JP5507327B2 - カラーゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、カラーゴルフボールに関するものである。
通常、ゴルフボールは白色である。雨、曇り、霧、及び、薄暗い条件などの悪天候の場合には、白色ゴルフボールの弾道を追って、ゴルフボールが止まった場所を見つけることが難しい。また、白色のゴルフボールが枯れた芝生に止まったときには、見つけることが難しい。
最近、ゴルフプレーヤーの増加にともなって、ファッション性を有するゴルフボールが求められている。このような状況下、ファッション性を有する外観や視認性などの要求を満足するためにカラーゴルフボールが提案されている。
特許文献1(特開2000−24139号公報に対応)には、1層以上のコアと該コア上に形成された1層以上のカバーを有するゴルフボ−ルにおいて、該カバーの最外層が、カバー用樹脂100重量部に対して1種以上の蛍光顔料3.0〜7.0重量部および酸化チタン0.05〜0.5重量部を含有し、該カバー上に1以上の透明なクリアペイント層を有し、表面の色差計測定によるL値が50〜80であり、前記蛍光顔料がオレンジ系蛍光顔料であり、かつ色差計測定によるa値が40〜70、b値が70〜90であるカラーゴルフボールが開示されている。
特許文献2(特開2000−254250号公報に対応)には、ゴルフボール本体と、該本体上に形成された少なくとも一層の着色層を有するゴルフボールであって、前記着色層には、白色無機顔料及び/又は白色有機顔料と、蛍光顔料と、有着色無機顔料及び/又は有着色有機顔料とが含有され、ゴルフボールの色調をLab方式で表わしたときに、L値、a値、b値が下記関係を満足することを特徴とするゴルフボールが開示されている。
L≧82, 10≦(a2+b21/2≦45
特許文献3には、青色、ピンク色、黄色のいずれかに着色されたゴルフボールであって、その色調をLab方式で表示したとき、L値、a値及びb値が下記関係を満足することを特徴とするゴルフボールが開示されている。
35≦L−(a+b1/2≦55
特許文献4には、最表面にカバーを有するゴルフボールにおいて、前記カバーの表面の色調をCIE/L*a*b*表色系で表したとき、明度L*が50以上、色度a*が−20以下又は+20以上、色度b*が+35以上であることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献5(特開2007−160087号公報に対応)には、コアと、該コア上に被覆される1層又は複数層からなるカバーとを有し、該カバーに多数のディンプルが形成された最外層が含まれるゴルフボールにおいて、上記最外層が、1種又は2種以上の熱可塑性又は熱硬化性樹脂を主材とし、これに1種又は2種以上の集光性蛍光染料を配合すると共に、最外層に形成されたディンプルのうち80%のディンプルのエッジ角が5〜30°であることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献6、特許文献7、及び特許文献8(特開2008−183148号公報に対応)には、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する塗膜とを有するゴルフボールであって、ゴルフボール本体及び/または塗膜が光輝性材料を含有することを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献9には、コアと、前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバー層を最外層として有するゴルフボールであって、前記中間層は、(a)熱可塑性樹脂と(b)少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物と(c)非蛍光顔料とを含有し、前記カバー層は、液晶ポリマーを必須成分として含有する熱可塑性樹脂からなり、
Lab方式で表わしたときに、前記中間層がコアを被覆してなる球体は、L値が60〜85、a値が−25〜25、b値が−25〜25であって、前記カバー層が被覆してなるゴルフボール本体は、L値が50〜80であることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献10(特開2009−45347号公報に対応)には、コア及びこのコアを覆うカバーを有する球状の本体と、この本体を覆うペイント層とを備えており、上記カバーが、酸化チタンを含有せずかつ蛍光着色剤を含有しており、上記本体の彩度が25以上であり、上記ペイント層が偏光材料を含有しているゴルフボールが開示されている。
特許文献11には、コアと蛍光カバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーは、配合された蛍光材料を有し、前記蛍光材料は、カバーの2.0〜6.0重量%の蛍光顔料およびカバーの0.04〜0.4重量%の蛍光染料よりなる群から選択され、ゴルフボールの最外表面は、蛍光カバーの外側表面に透明被覆層を有し、前記ゴルフボールは、蛍光材料を含有しなかった場合に比べて高い外観耐久性と、透明被覆層がなかった場合に比べて高い光沢を有することを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献12には、コアと、カバーと、少なくとも一層の中間層とを有し、前記中間層は、ゴルフボールの色調に貢献する顔料を含有し、前記カバーは少なくとも部分的に透明であり、光学活性剤を含有することを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献13には、コアとカバーと、前記コアとカバーとの間に設けられた任意の中間層とを有し、前記コアは、隠蔽性であり、前記カバーは透明材料と、顔料または染料を、カバーの色が、青、緑、黄色、ピンクおよびオレンジでないときには、カバーのL*値が約80より大きく、青、緑、黄色、ピンク、オレンジ、リリアック、パープル、インディゴ、バイオレット、および、パントーンカラーのいずれかの場合には、約80未満であることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
米国特許No.6,561,923明細書 米国特許No.6,435,984明細書 特開2004−33594号公報 特開2007−144097号公報 米国特許出願公開No.2007/0135234号明細書 特開2007−319432号公報 特開2008−161375号公報 米国特許出願公開No.2008/0182683号明細書 特開2008−93423号公報 米国公開No.2009/0054176号明細書 米国特許No.4,798,386号明細書 米国特許出願公開No.2004/0176188号明細書 米国特許出願公開No.2009/0137343号明細書
上述したように、視認性やファッショナブルな外観を与えるために、カラーゴルフボールが提案されている。しかしながら、従来のカラーゴルフボールは、飛距離、耐擦過傷性、コントロール性などについて、必ずしも高性能ではない。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、ファッショナブルな外観および視認性と共に、高性能を有するゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明のカラーゴルフボールは、白色以外の色を有するカラーゴルフボールであって、センターと前記センターの周りに設けられた少なくとも一層の中間層とを有するコアと、前記コアの周りに設けられたカバーとを有し、前記カバーおよび少なくとも一層の中間層が、好ましくは蛍光染料及び/または蛍光顔料を含有することを特徴とする。
本発明のカラーゴルフボールの好ましい一態様は、センターと前記センターの周りに配設された一以上の中間層とを有するコアと、前記コアの周りに配設されたカバーとを有し、かつ、白色以外の色を有するカラーゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一層が、蛍光染料および/または蛍光顔料と質量調整材とを含有し、前記カバーが、蛍光染料および/または蛍光顔料を含有し、前記カラーゴルフボールの色は、CIELAB表色系において、L*値、a*値、b*値が、下記式を満足することを特徴とする。
L*<85, a*<−20又はa*>30, b*>10
本発明のカラーゴルフボールにおいて、蛍光染料および/または蛍光顔料と質量調整材とを含有する中間層は、0.80g/cm以上1.5g/cm以下の範囲の密度を有することが好ましく、1.00g/cm以上1.20g/cm以下の範囲の密度を有することがさらに好ましい。
前記中間層は、樹脂成分100質量部に対して、蛍光染料および/または蛍光顔料を0.5質量部以上10質量部以下の範囲の量含有することが好ましい。前記カバーは、樹脂成分100質量部に対して、酸化チタンを0.001質量部以上1質量部以下の範囲の量含有し、蛍光染料および/または蛍光顔料を0.5質量部以上10質量部以下の範囲の量含有することが好ましい。特に、前記中間層およびカバーは、樹脂成分100質量部に対して、酸化チタンを0.03質量部超〜0.3質量部未満の範囲の量含有することが好ましい。
前記質量調整材は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン、および、モリブデンより成る群から選択される少なくとも一種
であることが好ましい。また、本発明のカラーゴルフボールは、中間層およびカバーが、透明あるいは半透明であることが好ましい。この場合、質量調整材は、隠蔽性の低い質量調整材を用いることが好ましく、隠蔽性の低い質量調整材としては、例えば、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムを挙げることができる。
本発明で使用する蛍光染料および/または蛍光顔料としては、180℃以下の融点を有するものを用いるのが好適である。
本発明のカラーゴルフボールは、少なくとも一層の塗膜層を有することが好ましい。
前記少なくとも一層の塗膜層が、光輝性材料を含有することも好ましい。
本発明のカラーゴルフボールは、カバー上に設けられた光輝性材料を含有する第一塗膜層と、前記第一塗膜層上に形成された第二塗膜層とを有し、前記第一塗膜層と第二塗膜層との間にマークが形成されていることが好ましい。
本発明のカラーゴルフボールのカバーの厚みは、0.1mm〜1mmの範囲であることが好ましい。本発明のカラーゴルフボールのカバーは、複数のディンプルを有し、ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有することが好ましい。本発明のカラーゴルフボールのコアは、コア表面のカバーのディンプルの対応する位置にディンプルを有することが好ましい。
好ましい態様では、CIELAB表色系において、中間層とカバーとの色差(ΔE)、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、および、カバーと塗膜層の色差(ΔE)の少なくとも一つが、12以下である。より好ましい態様では、中間層とカバーとの色差(ΔE)、および、中間層と塗膜層との色差(ΔE)の両方が、12以下である。さらに好ましい態様では、中間層とカバーとの色差(ΔE)、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、および、カバーと塗膜層の色差(ΔE)のすべてが、12以下である。
なお、本発明において、数値範囲について「以下」と記載している場合には、特に断りのない限り、「上限値または上限値未満」を意味する。例えば、「100以下」と記載している場合には、「100または100未満」の記載と同義である。同様に、数値範囲について「以上」と記載している場合には、特に断りのない限り「下限値または下限値超」を意味する。例えば、「50以上」と記載している場合には、「50または50超」の記載と同義である。
本発明によれば、ファッショナブルな外観および視認性と共に高性能を有するゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールの好ましい構造を模式的に示す断面図である。 本発明のゴルフボールの別の好ましい構造を模式的に示す断面図である。 ゴルフボール本体表面に形成されたディンプルの拡大断面図である。 ディンプル底部とランド部において、略均一な厚みを有するカバーを例示する断面図である。 ディンプル部とランド部において、不均一な厚みを有するカバーを例示する断面図である。 塗膜層とマークを形成する一態様を模式的に示す断面図である。 塗膜層とマークを形成する別態様を模式的に示す断面図である。 ゴルフボール表面に形成されたディプンパターンを模式的に例示する平面図である。 ゴルフボール表面に形成されたディプンパターンを模式的に例示する正面図である。
本発明のカラーゴルフボールは、白色以外の色を有するカラーゴルフボールであって、センターと前記センターの周りに設けられた少なくとも一層の中間層とを有するコアと、前記コアの周りに設けられたカバーとを有し、前記カバーおよび少なくとも一層の中間層が、好ましくは蛍光染料及び/または蛍光顔料を含有することを特徴とする。
本発明のカラーゴルフボールの色は、白色以外であれば特に限定されない。例えば、赤、オレンジ、黄色、イエローグリーン、緑、シアン、青、紫、及び、ピンクなどの色が挙げられる。好ましい態様では、本発明のカラーゴルフボールの色は、CIELAB表色系において、L*値、a*値、b*値について下記式を満足する。
