JP5455493B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、定着装置を使用した画像形成装置に関し、小サイズ紙のスループットの向上に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置に使用されるフィルム定着装置で発生する非通紙部昇温を、所望の値以下に抑えるために次のような技術が提案されている。例えば特許文献1では、記録材幅に応じてスループット(給送間隔)(生産性)を変化させ、記録材幅が狭いときにはスループットを低下させて(給送間隔を広げて)非通紙部昇温が過度にならないよう制御する。
また、例えば特許文献2では、記録材幅に応じて給送間隔(紙間)を変化させスループットを変化させるのではなく、記録材幅に応じて画像形成速度を変更させる画像形成装置が提案されている。特許文献2では、200mm/secと100mm/secの2速の画像形成速度(mm/sec)を有し、解像度は600dpiに設定される。高速時はレーザスキャナの6面ポリゴンミラーの全ての面を使用し、低速時は6面ポリゴンミラーの半分を使用し1面おきに画像を印字する。これにより低速時にも高速時と同じ600dpiの解像度で画像形成が可能で、画像クロックも同じになる。
A4、レター、リーガルサイズの記録材に対しては紙間(連続給送したとき、N頁目の後端部とN+1頁目の先端部の距離)を65mmとし、スループットはA4サイズで33枚/分、レターサイズで34.8枚/分、リーガルサイズで28.5枚/分となる。ここで、紙間65mmという数値は画像形成装置がとり得る最小紙間で、給紙タイミングのばらつき、搬送路中のセンサの応答タイミングのばらつき等で保証可能な最低紙間量を意味する。また、小サイズ紙のB5、A5、EXEサイズの記録材は一つのグループとして設定し、画像形成速度をA4系の半分とした100mm/secとし記録材群の最大長であるEXEサイズの紙間が65mmとなるようスループットを制御する。その結果、B5、A5、EXEサイズのスループットは18枚/分となる。この結果、特許文献2では、最大スループットが得られるレターサイズに対して、幅の狭い記録材を半速の画像形成速度で搬送しても、1/2以上のスループットを得ることができる。このように、記録材幅に応じて画像形成速度を切り替え、小サイズ紙の場合には画像形成速度を遅くしてスループットを低下させ、非通紙部昇温対応を行う。
特開平7−199694号公報 特開2003−50519号公報
しかしながら特許文献1では、最大サイズ幅と幅の狭い記録材のスループットに差が生じ、画像形成装置の高速化により画像形成速度に比例してスループットが早くなるのは最大サイズ幅の記録材のみで、幅の狭い記録材はスループットが向上しない。スループットが低下した場合には紙間が広がるため、所定枚数プリントに対し画像形成部のカートリッジの回転時間が長くなり寿命が短くなる。また、非通紙部昇温に対応するため、少数枚数で紙間を広くするスループットダウンを行う必要があり、多数枚数をプリントした場合のトータルの生産性(平均スループット)は低くなる。
また特許文献2では、記録材幅により画像形成速度が固定されており、小サイズ紙は画像形成速度が遅くスループットが低下しているため、非通紙部昇温の影響が小さい少数枚数のプリント時もスループットが低下する。特に、A3サイズに対応した複合機(MFP)では、縮小コピー時や、回転ソート時などに小サイズ紙プリントが発生し小サイズ紙プリントの頻度が多い。例えば、A3サイズ紙をA4サイズ紙に縮小コピーする場合、A4縦送りでプリントされるため小サイズ紙プリントとなる。また、回転ソートは、部数ごとに原稿の方向を縦/横に交互に回転させてソート出力するもので、交互に縦送りが発生し小サイズプリントが発生する。例えば、A4サイズ紙を回転ソートした場合には、A4横通紙⇒A4縦通紙⇒A4横通紙⇒A4縦通紙・・・のようにA4縦通紙のような小サイズ紙プリントが発生する。このため、小サイズ紙プリント時のスループットが高いことが望ましい。しかし特許文献2では、小サイズ紙は画像形成速度が遅く、スループットが低い設定に固定されており、縮小コピーや回転ソートなどの場合のスループットを高くすることができない。
