JP5510729B2 - 回転機用電力変換装置 - Google Patents

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    • H02M1/008Plural converter units for generating at two or more independent and non-parallel outputs, e.g. systems with plural point of load switching regulators

Description

本発明は、スイッチング部と制御部とを備える回転機用電力変換装置に関する。
従来では、整流損失を低減させるため、MOSトランジスタのオフタイミングは他相のオンタイミング(電気角120°進角後)に基づいて行い、さらに上記タイミングを回転数や界磁電流制御用のスイッチング素子のデューティなどの値に基づいて最大で電気角60°進角遅延させる技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2004−7964号公報
上述した特許文献1の技術では、MOSトランジスタのオン時間を電気角で120°から180°まで変化させており、変化幅は回転数や界磁電流制御用のスイッチング素子のデューティなどの値に基づいてフィードフォワードで決定している。このような制御では、過渡応答時や予期せぬ変化(例えば経年変化による特性変化や温度変化など)に対応することができず、オフタイミングにずれが生じる。例えば、過渡応答時については、同じスイッチング素子のデューティであっても、励磁コイルの時定数の影響を受けてオフタイミングが変化し、タイミングのずれが生じる。また、予期せぬ変化については、経年変化による特性変化や温度変化などの影響を受けるため、タイミングのずれが生じる。オフタイミングが早くなると整流損失の増大につながり、逆に遅くなると電源から巻線への電流の逆流が生じる。つまり、還流整流素子として機能するMOSトランジスタに電流が還流する期間を一定に維持できず、動作信頼性が損なわれるという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、過渡応答時や予期せぬ変化などの影響を受けても、電流が還流する期間を一定に維持して動作信頼性を従来よりも向上させることができる回転機用電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、回転機の巻線と電源との間に介在されるスイッチング部と、前記スイッチング部を上下アームで構成される各スイッチング素子を制御する制御部とを備える回転機用電力変換装置において、前記制御部は、プラス側とマイナス側が繰り返される繰り返し周期における同一極性側の半周期内に、前記上下アームのうち一方のアームのオン状態を継続するオン継続期間が今回の期間しきい値以上になってオフした後前記巻線の誘起電圧である相電圧が第一しきい値に達してから第二しきい値に達するまでの電流還流期間の長さが所定長となるように、実際に前記第一しきい値に達してから前記第二しきい値に達するまでの期間であって自相に設定された前記電流還流期間に基づいて次回の期間しきい値を求めて設定し、前記次回の期間しきい値に基づいて、次回の前記一方のアームをオフするフィードバック制御を行うことを特徴とする。
ここで、「回転機」は発電機や電動機等の種類を問わない。「上下アーム」の数は相数に対応し、相数は単相,二相,多相(すなわち三相以上)のいずれを問わない。「スイッチング素子」は、制御部からオンオフを制御可能であれば任意の素子を適用できる。例えば、FET(具体的にはMOSFET,JFET,MESFET等)、IGBT、GTO、パワートランジスタ等が該当する。「電流還流期間」は、スイッチング素子を制御する際に発生する巻線の誘起電圧(すなわち逆起電力)によって電流が還流する期間を意味し、装置全体で一の電流還流期間を設定してもよく、相ごとに個別の電流還流期間を設定してもよい。還流する電流は、スイッチング素子内のPN接合で構成される寄生ダイオードを通してもよく、スイッチング素子に並列接続する整流素子(いわゆるフリーホイールダイオードに相当する素子)を通してもよく、スイッチング素子に並列接続するスナバ回路を通してもよい。電流還流期間の始期および終期を規定する「第一しきい値」および「第二しきい値」の各値は、環境条件(例えば、回転機の種類や作動目的,相数,スイッチング素子の種類,スイッチング素子に並列接続する整流素子やスナバ回路の有無等)に応じて適切な値が設定される。よって第一しきい値と第二しきい値との大小関係も上記環境条件に応じて異なり、「第一しきい値>第二しきい値」になったり、「第一しきい値<第二しきい値」になったりする。「値に達する」という場合には、当該値を上回る(超える)場合と、当該値を下回る場合とを含む。
この構成によれば、制御部は、オン継続期間が今回の期間しきい値以上になって一方のアームをオフした後の電流還流期間の長さを所定長で維持するように、実際に第一しきい値に達してから第二しきい値に達するまでの期間であって自相に設定された電流還流期間に基づいて次回の期間しきい値を求めて設定し次回の期間しきい値に基づいて次回の一方のアームをオフするフィードバック制御を行う。すなわち電流が還流する期間を一定に維持するので、その後に行う他方のアームにかかるスイッチング素子の制御するタイミングが従来よりも正確に行える。さらに、回転位置や電流等によらず、自相に設定された電流還流期間に基づいてアームを制御するので、回転位置や電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、前記相電圧が第三しきい値に達した後、第四しきい値に達するとアームをオンする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「アーム」は請求項1における一方のアームに相当する。対象となるスイッチング素子は上下アームの一方または双方が該当し、自相に限らず他相(二相以上の場合)を含む。「第三しきい値」および「第四しきい値」の各値や大小関係についても、上述した第一しきい値や第二しきい値と同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。
この構成によれば、回転位置(例えば回転角等)や電流等によらずにアームをオンする制御が行えるので、回転位置や電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、相電流が第五しきい値に達すると、アームをオンする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「第五しきい値」の値は上述した第一しきい値から第四しきい値までと同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。「アームを制御する」対象となるスイッチング素子についても、請求項2と同様である。
この構成によれば、制御部は、電流センサで検出した相電流が第五しきい値に達するとアームをオンする制御を行う。相電流が第五しきい値に達してもなおアームをオンする制御を行わなければ、整流損失が増大し、電源から巻線への電流の逆流が生じる可能性が高まるためである。したがって、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記回転機の回転位置が所定位置に達すると、アームをオンする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「回転機の回転位置」は回転位置を検出可能な任意の手段を適用してよい。例えば、レゾルバやロータリエンコーダ等のような位置センサによって検出してもよく、他のセンサからの入力値に基づいて推定してもよく、基準位置(例えば電気角で0°の位置)が分かる場合には当該基準位置を経過した時からの経過時間に基づいて推定してもよい。
この構成によれば、制御部は、回転機の回転位置が所定位置に達するとアームをオンする制御を行う。回転機の回転位置が所定位置に達してもなおアームをオンする制御を行わなければ、整流損失が増大し、電源から巻線への電流の逆流が生じる可能性が高まるためである。したがって、従来よりも確実に整流損失を抑制でき、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項5に記載の発明は、前記制御部は、位置センサからの入力値に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、制御部は、位置センサからの入力値に基づいて(例えば電気角で0°,120°,240°等になったとき)、上下アームのうち一方のアームをオフし、その後の電流還流期間を確保する。予期せぬ変化(例えば回転機の回転速度が急に変化する等)が起きた場合、一定のタイミングで上記アームをオフにしていたのでは電流還流期間の始期が遅れ、結果的に一定の電流還流期間を確保できなくなる場合がある。このような場合でも、位置センサからの入力値に基づいて上記アームをオフにするので、一定の電流還流期間を確保できる。したがって、回転機の回転状態等にかかわらず、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項6に記載の発明は、前記制御部は、電流センサからの入力値に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、制御部は、電流センサからの入力値に基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフし、その後の電流還流期間を確保する。例えば回転機の負荷が急に変化したとき等において、一定のタイミングで上記アームをオフにしていたのでは電流還流期間の始期が遅れ、結果的に一定の電流還流期間を確保できなくなる場合がある。このような場合でも、電流センサからの入力値に基づいて上記アームをオフにするので、一定の電流還流期間を確保できる。したがって、回転機の負荷状態等にかかわらず、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項7に記載の発明は、前記制御部は、自相または他相のアームをオンするオンタイミングからの第1遅延期間に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「自相または他相のアーム」は、自相や他相のうち一相にかかる上下アームの一方または双方が該当する。「第1遅延期間」は、上述した第一しきい値から第四しきい値等と同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。
この構成によれば、回転位置や電流等によらず、自相または他相のオンタイミングからの第1遅延期間に基づいてアームを制御するので、回転位置や電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項8に記載の発明は、前記回転機が発電機として機能するときは、電流がしきい値電流以上になると前記上下アームのうち一方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、回転機が発電機として機能するときは、電流がしきい値電流以上になると上下アームのうち一方のアームをオンする。したがって、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
「他相のアーム」は他相のうち一相にかかる上下アームの一方または双方が該当し、「自相のアーム」は自相にかかる上下アームの一方または双方が該当する。「第2遅延期間」は、上述した第1遅延期間と同じ長さであってもよく異なってもよい。この第2遅延期間は、上述した第一しきい値から第四しきい値や第1遅延期間等と同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。
