JP5512296B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびに該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびに該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムニッケル複合酸化物により構成され、非水系電解質二次電池の正極に適用される正極活物質およびその製造方法、ならびに該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池に関する。
近年、電子技術の進歩に伴い、電子機器の小型化、軽量化が急速に進んでいる。特に、最近の携帯電話やノートパソコンなどのポータブル電子機器の普及と高機能化により、これらに使用されるポータブル用電源として、高いエネルギー密度を有し、小型で、かつ軽量な電池の開発が強く望まれている。
非水系電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池は、小型で高いエネルギーを有することから、ポータブル電子機器の電源としてすでに利用されている。また、かかる用途に限られず、リチウムイオン二次電池について、ハイブリッド自動車や電気自動車などの大型電源としての利用を目指した研究開発も進められている。
リチウムイオン二次電池の正極活物質には、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)が使用されているが、リチウムコバルト複合酸化物の原料には、希産で高価なコバルト化合物が用いられるため、正極活物質のコストアップの原因となっている。
正極活物質のコストを下げ、より安価なリチウムイオン二次電池の製造を実現することは、現在普及しているポータブル電子機器の低コスト化や将来の大型電源へのリチウムイオン二次電池の搭載を可能とすることから、工業的に大きな意義を有しているといえる。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質として適用できる他の正極材料として、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)がある。リチウムニッケル複合酸化物は、現在主流のリチウムコバルト複合酸化物と比べて、高容量であって、原料であるニッケルがコバルトと比べて安価で、かつ、安定して入手可能であるといった利点を有していることから、次世代の正極材料として期待され、リチウムニッケル複合酸化物について、活発に研究および開発が続けられている。
しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物に比べて、低い温度から分解が始まるため、合成の際の焼成温度が上げられず、結果的に焼成時間が長くなり、工業的に量産する際の生産性に劣るという問題点を有している。
リチウムニッケル複合酸化物の製造方法については、特許文献1〜4に示されるように、リチウム化合物とニッケル複合化合物とを混合して熱処理する方法が採られている。これらの文献では、電池特性の向上などを目的に、合成時間、合成温度、合成雰囲気などを規定することが開示されている。しかしながら、工業的な量産過程において、電池性能を損なうことなく、できるだけ短時間で合成を完了させて、生産性を向上させるための条件については検討がなされておらず、これらの技術に基づいて、工業的に量産する際の生産性を飛躍的に高めることは困難である。
特開平07−114915号公報 特開平11−111290号公報 特開2000−133249号公報 特開2007−119266号公報
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、高い電池性能をもたらす非水系電解質二次電池用正極活物質を、電池性能を損なうことなく、工業的な量産過程において高い生産性をもって提供することにある。
また、本発明は、工業的な量産過程において、高い初期放電容量を有する非水系電解質二次電池および該電池の正極材料としての正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、正極活物質の合成に関する研究を進めた結果、正極活物質として用いるリチウムニッケル複合酸化物の焼成において、加熱時に保持される特定の温度領域が、正極活物質の特性に大きな影響を及ぼしており、この温度領域において、リチウム化合物とニッケル複合化合物との混合物の厚さに応じた酸素拡散時間を確保することで、電池性能を損なわずに、工業的な量産過程において、正極活物質の生産性を大幅に向上できるとの知見を得て、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法は、リチウムニッケル複合酸化物から構成される非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法に係り、特に、平均粒径が8〜20μmであるニッケル複合化合物と、リチウム化合物とを混合して得られる、嵩密度が1.0〜2.2g/mlである混合物を、焼成容器に充填して焼成する工程において、該混合物を焼成容器に入れたときの厚さをt(mm)としたときに、該混合物の温度が550℃以上650℃以下の温度領域に保持される時間を、式:時間(分)=0.026t2−2.7により求められる最小保持時間以上として、酸素濃度が60容量%以上の酸化性雰囲気中で該混合物の焼成を行い、得られた焼成物を水洗することを特徴とする。
前記酸素濃度が80容量%以上の雰囲気中で、前記混合物を前記温度領域に保持することが好ましい。
前記焼成工程において、前記混合物の到達する最高温度が650℃以上800℃以下であり、かつ該最高温度での保持時間が4時間以上であることが好ましい。
また、前記焼成工程において、前記混合物の加熱開始から冷却完了までの時間が24時間以下であることが好ましい。
