JP5505812B2 - 所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法 - Google Patents

所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法に関し、特に、マラソンや自転車等の競技スポーツへの参加者に対して、競技時間のシミュレーションや競技中の走行ペースの指示等の支援を容易かつ的確に行うことができる所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法に関する。
近年、健康志向の高まりにより、日常的にランニングやウォーキング、サイクリング等の運動を行い健康状態を維持、増進する人々が増えている。さらに、日常の運動を通して、マラソン大会や自転車レース等の競技への参加を目指す人も増加している。競技への参加を目指す人々の中では、競技での好成績を目標として、効率的かつ効果的なトレーニング方法への要望が高まっている。
従来、運動時の生体状態を把握する方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、心拍計や歩数計、GPS受信機(全地球測位システム;Global Positioning System)等の種々のセンサを装着して、心拍数や歩数、移動距離、消費カロリー等を測定したり、記録する方法が知られている。
マラソン大会等の競技への参加を目指している人達は、上記の生体状態を把握するための各種のデータに加え、持久力等の自己の運動能力を把握して、実際の競技において、どの程度の記録を出すことができるのか、あるいは、競技において目標とする記録を出すためにはどのようなトレーニングをして運動能力を高めればよいのか、ということに高い関心を持っている。
このような競技におけるシミュレーション方法については、例えばマラソン等の場合には、自己の基準となる任意の単位距離あたりの走行時間を測定しておき、この走行時間に運動強度の係数を掛けて算出する方法や、アメリカ合衆国の運動生理学博士Jack Daniels(ジャック・ダニエル)氏が提唱するVDOTに基づく算出表を用いる方法等が知られている。
また、例えば特許文献2に記載されているように、過去の運動履歴(生体状態や走行時間等)に基づいて、トレーニングを指導する手法や、予め目標を設定して競技中にリアルタイムで種々の情報を提供する手法も知られている。
特開2010−264246号公報 特表2008−524589号公報
上述したように、日常の運動やトレーニングとは異なる競技におけるシミュレーション方法によれば、過去の走行時間等のデータや運動能力に基づいて、例えばマラソンにおける完走時の予想時間等を算出することはできるが、実際のマラソンコースの特徴や、そのコースを走る際の運動能力を十分に考慮したものではなく、予想時間の精度や信頼性が低いという問題を有していた。
また、マラソン大会等の競技中に、目標時間を達成するためにはどのような走り方をすればよいのか等のアドバイスや指導方法についても、上記特許文献2には生体状態に関する情報や地理的情報が提供されるに過ぎず、目標達成のためのアドバイスとして適切なものではなかった。
そのため、競技への参加を目指す人々からは、日常の運動やトレーニングにより取得した走行時間等のデータや運動能力を有効に活用し、競技において目標を達成するための適切な支援ができるシステムや方法が求められていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、日常のトレーニングコースといったある経路を移動するのに要した時間に基づいて、競技コースといった別の経路を移動するのに要する時間を算出することができる所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法を提供することを目的とする。
本発明に係る所要時間算出システムは、
実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する所要時間算出部を備え、
前記所要時間算出部は、前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
ことを特徴とする。
本発明に係る所要時間算出プログラムは、
コンピュータに、
実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる際に、
前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる、
ことを特徴とする。
本発明に係る所要時間算出方法は、
実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する際に、
前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、ある経路を移動するのに要した時間に基づいて、別の経路を移動するのに要する時間を算出することができる。
本発明に係る所要時間算出システムの一実施形態を示す概略構成図である 一実施形態に係る所要時間算出システムに適用されるチェストセンサの一構成例を示すブロック図である。 一実施形態に係る所要時間算出システムに適用されるリストコーディネータの一構成例を示すブロック図である。 一実施形態に係る所要時間算出システムに適用される情報端末の一構成例を示すブロック図である 一実施形態に係る所要時間算出方法におけるデータベース構築方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係るデータベース構築方法において収集されるトレーニングデータの一例を示す概略図である。 一実施形態に係る所要時間算出方法におけるシミュレーション方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係るシミュレーション方法における競技コースとその地形データの一例を示す概略図である。 一実施形態に係るシミュレーション方法における予想時間の算出方法を示す概念図である。 一実施形態に係るシミュレーション方法により生成された運動支援情報の一例を示す図である。 一実施形態に係る所要時間算出方法における所要時間算出方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係る所要時間算出方法により競技中にユーザに提供される運動支援情報の表示例を示す概略図である。 本発明に係る所要時間算出システムの実施形態の変形例を示す概略構成図である。 一実施形態に係る所要時間算出システムに適用されるサーバの一構成例を示すブロック図である 本発明に係る所要時間算出システムの実施形態の第2変形例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法について、実施形態を示して詳しく説明する。なお、以下の説明では、競技の一例として、ユーザがマラソン大会に参加する場合について説明する。
(所要時間算出システム)
図1は、本発明に係る所要時間算出システムの一実施形態を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る所要時間算出システムに適用されるチェストセンサの一構成例を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係る所要時間算出システムに適用されるリストコーディネータの一構成例を示すブロック図である。また、図4は、本実施形態に係る所要時間算出システムに適用される情報端末の一構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係る所要時間算出システムは、図1(a)、(b)に示すように、概略、ユーザUSが装着するチェストセンサ10及びリストコーディネータ20と、情報端末30と、を有している。
チェストセンサ10は、少なくとも運動中のユーザUSの心拍数等の生体情報や運動状態を検出する胸部装着型のセンサであって、図1(a)に示すように、ユーザUSの胸部にベルトを巻き付けることにより装着される。チェストセンサ10は、具体的には、例えば図2に示すように、心拍検出回路11と、加速度センサ(第2のセンサ)12と、角速度センサ(ジャイロセンサ;第3のセンサ)13と、操作スイッチ14と、メモリ15と、通信回路16と、中央演算装置(以下、CPUと記す)17と、計時回路18と、動作電源19と、を備えている。
