JP3656870B2 - 車両用交流発電機の電圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用交流発電機の電圧制御装置に関し、特にバッテリの過充電を回避しつつバッテリ充電量の増大を実現する車両用交流発電機の電圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4ー275035号公報は、エンジン駆動の車両用交流発電機(オルタネータ)の電圧制御装置において、バッテリ電圧が低い側の調整電圧を上回ると発電を停止し、バッテリ電圧が低い側の調整電圧を下回る間だけ発電を行ってバッテリ電圧をこの低い側の調整電圧に一致させるように制御するとともに、バッテリ電圧が所定の判定レベルより低下すると高い側の調整電圧に切り換え、バッテリ電圧が高い側の調整電圧まで増加すると調整電圧を低い側の調整電圧に戻すことを提案している。
【0003】
更に、この公報では、バッテリが三相全波整流電圧により充電されるためにバッテリ電圧に重畳される750Hz以上の高周波成分(オルタリップル成分ともいう)をその調整電圧との比較の前に除去するために、バッテリ電圧の平均値に基づいて前記発電制御を行うことも提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の調整電圧切換式の電圧制御装置では、調整電圧が高い側の値に設定されるのは、バッテリ電圧が判定レベル以下となった後、その後、高い側の調整電圧を超えるまでの期間で、それ以外の期間は調整電圧は低い側の値に保持される。一方、バッテリ電圧はバッテリの充電状態すなわちバッテリの累積充放電電流値に関連し、バッテリへの充電電流(発電機の出力電流)はエンジン回転数に関連する。
【0005】
したがって、アイドル状態と走行状態とが頻繁に繰り返される市街地走行時では、エンジン回転数が平均して低く、充電電流(バッテリ電圧)が平均して低レベルとなるとともに、たとえバッテリ電圧が判定レベルより低下して調整電圧が高く切り換えられても短期間にまた低い側の値に戻ってしまい、その結果、バッテリ電圧は低い側の調整電圧を時々、超えることがあるものの、大概は低い側の調整電圧よりも低くなってしまい、そのためバッテリの充電量が低下し、特に電気負荷の消費電流が大きかったりする場合には充電不足となる可能性も生じた。
【0006】
もちろん、調整電圧切り換えのための判定レベル又は低い側の調整電圧を予め高く設定すれば、上記バッテリの充電量を改善できるが、この場合には例えば高速道路走行時など長時間高速運転が行われる場合において、平均的なバッテリ電圧が高くなってしまい、バッテリに過充電状態(電解液の分解を生じさせる過充電電流がバッテリに流れ込む状態)が生じ、早期の液減りや電池性能の低下が生じてしまう。
【0007】
すなわち、従来の調整電圧切換式の電圧制御装置では、車両走行状況など車両用発電装置の外部条件とは無関係にただバッテリ電圧の即時的な変化だけに基づいて調整電圧を切り換えてしまうので、バッテリの過充電(具体的には液減り)を許容レベル以下に抑止しつつバッテリの充電不足を防止するという調整電圧切り換えの本来の目的を充分に達成できなかった。
【0008】
例えば上記した従来の調整電圧切換式の電圧制御装置では、バッテリ電圧と判定レベルとの比較結果により調整電圧を即時に切り換えるので、市街値走行や周期的な電気負荷の断続などの車両運転条件の周期的変動によりバッテリ電圧が比較的短期に増減を繰り返す場合には、バッテリ電圧の一時的な上昇により調整電圧を下げた後の車両運転条件の変動(例えばエンジン回転数の低下)によりバッテリ充電電流が減少してバッテリ充電量の急速な低下が生じたり、逆に、バッテリ電圧の一時的な下降により調整電圧を上げた後の車両運転条件の変動(例えばエンジン回転数の増大)によりバッテリ充電電流が増加してバッテリに過充電電流が流れるといった問題も生じる。
【0009】
更に上記した従来の調整電圧切換式の電圧制御装置では、上述の理由により調整電圧を頻繁に切り換えるので、エンジン負荷が頻繁に急変する原因となり、エンジン制御の観点から好ましくなかった。
本発明は、バッテリの積算的検出値を検出し、それに基づいて調整電圧を変更することでバッテリの状態を良好に維持することをその目的としている。
【0010】
また、本発明は、バッテリ電圧が過充電抑止の観点から許容できる範囲でなるべく高レベルになるべく保持してその充電性能を向上させることをその他の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の車両用交流発電機の電圧制御装置では、交流発電機の出力は所定の調整電圧に応じて調整され、バッテリ電圧が調整電圧を上回る場合に発電を停止させる制御を行うので、バッテリの電圧は調整電圧を上限として調整電圧より低い値に制御される。
【0012】
特に本装置では、所定の観測期間内における積算的検出値、すなわち、車両の走行及び停止に応じて内燃機関の回転数が増減する間隔、及び、間欠動作する所定の電気負荷装置の作動間隔の少なくとも一方よりも長く設定された所定の観測期間内における前記バッテリ電圧の積算量に相当する値によって調整電圧を変化させる。
【0013】
例えば、この積算的検出値が所定レベルを上回ると調整電圧を低下させてバッテリ電圧を低下させ、平均的充電状態が所定レベルを下回ると調整電圧を上昇させてバッテリ電圧を上昇させる。
すなわち、積算的検出値に基づいて調整電圧の切り換え制御を行うので、バッテリ電圧の平均値は従来のようにエンジン回転数変動や車両用電気負荷の消費電力の増減によるバッテリ電圧の短期の変動(増減)に連動して頻繁に変動することがなく、安定して所定値近傍に維持されることになる。
【0014】
以下、更に詳細に説明すると、通常の車両用交流発電機により充電されるバッテリ電圧は、上記車両運転状態(エンジン回転数や車両用電気負荷の駆動状態)の変動に応じて変動する。例えばアイドル時などにおいて、ラジエータの電動ファンなどの電気負荷は数十秒〜数分の周期でオン・オフされる場合がある。また、いわゆる10モードで代表される車両の一般の市街地走行では、数十秒〜数分の周期でのアイドル状態と走行状態との交代が生じることが多く、これらを原因としてバッテリ電圧が数十秒〜数分の周期で増減することは珍しくない。
【0015】
したがって、このような場合、上記した従来技術の如く、車両用電気負荷のオフや市街地走行中のエンジン回転数の増加によるバッテリ電圧の上昇後、ただちに調整電圧を切り下げてバッテリ電圧を低下させてしまうと、その後に生じる上述した車両用電気負荷のオンや市街地走行中のエンジン回転数の低下によってバッテリ電圧が一層低下する傾向となり、結局、平均的な過充電量(例えば具体的には電解液の減少具合)は充分に許容レベルにあるにもかかわらずバッテリの充電性能が強く要求されるこの期間におけるバッテリ電圧積算量(たとえば平均的なバッテリ充電性能又はバッテリの充電量)が大幅に低下してしまうという不具合が生じてしまう。
【0016】
本請求項の装置によれば、積算的検出値により調整電圧を変化させるので、バッテリの過充電量やそれによるバッテリの液減り量を許容レベル以下に抑止しつつバッテリの充電不足を防止することができる。
例えば本請求項の装置では、積算的検出値を充電量(液減り量)の許容レベル範囲内、好ましくはその範囲でなるべく高いレベルに維持するように調整電圧を制御する。このようにすればバッテリ電圧の一時的な上昇があっても、バッテリ電圧積算量は許容される過充電量の範囲に収まることになり、その結果として、車両走行状態や車両用電気負荷の駆動状況によるバッテリ電圧の増減にかかわらず、上述した如くバッテリの過充電量(液減り量)を許容レベル以下に抑止しつつバッテリの充電不足を防止することが可能になるわけである。
【0017】
更に本請求項の装置では、調整電圧を頻繁に切り換えることがないので、エンジンからみた発電機負荷の頻繁な変動を低減して運転フィーリングの悪化などを防止することができ、更に、バッテリ電圧の頻繁な急変(使用する車両用電気負荷に悪影響をもたらす場合がある)も抑止することができる。
好適には、前記観測期間を、前記内燃機関に付設された電動ラジエータファンの最短断続周期より長く設定している。なお、電動ラジエータファンは、その駆動制御回路により、起動された後、所定の最短断続周期経過するまでは起動されない。これは通常のモータ駆動制御と同じく大きな起動電流が頻繁に電動ラジエータファンに流れるのを防止するためである。
【0018】
本構成によれば、上記観測期間を電動ラジエータファンの断続周期以上に設定しているので、電動ラジエータファンの断続によるバッテリ電圧の変動により調整電圧が頻繁に変更されることがなく、それによる頻繁な発電電圧の変化などの不具合を防止することができる。また、上述した過充電障害(早期の液減りなど)を抑止可能な範囲でバッテリ電圧積算量(すなわちバッテリの充電性能)を高位に保つことができる。
【0019】
本構成について更に詳細に説明する。
車両用内燃機関に付属する電動ラジエータファンは、渋滞中の市街地走行などの運転モードにおいて頻繁に断続駆動される場合がある。これは、電動ラジエータファンを作動させて冷却水温度が所定値レベル以下に低下した後、冷却水温度が再び電動ラジエータファンの起動温度まで上昇するには時間がかかるためであり、このように電動ラジエータファンの起動温度と停止温度に差を設けるのは、電動ラジエータファンの頻繁な起動により大きな起動電流が頻繁に流れてモータの焼損事故が発生するのを防止するためである。このようなヒステリシス動作は通常のモータ制御では一般的であり、上記温度入力に差を設けてヒステリシス動作させる他、モータ停止から所定時間はモータを再起動しないようにインタロック回路を付設して同様の機能を実現する場合もある。従って、このような電動ラジエータファンの駆動モードでは、冷却水温度の上昇とともに断続周期が徐々に短縮され、所定の最短周期に達すると連続運転に移行する。
【0020】
渋滞市街地走行などでこのように電動ラジエータファンが頻繁に断続されると、それに応じてバッテリ電圧が変動するので、従来のようにほとんどバッテリ電圧の瞬時値の変化に即応して調整電圧Vrefを切り替える調整電圧切換式のレギュレータでは、頻繁に調整電圧Vrefが変動してしまい、それによりバッテリ電圧が一層変動してしまうという問題が生じる。
【0021】
特に、このような電動ラジエータファンの頻繁な断続が生じる車両の低速走行時には、発電機の出力可能な発電電流の値が小さいので、バッテリ電圧の変動が一層、大きくなる。すなわち、冷却風量が少ない低速走行時に頻繁な断続が生じる電動ラジエータファンは、各種の車両用電気負荷に比べてバッテリ電圧の頻繁な変動を生じる傾向が特に高いという問題点を持っていた。
【0022】
そこで、本構成では、電動ラジエータファンの最短断続周期よりも少なくとも長く設定された観測期間の積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)を検出し、この積算的検出値に基づいて調整電圧Vrefの変更を行うので、このような電動ラジエータファンの頻繁な断続により調整電圧Vrefが頻繁に切り替えられてしまい、それによりバッテリ電圧が頻繁に変動し、エンジン負荷も頻繁に変動するという不具合を、調整電圧Vrefの変更を完全に中止するという手段を採用すること無く、実現することができる。
【0023】
好適には、上記観測期間を3〜30分に設定している。なお、観測期間を3〜30分とする場合でも、調整電圧の変更は、それよりも短周期で実施することができる。例えば、上記観測期間に一定のサンプリングインタバルでサンプリングした複数のデータの移動平均値により1分毎に調整電圧を変更しても良い。
【0024】
上記した市街地走行において頻繁に生じるエンジン回転数の増減(信号停止とその後の走行との繰り返し)や電動ラジエータファンなどの頻繁な断続は、数十秒以上、30分未満の間隔で発生する場合が多いので、上記所定期間を3〜30分に設定することにより、これら市街地走行におけるエンジン回転数の増減や電動ラジエータファンの断続によるバッテリ電圧の短周期の変動に起因する調整電圧の頻繁な変動を防止することができる。
【0025】
なお、上記所定期間が3分以下では調整電圧変更が上記バッテリ電圧の変動に応答して行われるので充電性能向上効果が減殺され、上記所定期間が30分以上では短時間走行モードの頻度が高い車両において、調整電圧は初期設定値になることが多くなるので、それが高レベルの場合には過充電障害が発生し易くなり、逆にそれが低レベルの場合では充電性能向上を図ることができない。
【0026】
好適には、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が所定の第1の判定値を上回る場合に調整電圧を低下させ、積算的検出値が上記第1の判定値より低い第2の判定値を下回る場合に調整電圧を上昇させるので、ハンチングを抑止して調整電圧の頻繁な変更を抑止してバッテリ電圧を安定化させることができる。
【0027】
請求項1記載の発明によれば特に、調整電圧変更手段は、調整電圧を所定の最大変化率値以下に制限する手段、すなわち、ハードウエア又はソフトウエアを含む。
このようにすれば、調整電圧は、積算的検出値を用いた変更を採用するという手段により、バッテリ電圧の瞬時的な変動に対してその頻繁な変更を規制されるとともに、変更される場合でも調整電圧の変更速度を規制するという更なる調整電圧変化の規制を行っているので、たとえ積算的検出値が短時間に大幅に変化する場合であっても調整電圧の急変を防止することができ、これによりバッテリ電圧の急変防止などの効果を奏することができる。
【0028】
更に説明すると、上記した所定の観測期間におけるバッテリ電圧から算出した積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)は、この観測期間より短周期のバッテリ電圧の変動による調整電圧の変動を抑止する点で有効である。ただし、この観測期間より長周期であっても、比較的短時間に大幅にバッテリ電圧が変化する場合、この観測期間におけるバッテリ電圧の値から算出した積算的検出値も大きく変動する場合がある。この問題を改善するために、上記観測期間を更に延長することにより、つまり入力されるバッテリ電圧信号の高周波成分を一層除去することが考えられる。しかし、このようにいたずらに上記観測期間を延長することは、バッテリ電圧が長く過大となっているのに調整電圧の引き下げがなされないという不具合や、バッテリ電圧が長く過小となっているのに調整電圧の引き上げがなされないという不具合を生じてしまう。
【0029】
本手段によれば、このような不具合を回避しつつ、比較的短時間に大幅にバッテリ電圧が変化する場合における調整電圧の変化を抑止して、バッテリ電圧の急変を防止することができる。すなわち、上記観測期間をいたずらに長く設定しなくても、調整電圧の変化率を一定値以下に制限することにより、調整電圧の急変を防止し、バッテリ電圧の望ましくない急変を抑止することができる。
【0030】
請求項1記載の発明によれば更に、バッテリ電圧又は積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が第3の判定値(深放電状態であることを検出する判定値)を更に下回る場合に所定の急速上昇率で調整電圧を上昇させる。
詳しく説明すると、積算的検出値に応じて調整電圧が増減されると、バッテリ電圧が非常に低下しても、その充電電流の増大が緩慢となり、バッテリの充電不足を招いてしまうという不具合が新たに発生する。
【0031】