前記リチウム化合物としては、水酸化リチウムまたは水酸化リチウム水和物を用いることが好ましく、また、前記ニッケル複合化合物としては、ニッケル複合酸化物またはニッケル複合水酸化物を用いることが、それぞれ好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法は、リチウムニッケル複合酸化物により構成される正極活物質の製造に広く適用されるが、特に、一般式:LixNi(1-y-z)Coyz2(式中、Mは、Al、Tiの中から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、x、y、zはそれぞれ、0.90≦x≦1.10、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.15を満たす)で表される組成のリチウムニッケル複合酸化物を得る際に好適に適用される。
本発明の非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法により、高い電池性能を維持できる特性を備えながら、工業的な量産工程において高い生産性をもって製造される正極活物質が提供される。
さらに、本発明の正極活物質を正極材料として用いることにより、たとえば、2032型コイン電池からなる非水系電解質二次電池の場合には、1回目の放電容量が198mAh/g以上となるというように、高い初期放電容量を有する非水系電解質二次電池が工業的な量産工程において高い生産性をもって提供される。
本発明により、非水系電解質二次電池およびその正極材料として用いられる正極活物質の工業的な量産工程において、高い電池性能と高い生産性とを同時に達成できるものであり、本発明の工業的価値は極めて大きい。
図1は、電池評価に用いたコイン電池を示す斜視図および断面図である。 図2は、混合物の厚さと550〜650℃の保持時間に対する1回目の放電容量の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)非水系電解質二次電池用の正極活物質およびその製造方法
リチウムイオン電池用の正極材料であるリチウムニッケル複合酸化物を工業的に生産する場合、一般的に、セラミック製の焼成容器に充填した原料混合物を、ローラーハースキルンやプッシャー炉などの炉の中に連続的に送り込み、所定の時間、所定の温度で焼成して、合成反応を起こさせている。
工業的な生産過程における焼成容器としては、一般的に、内寸が100mm(L)×100mm(W)×20mm(H)〜500mm(L)×500mm(W)×100mm(H)の範囲にある容器が使用され、原料であるリチウム化合物とニッケル複合化合物との混合物を、その厚さが5〜100mmの範囲となるように充填している。
この場合、生産性を向上させるための手段としては、搬送速度を速めて炉の中を通過させる時間を短縮したり、焼成容器の中に入れる混合物の量を多くしたりして、単位時間あたりの合成量を増加させることが考えられる。
このうち、搬送速度を速める方法は、あまりに速めてしまうと合成反応の時間が足りず、正極材料として使用可能な結晶成長が行われなくなり、電池性能を劣化させてしまうという問題がある。
一方、焼成容器に充填する混合物の量をあまりに多くすると、混合物の厚さが大きくなりすぎて、容器の底部にまで反応に必要な酸素の拡散が不十分となり、下記式(1)に示すような反応が進行せず、リチウムニッケル複合酸化物の合成不足が発生し、放電容量の低下などの問題が発生する。
2NiO+2LiOH+1/2O2 → 2LiNiO2+H2O (1)
したがって、電池性能を良好にするためには、正極活物質として用いるリチウムニッケル複合酸化物を合成するにあたって、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物との反応に必要な酸素を混合物内に十分拡散させることが必要となる。
ここで、本発明者らは、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物の反応においては、焼成工程におけるすべての温度範囲で酸素を混合物内に十分に拡散させる必要はなく、かかる反応には最も重要な温度領域があって、この温度領域において酸素を混合物内に十分に拡散させれば、電池性能が良好なリチウムニッケル複合酸化物が得られるとの知見を得たのである。
すなわち、焼成容器に充填した混合物を焼成してリチウムニッケル複合酸化物を得る場合に、上記の温度領域において混合物の厚さに応じた酸素拡散時間を確保しさえすれば、焼成容器の中に入れる混合物の量を多く(混合物の厚さを大きく)しても、電池性能を悪化させることなく、さらには、高放電容量の電池とすることができる、リチウムニッケル複合酸化物が得られることになる。
より具体的には、本発明の非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法は、リチウムニッケル複合酸化物から構成される正極活物質の製造方法であって、平均粒径が8〜20μmであるニッケル複合化合物と、リチウム化合物とを混合して得られた、嵩密度が1.0〜2.2g/mlである混合物を、焼成容器に充填して焼成する工程において、該混合物を焼成容器に入れたときの厚さをt(mm)としたときに、該混合物の温度が550℃以上650℃以下の温度範囲に保持される時間を、式:時間(分)=0.026t2−2.7により求められる最小保持時間以上として、酸素濃度が60容量%以上の酸化性雰囲気中で該混合物の焼成を行い、得られた焼成物を水洗することを特徴としている。
本発明者らは、混合物の温度が550℃以上650°以下である温度領域において、混合物に酸素を十分に供給することに重要な意義があるとの知見を得ている。すなわち、リチウム化合物の種類にもよるが、550以上650℃以下の温度領域において、リチウム化合物とニッケル複合化合物との間での固相固相反応、もしくは液相固相反応が最も顕著に進んでおり、該温度領域において、混合物全体に反応に必要な酸素が十分に行きわたることで、高い電池性能をもたらすリチウムニッケル複合酸化物を得ることが可能となる。
