21とが接続され、ヒータ電源16と定着ヒータ61とが接続されている。
上述した構成の作用について説明する。
印刷制御部が行う印刷処理を図13の第2の実施例における印刷処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図11、図2および図3を参照しながら説明する。
S201〜S212:図5におけるS101〜S112と同様の処理であるため説明を省略する。
S213:印刷制御部200は、要求された印刷処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定すると印刷処理を終了し、終了していないと判定すると処理をS214へ移行する。なお、印刷処理の終了判定は、例えば図示しない上位装置から指示された印刷がすべて完了したか否かを確認することで行うことができる。
S214:印刷制御部200が印刷状態かつ非通紙状態であることを検出すると、モータ制御部201は用紙のカールの発生を抑えるのに最適な紙間X_p〔mm〕(用紙の搬送間隔)を以下の計算式により導出する。
加圧ローラ温度Tlw<γ〔℃〕の場合、X_p=C×(γ−Tlw)+X0〔mm〕
加圧ローラ温度Tlw≧γ〔℃〕の場合、X_p=X0〔mm〕
これを、グラフに表すと図15(a)のようになる。
ここで、γ〔℃〕は、定着ローラ64の回転速度を変更することにより上下温度差を所定の範囲内に収めることができる加圧ローラ63の所定の下限温度であり、X_p〔mm〕は加圧ローラ63の温度がγ〔℃〕を下回ったときに用紙にカールを発生させないために必要な紙間であり、X0〔mm〕は加圧ローラ63の温度がγ〔℃〕以上になったときに用紙にカールを発生させないために必要な紙間(用紙の搬送間隔)であり、また比例定数としての係数Cは最適の紙間を算出するための係数であり、X0、γおよびCの数値は実験から求められ、例えばX0=60〔mm〕、γ=60〔℃〕、C=1.5である。
したがって、X_p=1.5×(60−Tlw)+60〔mm〕となり、例えば、加圧ローラ温度Tlw=30〔℃〕の場合、X_p=1.5×30+60=105〔mm〕となる。
ここで、紙間距離と加圧ローラ63の温度変化の関係について図14に基づいて説明する。図14は第2の実施例における加圧ローラの上昇温度を示すグラフであり、紙間を変えたときの経過時間(横軸)と加圧ローラ63の上昇温度(縦軸)の関係を示している。
図14に示すように、通常紙間時(紙間=x0)と比較して紙間延長時(紙間=x0+Δx)の方が、より加圧ローラ63の温度が上昇していることがわかる。
これは、定着ローラ64および加圧ローラ63の回転時間が長くなることで、温度の高い定着ローラ64と温度の低い加圧ローラ63とが接触する時間が長くなり、その結果定着ローラ64の熱が、より加圧ローラ63へと移動するためである。
したがって、本実施例では、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差が大きいほど紙間を長く設定し、温度差が小さい場合に紙間をより短く設定することにより、定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差ΔTを所定の温度差へ近づけるように紙間を制御する。
S215:モータ制御部201は、定着ローラ64と加圧ローラ63との上下温度差ΔTに応じて最適な回転速度Vmotを第1の実施例と同様に以下の式を用いて算出する。
回転速度Vmot=V0+B×(温度差ΔT−β)〔mm/s〕
ここで、V0〔mm/s〕は定着時の回転速度であり、β〔℃〕は回転速度V0の時に用紙のカールが最適となる定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差であり、係数Bは現在の定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差から紙間終了時にβまで定着ローラ64と加圧ローラ63との温度差を変化させるのに必要な回転速度と温度差との関係を示す係数である。
本実施例では、算出した回転速度Vmotに上限値および下限値を設けている。この回転速度Vmotの上限値は、例えば使用しているモータの種類や性能等の制限によって設定され、また回転速度Vmotの下限値は、例えば使用しているモータが発生する振動等により設定される。
図15(b)に示すように、加圧ローラ63の温度Tlwが上述したγより小さい場合、定着ローラ64の回転速度は上限値となり、また加圧ローラ63の温度Tlwがγ以上である場合、定着ローラ64の回転速度は、Vmot=V0+B×(温度差ΔT−β)〔mm/s〕で算出される。また、算出された定着ローラ64の回転速度が下限値に到達した場合、その下限値とする。なお、回転速度Vmotの上限値は、例えば230mm/sであり、下限値は、例えば50mm/sである。
用紙の温度が非常に低い場合、用紙の厚みが非常に大きい場合、用紙の熱伝導率が非常に高い場合など、通常の用紙より多くの熱を(定着ローラ64および)加圧ローラ63から奪う状況においては、定着ローラ64と加圧ローラ63との上下温度差を縮めるため高速で定着ローラ64を回転させる必要が生じる場合があるが、その回転速度が上述した制限により実現できない場合も発生する。この場合、定着ローラ64と加圧ローラ63との上下温度差が大きく広がり、用紙のカールが悪化することが懸念される。