L*<85, a*<−20又はa*>30, b*>10
上記式を満足する色を有するゴルフボールは、視認性が良く、ファッショナブルな外観を有する。
CIELAB表色系におけるL*値、a*値、b*値は、JIS−Z−8701又はJIS−Z−8728に従って測定することができる。測定には、刺激値直読方法を採用しているミノルタ製の色差計CR−221を用いるのが好適である。三刺激値X,Y,Zは、以下のようにL*、a*、b*に換算される。
L*=116(Y/YN)1/3−16
a*=500[(X/XN)1/3−(Y/YN)1/3
b*=200[(Y/YN)1/3−(Z/ZN)1/3
XN,YN,ZN:完全拡散反射面のX,Y,Z系における三刺激値
L*値は明度の指標となるもので、L*値が大きいほど明るい。L*値は、85未満が好ましく、より好ましくは83以下であり、さらに好ましくは82以下である。L*値の下限は、特に限定されないが、50が好ましく、より好ましくは52であり、さらに好ましくは53である。
a*値とb*値は、色相の指標となるもので、a*値が大きくなると赤方向の色となり、小さくなると緑方向の色となる。またb*値が大きくなると黄方向の色となり、小さくなると青方向の色となる。a*値は、−20未満が好ましく、より好ましくは−23以下であり、さらに好ましくは−25以下であり、−42以上が好ましく、−40以上がより好ましい。或いは、a*値は、30超が好ましく、33以上がより好ましく、35以上がさらに好ましく、70以下が好ましく、65以下がより好ましくい。a*値が、−20未満の場合、ゴルフボール色は、グリーン系若しくはイエローグリーン系の色になり、a*値が、30超の場合には、赤系、オレンジ系、ピンク系の色となる。ゴルフボールがピンク系の色の場合、b*値は、10超が好ましく、12以上がより好ましく、30以下が好ましく、27以下がより好ましい。さらに、ゴルフボールが、イエロー、イエローグリーン、オレンジ系の色を有する場合、b*値は、30超が好ましく、35以上がより好ましく、37以上がさらに好ましく、65以下が好ましく、60以下がより好ましい。
(a*+b*1/2は、彩度の指標となるものである。好ましい態様では、(a*+b*1/2は、45以上75以下が好ましく、47以上73以下がより好ましい。彩度が小さすぎる場合、色調が弱くなって、曇天、雨天、雪など天候下で、ゴルフボールが見つけにくくなる。一方、彩度が大きすぎると、色調が強くなりすぎて、ゴルファーに重い印象を与える。
本発明の好ましい一態様では、CIELAB表色系において、中間層とカバーとの色差(ΔE)、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、及び、カバーと塗膜層の色差(ΔE)の少なくとも一つが、12以下である。中間層とカバーとの色差(ΔE)および、中間層と塗膜層との色差(ΔE)の両方が、12以下であることがより好ましく、中間層とカバーとの色差(ΔE)、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、及び、カバーと塗膜層の色差(ΔE)のすべてが、12以下であることがさらに好ましい。前記色差(ΔE)は、11以下が好ましく、10以下がより好ましく、9.5以下がさらに好ましい。色差は、下記式によって求めることができる。色差(ΔE)の下限は、特に限定されないが、できるだけ小さいことが好ましい。
ΔE*=[(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
ハーフシェルを用いた圧縮成形法でカバーを成形する場合には、ゴルフボールの赤道に沿って、継ぎ目もしくはパーテイングラインが形成され、中間層用組成物が継ぎ目もしくはパーテイングラインからしみ出る場合がある。多くの場合、継ぎ目もしくはパーテイングラインは目立たないが、中間層とカバー若しくは中間層と塗膜層との色差が大きいと、継ぎ目若しくはパーテイングラインが目立つようになる。そのため、最終的なゴルフボールの外観が低下する場合がある。
カラーゴルフボールの材料
次に、本発明のカラーゴルフボールの材料について説明する。
蛍光染料および/または蛍光顔料
最初に、本発明で使用する蛍光染料および/または蛍光顔料について説明する。蛍光染料は、有機系または無機系のいずれであっても良く、市販されているいずれの蛍光染料であってもよい。前記蛍光染料としては、例えば、チオキサンテン誘導体、サンテン誘導体、ペリレン誘導体、ペリレンイミド誘導体、クマリン誘導体、チオインジゴ誘導体、ナフタルイミド誘導体、及び、メチン誘導体などを挙げることができる。
好ましい態様では、蛍光染料および/または蛍光顔料の融点は、180℃以下であり、より好ましくは175℃以下であり、さらに好ましくは170℃以下であり、少なくとも135℃以上が好ましく、より好ましくは140℃以上であり、さらに好ましくは145℃以上である。蛍光染料および/または蛍光顔料の融点が上記範囲内であれば、蛍光染料及び/または蛍光顔料を樹脂成分に混合し分散させるのを比較的低温で行うことができる。加工中の高温による変色が起こりにくくなるため、所望の色調が容易に得られる。
前記蛍光染料としては、特に限定されないが、具体例を商品名で例示すると、Lumogen F Orange.TM. 240 (BASF社製); Lumogen F
Yellow.TM. 083 (BASF社製); Hostasol Yellow.TM. 3G (Hoechst−Celanese社製); Oraset Yellow.TM. 8GF (Ciba−Geigy社製); Fluorol 088.TM. (BASF社製); Thermoplast F Yellow.TM. 084 (BASF社製); Golden Yellow.TM. D−304 (DayGlo社製); Mohawk Yellow.TM. D−299 (DayGlo社製); Potomac Yellow.TM. D−838 (DayGlo社製); Polyfast Brilliant Red.TM. SB (Keystone社製)などの黄色系蛍光染料を挙げることができる。
蛍光顔料には、例えば、蛍光染料をポリマー材料に分散させた顔料や、蛍光染料を粒子状に成形した顔料などがある。前記蛍光顔料としては、特に限定されないが、例えば、デイグロカラー社製のZQ−11, ZQ−12, ZQ−13, ZQ−15, ZQ−16, ZQ−17−N, ZQ−18, ZQ−19, ZQ−21, GPL−11, GPL−13, GPX−14, GPL−15, GPX−17, GPL−21、及び、シンロイヒ社製のFZ−2000シリーズ、FZ−5000シリーズ、FZ−6000シリーズ、FZ−3040シリーズなどを挙げることができる。
好ましい態様では、カバーおよび少なくとも一層の中間層が、樹脂成分100質量部に対して、蛍光染料および/または蛍光顔料を、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上、好ましくは10質量部以下、より好ましくは9質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下の量含有する。前記含有量が多すぎると、ゴルフボールの色が深くなりすぎて、くすんだ色調になり、含有量が少なすぎると、所望の色調が得られない。
前記蛍光染料および/または蛍光顔料は、光安定性が低いため、紫外線吸収剤または光安定剤を使用することが好ましい。本発明で使用する紫外線吸収剤または光安定剤としては、特に限定されず、市販のいずれの製品であってもよい。例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、シアノアクリレート誘導体、トリアジン誘導体及びニッケル錯体等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン誘導体等の光安定剤が挙げられる。
サリチル酸誘導体の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等;ベンゾフェノン誘導体の紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン等;ベンゾトリアゾール誘導体の紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等;シアノアクリレート誘導体の紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等;トリアジン誘導体の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−{[2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル]オキシ}−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。具体的には、住友化学社製の「スミソープ130」、「スミソープ 140」(いずれもベンゾフェノン系の紫外線吸収剤)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「チヌビン(TINUVIN) 234」、「チヌビン 900」、「チヌビン 326」、「チヌビン P」(いずれもベンゾトリアゾール系)、BASF社製の「Uvinul N−35」(シアノアクリレート系)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「チヌビン 1577」、「チヌビン 460」、「チヌビン 405」(トリアジン系)等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明において使用可能な紫外線吸収剤はこれらに限定されるものではなく、従来公知の紫外線吸収剤はいずれも使用可能である。
ヒンダードアミン誘導体等の光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1’−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「サノールLS−2626」、「チヌビン 144」等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤の含有量は、中間層、カバー、または塗膜層の樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.04質量部以上であって、2質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であれば、太陽光に曝されることによる変色を効果的に抑制することができる。
センター用組成物
センターには、従来公知のゴム組成物(以下、単に「センター用ゴム組成物」という場合がある)を採用することができ、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2.8質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部以下である。0.1質量部未満では、センターが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、3質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは15質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、55質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下であり、さらに好ましくは48質量部以下である。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために架橋開始剤の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、センターが硬くなりすぎて、打球感が低下するおそれがある。
センター用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下、より好ましくは20質量部以下であることが望ましい。充填剤の配合量が0.5質量部未満では、重量調整が難しくなり、30質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記センター用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
中間層用組成物
中間層を形成するための中間層用組成物としては、センター用として例示したゴム組成物や樹脂成分を含有する樹脂組成物を挙げることができる。前記中間層用組成物は、樹脂組成物であることが好ましい。すなわち、中間層用組成物中の樹脂成分の含有率が50質量%以上であることが好ましい。前記樹脂成分としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(登録商標)(例えばハイミラン1605、ハイミラン1706、ハイミランAM7329)」、デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8140、サーリン9120、サーリン8945)」で市販されているアイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。前記熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、反発性の観点から、中間層用組成物は、樹脂成分としてアイオノマー樹脂の混合物を含有することが好ましい。
