JP5659932B2 - 車両端部構造 - Google Patents

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本発明は、バンパリインフォースメントを備えた車両端部構造に関する。
バンパリインフォースメントとフロントサイドメンバとの結合部に牽引フックの取付部を配置し、該取付部に対し牽引フックがバンパリインフォースメントに形成されたフック孔を通じてアクセスするようにした構造が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−292175号公報
特許文献1の構成では、フック孔をフロントサイドメンバへの固定位置よりも車幅方向内側に配置している。このため、バンパリインフォースメントに車幅方向の慣性力等が作用した場合に、フック孔の周りに応力が集中しやすい。
本発明は、バンパリインフォースメントのフック孔周りへの応力集中を抑制することができる車両端部構造を得ることが目的である。
一態様に係る車両端部構造は、車幅方向の両端側で車体に固定されたバンパリインフォースメントにおける前記車体への固定部位に対する車幅方向外側に、前記車体に着脱されるフック部材を貫通させるフック孔が形成されている。
上記車両端部構造では、バンパリインフォースメントが車幅(長手)方向の両端側で車体に固定されている。このような構成において車両走行に伴ってバンパリインフォースメントに車幅方向の慣性力が作用すると、該バンパリインフォースメントに作用する曲げモーメントは、車体への固定部位で最大となり、該固定部位に対する車幅方向外側では小さくなる。したがって、バンパリインフォースメントにおける車体への固定部位に対する車幅方向外側部分は、作用する曲げモーメントが小さく、該部分に形成されたフック孔周りに応力が集中することが抑制される。
このように、上記車両端部構造では、バンパリインフォースメントのフック孔周りへの応力集中を抑制することができる。
請求項記載の発明に係る車両端部構造は、車幅方向の両端側のそれぞれにおいて複数の固定点で車体に固定されたバンパリインフォースメントの一端側における全ての前記固定点に対する車幅方向外側に、前記車体に着脱されるフック部材を貫通させるフック孔が形成されている。
請求項記載の車両端部構造では、バンパリインフォースメントが車幅(長手)方向の両端側で車体に固定されている。このような構成において車両走行に伴ってバンパリインフォースメントに車幅方向の慣性力が作用すると、該バンパリインフォースメントに作用する曲げモーメントは、車体への車幅方向内側の固定部位で最大となり、車幅方向外側の固定部位で0となる。したがって、バンパリインフォースメントにおける少なくとも車体への車幅方向内側の固定部位に対する車幅方向外側部分は、作用する曲げモーメントが小さくなり、該部分に形成されたフック孔周りに応力が集中することが抑制される。
このように、請求項記載の車両端部構造では、バンパリインフォースメントのフック孔周りへの応力集中を抑制することができる。
また、請求項記載の車両端部構造では、曲げモーメントが0となる部分にフック孔が形成されているので、バンパリインフォースメントにおけるフック孔周りに応力が集中することが効果的に抑制される。
請求項記載の発明に係る車両端部構造は、請求項記載の車両端部構造において、前記バンパリインフォースメントは、車両前後方向に直交する断面が閉断面とされた前記車体としての骨格部材に、正面視で前記閉断面の内側で固定されており、前記骨格部材における正面視で前記閉断面の内側には、前記フック部材が車両前後方向に着脱可能とされるフック取付部材が固定されている。
請求項記載の車両端部構造では、骨格部材の閉断面内では、該骨格部材へのバンパリインフォースメントの固定部位又は固定点に対する車幅方向内側よりも外側で作用する曲げモーメントが小さくなる。このため、骨格部材の閉断面に配置されたフック取付部材にアクセスするためのフック孔周りに応力が集中することが抑制される。
以上説明したように本発明に係る車両端部構造は、バンパリインフォースメントのフック孔周りへの応力集中を抑制することができるという優れた効果を有する。
第1の実施形態に係る車両前部構造の要部を拡大して示す正面図である。 第1の実施形態に係る車両前部構造の作用を説明するための図であって、(A)は車両旋回時にバンパリインフォースメントに曲げモーメントが作用する状態を模式的に示す平面図、(B)はバンパリインフォースメントの正面図、(C)は曲げモーメント図である。 第1の実施形態に係る車両前部構造の概略全体構成を示す斜視図である。 図1の4−4線に沿った断面図である。 図1の5−5線に沿った断面図である。 第2の実施形態に係る車両前部構造の要部を拡大して示す正面図である。 実施形態との比較例を示す正面図である。