例えば、図12に示すように、給紙ローラの回転の停止時間をW(W=(X0/Vp)〔s〕)とした場合、すなわち紙間をX0mmとした場合、加圧ローラ63の熱が用紙により奪われ、加圧ローラ63の温度が低下した場合(符号121が示す領域)、定着ローラ64と加圧ローラ63との上下温度差が大きく広がり(符号122が示す領域)、その上下温度差がカール限界を超えてしまうため、用紙にカールを発生させしまう。
そこで、本実施例では、算出した定着ローラ64の回転速度が上限に達した場合、その回転速度を上限速度に保ち、かつS214において算出した紙間の調整を行うことにより、用紙がより多くの熱量を(定着ローラ64および)加圧ローラ63から奪う状況になっても用紙のカールの悪化を防止することができる。
また、上下温度差および定着ローラ64の回転速度の調整状況に応じて紙間を調整するため、スループットの低下を最小限に抑えることができる。
定着ローラ64の回転速度の上限速度で対応することができる加圧ローラ63の温度をγ〔℃〕と設定し、加圧ローラ63の温度がγ〔℃〕を超えた場合(すなわち、定着ローラ64の回転速度を上限速度にしても上下温度差を縮めることができない場合)、紙間の距離を増加させることにより、定着ローラ64の回転速度を変更することだけで上下温度差を縮めることができない場合であっても上下温度差を適正な範囲に収めることができ用紙のカールの発生を防止することができる。
S216:加熱制御部104は、上述した定着器温度制御処理を継続して行い、定着ローラ64の温度を定着に最適な温度とする制御を行う。
S217:印刷制御部200は、用紙搬送位置を排出センサ9の出力により検出し、定着器6が通紙状態か否か、すなわち紙間が終了したか否かを判定し、紙間が終了し通紙状態であると判定すると処理をS210へ移行し、紙間が終了していない非通紙状態であると判定すると処理をS214へ移行する。
次に、本実施例の動作を図16の第2の実施例における印刷動作を示すタイミングチャートの図中T31〜T55で表す各タイミングに従って、図11、図2および図3を参照しながらより詳細に説明する。
T31:印刷制御部200が上位装置からの印刷要求を待機している状態(期間ST30)、すなわち用紙搬送モータ18は停止し、各センサの出力も用紙なしの状態であり、定着器6も非通紙状態において、印刷要求を受信すると印刷制御部200は、定着器温度制御処理、定着ローラ64の回転速度の設定処理および定着ローラ64と加圧ローラ63の回転(図13に示すS202〜S207)を行い、印刷待ち状態(期間ST31)とする。
本実施例では、図16に示すA:上下温度差が大きいため、定着ローラ64の回転速度を印刷速度V0より高速として回転させるものとする。その後、用紙の搬送を開始するまでの間も常に定着器温度制御処理および定着ローラ64の回転速度の設定処理を行うため、上下温度差に応じて定着ローラ64の回転速度が変更され、上下温度差が小さくなるに連れて定着ローラ64の回転速度は徐々に低速になるものとする。
T32:印刷制御部200は、定着ローラ64の温度が印刷可能温度範囲内にあると判定すると、定着器6が印刷可能な状態であるため、用紙の搬送および画像形成処理を開始し、モータ制御部201は給紙ローラを回転させて用紙の給紙を開始する。
T33:書き出しセンサ8は搬送された用紙を検出する。
T34:モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。また、印刷制御部200が書き出しセンサ8の検出結果から用紙が定着器6へ到達したことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T35:印刷制御部200は、給紙ローラの回転を停止してから所定の時間Wが経過したことを検知すると、モータ制御部201により給紙ローラを回転させて2枚目の用紙の給紙を開始する。ここで、時間Wは紙間をX0〔mm〕とする時間であり、給紙ローラの回転速度をVp〔mm/s〕とすると(X0/Vp)〔s〕である。
T36:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T37:印刷制御部200は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された2枚目の用紙を検出する。
T38:モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。また、印刷制御部200が書き出しセンサ8の検出結果から2枚目の用紙が定着器6へ到達したことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T39:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更するが、算出した回転速度が定着ローラの回転速度の上限値に達するものとする。
また、印刷制御部200は、給紙ローラの回転を停止してから所定の時間W´が経過したことを検知すると、モータ制御部201により給紙ローラを回転させて3枚目の用紙の給紙を開始する。ここで、時間W´は、紙間を図13のS214において算出したX_p〔mm〕とする時間であり、給紙ローラの回転速度をVp〔mm/s〕とすると(X_p/Vp)〔s〕である。
T40:印刷制御部200は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された3枚目の用紙を検出する。
T41:印刷制御部200が書き出しセンサ8の検出結果から3枚目の用紙が定着器6へ到達したことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。また、モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。