本発明は、このような状況でなされたもので、小サイズ紙通紙時のスループットを向上させ、画像形成部や定着装置の寿命を長くすることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)記録材に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、加熱ユニットと、前記加熱ユニットと共にニップ部を形成する加圧ローラと、を備え、前記加熱ユニットの温度が目標温度に維持されるように前記加熱ユニットに供給する電力が制御され、前記ニップ部で前記未定着トナー画像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー画像を記録材に定着する定着部と、を有し、記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で使用可能な最大幅よりも狭い記録材の連続プリントを行う時に、プリント指示された連続プリント枚数が所定枚数より少ない場合に対応した第1プリントモードと、前記連続プリント枚数が前記所定枚数よりも多い場合に対応し前記第1プリントモードよりも単位時間当たりのプリント枚数が少ない第2プリントモードと、を実行可能な画像形成装置において、前記第2プリントモード時の前記目標温度は、前記第1プリントモード時よりも低く、前記第2プリントモード時の前記ニップ部における記録材の搬送速度は、前記第1プリントモード時よりも遅いことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、小サイズ紙通紙時の生産性を向上させ、画像形成部や定着装置等の寿命を長くすることができる。
実施例1のカラー画像形成装置と定着装置の概略構成断面図 実施例1の定着ヒータを説明する図、発熱分布を示すグラフ 実施例1と比較例の平均スループットを示すグラフと表 実施例1の処理を示すフローチャート 従来例の処理を示すフローチャート
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[画像形成装置]
図1(a)は、実施例1に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図で、本実施例の画像形成装置はA3サイズまでの記録材を通紙可能な電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像を各々形成する画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備え、これらは一定の間隔をおいて一列に配置される。図中、符号aはYに、bはMに、cはCに、dはBkに対応し、以下、必要な場合を除きこれらの符号は省略して説明する。
画像形成動作開始信号が発せられると、画像形成部1の感光ドラム2は所定のプロセススピード(周速度)で矢印方向に回転駆動され、帯電ローラ3により一様に例えば負極性に帯電される。露光装置7は、入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)で光信号に変換し、変換した光信号であるレーザ光を帯電された感光ドラム2上に走査露光して静電潜像を形成する。帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aは、静電潜像が形成された感光ドラム2a上にイエローのトナーを帯電電位に応じて静電吸着させ、静電潜像を顕像化し現像像とする。一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aは、一次転写ニップ部Nで、駆動ローラ141により矢印方向に回転する中間転写ベルト40上にイエローのトナー像を一次転写し、中間転写ベルト40は画像形成部1M側に回動する。同様に中間転写ベルト40上のイエローのトナー像上に、感光ドラム2b、2c、2dで形成されたマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を各一次転写部Nで順次重ね合わせ、フルカラーのトナー像を形成する。
中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー像先端が二次転写ニップ部Mに移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ146は記録材Pを二次転写ニップ部Mに搬送する。二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ144はフルカラーのトナー像を記録材上に一括して二次転写する。定着装置12は、搬送された記録材Pを定着スリーブ20と加圧ローラ22(加圧部材)間の定着ニップ部で加熱、加圧し、記録材P上のトナー像を溶融定着する。その後、記録材Pは外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。一次転写時に感光ドラム2上に残留した一次転写残トナーはドラムクリーニング装置6により、また、二次転写後に中間転写ベルト40上に残った二次転写残トナーはベルトクリーニング装置145により、それぞれ除去され回収される。
