JP5506666B2 - ポリ(アリールエーテルケトン)の可逆的誘導体化 - Google Patents

ポリ(アリールエーテルケトン)の可逆的誘導体化 Download PDF

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Description

本発明は一般的に、ポリマーを可溶化する工程、そしてとりわけ、それらの溶解度を高めるためのポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)の可逆的誘導体化に関する。
過去20年にわたり、新しいクラスの高性能物質、ポリ(アリールエーテルケトン)またはPAEKが出現し、市場における重要性を獲得してきた。広範囲のエーテル/ケトン比率をもつPAEKは、生成される物質の特性に適合させるために開発されてきた。市場で重要なPAEKの例は、ポリ(エーテルケトン)(PEK)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)およびポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(PEKEKK)を含む。これらの物質は、約140℃より高い、高いガラス転移温度、酸化に対する良好な安定性および低い誘電定数を有する熱可塑性物質である。それらはまた、実質的に、高温においてこれらの機械的特性を保持する。
PAEKは、内視鏡、カニューレおよび心臓ポンプシステムのような身体と直接接する医学装置の成形加工のために使用されてきた。これらの半晶質物質は広範な温度範囲にわたり注目すべき溶媒抵抗および化学的安定性を示し、一般に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および、高圧サイズ排除クロマトグラフィーとしても知られるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のようなクロマトグラフィーシステムにおける注入ループステータおよびフィッティングとして使用される。PAEKは更に、ジクロロメタン(CHCl)、潤滑油、圧媒液およびガソリンを含む航空宇宙産業に広く使用される多数の化学薬品に抵抗性であり、従って、航空機生産における電線および光ファイバーのフィラメントを保護するためのハウジングに使用される。PAEKの低い可燃性および低い発煙性はまた、それらを民間航空機のインテリアのための優れた候補物にさせる。更に、PAEKを基剤にしたポリマー複合材料は優れた機械的特性をもち、非常に軽量であることができる。例えば、芳香族ポリマー複合体−2(APC−2、Cytec,Inc.)は、現在、民間航空機および軍用機双方の構成に頻繁に使用される強化炭素繊維を含むPEEKマトリックスを有する複合材料である。
化学薬品に対するPAEKの抵抗はしばしば、それらの市場の利用性における利点であるが、この特性はまた、PAEKを特性決定する性能を限定もする。例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のような高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法は、ポリマーの分子量分布を決定するために、溶液中のそれらの分子サイズに基づいて成分を分離する。しかし、PEEKのようなPAEKはジクロロメタン、o−ジクロロベンゼンまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のような有機溶媒を吸収することができ、それにより溶媒誘発結晶化および可塑化を増強する可能性がある。更に、一般的な有機溶媒は、高温においても半晶質のPEEKに対してほとんどまたは全く効果をもたない。従って、GPCと相容性のPAEK溶媒を見いだす困難のために、これらの物質の質量分布(mass distribution)についての情報はほとんど知られていない。
従って、PEEKおよび他のPAEKの市場の重要性はPAEKの溶解度の問題に対して著しい注目を引き、そしてPAEKを特性決定し、可溶化するための種々の方法が開発されてきた。1つのアプローチにおいて、PAEKは濃硫酸中の希薄ポリマー溶液の内部粘度により特性決定されてきた。残念なことには、この方法はポリマー中の分子量の分布の指標である、多分散性インデックスの指標を与えない。他のアプローチにおいて、フェノールおよび1,2,4−トリクロロベンゼンの混合物を約115℃のPEEKのGPC
分析用溶離液として使用することができるが発見された。しかし、これらの溶媒は著しく毒性であり、従って、PEEKまたは他のPAEKの定常的特性決定のためには不適である。
他の例において、PEEKは反応:
Figure 0005506666
に従ってスルホン化することができる。スルホン化PEEKはDMFおよびN−メチルピロリドン(NMP)のような双極性非プロトン溶媒中に可溶性であることが見いだされた。
更なる例において、メタンスルホン酸(MSA)中のPEEKの溶液への硝酸の添加がPEEKのニトロ−誘導体の形成に導く。
Figure 0005506666
しかし、前記に示された経路による重要な欠陥は、各経路が異なる効率で作用することである。すなわち、苛酷な条件下でも比較的少量のPAEKのみがスルホン化可能である。例えば、スルホン化はPEEKのようなPAEKには有効であるが、PEKのようなポリマーには作用しない。従って、すべてのPAEKに有効に作用する一般的経路は知られていない。
これらの経路の他の欠点は、ポリマー鎖がしばしば、不可逆的化学変化または崩壊を経験し、それにより出発ポリマーと異なる特性をもつ最終ポリマーを生成することである。例えば、PEEKのニトロ−誘導体の形成において、硝酸化PEEKの溶液粘度に認められる著しい減少のためにポリマー鎖が崩壊すると考えられる。従って、この誘導体はGPC分析には不適切である。
可溶性PAEKを生成する1つの方法は、ポリマーに溶解度を与えるモノマーの重合である。これは、形成されるポリマーの結晶度を破壊するための、例えばかさ高な側鎖基をもつモノマーを選択し、そしてこれを重合して、可溶性PAEKを生成する工程を伴うであろう。この方法は可溶性PAEKを調製するためには有用であるが、標準の市販のPAEKの使用は許さない。この方法はまた、所望される各可溶性PAEKのための選択され
るモノマーおよび重合を必要とする。従って、この方法は、標準の市販のPAEKをそれらが重合された後には可溶化することができず、重合時に可溶化しなければならないという意味で、一般的ではない。
以上から、PAEK系を可溶化する、改善された方法が必要である。とりわけ、PAEKに広範に適用でき、そして実質的に可逆的なPAEKを可溶化する方法が必要である。
本開示の実施態様は、ポリ(アリールエーテルケトン)(“PAEK”)の可溶性誘導体を形成する方法を提供する。該方法は、溶媒および酸を含んでなる混合物中へのPAEKの溶解および、溶液中にPAEKに対応するポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成するように、PAEK混合物と、十分量の三フッ化ホウ素−ジエチルエーテレートのようなルイス酸およびチオール化合物を混合し、そして次に、所望される場合は、溶媒、N−ブロモスクシンイミド(NBS)およびアルコールと更に反応させて、実質的に可溶性のポリ(アリールエーテルアセタール)を形成する工程を含んでなる。
本開示の他の実施態様は、誘導ポリ(アリールエーテルチオアセタール)またはポリ(アリールエーテルアセタール)からPAEKを形成する方法を提供する。該方法(チオアセタールの場合)は、選択されるPAEKから誘導されるポリ(アリールエーテルチオアセタール)を得て、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をヨウ化t−ブチルおよびジメチルスルホキシドの混合物と反応させる工程を含んでなる。生成されるPAEKは未使用のPAEKの粘度にほとんど等しい固有粘度を有する。PAEK(アセタールの場合)は熱または蒸気の適用により(酸を伴っても伴わなくても)回復させることができる。
本開示の更なる実施態様は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によるPAEKを分析する方法を提供する。該方法は、可溶化がPAEKを修飾してポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成する、PAEKを可溶化する工程を含んでなる。該方法はまた、GPCに適した溶媒中へポリ(アリールエーテルチオアセタール)を溶解する工程を含んでなる。該方法は更に、GPCにより、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)を精査する工程を含んでなる。
本開示の更なる実施態様は、ポリマーマトリックス複合材料を形成する方法を提供する。該方法は、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)またはポリ(アリールエーテルアセタール)を含んでなる溶液中で複数の繊維をプレプレグさせる工程(prepregging)を含んでなる。該方法は更に、熱および圧力の少なくとも一方の適用により繊維を圧縮する工程(consolidating)を含んでなる。
本開示の更なる実施態様は、前記の方法により形成されるポリマーマトリックス複合材料を提供する。
本開示の他の実施態様は、PAEKのチオアセタール化またはアセタール化誘導体を提供する。PAEKは、PEK、PEEK、PEKK、PEKEKK、PEEKEEK、PEDK、PEDEK、PEDEKK、PEKEN、式(I):
Figure 0005506666
の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマーおよび式(II):
Figure 0005506666
の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマー、よりなる群から選択される。
このチオアセタール化およびアセタール化反応は、保護基として、そして更なる有機転化を実施するための手段として、小型分子の有機合成に頻繁に使用される。チオールまたはアルコールによるケトンの保護およびそれらのその後の脱保護は周知であり、多数文献に記載されている。しかし、該反応は、溶解度を与えるためにポリマーとともに使用されることは知られていない。反応自体は周知であるが、反応のこの使用は新規であると考えられる。