請求項9に記載の発明は、前記制御部は、前記回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて、前記電流還流期間の長さを設定することを特徴とする。
この構成によれば、第一しきい値および第二しきい値に基づいて設定する電流還流期間にかかわらず、回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて電流還流期間の長さを設定する。設定は、電流還流期間の長さを伸縮する場合に限らず、未設定のときにおける新たに長さを設定する場合を含む。この設定を行うことよって電流を還流させる期間を確実に確保できるので、従来よりも整流損失を抑制でき、電源から巻線への電流の逆流を防止でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
請求項10に記載の発明は、前記制御部は、前記回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になると、無期間または所定期間の経過後にアームをオフする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「許容範囲外」は、予め設定された単位時間当たりの変化量や許容値等について、上限値を上回るか、下限値を下回ることを意味する。上限値および下限値は、その一方または双方が環境条件に応じた適切な値が設定される。「所定期間」は、上述した第1遅延期間や第2遅延期間と等と同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。
この構成によれば、予期せぬ変化(例えば回転機の回転速度が急に変化する等)が起きて回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になると、無期間または所定期間経過後に自相のアームをオフする制御を行う。こうして確実にアームを制御するので、一定の電流還流期間を確保できる。したがって、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止できる。
請求項11に記載の発明は、前記制御部は、前記上下アームのうち一方のアームをオフすることに伴って還流する電流の電流値が基準電流値に達すると、前記上下アームのうち他方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする。
ここで、「基準電流値」は、上述した第1遅延期間や第2遅延期間と等と同様に環境条件に応じた適切な値が設定される。
この構成によれば、還流する電流の電流値が基準電流値に達すると他方のアームをオンする制御を行って、一方のアームに必要以上の電流が流れるのを防止する。こうしてアームに必要以上の電流が流れて制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
請求項12に記載の発明は、前記制御部は、各アームの制御時に各相の相電圧を検出し、検出した前記各相の相電圧が所定印加状態以外の印加状態のときは全アームの一部または全部をオフする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、各アームの制御時に検出した各相の相電圧が異常状態(すなわち所定印加状態以外の印加状態)のときは、全アームの一部または全部をオフする制御を行って一時的に初期化する。こうして各アームに印加される相電圧によって当該アームが制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
請求項13に記載の発明は、前記制御部は、アームを制御するタイミングのパターンを検出し、検出したパターンが所定パターン以外のパターンのときは全アームの一部または全部をオフする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、アームを制御(オンまたはオフ)するタイミングのパターンが異常パターン(すなわち所定パターン以外のパターン)のときは、全アームの一部または全部をオフする制御を行って一時的に初期化する。こうして制御パターンの乱れによってアームが制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明は、前記制御部は、前記電流還流期間が設定されていない場合は、前記電流還流期間に基づくタイミングよりも早いタイミングでアームをオフする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、電流還流期間が未設定のときは、相電圧が第一しきい値に達する電流還流期間の始期よりも前にアームをオフする制御を行う。この制御によって、少なくとも電流還流期間よりも長い期間を確保することができるので、還流する電流を流すための期間を確実に確保できる。したがって、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源から巻線への電流の逆流を防止でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
請求項15に記載の発明は、前記制御部は、各アームの制御時に各相の電圧および電流のうちで一方または双方を検出し、その検出値が所定値以下のときはアームをオンする制御を行わないことを特徴とする。
この構成によれば、各相の電圧や電流の検出値が小さいために回転機の制御が不安定になる可能性がある場合に、アームをオンする制御を行わないことで回転機の制御が不安定な状態に陥るのを防止できる。
請求項16に記載の発明は、各相ごとに同一の構成を有する上下アームモジュールを有することを特徴とする。
この構成によれば、各相ごとに同一の上下アームモジュールを用いることで、回転機用電力変換装置の相数の増減に対して容易に対応することができる構成を提供できる。
回転機用電力変換装置の構成例を模式的に示す図である。 遷移状態を説明する図である。 駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。 同期制御処理の一例を示すフローチャートである。 図4に続く同期制御処理の一例を示すフローチャートである。 相電圧やアーム等にかかる経時的な変化を示すタイムチャートである。 回転数が変化する場合の設定例を説明する図である。 三相の相電圧にかかる波形パターン例を示す図である。 車両用発電機の構成例を模式的に示す図である。 整流器モジュールの構成を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、「接続する」という場合には、特に明示しない限りは電気的な接続を意味する。また、論理値は正論理に従うものと仮定し、ハイレベル(他には真,1,オンなど)を「H」で示し、ローレベル(他には偽,0,オフなど)を「L」で示す。
まず図1には、回転機用電力変換装置(以下では単に「電力変換装置」と呼ぶ。)の構成例を模式的に示す。図1に示す電力変換装置10は、回転機20の作動(回転や静止等)を制御するため、界磁制御部12,駆動部16,制御部17,スイッチング部18,電源E等を有する。なお、電力を供給する電源Eは本形態では直流電源を適用する。
回転機20は、例えば界磁巻線型同期機からなる三相ブラシレスDCモータが用いられる。この回転機20は、スター接続するU相巻線Lu、V相巻線LvおよびW相巻線Lwとともに、界磁電流Ifが流れる界磁巻線Lfを有する。
スイッチング部18はいわゆる三相(U相,V相,W相)インバータ回路であって、電動作動時には電源Eから供給される直流電圧を三相交流電圧に変換し、発電作動時には回転機20から供給される三相交流電圧を三相全波整流する機能を備える。このスイッチング部18は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6(以下では単に「Q1〜Q6」と記す)と、整流素子D1,D2,D3,D4,D5,D6(以下では単に「D1〜D6」と記す)とを有する。スイッチング素子Q1〜Q6には例えばMOSFETを用い、整流素子D1〜D6には例えばダイオードを用いる。スイッチング素子Q1,Q3,Q5は上アームに相当し、スイッチング素子Q2,Q4,Q6は下アームに相当する。スイッチング素子Q1,Q4は三相のうちU相を担う。同様にしてスイッチング素子Q2,Q5はV相を担い、スイッチング素子Q3,Q6はW相を担う。整流素子D1はスイッチング素子Q1に並列接続し、回転機20から還流する電流を流す「フリーホイールダイオード」の役割を担う。同様の目的で、整流素子D2〜D6はスイッチング素子Q2〜Q6にそれぞれ並列接続する。
制御部17は、図示しない制御装置からの指令や各種センサの入力値等に基づいて、電動作動時にはスイッチング部18(具体的にはスイッチング素子Q1〜Q6)をパルス幅変調を行うための制御信号(すなわちPWM信号)を形成し、発電作動時にはスイッチング部18を同期整流するための制御信号を形成する。この制御部17は、CPUを中心にプログラム実行で作動する構成とするが、回路素子からなるハードウェアロジックによって作動する構成としてもよい。
駆動部16は上述した制御部17から伝達される制御信号に従って、スイッチング部18に備えるスイッチング素子Q1〜Q6のオンオフを駆動制御するための駆動信号を各ゲート端子に伝達する。
界磁制御部12は、制御部17から出力される信号に従って界磁巻線Lfに流れる界磁電流Ifを制御する機能を有し、例えばスイッチング素子Q7や整流素子D7等で構成される。スイッチング素子Q7には例えばMOSFETを用い、整流素子D7には例えばダイオードを用いる。
電流センサ11は、回転機20から還流する還流電流Irの電流値を検出する。電流センサ13は、界磁巻線Lfを流れる界磁電流Ifの電流値を検出する。電流センサ14は、U相を流れるU相電流Iu、V相を流れるV相電流IvおよびW相を流れるV相電流Iwについて各電流値を検出する。これらの電流センサ11,13,14には、例えばホール素子等で検出する磁気型のセンサを用いる。位置センサ15は、回転機20に備える回転体(例えばロータ等)の回転位置P(例えば回転角等)を検出する。この位置センサ15には、例えばレゾルバ(磁気式や光学式等の種類を問わない)を用いる。
上述のように構成された電力変換装置10において、制御部17からスイッチング部18に対して行う制御例について図2から図8までを参照しながら説明する。図2には遷移状態の一例を示す。図3には、駆動制御処理の一例をフローチャートで示す。図4および図5には同期制御処理の一例をフローチャートで示す。当該図4と図5との間は結合子Aを通じて処理が継続する。図6には、相電圧やアーム等にかかる経時的な変化をタイムチャートで示す。図7には回転数が変化する場合の設定例を示す。図8には三相の相電圧に基づいて異常検出を行う波形パターンの一例を示す。なお、三相(U相,V相,W相)は電気角が異なっているだけであるので、説明を簡単にするためにU相を代表として説明する。よって、スイッチング素子Q1が上アームに相当し、スイッチング素子Q4が下アームに相当する(図1を参照)。
制御部17は、図2に示す遷移状態に基づいてスイッチング部18に対して所要の制御信号を伝達する。図2では、初期状態を除いて、各状態を区別するための符号(数字)を円形の内側に示す。初期状態および状態0は図3に示す駆動制御処理が担い、状態1から状態6までは図4および図5に示す同期制御処理が担う。なお、図2に示す遷移状態は一相ごとに個別に遷移するので、説明を簡単にするために三相(U相,V相,W相)のうちU相を代表として説明する。
まず、図2から図5に示す各条件に設定する内容の一例を以下に示す。
条件C1:U相電流Iuが初動電流値Isを上回るか(Iu>Is)?
