JP5505322B2 - 後部車体構造 - Google Patents
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Description
例えば、590MPa級高張力鋼板を用いて車体を軽量化した場合、車体強度を確保しつつ従来鋼板と比較して約40%程度の軽量化が実現可能とされ、非常に大きな成果を期待することができる。
これは、温度履歴や成分等により鋼板の引張強度が向上しても、鉄のヤング率は一定であるため、車体構造が薄肉化されると、断面二次極モーメントが小さくなり、その結果、ねじり剛性が低下するためである。
したがって、車体を薄肉化して軽量化する場合、ねじり剛性を向上することが必要である。
図7は、ホワイトボディ(車体)100のねじり剛性測定方法を示す概念図を、図8は、リアアクスルセンタ100Rを基準とするフロントアクスルセンタ100Fのねじれに基づくねじり剛性を説明する図である。
ここで、ねじりトルクTによるねじれ角θ(rad)は小さいので、
θ≒tanθ=((δL+δR)/B) ;(Bは、フロントアクスルセンタ100FにおけるねじりトルクT負荷に係る車体幅寸法)と近似することができるため、
ねじり剛性値GJ=(T/(θ/ホイールベース長さL))
=(T・B・ホイールベース長さL)/(δL+δR)
となる。(例えば、「自動車の強度」(株式会社 山海堂 1990年10月30日 第2刷発行)参照)
請求項1に記載の発明は、フロアパネルと、前記フロアパネルの左右部分に形成されたリアホイールハウスと、前記リアホイールハウスに対応して設けられたリアストラットタワーと、前記リアホイールハウスのそれぞれに接続された左右のリアピラーとを備えた後部車体構造であって、前記リアストラットタワーには上部に第1の補強部材が設けられ、前記第1の補強部材は、上方に向かって延在し、前記リアストラットタワーより上方の部材と連結され、ストラット中心軸が、前記第1の補強部材の下側支持面と上側支持面を通過するように配置されていることを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車体構造の概略を示す図であり、符号1は、例えば、モノコックボディに係る車体構造を、符号10は後部車体構造を示している。
車体構造1は、構成する部材が、例えば、590MPa級高張力鋼により形成され、特に記載をしない場合、各部材は、スポット溶接により接続されている(なお、スポット溶接に関しては、適宜記載する。)。
また、リアホイールハウス20L、20Rは、フロアパネル15の左右部分に形成されたリアホイールハウス20L、20Rと対応する凹周縁部に、例えば、スポット溶接により接続されている。
左右のシートバックサイドパネル40L、40Rは、例えば、スポット溶接により、それぞれ左右のリアピラー50及びリアホイールハウス20の前部上側(側部も含む)に、上方を後方に向けて立設されており、シートの後側を支持するようになっている。
第1の補強部材71は、リアストラットタワー25の上部と、パーセルパネル60の下部に、例えば、スポット溶接で連結されている。なお、第1の補強部材71と、リアストラットタワー25、パーセルパネル60との連結は、アーク溶接、ボルト、リベット等による締結のほか、周知の連結手段を適用することができる。
また、図4に示すように、後部車体構造10を側面から見たときにも、第1の補強部材71の下部開口部、上部開口部及び第1の補強部材71の内側を、ストラット中心軸10Rの軸心が通過するようになっている。
また、左右のシートバックサイドパネル40L、40Rが上部壁部40Aにより連結せずに、パーセルパネル60を左右のシートバックサイドパネル40L、40Rに連結する構成としてもよい。
第2の実施形態に係る後部車体構造11が、第1の実施形態と異なるのは、補強構造80を備えている点である。
補強構造80は、第1の補強部材71に代えて、例えば、高張力鋼板を板金プレスにより成形した湾曲しながらL字型に屈曲する部品を、外方が膨らむように組み合わせてスポット溶接により接合した第1の補強部材81を備えている。
また、第1の補強部材81は、ストラット中心軸10Rの軸心が、後部車体構造11を側面視したとき、及び後方から見た場合に、下側開口部、上側開口部及び第1の補強部材81の内側を通過するように構成されている。