1,2−エタンジチオールによるPEEK Aveciaの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEEK 150Gの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEEK 450Gの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEKの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEKK HTMの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEKK DSMの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,2−エタンジチオールによるPEKEKKの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEEK Aveciaの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEEK 150Gの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEEK 450Gの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEKの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEKK HTMの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEKK DSMの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 1,3−プロパンジチオールによるPEKEKKの保護から形成されるチオアセタールを分析するGPCのトレースを表す。 分子量分布が出発PEEK物質と最終PEEK物質間に実質的にほとんど変化を示さないことを表す、PEEKのジチオアセタール化の前後の分子量分布の測定値を表す。 分子量分布が、出発PEEK物質と最終PEEK物質間に実質的にほとんど変化を示さず、無視できるポリマー崩壊があることを示唆することを表す、PEEKの完全な保護、交換および脱保護前後の分子量分布の測定値を表す。
好ましい実施態様の詳細な説明
本開示の実施態様はポリ(芳香族エーテルケトン)またはPAEKとしても知られるポリ(アリールエーテルケトン)の可逆的誘導体化のシステムおよび方法を与える。PAEKはベンゼン環の間にケトンおよびエーテル結合双方を含む芳香族ポリマーの群の一般名である。一般に、PAEKを可溶化する工程は、可逆的チオアセタール化工程において、チオール化合物とのPAEKの最初の反応を伴う。チオールはPAEK中に存在するケトン基と反応して、実質的に一般的溶媒に可溶性のチオアセタール化合物を生成する。次に修飾されたチオアセタールを元来のPAEKへの逆転化のための第2の脱保護反応にかけるか、または更に反応させてアセタール種とし、次に脱保護して元来のPAEKに戻す。
PAEKを可溶化させる工程は多数の態様において有益である。1つの態様において、PAEK可溶化は、PAEKの特性決定をするゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のような分析法の使用を容易にする。他の態様において、該可溶化はPAEKの化学的修飾への更なる経路を開く。例えば、チオ修飾PAEKはジアセタールおよびモノアセタール−モノチオールを形成するように更に修飾することができるかまたは、対応する塩を形成するように第四級化することができる。更なる態様において、可溶化はPAEKの加工に
おいて増加した柔軟性を与え、それにより伝統的に実施されてきたようなメルトではなく、溶液からの加工を許す。
以下に開示される可逆的チオアセタール化およびアセタール化の経路は有利には、PAEKを可溶化するための現在理解されている経路より注目すべき利点を提供する。1つの態様において、該チオアセタール化は、高収率で修飾PAEKを与え、それにより大規模操作におけるこれらの方法の使用を容易にする。他の態様において、修飾されたPAEKは一般的溶媒に実質的に可溶性であり、それにより高価なそして/または著しく毒性の/腐食性の溶媒の必要を軽減させる。更に、修飾されたPAEKは、実質的に崩壊を全く伴わずに、出発ポリマーに逆転化させることができる。更に、チオアセタール化およびその後のアセタール化は、実質的にすべてのPAEKに適用可能であり、それによりPAEKの可溶化の一般的方法を提供することが期待される。本開示のこれらおよび他の目的および利点は以下に更に詳細に考察される。
PAEKの可逆的可溶化は、以下の反応(1)、(2)、(3)および(4)にスキームで示される2段階の反応工程を伴う。
Figure 0005506666
反応(1)において、PAEKはチオール化合物と反応される。この反応はPAEKのカルボニル基をチオールで保護し、それによりPAEKの実質的に可溶な誘導体であるポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成する。以下に更に詳細に説明されるように、ポリ(アリールエーテルアセタール)は高収率で生成され、一般的有機溶媒に実質的に可溶性である。この溶解度はPAEKの結晶度の破壊により補助される。例えば、PEEKは反応してポリ(エーテルエーテルチオアセタール)またはPEETを形成することができる。幾つかの他のPAEKの他のジチオアセタール誘導体はチオールを使用して形成されてき、有機溶媒中に同様に可溶性であり、GPCによるそれらの特性決定を可能にすることが見いだされた。
反応(1)は以下の方法で実施される。PAEKを最初に適当な溶媒と酸の混合物に溶解する。次に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテレートおよび過剰のチオールをPAEK混合物と混合する。これらの物質は完全な反応を促進するために過剰に使用される。次にPAEKの、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)への実質的に完全な転化を確保するために、選択された時間、反応を進行させる。1つの実施態様において、その時間は約16時間〜4日間の間で変わることができる。次にポリ(アリールエーテルチオアセタール)を沈殿により溶液から除去する。1つの実施態様において、沈殿は冷メタノール中で実施される。次に出発PAEKに逆転化する前に、必要に応じて、修飾PAEKの特性決
定、修飾(反応(3)および反応(4))および他の処理を実施することができる。
ポリ(アリールエーテルチオアセタール)は脱保護反応、反応(2)により出発PAEKに逆転化される。脱保護反応はチオアセタール基を外し、その場所にカルボニル基を戻してPAEKを回復させる。脱保護反応は、適当な溶媒にチオアセタールを溶解し、次に、DMSO溶媒の場合には約70℃で、ヨウ化t−ブチルおよびジメチルスルホキシド(DMSO)をチオアセタール溶液中に混合する工程を含んでなる。反応の少なくとも早期の継続の一部の間、溶媒を使用してチオアセタールが溶液中に止まる補助をすることができる。溶媒の例は、それらに限定はされないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキシン並びにジクロロメタン(DCM)、トリクロロメタン(クロロホルム)、ジクロロエタンおよびジクロロベンゼンのような塩素化溶媒を含む。混合物を、選択された時間、1つの実施態様においては約48時間還流し、次にほぼ室温に冷却する。次にPAEKを冷メタノールとの混合によるような沈殿により溶液から回収する。1つの利点において、この混合物により提供される緩やかな、実質的に中性の状態はPAEKを崩壊させる低い可能性を与える。
営業的に、より実行可能な可能性のある、更なる脱保護法は可能であるが、化学的方法を使用する脱保護の最近の方法は適用性が限定される。PAEKはまた、前記のような複合材料からリサイクルすることができる。これは、例えば、前記の反応(1)で示されたような溶媒および試薬で複合材料を処理することにより達成して、溶液中のPAEKのチオアセタール誘導体を得ることができる。次に、溶液を、リサイクルされた複合材料の繊維状材料から分離して、更なるプレプレグ工程に使用することができる。あるいはまた、チオアセタール溶液を反応(2)または反応(3)に示されたように更に処理することができるであろう。
ポリ(アリールエーテルチオアセタール)の更なる化学的修飾もまた可能であり、代りの保護基を、ポリマー上のチオアセタール基とすべてまたは一部置換させる。これらの基は、元来のPAEKに脱保護して戻す、代りの方法を許すように選択することができる。この更なる化学的修飾の例は、保護されたポリマーを最初のPAEKへ逆転化させるために異なる脱保護法を使用させる、アセタール基によるチオアセタール保護基の置換(反応(3))である。
反応(3)は以下の方法で実施される。ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をジクロロメタンに溶解して、ピンク色/淡紫色の溶液を形成する。次にエチレングリコールを溶液に滴下し、その直後に約10〜15分にわたり、微細な(fine)NBSを非常に緩徐に添加する。次に、NBSの添加により徐々に暗紫色に変化する溶液を更に5〜7分撹拌する。更なる撹拌時間は、紫色から橙色/緑色/茶色への溶液の色彩変化により決定される。次に溶液を撹拌メタノール中に沈殿させ、20分間撹拌する。この後に、物質を濾取し、次に更なるメタノールで洗浄し、20分間撹拌し、次に濾取、乾燥する。
種々の方法により反応4を実施することができるが、その幾つかは最適化されていない。アセタール保護されたポリマーをPAEKに完全に脱保護して戻すために示された方法は、場合により存在する酸を伴って15分間にわたり、水中のアセタール保護ポリマーの160℃までのマイクロウェーブ加熱の使用を伴う。このマイクロウェーブ加熱は製造環境における高圧蒸気をまねることを目的とされる。条件は完全な脱保護に最適化されてはいないが、160℃未満の温度は注目すべき脱保護を与えることが示された。
実質的にあらゆるPAEKを、前記で考察された反応スキームに従って使用することができる。PAEKの実施態様は、それらに限定はされないが、ポリ(エーテルケトン)(PEK)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(エーテルケトンケトン