画像形成装置は、記録材Pに形成されるトナー像濃度の調整や、最適な転写、定着条件を達成するために環境センサ37を有し、帯電、現像、一次転写、二次転写のバイアスや定着条件は、画像形成装置内の雰囲気環境(温度、湿度)に応じて変更できる。また、記録材Pに対する最適な転写、定着条件を達成するためにメディアセンサ38を有し、記録材Pの種類の判別を行うことで転写バイアスや定着条件を変更できる。
[定着装置12]
図1(b)は本実施例の定着装置12の概略構成図であり、定着スリーブ加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の加熱装置である。定着スリーブ20はベルト状部材に弾性層を設けた円筒状(エンドレスベルト状)の部材であり、加圧ローラ22はバックアップ部材であり、ヒータホルダ17は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する部材である。定着ヒータ16は加熱体(熱源)で例えばセラミックヒータであり、ヒータホルダ17の下面にヒータホルダ17の長手方向(記録材の搬送方向に垂直な方向)に沿って配設する。定着スリーブ20はヒータホルダ17にルーズに外嵌させる。ヒータホルダ17は耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、定着ヒータ16を保持し、定着スリーブ20をガイドする。本実施例では、液晶ポリマーとして、住友化学株式会社のスミカスーパーLCP 型番E4205L(商品名)を使用した。E4205Lの最大使用可能温度(荷重撓み温度)は、約305℃である。
加圧ローラ22は、アルミや鉄(STKM材、機械構造用炭素鋼鋼管、JIS G 3445規格)などの中空芯金に、厚み約3mmのシリコーンゴム層を形成し、その上に厚み約50μmのPFA樹脂チューブを被覆する。加圧ローラ22は芯金の両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させ配設する。加圧ローラ22の上側に、定着ヒータ16、ヒータホルダ17、定着スリーブ20等から成る定着スリーブユニットを、定着ヒータ16側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置する。ヒータホルダ17の両端部を不図示の加圧機構により片側147N(15kgf)、総圧294N(30kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向に附勢する。これにより、定着ヒータ16の下向き面を、定着スリーブ20を介して加圧ローラ22の弾性層にこの弾性層の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部27を形成させる。加圧機構は自動圧可変機構を有し、記録材Pの種類に応じて加圧力が変更できる。
23と26は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラで、入り口ガイド23は、二次転写ニップ部Mを抜けた記録材Pが、定着ニップ部27に正確にガイドされるよう記録材Pを導く。本実施例の入り口ガイド23は、株式会社カネカ製のハイパーライト(商品名)である改質PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂により形成される。
加圧ローラ22は不図示の駆動手段により矢印の反時計回り方向に所定の周速度で回転駆動され、定着ニップ部27での圧接摩擦力により、定着スリーブ20に回転力が作用する。定着スリーブ20の内面側が定着ヒータ16の下向き面に密着して摺動しながらヒータホルダ17の外回りを矢印の時計回り方向に従動回転する。定着スリーブ20内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ17と定着スリーブ20内面との摺動性を確保する。加圧ローラ22が回転駆動されて定着スリーブ20が従動回転状態になり、定着ヒータ16が通電され昇温して所定の温度に立ち上げ、制御部21により温度制御される。この状態で定着ニップ部27に、未定着トナー像tを担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って導入される。定着ニップ部27で記録材Pのトナー像担持面側が定着スリーブ20の外面に密着して一緒に挟持搬送される。定着ヒータ16の熱が定着スリーブ20を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部27を通過した記録材Pは、定着スリーブ20から曲率分離され定着排紙ローラ26で排出される。