たとえば、原料として水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを用いた場合、これらの反応は、450℃付近から開始する。また、水酸化リチウムの融点は、480℃付近にあり、水酸化リチウムが溶融しながら、ニッケル複合酸化物と反応することとなる。該温度領域において、焼成容器の底部にまで十分な酸素拡散が行われない場合、未反応の溶融した水酸化リチウムがセラミック容器と反応してしまい、実質的にニッケル複合酸化物と化合する水酸化リチウムの量が不足し、生成したリチウムニッケル複合酸化物中に、電池反応を阻害する結晶が混入して、電池性能の低下を招くこととなる。
しかしながら、反応開始温度付近では、反応速度が遅く、該反応は原料混合物の昇温に伴って進行するため、反応開始温度付近で保持しても効率が悪い。したがって、反応開始温度より高く、水酸化リチウムが溶融して十分な反応速度が得られる温度領域、すなわち、混合物が550℃以上となる温度において、酸素を十分に供給し顕著に反応を進行させることが重要である。
一方、混合物の温度が650℃に到達した時点で、まだ未反応の水酸化リチウムとニッケル複合酸化物が存在し、かつ酸素が不足している場合には、下記式(2)の副反応が発生し、生成するリチウムニッケル複合酸化物結晶中に、電池反応時にLiイオンの移動を妨げる異相が生じるため、電池性能の劣化を招くことになる。
8NiO+2LiOH+1/2O2 → Li2Ni810+H2O (2)
ここで、焼成容器内に前記混合物を充填して焼成を行う場合、該混合物の厚さが大きくなるほど、焼成容器の上部開口側すなわち混合物の上面から、焼成容器の底部すなわち混合物の底の部分まで、酸素が拡散することが困難となり、一定の酸素分圧のもとでは混合物の厚さに応じた酸素拡散のための時間を確保することが必要である。本発明者は、検討の結果、混合物の厚さt(mm)と、酸素拡散に最低限必要とされる保持時間が所定の関係にあるとの知見を実験的に得たのである。すなわち、かかる最低限必要とされる保持時間(分)は、式:時間(分)=0.026t2−2.7により導かれる。
混合物を550℃以上650℃以下の温度領域に保持する時間が、かかる最小保持時間を下回ると、2032型コイン電池からなる非水系電解質二次電池の正極材料として用いた場合に、該非水系電解質二次電池の1回目の放電容量が198mAh/g以上とならない。かかる温度領域における保持時間をさらに長くすると、得られる電池の1回目の放電容量はさらに向上するが、当該保持時間は、要求される電池性能やエネルギーコストなどから最小保持時間以上の時間で選択することができる。なお、混合物が上記温度領域にあることは、熱電対などを用いた実測により確認することができる。
このように、上記式から導かれる時間を下回らない最小保持時間で550℃以上650℃以下の温度領域を通過させることで、最も生産性が高く、かつ電池性能を損なわない正極活物質を効率よく生産することが可能となる。
かかる最小保持時間は、具体的には、混合物の厚さtが40mmの場合に約40分、45mmの場合に約50分、50mmの場合に約62分、55mmの場合に約76分、60mmの場合に約91分、65mmの場合に約107分、70mmの場合に約125分である。
なお、上記式は、上述の通常用いられる焼成容器および通常の充填量の範囲の全体にわたって適用することが可能である。
ところで、550℃以上650℃以下の温度領域においては、該温度領域の範囲にある一定の温度で保持した場合でも、たとえば、一定速度で昇温させる場合のように、その範囲内で温度を変化させた場合でも、いずれも同一の効果を得ることができる。
また、この反応は基本的に酸素を必要とする反応であるから、焼成炉内の酸素濃度は高い方が好ましいことはいうまでもない。焼成工程はその全体にわたり酸素を含む雰囲気(大気、酸素ガスなど)で行われるが、本発明では、焼成炉内の酸素濃度が60容量%以上となるようにする。焼成工程における酸素濃度が60容量%未満では、リチウム化合物とニッケル複合化合物との反応が、酸素の拡散律速から酸素の濃度律速となり、反応が十分に進行しないためである。
本発明では、少なくとも、特に反応が顕著に進む550℃以上650℃以下の温度領域における焼成炉内の酸素濃度を80容量%以上とすることが好ましい。この際の焼成炉内の酸素濃度が80容量%未満である場合には、上記式から導かれる時間を上回って、該温度領域での保持時間を確保した場合であっても、焼成容器の底の部分まで酸素が十分に拡散しない可能性がある。このため、不十分な拡散に起因して、焼成物に異相が生じて、電池性能の悪化を招くことを確実に防止するためには、該酸素濃度を80容量%とすることが好ましい。
上記温度領域において、上記式で導かれる以上の時間で反応させれば、基本的な反応は完了してリチウムニッケル複合酸化物が得られる。しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物の合成において、十分な結晶性と高い電池性能を発揮させるためには、焼成における混合物の最高到達温度を650℃以上800℃以下とすることが好ましく、該最高温度に混合物を保持する時間は4時間以上であることが好ましい。最高到達温度が650℃未満の場合、もしくは、当該温度以上でも保持時間が4時間未満の場合では、得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶性が十分とならない場合があり、一方、800℃を超えると生成したリチウムニッケル複合酸化物が分解を開始し、層状構造が乱れて電池性能を悪化させてしまう場合がある。なお、最高温度での保持時間は、全体の焼成時間を考慮すると、8時間以下とすることが好ましい。また、最高温度への混合物の保持は、熱電対などを用いた実測により確認することができる。