)(PEKK)、ポリ(エーテルエーテルケトンケトン)(PEEKK)およびポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(PEKEKK)、ポリ(エーテルエーテルケトンエーテルケトン)(PEEKEEK)、ポリ(エーテルジフェニルケトン)(PEDK)、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトン)(PEDEK)、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンケトン)(PEDEKK)、ポリ(エーテルケトンエーテルナフタレン)(PEKEN)、式(I):
Figure 0005506666
の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマーおよび式(II):
Figure 0005506666
の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマー、を含むことができる。
しかし、これらのPAEKは例の目的のために引用されたものであり、発明の実施態様に利用することができるPAEKをどんな方法でも限定するべきではないことを理解することができる。PAEKは知られた化学的合成経路により形成するかまたは市場で購入することができる。
1つの実施態様において、種々のチオール化合物を本開示の実施態様とともに使用することができる。例えば、チオール化合物は、そのRが、場合により置換されていてもよいC−C30脂肪族基および場合により置換されていてもよいC−C30芳香族基の少なくとも1種から選択される、形態R−SHのモノチオール、形態HSROHのジチオールおよび形態HSROHのチオ−アルコールを含んでなることができる。芳香族基は化合物中の他の芳香族基との結合のみならず、アルコールまたはチオール基に直接結合することができる。好ましいチオールの実施態様は、1,2−エタンジチオールおよび1,3−プロパンジチオールを含んでなる。チオアセタール保護基の幾つかまたはすべてを置換するための更なる反応もまた可能である(例は反応(3)である)。これらの反応はジチオアセタールと異なる方法または異なる条件により外すことができる異なる保護基をポリマー中に導入するために使用することができる。チオアセタール基はケトン保護化学反応に一般的な多数の異なる種類の保護基と交換することができると考えられる。
更なる実施態様において、酸はあらゆる知られた非スルホン化酸を含んでなることができる。好ましい態様において、酸はトリフルオロ酢酸を含んでなる。他の実施態様において、PAEKがPEEKを含んでなる時には、酸は硫酸を含んでなることができる。
反応(1)および反応(2)および反応(3)において、広範な溶媒を使用することができる。1つの実施態様において、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキシン並びに、ジクロロメタン(DCM)、トリクロロメタン(クロロホルム)、ジクロロエタンおよびジクロロベンゼンのような、当該技術分野で知られているような塩素化溶媒を含んでなることができる。溶媒は価格、効果、利用性および毒性のレベルに基づいて選択することができる。
発明はルイス酸として三フッ化ホウ素−ジエチルエーテレートを使用して具体的に説明されてきたが、他のルイス酸またはルイス酸の混合物を使用することができる。
チオアセタール化、脱保護、チオアセタールからアセタールへの交換およびその後の反応の例は実施例中で以下に更に詳細に考察される。
PAEKの可溶化は、PAEKを使用する製法に役立つために使用することができる。一般に、PEEK、PEKおよびPEKEKKのようなPAEKは、苛酷な操作条件下で極端な耐久性を要する適用のための重要な工業技術の熱可塑性物質である。これらのポリマーは約340〜380℃の範囲の融点のみならずまた、酸化および加水分解安定性を有し、それにより溶媒の攻撃に対する抵抗に加えて非常に良好な熱−機械的安定性をもたらす。従って、PAEKはポリマーマトリックス複合材料中のマトリックス物質として定常的に使用される。
特定の実施態様において、PAEKを可溶化する工程は複合物質の加工のためのプレプレグ法におけるそれらの有用性を改善することができる。1つの実施態様において、プレプレグは、複合体の形成前にマトリックス物質とともに含浸される単方向性または織物繊維の薄膜または薄層を含んでなる。マトリックスは典型的には、熱硬化性ポリマーを含んでなる。プレプレグは積み重ねられ、そしてその後熱および圧力で処理されて複数の薄層が圧縮され、捕捉された空気が除去され、そしてポリマーマトリックスを硬化させることができる。他の実施態様において、個々の繊維が、例えば成形型の周囲に捲きつけられ、そして熱成形されることにより所望の形態に成形される前に、可溶化PAEKの溶液または溶媒で膨張されたゲルのようなマトリックス物質で含浸させることができる。
可溶PAEKは、以前は実質的に不溶性PAEKでは達成不能であった工程に使用することができる。このような工程の例は、溶液浸漬、溶液噴霧、フィルム形成および繊維含浸を含む。溶液浸漬においては、マトリックス物質を選択された濃度で溶媒に溶解し、繊維を溶液中に通過させ、そこで繊維が一定量のマトリックス固形分を捕捉する。溶液噴霧法においては、可溶化マトリックス物質を繊維上に噴霧する。フィルム形成法においては、溶媒で膨張したポリマーを繊維に圧縮する。布地含浸法においては、繊維の布地を溶解したマトリックスの浴中に浸す。1つの実施態様において、真空圧を使用して繊維布地から空気を引き抜き、繊維布地中にマトリックスの溶液を吸引する。PAEK溶液/溶媒で膨張したPAEKがその比較的低い粘度の故に、有利には、単方向性および織物布地の繊維の間の空隙空間に侵入し、それにより、圧縮前ですら、捕捉空気を置き換え、最終複合体の空隙含量を減少し、そして他の処理経路よりも複合体の特性を改善する可能性をもつ。
今度は発明を以下の実施例について限定しない方法で説明する。
以下の実施例はポリ(アリールエーテルチオアセタール)を含んでなるPAEKの可溶性チオアセタール誘導体の形成のための反応(1)のチオアセタール化反応の実施態様を与える。これらの実施例は一連のPAEKおよびチオールとのチオアセタール化反応の有用性を表す。とりわけ、NMRによるチオアセタール誘導体の実験的特性決定は、ケトン基が不在で、チオアセタールが形成されることを表す。更なる実施例はまた、PAEKの実質的崩壊を伴わずに、最初のPAEKへPAEKの可溶性チオアセタール誘導体を転化して戻す反応(2)の脱保護反応の実施態様を表す。とりわけ、GPC特性決定は、脱保護された物質が実質的に最初のPAEKと同一であることを表す。次に、例はまた、PAEKのチオアセタール誘導体上で実施することができる多数の可能な修飾物の1つ、すなわちチオアセタールとアセタール間の交換反応(反応(3))およびこのアセタール誘導体のPAEKへの脱保護を示す。
装置
ポリマーの融点、ガラス転移、および融解遷移温度は、示差走査熱量計(DSC)により決定される。Mettler Toledo DSC20システムを10℃または20℃の走査速度で、窒素下で使用する。
ポリマーの赤外線スペクトルは臭化カリウム中のポリマーの分散から得て、Perkin Elmer FT1700装置上で記録する。
ポリマーのプロトンNMR(H NMR)スペクトルは、250MHz、400MHzおよび500MHzそれぞれにおいて、Bruker DPX 250分光分析装置、JEOL GSX 400またはJEOL Eclipse+500上で記録する。炭素NMR(13C NMR)は62.8MHz、75.57MHzおよび125.8MHzそれぞれにおいて、Bruker DPX 250、JEOL Lambda 300またはJEOL Eclipse+500上で記録する。共鳴位置はテトラメチルシラン(TMS)ピークからのδ(ppm)で記録する。
ポリマーの溶液粘度(ηinh)は、25℃でSchott−Gerate CT 150半自動化粘度計を使用して測定する。ポリマーを約98%の硫酸に溶解し、実質的に完全なスルホン化を確保するために1晩激しく撹拌する。あらゆる不溶性粒子を実質的に除去するために、測定前にポリマー溶液を濾過する。
ゲル透過クロマトグラフィーはPolymer Labs PL−GPC220(Amherst,MA)またはViscotek GPc Maxのいずれかを使用して実施した。保護されたPAEK上の分析は、約300mm×7.5mmのディメンションを有する2本のPLgel 10μmのMixed−Bカラムを使用して約35℃のクロロホルム中で実施した。標準PAEK上の分析を、4−クロロフェノール(1ml)中にサンプル(20mg)を溶解し、次にViscoGEL GMHhr−M−GMHhr−Nカラムを使用して130℃の1,2,4−トリクロロベンゼンとフェノールの1:1混合物よりなる4mlの移動相で希釈することにより実施した。
屈折率の測定もまた、GPCシステム内に統合された屈折率検出計を使用して、ポリマー上で実施する。屈折率検出計は一連のポリスチレン基準により補正した。
保護ポリマーの絶対分子量を、約15°および90°で操作されるPrecision
DetectorsからのPD2000DLS装置を使用して計算した。各ポリマーサ
ンプルの屈折率インクレメントの値、dn/dcを、約100,000のMおよび約1.04のM/Mを有する単分散ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のサンプルで検出計を補正することにより、そして屈折率検出計で得られる濃度トレースから計算される。
アセタール保護サンプルの脱保護に使用されるマイクロウェーブ加熱はCEM Mars 5 Microwave温浸装置上で実施された。
アセタール物質の熱脱保護およびDSC分析はMettler−Toledo DSC
822eを使用する加熱により実施された。脱保護サンプルおよび未修飾PEEKのDSC分析は、熱履歴を除去するためにサンプルを420℃に加熱し、20℃/分で冷却し、次に20℃/分で400℃に再加熱することにより実施された。
TGA分析は空気および窒素環境双方におけるNetzsch TG201 F1上で実施された。約3.5mgの重量の試験片を、提出された各サンプルから調製した。試験片を、10℃/分の速度で〜25℃〜100℃まで、次にSuperResモードにおいて100℃〜520℃まで加熱した。