そこで、本手段では、バッテリ電圧又は積算的検出値が第3の判定値(深放電状態であることを検出する判定値)を更に下回る場合に所定の急速上昇率で調整電圧を上昇させるとともに、調整電圧を上記第1、第2判定値に基づいて変化させる場合には、その変化率を上記急速上昇率の絶対値より小さく設定している。このようにすれば、バッテリの深放電時にバッテリを急速充電することができるので、バッテリの充電不足という事態も回避することができる。
【0032】
好適には、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)に応じて変化させる調整電圧の変化率の最小値を0.01V/分以上に設定する。このようにすれば、バッテリ電圧の平均的な変化に対して調整電圧の変化の追従が遅くなりすぎて過放電や過充電(液減り)などの問題が生じるのを防止することができる。
【0033】
好適には、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)に応じて変化させる調整電圧の変化率を0.1V/分未満に規制する。種々の走行条件(車速や電気負荷)における実験結果によれば、調整電圧の変化率が0.1V/分未満に規制することにより、短期間のエンジン回転変化や電気負荷断続により積算的検出値が頻繁または急激に変動しても、それによる調整電圧の煩雑な変動や大幅な変動を防止しつつ過充電及び充電不足を防止することができる。これにより、ランプ輝度の変動などに代表される電気負荷への悪影響を低減することができる。
【0034】
好適には、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が所定値を下回る場合にまず調整電圧を所定値まで増大させ、更にまだ積算的検出値がまだ所定値を下回る場合にアイドル回転数を増大させるので、充電不足を招くことなく燃費を改善できるとともに頻繁なアイドル回転数の変化を防止して運転フィーリングの向上を実現することができる。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が所定値を上回る場合にまずアイドル回転数を低下させ、更にまだ積算的検出値がまだ所定値を上回る場合に調整電圧を所定値まで低下させるので、充電不足を招くことなく燃費を改善することができる。
請求項3記載の発明によれば、バッテリの所定の深い放電状態が所定の設定時間以上持続した場合に、調整電圧の低下を規制するので、バッテリ充電量の不足が深刻となっている状況に際しては積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が一時的に過充電状態と判定しても調整電圧を低下させず、バッテリ充電性能を高く維持することができる。更に説明すれば、このような深放電後であってもエンジン回転が高くなると、大きな充電電流がバッテリに流入しており、その結果、大きなバッテリ電圧が検出されてしまう。
【0036】
本手段によれば、このような深放電後、例えばある一定期間又は過充電が本当に無視できないとみなせる時点(例えば過充電電流の累積値がある値以上となった場合など)まで、積算的検出値が過充電状態であると判定しても一定期間、調整電圧の切下げを抑止するので、バッテリの放電が継続し、バッテリの容量が大きく低下した場合にはバッテリの充電性能を高く維持してバッテリの充電率を早急に改善するので、バッテリの充電率を向上することができる。
【0037】
好適には、電圧調整手段、積算的検出値を検出する検出手段、調整電圧変更手段をすべて発電機に取り付けるので、外部の制御装置が不用なため構成を簡素化できる。
好適には、積算的検出値を検出する検出手段と、調整電圧変更手段とを発電機の外部に取り付けると共に、電圧調整手段により設定された調整電圧を調整電圧信号として発電機に取り付けた電圧調整手段に送信するので、発電機側の制御装置にバッテリ電圧検出線が不用なため、簡素な構成とすることができる。
【0038】
好適には、内燃機関の始動後、所定時間の間、調整電圧の変更を中断するので、更に以下の作用効果を奏することができる。
すなわち、始動直後の数分間(例えば10〜30分)は、積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)が所定値より高くても調整電圧が低下することがないので、停車中の暗電流放電やスタータ始動による放電をすみやかに充電することができ、短時間の繰り返し走行の場合でも、バッテリの充電を良好に維持する事ができる。
【0039】
好適には、検出したバッテリの温度またはそれに応じて変化するパラメータに基づいて上記判定値をシフトするので、使用温度環境が異なっても、過充電を良好に抑止することができる。すなわち、バッテリの充電電圧と過充電量との関係は温度の影響を大きく受けるので、過充電レベルに対するバッテリの温度特性を考慮して判定値を変更することにより、使用温度環境が異なっても過充電を良好に防止することができる。
【0040】
たとえば、バッテリ温度が低温である場合にはバッテリ容量が小さくなるので、充電不足が生じやすくなる。従って、低温時に判定値を増加させて調整電圧Vrefを増大させることにより、充電不足を抑止することができる。
好適には、電圧調整手段の温度がバッテリ温度と近似的に正の相関を持つことを利用して、電圧調整手段の温度に基づいて判定値をシフトする。このようにすれば、バッテリの温度を検出する専用センサが不用になり簡素な構成とすることができる。
【0041】
好適には、内燃機関の始動後の経過時間がバッテリ温度と近似的に正の相関を持つことを利用して、内燃機関の始動後の経過時間に基づいて判定値をシフトする。すなわち、バッテリ温度はエンジン始動後、エンジンからの加熱などにより次第に上昇する。従って、始動後の経過時間に基づいて判定値をシフトすれば、バッテリの温度を検出する専用センサが不用になり簡素な構成とすることができる。
【0042】
好適には、高域低減バッテリ電圧により積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)を検出するので、簡素な構成で確実にバッテリの平均的充電性能を検出することができる。
好適には、上記所定期間内におけるバッテリ電圧の平均値により積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)を検出するので、簡素な構成で確実にバッテリの平均的充電性能を検出することができる。
【0043】
好適には、上記所定期間におけるバッテリ電圧(電圧)が所定値を上回る期間の比率により積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)を検出するので、簡易な構成により確実にバッテリの平均的充電性能を検出することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記所定期間の間のバッテリに流入する過充電電流の累積値により積算的検出値(バッテリ電圧積算量に相当する値)を検出し、上記過充電電流の累積値が所定の設定値以上となる場合を過充電状態として検出するので、簡易な構成により確実にバッテリの平均的充電性能を検出することができる。なお、過充電電流は正確にはバッテリ電圧とバッテリ温度との両方に相関関係を有するので、更にバッテリ温度も検出し、バッテリ温度とバッテリ電圧と過充電電流との三元マップから過充電電流を検出することもできる。
【0044】
【実施例】
(実施例1)
本発明の車両用交流発電機の電圧制御装置を用いた車両用充電装置の一例を図1の回路図を参照しつつ説明する。
車載のエンジン1によって駆動される車両用交流発電機2は、ステータコイル9、整流器10、励磁コイル11を有し、励磁コイル11への励磁電流の通電によりステータコイル9が発電し、その発電電圧は整流器10で整流されてバッテリ6及び電気負荷(車両用電気負荷)7へ給電される。
【0045】