条件C2:制御状態が状態0か?
条件C3:U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るか(Vu<VTH+)?
条件C4:制御状態が状態1か?
条件C5:U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+以上か(Vu≧VTH+)?
条件C6:制御状態が状態2か?
条件C7:上アームのオン継続期間TONUが期間しきい値TTHU以上か(TONU≧TTHU)?
条件C8:制御状態が状態3か?
条件C9:U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るか(Vu<VTH+)?
条件C10:制御状態が状態4か?
条件C11:U相電圧Vuがしきい値電圧VTH-以下か(Vu≦VTH-)?
条件C12:制御状態が状態5か?
条件C13:下アームのオン継続期間TONDが期間しきい値TTHD以上か(TOND≧TTHD)?
条件C14:制御状態が状態6か?
条件C15:U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るか(Vu<VTH+)?
初期状態は、例えば電源を投入した直後の状態や、回転機20に予期せぬ変化が発生する等して一時的に初期化した状態などが該当し、全てのスイッチング素子Q1〜Q6をオフにする。この初期状態は条件C1を満たさない限り継続し、条件C1を満たすと状態0に移行する。
状態0は、回転機20のU相巻線LuにU相電圧Vuが印加され始めた状態である。この状態0は条件C3を満たさない限り継続し、条件C3を満たすと状態1に移行する。
状態1は、U相電圧Vuが増加しているものの、まだしきい値電圧VTH+に達していない状態である。この状態1は条件C5を満たさない限り継続し、条件C5を満たすと状態2に移行する。
状態2は、U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を上回った状態であり、上アームのスイッチング素子Q1をオンする。この状態2は条件C7を満たさない限り継続し、条件C7を満たすと状態3に移行する。
状態3は、スイッチング素子Q1のオン状態が期間しきい値TTHU以上になった状態であり、当該スイッチング素子Q1をオフにする。この状態3は条件C9を満たさない限り継続し、条件C9を満たすと状態4に移行する。
状態4は、スイッチング素子Q1をオフすることに伴って回転機20のU相巻線Luに誘起電圧が発生し、電流がスイッチング部18に還流する状態である。この状態4は条件C11を満たさない限り継続し、条件C11を満たすと状態5に移行する。
状態5は、回転機20のU相巻線Luに発生していた誘起電圧が低下してしきい値電圧VTH-以下になった状態であり、下アームのスイッチング素子Q4をオンする。この状態5は条件C13を満たさない限り継続し、条件C13を満たすと状態6に移行する。
状態6は、スイッチング素子Q4のオン状態が期間しきい値TTHD以上になった状態であり、当該スイッチング素子Q4をオフにする。この状態6は条件C15を満たさない限り継続し、条件C15を満たすと状態1に戻る。
次に図2に示す遷移状態を実現するための手続きについて、図3から図5を参照しながら説明する。なお、図3から図5に示す各処理は一相ごとに個別に実行されるので、説明を簡単にするために三相(U相,V相,W相)のうちU相を代表として説明する。
図3に示す駆動制御処理では、まず上下アーム(すなわちスイッチング素子Q1,Q4)をオフにするとともに、制御状態を状態0に初期化する〔ステップS10〕。他相も同様であるので、結果的にステップS10を実行するとスイッチング素子Q1〜Q6を全てオフすることになる。スイッチング素子Q1〜Q6が全てオフになると、整流素子D1〜D6による整流のみが行われる(後述するステップS13でも同様である)。
初期化後は、回転機20の状態(例えば回転数,相電流,相電圧等)を検出する〔ステップS11〕。具体的には、位置センサ15からの信号に基づいて回転位置Pや回転数等を求め、電流センサ13からの信号に基づいて界磁電流Ifを求め、電流センサ14からの信号に基づいてU相電流Iuを求める。なお、U相電流Iuが求まれば、予め測定等して既知であるU相巻線Lu等の抵抗値を乗算してU相電圧Vuを求めることもできる。
次に、条件C1の判別および初期化を行う。すなわち、ステップS11で求めたU相電流Iuが初動電流値Isを下回るときは(Iu≦Is,条件C1;ステップS12でNO)、回転機20のU相巻線Luには未だU相電圧Vuが印加されていないことを示す。よって、ステップS10と同様にスイッチング素子Q1,Q4をオフにするとともに制御状態を状態0に設定して〔ステップS13〕、ステップS11,S12を繰り返す。
一方、ステップS11で求めたU相電流Iuが初動電流値Isを上回るときは(Iu>Is;ステップS12でYES)、回転機20のU相巻線LuにU相電圧Vuが印加され始めたことを示す。よって、同期制御処理を実行する〔ステップS14〕。
図4に示す同期制御処理において、第1チェックでは条件C2,C3の判別を行う。すなわち、制御状態が状態0であり(条件C2;ステップS20でYES)、かつU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るときは(Vu<VTH+,条件C3;ステップS21でYES)、U相電圧Vuが増加しているものの、まだしきい値電圧VTH+に達していないことを示す。よって、制御状態を状態1に設定したうえで〔ステップS22〕、第2チェックに進む。ステップS22は電気角を特定するために実行されるので、制御状態が状態0であることが条件となる。したがって、例えば電源投入時や回転機20に予期せぬ変化が発生した時等のような初期状態から移行する場合に限られる。一方、制御状態が状態0でないか(ステップS20でNO)、あるいは制御状態が状態0であってもU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+以上のときは(Vu≧VTH+;ステップS21でNO)、第2チェックに進む。
第2チェックでは条件C4,C5の判別を行う。すなわち、制御状態が状態1であり(条件C4;ステップS23でYES)、かつU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+以上のときは(Vu≧VTH+,条件C5;ステップS24でYES)、所要の電圧がU相巻線Luに印加されていることを示す。
なお、ステップS24は他の条件で判別してもよい。当該他の条件は任意に設定するこが可能であり、以下に条件例を挙げる。例えば、電流センサ14で検出する相電流(例えばU相電流Iu)がしきい値電流ITH+以上になるか、あるいはしきい値電流ITH-以下になることが該当する。回転機20が発電機として機能するときは、外部負荷に対して流れる電流がしきい値電流以上(または以下)になることが該当する。位置センサ15で検出する回転機20(具体的にはロータ等の回転体)の回転位置Pが所定位置(例えば5°等のような回転角)になることが該当する。他方のアーム(例えばスイッチング素子Q4)をオフすることに伴って還流する還流電流Irの電流値が基準電流値に達することが該当する。いずれか一の条件のみを適用してもよく、複数の条件を組み合わせて適用してもよい。しきい値電流ITH+,ITH-は、チャタリングの発生を防止するためにヒステリシス(すなわち異なる値)に設定するのが望ましい。基準電流値は、通常は還流電流Irが増加する際の電流値を設定するが、還流電流Irが減少する際の電流値を設定してもよい。
条件C4,C5を満たすと、上アームのスイッチング素子Q1をオンするとともに、スイッチング素子Q1のオン状態が継続する期間を示すオン継続期間TONUを0で初期化し、さらに制御状態を状態2に設定したうえで〔ステップS25〕、第3チェックに進む。一方、制御状態が状態1でないか(ステップS23でNO)、あるいは制御状態が状態1であってもU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るときは(Vu<VTH+;ステップS24でNO)、第3チェックに進む。
第3チェックでは条件C6,C7の判別を行う。すなわち、制御状態が状態2であり(条件C6;ステップS26でYES)、かつスイッチング素子Q1のオン継続期間TONUが期間しきい値TTHU以上のときは(TONU≧TTHU,条件C7;ステップS27でYES)、スイッチング素子Q1をオフする時期に達したことを示す。
なお、ステップS27は他の条件で判別してもよい。当該他の条件は任意に設定するこが可能であり、以下に条件例を挙げる。例えば、電流センサ14で検出する相電流(例えばU相電流Iu)が所定の電流値に達することが該当する。位置センサ15で検出する回転機20の回転位置Pが所定位置(例えば電気角で150°等のような回転角)になることが該当する。自相(例えばU相)または他相(例えばV相またはW相)のアームをオンするオンタイミングからの第1遅延期間(例えば数ミリ秒間)が経過することが該当する。他相(例えばV相またはW相)のアームをオフするオフタイミングからの第2遅延期間(例えば数ミリ秒間)が経過することが該当する。自相に設定された電流還流期間TRU,TRDに基づいて設定した期間を経過することが該当する。回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になることが該当する。いずれか一の条件のみを適用してもよく、複数の条件を組み合わせて適用してもよい。許容範囲外となるケースは、例えば予め設定された単位時間当たりの変化量や許容値等について、上限値を上回るか、下限値を下回ることが該当する。上限値および下限値は、その一方または双方が環境条件に応じた適切な値が設定される。また、電流還流期間TRUが設定されていない場合は、オン継続期間TONUが期間しきい値TTHU以上となる前、すなわち電流還流期間TRUに基づくタイミングよりも早いタイミングで条件C7を満たしたものとして、後述するステップS29でスイッチング素子Q1をオフする。