[定着ヒータ16]
図2(a)に定着ヒータ16の断面図を示す。アルミナ基板41は記録材Pの搬送方向と直交する方向を長手方向とする横長のセラミック基板である。抵抗発熱体層42、43(43a、43b)(通電発熱抵抗層)(以下、発熱体という)はアルミナ基板41の表面側に長手方向に沿ってスクリーン印刷により線状又は帯状に塗工した厚み10μm程度、幅1mm程度の複数の加熱体である。発熱体42、43は、電流を流すことで発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストのものをアルミナ基板41上に印刷する。電極部44(図2(b)参照)は、発熱体42、43に対する給電パターンとしてアルミナ基板41の表面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成する。ガラスコート45は、厚み60μm程度の薄肉のもので、発熱体42、43の保護と絶縁性を確保する。摺動層46はアルミナ基板41と定着スリーブ20の接触面に設けたポリイミドからなる。
図2(b−1)に定着ヒータ16の表面側を示す図を、図2(b−2)に定着ヒータ16の発熱分布のグラフを示す。発熱体42は、ヒータ長手方向中央部に対する端部の単位長さあたりの抵抗比が発熱体43よりも大きい。発熱体43(43a、43b)は長手中央から端部にかけて連続的に太くなり、長手方向中央領域から端部に向かって徐々に発熱量は小さくなる。一方、発熱体42は長手中央から端部にかけて連続的に細くなり、長手方向中央領域から端部に向かって徐々に発熱量は大きくなる。このように、長手方向で連続的に発熱量を変化させて、A3サイズ紙まで対応した対応紙種の多い定着装置の非通紙部昇温(端部昇温)を効果的に抑えることができる。定着ヒータ16の電極部44には、給電用コネクタが装着され、ヒータ駆動回路部から給電用コネクタを介して電極部44に給電することで、発熱体42、43が発熱して定着ヒータ16が迅速に昇温する。通常使用では、加圧ローラ22の回転開始とともに定着スリーブ20の従動回転が開始し、定着ヒータ16の温度の上昇とともに定着スリーブ20の内面温度も上昇する。制御部21は定着ヒータ16への通電をPID制御によりコントロールし、定着スリーブ20の内面温度を示すスリーブサーミスタ18(図1(b)参照)の検知温度が目標値になるように入力電力を制御する。
図2(c)に定着ヒータ16とサーミスタの位置関係を示す。本実施例では最大通紙幅よりも幅の狭い記録材を通紙した時の非通紙部昇温を検知するために、スリーブサーミスタ18、メインサーミスタ19に加えて、両端部に端部サーミスタ28を設ける。ここで記録材の幅とは記録材の搬送方向に垂直な方向の記録材の長さをいう。定着スリーブ20の内面温度を検知するスリーブサーミスタ18は、ヒータホルダ17に固定支持させたステンレス製のアーム25の先端にサーミスタ素子が取り付けられる(図1(b)参照)。アーム25が弾性揺動することにより、定着スリーブ20の内面の動きが不安定になった状態でも、サーミスタ素子が定着スリーブ20の内面に常に接する状態に保たれる。メインサーミスタ19は定着ヒータ16の裏面の長手中央付近に接触し定着ヒータ裏面の温度を検知する。端部サーミスタ28は幅279mmのLTR横送りサイズの非通紙部に配設され、LTRサイズの記録材を通紙した時の非通紙部温度を検知できる。本実施例では、制御部21はメインサーミスタ19の検知温度が設定温度を維持するように定着ヒータ16への通電を制御するが、スリーブサーミスタ18の検知温度が目標値から外れるとメインサーミスタ19の検知温度と比較する設定温度を補正する。
[定着スリーブ20]
本実施例では、定着スリーブ20は、材質にSUSを用い、厚み30μmの円筒状に形成したエンドレスベルト(ベルト基材)上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)を形成する。シリコーンゴム層の上には厚み20μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)を被覆する。この定着スリーブ20の熱容量を測定すると、2.9×10−2cal/cm・℃(定着スリーブ 1cmあたりの熱容量)となった。定着スリーブ20の基層にはポリイミドなどを用いることもできるが、ポリイミドよりもSUSのほうが熱伝導率が約10倍と大きく、より高いオンデマンド性を得ることができるため、SUSを用いた。定着スリーブ20の弾性層にはより高いオンデマンド性を得るため、熱伝導率の高いゴム層を用い、比熱が約2.9×10−1cal/g・℃の材質のものを用いる。定着スリーブ20の表面にはフッ素樹脂層を設けることで表面の離型性を向上し、定着スリーブ20表面にトナーが一旦付着し再度記録材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止できる。定着スリーブ20表面のフッ素樹脂層をPFAチューブとすることで、より簡便に均一なフッ素樹脂層を形成できる。
