JP5509779B2 - 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
図8に示す液晶表示装置40は、上部に偏光板41、42に挟まれた液晶パネル43が設けられ、その下面側に、略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板44が設置されており、この導光板44の上面側(光射出面44a側)に拡散フィルム45(拡散層)が設けられている。そして、導光板44の下面には、導光板44に導入された光を効率よく液晶パネル43方向に均一となるように散乱して反射されるための図示しない散乱反射パターン部が印刷などによって設けられるとともに、散乱反射パターン部の下方に反射フィルム46(反射層)が設けられている。
さらに、図9に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルム51、52の枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
直下型方式の液晶表示装置としては、図10に例示する装置が一般的に知られている。
図10に示す液晶表示装置60は、上部に偏光板61、62に挟まれた液晶パネル63が設けられ、その下面側に、蛍光管等からなる光源64から射出され、拡散フィルム65のような光学シートで拡散された光を、高効率で液晶パネル63の有効表示エリアに集光させるものである。光源64からの光を効率よく照明光として利用するために、光源64の背面には、リフレター66が配置されている。
そして、光源64、64どうしの間の間隔が広すぎると、画面上に輝度ムラが生じやすく、光源64の数を減らせず、消費電力の増加及びコストの増加を招く原因となっていた。
すなわち、ディスプレイのバックライトに用いる光学シートは、光学性能によってディスプレイの外観、すなわち商品価値に大きな影響を与える。一般的には輝度が高いものが望まれる。しかし、光源からの光を増幅しない限り、光学シートに入射・射出される光量は決まっており、光学シートで実現可能な光学性能の向上が期待できないことから、その点で改良の余地があった。
本発明では、第1頂点と第2頂点との高さの差が大きい程、輝度が高くなるので、前記高さの差をシート面内の中心部で端部より小さくすることで、その端部において出射光を集中させることができる。
本発明では、第1頂点と第2頂点との高さの差が1.5μm以上とすることで、押し出しやUV成型によるマイクロレンズの製造を精度よく繰り返し行うことができなくなるといった不具合を防ぐことができ、また61.5μm以下とすることで、シリンドリカルレンズもしくはプリズムのサイズが小さくなり、回折による光損失が大きくなって、輝度低下を抑制することができる。
また、本発明に係るバックライトユニットでは、光源は、冷陰極管、LED又は半導体レーザーであることが好ましい。
本発明では、上述した光学シートを備えていることから、用途に応じて適宜に拡散と集光の度合いを変えることができ、光学性能を高めることができる。
本発明では、上述した光学シートを有するバックライトユニットを備えていることから、用途に応じて適宜に拡散と集光の度合いを変えることができ、光学性能を高めることが可能となり、良好な表示品位の画像を提供することができる。
ここで、以下の説明では、図1に示すディスプレイ装置1において、液晶パネル3側を上側といい、バックライトユニット2の後述する導光板5側を下側といい、液晶パネル3の平面に対する法線方向を上下方向といい、その上下方向で上側を表側、下側を裏側という。
図1に示すディスプレイ装置1は、上方に光を照射するバックライトユニット2の光の送出側に液晶パネル3を重ねて設けることで構成される液晶表示装置であり、液晶パネル3から上側に向けて画像信号によって表示制御された表示光を送出することで画像を表示するものである。
拡散シート6は、光源4A、4Bから導光板5を介して液晶パネル3側へ射出される光を拡散させる役割を果たすものである。
また、光学シート10は、一定の厚みを有しており、その厚みに相当する基材11の下面側(裏面側)が入射面11bとなっている。なお、光学シート10を構成する基材11、マイクロレンズ12、シリンドリカルレンズもしくはプリズム13は、異種素材で作成されていてもよく、また同一素材で作成されていてもよい。
TM>TL ……(1)
そして、マイクロレンズ12の第1頂点12aと、シリンドリカルレンズもしくはプリズム13の第2頂点13aとの高さの差ΔTは、(2)式となる。
ΔT=TM−TL ……(2)
(1)式に示すように、本実施の形態では、耐擦性のあるマイクロレンズ12の方がシリンドリカルレンズもしくはプリズム13よりも高さが高いことから、光学シート10の耐擦性を向上させることができる。
例えば、高さと輝度の具体例は、詳しくは後述するが、図2において符号12Aのマイクロレンズの高さ寸法TMが50μm、シリンドリカルレンズもしくはプリズム13の高さ寸法TLが30μm、それらの高さの差ΔTが20μmとする。また例えば、図6では符号12Bのマイクロレンズの高さ寸法TMが40μm、シリンドリカルレンズもしくはプリズム13の高さ寸法TLが30μm、それらの高さの差ΔTが10μmとする。
そして、この光学シート10では、マイクロレンズ12とシリンドリカルレンズもしくはプリズム13とを組み合わせることにより、大きく性能を変えることができる利点がある。