心拍検出回路11は、例えばチェストセンサ10をユーザUSの胸部に装着するためのベルト部材の内面側に設けられ、ユーザUSの胸部に直接密着するように配置された一対の電極(図示を省略)に接続されている。心拍検出回路11は、当該電極から出力される心電位信号の変化から心拍を検出する。検出された心拍数は、例えばメモリ15の心拍データ記憶領域に保存される。
加速度センサ12は、ユーザUSの運動中の動作速度の変化の割合(加速度)を計測する。また、角速度センサ13は、ユーザUSの運動中の動作方向の変化を計測する。この加速度センサ12により測定された加速度データ、及び、角速度センサ13により測定された角速度データは、上記の心拍検出回路11により検出された心拍データと関連付けられて、メモリ15の加速度データ記憶領域及び角速度データ記憶領域にそれぞれ保存される。なお、加速度データ及び角速度データは、後述するリストコーディネータ20に設けられるGPS受信回路(第1のセンサ)21において、GPS衛星からの電波の受信状態が不良又は受信不可の場合に、ユーザUSの位置を検出するための補完データとして利用される。したがって、加速度センサ12及び角速度センサ13は、ユーザUSの動作速度及び動作方向をより正確に把握するために、上半身の体幹に装着されていることが望ましい。
操作スイッチ14は、少なくとも電源スイッチを有し、動作電源19から供給される電源電圧を各構成に供給又は遮断して、チェストセンサ10の電源のオン、オフを制御する。メモリ15は、主に、上述した心拍検出回路11により検出された心拍データや、加速度センサ12により測定された加速度データ、角速度センサ13により測定された角速度データを相互に関連付けて保存する不揮発性メモリを有する。ここで、メモリ15は、心拍検出回路11やメモリ15、通信回路16における各種機能を実行するための制御プログラムが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。CPU17は、これらの制御プログラムに従って処理を行うことにより、心拍検出回路11や加速度センサ12、角速度センサ13、メモリ15、通信回路16の各種機能を実現する。なお、これらの制御プログラムは予めCPU17に組み込まれているものであってもよい。また、メモリ15を構成する不揮発性メモリ部分は、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体を有し、チェストセンサ10に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
通信回路16は、心拍検出回路11により検出された現時点の心拍データや、加速度センサ12により測定された現時点の加速度データ、角速度センサ13により測定された現時点の角速度データ、あるいは、メモリ15に保存された上記心拍データや加速度データ、角速度データを、リストコーディネータ20に伝送する際のインターフェースとして機能する。ここで、通信回路16を介してリストコーディネータ20に心拍データや加速度データ、角速度データを伝送する手法としては、例えば各種の無線通信方式や、通信ケーブルを介した有線による通信方式等を適用することができる。
無線通信方式により上記データを伝送する場合には、例えば近距離無線規格であるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の仕様のうち、低消費電力型の規格として策定されたブルートゥースローエナジー(Bluetooth(登録商標) low energy;Bluetooth(登録商標) LE)を良好に適用することができる。Bluetooth(登録商標) LEは、一般的なBluetooth(登録商標)と同様に、2.4GHz帯の周波数を利用する免許不要の小電力な電波を使った無線通信規格であり、非常に少ない電力でデータの伝送を行うことができるという特長を有している。そのため、例えばコイン型電池やボタン型電池、さらには、近年注目されている環境発電(エナジーハーベスト)技術により生成された小電力であっても、良好にデータ伝送を行うことができる。
CPU17は、計時回路18において生成される基本クロックに基づいて、所定の制御プログラムを実行し、心拍検出回路11や加速度センサ12、角速度センサ13、メモリ15、通信回路16における各動作を制御する。計時回路18は、リストコーディネータ20から送信される同期信号に基づいて基本クロックを生成し、当該基本クロックに基づいて、チェストセンサ10の各構成の動作タイミングを規定する動作クロックを生成する。これにより、チェストセンサ10はリストコーディネータ20との時間データの同期が図られる。このような同期動作は、リストコーディネータ20との間で、例えば一定の時間間隔で、又は、常時実行される。また、計時回路18は、上記の心拍データや加速度データ、角速度データの取得タイミングを計時して時間データとして出力する。この時間データは、上述した心拍データ、加速度データ、角速度データと関連付けられて、メモリ15の所定の記憶領域に保存される。
動作電源19は、上述したコイン型電池やボタン型電池のほか、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電技術による電源等を適用することができる。また、動作電源19は、このほか、リチウムイオン電池等の二次電池を適用するものであってもよい。
リストコーディネータ20は、少なくとも運動中のユーザUSの位置を検出するとともに、所定の情報やデータを表示する手首装着型又はリストバンド型のセンサであって、図1(a)に示すように、ユーザUSの手首にバンドを巻き付けることにより装着される。リストコーディネータ20は、具体的には、例えば図3に示すように、GPS受信回路21と、表示部22、操作スイッチ23と、メモリ24と、通信回路25と、CPU26と、計時回路27と、動作電源28と、を備えている。
GPS受信回路21は、複数のGPS(Global Positioning
System;全地球測位システム)衛星からの電波を受信することにより、緯度経度からなる地理的な位置(位置情報)、及び、その位置の高度(又は標高)(高度情報)を検出する。また、GPS受信回路21は、GPS衛星からの電波のドップラーシフト効果を利用して、ユーザUSの移動速度(走行速度)を検出する。検出された位置及び高度(地形データ)、移動速度等からなるGPSデータは、例えばメモリ24のGPSデータ記憶領域に保存される。
表示部22は、液晶表示パネル等の表示パネルを有し、少なくともマラソン大会等の競技中には、情報端末30において後述するシミュレーション処理により生成される各種の運動支援情報(詳しくは後述する)を表示する。また、表示部22は、上記の競技中やトレーニング中に、時刻情報やGPSデータ、上述したチェストセンサ10から伝送された心拍データ、あるいは、加速度データや角速度データに基づいて算出される各種の情報、例えば加速度データとユーザUSの体重データから算出される消費カロリー等を表示するものであってもよい。これらの情報は、表示パネルに複数の情報が同時に表示されるものであってもよいし、操作スイッチ23を操作することにより、1乃至複数の情報が順次表示されるものであってもよい。
操作スイッチ23は、少なくともモード切換スイッチ及び表示切替スイッチを有している。モード切換スイッチを操作することにより、例えば運動支援情報表示モードと、トレーニングデータ表示モードと、メニュー表示モードと、が切替制御される。運動支援情報表示モードは、後述するシミュレーション処理により生成される各種の運動支援情報を表示する。トレーニングデータ表示モードは、チェストセンサ10やリストコーディネータ20により取得された心拍データやGPSデータ、消費カロリー等のトレーニングデータ、ストップウォッチ等の時間情報を表示する。メニュー表示モードは、リストコーディネータ20における各種の設定(例えば時刻調整や通信方式の選択等)を行うためのメニュー画面を表示する。また、表示切替スイッチを操作することにより、各モードにおける画面表示が切り替えられる。
なお、上述した表示部22の表示パネルは、タッチパネルにより構成されているものであってもよい。この場合、モード切換スイッチや表示切替スイッチに加えて、又は、これらに替えて、表示パネル(タッチパネル)をタッチ操作することにより、上記と同様の表示を実現することができる。