ところで、例えば単位時間当たりに回転数が大きく変化して許容範囲外となるケースについて、図7(A)を参照しながら説明する。図7(A)の上側には回転数が小さい場合にかかるU相電圧Vuの変化を示し、下側には回転数が大きい場合にかかるU相電圧Vuの変化を示す。上側と下側とでは上アームをオンする時刻t12が一致するように位置合わせしている。時刻t12に上アームをオンしたとき、回転数が小さければ時刻t15に上アームをオフすれば、電流還流期間TRUを確保することができる。ところが、時刻t12に上アームをオンした後に何らかの要因で回転数が急変したとき、オン継続期間TONUの長さを変えずに時刻t15に上アームをオフしたのでは、フィードバック制御を行っても電流還流期間TRUを確保できない場合がある。
そこで、回転数にかかる単位時間当たりの変化量に対応してオン継続期間TONUを短くし、時刻t15よりも前の時刻t13に上アームをオフする。例えば、回転数が10000[rpm/sec]を超えて変化したときは、所定長(後述する第一所定長,第二所定長)の値を1.5倍に設定する。こうして期間しきい値TTHUが短くなれば、オン継続期間TONUも短くなるので(ステップS27)、電流還流期間TRUを確実に確保できる。なお、図7(A)では上アームの例を示したが、下アームについても同様である。
ここで、時刻t12に上アームをオンするときのしきい値電圧VTH4+と、時刻t15,t18に下アームをオンするときのしきい値電圧VTH4-とは、いずれも「第四しきい値」に相当する。「第三しきい値」に相当するしきい値電圧VTH3a,VTH3bは、それぞれしきい値電圧VTH4+としきい値電圧VTH4-との間の値に設定する。図7(A)の例ではVTH3a>VTH3bとなるように設定しているが、VTH3a≦VTH3bとなるように設定してもよい。しきい値電圧VTH3aはU相電圧Vuが立ち上がるときに用い、しきい値電圧VTH3bはU相電圧Vuが立ち下がるときに用いる。すなわち図7の例に示すU相電圧Vuは、時刻taにしきい値電圧VTH3aに達し、時刻tb,tcにそれぞれしきい値電圧VTH3bに達している。
図4に戻って条件C6,C7を満たすと、スイッチング素子Q1をオフにするとともに、当該スイッチング素子Q1の電流還流期間TRUを0で初期化し、さらに制御状態を状態3に設定したうえで〔ステップS29〕、第4チェックに進む。スイッチング素子Q1をオフにするタイミングは、条件C6,C7を満たすと同時(すなわち無期間の経過後)に行ってもよく、予め設定した所定期間(例えば数ミリ秒間)の経過後に行ってもよい。
一方、制御状態が状態2でないときは(ステップS26でNO)、第4チェックに進む。また、制御状態が状態2であってもオン継続期間TONUが期間しきい値TTHUに満たないときは(TONU<TTHU;ステップS27でNO)、オン継続期間TONUを増やしたうえで〔ステップS28〕、第4チェックに進む。
第4チェックでは条件C8,C9の判別を行う。すなわち、制御状態が状態3であり(条件C8;ステップS30でYES)、かつU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るときは(Vu<VTH+,条件C9;ステップS31でYES)、ステップS29でスイッチング素子Q1をオフすることに伴って回転機20から整流素子D1を通って還流電流Irが還流していることを示す。よって、次回に用いる期間しきい値TTHUを設定するとともに、制御状態を状態4に設定したうえで〔ステップS33〕、第5チェックに進む。ステップS33で設定する次回の期間しきい値TTHUは、例えば式1に従って求める。
〔式1〕
次回の期間しきい値TTHU=今回の期間しきい値TTHU+(第一所定長−電流還流期間TRU
ここで、上記式1に示す第一所定長は「所定長」に相当し、電流還流期間TRUとして確保すべき期間の長さを設定する。電流還流期間TRUには、回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて適切な値(長さ)を設定してもよい。電流還流期間TRUの対象は、自相または他相のいずれを問わず、上下アームのいずれを問わない。
ここで、通常の電流還流期間TRUを設定したときに回転数が急変(急増または急減)した場合の対処例を図7(A)で示したが、回転数が急変する場合を見込んだ対処例について図7(B)および図7(C)を参照しながら説明する。
まず図7(B)に示す例では、電流還流期間TRUを図7(A)に示す電流還流期間TRUと比べて長く設定する。設定するタイミングは任意であるが、例えば回転数について単位時間当たりの変化量が第1の変化量しきい値を超えた場合が該当する。電流還流期間TRUを長くなれば、上述した式1によって次回の期間しきい値TTHUが短くなり、図4のステップS27によってオン継続期間TONUの長さが短くなる。よって、上アームをオンした後に何らかの要因で回転数が急増してもオン継続期間TONUの長さが短くなっているので、結果として電流還流期間TRUを確実に確保できる。なお、図7(B)では上アームの例を示したが、下アームについても同様であるので図示および説明を省略する。
また図7(C)に示す例では、第一所定長を図7(A)に示す第一所定長と比べて小さく(短く)設定する。設定するタイミングは任意であるが、例えば回転数について単位時間当たりの変化量が第2の変化量しきい値(上述した第1の変化量しきい値と同じ値でもよく異なる値でもよい)を超えた場合が該当する。第一所定長が小さくなれば、上述した式1によって次回の期間しきい値TTHUが短くなり、図4のステップS27によってオン継続期間TONUの長さが短くなる。よって、上アームをオンした後に何らかの要因で回転数が急増してもオン継続期間TONUの長さが短くなっているので、結果として電流還流期間TRUを確実に確保できる。なお、図7(C)では上アームの例を示したが、下アームについても同様であるので図示および説明を省略する。
再び図4に戻って、制御状態が状態3でないときは(ステップS30でNO)、第5チェックに進む。制御状態が状態3であってもU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+以上のときは(Vu≧VTH+;ステップS31でNO)、電流還流期間TRUを増やしたうえで〔ステップS32〕、第5チェックに進む。
図5に移って、第5チェックでは条件C10,C11の判別を行う。すなわち、制御状態が状態4であり(条件C10;ステップS40でYES)、かつU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-以下のときは(Vu≦VTH-,条件C11;ステップS41でYES)、回転機20から還流する還流電流Irがほぼ消失したことを示す。なお、ステップS41は上記ステップS24で示した他の条件で判別してもよい。この場合における他方のアームは、例えばスイッチング素子Q1が該当する。
条件C10,C11を満たすと、下アームのスイッチング素子Q4をオンするとともに、スイッチング素子Q4のオン状態が継続する期間を示すオン継続期間TONDを0で初期化し、さらに制御状態を状態5に設定したうえで〔ステップS42〕、第6チェックに進む。一方、制御状態が状態4でないか(ステップS40でNO)、あるいは制御状態が状態4であってもU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を上回るときは(Vu>VTH-;ステップS41でNO)、第6チェックに進む。
第6チェックでは条件C12,C13の判別を行う。すなわち、制御状態が状態5であり(条件C12;ステップS43でYES)、かつスイッチング素子Q4のオン継続期間TONDが期間しきい値TTHD以上のときは(TOND≧TTHD,条件C13;ステップS44でYES)、スイッチング素子Q4をオフする時期に達したことを示す。なお、ステップS44は図4のステップS27で示した他の条件で判別してもよい。また、電流還流期間TRDが設定されていない場合は、オン継続期間TONDが期間しきい値TTHD以上となる前、すなわち電流還流期間TRDに基づくタイミングよりも早いタイミングで条件C13を満たしたものとして、後述するステップS46でスイッチング素子Q4をオフする。
条件C12,C13を満たすと、スイッチング素子Q4をオフにするとともに、電流還流期間TRDを0で初期化し、さらに制御状態を状態6に設定したうえで〔ステップS46〕、第7チェックに進む。スイッチング素子Q4をオフにするタイミングは、条件C12,C13を満たすと同時(すなわち無期間の経過後)に行ってもよく、予め設定した所定期間(例えば数ミリ秒間)の経過後に行ってもよい。
一方、制御状態が状態5でないときは(ステップS43でNO)、第7チェックに進む。また、制御状態が状態5であってもオン継続期間TONDが期間しきい値TTHDを下回るときは(TOND<TTHD;ステップS44でNO)、オン継続期間TONDを増やしたうえで〔ステップS45〕、第7チェックに進む。