T42:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更するが、算出した回転速度が定着ローラの回転速度の上限値に達するものとする。
T43:印刷制御部200は、給紙ローラの回転を停止してから所定の時間W´が経過したことを検知すると、モータ制御部201により給紙ローラを回転させて4枚目の用紙の給紙を開始する。ここで、時間W´は、紙間を図13のS214において算出したX_p〔mm〕とする時間であり、給紙ローラの回転速度をVp〔mm/s〕とすると(X_p/Vp)〔s〕である。
T44:印刷制御部200は、用紙の搬送および画像形成処理を継続し、書き出しセンサ8は搬送された4枚目の用紙を検出する。
T45:印刷制御部200が書き出しセンサ8の検出結果から4枚目の用紙が定着器6へ到達したことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。また、モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。
T46:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
このように印刷状態(ST32)では、モータ制御部201が、紙間の定着器6の非通紙状態において、定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更することを繰り返すことにより、定着器6の非通紙時に加圧ローラ63の温度を上昇させることができ、その結果、図16に示すようにA:上下温度差を用紙にカールを発生させるカール限界温度差よりも小さく収めることができる。
また、定着ローラ64の回転速度が上限に達した場合、その回転速度を上限速度に保ち、かつ図13のS214において算出した紙間の調整を行うことにより、用紙がより多くの熱量を(定着ローラ64および)加圧ローラ63から奪う状況になっても用紙のカールの悪化を防止することができる。
4枚目の用紙を印刷した後、図示しない上位装置の画像処理部での処理に時間がかかる場合等は、印刷制御部200は、定着器温度制御処理および定着ローラ64と加圧ローラ63の回転を行い、印刷待ち状態(期間ST33)とする。
このとき、通紙を行うことなく、定着ローラ64および加圧ローラ63を回転させて待機状態とするが、本実施例では、非通紙時の定着ローラ64および加圧ローラ63の回転により加圧ローラ63の温度が上昇しても、温度設定部203により、定着ローラ64の設定温度が上下温度差に応じた最適な定着ローラ64の設定温度に変更される。
また、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。このとき、算出した定着ローラ64の回転速度が上限値を超える場合、定着ローラ64の回転速度をその上限値とする。
T47:加圧ローラ63の温度がさらに上昇するとモータ制御部201は、定着ローラ64の回転速度を小さくなった上下温度差に応じた回転速度、すなわち定着速度V0より遅い回転速度に変更する。このとき、算出した定着ローラ64の回転速度が下限値を超える場合、定着ローラ64の回転速度をその下限値とする
その結果、再び印刷状態(ST34)へ移行して定着器6に通紙を開始するときには、定着ローラ64の設定温度は、高温の加圧ローラ63の温度に対応した低温の温度設定になっており、また定着ローラ64の回転速度は、小さくなった上下温度差に対応した低速の回転速度の設定になっており、用紙へ与える熱量は適正なものとなり、ホットオフセットを防止することができる。
さらに、その後の通紙により再び加圧ローラ63の温度が低下しても定着ローラ64の設定温度は低温の加圧ローラ63の温度に対応した高温の温度設定になり、また定着ローラ64の回転速度は大きくなった上下温度差に対応した高速の回転速度の設定となるため、熱量が不足することによるオフセットの発生も防止することができる。
T48:印刷制御部200は、図示しない上位装置の印刷指示により用紙の搬送および画像形成処理を開始し、書き出しセンサ8は搬送された用紙を検出する。
T49:書き出しセンサ8の検出結果から5枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。また、モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。
T50:印刷制御部200は、給紙ローラの回転を停止してから所定の時間Wが経過したことを検知すると、モータ制御部201により給紙ローラを回転させて6枚目の用紙の給紙を開始する。ここで、時間Wは紙間をX0〔mm〕とする時間であり、給紙ローラの回転速度をVp〔mm/s〕とすると(X0/Vp)〔s〕である。
T51:排出センサ9の検出結果から5枚目の用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更する。
T52:モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。また、印刷制御部200が書き出しセンサ8の検出結果から6枚目の用紙が定着器6へ到達したことを検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。
T53:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を上下温度差に応じた回転速度に変更するが、算出した回転速度が定着ローラの回転速度の上限値に達するものとする。