メモリ24は、不揮発性メモリを有し、上述したチェストセンサ10から伝送された心拍データや加速度データ、角速度データ、及び、GPS受信回路21により検出されたGPSデータを相互に関連付けて保存する。また、メモリ24の不揮発性メモリ部分には、情報端末30において後述するシミュレーション処理により生成される各種の運動支援情報が保存される。ここで、メモリ24は、GPS受信回路21や表示部22、メモリ24、通信回路25における各種機能を実行するための制御プログラム(ソフトウェア)が記憶された読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。CPU26は、これらの制御プログラムに従って処理を行うことにより、GPS受信回路21や表示部22、メモリ24、通信回路25の各種機能を実現する。なお、これらの制御プログラムは予めCPU26に組み込まれているものであってもよい。また、メモリ24を構成する不揮発性メモリ部分は、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体を有し、リストコーディネータ20に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
通信回路25は、チェストセンサ10との間、及び、情報端末30との間で、各種のトレーニングデータや運動支援情報を伝送する際のインターフェースとして機能する。通信回路25は、上述した無線通信方式や有線通信方式を用いて、チェストセンサ10から心拍データや加速度データ、角速度データを受信するとともに、計時回路27において生成された基本クロックに基づく同期信号をチェストセンサ10に送信する。また、通信回路25は、チェストセンサ10から伝送され、メモリ24に保存された心拍データや加速度データ、角速度データ、及び、GPS受信回路21により検出され、メモリ24に保存されたGPSデータを、情報端末30に伝送する。また、通信回路25は、情報端末30から伝送された運動支援情報を受信する。ここで、通信回路25を介して情報端末30との間で、心拍データや加速度データ、角速度データ、GPSデータ等の各種トレーニングデータや各種運動支援情報を伝送する手法としては、例えば各種の無線通信方式や有線通信方式、メモリカードを介したデータ転送方式等を適用することができる。
情報端末30との間で上記各種トレーニングデータや各種運動支援情報を伝送する場合、無線通信方式を用いる場合には、例えばブルートゥースによる通信や赤外線通信等を良好に適用することができる。また、有線通信方式を用いる場合には、リストコーディネータ20と情報端末30を直接通信ケーブルで接続するものであってもよいし、情報端末30にケーブル接続されたデータ転送用ドックやパッドに、リストコーディネータ20を装着あるいは載置するものであってもよい。ここで、データ転送用ドックやパッドは、リストコーディネータ20と電極同士が直接接触することにより電気的に接続される接触型のデータ転送方式を適用するものであってもよいし、電極同士が直接接触することなく電気的に接続される非接触型のデータ転送方式を適用するものであってもよい。なお、有線通信方式を用いる場合には、リストコーディネータ20が通信ケーブルを介して、あるいは、データ転送用ドックやパッドを介して、情報端末30に接続されることにより、情報端末30から電力が供給されて、リストコーディネータ20の動作電源28が充電されることが望ましい。
CPU26は、計時回路27において生成される基本クロックに基づいて所定の制御プログラムを実行し、GPS受信回路21や表示部22、メモリ24、通信回路25における各動作を制御する。計時回路27は、基本クロックを生成する発振器を有し、当該基本クロックに基づいて、リストコーディネータ20の各構成の動作タイミングを規定する動作クロックを生成するとともに、チェストセンサ10との時間データの同期をとるための同期信号を生成する。また、計時回路27は、上記のGPSデータの取得タイミングを計時して時間データとして出力する。この時間データは、上述したチェストセンサ10から伝送された心拍データ、加速度データ、角速度データに関連付けられた時間データと対応付けて、メモリ24の所定の記憶領域に保存される。
動作電源28は、コイン型電池やボタン型電池、上述した環境発電技術による電源、リチウムイオン電池等の二次電池を適用することができる。なお、上述したように、リストコーディネータ20を情報端末30に接続することにより、リストコーディネータ20の動作電源28が充電される構成を有している場合には、動作電源28として二次電池が適用されていることはいうまでもない。
情報端末30は、図1(b)に示すように、例えばノートブック型やデスクトップ型、タブレット型のパーソナルコンピュータであって、ユーザUSによる操作及び情報の閲覧が可能なように、入力操作部と表示部を備えている。情報端末30は、具体的には、例えば図4に示すように、入力操作部31と、表示部32と、メモリ33と、トレーニングデータベース34と、通信回路35と、CPU36(所要時間算出部)と、計時回路37と、動作電源38と、を備えている。ここで、トレーニングデータベース34は、図4に示すように、情報端末30に内蔵されているものであってもよいし、図1(b)に示すように、情報端末30の外部に設けられ、接続ケーブルを介して接続されているものであってもよい。
入力操作部31は、キーボードやマウス、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を有し、ユーザUSの操作により、表示部32に表示される画面中の任意のアイコンやメニューが選択されたり、任意の情報が入力される。表示部32は、液晶表示パネル等の表示パネルやモニタを有し、上述したチェストセンサ10やリストコーディネータ20により取得された各種トレーニングデータや、当該トレーニングデータを蓄積したトレーニングデータベース34を用いたシミュレーション処理により生成された各種の運動支援情報を、数値やグラフ、表頭の所定の形態で表示する。なお、表示部32に表示される各種トレーニングデータや運動支援情報については、詳しく後述する。
メモリ33は、主に、上述したリストコーディネータ20から伝送された心拍データや加速度データ、角速度データ、GPSデータを相互に関連付けて保存するトレーニングデータメモリと、トレーニングデータベース34を用いたシミュレーション処理により生成された各種の運動支援情報を保存する運動支援情報メモリと、表示部32やメモリ33、トレーニングデータベース34、通信回路35における各種機能を実行するための制御プログラム(ソフトウェア)が記憶されたプログラムメモリを有する。CPU35は、これらの制御プログラムに従って処理を行うことにより、表示部32やメモリ33、トレーニングデータベース34、通信回路35の各種機能を実現する。
トレーニングデータベース34は、ユーザUSがマラソン大会等の競技に先立って行ったトレーニングの際に、上述したチェストセンサ10やリストコーディネータ20により取得された各種のトレーニングデータが、所定の保存形式で蓄積されている。トレーニングデータベース34は、後述する競技におけるシミュレーションにおいて、蓄積された多数のトレーニングデータから、競技コース(算出経路)の地形に対応するトレーニングデータが抽出される。なお、トレーニングデータベース34については、詳しく後述する。
通信回路35は、リストコーディネータ20との間で、各種トレーニングデータやシミュレーション処理により生成された運動支援情報を伝送する際のインターフェースとして機能する。通信回路35は、図1(a)、(b)に示すように、上述した無線通信方式や有線通信方式、メモリカードを介したデータ転送方式等を用いて、リストコーディネータ20から心拍データや加速度データ、角速度データ、GPSデータ等の各種トレーニングデータを受信する。また、通信回路35は、図1(a)、(b)に示すように、情報端末30におけるシミュレーション処理により生成された各種運動支援情報を、上述した通信方式や転送方式を用いて、リストコーディネータ20に送信する。
CPU36は、計時回路37において生成される基本クロックに基づいて所定の制御プログラムを実行し、表示部32やメモリ33、トレーニングデータベース34、通信回路35における各動作を制御する。計時回路37は、基本クロックを生成する発振器を有し、当該基本クロックに基づいて、情報端末30の各構成の動作タイミングを規定する動作クロックを生成する。
動作電源38は、ノートブック型やタブレット型のパーソナルコンピュータにおいては、リチウムイオン電池等の二次電池や、商用交流電源が適用される。また、デスクトップ型のパーソナルコンピュータにおいては、商用交流電源が適用される。