本明細書において、「第2の実施形態」とあるのは、「参考例」と読み替えるものとする。
本発明の第1の実施形態に係る車両端部構造としての車体前部構造10について、図1〜図6に基づいて説明する。なお、図中に適宜記す矢印FRは車両前後方向の前方向を、矢印UPは車両上下方向の上方向を、矢印INは車幅方向内側を、矢印OUTは車幅方向外側をそれぞれ示す。以下の説明で、特記なく前後、上下の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
図3には、車体前部構造10の主要部が斜視図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造10は、車幅方向に長手とされフロントバンパの骨格部材となるバンパリインフォースメント12を備えている。バンパリインフォースメント12は、図示を省略したバンパカバーにて車両前方から覆われてフロントバンパを構成している。
バンパリインフォースメント12は、車幅方向の両端近傍にて、左右一対の車体骨格を成すフロントサイドメンバ16に支持されている。この実施形態では、バンパリインフォースメント12は、車幅方向の両端近傍で車両後方に向けて曲がった屈曲部又は湾曲部12Aに対し幅方向外側に位置する部分が傾斜部12Bとされている。なお、バンパリインフォースメント12は、平面視で全体として弧状に湾曲して形成されても良い。以下では、便宜上、バンパリインフォースメント12が車幅方向に沿って直線状を成すものとして説明(図示)する。
一対のフロントサイドメンバ16は、クラッシュボックス18を介して車幅方向の中央に対し同じ側に位置する傾斜部12Bに結合されている。なお、フロントサイドメンバ16のクラッシュボックス18への結合構造については後述する。
図3〜図5に示される如く、バンパリインフォースメント12は、第2部材としてインナパネル20と、第1部材としてアウタパネル22との接合により成る2部材構成とされている。なお、図4は、後述するフック部材40の装着状態が示されているが、通常は、図3に示される如くフック部材40は非装着とされる。
インナパネル20は、それぞれ接合部としての上フランジ20U、下フランジ20L、及び中間フランジ20Cを有する。上フランジ20Uと中間フランジ20Cとの間及び中間フランジ20Cと下フランジ20Lとの間には、それぞれ前向きに開口する断面「U」字状の凹形状部20Nが形成されている。
このインナパネル20は、鋼板のプレス加工により形成されている。したがって、インナパネル20における上下の凹形状部20N間には、後述する凹部12Nを成す凹形状部が後向きに開口して形成されている。すなわち、インナパネル20は、断面ハット形状の2部材を上下に連結した如く構成されている。この実施形態では、インナパネル20は、高張力鋼板にて構成されている。ここで、この実施形態(自動車用途)における高張力鋼板とは、例えば引張強さ(公称、以下同じ)が350MPa以上の自動車用鋼板をいい、引張強さが590MPa以上のものを超高張力鋼板という場合もある。インナパネル20は、高張力鋼板により構成されることで、薄肉化(0.8mm〜10mm)、軽量化が図られている。
また、この実施形態では、インナパネル20の上フランジ20U、下フランジ20L、及び中間フランジ20Cは、長手方向に直交する各断面において、前後方向の同じ位置に位置するように、略面一に形成されている。したがって、上フランジ20U、下フランジ20L、及び中間フランジ20Cは、それぞれインナパネル20(バンパリインフォースメント12)の最前部に位置する構成とされている。
アウタパネル22は、上フランジ20Uに接合される上フランジ22Uと、下フランジ20Lに接合される下フランジ22Lと、中間フランジ20Cに接合される中間フランジ22Cとを有する。上フランジ22Uと中間フランジ22Cとの間及び中間フランジ22Cと下フランジ22Lとの間には、それぞれ凹形状部20Nとで閉断面12Cを成す壁部22Wが形成されている。
この実施形態では、壁部22Wは凹形状部20Nの開口面に沿って該凹形状部20Nの開口部を塞ぐ構成されている。したがって、アウタパネル22は、上フランジ22U、中間フランジ22C、及び下フランジ22Lと、上下の壁部22Wとが、側断面視で鉛直方向に沿った同一直線上に配置されている。この実施形態では、アウタパネル22は、側断面視で前後に凸凹のないフラットな板状に形成されている。このアウタパネル22は、インナパネル20と同様に高張力鋼板のプレス加工により形成され、薄肉化(0.8mm〜10mm)、軽量化が図られている。