3は励磁電流を断続制御する励磁電流駆動回路であって、12は還流ダイオード、13は励磁電流駆動用NチャンネルパワーMOSトランジスタ、14はそのゲート電極保護用の保護ダイオード、15はゲート電極へのサージ電圧の入力を抑止するための入力抵抗である。入力抵抗15を通じてトランジスタ13に入力される制御電圧によりトランジスタ13が断続駆動され、これにより励磁コイル11へ通電される励磁電流が制御され、それにより発電電圧が制御され、バッテリ6の充電電流が制御される。上記した車両用充電装置の構成自体は周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0046】
充電制御回路4は、バッテリ6の電圧(バッテリ電圧)を分圧する分圧回路をなす抵抗20、21を有し、この抵抗20、21の接続点から得られたバッテリ電圧の分圧(以下、単にバッテリ電圧ともいう)はコンパレータ16の−入力端に入力されるとともに、AーDコンバータ18を介してマイクロコンピュータ19に入力される。マイクロコンピュータ19が演算した出力結果はDーAコンバータ17を介してコンパレータ16の+入力端に調整電圧として入力され、コンパレータ16はバッテリ電圧をこの調整電圧と比較して、バッテリ電圧が高い場合にローレベルを出力してトランジスタ13をオフし、バッテリ電圧が低い場合にハイレベルを出力してトランジスタ13をオンし、これにより励磁電流を制御する。
【0047】
また、マイクロコンピュータ19が演算した出力結果はエンジン制御用のマイクロコンピュータの一部をなすアイドル回転制御装置8に伝送され、このアイドル回転制御装置8は入力信号に基づいてエンジン1のアイドル回転数を制御する。なお、5はキースイッチであり、キースイッチ5の投入によりマイクロコンピュータ19へ電源電圧が印加される。
【0048】
以下、本実施例の特徴をなす調整電圧切り換え制御を行うマイクロコンピュータ19の動作について図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップ100では、キースイッチ5の投入によりマイクロコンピュータ19へ電源電圧が印加されると初期設定が行われ、調整電圧及びアイドル回転数を所定の初期値に設定し、後述する充電モードフラグを通常モード(レベル0)に設定し、設定時間(制御実行周期)をカウントするタイマをリセットし、スタートさせる。上記設定時間は本実施例では数十秒に設定されている。
【0049】
図3は1秒間隔で図2のメインルーチンに割り込む割り込みルーチンであって、バッテリ電圧値Vbを読み込み(ステップ200)、今回読み込んだバッテリ電圧値Vbを含む直前の3〜30分間の平均値算出用のサンプリング期間(本明細書でいう所定期間)に読み込んだ各バッテリ電圧値Vbの平均値Va−bを算出して平均値記憶メモリの内容を書き換えて(ステップ202)、メインルーチンにリターンする。
【0050】
ステップ102は、設定時間カウント用の内蔵タイマのカウント時間がメインルーチンの実行周期を決定する待機ステップであって、内蔵タイマが上記設定時間に達したかどうかを調べて達するまで待機し、達すればこの内蔵タイマのリセット/再スタートを行う(ステップ104)。
次に、バッテリ電圧の平均値Va−bが所定の過充電状態判定値V1より大きいかどうかを調べ(ステップ108)、大きければ過充電状態(無視できない過充電状態)と見做してステップ130へ進み、そうでなければステップ112へ進んで平均値Va−bが所定の充電不足判定値V2より小さいかどうかを調べ、小さければ充電不足と見做してステップ114へ進み、そうでなければステップ102へリターンする。
【0051】
ステップ114では、調整電圧Vrefが所定の上限値(ここでは14V)に達しているかどうかを調べ、達していなければ調整電圧Vrefを14Vに達しない範囲内で所定量(たとえば0.5V)だけアップし(ステップ116)、そうでなければアイドル回転数を所定の高値にセットするか又はアイドル回転数が所定の最大値に達する範囲内で所定量(たとえば50rpm)だけアップする(ステップ118)。
【0052】
その後、ステップ108で読み込んだ直前の3回の平均値Va−bが全て深放電判定値V3より小さいかどうかを調べ(ステップ120)、小さくなければステップ102にリターンし、小さければバッテリ6が現在、充電不足状態であると判定して第2タイマをリセット後、スタートさせ(ステップ122)、ステップ124に進む。
【0053】
ステップ124では、充電モードフラグを充電回復モード(レベル1)にセットし、調整電圧Vrefを上限値Vrefu(ここでは14V)にセットしてステップ102へリターンする。なお、本実施例では、V1は13.5V、V2は13.0V、V3は12.5Vに設定している。
次に、ステップ108にて平均値Va−bがV1より大きいと判定した場合、すなわち過充電状態と判定した場合の動作について説明する。
【0054】
この場合には、ステップ130にて充電モードフラグが通常モードか充電回復モードかを調べ、通常モードであればステップ132へ、充電回復モードであればステップ134へ進む。なお、充電回復モードはバッテリ電圧の低下状態が長時間持続した後であって、強力なバッテリ充電を行う充電制御モードであり、通常モードとはそうではない充電制御モードである。
【0055】
ステップ132では、アイドル回転制御装置8から読み取ったアイドル回転数が所定の最低値以下かどうかを調べ、そうでなければアイドル回転数を所定の最低値へ下げるか又は所定の最低値に達するまでの範囲内で所定量だけ低下する(ステップ136)。アイドル回転が所定の最低値に達していれば、調整電圧Vrefを所定の下限値Vrefd(ここでは13.2V)に達するまでの範囲内で所定量だけ低下させ(ステップ138)、ステップ102へリターンする。
【0056】
ステップ130にて充電モードフラグが充電回復モードであれば、充電回復モードの実施時間を決定する第2タイマがタイムオーバーしたかどうかを調べ(ステップ134)、していなければステップ102へリターンし、していればステップ140で充電モードフラグを通常モードに復帰させてからステップ102へリターンする。
【0057】
また、以上の説明におけるアイドル回転の補正は、充電不足状態と判定して上昇させたアイドル回転を過充電状態と判定した時に基準値まで戻す場合を例として説明をしたが、アイドル回転が基準値であっても過充電状態と判定した時は、調整電圧の低下に先行してアイドル回転を基準値より低下させることもでき、このようにすれば燃費向上を実現することができる。
(実施例2)
他の制御例を図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
この制御ルーチンは図2及び図3の制御ルーチンにおいて、ステップ204を追加し、ステップ108をステップ208へ変更した点が異なっている。
ステップ204では、今回読み込んだバッテリ電圧値Vbを含む直前の3〜30分間の過充電電流積算用のサンプリング期間(本明細書でいう所定期間)に読み込んだ各バッテリ電圧値Vbを内蔵のマップに入れて、このサンプリング期間における各バッテリ電圧値Vbにそれぞれ対応する過充電電流値を内蔵のマップからサーチし、サーチした各過充電電流値を累算して過充電電流積算値Ikを算出してそれを記憶するメモリの内容を書き換える。
【0059】
ステップ208では、求めた過充電電流積算値Ikが所定の過充電状態判定値I1より大きいかどうかを調べ、大きければ過充電状態(無視できない過充電状態)と見做してステップ130へ進み、そうでなければステップ112へ進んで平均値Va−bが所定の充電不足判定値V2より小さいかどうかを調べる。このようにすれば、実施例1の過充電検出法に比べて過充電状態を正確に判定することができるという利点が得られる。
(実施例3)
他の制御例を図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