(所要時間算出方法)
次に、上述した所要時間算出システムにおける所要時間算出方法について説明する。
本実施形態に係る所要時間算出システムにおける所要時間算出方法は、大別して、トレーニング中にユーザUSの走行に関するデータベースを構築する段階であるデータベース構築方法と、競技コースの走行時間を算出する段階であるシミュレーション方法と、競技中に走行に関する情報をユーザUSに提供する段階である所要時間算出方法と、を有している。
データベース構築方法は、マラソン大会等の競技に先立って行うトレーニングにおいて、ユーザUSが装着したチェストセンサ10及びリストコーディネータ20により取得された各種のトレーニングデータを収集して、所定の保存形式で蓄積することによりトレーニングデータベース34を構築する。また、シミュレーション方法は、マラソン大会等の競技が行われるコースの地形に基づいて、トレーニングデータベース34から類似(又は一致)するコースデータを有するトレーニングデータを抽出して、当該競技における予想時間を算出するシミュレーション処理を行う。そして、所要時間算出方法は、シミュレーション処理により算出された予想時間を含む各種の運動支援情報をリストコーディネータ20に送信し、当該競技中の運動支援を行う。
以下、所要時間算出方法の各段階の方法について具体的に説明する。
(データベース構築方法)
図5は、本実施形態に係る所要時間算出方法におけるデータベース構築方法を示すフローチャートである。また、図6は、本実施形態に係るデータベース構築方法において収集されるトレーニングデータの一例を示す概略図である。ここでは、図1〜図4に示した構成を適宜参照しながら説明する。
本実施形態に適用されるデータベース構築方法は、図5のフローチャートに示すように、まず、トレーニング中のユーザUSの生体情報や運動状態を示す各種のトレーニングデータを収集する(S101)。具体的には、図1(a)、図2に示したように、ユーザUSが装着したチェストセンサ10により、トレーニング中の心拍データや加速度データ、角速度データが収集されて、時間データに関連付けてメモリ15に保存される。これらの心拍データや加速度データ、角速度データは、通信回路16を介して、例えば無線通信方式により、常時、又は、一定の時間間隔でリストコーディネータ20に伝送される。一方、図1(a)、図3に示したように、ユーザUSが装着したリストコーディネータ20により、トレーニング中の位置(緯度経度)や高度、移動速度データ等からなるGPSデータが収集されて、時間データに関連付けてメモリ24に保存される。
すなわち、この処理S101において収集されるトレーニングデータは、例えば図6(a)に示すように、所定のトレーニングコース(実測経路)RTxを図中の矢印方向に走行した場合に、例えば図6(b)に示すように、心拍数や消費カロリー、高度等の各数値が、時間データ(経過時間)に関連付けられている。そして、収集されたトレーニングデータは、グラフ化された状態で表示できる。なお、トレーニング中に収集された心拍データや加速度データ、角速度データ、GPSデータ、あるいは、これらのデータに基づいて算出される各種情報は、リストコーディネータ20の表示パネルに任意の形態で表示される。
そして、トレーニング終了後、収集した各種トレーニングデータは、通信回路25を介して、無線通信方式や有線通信方式、メモリカードによるデータ転送方式等により、パーソナルコンピュータ等の情報端末30に伝送される。これらのトレーニングデータは、時間データに関連付けて情報端末30のメモリ33に一時保存される。
次いで、図1(b)、図4に示したように、収集したトレーニングデータに含まれるGPSデータの緯度経度、高度からなるトレーニング時のコースデータと、当該トレーニング時の走行時間とを関連付けてトレーニングデータベース34に保存する(S102)。
このような一連の処理S101、S102を、異なる地形条件を有するトレーニングコースに対して繰り返し実行することにより、様々な地形(特に高低差)のコースに対して走行時間が関連付けられてトレーニングデータベース34に蓄積される(S103)。ここで、トレーニング時のコースデータに関連付ける情報は、当該トレーニング時の走行時間に限定されるものではない。例えば、走行時間に加えて、心拍データや消費カロリー等のトレーニングデータを関連付けるものであってもよい。さらに、トレーニング時の気温や湿度、風向等の天候情報や、当該トレーニング時のユーザUSの主観的情報(体調の善し悪しや疲労感、生活上の出来事)等を上記のトレーニングデータに含めて関連付けるものであってもよい。これらの情報は、情報端末30の入力操作部31を介して、ユーザUSが直接入力するものであってもよいし、例えば天候情報等については、インターネット上で公開されている当該地域の天気情報を取り込んで関連付けるものであってもよい。
なお、上述したデータベース構築方法により構築されるトレーニングデータベース34は、例えば、トレーニングコースと当該トレーニングコースの緯度経度、高度からなるコースデータが関連付けられて、トレーニングコース単位で保存されたコースデータ記憶領域と、トレーニングコースと当該トレーニングコースにおける走行時間が関連付けられて、トレーニングコース単位で保存された走行時間記憶領域と、を有するものを適用することができる。そして、これらの記憶領域をコース単位で対応付けることにより、コースの高低差(すなわち、高度変化)に基づいて対応する走行時間が抽出される。
(シミュレーション方法)
図7は、本実施形態に係る所要時間算出方法におけるシミュレーション方法を示すフローチャートである。また、図8は、本実施形態に係るシミュレーション方法における競技コースとその地形データの一例を示す概略図であり、図9は、本実施形態に係るシミュレーション方法における予想時間の算出方法を示す概念図である。図10は、本実施形態に係るシミュレーション方法により生成された運動支援情報の一例を示す図である。なお、情報端末30のCPU36は、所要時間算出部として、以下に説明するように機能する。
本実施形態に適用されるシミュレーション方法は、図7のフローチャートに示すように、まず、ユーザUSが参加するマラソン大会等のコース情報を取得する(S201)。具体的には、情報端末30により、マラソン大会の主催者等が開設しているインターネット等のネットワーク40上のウェブサイトに掲載されたコース情報や、主催者等から印刷物やDVD等の形態で提供されるコース情報を取り込む。
次いで、取得したマラソン等の競技コースを単位距離ごとの複数の区間に分割して、区間ごとの地形データを取得する(S202)。具体的には、一般に主催者等から提供されるコース情報は、例えば図8(a)に示すように、地図上にマラソン等の競技コースRTが重ね合わせて表示されているものに過ぎない。そこで、まず、ユーザUSは入手したコース情報に基づいて、競技コースRTを例えば1kmの単位距離ごとの複数の区間に分割する。そして、情報端末30により、インターネット等のネットワーク40上で提供されている地図サイトの地形データベースや、DVD等の形態で提供されている地図等で、各区間のコースの軌跡をプロットすることにより、当該区間の緯度経度及び高度に関するデータ(地形データ)を取得する。なお、地形データを提供する地図サイトとしては、例えばアメリカ合衆国のソフトウェア会社Google(登録商標)社がインターネット上で提供するGoogle Maps地図サービス等を利用することができる。
すなわち、この処理S202により、緯度経度に基づいて規定されるコース上の任意の位置(スタート地点から任意の距離位置)における高度を数値で取得し、取得した数値に基づいて、例えば図8(b)に示すように、地形データがグラフ化された状態で表示される。なお、主催者等から提供されるコース情報に、コース全体の緯度経度と高度に関するデータが付与されている場合には、当該データに基づいて、地形データをグラフ化された状態で表示することができる。
ここで、競技コースを複数の区間に分割する際の単位距離は、例えば、1kmや5km等の任意の距離に設定される。単位距離を短くするほど、競技におけるシミュレーションにおいて走行時間(予想時間)を正確に算出することができる。なお、当該単位距離を、競技コースの全長に比較して極端に短く設定した場合(例えば数百分の1)には本実施形態において実行するシミュレーション処理が煩雑になる場合がある。一方、当該単位距離を、例えば競技コースの全長の数分の1程度に設定した場合にはシミュレーション処理で算出される走行時間(予想時間)の精度が低くなる場合がある。本実施形態においては、例えば42.195kmのフルマラソンや、その半分の距離のハーフマラソンでは、上記の単位距離を1km程度に設定している。