第7チェックでは条件C14,C15の判別を行う。すなわち、制御状態が状態6であり(条件C14;ステップS47でYES)、かつU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回るときは(Vu<VTH+,条件C15;ステップS48でYES)、ステップS46でスイッチング素子Q4をオフすることに伴って回転機20から整流素子D4を通って還流電流Irが還流していることを示す。よって、次回に用いる期間しきい値TTHDを設定するとともに、制御状態を状態1に設定したうえで〔ステップS50〕、ステップS51に進む。ステップS50で設定する次回の期間しきい値TTHDは、例えば式2に従って求める。
〔式2〕
次回の期間しきい値TTHD=今回の期間しきい値TTHD+(第二所定長−電流還流期間TRD
ここで、上記式2に示す第二所定長は「所定長」に相当し、電流還流期間TRDとして確保すべき期間の長さを設定する。第二所定長は、上述した第一所定長と同じ値で設定してもよく、異なる値で設定してもよい。電流還流期間TRDには、回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて適切な値(長さ)設定してもよい。電流還流期間TRDの対象は、自相または他相のいずれを問わず、上下アームのいずれを問わない。
一方、制御状態が状態6でないときは(ステップS47でNO)、ステップS51に進む。制御状態が状態6であってもU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+以上のときは(Vu≧VTH+;ステップS48でNO)、電流還流期間TRDを増やしたうえで〔ステップS49〕、ステップS51に進む。
その後、相電圧の組み合わせに基づいて異常の有無を判定する相電圧異常判定処理を行うとともに〔ステップS51〕、スイッチング素子Q1〜Q6の駆動パターンに基づいて異常の有無を判定する相電圧異常判定処理を行い〔ステップS52〕、同期制御処理を終えてリターンする。ステップS51,S52で異常と判定された場合には、ステップS10から実行するように制御してもよく、全アームの一部(例えば異常が発生した相の上下アーム)をオフする制御を行ってもよい。なお、当該ステップS51,S52の具体的な処理内容については後述する(図8を参照)。
上述した図3から図5に示す手続きに従った処理の一例について、図6を参照しながら説明する。当該図6に示す経時的変化は、横軸を時間とし、上から順番にU相電流Iu、制御状態、U相電圧Vu、スイッチング素子Q1、スイッチング素子Q4、電流還流期間TRU、電流還流期間TRDを示す。なお、時刻t0で初期状態(例えば電源投入時やリセット時等の状態)と仮定する。
時刻t1にU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を上回ると、制御状態が状態1になる(図4のステップS22)。さらに、時刻t2にU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を上回ると、制御状態が状態2になる(図4のステップS25)。なお、時刻t2(繰り返し周期における時刻t8を含む。)にはU相電流Iuがしきい値電流ITH+を上回り、このときのしきい値電流ITH+は「第五しきい値」に相当する。
状態2では上アームのスイッチング素子Q1がオンされるので、U相電圧Vuはしきい値電圧VTH+と電源E(プラス側)の電圧値VB+との間に収まる。スイッチング素子Q1のオン状態が継続される間は、オン継続期間TONUが増え続ける(図4のステップS28)。
上記オン継続期間TONUが期間しきい値TTHU以上になる時刻t3には、スイッチング素子Q1がオフされて制御状態が状態3になる(図4のステップS29)。スイッチング素子Q1をオフすることに伴って還流電流Irが還流すると、U相電圧Vuが上がってしきい値電圧VTH+を上回る。時刻t3のときのしきい値電圧VTH+は「第一しきい値」に相当する。U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を上回っている間は、電流還流期間TRUが増え続ける(図4のステップS32)。この電流還流期間TRUは、還流電流Irの減少に伴ってU相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回る時刻t4まで続く。時刻t4のときのしきい値電圧VTH+は「第二しきい値」に相当する。本例では「第一しきい値」と「第二しきい値」とが同じしきい値電圧VTH+であるが、異なる電圧値を設定してもよい。
時刻t4には制御状態が状態4になり、還流電流Irが流れなくなるとU相電圧Vuも急速に減少してゆく。さらに時刻t5にU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を下回ると、制御状態が状態5になる(図5のステップS42)。なお、時刻t5にはU相電流Iuがしきい値電流ITH-を下回り、このときのしきい値電流ITH-は「第五しきい値」に相当する。状態5では下アームのスイッチング素子Q4がオンされるので、U相電圧Vuはしきい値電圧VTH-と電源E(マイナス側)の電圧値VB-との間に収まる。スイッチング素子Q4のオン状態が継続される間は、オン継続期間TONDが増え続ける(図5のステップS45)。
上記オン継続期間TONDが期間しきい値TTHD以上になる時刻t6には、スイッチング素子Q4がオフされて制御状態が状態6になる(図5のステップS46)。スイッチング素子Q4をオフすることに伴って還流電流Irが還流すると、U相電圧Vuが下がってしきい値電圧VTH-を下回る。時刻t6のときのしきい値電圧VTH-は「第一しきい値」に相当する。U相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を下回っている間は、電流還流期間TRDが増え続ける(図5のステップS49)。この電流還流期間TRDは、還流電流Irの減少に伴ってU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を上回る時刻t7まで続く。時刻t7以降は時刻t1から時刻t7までを繰り返す。時刻t7のときのしきい値電圧VTH-は「第二しきい値」に相当する。なお、時刻t7にU相電圧Vuがしきい値電圧VTH-を上回る状態は上述した時刻t1と同じ状態であり、時刻t1のときのしきい値電圧VTH-も「第二しきい値」に相当する。
次に、図5に示したステップS51の具体的な処理内容について、図8を参照しながら説明する。図8に示す波形パターンは「所定パターン」に相当し、横軸を時間とし、上から順番にU相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwを示す。
まず、スイッチング素子Q1,Q4をそれぞれオンするタイミングについて、U相電圧Vuを例に説明する。スイッチング素子Q1(上アーム)をオンする時刻t20からスイッチング素子Q4(下アーム)をオンする時刻t26までは、電気角で180°の間隔である。同様に、スイッチング素子Q4をオンする時刻t26から再びスイッチング素子Q1をオンする時刻t32までは、電気角で180°の間隔である。このように上アームと下アームのスイッチング素子を交互にオンし、その間隔は電気角で180°であることを意味する。このことは、電気角で120°ずれているV相電圧Vvと、電気角で240°ずれているW相電圧Vwについても同様である。また、上アームと下アームのスイッチング素子を交互にオフするタイミングについても同様である。
一方、上アームとしてのスイッチング素子Q1,Q2,Q3をそれぞれオンするタイミングについて説明する。U相のスイッチング素子Q1をオンする時刻t20からV相のスイッチング素子Q2をオンする時刻t24までは、電気角で120°の間隔である。また、V相のスイッチング素子Q2をオンする時刻t24からW相のスイッチング素子Q3をオンする時刻t28までは、電気角で120°の間隔である。さらに、W相のスイッチング素子Q3をオンする時刻t28から再びU相のスイッチング素子Q1をオンする時刻t32までは、電気角で120°の間隔である。このようにスイッチング素子Q1→スイッチング素子Q2→スイッチング素子Q3→スイッチング素子Q1→…のようにスイッチング素子を順番にオンし、その間隔は電気角で120°であることを意味する。このことは、下アームとしてのスイッチング素子Q4,Q5,Q6についても同様であり、スイッチング素子を順番にオフするタイミングについても同様である。
上述のようなスイッチング素子を制御するとき、回転機20が異常なく回転する場合には次に示す表1のような電圧値になる。表1ではU相(スイッチング素子Q1,Q4)の例を示すが、V相(スイッチング素子Q2,Q5)とW相(スイッチング素子Q3,Q6)とについても同様に規定される。表1に示す各電圧値でスイッチング素子に印加している状態が「所定印加状態」に相当する。
Figure 0005510729
逆に言えば、上記表1のような電圧値にならなければ、回転機20が過渡応答していたり、回転機20に予期せぬ変化が生じる等が発生したことを意味する。言い換えれば、所定印加状態以外の印加状態になっている。この場合には、後述するステップS52の判定結果にかかわらず、一時的に初期状態に戻す。すなわち、図3のステップS10に戻ってスイッチング素子Q1〜Q6を全てオフし、駆動制御処理および同期制御処理を実行しなおす。あるいは、異常が生じた相の上下アームをオフして続行する。
次に、図5に示したステップS52の具体的な処理内容について説明する。回転機20が異常なく回転する場合には、図8に示すように時間の経過とともに次に示す順番でスイッチング素子のオンが制御される。なお、オフを制御する場合も同様である。