この制御ルーチンは図2及び図3のの制御ルーチンにおいて、ステップ200をステップ206に変更し、ステップ207を追加し、ステップ108をステップ308に変更し、ステップ112をステップ312に変更し、ステップ120をステップ313に変更した点が異なっている。
ステップ206では、バッテリ電圧値Vbを、所定の過充電状態判定値V1、充電不足状態判定値V2および深放電判定値V3と比較する。更に、ステップ207ではバッテリ電圧Vbが過充電状態判定値V1より大きい時間T1を測定し、また同様にバッテリ電圧値Vbが所定の充電不足状態判定値V2より小さい時間T2を測定する。ステップ313では、VB<V3という状態が所定時間Tth3以上継続したことを検出して深放電状態と判定する。
【0061】
ステップ308では、過充電状態時間T1が所定の過充電状態判定値Tth1より大きいかどうかを調べ、大きければ過充電状態(無視できない過充電状態)と見做してステップ130へ進み、そうでなければステップ312へ進む。
次のステップ312では、充電不足時間T2が所定の充電不足状態判定値Tth2より大きいかどうかを調べ、大きければ充電不足状態と見做してステップ114へ進み、そうでなければステップ102にリターンする。
【0062】
このようにすれば、バッテリ電圧の値を直接読み込む必要がなく、バッテリ電圧をコンパレータを用いて各判定値V1、V2、V3と比較するだけでよいので、実施例1の過充電検出法に比べてA/Dコンバータ等が不要となり、回路構成が簡素となる。
エンジン回転数の各種変動に対する実施例1の制御を採用した場合におけるバッテリ電圧の変化を図8〜図10に示す。
【0063】
図8は市街地走行時のモデルとしてエンジン回転数が約5分の周期でアイドル回転数から所定の高回転数値までアップするモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調整電圧の変化を示すタイミングチャートであり、図9は郊外走行時のモデルとしてエンジン回転数が増加した後、それが長時間継続するモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調整電圧の変化を示すタイミングチャートであり、図10はアイドル回転が長時間継続するモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調整電圧の変化を示すタイミングチャートである。
【0064】
上記した各実施例に示すように長時間のバッテリ電圧積算量(本発明で言う積算的検出値)を検出することにより、実走行における長時間の平均的な過充電量を所定値に安定させることができ、その結果として図6に示すようにバッテリ電圧の頻繁な増減が生じるような場合でも、過充電状態を深刻化させることなくバッテリ6の充電性能を向上させることができる。
【0065】
なお、上記実施例ではバッテリ電圧積算量を求める方法として単純平均値を用いたが、他例として移動平均値や遅延値などを用いてバッテリ電圧積算量を求めてもよい。
(実施例4)
他の実施例を図11〜図15を参照して説明する。ただし、上記実施例と共通の構成要素には同一符号を付す。
【0066】
この実施例は、図1に示す実施例1の構成において、充電制御回路4をA/Dコンバータ及びマイコンを用いない構成とした点が異なっている。これにより、この実施例では、励磁電流駆動回路3に加えて充電制御回路4も容易に発電機2に内蔵することができ、装置構成を簡素とすることができる。
以下、この実施例の特徴をなす充電制御回路4を説明する。
【0067】
充電制御回路4において、20、21は抵抗、23〜25、30はコンパレータ、26は過充電時間積算回路、27は調整電圧設定回路、28は充電不足状時間積算回路、29は判定基準電圧発生回路である。
判定基準電圧発生回路29は、基準電圧Vref1、Vref2、Vref3を出力する。基準電圧Vref1は本明細書でいう第1、第2の判定値(過充電判定値V1)をなし、基準電圧Vref2は充電不足判定値V2であり、基準電圧Vref3は本明細書でいう第3の判定値(深放電判定値V3)をなす。基準電圧Vref1〜Vref3の発生のための判定基準電圧発生回路29の一例を図14に示す。判定基準電圧発生回路29の理解は容易であるので、その説明は省略する。
【0068】
コンパレータ23は、抵抗20と抵抗21とからなる分圧回路で分圧されたバッテリ電圧の分圧と過充電状態を判定するための基準電圧Vref1(例えばバッテリ電圧13.7Vに相当)とを比較する。バッテリ電圧の分圧(以下、簡単にバッテリ電圧ともいう)が基準電圧Vref1を超えると、コンパレータ23はローレベル電圧を出力し、このローレベル電圧が入力される累積時間が過充電状態時間T1として過充電時間積算回路26で積算される。更に、過充電時間積算回路26は、所定の観測期間内(例えば26分)における過充電状態時間T1が、上記観測期間に対して所定の割合を超えたかどうかを判定する。具体的には、過充電状態時間T1が所定の過充電判定時間Tth1(例えば13分、すなわち占有比率50%)より大きいかどうかが判定される。過充電時間積算回路26がT1>Tth1と判断すると、過充電状態であってバッテリの早期液べりが予想されるので、調整電圧設定回路27に指令して調整電圧Vrefを低い値に変更させる。具体的には、調整電圧Vrefを0.2Vだけ低下させる。調整電圧設定回路27で変更された調整電圧Vrefはコンパレータ30に出力され、コンパレータ30は周知のごとく、調整電圧Vrefとバッテリ電圧とを比較して、励磁電流断続制御用のトランジスタ13を制御してバッテリ電圧を調整電圧Vrefに維持する。逆に、過充電時間積算回路26がT1>Tth1と判断すると、過充電状態が解消されたと判断して、調整電圧設定回路27に調整電圧Vrefを高値に復帰させる指令を出力し、調整電圧設定回路27は調整電圧Vrefを0.2Vだけ上昇させる。なお、調整電圧変更の判定値である過充電判定時間Tth1を低下する時と復帰する時で変更してヒステリシス動作を行い、これによりハンチングの防止などを実現することも当然可能である。
【0069】
過充電時間積算回路26の詳細を図12に示す。
コンパレータ23の出力はUP/DOWNカウンタ261に入力され、UP/DOWNカウンタ261は、バッテリ電圧が基準電圧Vref1より高いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、低いと0.1秒毎にカウントダウンする。また、コンパレータ23の出力はシフトレジスタからなるデジタル遅延回路262で約26分間遅延された後、UP/DOWNカウンタ263に入力され、UP/DOWNカウンタ263は、遅延バッテリ電圧が基準電圧Vref1より高いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、低いと0.1秒毎にカウントダウンする。
【0070】
264は減算器であって、UP/DOWNカウンタ261のカウント出力からUP/DOWNカウンタ263のカウント出力を減算して、減算結果をデジタルコンパレータ265に出力する。従って、この減算結果は、電源入力時点から現在までのコンパレータ23の出力の累算値から、電源入力時点から26分前までのコンパレータ23の出力の累算値を減算した値となり、結局、直前26分間のコンパレータ23の出力の累算値となる。
【0071】
デジタルコンパレータ265は、入力された上記減算結果と、あらかじめセットされているデジタル数値(ここでは例えば0)とを比較し、減算結果がセットされたデジタル数値(例えば0)より大きければ、この直前26分間のうち、バッテリ電圧が基準電圧Vref1より高い期間の合計が観測期間(26分)の50%以上を占めるものと判断して、調整電圧設定回路27にハイレベル電圧すなわち調整電圧の引き下げを指令する。