一般に、定着スリーブ20の熱容量が大きくなると、温度立ち上がりが鈍くなり、オンデマンド性が損なわれる。例えば、スタンバイ時にヒータを発熱させない装置で温度制御を行わず、プリント指示を入力して1分以内での立ち上がりを想定した場合、定着スリーブ20の熱容量は約1.0cal/cm・℃以下である必要がある。本実施例では、電源を切ってしばらく時間が経った後に電源を入れるような場合に、定着ヒータ16に1000Wの電力を投入して、定着スリーブ20が190℃に20秒以内に立ち上がるように設計する。シリコンシリコーンゴム層に比熱が約2.9×10−1cal/g・℃の材質を用いると、シリコンシリコーンゴムの厚みは500μm以下でなければならず、定着スリーブ20の熱容量は約4.5×10−2cal/cm・℃以下である必要がある。また逆に、1.0×10−2cal/cm・℃以下にしようとすると、定着スリーブ20のゴム層が極端に薄くなり、OHT透過性やグロスムラなどの画質の点で、弾性層を持たないオンデマンド定着装置と同等になってしまう。
本実施例では、OHT透過性やグロスの設定など高画質な画像を得るために必要なシリコンシリコーンゴムの厚みは200μm以上で、この際の熱容量は2.1×10−2cal/cm・℃である。すなわち定着スリーブ20の熱容量は1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下が一般的に対象となる。この中で、よりオンデマンド性と高画質の両立を図ることができる、2.1×10−2cal/cm・℃以上4.5×10−2cal/cm・℃以下の定着スリーブを用いた。
[本実施例のスループットの制御]
本実施例の画像形成装置は、2種類の画像形成速度を有する。第一の画像形成速度は約150mm/secで、第二の画像形成速度は第一の画像形成速度より遅く、約2/3速である約100mm/secである。
図3(a)は、小サイズの用紙(小サイズ紙)を、低温環境(約15℃)で第一の画像形成速度と第二の画像形成速度で通紙した場合の連続プリント枚数[枚]とスループット(ppm:1分あたりのプリント枚数)の関係を示すグラフである。小サイズ通紙の用紙として、Xerox社Business Multipurpose white paper 4200、紙サイズ:レター縦(幅216mm×長さ279.4mm、坪量:約90g/m^2を使用した。
第一の画像形成速度時の定着温度(スリーブサーミスタ18の検知温度)は、定着性の観点から、本実施例では約175℃である。第一の画像形成速度で通紙した場合には、初期約20ppmで通紙開始し、約15枚で非通紙部昇温により端部サーミスタ28の検知温度がスループットダウン閾値温度(例えば約270℃)に到達する。このため、スループットを20ppmから10ppmに低下させる(紙間を広げる)。その後、約150枚で端部サーミスタ28の検知温度がスループットダウン閾値に再度到達し、スループットを10ppmから8ppmに低下させる。その後、約193枚で端部サーミスタ28の検知温度がスループットダウン閾値に再度到達し、スループットを8ppmから6ppmに低下させる。
第二の画像形成速度時の定着温度は、第一の画像形成速度よりも画像形成速度が遅いため、第一画像形成速度時の定着温度設定よりも低い温度である約155℃とする。このため、定着速度が遅く、かつ、定着温度自体も低いため、非通紙部昇温が低く、第二の画像形成速度で通紙した場合には、初期約13.4ppmで通紙開始し、その後、端部サーミスタ28がスループットダウン閾値温度に到達することはなかった。
比較のため従来例(例えば特許文献2)のスループットの制御のフローチャートを図5に示す。従来例では、ステップ1001(以下、S1001等と記す)でプリント指示があると、S1002で小サイズ通紙でない場合は、S1004で第一の画像形成速度でプリントを行う。S1002で小サイズ通紙時である場合は、S1003で第一の画像形成速度より遅い第二の画像形成速度でプリントを行う。従来例ではこのように通紙サイズにより画像形成速度を固定している。この場合の小サイズ通紙時の平均スループットを本実施例に対する比較例1として、図3(b)に示す。従来の第二の画像形成速度に固定する比較例1では、初期平均スループットが約13.4ppmであり、プリント枚数が多くなっても平均スループットは約13.4ppmのままであった。