バンパリインフォースメント12は、上フランジ20Uと上フランジ22U、下フランジ20Lと下フランジ22L、中間フランジ20Cと中間フランジ22Cのそれぞれがスポット溶接にて接合されることで構成されている。なお、図1〜図3に示す「×」印は、スポット溶接の打点を示している。
以上によりバンパリインフォースメント12は、上下の閉断面12C間に後向きに開口した凹部12Nが形成された断面形状(「B」型断面)とされている。この実施形態では、左右のクラッシュボックス18が本発明の骨格部材に相当する。
(バンパリインフォースメントのクラッシュボックスへの接合構造)
以上説明したバンパリインフォースメント12は、クラッシュボックス18の前端に締結により固定されている。以下、具体的に説明する。
先ず、クラッシュボックス18の構成について補足する。図1に示される如く、クラッシュボックス18は、インナパネル24とアウタパネル26との接合により、長手(前後)方向に直交する断面視で閉断面構造とされている。この実施形態では、インナパネル24は車幅方向外向きに開口する略ハット形状の断面を有し、アウタパネル26は上下方向に沿った直線状の断面を有する。クラッシュボックス18は、インナパネル24の上下のフランジとアウタパネル26の上下端とのスポット溶接等にて接合されることで、上記の通り閉断面構造とされている。
また、クラッシュボックス18における閉断面部の前端は、図4及び図5に示されるカバー部材28にて閉止されている。カバー部材28は、インナパネル24の外周縁に溶接等によって接合されている。
この実施形態では、図1に示される如く、バンパリインフォースメント12は、車両前方から見てクラッシュボックス18の閉断面内の3箇所において、該クラッシュボックス18のカバー部材28に締結されている。具体的には、正面視でクラッシュボックス18の車幅方向の内端近傍の上下2箇所の固定点Ji、及び、上下の固定点Jiに対する車幅方向外側に配置された1箇所の固定点Joの3箇所で、バンパリインフォースメント12がクラッシュボックス18に締結により結合されている。
図5は、上下の固定点Jiを示す断面図である。この図5に示される如く、固定点Jiでは、インナパネル20の後壁20Rとカバー部材28とがボルト32及びナット30にて締結固定されている。図示は省略するが、固定点Joにおいても同様に、インナパネル20の後壁20Rとカバー部材28とがボルト32及びナット30にて締結固定されている。ナット30は、カバー部材28に固着されたウェルドナットとされている。
図1、図5に示される如く、バンパリインフォースメント12のアウタパネル22(壁部22W)には、ボルト32及び工具をナット30に対しアクセスさせるためのアクセス孔22Hが形成されている。
(フック取付構造)
図1(A)及び図2に示される如く、クラッシュボックス18の前端にはフック取付部材としてのパイプナット34が固定されている。パイプナット34は、一方(この実施形態では車両左側)のクラッシュボックス18のみに設けられている。具体的には、カバー部材28におけるクラッシュボックス18の閉断面を塞ぐ部分に、補強板36を介してパイプナット34が固定されている。すなわち、パイプナット34は、図1に示される如く正面視でクラッシュボックス18の閉断面内に配置されている。
図4に示される如く、パイプナット34の前部は、バンパリインフォースメント12の凹部12Nに入り込んでいる。このパイプナット34の配置スペースを確保するために、凹部12Nは、図1に示される如くパイプナット34の設置部位において他の部分よりも上下寸法が拡大されても良い。この場合、パイプナット34の設置部位において、バンパリインフォースメント12の上下方向の寸法を他の部分よりも大きくしても良い。
図1及び図4に示される如く、バンパリインフォースメント12には、固縛フックや牽引フック等のフック部材がパイプナット34にアクセスするためのフック孔38が形成されている。フック孔38は、凹部12Nの底を成すインナパネル20の中間フランジ20C、アウタパネル22の中間フランジ22Cのそれぞれに貫通孔38A、38Bを形成することで形成されている。この実施形態では、インナパネル20側の貫通孔38Aは、アウタパネル22の貫通孔38Bに対し同軸かつ若干小径とされている。