【0072】
調整電圧設定回路27の回路例を図13に示す。
コンパレータ24は、抵抗20と抵抗21とからなる分圧回路で分圧されたバッテリ電圧の分圧と深放電状態を判定するための基準電圧Vref3(例えばバッテリ電圧12.5Vに相当)とを比較する。バッテリ電圧の分圧(以下、簡単にバッテリ電圧ともいう)が基準電圧Vref3を下回ると、コンパレータ24はハイレベル電圧をUP/DOWNカウンタ2710に出力し、UP/DOWNカウンタ2710は、バッテリ電圧が基準電圧Vref3より低いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、高いと0.1秒毎にカウントダウンする。また、コンパレータ24の出力はシフトレジスタからなるデジタル遅延回路2720で約26分間遅延された後、UP/DOWNカウンタ2730に入力され、UP/DOWNカウンタ2730は、遅延バッテリ電圧が基準電圧Vref3より低いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、高いと0.1秒毎にカウントダウンする。
【0073】
2740は減算器であって、UP/DOWNカウンタ2710のカウント出力からUP/DOWNカウンタ2730のカウント出力を減算して、減算結果をデジタルコンパレータ2750に出力する。従って、この減算結果は、電源入力時点から現在までのコンパレータ24の出力の累算値から、電源入力時点から26分前までのコンパレータ24の出力の累算値を減算した値となり、結局、直前26分間のコンパレータ24の出力の累算値となる。
【0074】
デジタルコンパレータ2750は、入力された上記減算結果と、あらかじめセットされているデジタル数値(ここでは0)とを比較し、減算結果がセットされたデジタル数値より大きければ、この直前26分間のうち、バッテリ電圧が基準電圧Vref3より低い期間の合計が観測期間(26分)の50%以上を占めるのでバッテリは深放電状態にあるものと判定して、RSフリップフロップ273をセットし、RSフリップフロップ273はアンドゲート2761、2762、2763を遮断する。すなわち、バッテリが深放電状態であると判定した場合には、アンドゲート2761、2762、2763を遮断して、調整電圧の引き下げを禁止する。
【0075】
274は、4ビットのカウンタであって、デジタルコンパレータ275がハイレベルを出力した時点以後、2分毎に入力されるクロックパルスをカウントして、16分後にRSフリップフロップ273をリセットする。すなわち、アンドゲート2761、2762、2763は一度遮断されると、16分間、その状態を保持し、この間、調整電圧の引き下げは禁止され、強力充電が実施される。
【0076】
次に、バッテリが深放電状態ではなく、RSフリップフロップ273がハイレベルを出力する場合を説明する。
2751は3ビットのカウンタであって、回路26の出力すなわちそのデジタルコンパレータ265の出力がローレベルの場合すなわち過充電状態と判定していない状態において、インバータ2750を通じてリセットされている。デジタルコンパレータ265が過充電状態と判定してハイレベルを出力すると、カウンタ2751は、その後、2分毎に入力するクロックパルスをカウントする。カウンタ2751の最下位桁(最下位ビット)の出力Q0、中間桁の出力Q1、最上位桁の出力Q2はそれぞれアンドゲート2761、2762、2763に個別に出力される。
【0077】
従って、回路26からの過充電状態判定信号が入力して2分後、アンドゲート2761が開いてトランジスタ277をオンし、調整電圧Vrefを0.2V引き下げる。トランジスタ277の断続は調整電圧Vrefの0.2Vの増減に相当し、トランジスタ278の断続は調整電圧Vrefの0.4Vの増減に相当し、トランジスタ279の断続は調整電圧Vrefの0.8Vの増減に相当する。これにより、カウンタ2751が出力する3ビットのカウント値の増加により調整電圧Vrefは8段階にわたって徐々に増加する事になる。
【0078】
ブロック回路26のデジタルコンパレータ265が過充電状態ではないと判定してローレベルを出力すると、インバータ2750はカウンタ2751をリセットし、アンドゲート2761〜2763が遮断され、調整電圧Vrefが元の状態に急速に引き上げられる。
282は基準電圧発生回路であって、トランジスタ277〜280、ツェナダイオード281、抵抗器からなり、合計8種類の基準電圧Vrefを出力する。基準電圧発生回路29については理解が容易であるので、説明を省略する。
【0079】
次に、コンパレータ25及び充電不足時間積算回路28について図11及び図15を参照して説明する。
コンパレータ25はバッテリ電圧と充電不足状態を判定する基準電圧Vref2(例えばバッテリ電圧13.0Vに相当)と比較する。バッテリ電圧が基準電圧Vref2を下回っていると判断されると、充電不足時間積算回路28によりその時間(充電不足状態累算時間T2)を累算する。そして、所定時間内(例えば26分)における充電不足状態累算時間T2が充電不足判定基準時間Tth2(13分)より長いかどうかを判定する。T2>Tth2と判断されると、充電不足状態であり、バッテリ上がりが予想される為、アイドル回転数補正手段にて設定されているアイドル回転数補正値を高い値に変更(例えば50rpm上昇させる)する。またT2<Tth2の場合は充電不足状態が解消されたものと判定してアイドル回転数を元レベルに復帰する。
【0080】
上記機能を実現する充電不足時間積算回路28を図15を参照して説明する。
バッテリ電圧の分圧(以下、簡単にバッテリ電圧ともいう)が基準電圧Vref2を下回ると、コンパレータ25はハイレベル電圧をUP/DOWNカウンタ2810に出力し、UP/DOWNカウンタ2810は、バッテリ電圧が基準電圧Vref2より低いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、高いと0.1秒毎にカウントダウンする。また、コンパレータ25の出力はシフトレジスタからなるデジタル遅延回路2820で約26分間遅延された後、UP/DOWNカウンタ2830に入力され、UP/DOWNカウンタ283は、遅延バッテリ電圧が基準電圧Vref2より低いとクロック周期0.1秒毎にカウントアップし、高いと0.1秒毎にカウントダウンする。
【0081】
2840は減算器であって、UP/DOWNカウンタ2810のカウント出力からUP/DOWNカウンタ2830のカウント出力を減算して、減算結果をデジタルコンパレータ2850に出力する。従って、この減算結果は、電源入力時点から現在までのコンパレータ25の出力の累算値から、電源入力時点から26分前までのコンパレータ25の出力の累算値を減算した値となり、結局、直前26分間のコンパレータ25の出力の累算値となる。
【0082】
デジタルコンパレータ2850は、入力された上記減算結果と、あらかじめセットされているデジタル数値(ここでは0)とを比較し、減算結果がセットされたデジタル数値より大きければ、この直前26分間のうち、バッテリ電圧が基準電圧Vref2より低い期間の合計が観測期間(26分)の50%以上を占めるのでバッテリは充電不足電状態にあるものと判定して、RSフリップフロップ283をセットし、RSフリップフロップ283はバッファインバータのトランジスタ284をオンする。RSフリップフロップ283のリセット端子には2分毎にクロックパルスが入力され、これによりRSフリップフロップ283のデータは2分毎に更新される。
【0083】
抵抗285とともにバッファインバータをなすトランジスタ284のオン信号は、エンジン制御回路(図示せず)に送られ、その結果、エンジン制御回路はアイドル回転数を所定回転数例えば50rpmだけアップする。逆に、トランジスタ284のオフ信号により、エンジン制御回路はアイドル回転数を所定回転数だけダウンする。