実施例1−PEEKおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例1においては、PEEKのチオアセタール化が、反応(3)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施される:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.752g(約7.99ミリモル)のEDTを約1.153gのPEEK(Avecia plcから)の撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約5mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後に、約0.571g(約4.02ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約18時間撹拌し、その間に溶液が深赤色に変化する。次に溶液を約50mLのCHClで希釈し、次に約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)の微細白色粉末を回収する。約1.456gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約100%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図1に表すトレースを与える。以下の表1は屈折率および光の散乱測定値双方に対するM、MおよびPDIの測定値を要約する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は以下の結果を与える:
νmax/cm−1 3039(C−H),2926(C−H),1603(C−C),1490(C−C),1224(C−O−C),1192(C−H);δ(250MHz,CDCl)3.40(4H,s,H),6.88(4H,AA’XX’,H
),6.99(4H,s,H),7.53(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.6(C),76.5(C),117.6(C),121.2(C)130.2(C),139.3(C),152.8(C),157.4(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例2−PEEKおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例2においては、PEEKのチオアセタール化を、反応(4)に従って、1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.393g(約4.17ミリモル)のEDTを約0.576gのPEEK(150G、Victrex plcから)の撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.718gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約98%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図2に示されるトレースを与える。以下の表2は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2929(C−H),1603(C−C),1492(C−C),1225(C−O−C),1193(C−H);δ(250MHz,CDCl)3
.40(4H,s,H),6.92(4H,AA’XX’,H),7.03(4H,s,H),7.50(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.6(C),76.5(C),117.6(C),121.2(C)130.2(C),139.3(C),152.8(C),157.4(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例3−PEEKおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例3においては、PEEK 450G(Victrex plcから)のチオアセタール化を、反応(5)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.393g(約4.17ミリモル)のEDTを約0.576gのPEEK 450Gの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.718gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約98%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図3に示されるトレースを与える。以下の表3は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 3039(C−H),2926(C−H),1603(C−C),1490(C−C),1224(C−O−C),1192(C−H);δ(250MHz,CDCl)3.40(4H,s,H),6.88(4H,AA’XX’,H),6.99(4H,s,H),7.53(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.7(C),76.5(C),117.6(C),121.2(C)130.2(C),139.3(C),152.8(C),157.4(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例4−PEKおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例4においては、PEKのチオアセタール化を、反応(6)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.393g(約4.17ミリモル)のEDTを約0.392gのPEKの撹拌溶液(約25mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの却メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタール)の微細白色粉末を回収する。約0.532gのポリ(エーテルジチオアセタール)を約98%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図4に示されるトレースを与え
る。以下の表4は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2926(C−H),1711(C−C),1595(C−C),1496(C−C),1241(C−O−C),1171(C−H);δ(250MHz,CDCl)3.39(4H,s,H),6.89(4H,AA’XX’,H),7.55(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.7(C),76.5(C),118.5(C),130.2(C)139.7(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例5−PEKK(等級HTM、Cytec Incから)および1,2エタンジチオール(EDT)
実施例5においては、PEKK HTMのチオアセタール化を、反応(7)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.752g(約7.98ミリモル)のEDTを約0.600gの
PEKK HTMの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.571g(約4.02ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約18時間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.899gのポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約99%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図5に示されるトレースを与える。以下の表5は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 3155(C−H),2930(C−H),1596(C−C),1496(C−C),1241(C−O−C),1173(C−H),δ(250MHz,CDCl)3.37(8H,s,H),6.87(4H,AA’XX’,H),7.51(8H,AA’XX’,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.6(C),76.5(C),118.5(C),128.3(C),130.2(C)139.6(C),143.8(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例6−PEKK DSMおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例6においては、PEKK DSMのチオアセタール化を、反応(8)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.752g(約7.98ミリモル)のEDTを約0.600gのPEKK DSMの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.571g(約4.02ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を室温で約18時間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.888gのポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約98%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図6に示されるトレースを与える。以下の表6は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 3155(C−H),2930(C−H),1596(C−C),1496(C−C),1241(C−O−C),1173(C−H),δ(250MHz,CDCl)3.37(8H,s,H),6.87(4H,m,H)7.51(8H,AA’XX’,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.6(C),76.5(C),118.5(C),128.3(C),130.2(C)139.6(C),143.8(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例7−PEKEKKおよび1,2エタンジチオール(EDT)