また、印刷制御部200は、給紙ローラの回転を停止してから所定の時間W´が経過したことを検知すると、モータ制御部201により給紙ローラを回転させて7枚目の用紙の給紙を開始する。ここで、時間W´は、紙間を図13のS214において算出したX_p〔mm〕とする時間であり、給紙ローラの回転速度をVp〔mm/s〕とすると(X_p/Vp)〔s〕である。
T54:書き出しセンサ8の検出結果から7枚目の用紙が定着器6へ到達したことを印刷制御部200が検出すると、モータ制御部201は定着ローラ64の回転速度を定着速度V0に変更する。また、モータ制御部201は給紙ローラの回転を停止する。
T55:排出センサ9の検出結果から用紙が定着器6の外へ排出され、定着器6が非通紙状態になったことを検出する。
なお、本実施例では、定着器6の温度に応じて紙間の距離を変更するようにしたが、ユーザの設定操作を受け付ける入力手段を備え、その設定操作により紙間の距離を変更するようにしても良い。この場合、印刷制御部200に接続された入力手段を備え、ユーザの操作を受け付けた入力手段によりカール抑制設定が有効であることを検知すると紙間の距離を設定する処理を行い、一方入力手段によりカール抑制設定が無効であることを検知すると紙間の距離の変更は行わず(スループットを優先する紙間距離)、紙間での定着ローラ64の回転速度と設定温度の制御のみを行うこととしても良い。
以上説明したように、第2の実施例では、加圧ローラの温度に応じて紙間の距離を変化させることにより、加圧ローラへ熱を与える時間を延ばすことができ、定着ローラの回転速度を変更することだけで上下温度差を縮めることができない場合であっても、定着ローラと加圧ローラとの上下温度差を適正な範囲に収めることができ、用紙のカールの発生を防止することができるという効果が得られる。
また、定着ローラの温度を加圧ローラの温度に応じて変化させることにより、用紙へ与える熱量の変動を小さく抑えることができ、定着不良の発生を防止することができる。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置を複合機(MFP)、ファクシミリ、複写機等としても良い。
1 画像形成装置
3 LEDヘッド
4 用紙搬送部
5 トナー像形成部
6 定着器
7 トナー像形成部電源
8 書き出しセンサ
9 排出センサ
16 ヒータ電源
17、20 モータ電源
18 用紙搬送モータ
21 定着器モータ
61 定着器ヒータ
62 定着ローラサーミスタ
63 加圧ローラ
64 定着ローラ
65 加圧ローラサーミスタ
100、200 印刷制御部
101、201 モータ制御部
102 温度検知部
103、203 温度設定部
104 加熱制御部

Claims (7)

  1. 用紙に熱を供給する定着手段と、前記定着手段に熱を供給する加熱手段と、前記定着手段に対向して配置され、用紙に圧力を与える加圧手段とを有する定着器を備えた画像形成装置において、
    前記定着手段の温度を検出する第1の温度検出手段と、
    前記加圧手段の温度を検出する第2の温度検出手段と、
    前記加熱手段で前記定着手段を設定温度に加熱する加熱制御手段と、
    前記加熱制御手段の設定温度を設定する温度設定手段と、
    前記定着手段の回転速度を変化させる回転速度制御手段とを備え、
    前記温度設定手段は、前記第2の温度検出手段の検出した温度に応じて前記定着手段の設定温度を第1の設定温度または第2の設定温度に設定し、
    前記回転速度制御手段は、前記定着手段を第1の設定温度または第2の設定温度に設定したことにより変動した、前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差に基づいて回転速度を制御し、
    前記回転速度制御手段は、前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差が大きいと回転速度を速くする制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項の画像形成装置において、
    前記温度設定手段は、前記第2の温度検出手段で検出した温度が高温になるにつれ、設定温度を低くすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2の画像形成装置において、
    前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差をΔT℃、定着時の前記定着手段の回転速度をV0mm/s、比例定数をB、前記定着手段の回転速度がV0mm/sにおける最適な前記定着手段の所定の温度と前記加圧手段の温度との差をβ℃としたとき、
    前記回転速度制御手段は、前記回転速度を、(V0+B×(ΔT−β))mm/sとすることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項の画像形成装置において、
    前記用紙の搬送間隔を変化させる用紙搬送制御手段を備え、
    前記用紙搬送制御手段は、前記定着手段の回転速度が最大速度に設定されたとき、前記第1の温度検出手段および前記第2の温度検出手段で検出した温度に応じて前記用紙の搬送間隔を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項の画像形成装置において、