すなわち、インナパネル20における貫通孔38Aの孔縁は、パイプナット34に螺合により固定されたフック部材40の周面40Sに対し、アウタパネル22における貫通孔38Bの孔縁よりも近接して位置している。このインナパネル20における貫通孔38Aの孔縁と、フック部材40の周面40Sとの間隔は、所定間隔Dに決められている。この所定間隔Dは、フック部材40に上下方向又は車幅方向の所定の荷重が作用した場合に、インナパネル20における貫通孔38Aの孔縁とフック部材40の周面40Sとが接触する間隔として設定されている。所定の荷重は、例えばフック部材40が自動車を輸送船に固定するための船舶固縛フックである場合には、下向きに作用する固縛荷重に基づいて設定される。
以上説明したパイプナット34すなわちフック孔38は、図1に示される如く、バンパリインフォースメント12のクラッシュボックス18への固定点Ji、固定点Joに対する車幅方向外側に配置されている。すなわち、この実施形態では、フック孔38は、複数の固定点Ji、Joの全てに対する車幅方向外側に配置されている。
より具体的には、3つの結合部のうち車幅方向の最も外側に位置する固定点Joの中心Cを通る鉛直方向の仮想線IL1に対し、フック孔38が全体として車幅方向外側に配置されている。すなわち、仮想線IL1がフック孔38を横切ることがない配置とされている。この実施形態では、固定点Jo(ボルト32の頭部)の車幅方向外縁を通る仮想線IL2がフック孔38を横切ることがない配置とされている。この実施形態では、3つの固定点の一部又は全部の組み合わせ、又は各固定点のそれぞれが本発明の固定部位に相当する。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車体前部構造10が適用された自動車では、例えば旋回時には、図2(A)に模式的に示される如く、バンパリインフォースメント12には車幅方向の一方側(矢印A参照)への慣性力が作用する。左右一対のフロントサイドメンバ16にクラッシュボックス18を介して結合(拘束)されているバンパリインフォースメント12には、左右の支持点回りに曲げモーメントMbが作用する。
この曲げモーメントMbのモーメント図は、図2(C)に示される如くなる。すなわち、図2(B)及び図2(C)に示される如く、バンパリインフォースメント12の長手方向において、左右の固定点Jiで最大となるように該左右の固定点Ji間で分布し、固定点Joで0となるように該固定点Joと固定点Jiとの間で分布する。そして、固定点Joに対する車幅方向外側では、曲げモーメントMbは0となる。
例えば図7に示す比較例に係るバンパリインフォースメント100では、クラッシュボックス18への上下一対の固定点Ji’に対する車幅方向内側にフック孔102が配置されている。この比較例について補足すると、クラッシュボックス18の閉断面内におけるバンパリインフォースメント12のクラッシュボックス18への結合部は一対の固定点Ji’すなわち2ヶ所であり、アウタパネル26の前端に形成された前向きのフランジ104が後壁20Rと閉断面外で締結されている。そして、パイプナット34、フック孔38は、正面視でクラッシュボックス18の閉断面内に配置されている。
この比較例においては、曲げモーメントが最大となる上下一対の固定点Ji’に対する車幅方向内側にフック孔102が配置されている。換言すれば、正面視でのクラッシュボックス18の閉断面内における曲げモーメントの大きい範囲Xにフック孔102が配置されている。このため、車体前部構造10が適用された自動車の旋回時にはバンパリインフォースメント100におけるフック孔102の周りに応力が集中する。このため、バンパリインフォースメント100では、フック孔102の周りすなわち固定点Ji’の近傍で曲げ剛性が不足し、クラッシュボックス18に対する結合剛性が低くなる。特に、高張力鋼板の採用により薄肉化されたバンパリインフォースメント100では、要求強度に基づいて板厚を決めると、剛性が不足しやすい。このような低い結合剛性は、操縦安定性の悪化の原因となる。
これに対して車体前部構造10では、図1に示される如く、フック孔38が固定点Joに対する車幅方向外側に位置する。換言すれば、正面視でのクラッシュボックス18の閉断面内における曲げモーメントの作用しない範囲Yにフック孔38が配置されている。このため、バンパリインフォースメント12におけるフック孔38周りに旋回時の慣性力による応力集中が生じることはない。すなわち、バンパリインフォースメント12のフック孔38周りで作用する応力が緩和される。
このように、本実施形態に係る車体前部構造10では、バンパリインフォースメント12のフック孔38周りへの応力集中を抑制することができる。これにより、車体前部構造10では、バンパリインフォースメント12のクラッシュボックス18に対する所要の結合剛性が確保され、上記比較例と比べて適用された自動車の操縦安定性が向上する。