実施例7においては、PEKEKKのチオアセタール化を反応(9)に従って1,2エタンジチオール(EDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.561g(約5.95ミリモル)のEDTを、約0.496gのPEKEKKの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。EDT添加後、約0.426g(約3.00ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を室温で約18時間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.718gのポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約99%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図7に示されるトレースを与える。以下の表7は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2927(C−H),1594(C−C),1495(C−C),1240(C−O−C),1172(C−H),δ(250MHz,CDCl)3.37(12H,m,H,H),6.88(8H,m,H,H)7.48(12H,m,H,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)40.6(C,C),76.5(C,C),118.5(C,C),128.3(C),130.2(C)139.6(C),143.8(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例8−PEEK Aveciaおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例8においては、PEEK Aveciaのチオアセタール化を反応(10)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.431g(約3.98ミリモル)のPDTを約0.576gのPEEK Aveciaの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約5日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジ
チオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.705gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約93%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図8に示されるトレースを与える。以下の表8は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2907(C−H),1602(C−C),1490(C−C),1225(C−O−C),1192(C−H);δ(250MHz,CDCl)1.99(2H,br,H),2.76(4H,br,H)6.92(4H,AA’XX’,H),7.02(4H,s,H),7.59(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.9(C),62.2(C),117.9(C),121.4(C)131.3(C),137.3(C),152.8(C),157.6(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例9−PEEK 150Gおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例9においては、PEEK 150Gのチオアセタール化を反応(11)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.431g(約3.98ミリモル)のPDTを、約0.576gのPEEK 150Gの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加す
る。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.737gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約98%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図9に示されるトレースを与える。以下の表9は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 3155(C−H),2908(C−H),1602(C−C),1492(C−C),1226(C−O−C),δ(250MHz,CDCl)1.99(2H,br,H),2.76(4H,br,H),6.92(4H,AA’XX’,H),7.02(4H,s,H),7.59(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.9(C),62.2(C),117.9(C),121.4(C)131.3(C),137.3(C),152.8(C),157.6(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例10−PEEK 450Gおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例10においては、PEEK 450Gのチオアセタール化を、反応(12)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.431g(約3.98ミリモル)のPDTを、約0.576gのPEEK 450Gの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および
約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.727gのポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)を約96%の収率として回収する。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図10に示されるトレースを与える。以下の表10は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 3155(C−H),2908(C−H),1711(C−C),1602(C−C),1492(C−C),1225(C−O−C),δ(250MHz,CDCl)2.00(2H,br,H),2.78(4H,br,H),6.90(4H,AA’XX’,H),7.02(4H,s,H),7.59(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.9(C),62.2(C),117.9(C),121.4(C)131.3(C),137.3(C),152.8(C),157.6(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例11−PEKおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例11においては、PEKのチオアセタール化を、反応(13)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.431g(約3.98ミリモル)のPDTを、約0.392gのPEKの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.280g(約1.97ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタール)の微細な白色粉末を回収する。約0.558gのポリ(エーテルジチオアセタール)を約97%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は図11に示されるトレースを与える。以下の表11は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2926(C−H),1711(C−C),1595(C−C),1496(C−C),1241(C−O−C),1171(C−H);δ(250MHz,CDCl)2.00(2H,br,H),2.76(4H,br,H),6.97(4H,AA’XX’,H),7.65(4H,AA’XX’,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.9(C),62.3(C),119.0(C),131.3(C),137.9(C),156.6(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例12−PEKK HTMおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例12においては、PEKK HTMのチオアセタール化を、反応(14)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.852g(約7.96ミリモル)のPDTを、約0.600gのPEKK HTMの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.571g(約4.02ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を約4日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.788gのポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約82%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図12に示されるトレースを与える。