ある程度以上長い時間をかけて合成すれば、十分な結晶性を維持し、かつ電池性能を損なわずに合成することが可能であるが、工業的な生産性を考慮した場合、無駄に焼成時間を長くすることは好ましくない。したがって、混合物の入った焼成容器が焼成用の炉に入ってから出てくるまで、すなわち、加熱開始から最高温度への到達およびその保持を経由して冷却が完了する(焼成物の温度が150℃以下となる)までの工程全体の時間(焼成時間)は、24時間以下とすることが好ましい。一方、温度を急激に上昇させると、焼成容器内の混合物の温度が不均一となり、反応も均一にならない場合があるため、前記加熱開始から冷却完了までの時間(焼成時間)は、12時間以上とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記混合物の原料となるニッケル複合酸化物の平均粒径を8〜20μmの範囲内とする。平均粒径が8μm未満では、得られる正極活物質物の粒径も小さくなり、容積あたりの充填量が少なく、電池の容量が低下する。また、焼成中に焼結が生じやすく、粗大な正極活物質が生成されて電池特性が低下する。一方、平均粒径が20μmを超えても、正極活物質間の接点が少なく、正極の抵抗が上昇して、電池容量が低下する。また、ニッケル複合化合物とリチウム化合物を混合して得られる混合物の嵩密度を1.0〜2.2g/mlの範囲内とする。嵩密度が1.0g/ml未満では、焼成容器へ一定量充填する際に必要な焼成容器の必要容量が大きくなりすぎて、生産性を著しく低下させる。一方、嵩密度が2.2g/mlを超えると、混合物が密に詰まることで酸素拡散が遅くなり、焼成に必要な時間が延びて生産性を低下させる。
混合物の原料として用いるリチウム化合物は、特に限定されるものではないが、水酸化リチウムまたは炭酸リチウムが好ましく、融点が480℃付近にある水酸化リチウムまたは水酸化リチウム水和物が、ニッケル複合酸化物との反応を考慮すると特に好ましい。水酸化リチウムが溶融し、ニッケル複合酸化物と固液反応することでより、均一に反応が進むからである。
また、混合物の原料として用いるニッケル複合化合物も、特に限定されるものではないが、反応中に水以外の副反応物を生成しないという観点から、ニッケル複合水酸化物またはニッケル複合酸化物が好ましい。
本発明の製造方法においては、焼成によって得られたリチウムニッケル複合酸化物を水洗することで、リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の余剰のリチウムが除去され、高容量で安全性が高い非水系電解質二次電池用正極活物質となる。ここで、水洗方法としては、公知の技術が用いられる。
たとえば、水洗する際のスラリー濃度として、好ましくは、質量比で水1に対してリチウムニッケル複合酸化物を0.5〜2投入し、リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の余剰のリチウムが十分に除去される間、撹拌した後、固液分離して乾燥すればよい。スラリー濃度が質量比で2を超えると、粘度も非常に高いため攪拌が困難となるばかりか、液中のアルカリが高いので平衡の関係から付着物の溶解速度が遅くなったり、剥離が起きても粉末からの分離が難しくなったりすることがある。一方、スラリー濃度が質量比で0.5未満では、希薄過ぎるためリチウムの溶出量が多く、正極活物質の結晶格子中からのリチウムの脱離も起きるようになり、結晶が崩れやすくなるばかりか、高pHの水溶液が大気中の炭酸ガスを吸収して炭酸リチウムを再析出する。
上記水洗に使用する水は、特に限定されるものではないが、電気伝導率測定で10μS/cm未満の水が好ましく、1μS/cm以下の水がより好ましい。すなわち、電気伝導率測定で10μS/cm未満の水を使用することにより、正極活物質への不純物の付着による電池性能の低下を防止することが可能となる。
上記スラリーの固液分離時の粒子表面に残存する付着水は少ないことが好ましい。付着水が多いと、液中に溶解したリチウムが再析出し、乾燥後のリチウムニッケル複合酸化物粉末の表面に存在するリチウム量が増加する。固液分離には、通常に用いられる遠心機、フィルタープレスなどが用いられる。
乾燥の温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは80〜550℃、さらに好ましくは120〜350℃である。80℃以上とするのは、水洗後の正極活物質を素早く乾燥し、粒子表面と粒子内部とでリチウム濃度の勾配が起こることを防ぐためである。一方、正極活物質の表面付近では化学量論比にきわめて近いか、もしくは若干リチウムが脱離して充電状態に近い状態になっていることが予想されるので、550℃を超える温度では、充電状態に近い粉末の結晶構造が崩れる契機になり、電気特性の低下を招くおそれがある。さらに、生産性および熱エネルギーコストをも考慮すると、120〜350℃がより好ましい。このとき、乾燥方法としては、濾過後の粉末を、炭素および硫黄を含む化合物成分を含有しないガス雰囲気下、または真空雰囲気下に制御できる乾燥機を用いて、所定の温度で行なうことが好ましい。
本発明は、さまざまなリチウムニッケル複合酸化物から構成される、非水系電解質二次電池用の正極活物質の工業的な製造に適用することが可能であるが、特に、その組成が、一般式:LixNi(1-y-z)Coyz2(式中、Mは、Al、Tiの中から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、x、y、zはそれぞれ、0.90≦x≦1.10、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.15を満たす)で表されるリチウムニッケル複合酸化物に好適に適用される。
上記リチウムニッケル複合酸化物の原料となる、ニッケル複合水酸化物またはニッケル複合酸化物は、公知の方法に基づいて得ることができる。たとえば、ニッケルとコバルトおよび添加元素Mを共沈させることによりニッケル複合水酸化物を得ることができる。さらに、ニッケル複合水酸化物を酸化焙焼することにより、コバルトおよび添加元素Mが酸化ニッケルに固溶しているニッケル複合酸化物が得られる。ただし、ニッケル酸化物とその他の添加元素の酸化物を粉砕混合するなどのその他の手段によっても得ることは可能である。