U相の上アーム(スイッチング素子Q1)→W相の下アーム(スイッチング素子Q6)→V相の上アーム(スイッチング素子Q2)→U相の下アーム(スイッチング素子Q4)→W相の上アーム(スイッチング素子Q3)→V相の下アーム(スイッチング素子Q5)
逆に言えば、上述した順番(すなわち所定パターン)でスイッチング素子の制御が行われなければ、回転機20が過渡応答していたり、回転機20に予期せぬ変化が生じる等が発生したことを意味する。この場合は、上述したステップS51の判定結果にかかわらず、一時的に初期状態に戻す。すなわち、図3のステップS10に戻ってスイッチング素子Q1〜Q6を全てオフし、駆動制御処理および同期制御処理を実行しなおす。あるいは、異常が生じた相の上下アームをオフして続行する。
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
制御部17は、上下アームのうち一方のアーム(例えばスイッチング素子Q1,Q2,Q3)をオフした後、U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+(第一しきい値)を上回ってからしきい値電圧VTH+(第二しきい値)を下回るまでの電流還流期間(例えば電流還流期間TRU)の長さが所定長となるように、一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4,図5,図6を参照)。相電圧の対象はU相電圧Vuに限らず、V相電圧VvやW相電圧Vwについても同様である。一方のアームは、周期のタイミングに応じて、スイッチング素子Q1,Q2,Q3が該当したり、スイッチング素子Q4,Q5,Q6が該当したりする。この構成によれば、電流還流期間TRU,TRDの長さが所定長(すなわち第一所定長や第二所定長)で維持される。すなわち電流が還流する期間を一定に維持するので、その後に行う他方のアーム(例えばスイッチング素子Q4,Q5,Q6)を制御するタイミングが従来よりも正確に行える。したがって、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、U相電圧Vuがしきい値電圧VTH3a(第三しきい値)に達した(上回った)後、しきい値電圧VTH4+(第四しきい値)に達すると、スイッチング素子Q1(上アーム)をオンする制御を行う構成とした(図4のステップS23,S24および図7を参照)。同様に、U相電圧Vuがしきい値電圧VTH3b(第三しきい値)に達した(下回った)後、しきい値電圧VTH4-(第四しきい値)に達すると、スイッチング素子Q4(下アーム)をオンする制御を行う構成とした(図5のステップS40,S41および図7を参照)。相電圧の対象はU相電圧Vuに限らず、V相電圧VvやW相電圧Vwについても同様である。この構成によれば、回転位置Pや電流等によらずにアームをオンする制御が行えるので、回転位置Pや電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、U相電流Iuが第五しきい値(すなわちしきい値電流ITH+,ITH-)に達すると、スイッチング素子Q1〜Q6(アーム)をオンする制御を行う構成とした(図4のステップS24および図5のステップS41を参照)。相電流の対象はU相電流Iuに限らず、V相電流IvやW相電流Iwについても同様である。もし、相電流がしきい値電流ITH+,ITH-に達してもなおアームをオンする制御を行わなければ、整流損失が増大し、電源Eから巻線への電流の逆流が生じる可能性が高まるためである。しかし、この構成によれば、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、回転機20の回転位置Pが所定位置に達すると、スイッチング素子Q1〜Q6(アーム)をオンする制御を行う構成とした(図4のステップS24および図5のステップS41を参照)。もし、回転機20の回転位置Pが所定位置に達してもなおアームをオンする制御を行わなければ、整流損失が増大し、電源Eから巻線への電流の逆流が生じる可能性が高まるためである。この構成によれば、従来よりも確実に整流損失を抑制でき、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、位置センサ15からの入力値に基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。もし予期せぬ変化(例えば回転機20の回転速度が急に変化する等)が起きた場合には、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できなくなる場合がある。しかし、この構成によれば回転機20の回転体が一定の位置に達すると一方のアームをオフする制御を行うので、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できる。したがって、回転機20の回転状態等にかかわらず、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、電流センサ14からの入力値に基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。もし予期せぬ変化(例えば回転機20の回転速度が急に変化する等)が起きた場合には、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できなくなる場合がある。しかし、この構成によれば回転機20の相電流が一定の電流値に達すると一方のアームをオフする制御を行うので、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できる。したがって、回転機20の回転状態等にかかわらず、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
自相または他相のアームをオンするオンタイミングからの第1遅延期間に基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。もし予期せぬ変化(例えば回転機20の回転速度が急に変化する等)が起きた場合には、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できなくなる場合がある。しかし、この構成によれば自相または他相のアームをオンするオンタイミングから一定期間を経過すると一方のアームをオフする制御を行うので、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できる。したがって、回転位置Pや電流等を検出するためのセンサが不要となるので、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、自相に設定された電流還流期間TRU,TRDに基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。この構成によれば、回転位置Pや電流等によらず、自相に設定された電流還流期間TRU,TRDに基づいてアームを制御するので、回転位置Pや電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、他相に設定された電流還流期間TRU,TRDに基づいて、上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。この構成によれば、回転位置Pや電流等によらず、他相に設定された電流還流期間TRU,TRDに基づいて自相の上下アームのうち一方のアームを制御するので、回転位置Pや電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。また、自相に周期的な乱れが生じても他相を基準にしてアームを制御できるので、誤差を少なくして応答性を向上させることができる。
制御部17は、他相のアームをオフするオフタイミングからの第2遅延期間を経過した後に自相のアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27および図5のステップS46を参照)。この構成によれば、回転位置Pや電流等によらず、他相のアームをオフするオフタイミングからの第2遅延期間を経過した後に自相のアームをオフする制御を行うので、回転位置Pや電流等を検出するためのセンサが不要となる。したがって、コストを抑えながらも、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。また、自相に周期的な乱れが生じても他相を基準にしてアームを制御できるので、誤差を少なくして応答性を向上させることができる。
制御部17は、回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて、電流還流期間TRU,TRDの長さを設定する構成とした(図4のステップS33および図5のステップS50を参照)。この構成によれば、第一しきい値および第二しきい値に基づいて設定する電流還流期間TRU,TRDにかかわらず、回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて電流還流期間TRU,TRDの長さを設定する。この設定を行うことよって電流を還流させる期間を確実に確保できるので、従来よりも整流損失を抑制でき、電源Eから巻線への電流の逆流を防止でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