上述したΔTの変化量は、輝度にして1%以上の差が現れる点を最小としている。この1%という数値は、ディスプレイ装置1における輝度測定の精度の限界であり、1%より小さい差だと集光と拡散の度合いが変えられるという効果を十分に発揮することができない。
そして、サイズに関係なく、TL/TMは0.1だけ変化すると1%の輝度差が生じる。押し出しやUV成型でマイクロレンズ12を作成する場合には、精度よく繰り返し製造できるサイズは高さ15μm程度である。このことから、ΔTの変化量は、1.5μmが現実的な最小量となる。
また、主となる材質の中に分散された透明粒子を具備していてもよく、これら主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである。主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.01以上であることが好ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は、0.5以下で十分である。前記透明粒子の平均粒径は0.5〜30.0μmであることが好ましい。
あるいは、主となる材質中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、主となる材質と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
さらにまた、表面に反射パターンや幾何学構造が付与されていても良い。
本ディスプレイ装置1Aでは、光源8からの光Kが拡散板6に入射し、その後、拡散シート6の出射面6aから光学シート1Aへ到達し、その光は最終的に光学シート10の射出面からLとして出射され、一対の偏光板31A、31Bに挟まれた液晶層32に到達し、液晶パネル3を透過した光はSへと出射し、観察者Sによって視認される。
なお、押し出しにより作成した第1光学シートとUV成型で作成した第2光学シートとは屈折率が異なるため、比較は同じ材料で作成したものどうしで行い、それぞれに基準を設定した。
なお、実施例では、比較のためディスプレイの縦方向にパターンを並べたが、ディスプレイとしての用途であれば、シート面内の中心部に輝度の高いパターンを配置することで上述した本実施の形態の効果が発揮される。
例えば、本実施の形態では1枚の光学シートを備えた構成としているが、これに限定されることはなく、複数の光学シートを配置することも可能である。
また、本発明の光学シートとあわせて使用する光源側の光学シートとしては、周知の反射型偏光分離シート、拡散シート、プリズムシートなどを適宜使用すればよい。
さらに、本発明は他の輝度分布を変える手法と組み合わせた場合でも効果を奏する。例えば、マイクロレンズの面積率の変化と組み合わせても本発明の効果は発揮される。
2、2A バックライトユニット
3 液晶パネル
4、4A、4B、8 光源
5 導光板
6 拡散シート
7 反射型偏光分離シート
9 反射板
10 光学シート
11 基材
12 マイクロレンズ(略半球状マイクロレンズ)
12a 第1頂点
13 シリンドリカルレンズもしくはプリズム
13a 第2頂点
K 光源からの光
L 光学部材からの光
S 観察者の視認方向
Claims (6)
- ディスプレイの照明光路制御に使用される光学シートであって、
片面に光を集光もしくは拡散させる光学形状を有し、
その光学形状は、複数の略半球状マイクロレンズとシリンドリカルレンズもしくはプリズムとの組み合わせからなる表面形状をなし、
前記略半球状マイクロレンズの第1頂点と、シリンドリカルレンズもしくはプリズムの第2頂点との高さは、前記略半球状マイクロレンズの方が高く、
前記第1頂点と前記第2頂点との高さの差がシート面方向の異なる部分で変化する構成とされ、
前記第1頂点と前記第2頂点との高さの差は、前記シート面内の中心部が端部より大きいことを特徴とする光学シート。 - ディスプレイの照明光路制御に使用される光学シートであって、
片面に光を集光もしくは拡散させる光学形状を有し、
その光学形状は、複数の略半球状マイクロレンズとシリンドリカルレンズもしくはプリズムとの組み合わせからなる表面形状をなし、
前記略半球状マイクロレンズの第1頂点と、シリンドリカルレンズもしくはプリズムの第2頂点との高さは、前記略半球状マイクロレンズの方が高く、
前記第1頂点と前記第2頂点との高さの差がシート面方向の異なる部分で変化する構成とされ、
前記第1頂点と前記第2頂点との高さの差は、前記シート面内の中心部が端部より小さいことを特徴とする光学シート。 - 前記シート面内の異なる部分における前記第1頂点と前記第2頂点との高さの差は、1.5μm以上、61.5μm以下の範囲内で変化していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の光学シートと、光源とを備えたことを特徴とするディスプレイ用のバックライトユニット。
- 前記光源は、冷陰極管、LED又は半導体レーザーであることを特徴とする請求項4に記載のバックライトユニット。
- 請求項4又は5に記載のバックライトユニットと、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、を備えていることを特徴とするディスプレイ装置。
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