(実施例5)
他の実施例を図16を参照して説明する。ただし、上記実施例と共通機能を有する構成要素には同一符号を付す。
【0084】
この実施例は、実施例1(図1参照)の充電制御回路4を、外部充電制御回路47と、内部充電制御回路48とに分割し、両者を信号線100で連結した点を特徴としている。
発電機外部の外部充電制御回路47は、実施例1の充電制御回路4と同様に分圧抵抗20、21と、A−Dコンバータ18と、マイクロコンピュータ19とを備え、更にマイクロコンピュータ19の出力は、それを電力増幅するバッファインバータのトランジスタ41を介して内部充電制御回路48のコンパレータ42に送信される。
【0085】
発電機内部の内部充電制御回路48は、調整電圧信号を信号線100を通じて受信するための調整電圧信号受信用のコンパレータ42と、抵抗44及びコンデンサ45からなる積分回路と、励磁電流断続用のトランジスタ13を制御するコンパレータ46と、抵抗47,48からなる分圧回路と、抵抗49及びツェナダイオード43からなる定電圧回路とからなる。
【0086】
本実施例の回路は実施例1において外部充電制御回路47を外部に設けるとともにそれにA/Dコンバータとマイコンを用いた点に特徴があるので、特にそれらの点を重点に説明する。なお、動作は図2のフロ−チャ−トを参照することができる。
外部制御回路47のマイコン19は、バッテリ7の平均電圧を求めるとともに、調整電圧Vrefの補正の必要性を判断し、補正後の調整電圧を算出する。またマイコン19は、算出した調整電圧に対応したデューティ信号を求める。例えば、調整電圧が15Vの時はdutyが90%、調整電圧が12Vの時はdutyが10%とし、その他の値は直線補間で算出される。求められたデューティ信号は、トランジスタ41により発電機1に内蔵された充電制御回路48に送信される。調整電圧受信用コンパレータ42は、受信したデューティ信号を上記定電圧回路から出力される基準電圧と比較して波形整形した後、次段の抵抗44とコンデンサ45とからなる積分回路によって平均化し、デューティ信号を再び調整電圧を表すアナログ基準電圧へ変換する。コンパレータ46はこのようにして設定された調整電圧Vrefと発電機の出力電圧とを比較し、励磁電流を断続する事で発電機の出力を制御する。
【0087】
なお、外部充電制御回路47と内部充電制御回路48との間の信号は、上記デューティ信号(PWM信号)の他、調整電圧を表すことが可能な信号ならば、その種類を問わず、周知の周波数やアナログ電圧を用いてもよい。すなわち、この実施例によれば、発電機内部の内部充電制御回路48は、設定された調整電圧Vrefを発電機出力電圧の分圧と比較して励磁電流駆動回路への出力信号を発生する機能を持つ。外部充電制御回路47はバッテリ電圧積算量の判定とそれに基づく調整電圧Vrefの設定を行い、調整電圧の値を信号として発電機内部の内部充電制御回路48に送信する。つまり、この実施例では、バッテリ電圧の検出を外部装置で行うので、発電機1内の制御装置にはバッテリ電圧検出のための端子がいらない利点がある。また図1と異なり励磁電流駆動用トランジスタ13のオン/オフを直接信号として扱わず、調整電圧信号Vrefとして送信する為、端子外れなどの異常を検出して、フエイルセーフ制御する事も可能である。例えば、図16において、トランジスタ41が出力するデューティ信号が0%又は100%の時は端子外れなどの異常と判断することができる。なお、外部充電制御回路47は他のコントローラ(例えばエンジン制御ECU)に内蔵することも可能である。
(他の実施態様)
他の実施態様を以下に説明する。
【0088】
好適な態様において、図2、図4、図6のステップ102で設定された設定時間は、少なくとも車両の冷却水を冷却する電動ラジエータファンの最短断続周期よりも長く設定される。このようにすれば、頻繁な電動ラジエータファンの断続によるバッテリ電圧の変動により調整電圧変更されることが抑止される。
好適な態様において、図2、図4、図6のステップ138で設定された過充電検出時における調整電圧のダウン量は、このダウン量とステップ102のルーチン遂行周期とで規定される調整電圧の変化率が毎秒0.01〜0.1Vの範囲内となるように設定される。このようにすれば、調整電圧変更の緩慢化による過充電が問題となるのを抑止しつつ、急激な調整電圧の変更によるバッテリ電圧の急変が運転者や搭乗者に知覚されたりするのを抑止することができる。もちろん、調整電圧の増大時にもこの範囲に変化率を維持することが好ましい。
【0089】
ただし、バッテリ電圧積算量に基づいてバッテリの充電不足状態又はそれよりも深刻な深放電状態検出時には、バッテリの劣化を抑止するために過充電解消時の変化率よりも素早く調整電圧を変化させることが好ましい。
好適な態様において、図1の充電制御回路4、すなわち、本発明でいう電圧制御手段、検出手段及び調整電圧変更手段は車両用交流発電機に内蔵される。このようにすれば、装置体格や配線を簡素とすることができる。一方、図16に示す実施例では、電圧制御手段が車両用交流発電機に内蔵され、検出手段及び調整電圧変更手段をなす外部充電制御回路47は、車両用交流発電機の外部に配設される。このようにすれば、十分にノイズシールドした環境に配設されたマイコン装置により検出手段及び調整電圧変更手段を構成することができ、調整電圧変更のための複雑な信号処理を信頼性に優れた条件で実施することができる。
【0090】
好適な態様において、バッテリ電圧積算量を判定するための判定値は、バッテリの温度またはそれに応じて変化するパラメータに基づいてシフトされる。
例えば、図14に示す判定基準電圧発生回路29は、車両用交流発電機に内蔵されて、基準電圧Vref1(過充電判定値V1)、基準電圧Vref2(充電不足判定値V2)、基準電圧Vref3(深放電判定値V3)を定電圧ダイオードZDの分圧として発生する。更に、図14では抵抗R11、R12からなる分圧回路の出力電圧をトランジスタ311に入力している。トランジスタ311はその温度が低温の時は、トランジスタ311が不飽和又はオフ状態であり、基準電圧Vref1〜Vref3を発生する抵抗群R15〜R19へ給電される電流の内、抵抗R13への分流は少ないか又は0である。しかし、トランジスタ311が高温となると、トランジスタ311が完全にオンして上記分流電流が増大し、その結果、各基準電圧Vref1〜Vref3が低下する。R13はコレクタ抵抗、R14はエミッタ抵抗であり、コレクタ電流のレベルなどを調節するためのものである。
【0091】
すなわち、図14に示す回路29では、発電機1の温度が上昇すると、基準電圧Vref2、3を低下させている。発電機1の温度は同じエンジンルーム内に設置されるバッテリ7の温度と正の相関関係を持つので、バッテリ7の温度が増大すると、基準電圧Vref1、Vref3を低下させてる。
これにより、バッテリ温度の温度が上がって過充電を招く電圧レベルが下がれば、それに応じて過充電判定値も低下させることができ、過充電を招くことなく最適な発電制御を実現して燃費低減も果たすことができる。また、図14では、バッテリ温度をいわゆるレギュレータ温度で代用しているので、構成を簡素とすることができる。
【0092】
好適な態様を、図17のフローチャートを参照して説明する。ただし、図17は、図2、図4、図6に示すフローチャートに追加するステップ101を示す。この態様では、エンジン(図示せず)が始動して10分間は、調整電圧変更を行わない(ステップ101)。このようにすれば、充電不足となりやすい始動後の所定時間の間、調整電圧の変更を禁止するので、充電不足が生じるのが抑止される。
【0093】
好適な態様を、図18のフローチャートを参照して説明する。ただし、図17は、図2、図4、図6に示すフローチャートに追加するステップ103を示す。この態様では、エンジン(図示せず)が始動した後の経過時間をカウントするとともに、この経過時間に応じて判定値V1、V2、VV3を変更する。
エンジンの始動後の経過時間とともにバッテリ7の温度は上昇し、その過充電レベルも低下するので、それに応じて判定値V1、V2、V3を低下させる。このようにすれば、簡素な構成で、充電過不足を招くことなく調整電圧の低下を行って発電レベルを低下させることができ、燃費低減も果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用交流発電機の電圧制御装置を適用した車両用充電装置のブロック図である。
【図2】図1のマイコン19の制御動作(実施例1)を示すフローチャートである。
【図3】図1のマイコン19の制御動作(実施例1)を示すフローチャートである。
【図4】図2のマイコン19の他の制御動作(実施例2)を示すフローチャートである。
【図5】図2のマイコン19の他の制御動作(実施例2)を示すフローチャートである。
【図6】図2のマイコン19の他の制御動作(実施例3)を示すフローチャートである。
【図7】図2のマイコン19の他の制御動作(実施例3)を示すフローチャートである。
【図8】市街地走行時のモデルとしてエンジン回転数が約5分の周期でアイドル回転数から所定の高回転数値までアップするモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調整電圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図9】郊外走行時のモデルとしてエンジン回転数が増加した後、それが長時間継続するモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調整電圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図10】アイドル回転が長時間継続するモードにおけるバッテリ電圧、その平均値、調製電圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の車両用交流発電機の電圧制御装置を適用した車両用充電装置の実施例4を示すブロック図である。
【図12】図11に示すブロック回路26の一例を示す回路図である。
【図13】図11に示すブロック回路27の一例を示す回路図である。
【図14】図11に示すブロック回路29の一例を示す回路図である。
【図15】図11に示すブロック回路28の一例を示す回路図である。
【図16】本発明の車両用交流発電機の電圧制御装置を適用した車両用充電装置の実施例5を示すブロック図である。
【図17】図2、図4、図6のフローチャートの変形態様を示すフローチャートである。
【図18】図2、図4、図6のフローチャートの変形態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は車両用交流発電機、3は励磁電流駆動回路(電圧調整手段の一部)、4は充電制御回路(電圧調整手段の残部)、19はマイコン(検出手段、調整電圧変更手段)、ステップ108、208、308は検出手段、ステップ116、138は調整電圧変更手段、ステップ118、136はアイドル調整手段。
Claims (4)
- 車両に搭載され内燃機関によって駆動される車両用交流発電機により充電されるバッテリの電圧を所定の調整電圧に一致させるように前記車両用交流発電機の出力を制御する電圧調整手段と、
前記車両の走行及び停止に応じて前記内燃機関の回転数が増減する間隔、及び、間欠動作する所定の電気負荷装置の作動間隔の少なくとも一方よりも長く設定された所定の観測期間内における前記バッテリ電圧の積算量を、前記観測期間に観測した前記バッテリ電圧もしくはその関連値に基づいて出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された前記積算量に基づいて前記調整電圧を変更する調整電圧変更手段と、
を備え、
前記調整電圧変更手段は、前記調整電圧の増減に際して、前記調整電圧の変化率を所定の最大値以下に規制し、更に、
前記バッテリ電圧又は前記積算量が前記第2の判定値より低い所定の第3の判定値を更に下回る場合に所定の急速上昇率で前記調整電圧を上昇させるとともに、前記積算量が第1の判定値を上回ると前記調整電圧を前記急速上昇率よりも小さい変化率で減少させ、前記積算量が前記第1の判定値より低い第2の前記判定値を下回ると前記調整電圧を前記急速上昇率よりも小さい変化率で上昇させることを特徴とする車両用交流発電機の電圧制御装置。 - 車両に搭載され内燃機関によって駆動される車両用交流発電機により充電されるバッテリの電圧を所定の調整電圧に一致させるように前記車両用交流発電機の出力を制御する電圧調整手段と、
前記車両の走行及び停止に応じて前記内燃機関の回転数が増減する間隔、及び、間欠動作する所定の電気負荷装置の作動間隔の少なくとも一方よりも長く設定された所定の観測期間内における前記バッテリ電圧の積算量を、前記観測期間に観測した前記バッテリ電圧もしくはその関連値に基づいて出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された前記積算量に基づいて前記調整電圧を変更する調整電圧変更手段と、
前記積算量が前記第1の判定値を上回る場合に前記調整電圧の減少に優先して前記エンジンのアイドル回転数を低下させるアイドル調整手段と、
を備え、
前記調整電圧変更手段は、前記積算量が第1の判定値を上回ると前記調整電圧を減少させ、前記積算量が前記第1の判定値より低い第2の前記判定値を下回ると前記調整電圧を上昇させることを特徴とする車両用交流発電機の電圧制御装置。 - 車両に搭載され内燃機関によって駆動される車両用交流発電機により充電されるバッテリの電圧を所定の調整電圧に一致させるように前記車両用交流発電機の出力を制御する電圧調整手段と、
前記車両の走行及び停止に応じて前記内燃機関の回転数が増減する間隔、及び、間欠動作する所定の電気負荷装置の作動間隔の少なくとも一方よりも長く設定された所定の観測期間内における前記バッテリ電圧の積算量を、前記観測期間に観測した前記バッテリ電圧もしくはその関連値に基づいて出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された前記積算量に基づいて前記調整電圧を変更する調整電圧変更手段と、
を備え、
前記調整電圧変更手段は、前記バッテリの所定の充電不足状態が設定時間以上持続する場合に、前記調整電圧変更手段による前記調整電圧の低下を規制することを特徴とする車両用交流発電機の電圧制御装置。 - 車両に搭載され内燃機関によって駆動される車両用交流発電機により充電されるバッテリの電圧を所定の調整電圧に一致させるように前記車両用交流発電機の出力を制御する電圧調整手段と、
前記車両の走行及び停止に応じて前記内燃機関の回転数が増減する間隔、及び、間欠動作する所定の電気負荷装置の作動間隔の少なくとも一方よりも長く設定された所定期間内における前記所定の積算量を、前記所定期間に観測した前記バッテリ電圧もしくはその関連値に基づいて出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された前記積算量に基づいて前記調整電圧を変更する調整電圧変更手段と、
を備え、
前記検出手段は、
前記所定期間に定期的に読み込んだ各バッテリ電圧と、予め記憶する前記バッテリ電圧と過充電電流値との関係とに基づいて各過充電電流値を求め、前記各過充電電流値を累算して求めた過充電電流の累積値を前記積算量とし、
前記調整電圧変更手段は、
前記過充電電流値の累積値が所定しきい値以上の場合に前記調整電圧を低下させることを特徴とする車両用交流発電機の電圧制御装置。
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