制御部17は、回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になると、無期間または所定期間の経過後にアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS27,S29および図5のステップS44,S46を参照)。この構成によれば、予期せぬ変化(例えば回転機20の回転速度が急に変化する等)が起きて回転機20の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になるとアームをオフする制御を行うので、一定の電流還流期間TRU,TRDを確保できる。したがって、従来よりも確実に整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止できる。
制御部17は、上下アームのうち一方のアームをオフすることに伴って還流する還流電流Irの電流値が基準電流値に達すると、上下アームのうち他方のアームをオンする制御を行う構成とした(図4のステップS24,S25および図5のステップS41,S42を参照)。この構成によれば、還流電流Irの電流値が基準電流値に達すると他方のアームをオンする制御を行って、一方のアームに必要以上の電流が流れるのを防止する。こうしてアームに必要以上の還流電流Irが流れて制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
制御部17は、各アームの制御時に各相の相電圧を検出し、検出した各相の相電圧が所定印加状態以外の印加状態のときは全アームの一部または全部をオフする制御を行う構成とした(図5のステップS51および表1を参照)。この構成によれば、全アームの一部または全部をオフする制御を行って一時的に初期化する。こうして各アームに印加される相電圧によって当該アームが制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
制御部17は、アームを制御するタイミングのパターンを検出し、検出したパターンが所定パターン以外のパターンのときは全アームの一部または全部をオフする制御を行う構成とした(図5のステップS52および図8を参照)。この構成によれば、異常が発生すると、全アームの一部または全部をオフする制御を行って一時的に初期化する。こうして制御パターンの乱れによってアームが制御不能に陥るのを回避して、信頼性を向上させることができる。
制御部17は、電流還流期間TRU,TRDが設定されていない場合は、電流還流期間TRU,TRDに基づくタイミングよりも早いタイミングでアームをオフする制御を行う構成とした(図4のステップS29および図5のステップS46を参照)。この構成によれば、例えば式1,式2で示す次回の期間しきい値TTHU,TTHDを短くする等して、U相電圧Vu(相電圧)がしきい値電圧VTH+(第一しきい値)に達する電流還流期間TRU,TRDの始期(すなわち図6に示す時刻t3,t6)よりも前にスイッチング素子Q1,Q4(アーム)をオフする。この制御によって、少なくとも電流還流期間TRU,TRDよりも長い期間を確保することができるので、還流する電流を流すための期間を確実に確保できる。したがって、従来よりも整流損失を抑制することができ、電源Eから巻線への電流の逆流を防止でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
制御部17は、各アームの制御時に発電電流がしきい値(所定値)以下のときは(図3のステップS12でNO)、アームをオンする制御を行わない(図3のステップS13を参照)。本形態では発電電流を検出したが、各アームの制御時に各相の電圧および電流のうちで一方または双方を検出し、その検出値がしきい値(所定値)以下のときはアームをオンする制御を行わないように構成することもできる。この構成によれば、各相の相電流が小さいために回転機の制御が不安定になる可能性がある場合に、アームをオンする制御を行わないことで回転機の制御が不安定な状態に陥るのを防止できる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、電流センサ14からの信号に基づいて相電流(例えばU相電流Iu等)を求めた(図3のステップS11を参照)。この形態に代えて、他の検出値(例えば回転位置Pや回転数、界磁電流If等)に基づいて、相電流を推定してもよい。この場合には、整流素子D1,D4によって整流する相電圧(例えばU相電圧Vu)の波形がほぼ台形状なる電流に設定するのが望ましい。相電流を推定した場合でも初動電流値Isを上回れば、回転機20の各巻線に相電圧が印加され始めたことを検出できる。よって、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、電気角を特定するために条件C3では、U相電圧Vuがしきい値電圧VTH+を下回ることを条件とした(図4のステップS21を参照)。当該ステップS21は他の条件で判別してもよい。当該他の条件は任意に設定するこが可能であり、以下に条件例を挙げる。例えば、電流センサ14で検出する相電流(例えばU相電流Iu)が所定電流値に達することが該当する。位置センサ15で検出する回転機20の回転位置Pが所定位置になることが該当する。いずれか一の条件のみを適用してもよく、複数の条件を組み合わせて適用してもよい。他の条件を適用した場合でも電気角を特定できるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、界磁制御部12はスイッチング素子Q7および整流素子D7によって構成した(図1を参照)。この形態に代えて、オルタネータのレギュレータ回路を適用してもよい。この場合でも界磁電流Ifを制御できるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、電流センサ11,13,14にはホール素子等で検出する磁気型のセンサを用いた(図1を参照)。この形態に代えて、各電流が検出可能な他の電流センサを用いてもよい。他の電流センサとしては、例えば電磁誘導型センサ,ファラデー効果型センサなどが該当する。電磁誘導型センサは、電流母線の周囲に環状のコアやコイルを配置し、相電流の通電で生じる誘導起電力により検出する。ファラデー効果型センサは、磁界方向に沿って配置された光ファイバに対して直線偏光が入射したとき、偏波の方位が磁界の強度に比例して回転する回転角を計測することで磁界強度(すなわち電流)を検出する。いずれの電流センサにせよ、各電流を検出して制御部17に伝達するので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、位置センサ15にはレゾルバを用いた(図1を参照)。この形態に代えて、回転機20の回転体の位置を検出可能な他の位置センサを用いてもよい。他の位置センサとしては、例えばロータリエンコーダ(光電検出器)やコイル等が該当する。前者のロータリエンコーダは、例えば回転体にスリットを設けた円板を設けた場合に対応する。発光体が発した光を受光体で受光するか否かに基づいて信号(アナログ信号またはデジタル信号)を制御部17に伝達する。後者のコイルは、回転体の外周面に一定間隔で磁気突極で設けた場合に対応する。すなわち、コイルの近傍を磁気突極が通過するのに伴って起電力を発生させ、当該起電力に基づく信号(アナログ信号またはデジタル信号)を制御部17に伝達する。いずれの他の位置センサにせよ、回転機20の回転体の位置を検出して制御部17に伝達できるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、回転機20の相数に対応して、スイッチング部18には三相のインバータ回路を適用した(図1を参照)。この形態に代えて、上下アームを有する三相以外の相数(単相,二相,四相以上の多相)のインバータ回路を適用してもよい。すなわち回転機20の相数に対応するインバータ回路に本発明を適用できる。単に相数の違いであるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、上述した実施の形態に代えて、図9に示す車両用発電機の構成例に本発明を適用してもよい。図9に示すように、本実施形態の車両用発電機31は、2つの固定子巻線32、33、界磁巻線34、2つの整流器モジュール群35、36、発電制御装置37などを含んで構成されている。2つの整流器モジュール群35、36がスイッチング部に対応する。
一方の固定子巻線32は、多相巻線(例えばX相巻線、Y相巻線、Z相巻線からなる三相巻線)であって、固定子鉄心(図示せず)に巻装されている。同様に、他方の固定子巻線33は、多相巻線(例えばU相巻線、V相巻線、W相巻線からなる三相巻線)であって、上述した固定子鉄心に、固定子巻線32に対して所定角度(例えば電気角で30度)ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、これら2つの固定子巻線32、33と固定子鉄心によって固定子が構成されている。
界磁巻線34は、固定子鉄心の内周側に対向配置された界磁極(図示せず)に巻装されて回転子を構成している。励磁電流を流すことにより、界磁極が磁化される。界磁極が磁化されたときに発生する回転磁界によって固定子巻線32、33が交流電圧を発生する。
一方の整流器モジュール群35は、一方の固定子巻線32に接続されており、全体で三相全波整流回路(ブリッジ回路)が構成され、固定子巻線32に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この整流器モジュール群35は、固定子巻線32の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール35X、35Y、35Zを備えている。整流器モジュール35Xは、固定子巻線32に含まれるX相巻線に接続されている。整流器モジュール35Yは、固定子巻線32に含まれるY相巻線に接続されている。整流器モジュール35Zは、固定子巻線32に含まれるZ相巻線に接続されている。