本発明が提供する非水系電解質二次電池用の正極活物質は、上記製造方法で得られるものであり、非水系電解質二次電池に用いられた場合には、高容量で安全性の高い電池となる。
特に、本発明の非水系電解質二次電池用の正極活物質は、これを正極材料として用いた場合の非水系電解質二次電池の1回目の放電容量が198mAh/g以上と、従来よりも極めて高容量の非水系電解質二次電池を工業的に生産することを可能とするものである。
なお、1回目の放電容量の測定には、たとえば、2032型コイン電池を用いることができる。この2032型コイン電池としては、活物質粉末90質量%にアセチレンブラック5質量%およびポリ沸化ビニリデン(PVDF)5質量%を混合し、得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えペースト化し、得られたペーストを20μm厚のアルミニウム箔に乾燥後の活物質質量が0.05g/cm2となるように塗布し、120℃で真空乾燥を行った後、直径1cmの円板状に打ち抜いて得た正極と、リチウム金属からなる負極と、1mol/LのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等量混合溶液からなる電解液と、ポリエチレンからなり、該電解液を染み込ませたセパレータとを用い、露点が−80℃に管理されたアルゴン雰囲気のグローブボックス中でこれらを組み立てて作製したものを用いる。
測定に際しては、作製した二次電池を24時間程度放置し、開回路電圧(OCV)を安定させた後に、正極に対する電流密度を0.5mA/cm2とし、カットオフ電圧4.3〜3.0Vで充放電試験を行う。
本発明の非水系電解質二次電池は、上述した本発明の正極活物質を正極材料として適用する点に特徴を有する。以下、本発明の非水電解質二次電池について説明する。
本発明の非水電解質二次電池は、上記リチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質、特に、上記製造方法により得られたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いて、正極を作製し、これを組み込んでなる高容量で安全性の高い非水電解質二次電池である。
ここで、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極の作製方法について説明するが、これに特に限定されるものではない。たとえば、正極活物質粒子と結着剤とを含む正極合剤を、帯状の正極芯材(正極集電体)に担持させた正極が作製される。なお、正極合剤には、他に、導電材などの添加剤を任意成分として含ませることもできる。正極合剤の芯材への担持は、正極合剤を液状成分に分散させてペーストを調製し、ペーストを芯材に塗工し、乾燥させることにより行なわれる。
前記正極合剤の結着剤としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは、Na+イオンなどによる架橋体であってもよい。
前記正極合剤の導電材としては、電池内で化学的に安定な電子伝導性材料であればいずれでもよい。たとえば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料、フッ化カーボンなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記正極合剤の導電材の添加量としては、特に限定されるものではなく、正極合剤に含まれる正極活物質粒子に対して、0.5〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。
前記正極芯材(正極集電体)としては、電池内で化学的に安定な電子伝導体であればいずれでもよい。たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などからなる箔またはシートを用いることができ、この中でアルミニウム箔、アルミニウム合金箔がより好ましい。ここで、箔またはシートの表面には、カーボンまたはチタンの層を付与したり、酸化物層を形成したりすることもできる。また、箔またはシートの表面に凹凸を付与することもでき、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群成形体などを用いることもできる。
前記正極芯材の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば、厚さが1〜500μmのものを用いることができる。
次に、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極以外の構成要素について説明する。ただし、本発明の非水電解質二次電池は、上記正極活物質を用いる点に特徴を有するものであり、その他の構成要素は特に限定されるものではない。
まず、負極としては、リチウムを充放電することができるものが用いられ、たとえば、負極活物質と結着剤を含み、任意成分として導電材や増粘剤を含む負極合剤を負極芯材に担持させたものを用いることができる。このような負極は、正極と同様の方法で作製することができる。
前記負極活物質としては、リチウムを電気化学的に充放電し得る材料であればよい。たとえば、黒鉛類、難黒鉛化性炭素材料、リチウム合金などを用いることができる。前記リチウム合金は、ケイ素、スズ、アルミニウム、亜鉛およびマグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む合金が好ましい。
前記負極活物質の平均粒径は、特に限定されるものではなく、たとえば、平均粒径が1〜30μmのものが用いられる。
前記負極合剤の結着剤としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは、Na+イオンなどによる架橋体であってもよい。