次いで、競技コースの各区間の地形データに類似(又は一致)するコースデータを含むトレーニングコースを、トレーニングデータベース34から検索する(S203)。具体的には、競技コースの各区間について取得した数値やグラフ化された状態の地形データから、当該区間における高度変化を抽出する。そして、トレーニングデータベース34のコースデータ記憶領域を参照することにより、当該高度変化に類似するコースデータを有するトレーニングコースを検索して抽出する。
すなわち、この処理S203においては、例えば図8、図9(a)に示すように、競技コースの特定の区間(例えば2〜3km区間)について、取得した地形データから高度変化Aを抽出し、当該高度変化Aに基づいてトレーニングデータベース34のコースデータ記憶領域を参照することにより、図6、図9(b)に示すように、高度変化Aに類似するコースデータBを有するトレーニングコースを抽出する。
ここで、類似する高度変化を有するコースデータが複数存在する場合には、当該高度変化が最も一致する唯一のコースデータを有するトレーニングコースを抽出するものであってもよいし、一定の類似性のあるコースデータ(例えば高度変化の傾向が類似するものや、最高点及び最低点の高度が一定の範囲内にあって近似するもの、最高点または最低点の高度がより近いもの、最高点及び最低点の高度がより近いもの)を有する複数のトレーニングコースを抽出するものであってもよい。また、高度変化が類似または一致するコースデータが複数存在する場合は、複数のトレーニングコースのうち、トレーニングコースの走行区間が、競技コースの特定の区間(上記の2〜3km)に最も近いものを抽出するものであってもよい。すなわち、競技コースの特定の区間の始点または終点の当該競技コースの始点からの道のりが、トレーニングコースの走行区間の始点または終点の当該トレーニングコースの始点からの道のりにより近い、トレーニングコースの走行区間の地形データを抽出するものであってもよい。
次いで、抽出したトレーニングコースの、上記地形データに類似するコースデータから当該区間の走行時間を算出する(S204)。具体的には、トレーニングデータベース34の走行時間記憶領域を参照することにより、抽出されたトレーニングコースにおいて、競技コースの当該区間の高度変化に類似するコースデータに関連付けられた時間データ(経過時間)を抽出する。この抽出された時間データを用いて、トレーニング時の走行時間が算出される。
ここで、競技コースの全長に比較して、トレーニングの走行距離が短い場合、例えば、コース距離21.0975kmのハーフマラソンに対して、5〜10km程度のトレーニングを繰り返していた場合、上述したトレーニングデータベース34には、10kmまでのコースデータと走行時間が蓄積されているに過ぎない。そのため、競技において10km以降の特定の区間(例えば17km区間)の地形データに対応する走行時間を算出する場合、トレーニングデータベース34に蓄積されたコースデータと走行時間からは、当該区間におけるユーザUSの疲労度や走行時の特徴等が十分反映された走行時間を算出できない場合がある。
そこで、本実施形態においては、当該区間の高度変化にのみ類似するコースデータから算出されたトレーニング時の走行時間について、競技コースのスタート地点からの距離や、ユーザUSの疲労度、走行時の特徴等の要素を加味した所定の補完処理(又は補正処理)を行う。すなわち、競技コース上の各位置でのユーザUSの運動能力に応じた補完処理を行う。
本実施形態においては、種々の補完方法を適用することができるが、例えば、上述したJack Daniels氏が提唱するVDOTに基づく算出表を用いて、マラソン等の競技における疲労度や走行時間の変化傾向を加味した場合の、距離ごとの走行時間を算出する手法を適用することができる。また、他の補完方法として、次のような方法を用いてもよい。例えば体重(体格)や年齢、性別等の異なる複数のカテゴリに分けて、各カテゴリについて多数のユーザUSをサンプルにして、走行距離と走行時間を関連付けてトレーニングデータを収集する。収集されたトレーニングデータを統計的に処理することにより、各カテゴリについて概略の補完データや補完係数を取得する。そして、取得されたこれらの補完データや補完係数のうち、実際に走行時間を算出しようとしているユーザUSが所属するカテゴリに関する数値を、上記の算出された走行時間に対して適用するというものである。このような補完方法により、未知の(ユーザUSが経験したことのない)距離において、ユーザUSの疲労度や走行時の特徴等の要素を加味した走行時間を算出することができる。
次いで、上記の競技コースの各区間について算出した走行時間を予想時間として適用する(S205)。なお、上述したように、各区間の地形データに類似するコースデータを有するトレーニングコースが複数存在する場合には、当該地形データに対応して算出された複数の走行時間のうち、最速となる走行時間を予想時間として適用する。そして、上述した一連の処理S202〜S205を、競技コースの各区間について繰り返し実行することにより、マラソン等の競技コースの全区間に、トレーニングデータに基づく予想時間が適用される(S206)。
すなわち、この処理S204〜S205においては、図9(c)に示すように、競技コースの特定の区間の高度変化Aに類似するコースデータBを有するトレーニングコースについて、トレーニングデータベース34の走行時間記憶領域を参照することにより、当該コースデータBに関連付けられた時間データを抽出し、これに基づいて上述した補完処理を含めた走行時間を算出して、競技コースの当該区間の予想時間として適用する。そして、このような各区間における予想時間の算出を、競技コースの全ての区間について実行する。
次いで、競技コースの各区間に適用された予想時間(走行時間)を集計することにより合計時間が算出される(S206)。この合計時間は、当該競技コースを全区間完走した場合の予想時間(完走予想時間)に相当する。ここで、マラソン等の競技コースの各区間に適用される予想時間は、各区間の地形データに類似するコースデータに基づいて算出された走行時間のうち、最速のものであるので、当該予想時間及び完走予想時間は、当該競技における区間目標時間及び完走目標時間に相当する。
このようにして算出された各区間の予想時間や、当該予想時間に基づいて算出されるスタート時からの積算予想時間は、例えば図10に示すように、当該競技について取得した各種のコース情報(例えば、コース説明やコースポイント等)と関連付けて、シミュレーション結果として、情報端末30の表示部32に例えば表の形態で表示される。なお、図10においては、各区間の予想時間をラップタイムと表記し、スタート時からの積算予想時間をスプリットタイムと表記した。これらの「ラップタイム」及び「スプリットタイム」はマラソン等の競技において一般的に使用される用語である。
なお、本実施形態においては、競技コースの各区間について、上述した処理S202〜S205を繰り返し実行する場合について説明したが、競技コースの全区間について、各処理を一括して実行するものであってもよい。すなわち、競技コースの全区間について、地形データを順次取得する処理(S202)を実行し、次いで、全区間について類似する地形データを含むトレーニングコースを抽出する処理(S203)を実行し、次いで、各区間の走行時間を算出し(S204)、競技コースの各区間の予想時間として適用する処理(S205)を実行するものであってもよい。
(所要時間算出方法)
図11は、本実施形態に係る所要時間算出方法における所要時間算出方法を示すフローチャートである。また、図12は、本実施形態に係る所要時間算出方法により競技中にユーザに提供される運動支援情報の表示例を示す概略図である。
本実施形態に適用される所要時間算出方法は、図11のフローチャートに示すように、まず、上述したシミュレーション方法により得られたシミュレーション結果の一部又は全てを、運動支援情報としてリストコーディネータ20に転送する(S301)。具体的には、図10に示したような運動支援情報のうち、少なくとも各区間の予想時間を、情報端末30からリストコーディネータ20に転送し、メモリ24に保存する。
次いで、ユーザUSは参加するマラソン等の競技当日に、リストコーディネータ20を装着して、競技の開始と同時にリストコーディネータ20の操作スイッチ23を操作する(S302)。これにより、リストコーディネータ20における運動支援動作が開始される。