包囲層用組成物
後述するように、中間層には内層コアのセンターを直接被覆する包囲層が含まれる。前記包囲層を形成するための包囲層用組成物の樹脂成分としては、センター用ゴム組成物のようなゴム組成物のほか、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(登録商標)(例えばハイミラン1605、ハイミラン1706、ハイミランAM7329)」、デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8140、サーリン9120、サーリン8945)」で市販されているアイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。前記熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、包囲層は比較的低硬度かつ高反発性が求められるため、前記センター用組成物のようなゴム組成物が好適である。
好ましい態様では、前記中間層が質量調整材を含有する。質量調整材を使用することによって、中間層の密度を高くして、ゴルフボールの慣性モーメントを大きくすることができる。その結果、ゴルフボールは、ドライバーショットに対して低スピンになり、飛距離や方向安定性に優れる。好ましい質量調整材としては、特に限定されないが、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、及び、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。質量調整材は、単独もしくは2種以上を混合して使用しても良い。
中間層用組成物に含有される質量調整材の量は、所望の密度に応じて決定されればよいが、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、50質量部以下が好ましく、47質量部以下がより好ましく、44質量部以下がさらに好ましい。質量調整材の量が1質量部以上であれば、中間層の密度を調整するのが容易になり、50質量部以下であれば、質量調整材の樹脂成分への分散性が良好になる。
前記中間層の密度は、0.80g/cm以上が好ましく、0.85g/cm以上がより好ましく、0.90g/cm以上がさらに好ましく、0.95g/cm以上がさらに好ましく、1.00g/cm以上がさらに好ましい。中間層が高密度であれば、得られるゴルフボールの慣性モーメントが高くなり、ドライバーショットに対して低スピンになる。そのため、優れた飛距離および方向安定性が得られる。中間層の密度は、上限については特に限定されないが、1.50g/cm以下が好ましく、1.40g/cm以下がより好ましく、1.30g/cm以下がさらに好ましく、1.20g/cm以下がさらに好ましい。
好ましい態様では、中間層は、透明もしくは半透明であることが好ましい。さらに、カバーが透明もしくは半透明であれば、得られるゴルフボールが個性的な外観と高性能とを有する。ここで、「半透明」とは、ロゴやマークが中間層の下層に形成されたときに、中間層を介して、ロゴやマークを認識し得ることを意味する。明確な視認性は必ずしも必要ではなく、不明確な視認性も許容される。一方、「透明」とは、中間層を介して、ロゴやマークが明確に認識されることを意味する。
質量調整材として酸化チタンを使用する場合、酸化チタンは隠蔽性が高いので、酸化チタンの含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、より好ましくは0.002質量部以上、さらに好ましくは0.005質量部以上であり、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.45質量部以下がさらに好ましく、0.3質量部以下がさらに好ましい。酸化チタンの含有量が0.001質量部未満の場合には、中間層の重量を調整することが難しく、含有量が1質量部以下であれば、得られる中間層が透明もしくは半透明になる。
半透明もしくは透明な中間層が得られる隠蔽性の低い質量調整材を使用することも好ましい。隠蔽性の低い質量調整材を使用すれば、中間層の密度を低下させることなく、半透明もしくは透明の中間層が得られる。そのため、個性的な外観と高性能が得られる。隠避性の低い質量調整材の量は、樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、5.5質量部以上がより好ましく、6質量部以上がさらに好ましく、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。前記含有量が5質量部以上であれば、中間層の質量を調整するのが容易になり、前記含有量が30質量部以下であれば、透明もしくは半透明の中間層が得られる。隠蔽性の低い質量調整材としては、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムが好ましい。
前記中間層用組成物は、さらに、老化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、中間層の性能を損なわない範囲で含有してもよい。上記で例示した紫外線吸収性および光安定剤を中間層に使用することができる。
密着性強化層用組成物
本発明のカラーゴルフボールは、さらに、中間層とカバーとの密着性を高めるために密着性強化層を有してもよい。中間層とカバーとの密着性が低い場合には、ゴルフボールがクラブのエッジで打撃されると、カバーの表面にシワが形成される場合がある。
密着性強化層は、密着性強化層用組成物から形成される。密着性強化層用組成物は、二液硬化型熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。二液硬化型熱硬化性樹脂は、例えば、主剤と硬化剤と、必要に応じて、溶剤を含有することが好ましい。二液硬化型樹脂を塗布すると、主剤と硬化剤との反応によって密着性強化層が形成される。密着性及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。本発明において、前記密着性強化層用組成物は、半透明もしくは透明であることが好ましい。
カバー用組成物
次に、本発明のカラーゴルフボールのカバーについて説明する。カバーを形成するためのカバー用組成物の樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY85A,XNY83A,XNY90A,XNY75A,ET880」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
前記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1702(Zn)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg),ハイミランAM7329(Zn)、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)など)」が挙げられる。さらにデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg),サーリン6120(Mg),サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)等)」、「HPF1000(Mg)」などを挙げることができる。またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など)」が挙げられる。
なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、および、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
前記樹脂は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ポリウレタンエラストマーを使用することが好ましい。
本発明のゴルフボールのカバーを構成するカバー用組成物は、樹脂成分として、ポリウレタン樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上含有する。なお、カバー用組成物中の樹脂成分としてポリウレタン樹脂のみを用いることが最も好ましい。前記カバーを構成する樹脂成分の主成分を、熱可塑性または熱硬化性ポリウレタンとすることにより、ショートアイアンなどのショットに対してスピン量が安定し、ゴルフボールのコントロール性を向上させることができる。
前記ポリウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を複数有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらに低分子量のポリオールや低分子量のポリアミンなどにより鎖長延長反応させることにより得られるものである。
前記ポリウレタン樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で、20以上が好ましく、より好ましくは22以上、さらに好ましくは24以上であり、45以下が好ましく、より好ましくは43以下、さらに好ましくは40以下である。ポリウレタン樹脂の硬度が低すぎると、ドライバーでのショットの際にスピン量が増加する場合がある。また、ポリウレタン樹脂の硬度が高すぎると、アプローチウェッジでのショットの際にスピン量が低下しすぎる場合がある。前記ポリウレタン樹脂の具体例としては、BASFジャパン株式会社製のエラストラン(登録商標)XNY85A、XNY83A、XNY90A、XNY75A、ET880などを挙げることができる。
好ましい態様において、カバーは透明または半透明であるが、カバーは酸化チタンを含有しても良い。蛍光染料および/または蛍光顔料と少量の酸化チタンとを組み合わせることにより、鮮やかな色を有する半透明のカバーが得られる。前記酸化チタンは隠蔽性が高いので、酸化チタンの含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.002質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部未満が好ましく、0.45質量部以下が好ましく、さらに0.3質量部以下が好ましい。酸化チタンの含有量が0.001質量部以上であれば、鮮やかな色を有する半透明のカバーが得られ、酸化チタンの含有量が0.5質量部以上になると、カバーが隠蔽性を示す傾向がある。
本発明において、前記カバーは、上述した樹脂成分のほか、顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの質量調整材、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。上記で例示した紫外線吸収剤および光安定剤をカバーに使用することができる。
塗料組成物
本発明のカラーゴルフボールは、ゴルフボール本体上に少なくとも一層の塗膜層を有することが好ましい。前記塗膜層は、クリアー塗膜層であることが好ましい。
前記塗膜層を構成する樹脂成分は、特に限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などを使用できるが、後述する二液硬化型ポリウレタン樹脂を使用することが好ましい。二液硬化型ポリウレタン樹脂を使用すると、耐久性に一層優れた塗膜層が得られるからである。
前記二液硬化型ポリウレタン樹脂は、主剤と硬化剤とを反応させてなるポリウレタン樹脂であり、例えば、ポリオール成分を含有する主剤をポリイソシアネート化合物またはその誘導体で硬化させたものが挙げられる。
前記ポリオール成分を含有する主剤には、さらに以下に示すような特定のウレタンポリオールが含まれることが好ましい。ウレタンポリオールは、ポリイソシアネートとポリオールとの反応により合成される。合成に使用するポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、耐候性の観点から、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、HXDI、IPDI、H12MDI、NBDIなど)が好ましく使用される。尚、上記ポリイソシアネートは、ウレタンポリオールを硬化させるための硬化剤としても使用することができる。
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリオールとしては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;およびアクリルポリオールなどが挙げられる。以上のようなポリオールのうち、重量平均分子量50〜2,000を有するもの、特に100〜1,000程度のポリオールが好ましく用いられる。尚、これらのポリオールは、1種または2種以上混合して用いてもよい。
前記ウレタンポリオールとは、上記ポリイソシアネートとポリオールとが反応してウレタン結合を形成し、末端に水酸基を有するポリオールである。ここで、ウレタンポリオール中のウレタン結合の比率は、ウレタンポリオール1g中0.1mmol〜5mmolであることが好ましい。ウレタン結合の比率は、形成される塗膜の剛性と関係があり、0.1mmol/g未満では、形成される塗膜中のウレタン濃度が低いため耐擦過傷性不足になる場合がある。一方、5mmol/gを上回ると、塗膜が硬くなりすぎてゴルフボール本体の変形に対する追随性が低下し、ひび割れを起こし易くなるからである。