前記負極合剤の導電材としては、電池内で化学的に安定な電子伝導性材料であればいずれでもよい。たとえば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケルなどの金属粉末類、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記導電材の添加量としては、特に限定されるものではなく、負極合剤に含まれる負極活物質粒子に対して、1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
前記負極芯材(負極集電体)としては、電池内で化学的に安定な電子伝導体であればいずれでもよい。たとえば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂などからなる箔またはシートを用いることができ、銅および銅合金が好ましい。箔またはシートの表面には、カーボン、チタン、ニッケルなどの層を付与したり、酸化物層を形成したりすることもできる。また、箔またはシートの表面に凹凸を付与することもでき、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群成形体などを用いることもできる。
前記負極芯材の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば、厚さが1〜500μmのものが用いられる。
次に、非水電解液としては、リチウム塩を溶解した非水溶媒が好ましい。また、非水溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいが、二種以上を混合して用いることが好ましい。なかでも、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒、または環状カーボネートと鎖状カーボネートと脂肪族カルボン酸エステルとの混合溶媒が好ましい。
前記リチウム塩としては、たとえば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO22、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、リチウムイミド塩などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、少なくともLiPF6を用いることが好ましい。
前記非水溶媒中のリチウム塩濃度としては、特に限定されるものではなく、0.2〜2mol/Lが好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましい。
前記非水電解液には、電池の充放電特性を改良する目的で、種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、たとえば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテルなどを挙げることができる。
また、正極と負極との間には、セパレータが介在される。セパレータとしては、大きなイオン透過度と所定の機械的強度を持ち、かつ絶縁性である微多孔性薄膜が好ましい。この微多孔性薄膜としては、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗を上昇させる機能を持つものが好ましい。また、微多孔性薄膜の材質としては、耐有機溶剤性に優れ、疎水性を有するポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましく用いられる。また、ガラス繊維などから作製されたシート、不織布、織布なども用いられる。
前記セパレータの孔径は、たとえば、0.01〜1μmである。また、セパレータの厚さは、一般的には、10〜300μmである。また、セパレータの空孔率は、一般的には、30〜80%である。
さらに、非水電解液およびこれを保持するポリマー材料からなるポリマー電解質を、セパレータとして正極または負極と一体化させて用いることもできる。このポリマー材料としては、非水電解液を保持することができるものであればよいが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体が好ましい。
以上、説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成され、本発明に係る非水系電解質二次電池の形状は、円筒型、積層型など、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、この電極体に前記非水系電解液を含浸させる。正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、並びに負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リードなどを用いて接続する。以上の構成のものを電池ケースに密閉して電池を完成させることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
正極活物質を合成するため、市販の水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)と、ニッケルとコバルトとアルミニウムのモル比が82:15:3で固溶してなり、平均粒径が15μmである金属複合水酸化物(Ni0.82Co0.15Al0.032)とを、リチウムとリチウム以外の金属とのモル比が1.02:1.00となるように秤量した後、十分に混合した。なお、得られた混合粉末の嵩密度は1.1g/mlであった。
この混合粉末を、内寸が301mm(L)×301mm(W)×102mm(H)の焼成容器に厚さが40mmとなるように装入し、これを連続式の焼成炉であるローラーハースキルンを用いて、酸素濃度85容量%の雰囲気中で、雰囲気の温度を500℃から780℃まで、一定速度で7.5時間かけて昇温し、780℃で7時間保持する、温度パターンで焼成を行った。この際、混合物に熱電対を挿入して実測した混合物自体の550℃以上650℃以下の温度領域における保持時間は110分であり、また、実測された焼結物の最高到達温度は780℃で、その保持時間は7時間であった。また、混合物が焼成炉に入ってから出るまでに要した時間(焼成開始から冷却完了までの時間)は、20時間であった。なお、焼成炉から出たときの焼成物の温度は110〜140℃であった。