第3の実施形態に係る後部車体構造12が、第1の実施形態と異なるのは、補強構造85を備えている点である。
補強構造85は、第1の補強部材71に代えて、例えば、高張力鋼板を板金プレスにより成形した湾曲しながらC字型に屈曲する部品を、外方が膨らむように組み合わせてスポット溶接により接合した第1の補強部材86を備えている。
また、例えば、上記実施の形態においては、上方が拡径された円錐台形状の第1の補強部材71、逆L字形に形成された第1の補強部材81、C字形に形成された第1の補強部材86を用いる場合について説明したが、例えば、断面が四角をはじめとする多角形状、楕円形状、手方向の中央を太く形成した構成等、その他の形状を有する第1の補強部材を用いた補強構造としてもよい。
また、後部車体構造10、11、12を、後方から見た場合についても、ストラット中心軸10Rの軸心が、下側開口部、上側開口部及び第1の補強部材71、81、86の内側を通過するようにするかどうかは任意に設定することができる。
また、全体の車体構造1がモノコックボディからなる場合について説明したが、例えば、一部にフレーム構造を有するなど他の車体構造に適用してもよい。
また、本発明に係る後部車体構造10、11、12は、内燃機関を搭載した自動車のほか、ハイブリッド車、各車輪に電動機が設けられた電気自動車等に適用できることはいうまでもない。
10、11、12 後部車体構造
10R ストラット中心軸
15 フロアパネル
20 リアホイールハウス
25 リアストラットタワー
30 トランクルーム
40 シートバックパネル
40A 上部壁部
40L、40R シートバックサイドパネル
50 リアピラー
60 パーセルパネル(第2の補強部材)
70、80、85 補強構造
71、81、86 第1の補強部材
Claims (6)
- フロアパネルと、
前記フロアパネルの左右部分に形成されたリアホイールハウスと、
前記リアホイールハウスに対応して設けられたリアストラットタワーと、
前記リアホイールハウスのそれぞれに接続された左右のリアピラーと、を備えた後部車体構造であって、
前記リアストラットタワーには上部に第1の補強部材が設けられ、
前記第1の補強部材は、
上方に向かって延在し、前記リアストラットタワーより上方の部材と連結されて上方が拡径された円錐台形状に形成されていることを特徴とする後部車体構造。 - フロアパネルと、
前記フロアパネルの左右部分に形成されたリアホイールハウスと、
前記リアホイールハウスに対応して設けられたリアストラットタワーと、
前記リアホイールハウスのそれぞれに接続された左右のリアピラーと、を備えた後部車体構造であって、
前記リアストラットタワーには上部に第1の補強部材が設けられ、
前記第1の補強部材は、
上方に向かって延在し、前記リアストラットタワーより上方の部材と連結され、ストラット中心軸が、前記第1の補強部材の下側支持面と上側支持面を通過するように配置されていることを特徴とする後部車体構造。 - フロアパネルと、
前記フロアパネルの左右部分に形成されたリアホイールハウスと、
前記リアホイールハウスに対応して設けられたリアストラットタワーと、
前記リアホイールハウスのそれぞれに接続された左右のリアピラーと、を備えた後部車体構造であって、
前記リアストラットタワーには上部に第1の補強部材が設けられ、
前記第1の補強部材は、
上方に向かって延在し、前記リアストラットタワーより上方の部材と連結されて上方が拡径された円錐台形状に形成されるとともに、ストラット中心軸が、前記第1の補強部材の下側支持面と上側支持面を通過するように配置されていることを特徴とする後部車体構造。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の後部車体構造であって、
前記左右のリアピラーは、前記リアストラットタワーより上方に配置された第2の補強部材によって連結され、
前記第1の補強部材は、上部が前記第2の補強部材に連結されていることを特徴とする後部車体構造。 - 請求項4に記載の後部車体構造であって、
シートバックパネルを備え、
前記第2の補強部材は、前記シートバックパネルと連結されていることを特徴とする後部車体構造。 - 請求項4又は請求項5に記載の後部車体構造であって、
前記第2の補強部材は、パーセルパネルであることを特徴とする後部車体構造。
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