次いで、リストコーディネータ20に備えられたGPS受信回路21により取得されたGPSデータ(緯度経度からなる位置情報)に基づいて、ユーザUSの現在の走行位置を検出する(S303)。
次いで、検出されたユーザUSの現在の走行位置が含まれる区間の予想時間等を、メモリ24から読み出して、表示部22の所定の表示領域に表示する(S304)。ここで、上述したように、各区間の予想時間は、当該区間におけるユーザUSの目標時間となる。また、表示部22には、上記の予想時間(目標時間)に加え、GPS受信回路21により検出されたユーザUSの現在位置や移動速度に基づく、実測の区間走行時間や積算走行時間、総走行距離等が同時に表示される。すなわち、これらの実測値に基づく数値も、上述したシミュレーション結果と同様に、運動支援情報に含まれる。
このような一連の処理S303、S304を、競技中、ユーザUSの現在の走行位置に応じて繰り返し実行することにより、ユーザUSはリストコーディネータ20に表示されたシミュレーション結果や各種実測値からなる運動支援情報を確認して、目標となる完走時間を達成するために必要な動作(例えば移動速度の調整等)を行うことができる。
ここで、リストコーディネータ20の表示部22における表示例について説明すると、例えば図12(a)に示すような腕時計型のリストコーディネータ20において、表示部22の図面上段の表示領域には、ユーザUSの現在の走行位置が含まれる区間の予想時間(区間目標時間)が表示され、図面下段の表示領域には、実測値に基づく区間走行時間が表示される。また、表示部22の図面中段の左方の表示領域には、ユーザUSの現在の走行位置が含まれる区間番号が表示され、同右方の表示領域には、当該区間における現在の走行距離がインジケータにより表示される。なお、これらの表示は、数値で表示するものであってもよいし、インジケータやグラフ等で表示するものであってもよい。なお、図12(a)に示したリストコーディネータ20において、側部に設けられた押しボタンは、操作スイッチ23であって、例えば、上述したモード切換スイッチや表示切替スイッチ、あるいは、各区間の走行時間を計測するためのスイッチ、表示部22としてタッチパネルを適用した場合の画面ロックスイッチ等である。
そして、本実施形態における所要時間算出方法においては、上記のリストコーディネータ20の操作スイッチ23や表示部22のタッチパネルを適宜操作することにより、例えば図12(b)〜(e)に示すように、表示部22の図面下段の表示領域に表示される実測値の内容や種類を切り替えることができる。例えば図12(b)はユーザUSの現在の移動速度(ペース)が表示された状態を示している。また、図12(c)はスタート時からの積算時間(スプリットタイム)の実測値が表示された状態を示している。また、図12(d)はスタート地点からの走行距離の実測値が表示された状態を示している。また、図12(e)は現在時刻を示している。
なお、図12(a)〜(e)に示した表示例においては、表示部22の図面上段の表示領域に、各区間の予想時間(区間目標時間)を表示した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上述したデータベース構築方法において蓄積されたトレーニングデータに基づいて、シミュレーション方法において、各区間における予想移動速度(目標移動速度)を算出して、運動支援情報としてリストコーディネータ20に表示するものであってもよい。この場合のリストコーディネータ20における表示例を図12(f)〜(i)に示す。
すなわち、ユーザUSは、競技中に、現在の走行位置に応じて、例えば図12(a)に示した表示部22の上段に表示される区間目標時間(図中では「5’27”」)と、同下段に表示される、実測値に基づいて現在の走行方法を継続した場合の区間走行時間(図中では「5’35”」)とを比較して、区間目標時間に近づけるように移動速度を調整する。あるいは、例えば図12(f)に示した表示部22の上段に表示される目標移動速度と、同下段に表示される、実測値に基づく現在の移動速度とを比較して、目標移動速度に近づけるように移動速度を調整する。
以上説明したように、本実施形態によれば、マラソン等の競技において、実際の競技コースの地形と過去にトレーニングで走ったコースデータとを比較し、類似(又は一致)しているコースデータにおけるトレーニング時の走行時間に基づいて、実際の競技における完走時間や区間走行時間を予測することができ、さらに、当該情報を実際の競技中にユーザにリアルタイムに提示して、目標達成のための運動支援を行うことができる。
すなわち、一般に、マラソン等の競技において、完走目標時間等を予測するシミュレーション方法は、過去に走った任意の単位距離あたりの走行時間を、単純に競技コースの全長(例えば42.195km)に換算するだけのものや、この手法に疲労度や運動強度の係数を掛けて算出するものに過ぎなかった。このようなシミュレーション方法においては、実際の競技コースの特徴(特に地形)や、そのコースを走る際のユーザの運動能力を十分に考慮したものではなく、シミュレーション結果の精度や信頼性が低い場合があった。
そこで、本発明においては、実際の競技コースの地形データに類似(又は一致)するコースを走った過去のトレーニングデータから区間ごとの予想時間(目標時間)を算出することにより、競技コースの特徴やそのコースを走る際のユーザの運動能力が反映された、より実際の走行に近い状態での予想時間のシミュレーションを行うことができる。したがって、シミュレーション結果の精度や信頼性が高い予想時間を算出して、ユーザに適切な運動支援情報を提供することができる。
なお、本実施形態においては、競技中に、リストコーディネータ20の表示部22に、シミュレーション方法によるシミュレーション結果や、各種の実測値を運動支援情報として表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上述した所要時間算出方法において、実際の競技中に実測された各種の情報(GPS受信回路21により検出されたユーザUSの位置や高度、移動速度、実際の走行時間等)をメモリ24に保存し、競技終了後、通信回路25を介して、情報端末30に伝送して、上述したデータベース構築方法と同様に、これらの情報を相互に関連付けてトレーニングデータベース34に保存するものであってもよい。これによれば、競技におけるユーザUSの実際の走行時間や疲労度、走行の特徴等を取得することができるので、その後の競技のシミュレーションにおいて走行時間(予想時間)等をより正確に算出することができる。
(変形例)
次に、本発明に係る所要時間算出システム、所要時間算出プログラム及び所要時間算出方法の実施形態の変形例について説明する。
図13は、本発明に係る所要時間算出システムの実施形態の変形例を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して説明する。
上述した実施形態においては、情報端末30として、トレーニングデータベース34が内蔵又は接続ケーブルを介して接続されたパーソナルコンピュータを適用し、データベース構築方法及びシミュレーション方法を当該情報端末30により実行して、運動支援情報をリストコーディネータ20に転送して表示させる、いわゆるスタンドアロン型のシステムを示した。本発明はこれに限定されるものではなく、本変形例においては、クラウドコンピューティング型のシステムを有している。
すなわち、本変形例に係る所要時間算出システムは、例えば図13に示すように、上述した実施形態における情報端末30が接続されたネットワーク40と、ネットワーク40に接続されたサーバ50と、サーバ50に接続されたトレーニングデータベース60と、を有している。
情報端末30は、例えば図13(b)に示すように、少なくともインターネット等のネットワーク40への接続機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話機、高機能携帯電話機(いわゆるスマートフォン)、携帯情報端末(タブレット、PDA)、専用端末等を適用することができる。また、情報端末30は、上述した実施形態に示したトレーニングデータベース34が内蔵又は接続されていない。このような情報端末30におけるネットワーク40への接続方法としては、例えば光ファイバー回線網やADSL(非対称デジタル加入者)回線網等を経由してネットワーク40に接続する有線接続方式や、携帯電話回線網や高速モバイル通信回線網等を経由して接続する無線接続方式を適用することができる。