別の従来例(例えば特許文献1)として小サイズ通紙時の画像形成速度を第一の画像形成速度に固定し、紙間を広げることで非通紙部昇温対応を行う場合を本実施例に対する比較例2として図3(b)に示す。比較例2では、初期は20ppmと早いスループットでプリントされるが約14枚で非通紙部昇温のためスループットが低下する(紙間が広くなる)。このため、平均スループットがプリント枚数が増加するにつれて低下する。
本実施例のスループットの制御のフローチャートを図4に示す。S101でプリント指示があり、S102で不図示のエンジンコントローラが小サイズ通紙でないと判断すると、S107で第一の画像形成速度でプリントを行う点は従来例と同じである。S102でエンジンコントローラが所定の幅より小さい例えばB5、A5、EXEサイズやA4縦通紙等の小サイズ通紙であると判断するとS103の処理に進む。S103でエンジンコントローラは例えば画像形成枚数であるプリントJOB枚数を確認し、S104で所定の画像形成速度切替枚数とプリントJOB枚数を比較する。S104でエンジンコントローラはプリントJOB枚数が画像形成速度切替枚数より少ない、すなわち所定枚数未満であると判断すると、S105で第一の画像形成速度でプリントを実行するように制御する。S104でエンジンコントローラは、プリントJOB枚数が画像形成速度切替枚数より多い、すなわち所定枚数以上であると判断すると、S106で第一の画像形成速度より遅い第二の画像形成速度でプリントを実行するように制御する。なお、画像形成速度切替枚数は例えば30枚と設定する。
本実施例と比較例1、2でのプリントJOB枚数と平均スループットを図3(b)(c)に示す。本実施例で、画像形成速度切替枚数よりプリントJOB枚数が少ない場合には(14枚)、比較例1よりも平均スループット(平均ppm)を大きくすることができる。本実施例で、画像形成速度切替枚数よりプリントJOB枚数が多い場合には(100枚、200枚)、比較例2よりも平均スループット(平均ppm)を大きくすることができる。
このように本実施例によれば、プリントJOB枚数に応じてプリントを行う画像形成速度を切り換えるようにしたため、小サイズ紙通紙時の生産性(パフォーマンス)を向上させることができ、画像形成部や定着装置等の寿命を長くすることができる。
なお、本実施例では、フィルム定着装置について説明を行ったが、本発明はフィルム定着装置に限定されるものではなく、ローラ定着装置等他の定着装置を使用しても同様の効果が得られる。
1 画像形成部
12 定着装置
P 記録材

Claims (3)

  1. 記録材に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、
    加熱ユニットと、前記加熱ユニットと共にニップ部を形成する加圧ローラと、を備え、前記加熱ユニットの温度が目標温度に維持されるように前記加熱ユニットに供給する電力が制御され、前記ニップ部で前記未定着トナー画像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー画像を記録材に定着する定着部と、を有し、
    記録材搬送方向に直交する方向の幅が装置で使用可能な最大幅よりも狭い記録材の連続プリントを行う時に、プリント指示された連続プリント枚数が所定枚数より少ない場合に対応した第1プリントモードと、前記連続プリント枚数が前記所定枚数よりも多い場合に対応し前記第1プリントモードよりも単位時間当たりのプリント枚数が少ない第2プリントモードと、を実行可能な画像形成装置において、
    前記第2プリントモード時の前記目標温度は、前記第1プリントモード時よりも低く、前記第2プリントモード時の前記ニップ部における記録材の搬送速度は、前記第1プリントモード時よりも遅いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材搬送方向に直交する方向の幅が前記装置で使用可能な最大幅の記録材のプリントを行う時は、前記第1プリントモードを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記加熱ユニットは、筒状のフィルムと、前記フィルム内面に接触するヒータと、を有し、前記ヒータは、前記フィルムを介して前記加圧ローラと共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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