他方の整流器モジュール群36は、他方の固定子巻線33に接続されており、全体で三相全波整流回路(ブリッジ回路)が構成され、固定子巻線33に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この整流器モジュール群36は、固定子巻線33の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール36U、36V、36Wを備えている。整流器モジュール36Uは、固定子巻線33に含まれるU相巻線に接続されている。整流器モジュール36Vは、固定子巻線33に含まれるV相巻線に接続されている。整流器モジュール36Wは、固定子巻線33に含まれるW相巻線に接続されている。
発電制御装置37は、界磁巻線34に流す励磁電流を制御する励磁制御回路であって、励磁電流を制御することにより車両用発電機31の発電電圧(各整流器モジュールの出力電圧)を制御する。また、発電制御装置37は、通信端子や通信線等を介してECU38(外部制御装置)と通信可能に接続されており、有線/無線を問わない。この発電制御装置37は、ECU38との間で双方向のシリアル通信(例えば、LIN(Local Interconnect Network)プロトコルを用いたLIN通信)を行い、通信メッセージを送信あるいは受信する。
本実施形態の車両用発電機31はこのような構成を有しており、次に、整流器モジュール35X等の詳細について説明する。
図10は、整流器モジュール35Xの構成例を示す図である。なお、他の整流器モジュール35Y、35Z、36U、36V、36Wも同じ構成を有している。図10に示すように、整流器モジュール35Xは、2つのMOSトランジスタ50、51、制御回路54を備えている。MOSトランジスタ50は、ソース(S)が固定子巻線32のX相巻線に接続され、ドレイン(D)が充電線42を介して電気負荷40やバッテリ39の正極端子に接続された上アーム(ハイサイド側)のスイッチング素子である。MOSトランジスタ51は、ドレインがX相巻線に接続され、ソースがバッテリ39の負極端子(アース)に接続された下アーム(ローサイド側)のスイッチング素子である。これらのMOSトランジスタ50、51のゲート(G)は、対応する制御回路54の所定端子(G1、G2)に接続され、制御回路54から出力される制御信号(ゲート信号)に従ってオン/オフが制御される。また、MOSトランジスタ50、51のそれぞれのソース・ドレイン間には還流用のダイオードが並列接続されている。このダイオードはMOSトランジスタ50、51の寄生ダイオード(ボディダイオード)によって実現されるが、別部品としてのダイオードをさらに並列接続するように構成してもよい。なお、上アームおよび下アームの少なくとも一方を、MOSトランジスタ以外のスイッチング素子(例えばMOSトランジスタを除くJFETやMESFET等のFET、IGBT、GTO、パワートランジスタなど)を用いて構成するようにしてもよい。
ここで、整流器モジュール35Xを構成する2つのMOSトランジスタ50、51により上下アームモジュールが構成される。また、整流器モジュール35Xと同一の構成を有する上下アームモジュールにより各相ごとに整流器モジュール35Y、35Z、36U、36V、36Wが配置されている。このように、各相ごとに同一の上下アームモジュールを用いることで、回転機用電力変換装置(電力変換装置10)の相数が変わっても容易に上下アームモジュールの増減を行って対応することができる構成を提供できる。
10 電力変換装置(回転機用電力変換装置)
11,13,14 電流センサ
12 界磁制御部
15 位置センサ
16 駆動部
17 制御部
18 変換部
20 回転機
31 車両用発電機
32,33 固定子巻線
34 界磁巻線
35,36 整流器モジュール群
35X,35Y,35Z 整流器モジュール
36U,36V,36W 整流器モジュール
37 発電制御装置
38 ECU(外部制御装置)
50,51 MOSトランジスタ(スイッチング素子)
54 制御回路
E 電源
D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7 整流素子
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7 スイッチング素子

Claims (16)

  1. 回転機の巻線と電源との間に介在されるスイッチング部と、前記スイッチング部を上下アームで構成される各スイッチング素子を制御する制御部とを備える回転機用電力変換装置において、
    前記制御部は
    プラス側とマイナス側が繰り返される繰り返し周期における同一極性側の半周期内に、前記上下アームのうち一方のアームのオン状態を継続するオン継続期間が今回の期間しきい値以上になってオフした後
    前記巻線の誘起電圧である相電圧が第一しきい値に達してから第二しきい値に達するまでの電流還流期間の長さが所定長となるように、実際に前記第一しきい値に達してから前記第二しきい値に達するまでの期間であって自相に設定された前記電流還流期間に基づいて次回の期間しきい値を求めて設定し、
    前記次回の期間しきい値に基づいて、次回の前記一方のアームをオフするフィードバック制御を行うことを特徴とする回転機用電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記相電圧が第三しきい値に達した後、第四しきい値に達すると前記上下アームのうち一方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の回転機用電力変換装置。
  3. 前記制御部は、相電流が第五しきい値に達すると、前記上下アームのうち一方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の回転機用電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記回転機の回転位置が所定位置に達すると、前記上下アームのうち一方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  5. 前記制御部は、位置センサからの入力値に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  6. 前記制御部は、電流センサからの入力値に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  7. 前記制御部は、自相または他相のアームをオンするオンタイミングからの第1遅延期間に基づいて、前記上下アームのうち一方のアームをオフする制御を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  8. 前記制御部は、前記回転機が発電機として機能するときは、電流がしきい値電流以上になると前記上下アームのうち一方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  9. 前記制御部は、前記回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上に基づいて、前記電流還流期間の長さを設定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記回転機の回転数、相電流および相電圧のうち一以上が許容範囲外になると、無期間または所定期間の経過後にアームをオフする制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  11. 前記制御部は、前記上下アームのうち一方のアームをオフすることに伴って還流する電流の電流値が基準電流値に達すると、前記上下アームのうち他方のアームをオンする制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  12. 前記制御部は、各アームの制御時に各相の相電圧を検出し、検出した前記各相の相電圧が所定印加状態以外の印加状態のときは全アームの一部または全部をオフする制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  13. 前記制御部は、アームを制御するタイミングのパターンを検出し、検出したパターンが所定パターン以外のパターンのときは全アームの一部または全部をオフする制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  14. 前記制御部は、前記電流還流期間が設定されていない場合は、前記電流還流期間に基づくタイミングよりも早いタイミングでアームをオフする制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  15. 前記制御部は、各アームの制御時に各相の電圧および電流のうちで一方または双方を検出し、その検出値が所定値以下のときはアームをオンする制御を行わないことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
  16. 各相ごとに同一の構成を有する上下アームモジュールを有することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の回転機用電力変換装置。
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