以下の表12は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2904(C−H),1593(C−C),1494(C−C),1241(C−O−C),1172(C−H),δ(250MHz,CDCl)1.99(4H,br,Hg),2.76(8H,s,H),6.96(4H,m,H),7.55(8H,AA’XX’,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.8(C),62.3(C),119.0(C)129.6(C),131.2(C)137.5(C),142.5(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例13−PEKK DSMおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例6においては、PEKK DSMのチオアセタール化を、反応(15)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.647g(約5.98ミリモル)のPDTを約0.600gのPEKK DSMの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.426g(約3.00ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を室温で約3日間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.0.742gのポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約97%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図13に示されるトレースを与える。以下の表13は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2908(C−H),1594(C−C),1495(C−C),1242(C−O−C),1173(C−H),δ(250MHz,CDCl)1.98(4H,br,H),2.75(8H,br,H),6.964H,m,H)7.62(8H,AA’XX’,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C),29.8(C),62.3(C),119.0(C),129.6(C),131.2(C)137.5(C),142.5(C),156.6(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例14−PEKEKKおよび1,3プロパンジチオール(PDT)
実施例14においては、PEKEKKのチオアセタール化を、反応(16)に従って1,3プロパンジチオール(PDT)を使用して実施する:
Figure 0005506666
窒素雰囲気下で、約0.561g(約5.95ミリモル)のPDTを約0.496gのPEKEKKの撹拌溶液(約20mLのジクロロメタン(CHCl)および約2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中)に添加する。PDT添加後、約0.426g(約3.00ミリモル)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(BFEtO)を添加する。溶液を室温で約18時間撹拌し、その間に溶液は深赤色に変化する。次に溶液を約100mLの冷メタノール中に注入する。生成される溶液を濾過して、ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)の白色繊維を回収する。約0.718gのポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)を約99%の収率として回収する。
ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は図14に示されるトレースを与える。以下の表14は屈折率および光の散乱測定値双方のM、MおよびPDIの測定値をまとめる。
ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)のGPC特性決定は次の結果を与える:
νmax/cm−1 2908(C−H),1594(C−C),1494(C−C),1240(C−O−C),1172(C−H),δ(250MHz,CDCl)1.99(6H,br,H,H),2.77(12H,m,H,H),7.06(8H,m,H,H),7.61(12H,m,H,H,H);δC(62.5MHz,CDCl)24.8(C,C),29.8(C,C),62.3(C,C),119.0(C,C),129.6(C),131.3(C)137.9(C),142.5(C),156.5(C).
Figure 0005506666
これらのデータは、出発物質のカルボニル基が外され、そしてチオアセタール、ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)が形成されたことを示す。
実施例−PEEKのチオアセタール誘導体の脱保護
以下の実施例において、PEEK、ポリ(エーテルエーテルチオアセタール)またはPEETのチオアセタール誘導体を脱保護し、それによりPEEK物質を回収する。チオアセタール誘導体を形成するために使用される未使用のPEEK AveciaのGPCを、約115℃でフェノールおよび1,2,4−トリクロロベンゼンの混合物中で実施する。ポリスチレン基準に対して分子量を測定し、内部粘度を、約25℃の98%濃硫酸中で測定する。
PEEK Aveciaは大体、以下の特性を有する白色粉末として提供される:T=142℃,T=166,T=344℃,M=31,100,M=78,100,PDI=2.5;ηinh=0.82,δ(250MHz,CDCl+TFA 6:1);7.13(4H,AA’XX’),7.20(4H,s),7.84(4H,AA’XX’);δC(62.5MHz,CDCl+TFA 6:1)117.4,122.6,130.4,130.9,133.9,152.2,163.5,200.0
実施例15−1,3−プロパンジチオールにより保護されたPEEK Avecia
実施例15においては、1,3−プロパンジチオール(FP4−95)により保護されたPEEK Aveciaの溶液を、PEEK Aveciaを回収するために脱保護反応(反応17)にかける。
Figure 0005506666
約70℃の温度の約0.926g(約5.03ミリモル)の2−ヨード−2−メチルプロパン(ヨウ化t−ブチルまたはt−BuIとも呼ばれる)および約0.781g(約10.00ミリモル)のジメチルスルホキシド(DMSO)の混合物を、約0.189gの1,3−プロパンジチオール FP4−95により保護されたPEEK Aveciaの溶液(約20mLのクロロホルム(CHCl)中)に添加する。還流下で約48時間後に、混合物をほぼ室温に放置冷却し、約100mLの冷メタノール中に注入する。約0.142gのポリ(エーテルエーテルケトン)を、約99%の収率を表す灰色粉末として濾過回収する。
回収PEEKは大体次の特性をもつことが見いだされる:T=143℃,T=176,T=334℃,M=30,300,M=77,900,PDI=2.6;ηinh=0.82,δ(250MHz,CDCl+TFA 6:1);7.13(4H,AA’XX’),7.20(4H,s),7.84(4H,AA’XX’);δC(62.5MHz,CDCl+TFA 6:1)117.4,122.6,130.4,130.9,133.9,152.2,163.5,200.0
これらのデータは、回収された、脱保護PEET化合物が出発PEEKと実質的に同一であることを示す。注目すべきことには、硫酸中の回収物質の内部粘度および出発PEEKの内部粘度は実質的に同一で、0.82であることを認めることができる。この結果は、チオアセタール化によるPAEKの可溶化は、実質的に鎖の崩壊を伴わずに達成することができ、従って、通常はポリマーを可溶化することが困難なもののGPCによる分析の手段を提供することを示す。
この結論を更に証明するために、出発PEEKおよび再生PEEKについてGPC分析を実施する。約40℃のTHF中でそれぞれ測定された分子量の分布は図15に示される。プロットは、チオアセタール化の結果として、分子量分布には実質的に何の変化も起らないことを明白に示す。基準としてポリスチレンが使用され、Mが約27,500であり、そしてMが約48,600であることを示す。この分子量範囲は、溶媒としてのフェノール/トリクロロベンゼン中のPEEKの高温のGPCを使用する同様な内部粘度のPEEKサンプルについて以前に決定された範囲と一致する。
実施例16−1,2−エタンジチオールにより保護されたPEEK Avecia
実施例16においては、1,2−エタンジチオール(FP4−34)により保護されたPEEK Aveciaの溶液を、PEEK Aveciaを回復するために脱保護反応(反応18)にかける。
Figure 0005506666
約0.463g(約2.52ミリモル)の2−ヨード−2−メチルプロパンおよび約0.396g(約5.07ミリモル)のジメチルスルホキシド(DMSO)を、約0.091gの1,2−エタンジチオールにより保護されたPEEK Aveciaの溶液(約20mLのクロロホルム(CHCl)中)に添加する。還流下で約50時間後に、混合物をほぼ室温に放置冷却し、約100mLの冷メタノール中に注入する。約0.069gのポリ(エーテルエーテルケトン)を、約96%の収率を表す灰色粉末として濾過回収する。
回収PEEKは大体次の特性をもつことが見いだされる:T=341℃,ηinh=0.82,δ(250MHz,CDCl+TFA 6:1);7.13(4H,AA’XX’),7.20(4H,s),7.84(4H,AA’XX’);δC(62.5MHz,CDCl+TFA 6:1)117.4,122.6,130.4,130.9,133.9,152.2,163.5,200.0.