得られた焼成物を、質量比で水1に対し1.5となるように、純水に投入してスラリーとし、30分間の撹拌後、濾過、乾燥して正極活物質を得た。
次に、得られた正極活物質として用い、図1に示すような二次電池を、以下の方法で作製した。
まず、活物質粉末90質量%にアセチレンブラック5質量%およびポリ沸化ビニリデン(PVDF)5質量%を混合し、得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えペースト化した。これを20μm厚のアルミニウム箔に乾燥後の活物質質量が0.05g/cm2となるように塗布し、120℃で真空乾燥を行った後、直径1cmの円板状に打ち抜いて正極とした。
また、負極としてリチウム金属を適用し、電解液には1mol/LのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等量混合溶液を用いた。そして、ポリエチレンからなるセパレータに電解液を染み込ませ、露点が−80℃に管理されたアルゴン雰囲気のグローブボックス中で、図1に示すような2032型のコイン電池を作製した。
作製した二次電池は24時間程度放置し、開回路電圧(OCV)が安定した後、正極に対する電流密度を0.5mA/cm2とし、カットオフ電圧4.3〜3.0Vで充放電試験を行い、1回目の放電容量を測定した。
混合物の550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、式:時間(分)=0.026t2−2.7により求められる最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例2)
焼成容器に装入した混合物の厚さを45mmとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例3)
焼成容器に装入した混合物の厚さを50mmとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例4)
焼成容器に装入した混合物の厚さを55mmとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例5)
焼成容器に装入した混合物の厚さを60mmとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例6)
焼成容器に装入した混合物の厚さを40mmとしたこと、雰囲気の温度を600℃から780℃まで一定速度で9時間かけて昇温して、780℃で4時間保持する、温度パターンで焼成した以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。実測した混合物の550℃以上650℃以下の温度範囲における保持時間は60分であり、実測された混合物の最高到達温度およびその保持時間は780℃で4時間であった。また、混合物が焼成炉に入ってから出るまでに要した時間は18.5時間であった。混合物の550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例7)
焼成容器に装入した混合物の厚さを45mmとしたこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例1)
焼成容器に装入した混合物の厚さを50mmとしたこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例2)
焼成容器に装入した混合物の厚さを55mmとしたこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例3)
焼成容器に装入した混合物の厚さを60mmとしたこと以外は、実施例6と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(実施例8)
焼成容器に装入した混合物の厚さを40mmとしたこと、雰囲気を600℃から780℃まで一定速度で4時間かけて昇温して、780℃で10時間保持する、温度パターンで焼成したこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。実測した混合物の550℃以上650℃以下の温度領域における保持時間は60分であり、実測された混合物の最高到達温度およびその保持時間は、780℃で10時間であった。また、混合物が焼成炉に入ってから出るまでに要した時間は19.5時間であった。混合物の550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例4)
焼成容器に装入した混合物の厚さを45mmとした以外は、実施例8と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例5)
焼成容器に装入した混合物の厚さを50mmとした以外は、実施例8と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例6)
焼成容器に装入した混合物の厚さを55mmとした以外は、実施例8と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
(比較例7)
焼成容器に装入した混合物の厚さを60mmとした以外は、実施例8と同様にして正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。混合物の550℃以上650℃以下での保持時間(T1)および1回目の放電容量を、最小保持時間(T2)と併せて、表1に示す。
Figure 0005512296