また、ウレタンポリオールの重量平均分子量は、4,000以上、好ましくは4,500以上で、10,000未満、好ましくは9,000以下である。4,000未満では乾燥に時間がかかって作業性、生産性が低下するからである。一方、10,000以上の高分子量のウレタンポリオールでは、相対的にウレタンポリオールの水酸基価が小さくなり、塗布後の反応量が少なくなって下地との密着性が低下するからである。また、重量平均分子量が9,000以下であれば、水に濡れるような状態にあっても密着性の低下が少ない緻密な塗膜(またはクリアーペイント層)を形成できるからである。
ウレタンポリオールの水酸基価は15mgKOH/g以上、特に25mgKOH/g以上で、130mgKOH/g以下、特に120mgKOH/g以下であることが好ましい。15mgKOH/g未満では、硬化剤との反応量が不足するため、ボール本体との密着強度が得られ難くなる場合がある。一方、130mgKOH/gを上回ると、硬化剤との反応に時間がかかり、乾燥時間が長くなって生産性が低下するとともに、インパクト時に割れを起こし易くなるからである。
以上のようなウレタンポリオールは、原料となるポリオールとポリイソシアネートとを、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネート成分のイソシアネート基に対してモル比で過剰になるような割合で、反応させることにより得られる。上記反応に際しては、溶剤やウレタン化反応に公知の触媒(ジブチル錫ジラウリレートなど)を使用することができる。尚、ウレタン結合の比率は、原料となるポリオールの分子量、ポリオールとポリイソシアネートとの配合比率などを調整することにより行うことができる。
前記主剤を構成するポリオール成分は、上記特定のウレタンポリオールそのものであること、すなわち主剤が実質的に上記特定のウレタンポリオールであることが好ましいが、前記ウレタンポリオール以外にもウレタンポリオールと相溶可能でウレタン結合を有しないポリオールが含まれていても良い。この場合のウレタン結合を有しないポリオールは、特に限定されず、上述したウレタンポリオール合成用の原料ポリオールを使用することができる。また、主剤中にウレタン結合を有しないポリオールが含まれる場合には、主剤中のウレタンポリオールの含有率が、50質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上となるようにすることが好ましい。主剤中のウレタンポリオールの含有率が50質量%未満では、相対的にウレタンポリオールの含有率が少なくなるため、乾燥時間が長くなるからである。
前記塗膜には、基材樹脂などのほかに、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、顔料などの、一般にゴルフ用ペイントに含有され得る添加剤が含まれていてもよい。上記で例示した紫外線吸収剤および光安定剤を塗料組成物に使用することができる。
インキ組成物
ゴルフボール本体表面には、通常、マークが形成される。ゴルフボール本体表面に形成されるマークは、ゴルフボールのマーク用インキ組成物として通常用いられているものを使用して形成することができ、顔料、溶剤、基材樹脂、その他の添加剤などを含有するものを挙げることができる。マーク用インキ組成物の基材樹脂としては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、硝化綿、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、密着性が優れる点でエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、硝化綿等が好ましい。基材樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、例えば、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のポリイソシアネートを使用することが好ましい。マーク用インキ組成物の溶剤としては、特に限定されないが、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルブチルアセテート、酢酸エチル、芳香族炭化水素等、またはそれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。前記その他の添加剤としては、艶消剤、消泡剤等が挙げられ、艶消剤としてはコロイダルシリカ、低密度ポリエチレン粒子、中密度ポリエチレン粒子等を用いることができる。消泡剤としてはメチルシロキサン等を用いることができる。
本発明では、前記塗膜層が光輝性材料を含有することが好ましい。
本発明で使用する光輝性材料としては、例えば、コア層を一層以上の光反射性物質で被覆した光輝性材料を挙げることができ、例えば、雲母、パールフレーク、ガラスフレーク、金属、または、金属酸化物からなるコア層を有し、その周囲が、金属、金属酸化物または金属窒化物からなる光反射性物質で被覆したものを挙げることができる。前記コア層の金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、コバルト、金、銀、ニッケル、鉄よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることでき、前記コア層および光反射性物質に用いる金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、および、酸化鉄などを挙げることができる。
前記光輝性材料の具体例としては、例えば、雲母をコア層とし、その周囲が酸化チタンまたは酸化鉄からなる金属酸化物で被覆されたもの(メルク社製「イリオジン」)、ガラスフレークからなるコア層を有し、その周囲が二酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、あるいは、金、銀、もしくは、ニッケルなどの金属で被覆されたもの(日本板硝子社製「メタシャイン」)、アルミニウムまたは酸化鉄からなるコア層を有し、その周囲が二酸化ケイ素、酸化鉄からなる金属酸化物で被覆されたもの(BASF社製「バリオクロム」)などを挙げることができる。
また、本発明では、屈折率の異なるポリマー層を積層してなり、好ましくは、屈折率の異なる2種類のポリマー層を交互に積層してなる光発色性積層体を、光輝性材料として使用することも可能である。前記光発色性積層体は、以下のようなメカニズムによって優れた光輝性を発現しているものと考えられる。すなわち、光発色性積層体に外部から進入した入射光は、積層体の表面や多層構造の界面で反射し、これらの反射光が干渉する。そして、屈折率の異なるポリマーが積層されているので、反射光の角度、ポリマー層の膜厚、および、積層数などに応じて、特定色の反射光が強められて、見る角度によって微妙に見え方が異なる金属光沢が得られる。前記光発色性積層体の具体例としては、例えば、帝人ファイバー(株)製の「モルフォトーン」を挙げることができる。
前記塗膜層中の光輝性材料の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であって、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは13質量部以下である。光輝性材料の含有量が下限を下回ると光輝性が不足となり、上限を上回ると塗膜の耐久性が低下する傾向があるからである。
塗料用組成物は、溶剤系に基づいて説明したが、本発明では水性塗料も使用することができる。水性塗料は、米国特許No.7,371,193(特開2006−556号公報に対応)、米国特許No.7,387,821(特開2006−115946号公報に対応),米国公開公報No.2005/0282661(特開2006−557号公報に対応)に記載されており、本発明でも参照することにより援用することができる。
ゴルフボールの構造
本発明のカラーゴルフボールは、センターと前記センターの周りに配設された一以上の中間層とを有するコアと、前記コアの周りに配設されたカバーとを有する。具体例としては、センターと前記センターを被覆する中間層とを有するコアと前記コアを被覆するカバーとを有するスリーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆する二層の中間層とを有するコアと前記コアを被覆するカバーとを有するフォーピースゴルフボール;および、センターと前記センターを被覆する複数片もしくは複数層の中間層とを有するコアと前記コアを被覆するカバーとを有するマルチピースゴルフボールを挙げることができる。本発明において、中間層とは、センターと最外のカバーとの間に配設された層として定義されるが、本発明の中間層は、ゴルフボールの構成を特定する異なる方法において包囲層、内層コア層、外層コア層、内層カバー層と呼ばれても良い。さらに、センターと内層コア層とからなる球を内層コアと呼んでもよい。
図1は、本発明の好ましいゴルフボール構造である(以下、「好ましい構造A」と称する場合がある)。好ましい構造Aにおいて、本発明のスリーピースゴルフボールは、センター31と前記センター31を被覆する単層の中間層35とを有するコア34と前記コア34を被覆するカバー37とを有する。図2は、本発明の別の好ましいゴルフボール構造である(以下、「好ましい構造B」と称する場合がある)。好ましい構造Bにおいて、本発明のフォーピースゴルフボールは、センター31と前記センター31を被覆する二層の中間層33、35とを有するコア34と前記コア34を被覆するカバー37とを有する。この態様において、ゴルフボールの構造を特定する異なる方法では、センター31と中間層33とからなる球を内層コア32と;センター31を被覆する中間層33を包囲層と;センター31と二層の中間層33,35とからなる球を外層コア36と称しても良い。
好ましいゴルフボール構造Aにおいて、コアの形状は、通常、球状であるが、コアは、表面にディンプルを有することも好ましい。コア表面のディンプルは、カバーのディンプルに対応する位置に形成されていることが好ましい。その結果、ディンプルの底部とランド部において略均一な厚みを有するカバーが得られる。一方、センターの形状としては、球状が一般的であるが、球状センターの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状センターの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、球状センターの表面にセンターと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の中間層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状センターを地球とみなした場合に、赤道と球状センター表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状センター表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、コアの形状を球形とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
好ましい構造Aにおいて、前記センターの直径は、38.0mm以上が好ましく、より好ましくは38.5mm以上であって、42.0mm以下が好ましく、より好ましくは41.5mm以下である。前記センターの直径が38.0mmよりも小さいと、中間層またはカバー層を所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、センターの直径が42.0mmを超える場合は、中間層またはカバー層を所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
前記センターは、直径38.0mm〜42.0mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.2mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.8mm以下である。前記圧縮変形量が、2.0mm未満では打球感が硬くて悪くなり、4.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
前記センターの表面硬度H2は、JIS−C硬度で、好ましくは65以上、より好ましくは70以上、さらに好ましくは75以上であって、好ましくは105以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは95以下である。センターの表面硬度H2がJIS−C硬度で65より小さいと、柔らかくなり過ぎて反発性が低下し、飛距離が低下する。一方、センターの表面硬度H2がJIS−C硬度で105より大きいと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる場合がある。
前記センターは、表面硬度H2が中心硬度H1より大きいことも好ましい態様である。好ましい構造Aにおいて、センターの表面硬度H2と中心硬度H1との硬度差(H2−H1)は、JIS−C硬度で10以上であることが好ましく、さらに好ましくは11以上である。コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることによって、打出角が高くなり、スピン量が低くなって、飛距離が向上する。また、コアの表面硬度と中心硬度とのJIS−C硬度差は、35以下であることが好ましく、より好ましくは30以下である。硬度差が大きくなりすぎると、耐久性が低下するおそれがあるからである。