これらのデータは、回収された、脱保護PEET化合物が出発PEEKと実質的に同一であることを示す。注目すべきことには、硫酸中の回収物質の内部粘度および出発PEEKの内部粘度は実質的に同一で、0.82であることを認めることができる。結果は、チオアセタール化によるPAEKの可溶化を、実質的に鎖の崩壊を伴わずに達成することができ、従って、通常はポリマーを可溶化することが困難なもののGPCによる分析の手段を提供することを示す。
実施例17−チオアセタールPEEKのアセタールPEEKへの転化
実施例17においては、1,3−プロパンジチオールで保護されたAvecia PEEKの溶液をエチレングリコールとの保護基交換反応にかけた(反応19)。
Figure 0005506666
1.878g(4.962ミリモル)のPEEK 1.3−ジチアンを150mlのDCMに添加し、すべての固形物が溶解するまで激しく撹拌した。ピンク/淡紫色の溶液が形成された。
この溶液に1.78ml(29.77ミリモル)のエチレングリコール(6倍過剰)を添加し、直後に1.237g(6.947ミリモル)のNBSを滴下した。添加が10〜15分で完了するようにNBS(微細粉末の形態)を非常に緩徐に添加した(5〜10秒毎に数粒)。NBSの添加に従って溶液が徐々に暗いライラック色/紫色に変わった。次に、すべてのNBSが溶解されるまで、溶液を更に5〜7分間撹拌した。時間は橙色/茶色/緑色への最終的な観察可能な色の変化に左右された。
次に溶液を450mlの撹拌メタノール中に注入し、白色沈殿物を20分間撹拌し、次に濾取した。次に濾液(filtrate)を更なる400mlのメタノールで洗浄し、更に20分間撹拌し続け、次に濾取し、1晩放置して空気乾燥した。収率は90〜97%の間にあり、アセタールへのチオアセタールの転化率は60%〜93%であった。残留チオアセタール基はケトン基に逆転化されていた。
Figure 0005506666
60〜93%の間のアセタール保護レベルをもつアセタール保護されたPEEKは、THFおよびDCMのような溶媒中で、5重量パーセントの固形分を使用して製造される時に、83〜92%の間の可溶性画分をもつことが見いだされた。アセタール保護されたPEEKのサンプルはTHF溶媒中に30および40重量%ポリマーにおいて溶解され、それらの粘度は室温で一連の周波数にわたり測定された。両サンプルは剪断減粘行動を示し、1Hzにおけるそれぞれ53500および1208000cPの粘度並びに10Hzにおける14500および277000cPの粘度を有した。
エチレングリコールアセタール保護PEEKの熱重力分析値も、空気および窒素双方中で収集された。空気中のサンプルは270℃〜326℃の温度範囲で減量を開始し、約430〜440℃で減量を終結した。この温度周辺では、PEEK自体が崩壊しており、従って、保護基の除去の正確な温度は述べることができない。ポリマー崩壊の幾つかの元素をも含む、脱保護において減量される総重量は、80%のアセタール保護PEEKに対して約11.17%であり、理論的脱保護の減量は10.6%であった。89%のアセタール保護PEEKに対しては、減量は17.14%であり、その理論的脱保護の減量は11.8%であった。窒素中においては、最終的減量値はそれぞれ10.61%および17.
14%で同様であったが、減量の開始および最終的減量温度は開始温度に対して308〜347℃に、そして減量の最後に対しては448〜456℃に上昇した。
アセタール保護サンプル上のTGAのMSは、ポリマーが、期待されたように脱保護しており、アセタール保護されたPEEKからアルデヒドを喪失していたことを示した。
実施例18−水または酸性化水の適用によるアセタール保護ポリマーの脱保護
実施例18は、水または酸性化水との反応によるエチレングリコールアセタール保護PEEKの脱保護(反応20)を説明する。
Figure 0005506666
1g(3.01ミリモル)のエチレングリコールアセタール保護PEEKを5mlの水、1%のHClまたは濃HClを含む水に添加した。次にこれをマイクロウェーブ温浸装置中で15分間160℃に加熱した。次に、加熱後に、固形分を濾取し、水で洗浄し、乾燥し、次にH NMR、13C NMR、DSC、溶液粘度およびGPCにより分析した。脱保護されたサンプル上のNMRが、マイクロウェーブ脱保護が有効に作用したことを示唆した。160℃で15分間、濃厚な酸および1%の酸溶液双方が完全に脱保護したが、水単独のサンプルは〜87%だけ脱保護された。サンプルを含む酸中で110℃の低温においては、PEEKはまた、完全に脱保護されるように見えた。
すべての脱保護サンプルは以下のシグナルを伴うスペクトルを示した。160℃で水単独で脱保護されたサンプルはまた、保護基と官能結合された少量の−CHCH−を示すことができる、〜64ppmにおける13C NMRスペクトルにピークを示した。同様なシグナルはH NMRスペクトルには見られなかった。
δ(75.6MHz,CDCl+メタンスルホン酸)118,123,124,139,151.5,168.5,200.0.