ネットワーク40は、インターネットであってもよいし、無線LAN(Local Area
Network)や有線LAN等の局所的なネットワークであってもよい。サーバ50は図13(c)に示すように、上述した実施形態と同等のトレーニングデータベース60を備えたアプリケーションサーバであって、情報端末30からネットワーク40を経由して送信(アップロード)された各種トレーニングデータを、上述した実施形態と同様の保存形式でトレーニングデータベース60に蓄積する。
サーバ50は、インターネット等のネットワーク40に接続され、トレーニングデータベース60を備えたアプリケーションサーバであって、オペレータによる操作および情報の閲覧が可能なように、入力操作部51と表示部52を備えている。また、サーバ50は、当該トレーニングデータデータベース60を利用してシミュレーションを行い、競技における運動支援情報を生成し、ネットワーク40を経由して情報端末30に送信(ダウンロード)する。すなわち、この変形例においては、サーバ50のCPU56が、所要時間算出部として機能する。さらに、サーバ50は、具体的には、例えば図14に示すように、入力操作部51と、表示部52と、メモリ53と、通信回路55と、CPU(特定情報生成処理部)56と、計時回路57と、動作電源58と、トレーニングデータベース60と、を備えている。
入力操作部51は、キーボードやマウス、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を有し、オペレータの操作により、表示部52に表示される画面中の任意のアイコンやメニューが選択されたり、任意の位置が指示される。表示部52は、液晶表示パネル等の表示パネルやモニタを有し、サーバ50の各種操作に関する情報を表示する。
メモリ53は、主に、上述した情報端末30から伝送された各種トレーニングデータを保存するデータメモリと、表示部52やメモリ53、通信回路55における各種機能を実行するための制御プログラム(ソフトウェア)が記憶されたプログラムメモリを有する。CPU56は、これらの制御プログラムに従って処理を行うことにより、表示部52やメモリ53、通信回路55の各種機能を実現する。
通信回路55は、ネットワーク40に接続された携帯端末30との間で、各種トレーニングデータを伝送する際のインターフェースとして機能する。通信回路55は、図13(c)に示すように、無線通信方式や有線通信方式、メモリカードを介したデータ転送方式を用いて、携帯端末30から各種トレーニングデータを受信する。
CPU56は、計時回路57において生成される基本クロックに基づいて所定の制御プログラムを実行し、表示部52やメモリ53、通信回路55における各動作を制御する。計時回路57は、基本クロックを生成する発振器を有し、当該基本クロックに基づいて、サーバ50の各構成の動作タイミングを規定する動作クロックを生成する。また、動作電源57は、商用交流電源が適用される。
このように、ネットワーク40に接続されたサーバ50がトレーニングデータベース60を備え、情報端末30としてネットワーク40への接続機能を備えた機器を用いることにより、情報端末30におけるデータベースの制御や、シミュレーション処理等の処理負担を大幅に軽減することができる。
また、情報端末30として、携帯電話機やスマートフォン等を適用する場合には、無線接続方式によるネットワーク40への接続機能が既に備わっているので、通信可能圏内であれば場所を問わず簡易に、取得したトレーニングデータをネットワーク40を介してサーバ50にアップロードすることができる。また、サーバ50において生成された運動支援情報を、ネットワーク40を介してダウンロードして閲覧することができる。さらに、トレーニングデータのアップロードや運動支援情報のダウンロード、各種情報の表示等を、パーソナルコンピュータや携帯電話機、スマートフォン等に組み込まれている一般的なウェブブラウザ上で操作が可能な形式とすることにより、これらの情報端末30を用いて、特別なソフトウェアを必要とすることなく、本発明の所要時間算出システム及び所要時間算出方法を簡易な構成で実現することができる。なお、第2変形例として、上述の変形例において、サーバ50のCPU56は、図15に示すように、有線または無線のネットワーク40を介して、トレーニングデータベース60からトレーニングデータを取得するようにしてもよい。
なお、上述した各実施形態においては、本発明の対称となる競技としてマラソン大会を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば自転車レースや登山、トレッキング等の種々の競技や運動にも適用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1] 実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する所要時間算出部を備え、
前記所要時間算出部は、前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
ことを特徴とする所要時間算出システムである。
[2] 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する際に、抽出された前記実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に対して、前記算出経路上の各位置での前記人体の運動能力に応じた補完処理を行うことを特徴とする[1]に記載の所要時間算出システムである。
[3] 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間の地形データに類似する前記実測経路の一部の区間の地形データが複数存在する場合に、複数の当該実測経路の一部の区間の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の最高点または最低点の高度が、前記実測経路の一部の区間の最高点または最低点の高度により近い、前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出することを特徴とする[1]または[2]に記載の所要時間算出システムである。
[4] 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間の地形データに類似する前記実測経路の一部の区間の地形データが複数存在する場合に、複数の当該実測経路の一部の区間の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の始点または終点の当該算出経路の始点からの道のりが、前記実測経路の一部の区間の始点または終点の当該実測経路の始点からの道のりにより近い、前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出することを特徴とする[1]または[2]に記載の所要時間算出システムである。
[5] 前記実測経路は地形の異なる複数の経路を含み、
前記所要時間算出部は、前記実測経路の前記複数の経路について求められる複数の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出することを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の所要時間算出システムである。
[6] 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動し、当該実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を検出する前記第1のセンサを備えることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の所要時間算出システムである。
[7] 前記所要時間算出部は、ネットワークを介して、前記第1のセンサが検出した前記位置情報および前記高度情報を取得することを特徴とする[6]に記載の所要時間算出システムである。
[8] 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の前記所定区間を移動する際に前記人体とともに移動し、当該実測経路上の各位置での前記人体の加速度および角速度を検出する第2のセンサおよび第3のセンサを備えることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の所要時間算出システムである。