前記中間層の厚みは、0.3mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.6mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上であり、2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.8mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。前記中間層の厚みが0.3mm以上であれば、中間層が薄くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。また、中間層の厚みが2.0mm以下であれば、ゴルフボールの反発がより良好となり飛距離がより向上し、さらに、打球感も良好となる。
好ましいゴルフボール構造Aにおいて、前記コアの直径は、40.8mm以上であることが好ましく、より好ましくは40.9mm以上、さらに好ましくは41mm以上である。コアの直径が40.8mm未満では、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下するからである。また、コアの直径は、42.6mm以下であることが好ましく、より好ましくは42.5mm以下、さらに好ましくは42.4mm以下である。コアの直径が42.6mmを超えると相対的にカバーが薄くなり過ぎて、カバーによる保護効果が十分に得られないからである。
前記コアは、直径40.8mm〜42.6mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にコアが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.2mm以上であり、3.5mm以下が好ましく、より好ましくは3.3mm以下である。前記圧縮変形量が、2.0mm未満では打球感が硬くて悪くなり、3.5mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボールのコアとして、表面硬度H6が中心硬度H1より大きいコアを使用することも好ましい態様である。好ましい構造Aにおいて、コアの表面硬度H6と中心硬度H1との硬度差(H6−H1)は、JIS−C硬度で20以上であることが好ましく、さらに好ましくは21以上である。コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることによって、打出角が高くなり、スピン量が低くなって、飛距離が向上する。また、コアの表面硬度と中心硬度とのJIS−C硬度差は、40以下であることが好ましく、より好ましくは39以下である。硬度差が大きくなりすぎると、ゴルフボールの耐久性が低下するおそれがあるからである。
さらに、前記コア(センター)の中心硬度H1は、JIS−C硬度で50以上であることが好ましく、より好ましくは53以上であり、さらに好ましくは55以上である。中心硬度H1をJIS−C硬度で50以上とすることにより、コア(センター)が軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コア(センター)の中心硬度H1は、JIS−C硬度で85以下であることが好ましく、より好ましくは82以下であり、さらに好ましくは80以下である。前記中心硬度H1をJIS−C硬度で85以下とすることにより、コア(センター)が硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。本発明において、コア(センター)の中心硬度H1とは、コア(センター)を2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計JIS−C型で測定した硬度を意味する。
前記コアの表面硬度H6は、JIS−C硬度で80以上が好ましく、より好ましくは83以上、さらに好ましくは85以上である。前記表面硬度H6をJIS−C硬度で80以上とすることにより、コアが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの表面硬度H6は、JIS−C硬度で105以下が好ましく、より好ましくは102以下、さらに好ましくは100以下である。前記表面硬度H6をJIS−C硬度で105以下とすることにより、コアが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記カバー用組成物のスラブ硬度H7は、ショアD硬度で45以下が好ましく、より好ましくは44以下、さらに好ましくは43以下である。カバー用組成物のスラブ硬度H7を45以下とすることによって、ショートアイアンなどのアプローチショット時のスピン安定性が高くなる。その結果、アプローチショット時のコントロール性に優れるゴルフボールが得られる。また、アプローチショット時のスピン速度を十分確保するためには、前記カバー用組成物のスラブ硬度H7は、ショアD硬度で20以上が好ましく、より好ましくは23以上、さらに好ましくは25以上である。
好ましいゴルフボール構造Aにおいて、ゴルフボールのカバーの厚みは、1mm以下が好ましく、0.9mm以下がより好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。カバーの厚みを1mm以下とすることによって、反発性や打球感が良好になるからである。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。0.1mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがあるからである。また、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合もある。ここで、厚みは、特に断りがない限り、ディンプルが形成されていない場所で測定される、すなわち、ランド12(図3参照)の下の厚みである。少なくとも4か所で測定された厚みが平均される。
好ましい構造Aにおいて、本発明のゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.1mm以上、さらに好ましくは2.2mm以上であり、3.3mm以下が好ましく、より好ましくは3.2mm以下、さらに好ましくは3.1mm以下である。前記圧縮変形量を、2.0mm以上とすることにより良好な打球感が得られ、また、3.3mm以下とすることにより、良好な反発性が得られる。
次に、好ましい構造Bについて説明する。以下の説明において、内層コアは、センター31と中間層33とからなる球として定義され、包囲層は、中間層33として定義され、外層コア36は、センター31と二層の中間層33、35とからなる球として定義される(図2参照)。
前記センターの直径は、前記包囲層がゴム組成物を主成分(50質量%以上)とする包囲層用組成物から形成される場合、5.0mm以上が好ましく、より好ましくは10.0mm以上であって、35.0mm以下が好ましく、より好ましくは30.0mm以下である。前記センターの直径が5.0mm以上であれば、比較的柔らかいセンターの機能がより発揮されるようになり、特にW#1でのショットに対してスピン量がより低下する。一方、センターの直径が35.0mm以下であれば、包囲層、中間層またはカバー層が薄くなりすぎず、各層の機能がより発揮される。
前記センターは、直径5.0mm〜35.0mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、4.0mm以上が好ましく、より好ましくは4.5mm以上であり、10.0mm以下が好ましく、より好ましくは8.0mm以下である。前記圧縮変形量が4.0mm以上であれば、打球感がより良好となり、10.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記センターの直径は、前記包囲層が樹脂組成物を主成分(50質量%以上)とする包囲層用組成物から形成される場合、31.0mm以上が好ましく、より好ましくは35.0mm以上であって、41.0mm以下が好ましく、より好ましくは40.0mm以下である。前記センターの直径が31.0mm以上であれば、中間層やカバー層をより薄くすることができるため、ゴルフボールの反発性がより向上する。一方、センターの直径が41.0mm以下であれば、中間層またはカバー層が薄くなりすぎず、中間層などの機能がより発揮される。
前記センターは、直径31.0mm〜41.0mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上であり、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。前記圧縮変形量が2.0mm以上であれば、打球感がより良好となり、5.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。
ゴム組成物を主成分(50質量%以上)とする包囲層用組成物を使用する場合には、包囲層の厚みを3.0mm以上とすることが好ましく、より好ましくは5.0mm以上、さらに好ましくは7.0mm以上であり、17.0mm以下とすることが好ましく、より好ましくは15.0mm以下、さらに好ましくは13.0mm以下である。また、樹脂を主成分(50質量%以上)とする包囲層用組成物を使用する場合には、包囲層の厚みを0.2mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.6mm以上であり、3.0mm以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。包囲層の厚みが上記範囲の下限以上であれば、包囲層の効果が大きくなり、ドライバーショット時などのスピン抑制効果がより向上する。一方、上記範囲の上限以下であれば、内層コアの影響が大きくなり、反発性がより良好となる。
好ましい構造Bにおける内層コアの直径は、38.0mm以上が好ましく、より好ましくは38.5mm以上、さらに好ましくは39.0mm以上であり、42.0mm以下が好ましく、より好ましくは41.5mm以下、さらに好ましくは41.0mm以下である。内層コアの直径が上記範囲内であれば、ドライバーショット時などのスピン抑制効果がより向上する。
前記内層コアは、直径38.0mm〜42.0mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向に内層コアが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.2mm以上、さらに好ましくは2.3mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.8mm以下、さらに好ましくは3.7mm以下である。前記圧縮変形量が、2.0mm以上であれば、ドライバーショット時などのスピン抑制効果および打球感がより向上する。一方、4.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。
好ましい構造Bの内層コアとして、表面硬度(H4)が中心硬度(H1)より大きい内層コアを使用することも好ましい態様である。内層コアの表面硬度(H4)と中心硬度(H1)との硬度差(H4−H1)は、JIS−C硬度で10以上であることが好ましく、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは20以上である。内層コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることによって、打出角が高くなり、スピン量が低くなって、飛距離が向上する。また、内層コアの表面硬度H4と中心硬度H1とのJIS−C硬度差(H4−H1)は、40以下であることが好ましく、より好ましくは38以下、特に好ましくは36以下である。硬度差が大きくなりすぎると、ゴルフボールの耐久性が低下するおそれがあるからである。
さらに、前記内層コアの中心硬度(H1)は、JIS−C硬度で45以上であることが好ましく、より好ましくは50以上であり、さらに好ましくは52以上である。内層コアの中心硬度(H1)をJIS−C硬度で45以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、内層コアの中心硬度(H1)は、JIS−C硬度で75以下であることが好ましく、より好ましくは70以下であり、さらに好ましくは68以下である。前記中心硬度(H1)をJIS−C硬度で75以下とすることにより、硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。本発明において、内層コアの中心硬度とは、内層コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計JIS−C型で測定した硬度を意味する。
前記内層コアの表面硬度(H4)は、JIS−C硬度で73以上が好ましく、より好ましくは75以上、さらに好ましくは77以上である。前記表面硬度(H4)をJIS−C硬度で73以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、内層コアの表面硬度(H4)は、JIS−C硬度で102以下が好ましく、より好ましくは100以下、さらに好ましくは98以下である。前記表面硬度(H4)をJIS−C硬度で102以下とすることにより、中間層との硬度差を大きくできるため、ドライバーショット時の低スピン化の効果がより高くなる。