また、前面衝突の際にはバンパリインフォースメント12は、直接的に作用する荷重により曲げを受ける。この場合もフック孔38が固定点Joに対する車幅方向外側すなわち曲げモーメントを受けない位置に配置されていることにより、バンパリインフォースメント12におけるフック孔38の周りでの応力が緩和される。すなわち、車体前部構造10では、バンパリインフォースメント12が補強や板厚増加等に頼ることなく所要の前突性能を果たす。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る車体前部構造50について、車体前部構造10とは異なる部分を説明する。なお、基本的に車体前部構造10の構成部分と同じ構成部分には、第1の実施形態と同一の符号を付す。
図6には、図1に対応する正面図が示されている。この図に示される如く、車体前部構造50は、フック孔38が上下一対の固定点Jiに対する車幅方向外側であって、かつ固定点Joに対する車幅方向内側に配置されている点で、第1の実施形態とは異なる。すなわちフック孔38は、曲げモーメントが最大となる位置と0となる位置との間の範囲Zに配置されている。この実施系において、固定点Ji、Joは、それぞれ正面視でクラッシュボックス18の閉断面内に配置されている。したがって、これらの間に配置パイプナット34も正面視でクラッシュボックス18の閉断面内に配置されている。
この構成によっても、上記の比較例に係るバンパリインフォースメント100と比較して、フック孔38周りに作用する応力が緩和される。すなわち、固定点Jiに対する車幅方向内側で曲げモーメントが0となるのはバンパリインフォースメント12の車幅方向中央部であり、クラッシュボックス18の閉断面の外側とされる。一方、固定点Jiに対する車幅方向内側では、クラッシュボックス18の閉断面内に位置する固定点Joで曲げモーメントが0となる。このため、正面視でのクラッシュボックス18の閉断面内においては、固定点Jiに対する車幅方向内側よりも外側で曲げモーメントが小さくなる。
したがって、上記した通り、車体前部構造50においてもフック孔38周りに作用する応力が緩和され、上記比較例との比較において、操縦案転生の向上、前突性能の確保に寄与する。
なお、上記した各実施形態では、パイプナット34がバンパリインフォースメント12における凹部12Nに入り込む例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、パイプナット34の前部が後壁20Rに形成した貫通孔を通じて上下何れかの閉断面12C内に入り込むように、パイプナット34を上下方向にオフセットした構成としても良い。
また、上記した各実施形態では、バンパリインフォースメント12が高張力鋼板の2部材構成である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、バンパリインフォースメント12がアルミニウムの押し出し成形品であっても良く、また例えば鋼材のロール成形品であっても良い。
さらに、上記した各実施形態では、本発明が車体前部構造10に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両のリヤ側に本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施可能であることは言うまでもない。
10 車体前部構造
12 バンパリインフォースメント
18 クラッシュボックス(骨格部材)
34 パイプナット(フック取付部材)
38 フック孔
40 フック部材
50 車体前部構造
Ji、Jo 固定点(固定部位)

Claims (2)

  1. 車幅方向の両端側のそれぞれにおいて複数の固定点で車体に固定されたバンパリインフォースメントの一端側における全ての前記固定点に対する車幅方向外側に、前記車体に着脱されるフック部材を貫通させるフック孔が形成されている車両端部構造。
  2. 前記バンパリインフォースメントは、車両前後方向に直交する断面が閉断面とされた前記車体としての骨格部材に、正面視で前記閉断面の内側で固定されており、
    前記骨格部材における正面視で前記閉断面の内側には、前記フック部材が車両前後方向に着脱可能とされるフック取付部材が固定されている請求項1記載の車両端部構造。
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