[9] 前記所要時間算出部は、前記実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を、当該各位置を前記人体が通過した時刻に対応付けることによって、抽出された前記実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間を算出することを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の所要時間算出システムである。
[10] 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を、当該各位置を前記人体が通過した時刻に対応付けて記憶する記憶部を備えることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の所要時間算出システムである。
[11] 前記所要時間算出部は、ネットワークを介して、前記記憶部に記憶された前記位置情報および前記高度情報を取得することを特徴とする[10]に記載の所要時間算出システムである。
[12] コンピュータに、
実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる際に、
前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる、
ことを特徴とする所要時間算出プログラムである。
[13] 実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する際に、
前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
ことを特徴とする所要時間算出方法である。
US ユーザ
RT 競技コース
RTx トレーニングコース
10 チェストセンサ
20 リストコーディネータ(携帯機器)
21 GPS受信回路
22 表示部
30 情報端末(情報処理装置)
34 トレーニングデータベース
40 ネットワーク
50 サーバ(情報処理装置)
60 トレーニングデータベース

Claims (13)

  1. 実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する所要時間算出部を備え、
    前記所要時間算出部は、前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
    ことを特徴とする所要時間算出システム。
  2. 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する際に、抽出された前記実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に対して、前記算出経路上の各位置での前記人体の運動能力に応じた補完処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の所要時間算出システム。
  3. 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間の地形データに類似する前記実測経路の一部の区間の地形データが複数存在する場合に、複数の当該実測経路の一部の区間の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の最高点または最低点の高度が、前記実測経路の一部の区間の最高点または最低点の高度により近い、前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の所要時間算出システム。
  4. 前記所要時間算出部は、前記算出経路の一の区間の地形データに類似する前記実測経路の一部の区間の地形データが複数存在する場合に、複数の当該実測経路の一部の区間の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の始点または終点の当該算出経路の始点からの道のりが、前記実測経路の一部の区間の始点または終点の当該実測経路の始点からの道のりにより近い、前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の所要時間算出システム。
  5. 前記実測経路は地形の異なる複数の経路を含み、
    前記所要時間算出部は、前記実測経路の前記複数の経路について求められる複数の地形データの中から、前記算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の所要時間算出システム。
  6. 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動し、当該実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を検出する前記第1のセンサを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の所要時間算出システム。
  7. 前記所要時間算出部は、ネットワークを介して、前記第1のセンサが検出した前記位置情報および前記高度情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の所要時間算出システム。
  8. 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の前記所定区間を移動する際に前記人体とともに移動し、当該実測経路上の各位置での前記人体の加速度および角速度を検出する第2のセンサおよび第3のセンサを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の所要時間算出システム。
  9. 前記所要時間算出部は、前記実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を、当該各位置を前記人体が通過した時刻に対応付けることによって、抽出された前記実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間を算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の所要時間算出システム。
  10. 前記所要時間算出システムは、さらに、前記実測経路上の各位置の前記位置情報および前記高度情報を、当該各位置を前記人体が通過した時刻に対応付けて記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の所要時間算出システム。
  11. 前記所要時間算出部は、ネットワークを介して、前記記憶部に記憶された前記位置情報および前記高度情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の所要時間算出システム。
  12. コンピュータに、
    実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる際に、
    前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出させる、
    ことを特徴とする所要時間算出プログラム。
  13. 実測経路上の所定区間を人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記実測経路とは異なる算出経路上の所定区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する際に、
    前記実測経路上の前記所定区間を前記人体が移動する際に前記人体とともに移動する第1のセンサによって検出された当該実測経路上の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該実測経路の地形データの中から、複数の区間に分割された前記算出経路のうちの一の区間の各位置の位置情報および高度情報から求められる当該算出経路の一の区間の地形データに類似又は一致する前記実測経路の一部の区間の地形データを抽出して、抽出された当該実測経路の一部の区間を前記人体が移動するのに要した時間に基づいて、前記算出経路の一の区間を前記人体が移動するのに要する時間を算出する、
    ことを特徴とする所要時間算出方法。
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