DSC分析は以下の表に示される:
Figure 0005506666
データは、脱保護PEEKポリマーと未修飾ポリマー間に有意差を示さない。
GPC分析は以下の表に示される:
Figure 0005506666
データは、幾らかの低分子量ポリマーが加工期間に洗い落とされたことを示唆するが、脱保護後のポリマーの重大な崩壊は何も示唆しない。
硫酸中のポリマーの内部粘度は以下に示される。
Figure 0005506666
データは、脱保護サンプルが保護−脱保護サイクル経過後に崩壊せず、最初の未修飾PEEKより僅かに高い粘度をもつことを示す。
実施例19−熱の適用によるアセタール保護ポリマーの脱保護
実施例19においては、アセタール保護ポリマーを熱のみにより脱保護した(反応21)。
Figure 0005506666
アセタール保護PEEKポリマーの小型サンプル(〜10mg)をDSCによる分析のために調製した。サンプルを室温から420℃まで20℃/分で加熱した。次にそれをこの温度で10分間保持し、次に室温に冷却した。次にサンプルをメタンスルホン酸およびジクロロメタンに溶解し、NMR分光分析により分析した。
サンプルは他の可溶性不純物とともに標準PEEKポリマーに期待されるピークを示したが、残留アセタールブリッジの証拠は示さなかった。サンプルはまた、崩壊したポリマーであることが期待される幾らかの不溶性の黒い物質を含んでいた。
以上の説明は本教示の基礎となる新規の特徴を示し、説明し、そして指摘したが、当業者が、本教示の範囲から逸脱せずに、示されたような装置の詳細の形態における種々の省略、置換および変更並びにそれらの使用を実施することができることが理解されるであろう。その結果、本教示の範囲は以上の考察に限定されるべきではなく、添付の請求の範囲により規定されるべきである。

Claims (13)

  1. ポリ(アリールエーテルケトン)("PAEK")の可溶性誘導体を形成する方法であって、
    出発PAEKを溶媒および酸と混合する工程、ここで、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキシンおよび塩素化溶媒から選択される、および
    PAEK混合物を、少なくとも1のチオアセタール基を有するポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成するのに十分な量のルイス酸およびチオール化合物と反応させる工程
    を含んでなり、
    ここで、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)は、チオアセタール基を外しカルボニル基をその位置に戻す反応によって、PAEKに逆転化することができる、
    方法。
  2. PAEKが、ポリ(エーテルケトン)("PEK")、ポリ(エーテルエーテルケトン)("PEEK")、ポリ(エーテルケトンケトン) ("PEKK")、ポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)("PEKEKK")、ポリ(エーテルエーテルケトンエーテルエーテルケトン) ("PEEKEEK")、ポリ(エーテルジフェニルケトン)("PEDK")、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトン)("PEDEK")、ポリ(エー テルジフェニルエーテルケトンケトン)("PEDEKK")、ポリ(エーテルケトンエーテルナフタレン)("PEKEN")、式(I):
    Figure 0005506666
    の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマーおよび式(II):
    Figure 0005506666
    の構造の少なくとも一方を有する繰り返し単位を含んでなるポリマー、の少なくとも1種から選択される、請求項1の方法。
  3. ポリ(アリールエーテルチオアセタール)が、ポリ(エーテルジチオアセタール)、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタール)、ポリ(エーテルジチオアセ タールジチオアセタール)、ポリ(エーテルジチオアセタールエーテルジチオアセタールジチオアセタール)、ポリ(エーテルエーテルジチオアセタールエーテ ルエーテルジチオアセタール)、ポリ(エーテルジフェニルジチオアセタール)、ポリ(エーテルジフェニルエーテルジチオアセタール)、ポリ(エーテルジ フェニルエーテルジチオアセタールジチオアセタール)およびポリ(エーテルジチオアセタールエーテルナフタレン)の少なくとも1種から選択される、請求項 1の方法。
  4. チオール化合物が、Rが、場合により置換されているC1−C30脂肪族基および場合により置換されているC6−C30芳香族基の少なくとも1個から選択される、形態R−SHのモノチオール、形態HSRSHのジチオールおよび形態HSROHのチオ−アルコールの少なくとも1種から選択される、請求項1の方法。
  5. ジチオール化合物が1,2−エタンジチオールおよび1,3−プロパンジチオールの少なくとも一方から選択される、請求項4の方法。
  6. 塩素化溶媒がジクロロメタン(DCM)、トリクロロメタン(クロロホルム)、ジクロロエタンおよびジクロロベンゼンの少なくとも1種から選択される、請求項1の方法。
  7. ルイス酸が三フッ化ホウ素−ジエチルエーテレートである請求項1の方法。
  8. 出発PAEKに混合される酸がトリフルオロ酢酸である請求項1の方法。
  9. 更に、沈殿により溶液からポリ(アリールエーテルチオアセタール)を除去する工程を含んでなる、請求項1の方法。
  10. ポリ(アリールエーテルチオアセタール)の収率が80%より大きい、請求項1の方法。
  11. ポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)の可逆的可溶化反応であって、
    出発PAEKを溶媒および酸と混合する工程、ここで、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキシンおよび塩素化溶媒から選択される、
    PAEK混合物を、少なくとも1のチオアセタール基を有するポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成するのに十分な量のルイス酸およびチオール化合物と反応させる工程、および
    ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をヨウ化t−ブチルおよびジメチルスルホキシドの混合物と反応させて、ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をPAEKに転化させることによりチオアセタール基を外しカルボニル基をその位置に戻す工程、ここで、転化されたPAEKは出発PAEKのものと等しい固有粘度を有する、
    を含む方法。
  12. ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によりポリ(アリールエーテルケトン)PAEKを分析する方法であって、
    PAEKをチオール化合物およびルイス酸と反応させて可溶化する工程、ここで、可溶化によりPAEKは修飾されてポリ(アリールエーテルチオアセタール)が形成される、
    ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をGPCに適した溶媒中に溶解する工程、および
    ポリ(アリールエーテルチオアセタール)をGPCにかける工程
    を含んでなる方法。
  13. ポリマーマトリックス複合体を形成する方法であって、
    出発PAEKを溶媒および酸と混合する工程、ここで、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキシンおよび塩素化溶媒から選択される、
    PAEK混合物を、少なくとも1のチオアセタール基を有するポリ(アリールエーテルチオアセタール)を形成するのに十分な量のルイス酸およびチオール化合物と反応させる工程、
    ポリ(アリールエーテルチオアセタール)を含んでなる溶液中で複数の繊維を含浸させる工程、および
    熱および圧力の少なくとも一方の適用により繊維を圧縮する工程
    を含んでなる方法。
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