    前記用紙搬送制御手段は、前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差に応じて前記用紙の搬送間隔を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項の画像形成装置において、
    前記用紙搬送制御手段は、前記第2の温度検出手段で検出した温度が小さくなるにつれ、前記用紙の搬送間隔を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項の画像形成装置において、
    前記第2の温度検出手段で検出した温度をTlw、定着手段の回転速度を変更することにより前記第1の温度検出手段で検出した温度と前記第2の温度検出手段で検出した温度との差を所定の範囲内に収めることができる前記加圧手段の下限温度をγ〔℃〕、前記加圧手段の温度が前記γ〔℃〕以上のときに用紙にカールを発生させない前記用紙の搬送間隔をX0〔mm〕、比例定数をCとしたとき、
    前記用紙搬送制御手段は、Tlw<γ〔℃〕の場合、前記用紙の搬送間隔を、C×(γ−Tlw)+X0〔mm〕とすることを特徴とする画像形成装置。
JP2010278388A 2010-12-14 2010-12-14 画像形成装置 Expired - Fee Related JP5514708B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278388A JP5514708B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 画像形成装置
US13/298,638 US9146509B2 (en) 2010-12-14 2011-11-17 Image forming apparatus with rotational speed control unit for fixing member

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278388A JP5514708B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012128102A JP2012128102A (ja) 2012-07-05
JP5514708B2 true JP5514708B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=46199512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010278388A Expired - Fee Related JP5514708B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9146509B2 (ja)
JP (1) JP5514708B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014106460A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Oki Data Corp 定着制御装置、定着制御方法及び画像形成装置
JP6135212B2 (ja) * 2013-03-14 2017-05-31 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP6015697B2 (ja) * 2014-03-20 2016-10-26 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP6379994B2 (ja) * 2014-10-23 2018-08-29 ブラザー工業株式会社 画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびプログラム
US11493866B2 (en) 2018-06-08 2022-11-08 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Heated pressure roller assemblies for printers
JP2020016843A (ja) 2018-07-27 2020-01-30 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置
JP2022081859A (ja) 2020-11-20 2022-06-01 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142563A (en) * 1980-04-07 1981-11-06 Canon Inc Fixing device
JP3347432B2 (ja) * 1993-10-21 2002-11-20 キヤノン株式会社 画像形成装置
US5555075A (en) * 1995-01-11 1996-09-10 Mita Industrial Co., Ltd. Fixation temperature control device
US6795681B2 (en) * 2001-10-26 2004-09-21 Konica Corporation Fixing device controlling method, fixing device, and image forming apparatus for forming fixed images of desired glossiness