(評価)
1)550℃〜650℃の保持時間が同じであれば混合物の厚さが小さいほど、混合物の厚さが同じであれば550℃〜650℃の保持時間が長いほど、電池の1回目の放電容量は高い傾向がある。
2)作製された各実施例ならびに比較例に係る二次電池を評価したところ、これら実施例の電池の1回目の放電容量は、比較例に比較して概ね良好であり、いずれも198mAh/g以上の高い放電容量を示している。
(実施例9)
焼成容器に装入した混合物の厚さ(t)を40〜60mmで変化させるとともに、500℃から780℃までの昇温速度を調整することで、550℃以上650℃以下の温度領域における保持時間を変化させたこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、得られた電池の評価を行った。1回目の放電容量が198mAh/g以上のものを良好(○)、198mAh/g未満のものを不良(×)と評価して、横軸に混合物の厚さ(mm)、縦軸に550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間(分)を取り、得られたそれぞれの結果を図2に示す。図2から198mAh/g以上の容量を有するような混合物の厚さt(mm)と550℃以上650℃以下の温度領域での保持時間T1(分)の関係を見積もると、最小保持時間(T2;分)=0.026t2−2.7となった。
なお、保持時間を0.030t2(分)以上とすると、1回目の放電容量が200mAh/gを上回る傾向が、保持時間を0.040t2(分)以上とすると、1回目の放電容量が202mAh/gを上回る傾向が見られた。
量産性に優れていながら、常に198mAh/g以上という高い初期放電容量を有しているという本発明の非水系電解質二次電池のメリットを活かすためには、常に高容量を要求される小型携帯電子機器の電源としての用途が好適である。
また、電気自動車用の電源としてリチウムイオン二次電池が普及するためには電池の低コスト化が不可欠であるが、量産性に優れるという本発明の正極活物質を用いることで低コスト化が可能となり、その工業的価値は極めて大きいといえる。なお、電気自動車用の電源とは、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車のみならず、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの燃焼機関と併用する、いわゆるハイブリッド車の電源として用いることをも含む。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 正極缶
6 負極缶
B コイン電池

Claims (10)

  1. リチウムニッケル複合酸化物から構成される非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法であって、平均粒径が8〜20μmであるニッケル複合化合物と、リチウム化合物とを混合して得られる、嵩密度が1.0〜2.2g/mlである混合物を、焼成容器に充填して焼成する工程において、該混合物を焼成容器に入れたときの厚さをt(mm)としたときに、該混合物の温度が550℃以上650℃以下の温度領域に保持される時間を、式:時間(分)=0.026t2−2.7(ただし、40≦t≦60)により求められる最小保持時間以上として、酸素濃度が60容量%以上の酸化性雰囲気中で該混合物の焼成を行い、得られた焼成物を水洗することを特徴とする、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記酸素濃度が80容量%以上の雰囲気中で、前記混合物を前記温度領域に保持する、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記焼成工程において、前記混合物の到達する最高温度が650℃以上800℃以下であり、かつ該最高温度での保持時間が4時間以上である、請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記焼成工程において、前記混合物の加熱開始から冷却完了までの時間が24時間以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記リチウム化合物が、水酸化リチウムまたは水酸化リチウム水和物である、請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記ニッケル複合化合物が、ニッケル複合酸化物またはニッケル複合水酸化物である、請求項1〜5のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記リチウムニッケル複合酸化物の組成が、一般式:LixNi(1-y-z)Coyz2(式中、Mは、Al、Tiの中から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、x、y、zはそれぞれ、0.90≦x≦1.10、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.15を満たす)で表される、請求項1〜6のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られた非水系電解質二次電池用正極活物質。
  9. 2032型コイン電池からなる非水系電解質二次電池の正極材料として用いた場合に、該非水系電解質二次電池の1回目の放電容量が198mAh/g以上となる、請求項8に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  10. 請求項8または9に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を正極材料として用いていることを特徴とする非水系電解質二次電池。
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