前記中間層の厚みは、0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であり、2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.7mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。前記中間層の厚みを0.3mm以上とすることにより、中間層の効果が大きく、ドライバーショット時などのスピン抑制効果がより向上する。また、2.0mm以下とすることにより、ゴルフボールの打球感の低下を抑制できる。
前記外層コア(中間層)の表面硬度(H6)は、JIS−C硬度で、83以上が好ましく、より好ましくは85以上、さらに好ましくは87以上であり、104以下が好ましく、より好ましくは102以下、さらに好ましくは100以下である。前記中間層の表面硬度(H6)が、JIS−C硬度で、83以上であれば、中間層の硬度および剛性が高く、ドライバーショット時などのスピン抑制効果がより向上する。また、前記中間層の表面硬度(H6)が、JIS−C硬度で、104以下であれば、中間層の硬度が高くなり過ぎず、ゴルフボールの耐久性および打球感がより向上する。
前記外層コア(中間層)の表面硬度(H6)と前記内層コアの表面硬度(H4)との差(H6−H4)は、JIS−C硬度で1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上であり、13以下であることが好ましく、より好ましくは12以下、さらに好ましくは11以下である。前記表面硬度の差(H6−H4)を上記範囲とすることにより、よりスピン量が低くなって、飛距離が向上する。
外層コアの形状は、通常、球状であるが、外層コアは、表面にディンプルを有することも好ましい。外層コア表面のディンプルは、カバーのディンプルに対応する位置に形成されていることが好ましい。その結果、ディンプルの底部とランド部において略均一な厚みを有するカバーが得られる。一方、内層コアの形状としては、球状が一般的であるが、内層コアの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、内層コアの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、内層コアの表面に内層コアと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の包囲層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状内層コアを地球とみなした場合に、赤道と球状内層コア表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状内層コア表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、球形とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
好ましいゴルフボール構造Bにおいて、前記カバーのスラブ硬度(H7)は、ショアD硬度で45以下であり、好ましくは44以下、より好ましくは43以下である。カバーのスラブ硬度(H7)をショアD硬度で、45以下とすることによって、ショートアイアンなどのアプローチショット時のスピン性能が向上する。その結果、アプローチショット時のコントロール性に優れるゴルフボールが得られる。また、前記カバーのスラブ硬度(H7)は、ショアD硬度で20以上が好ましく、より好ましくは22以上である。カバーのスラブ硬度(H7)がショアD硬度で、20未満では、ショートアイアンなどのアプローチショット時のスピン速度が大きくなりすぎるおそれがある。ここで、カバーのスラブ硬度とは、カバー用組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
好ましいゴルフボール構造Bにおいて、カバーの厚みは、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.9mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.4mm以下である。カバーの厚みを1.0mm以下とすることによって、ドライバーショット時などのスピン抑制効果および打球感がより向上する。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.15mm以上がより好ましい。0.1mm以上であれば、アプローチショット時のスピン性能がより良好となる。なお、カバーの厚みとは、特に断りのない限り、ディンプルが形成されていない部分、すなわち、ランド12(図3参照)の直下におけるカバーの厚みを、少なくとも4点測定して得られる平均値である。
本発明のゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.1mm以上、さらに好ましくは2.2mm以上であり、3.3mm以下が好ましく、より好ましくは3.2mm以下、さらに好ましくは3.1mm以下である。前記圧縮変形量を、2.0mm以上とすることにより良好な打球感が得られ、また、3.0mm以下とすることにより、良好な反発性が得られる。
密着性強化層
上述したように、中間層とカバーとの密着性を高めるために、中間層とカバーとの間に密着性強化層が形成されてもよい。シワを抑制するという観点から、密着性強化層の厚みは、3μm以上が好ましく、5μm以上が好ましく、300μm以下が好ましく、50μm以下が好ましく、20μm以下が好ましい。厚みは、例えば、ゴルフボールの断面をマイクロスコープで観察することにより決定される。
ディンプル
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体表面にディンプルを有することが好ましい。ディンプルのパターン(形、数、被覆率など)は、米国特許公報No.7,621,827(特開2008−132124号公報に対応);7,320,651(特開2007−195591号公報に対応);7,331,879(特開2007−175267号公報に対応);7,291,077(特開2005−342407号公報に対応);7,387,582(特開2006−020820号公報に対応);7,252,602(特開2006−149929号公報に対応);及び米国公開公報No.2009/0102097(特開2009−95589号公報および特願2007−272347号に対応);No.2009/0191982(特開2009−172192号公報に対応);No.2007/0298908(特開2008−389号公報に対応)などに記載されており、これらの記載を参酌することによって、本発明において援用する。
図3はゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図には、ディンプル10の最深箇所Deおよびゴルフボール2の中心を通過する断面が示されている。図3における上下方向は、ディンプル10の深さ方向である。深さ方向は、ディンプル10の面積重心からゴルフボール2の中心へ向かう方向である。図3において二点鎖線14は、仮想球を示している。仮想球14の表面は、ディンプル10が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ランド12は、ゴルフボールの表面にディンプルが形成されていない部分である。
図3において両矢印Diは、ディンプル10の直径を示している。この直径Diは、ディンプル10の両側に共通の接線Tが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの最も遠い距離である。接点Edは、ディンプル10のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル10の輪郭を画定する。直径Diは、2.0mm以上6.0mm以下が好ましい。直径Diが上記範囲未満であると、ディンプル効果が得られにくく、また、直径Diが6.0mmを超えると、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴が損なわれる。ディンプルの容積は、ディンプル10の輪郭を含む曲面と仮想球14とに囲まれた部分の容積を意味する。ディンプル10の総容積は、250mm3以上400mm3以下が好ましい。総容積が250mm3未満であると、ホップする弾道となることがある。また、総容積が400mm3を超えると、ドロップする弾道となるおそれがある。また、図3において、接線Tと最深箇所Deとの距離は、ディンプル10の深さである。深さは、0.05mm以上0.60mm以下が好ましい。深さが0.05mm未満であると、ホップする弾道となることがある。また、深さが0.60mmを超えると、ドロップする弾道となることがある。
カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
好ましい態様では、前記カバーは、複数のディンプルを有し、ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有する。ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有するカバーは、カバーの耐久性を向上させる。ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有するカバーは、例えば、コアまたは中間層の表面であって、カバーのディンプルが形成されている対応する位置にディンプルが形成されているコアまたは中間層を採用することにより、形成される。図4は、複数のディンプルを有し、ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有するカバーを有するゴルフボールを例示する図である。コア34の表面であって、カバーのディンプル10に対応する位置にディンプル10が形成されている。そのため、カバー37は、ディンプル底部Deおよびランド部12において略均一な膜厚を有する。一方、図5は、ディンプル底部Deおよびランド部12において均一でない膜厚を有するカバーを有するゴルフボールを例示する図である。ランド部12における膜厚が、ディンプル底部Deにおける膜厚よりも厚いことが明らかである。
本発明の好ましい態様において、少なくとも一層の塗膜層とマークがゴルフボール本体表面に形成される。塗膜層は、単層若しくは複数層構造であってもよい。塗膜層が単層構造の場合、図6に示したように、マーク55は、ゴルフボール本体51の表面に形成され、塗膜層53が、マーク55とゴルフボール本体51とを被覆するように形成されることが好ましい。塗膜層が複数層構造(好ましくは二層構造)を有する場合、図7に示すように、第一塗膜層53aが、ゴルフボール本体51上に形成され、マーク55が、第一塗膜層53a上に形成され、第二塗膜層53bが、マーク55と第一塗膜層53aとを被覆するように形成されることが好ましい。マークを第一塗膜層と第二塗膜層との間に形成することによりマークの耐久性が向上する。この態様において、第一塗膜層53aが光輝性材料を含むが、第二塗膜層53bは、光輝性材料を含まないことが好ましい。光輝性材料が第一塗膜層53aに含有されることにより、ゴルフボールが、全体的に真珠光沢を発現する。さらに、第二塗膜層53bは、マーク55の明確な視認性を阻害することなく、ゴルフボールに光沢を付与する。
塗膜の合計膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは7μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。膜厚が5μm未満では、継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなる傾向があり、膜厚が50μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するおそれがある。
ゴルフボールの製造方法
次に、本発明のゴルフボールの製造方法について説明する。
前記センターは、前述のゴム組成物を混練して金型内で成形することにより得られる。前記ゴム組成物の加熱プレス成形条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
前記包囲層を形成する方法としては、例えば、前記センターを包囲層用組成物で被覆して包囲層を成形する。包囲層を成形する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、包囲層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてセンターを包み、130℃〜170℃で1分間〜5分間加圧成形するか、または包囲層用組成物を直接センター上に射出成形してセンターを包み込む方法などが用いられる。
中間層を成形する方法は、特に限定されないが、例えば、中間層用組成物をセンター上に直接射出成形する方法、あるいは、中間層用組成物から中空殻状のシェルを成形し、センターを複数のシェルで被覆して圧縮成形する方法(好ましくは、中間層用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、センターを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。