US6567624B1 (en) * 2001-10-31 2003-05-20 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing apparatus and image forming apparatus
JP2003316199A (ja) 2002-04-22 2003-11-06 Sharp Corp 画像形成装置
JP2004205988A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Canon Inc 加熱装置
US7305198B2 (en) * 2005-03-31 2007-12-04 Xerox Corporation Printing system
JP4815918B2 (ja) * 2005-07-25 2011-11-16 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 定着装置、画像形成装置、及び定着装置駆動方法
JP5368879B2 (ja) * 2008-06-16 2013-12-18 株式会社東芝 ベルト定着装置
JP5352181B2 (ja) * 2008-10-23 2013-11-27 株式会社沖データ 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012128102A (ja) 2012-07-05
US9146509B2 (en) 2015-09-29
US20120148280A1 (en) 2012-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5514708B2 (ja) 画像形成装置
US8509644B2 (en) Fixing device, image forming apparatus incorporating same, and fixing method
US8588639B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
US8958710B2 (en) Fixing device, image forming apparatus incorporating same, and fixing method
JP7114389B2 (ja) 定着装置
US10788774B2 (en) Fixing device that controls rotation speed of press roller, according to temperature of fixing element at start of job, type of recording sheet, ambient temperature, and elapsed time after start of paper feed, and image forming apparatus
JPH10186946A (ja) 画像形成装置
US9417606B2 (en) Image forming apparatus having control means to reduce an amount of the water vapor produced in a main assembly thereof or detecting unit configured to detect a value relating to an amount of water vapor in the main assembly
US11662678B2 (en) Fixing device with controlled heating and image forming apparatus
JP5945515B2 (ja) 画像形成装置
JP2002214961A (ja) 加熱定着装置及びそれを有する画像形成装置
JP5455493B2 (ja) 画像形成装置
US7031624B2 (en) Image formation apparatus for providing a predetermined temperature lowering period in which the temperature of a fixing unit is reduced
JP5534709B2 (ja) 画像形成装置
JP4450314B2 (ja) 画像形成装置
JP5977189B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
JP5230316B2 (ja) 画像加熱装置
JP5940879B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6852507B2 (ja) 画像形成装置およびその制御方法
JP2018010230A (ja) 画像形成装置および画像形成装置の制御方法
JP2006178267A (ja) 画像形成装置
JP2015036744A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2002214967A (ja) 画像形成装置
JP4916181B2 (ja) 画像形成装置
JP2010237371A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5514708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees