JP5510206B2 - オーディオミキシング装置およびプログラム - Google Patents
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Description
この問題点を具体例を挙げて説明しておく。例えば、演劇の第1幕が開始されると、直ちにシーンAがリコールされ、その5分後に舞台が暗転し、シーンBがリコールされることとする。但し、最初にシーンAが呼び出された後、1分30秒後にシーンCがリコールされ、さらにその1分30秒後にシーンDがリコールされることとする。かかる場合、特許文献1の技術においては、シーンBのリコールタイミングは「シーンAから5分後」という形式で指定することはできず、直前にリコールされたシーン(シーンD)を基準として、「直前のシーン(シーンD)のリコールから2分後」という形式で、シーンBのリコールタイミングが指定される必要があった。このため、例えば、シーンDのリコールタイミングに変更が生じると、シーンBがシーンAから5分後にリコールされるようにするためには、シーンBのリコールタイミングも必然的に変更する必要が生じていた。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、常時表示領域のような狭い表示領域を用いた場合であっても、シーンリコール等を自動実行するためのコマンドリストを、まとまった単位で管理できるようにし、これによって高い操作性を実現するオーディオミキシング装置およびプログラムを提供することを目的としている。
請求項1記載のオーディオミキシング装置にあっては、オーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理手段(8)と、コマンドリストを記憶したコマンドリスト記憶手段(20,120A)であって、当該コマンドリストは複数のコマンドを実行順位を規定しつつ記憶しており、当該コマンドはアクションとイベントとに分類され、前記アクションとはオーディオ信号処理を制御するコマンドであり、前記イベントとはアクションのまとまりをあらわすコマンドである、コマンドリスト記憶手段(20,120A)と、前記コマンドリスト内の一のコマンドをフォーカスするフォーカス手段(111)と、コマンドモードおよびイベントモードのうち一方のモードを選択するモード選択手段(202)と、前記コマンドモードが選択されている場合は、フォーカス中のコマンドとその次のコマンドとのみを表示し、イベントモードが選択されている場合はフォーカス中のコマンドのまとまりをあらわすイベントとその次のイベントとのみを表示する表示部(250)と、前記フォーカスの進捗を指示する進捗指示手段(210)と、前記フォーカスの後退を指示する後退指示手段(208)と、前記進捗指示手段(210)が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを次のコマンドに進め、フォーカスされた当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドとを前記表示部(250)に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを次のイベントに進め、フォーカスされた当該イベントと当該イベントの次のイベントとを前記表示部(250)に表示する進捗手段(SP10〜SP28)と、前記後退指示手段(208)が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを前のコマンドに戻し、フォーカスされた当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドとを前記表示部(250)に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを前のイベントに戻し、フォーカスされた当該イベントと当該イベントの次のイベントとを前記表示部(250)に表示する後退手段(SP30〜SP48)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載のオーディオミキシング装置において、前記オーディオ信号処理手段(8)は、指定された複数のパラメータ値に基づいてオーディオ信号処理を行うものであり、前記複数のパラメータ値の集合を一のシーンデータとして、該シーンデータを複数記憶するシーンデータ記憶手段(20,102)をさらに有し、前記アクションは、前記シーンデータ記憶手段(20,102)から一のシーンデータを呼び出して現在値に反映するオーディオ信号処理、または、その他の実行すべき一のオーディオ信号処理の実行を指示するアクション内容指示部(アクション部)を含むものであることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載のオーディオミキシング装置において、前記各イベントは、当該イベントの実行タイミングを定めるイベント・トリガ部と、当該イベントの名称を表す文字列からなるイベント・タイトル部と、前記イベント・タイトル部よりもさらに長い文字列を表記することができるイベント・コメント部とを有するものであり、前記各アクションは、前記アクション内容指示部と、当該アクションの実行タイミングを定めるアクション・トリガ部と、当該アクションの名称を表す文字列からなるアクション・タイトル部と、前記アクション・タイトル部よりもさらに長い文字列を表記することができるアクション・コメント部とを有するものであり、前記表示部(250)は、フォーカス中のコマンドまたは当該コマンドのまとまりをあらわすイベントの内容を表示するカレント表示部(260)と、該カレント表示部(260)に表示されているコマンドの次のコマンドまたは次のイベントの内容を表示するネクスト表示部(270)とを有するものであり、前記ネクスト表示部(270)は、前記カレント表示部(260)よりも広い面積を有するように構成され、該カレント表示部(260)に表示されているコマンドの次のコマンドまたは次のイベントに含まれるイベント・コメント部またはアクション・コメント部の内容を表示するものであることを特徴とする。
また、請求項4記載のプログラムにあっては、オーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理手段(8)と、コマンドリストを記憶したコマンドリスト記憶手段(20,120A)であって、当該コマンドリストは複数のコマンドを実行順位を規定しつつ記憶しており、当該コマンドはアクションとイベントとに分類され、前記アクションとはオーディオ信号処理を制御するコマンドであり、前記イベントとはアクションのまとまりをあらわすコマンドである、コマンドリスト記憶手段(20,120A)と、コマンドリスト内の一のコマンドをフォーカスするフォーカス手段(111)と、コマンドモードおよびイベントモードのうち一方のモードを選択するモード選択手段(202)と、前記コマンドモードが選択されている場合は、フォーカス中のコマンドとその次のコマンドのみを表示し、イベントモードが選択されている場合はフォーカス中のコマンドのまとまりをあらわすイベントとその次のイベントのみを表示する表示部(250)と、前記フォーカスの進捗を指示する進捗指示手段(210)と、前記フォーカスの後退を指示する後退指示手段(208)と、処理装置(18)とを有するオーディオミキシング装置に適用されるプログラムであって、前記処理装置(18)を、前記進捗指示手段(210)が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを次のコマンドに進め、当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドを前記表示部(250)に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを次のイベントに進め、当該イベントと当該イベントの次のイベントを前記表示部(250)に表示する進捗手段(SP10〜SP28)と、前記後退指示手段(208)が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを前のコマンドに戻し、当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドを前記表示部(250)に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを前のイベントに戻し、当該イベントと当該イベントの次のイベントを前記表示部(250)に表示する後退手段(SP30〜SP48)ととして機能させるためのものであることを特徴とする。
従って、ユーザが用途に応じて適切なモードを選択することにより、高い操作性を実現することができる。
1.1.ハードウエア構成
次に、本発明の一実施例のデジタルミキサ(オーディオミキシング装置)の構成を図1を参照し説明する。
図1において2はタッチパネルであり、バスライン12を介して供給された表示情報に基づいてユーザに各種画面を表示するディスプレイと、このディスプレイの表面に貼付され、ユーザの指で押下されると、その旨および押下位置を検出するタッチスクリーンとから構成されている。タッチパネル2内のディスプレイは、例えば「1024×768」程度の解像度を有するフラットパネルディスプレイによって構成されている。4は表示器・操作子群であり、操作パネル上の各部に配置される各種のノブ、スイッチおよびLEDキーから構成されている。LEDキーに内蔵されたLEDの点滅状態はバスライン12を介して設定される。また、ノブ、スイッチおよびLEDキー等の操作状態はバスライン12を介して出力される。
次に、信号処理部8等において実現されるアルゴリズムの内容を図2を参照し説明する。なお、当該アルゴリズムは信号処理部8に設定されるプログラムによって実現されるものであり、該プログラムは、CPU18の制御の下、フラッシュメモリ20等から信号処理部8にロードされる。図2において51はアナログ入力部であり、マイクレベルまたはラインレベルのアナログ音声信号を受信すると、これをデジタル音声信号に変換し、信号処理部8に供給する。52はデジタル入力部であり、デジタル音声信号を受信すると、これを信号処理部8内部のフォーマットに変換する。66はアナログ出力部であり、信号処理部8から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し外部に出力する。68はデジタル出力部であり、信号処理部8から供給された内部フォーマットのデジタル音声信号を所定フォーマット(AES/EBU,ADAT,TASCAM等)のデジタル音声信号に変換し出力する。
次に、本実施例におけるデータ構成を図3を参照し説明する。なお、同図は、RAM22およびフラッシュメモリ20に記憶される各種データを示すものである。
図3において100はカレントデータであり、上述したように信号処理部8におけるミキシング処理に係る各種のパラメータによって構成されている。このカレントデータ100および後述するレジスタ111〜116はRAM22内の領域に設けられるが、他のデータは電源がオフされた場合にも消失しないようにフラッシュメモリ20に記憶されるとともに、必要に応じてRAM22にロードされる。まず、102はシーンデータ群であり、複数のシーンデータSCN−1〜SCN−mから構成される。一のシーンデータは、ある時点のカレントデータ中の、入力チャンネル調整部55、汎用イコライザ群56、およびMIX出力チャンネル部62のパラメータ(カレントデータ中のパラメータ群のうち、信号処理部8を制御するパラメータ群であって、少なくとも後述するライブラリデータ群104に含まれないパラメータ群)を記憶したものである。
(1)何れかのシーンデータSCN−1〜SCN−mのリコール
(2)何れかのライブラリデータLIB−1〜LIB−nのリコール
(3)MIDIデータの出力
(4)GPIデータの出力
のうち何れかである。アクション部においてシーンリコールまたはライブラリリコールを行う場合には、リコールされるべきシーンデータまたはライブラリデータの番号(SCN−1〜SCN−m、またはLIB−1〜LIB−n)が当該アクション部にて指定される。また、MIDIデータまたはGPIデータを出力する場合には、当該MIDIデータまたはGPIデータの実体がアクション部に記述され、当該アクションデータが実行された場合には、記述されたMIDIデータまたはGPIデータがその他I/O部16を介して外部機器に出力される。なお、GPIデータとは、映像編集機器等を遠隔制御するためのデータである。
まず、カレントコマンド・レジスタ111は、一のコマンドデータを「カレントコマンド」として指示する(フォーカスする)ものである。ここで、カレントコマンドとは、コマンドリストの再生中においては現在実行中である一のコマンドデータ、または最後に実行された一のコマンドデータであり、コマンドリストの編集中においては、編集対象とするコマンドデータである。
次に、ネクストコマンド・レジスタ112は、一のコマンドデータを「ネクストコマンド」として指示するものである。ネクストコマンドとは、コマンドリストの再生中においても、編集中においても、カレントコマンドの次の実行順位のコマンドデータである。
なお、カレントコマンドとされるコマンドは常に一のコマンドのみであり、同時に複数のコマンドがカレントコマンドとなることはない。同様に、ネクストコマンドとされるコマンドも常に一のコマンドのみであり、同時に複数のコマンドがネクストコマンドとなることはない。この点は、後述するカレント/ネクストイベントおよびカレント/ネクストアクションについても同様である。
次に、ネクストイベント・レジスタ114は、一のイベントデータを「ネクストイベント」として指示するものである。ここで、ネクストイベントとは、上記カレントイベントよりも実行順位が後である全てのイベントデータのうち、実行順位が最先であるイベントデータである。言い換えると、上記カレントイベントが属するアクションデータ・グループの、次の実行順位にあたるアクションデータ・グループに属するイベントデータである。
次に、カレントアクション・レジスタ115は、一のアクションデータを「カレントアクション」として指示するものである。ここで、カレントアクションとは、上記カレントコマンドがアクションデータであるときは当該アクションデータであり、上記カレントコマンドがイベントデータであるときは、ヌルデータ(すなわち「0」)になる。ここで、ヌルデータは、対応するデータ(ここでは、カレントアクション)の指示が「存在しない」ということを表す。
次に、ネクストアクション・レジスタ116は、一のアクションデータを「ネクストアクション」として指示するものである。ここで、ネクストアクションとは、上記カレントコマンドの次の実行順位のコマンドデータがアクションデータであるときは当該アクションデータであり、当該次の実行順位のコマンドデータがイベントデータであるときは、指示なし(ヌルデータ)になる。
タッチパネル2における表示領域は、「一般表示領域(図示せず)」と図4(a)に示す「常時表示領域200」とに分割されている。ここで、一般表示領域は、その機能(内容)がユーザによって指定できる領域であり、例えば入力パッチ部54における割当の設定画面、入力チャンネル調整部55からMIXバス群58へのセンドレベルの設定画面、あるいは、選択中のコマンドリスト内のコマンドの一覧を表形式で表示する画面(後述する常時表示領域200におけるカレントとネクストのみの表示ではなく、コマンドリストの全貌が確認できるような形式でコマンドの一覧を表示する画面)等の各種の画面が、ユーザの指定に応じて順次に切り替えられながら表示される。一方、常時表示領域200の表示内容は図4(a)のようにユーザの選択によらず、固定的に定められたパラメータの現状を、システムの起動時から停止時までの間、常に表示する領域である。ただし、表示するパラメータの一部を切り替える構成を採用することもできるが、少なくとも本発明では、後述のコマンド/イベント表示部250は固定的に表示されるものとする。
常時表示領域200の内部において202は表示モード設定ボタンであり、押下される毎に「コマンドモード」または「イベントモード」の何れかの表示モードをトグルで切り替えて選択する。250はコマンド/イベント表示部であり、表示モードに応じて表示内容が設定される。図4(a)においては、表示モードがコマンドモードである場合の表示例を示す。252は表示モード欄であり、現在選択されている表示モード(図示の例にあってはコマンドモード)を表示する。以下、コマンド/イベント表示部250の内部の構成要素について説明するが、これらは表示モードがコマンドモードである場合の説明である。まず、260はカレント欄であり、コマンドモードにおいてはカレントコマンドの内容を表示する。その内部において262はカレント番号表示欄であり、コマンドモードにおいてはカレントコマンドの番号を表示する。また、264はカレント・タイトル欄であり、コマンドモードにおいてはカレントコマンドのタイトル部の内容を表示する。
208はDECボタンであり、フォーカスを現在のカレントコマンド(またはカレントイベント)から実行順位の逆方向でひとつ前にあるコマンド(またはイベント)に移し、それに応じて、カレント欄260およびネクスト欄270の表示内容をコマンド(またはイベント)の実行順位とは逆方向でひとつ前の内容へ変更することを指示するものである。210はINCボタンであり、フォーカスを現在のカレントコマンド(またはカレントイベント)から実行順位の同一方向でひとつ次にあるコマンド(またはイベント)へ移し、それに応じて、カレント欄260およびネクスト欄270の表示内容をコマンド(またはイベント)の実行順位と同一方向でひとつ次の内容へ変更することを指示するものである。なお、上記ストップボタン206等によってコマンドリストの再生が停止された場合、各コマンドデータが自動的に実行されることはなくなるが、これらDECボタン208およびINCボタン210によって各コマンドデータをマニュアル操作にて実行させることは可能である。
3.1.表示モード設定処理(図5)
常時表示領域200において表示モード設定ボタン202が押下されると、図5に示す表示モード設定処理ルーチンが起動される。図5において処理がステップSP2に進むと、指定された表示モードが新たな表示モードとして設定される。表示モード設定ボタン202は押下される毎に表示モードをトグルで切り替えるものであるから、従前の表示モードがイベントモードであれば新たな表示モードはコマンドモードになり、従前の表示モードがコマンドモードであれば新たな表示モードはイベントモードになる。次に、処理がステップSP4に進むと、新たな表示モードはコマンドモードであるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP6に進む。ここでは、それまで表示対象とされていたカレントイベント・レジスタ113およびネクストイベント・レジスタ114にかえて、カレントコマンド・レジスタ111およびネクストコマンド・レジスタ112の内容が読み出され、その結果に基づいて、コマンドリスト120Aからカレントコマンドおよびネクストコマンドの内容が読み出され、コマンド/イベント表示部250における表示内容がコマンドモードに対応したものに設定される。すなわち、先に図4(a)について説明したように、表示モード欄252には「コマンドモード」の文字が表示され、カレント欄260にはカレントコマンドの番号およびタイトル部の内容が表示され、ネクスト欄270には、ネクストコマンドの番号、タイトル部の内容およびコメント部の内容が表示される。
3.2.1.コマンドモード
また、常時表示領域200においてINCボタン210が押下されると、図6に示すINCボタン押下処理ルーチンが起動される。図6において処理がステップSP10に進むと、現在の表示モードはコマンドモードであるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理はステップSP12に進む。ここでは、現時点でネクストコマンド・レジスタ112に書き込まれているネクストコマンド(ここではコマンドAとする)および実行順位がそれより前である全てのコマンドが無効状態に設定され、当該ネクストコマンドであるコマンドAがフォーカスされて実行される。ここで「無効状態」とは、タイマ割込処理ルーチン(図8,詳細は後述する)によって自動的に実行される対象から外された状態を指す。逆に、「有効状態」とは、同ルーチンによって自動的に実行され得る状態をいう。
また、現在の表示モードがイベントモードであるとき、上記ステップSP10においては「NO」と判定され、処理はステップSP20に進む。ここでは、現時点でネクストイベント・レジスタ114に書き込まれているネクストイベント(ここではイベントCとする)および実行順位がそれより前である全てのコマンドが無効状態に設定され、当該ネクストイベントであるイベントCがフォーカスされて実行される。次に、処理がステップSP22に進むと、現在のネクストイベントであるイベントCを指示する値がカレントコマンド・レジスタ111とカレントイベント・レジスタ113とに書き込まれる。次に、処理がステップSP23に進むと、カレントアクション・レジスタ115にはヌルデータ(指示なし)が書き込まれる。
3.3.1.コマンドモード
また、常時表示領域200においてDECボタン208が押下されると、図7に示すDECボタン押下処理ルーチンが起動される。図7において処理がステップSP30に進むと、現在の表示モードはコマンドモードであるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると処理はステップSP32に進む。ここでは、現在処理中の(現在選択中あるいは再生中の)コマンドリストにおいて、現時点でカレントコマンド・レジスタ111に書き込まれているカレントコマンド(ここではコマンドFとする)の直前の実行順位にあたるコマンド(ここではコマンドGとする)が抽出される。そして、当該抽出されたコマンド(コマンドG)がフォーカスされて実行されるとともに、該実行されたコマンド(コマンドG)よりも実行順位が後である全てのコマンドが、有効状態(上述のように、タイマ割込処理ルーチン(図8)によって自動実行され得る状態)に設定される。
また、現在の表示モードがイベントモードであるとき、上記ステップSP30においては「NO」と判定され、処理はステップSP40に進む。ここでは、現在処理中のコマンドリストにおいてカレントイベント(ここではイベントHという)よりも実行順位が先である全てのイベントデータのうち、実行順位が最後であるイベントデータ(ここではイベントIという)が抽出される。そして、当該抽出されたイベントデータ(イベントI)がフォーカスされて実行されるとともに、該実行されたイベント(イベントI)よりも実行順位が後である全てのコマンドが、有効状態(上述のように、タイマ割込処理ルーチン(図8)によって自動実行され得る状態)に設定される。
本実施例のデジタルミキサにおいては、所定時間(例えば10msec)毎にタイマ割込が発生し、タイマ割込が発生すると、図8に示すタイマ割込処理ルーチンが起動される。図8において処理がステップSP50に進むと、現在処理中のコマンドリスト内において有効状態である全てのコマンドデータの中から、今回のタイミングにおいて実行すべきコマンドデータが存在する場合には、当該コマンドデータが抽出される(典型的には、ネクストコマンド・レジスタに書き込まれているコマンドデータの実行タイミングが今回のタイミングであれば、当該コマンドデータが今回のタイミングにおいて実行すべきコマンドデータとして抽出される)。次に、処理がステップSP52に進むと、先のステップSP50において実行すべきコマンドデータが抽出されたか否かが判定される。ここで、コマンドデータが抽出されなかった場合は「NO」と判定され、本ルーチンの処理が終了する。
なお、上述の説明からわかるように、ステップSP56において「NO」と判定された場合には、イベントに関係するレジスタ(カレントイベント・レジスタ113とネクストイベント・レジスタ114)の内容はいずれも変更されることなく、それまでの値が維持されることになる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、CPU18上で動作するプログラムによって図5〜図8に示す各種処理を行ったが、このプログラムのみをCD−ROM、メモリカード等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
Claims (4)
- オーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理手段と、
コマンドリストを記憶したコマンドリスト記憶手段であって、当該コマンドリストは複数のコマンドを実行順位を規定しつつ記憶しており、当該コマンドはアクションとイベントとに分類され、前記アクションとはオーディオ信号処理を制御するコマンドであり、前記イベントとはアクションのまとまりをあらわすコマンドである、コマンドリスト記憶手段と、
前記コマンドリスト内の一のコマンドをフォーカスするフォーカス手段と、
コマンドモードおよびイベントモードのうち一方のモードを選択するモード選択手段と、
前記コマンドモードが選択されている場合は、フォーカス中のコマンドとその次のコマンドとのみを表示し、イベントモードが選択されている場合はフォーカス中のコマンドのまとまりをあらわすイベントとその次のイベントとのみを表示する表示部と、
前記フォーカスの進捗を指示する進捗指示手段と、
前記フォーカスの後退を指示する後退指示手段と、
前記進捗指示手段が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを次のコマンドに進め、フォーカスされた当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドとを前記表示部に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを次のイベントに進め、フォーカスされた当該イベントと当該イベントの次のイベントとを前記表示部に表示する進捗手段と、
前記後退指示手段が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを前のコマンドに戻し、フォーカスされた当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドとを前記表示部に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを前のイベントに戻し、フォーカスされた当該イベントと当該イベントの次のイベントとを前記表示部に表示する後退手段と
を有することを特徴とするオーディオミキシング装置。 - 前記オーディオ信号処理手段は、指定された複数のパラメータ値に基づいてオーディオ信号処理を行うものであり、
前記複数のパラメータ値の集合を一のシーンデータとして、該シーンデータを複数記憶するシーンデータ記憶手段をさらに有し、
前記アクションは、前記シーンデータ記憶手段から一のシーンデータを呼び出して現在値に反映するオーディオ信号処理、または、その他の実行すべき一のオーディオ信号処理の実行を指示するアクション内容指示部を含むものである
ことを特徴とする請求項1記載のオーディオミキシング装置。 - 前記各イベントは、当該イベントの実行タイミングを定めるイベント・トリガ部と、当該イベントの名称を表す文字列からなるイベント・タイトル部と、前記イベント・タイトル部よりもさらに長い文字列を表記することができるイベント・コメント部とを有するものであり、
前記各アクションは、前記アクション内容指示部と、当該アクションの実行タイミングを定めるアクション・トリガ部と、当該アクションの名称を表す文字列からなるアクション・タイトル部と、前記アクション・タイトル部よりもさらに長い文字列を表記することができるアクション・コメント部とを有するものであり、
前記表示部は、フォーカス中のコマンドまたは当該コマンドのまとまりをあらわすイベントの内容を表示するカレント表示部と、該カレント表示部に表示されているコマンドの次のコマンドまたは次のイベントの内容を表示するネクスト表示部とを有するものであり、
前記ネクスト表示部は、前記カレント表示部よりも広い面積を有するように構成され、該カレント表示部に表示されているコマンドの次のコマンドまたは次のイベントに含まれるイベント・コメント部またはアクション・コメント部の内容を表示するものである
ことを特徴とする請求項2記載のオーディオミキシング装置。 - オーディオ信号を信号処理するオーディオ信号処理手段と、
コマンドリストを記憶したコマンドリスト記憶手段であって、当該コマンドリストは複数のコマンドを実行順位を規定しつつ記憶しており、当該コマンドはアクションとイベントとに分類され、前記アクションとはオーディオ信号処理を制御するコマンドであり、前記イベントとはアクションのまとまりをあらわすコマンドである、コマンドリスト記憶手段と、
コマンドリスト内の一のコマンドをフォーカスするフォーカス手段と、
コマンドモードおよびイベントモードのうち一方のモードを選択するモード選択手段と、
前記コマンドモードが選択されている場合は、フォーカス中のコマンドとその次のコマンドのみを表示し、イベントモードが選択されている場合はフォーカス中のコマンドのまとまりをあらわすイベントとその次のイベントのみを表示する表示部と、
前記フォーカスの進捗を指示する進捗指示手段と、
前記フォーカスの後退を指示する後退指示手段と、
処理装置と
を有するオーディオミキシング装置に適用されるプログラムであって、
前記処理装置を、
前記進捗指示手段が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを次のコマンドに進め、当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドを前記表示部に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを次のイベントに進め、当該イベントと当該イベントの次のイベントを前記表示部に表示する進捗手段と、
前記後退指示手段が操作されたとき、コマンドモードであれば、フォーカスを前のコマンドに戻し、当該コマンドと当該コマンドの次のコマンドを前記表示部に表示する一方、イベントモードであれば、フォーカスを前のイベントに戻し、当該イベントと当該イベントの次のイベントを前記表示部に表示する後退手段と
として機能させるためのプログラム。
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