前記中間層用組成物をセンター上に射出成形して中間層を成形する場合、中間層成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形による中間層の成形は、上記ホールドピンを突き出し、センターを投入してホールドさせた後、加熱溶融された中間層用組成物を注入して、冷却することにより中間層を成形することができ、例えば、980kPa〜1,500kPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融した中間層用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
圧縮成形法により中間層を成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。中間層用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、中間層用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いて中間層を成形する方法としては、例えば、センターを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形して中間層に成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、中間層用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。上記成形条件とすることによって、均一な厚みを有する中間層を成形できる。
なお、前記成形温度とは、型締めから型開きの間に、下型の凹部の表面が到達する最高温度を意味する。また材料の流動開始温度は、島津製作所の「フローテスター CFT−500D」を用いて、ペレット状の中間層用組成物を、プランジャー面積:1cm、DIE LENGTH:1mm、DIE DIA:1mm、 荷重:588.399N、開始温度:30℃、昇温速度:3℃/分の条件で測定することができる。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。カバー用組成物をコア上に射出成形してカバーを成形する場合、カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、加熱溶融されたカバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができ、例えば、980kPa〜1,500kPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融したカバー用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
圧縮成形法によりカバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形してカバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。上記成形条件とすることによって、均一なカバー厚みを有するゴルフボールカバーを成形できる。
カバーを成形する際には、通常、ディンプルと呼ばれる凹部が表面に形成される。
圧縮成形法において、カバーの圧縮成形が、中間層用組成物が可塑性を示すような成形条件で行われば、カバーと中間層の両方の表面にディンプルを形成することができる。そのため、略均一な厚みを有するカバーが得られる。この場合、ハーフシェルからカバーへの圧縮成形は、例えば、0.5MPa以上25MPa以下の圧力で、130℃以上170℃以下の温度、好ましくは中間層用組成物の流動開始温度よりも高い温度で行われる。
カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。
また、前記二液硬化型ウレタン系塗料の塗布方法は限定されず、二液混合型塗料の塗布方法として公知の方法を採用することができる。例えばポリオール組成物のような主剤とポリイソシアネートのような硬化剤とを混合した後、得られた混合物をエアーガン、静電塗装法などを使用してゴルフボールに塗布することができる。さらに、ゴルフボールは、予め洗浄やサンドブラストなどの表面処理を行っても良い。エアーガンで塗装する場合には、ポリオール組成物のような主剤とポリイソシアネートのような硬化剤とを少量ずつ混合して使用してもよいし、2液定比率ポンプを使ってエアーガン直前の塗料輸送経路でスタティックミキサーのようなラインミキサーを通して連続的に二液を定比率で混合してもよい。また、ポリオール組成物とポイリソシアネートとを混合比制御機構を備えたエアースプレーシステムを用いることもできる。
さらに、塗料をゴルフボールにエアーガンで塗布する場合、1回の塗料塗着量を少量にして、所望の膜厚になるまで塗料をゴルフボールに複数回重ね塗りすることも好ましい。
1回の塗装作業における塗料塗着量は、50mg以上が好ましく、60mg以上がより好ましく、70mg以上がさらに好ましく、160mg以下が好ましく、150mg以下がより好ましく、140mg以下がさらに好ましい。さらに、重ね塗りする回数は、少なくとも2回以上であれば、特に限定されず、所望の膜厚に応じて適宜変更されればよい。例えば、所望の膜厚が10μmであれば、重ね塗りの回数は、2回であることが好ましい。
次いで、ゴルフボール本体に塗布された二液硬化型ウレタン系塗料は、例えば、30℃〜70℃の温度で1時間〜24時間乾燥することにより塗膜を形成することができる。
好ましい態様では、マークは、例えば、インキ組成物を用いてパッド印刷法により形成される。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)色調
中間層、カバーおよび塗膜層の色調は、コニカミノルタ社製色差計「CR−221」を用いて、光源としてパルスキセノンランプを使用して測定した。測定は、スラブの状態ではなく、ボール上で行った。すなわち、中間層の色調は、センターを中間層で被覆したコアの状態で測定した。カバーの色調は、カバーをコア上に形成したゴルフボール本体の状態で測定した。塗膜層の色調は、塗膜層をゴルフボール本体に形成したゴルフボールの状態で測定した。
(2)センター、内層コア、外層コア硬度(JIS−C硬度)
スプリング式硬度計JIS−C型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センターの表面硬度H2,内層コアの表面硬度H4,外層コア(中間層)の表面硬度H6を測定した。センター、内層コア、外層コアの表面部において測定したJIS−C硬度をセンター表面硬度H2,内層コア表面硬度H4、外層コア表面硬度H6とし、コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定したJIS−C硬度をコアまたはセンターの中心硬度H1とした。
(3)圧縮変形量(mm)
センター、内層コア、外層コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にセンター、内層コア、外層コアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)スラブ硬度(ショアD硬度/JIS−C硬度)
包囲層用組成物、中間層用組成物またはカバー用組成物を用いて、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型/JIS−C型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。なお、シートは、ゴム組成物を主成分とする包囲層用組成物については140℃〜180℃で10分間〜60分間加熱プレスすることにより作製した。
(5)センター、中間層、カバーの密度
密度は、以下の方法により測定した。比重測定キットとフードとを備えた島津製作所社製電子天秤AUW220Wを用いた。空気中で試料の重さ(W1)を測定し、次いで、約22℃に保ったエタノールに浸漬した試料の重さ(W2)を測定した。密度(ρ)は、下記式により計算した。
ρ=W1/(W1−W2)×ρ1
W1:空気中で測定した試料の重さ(g)
W2:エタノール中で測定した試料の重さ(g)
ρ1:0.7875g/cm(約22℃のエタノールの密度)
(6)ドライバーショットの飛距離
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト11°)を取り付け、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを打撃し、飛距離(発射始点から静止地点までの距離)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。
(7)アプローチウェッジでのショット
ゴルフラボラトリー社製スイングロボットM/Cに、サンドウェッジを取り付け、ヘッドスピード21m/sでゴルフボールを打撃した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行い、その平均値をスピン速度とした。なお、打撃直後のゴルフボールのスピン速度は、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによって測定した。
(8)耐擦過傷性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットに市販のサンドウエッジ(SRIスポーツ社製、シャフトS)を取り付け、ヘッドスピード36m/秒で、ボールの2箇所を各1回打撃した。耐擦過傷性は、以下の評価基準に基づき、4段階で評価した。
評価基準
◎:傷がついていないか、ほとんど傷が目立たない。
○:やや傷が見られるものの、ほとんど気にならない。
△:傷が目立ち、表面がやや毛羽立っている。
×:表面がかなり削りとられており、毛羽が目立つ。
(9)視認性
曇天および雨天の両方で実打テストを行った。飛行中およびゴルフボールが落下した地面上での視認性について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。最も多数のゴルファーの意見を各ゴルフボールの評価結果とした。
[評価基準]
○:飛行中および地面上のいずれにおいてもゴルフボールを視認することができた。
△:飛行中または地面上のいずれかでゴルフボールを視認することができなかった。
×:飛行中および地面上のいずれにおいてもゴルフボールを視認することができなかった。
(10)ゴルフボールの外観
30人のゴルファーが塗膜層を形成したゴルフボールの外観を評価して、以下の評価基準に基づいて光輝性を評価した。
[評価基準]
◎:真珠光沢が非常にあり、外観が非常に美しい。
○:真珠光沢があり、外観が美しい。
△:真珠光沢があまりなく、外観もあまり美しくない。
×:実質的に真珠光沢がなく、外観も良くない。
(11)マークの視認性
30人のゴルファーがマークを有するゴルフボールの外観を評価して、以下の評価基準に基づいて光輝性を評価した。
[評価基準]
○:マークの輪郭が鮮明で、従来のマークよりも視認性が高い。
△:従来のマークのように視認できる。
×:マークの輪郭が不明確で、従来のマークより視認性が低い。
[ツーピースゴルフボールまたはスリーピースゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表1に示す配合のセンター用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、20分間加熱プレスすることにより球状のセンターを得た。
Figure 0005507327
ポリブタジエン:JSR社製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
酸化チタン:石原産業社製「A220」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
(2)中間層用組成物の調製
表2に示した配合材料を用いて、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状の中間層用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0005507327
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミランAM7329:三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
酸化チタン:石原産業社製「A220」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBMH60」
ZQ−17(サターンイェロー):ディグロ社製クマリン系蛍光顔料
GPX−17(サターンイェロー):ディグロ社製蛍光顔料
GPL−15(ブレイズオレンジ)ディグロ社製蛍光顔料
光輝性材料:メルク社製イリオジン201(マイカをコア層とし、前記コア層の周囲を被覆する酸化チタン層とを有する、平均粒子径5μm〜25μm)
(3)カバー用組成物の調製
表3に示した配合材料を用いて、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0005507327
エラストランXNY−83A 10 クリアー:BASFジャパン社製熱可塑性ポリウレタンエラストマー
エラストランXNY−85A 10 クリアー:BASFジャパン社製熱可塑性ポリウレタンエラストマー
エラストランXNY−90A 10 クリアー:BASFジャパン社製熱可塑性ポリウレタンエラストマー
ワックスマスターV:BASFジャパン社製
チヌビン770:チバ・ジャパン社製ヒンダードアミン系光安定剤
酸化チタン:石原産業社製「A220」
ZQ−17(サターンイェロー):ディグロ社製クマリン系蛍光顔料
GPX−17(サターンイェロー):ディグロ社製蛍光顔料
GPL−15(ブレイズオレンジ)ディグロ社製蛍光顔料
光輝性材料:メルク社製イリオジン201(マイカをコア層とし、前記コア層の周囲を被覆する酸化チタン層とを有する、平均粒子径5μm〜25μm)
(4)コアの作製
前記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得たセンター上に射出成形することにより、前記センターを被覆する中間層を形成して、球状コアを作製した。
(5)ゴルフボール本体の作製
ハーフシェルの圧縮成形は、前述のようにして得たペレット状のカバー用組成物をハーフシェル成形用金型の下型の凹部ごとに1つずつ投入し、加圧してハーフシェルを成形した。圧縮成形は、成形温度170℃、成形時間5分、成形圧力2.94MPaの条件で行った。上記で得られたコアを2枚のハーフシェルで同心円状に被覆して、圧縮成形によりカバーを成形した。圧縮成形は、成形温度150℃、成形時間2分、成形圧力9.8MPaの条件で行った。厚み約10μmの密着性強化層をゴルフボールNo.8およびNo.11以外のコア表面に形成した。密着性強化層としては、二液硬化型エポキシ樹脂を使用した。
ゴルフボールの表面には、表4および図8、図9に示したディンプルパターンを形成した。同時に、コア表面のカバーのディンプルに対応する位置にディンプルを形成して、ディンプル底部およびランド部において略均一な厚みを有するカバーを形成した。図8は、ゴルフボール20に形成された符号A〜Eによって表わされるディンプル22の種類を示した。図8において、CLは、ゴルフボールの中心を通るセンターラインである。図9において、Pn,PsおよびEqはそれぞれ、ゴルフボールを地球とみなした場合に、北極点、南極点および赤道を示す。Ln1は、北緯20°の緯線であり、Ln2は、北緯20°超〜40°の緯線であり、Ls1は、南緯20°の緯線であり、Ls2は、南緯20°超〜40°の緯線である。
Figure 0005507327
(6)塗料用組成物の調製
1)主剤:ウレタンポリオール
60質量部のPTMG250(BASF社製:ポリオキシテトラメチレングリコール、分子量250)と54質量部の550U(住友バイエルウレタン製:分子量550の分岐ポリオール)とを溶剤120質量部(トルエン及びメチルエチルケトン)に溶解し、これにジブチル錫ジラウリレートを主剤全体に対して0.1質量%となるように添加した。このポリオールを80℃に保持しながら、66質量部のイソホロンジイソシアネートを滴下して、ウレタンポリオール(固形分60質量%、水酸基価75mgKOH/g、重量平均分子量7808)を調製した。
2)硬化剤:イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン)
3)配合比:硬化剤のNCO/主剤のOH=1.2(モル比)
4)上記2液硬化型ウレタン樹脂成分100質量部に、下記の紫外線吸収剤、蛍光増白剤、光輝性材料を表5に示したように添加して、二液硬化型ウレタン系ペイントを調製した。
Figure 0005507327
紫外線吸収剤:チバ・ガイギー社製「チヌビン 234」
蛍光増白剤:チバ・ガイギー社製「ユビテックスOB」
光輝性材料1:Iriodin 201:MERCK(株)製パール顔料(雲母をコア層とし、その周囲が酸化チタンで被覆された光輝性材料、粒度5μm〜25μm)
光輝性材料2:Iriodin 205:MERCK(株)製パール顔料(雲母をコア層とし、その周囲が酸化チタンで被覆された光輝性材料、粒度10μm〜60μm)
(7)インキ組成物の調製
表6に示すようにマーク形成用インキ組成物を調製した。
Figure 0005507327
エポキシ樹脂:ナビタス(株)製二液硬化型「PAD−EPH」インキ
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
溶剤:メトキシメチルブチルアセテート50質量%、アセチルアセトン20質量%、プレピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6質量%、酢酸エチル4質量%、芳香族混合炭化水素20質量%の混合物
顔料:黒色顔料
(塗膜層−マークタイプNo.1,2,4および5:二層塗膜層およびこれらの間に形成されたマーク)
塗料組成物をゴルフボール本体に塗布して、乾燥し、第一塗膜層を形成した。次いで、表6に示したインキ組成物を用いて第一塗膜層上にマークを形成した。幅8mm×高8mm×線幅2mmのマーク「X」をパッド印刷した。続けて、塗料用組成物をマークと第一塗膜層とを被覆するように塗布して、第二塗膜層を形成した。40℃のオーブンで4時間、ゴルフボールを保ち、塗料組成物とインキ組成物を硬化させた。最終的に、直径42.7mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。塗膜層とマークの詳細を表7にまとめた。
(塗膜層−マークタイプNo.3,6:マークを被覆する単層塗膜層)
マークを直接パッド印刷法によりゴルフボール本体に印刷し、マークとゴルフボール本体とを被覆するように塗料組成物を塗布した。ゴルフボールを40℃のオーブンで4時間保持して、塗料組成物とインキ組成物を硬化させた。最終的に、直径42.7mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。塗膜層とマークの詳細を表7にまとめた。
Figure 0005507327
得られた最終のゴルフボールについて評価した結果を、表8〜表10に示した。
Figure 0005507327
Figure 0005507327
Figure 0005507327
表8〜表10の結果から明らかなように、ゴルフボールNo.1〜No.8は、優れた性能と視認性と外観とを有する。パーテイングラインおよびディンプルの影は認められなかった。
[フォーピースゴルフボールの製造]
スリーピースゴルフボールのセンターの代わりに、表11に示した二層からなる内層コア(センターと包囲層)を用いた以外は、スリーピースゴルフボールと同様の方法により、フォーピースゴルフボールを製造した。
表11に示す配合のセンター用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、15分間加熱プレスすることにより球状のセンターを得た。
上記のようにして得られたセンターを包囲層用組成物で被覆して、包囲層を形成し、内層コアを得た。表11に示した包囲層用組成物をまず混練し、センターが収まった状態の前記センター用上金型と、必要量の包囲層用組成物がセンターの表面の半分と接触するようにコア成形用下金型とを型締めしてプレスして、センターの表面の半分に包囲層を形成した中間コア成形物を作製する。次いで、前記中間コア成形物の包囲層が収まった状態のコア成形用下金型と、必要量の包囲層用組成物がセンター表面の残り半分と接触するようにコア成形用上金型とを型締めして加熱プレスして、センター表面の残りの部分に包囲層を有するコアを形成した。コアを170℃で20分間加熱することにより内層コアを形成した。
Figure 0005507327
ポリブタジエン:JSR社製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
酸化チタン:石原産業社製「A220」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
フォーピースゴルフボールについて評価した結果を表12に示した。
Figure 0005507327
表12からも明らかなように、ゴルフボールNo.13は、優れた性能、視認性および外観を有する。パーテイングラインやディンプルの影は認められなかった。
本発明は、カラーゴルフボールに好適である。
2:ゴルフボール、10:ディンプル、12:ランド、14:仮想球、22:ディンプル、31:センター、32:内層コア、33:中間層、34:コア、35:中間層、36:外層コア、37:カバー、51:ゴルフボール本体、53:塗膜層、55:マーク、Pn:北極点、Ps:南極点、CL:センターライン、Ln1:北緯20°の緯線、Ln2:北緯20°超〜40°の緯線、Ls1:南緯20°の緯線、Ls2:南緯20°超〜40°の緯線、Eq:赤道、De:ディンプル底部(最深箇所)、Di:ディンプルの直径、Ed:接点(エッヂ)、T:接線、A〜E:ディンプル

Claims (16)

  1. センターと前記センターの周りに配設された一以上の中間層とを有するコアと、前記コアの周りに配設されたカバーとを有し、かつ、白色以外の色を有するカラーゴルフボールであって、
    前記中間層の少なくとも一層が、樹脂成分100質量部に対して、蛍光染料および/または蛍光顔料を0.5質量部以上10質量部以下の範囲の量と隠蔽性の低い質量調整材を2質量部以上、50質量部以下の範囲の量含有し、
    前記隠蔽性の低い質量調整材は、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムであり、
    蛍光染料および/または蛍光顔料と隠蔽性の低い質量調整材とを含有する中間層は、0.95g/cm以上1.5g/cm以下の範囲の密度を有し、
    前記カバーが、樹脂成分100質量部に対して、蛍光染料および/または蛍光顔料を0.5質量部以上10質量部以下の範囲の量含有し、
    前記カラーゴルフボールの色は、CIELAB表色系において、L*値、a*値、b*値が、下記式を満足し、中間層とカバーとの色差(ΔE)が12以下であることを特徴とするカラーゴルフボール。
    L*<85, a*<−20又はa*>30, b*>10
  2. b*≦65である請求項1に記載のカラーゴルフボール。
  3. 蛍光染料および/または蛍光顔料と隠蔽性の低い質量調整材とを含有する中間層は、1.00g/cm以上1.20g/cm以下の範囲の密度を有する請求項1または2に記載のカラーゴルフボール。
  4. 前記中間層の少なくとも一層が、隠避性の低い質量調整材を、樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上、30質量部以下の量含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  5. 前記蛍光染料および/または蛍光顔料は、180℃以下の融点を有する請求項1〜のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  6. 前記カバーは、樹脂成分100質量部に対して、酸化チタンを0.001質量部以上1質量部以下の範囲の量含有する請求項1〜のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  7. 前記中間層およびカバーは、透明あるいは半透明である請求項1〜のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  8. さらに、少なくとも一層の塗膜層を有する請求項1〜のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  9. 前記少なくとも一層の塗膜層が、光輝性材料を含有する請求項に記載のカラーゴルフボール。
  10. 前記ゴルフボールは、カバー上に設けられた光輝性材料を含有する第一塗膜層と、前記第一塗膜層上に形成された第二塗膜層とを有し、前記第一塗膜層と第二塗膜層との間にマークが形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  11. 前記カバーは、複数のディンプルを有し、ディンプル底部およびランド部において略均一な膜厚を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  12. 前記コアは、コア表面のカバーのディンプルの対応する位置にディンプルを有する請求項1〜11のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  13. 前記カバーの厚みは、0.1mm〜1mmの範囲である請求項1〜12のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  14. CIELAB表色系において、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、および、カバーと塗膜層の色差(ΔE)の少なくとも一つが、12以下である請求項1〜13のいずれか一項に記載のカラーゴルフボール。
  15. CIELAB表色系において、中間層と塗膜層との色差(ΔE)が、12以下である請求項14に記載のカラーゴルフボール。
  16. CIELAB表色系において、中間層とカバーとの色差(ΔE)、中間層と塗膜層との色差(ΔE)、および、カバーと塗膜層の色差(ΔE)のすべてが、12以下である請求項14に記載のカラーゴルフボール。
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