JP2015104946A - アンダランプロテクタの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量穴を加工することにより効率よく軽量化を図りながら、要求される強度及び剛性を確保することができるようにした、アンダランプロテクタの構造を提供する。【解決手段】車体フレームの前部又は後部の左右のブラケットに取り付けられるアンダランプロテクタの構造であって、車両前後方向外側面部と車両前後方向内側面部31と上面部と下面部とを備え中空の閉断面を有するように構成され、内側面部31又は外側面部には、軽量穴62が形成され、軽量穴62には、アンダランプロテクタにおける各ブラケットに結合される結合領域の相互間の長手方向中間部に横並びに形成される複数の中間部軽量穴62a,62b,62cが含まれ、複数の中間部軽量穴62a,62b,62cは、アンダランプロテクタにおける各ブラケットにそれぞれ結合される結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径d4,d5,d6(d5>d4,d5>d6)に設定されている。【選択図】図9

Description

本発明は、車高の低い車両が衝突によって車高の高い車両の下側へもぐり込むのを抑制するアンダランプロテクタの構造に関するものである。
トラックなどの車高の高い車両の前部又は後部の下側に、普通自動車や軽自動車といった車高の低い車両がもぐり込んでしまうのを防止するために、前者の車体フレームの前部又は後部の下方に、アンダランプロテクタを設ける構造が実用化されている。
このアンダランプロテクタには、車両のもぐり込みを抑制するだけの強度及び剛性が少なくとも要求される。しかしながら、アンダランプロテクタの材料に、車両に広く用いられている鋼材を適用すると、重量が嵩んでしまう。
これに関し、重量を抑えつつ要求される強度及び剛性を確保するためのアンダランプロテクタが開発されている。例えば特許文献1には、アルミ材をアンダランプロテクタに用いることが示されている。これにより、重量を抑えつつ要求される強度及び剛性が確保されるとしている。
特開2004−175228号公報
しかしながら、アンダランプロテクタに何れの材料を適用する場合も、アンダランプロテクタの分だけ車両の重量増を招くので、可能な限りアンダランプロテクタの重量を抑えることが望まれている。そこで、軽量穴を加工することにより、アンダランプロテクタを軽量化することが考えられる。
この場合、軽量穴を明ける箇所やその明け方によっては、アンダランプロテクタの強度及び剛性を大幅に低下させてしまうことがある。
本発明の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、軽量穴を加工することにより効率よく軽量化を図りながら、要求される強度及び剛性を確保することができるようにした、アンダランプロテクタの構造を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。ただし、この他の目的は、請求項を限定するものではない。
(1)上記の目的を達成するために、本発明のアンダランプロテクタの構造は、車両の車体フレームの前部又は後部の左右のブラケットに取り付けられるアンダランプロテクタの構造であって、車両前後方向外側面部と車両前後方向内側面部と上面部と下面部とを備え中空の閉断面を有するように構成され、前記内側面部又は前記外側面部には、軽量穴が形成され、前記軽量穴には、前記アンダランプロテクタにおける前記各ブラケットに結合される結合領域の相互間の長手方向中間部に横並びに形成される複数の中間部軽量穴が含まれ、前記複数の中間部軽量穴は、前記アンダランプロテクタにおける前記各ブラケットにそれぞれ結合される結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されている
ことを特徴としている。
(2)前記複数の中間部軽量穴は、前記アンダランプロテクタの長手方向両端部に車両前後方向外側から加わる荷重に対する前記アンダランプロテクタの曲げモーメント分布に対応するように、前記結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されていてもよい。
(3)前記中間部軽量穴には、正面視が矩形の矩形形状穴が含まれていてもよい。
(4)前記アンダランプロテクタは、車両前後方向外側に配置された外側パネルと、車両前後方向内側に配置された内側パネルとが、中空の閉断面を有するように結合されて構成されていてもよい。
(5)前記外側面部と前記内側面部と前記上面部と前記下面部とは何れも平板状に形成され、前記アンダランプロテクタの前記閉断面は矩形閉断面であってもよい。
(6)この場合、前記軽量穴には、前記内側面部における前記結合領域よりも車体外方の各端部領域に配設された複数の端部軽量穴が含まれ、前記複数の端部軽量穴は、前記結合領域から離隔する車体外方のものほど上下方向に大きな穴径に設定されていてもよい。
(7)また、前記アンダランプロテクタは、断面がチャンネル形状の外側パネルと、断面がチャンネル形状又は直線形状の内側パネルとが、中空の閉断面を有するように結合されて構成され、前記外側面部は前記外側パネルのウェブ部により構成され、前記内側面部は前記内側パネルのウェブ部により構成され、前記上面部及び前記下面部は前記外側パネルのフランジ部又は前記内側パネルのフランジ部により構成されていてもよい。
(8)この場合、前記外側パネルは、長手方向両端部に前記内側パネルへ接近するように屈曲形成された端部屈曲部を有し、前記内側パネルは、長手方向に均一断面形状に形成されていてもよい。
本発明のアンダランプロテクタの構造によれば、外側面部又は内側面部にアンダランプロテクタの長手方向に並んで形成された複数の中間部軽量穴が、各ブラケットに結合される結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されているため、アンダランプロテクタの軽量化を効果的に促進しながら要求される強度及び剛性を確保することができる。
本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタ及びその周辺の要部の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの上面図であり、アンダランプロテクタに作用する曲げモーメントの大きさをアンダランプロテクタに重ねて示している。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの外側パネルを単体で示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの外側パネルを単体で示す上面図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの内側パネルを単体で示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの断面図であり、(a)は結合領域の横断面を示し、(b)は中間領域又は端部領域の横断面を示す。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタから外側パネルを外して示す正面図であり、アンダランプロテクタに作用する曲げモーメントをともに示す。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタから外側パネルを外し、車幅方向端部及びその周辺を拡大して示す要部正面図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタから外側パネルを外し、車幅方向中心及びその周辺を拡大して示す要部正面図である。 本発明の一実施形態にかかるアンダランプロテクタの補強パネルを単体で示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかるアンダランプロテクタは、トラックなどの車両(以下、単に「車両」と呼ぶ。)の前部又は後部に装備される。
車両の前部に設けられたアンダランプロテクタは、「フロントアンダランプロテクタ」や「FUP」などとも称され、車両の前部の下側に車高の低い車両がもぐり込むことを抑制する。また、車両の後部に設けられたアンダランプロテクタは、「リヤアンダランプロテクタ」や「RUP」などとも称され、車両の後部の下側に車高の低い車両がもぐり込むことを抑制する。
一般的に、フロントアンダランプロテクタは、車幅方向端部がバンパに沿った形状、具体的には車幅方向外側へ向かうに連れて車両後方に向かうような形状に形成されている。一方、リヤアンダランプロテクタは、一般的に、車幅方向に沿って直線状に形成されている。
以下の説明では、車両において、その前進方向を前方とし、前方を基準に左右方向を定め、前方の逆方向を後方とし、重力の作用方向を下方とし、その逆方向を上方とし、これらの前後方向及び上下方向の何れにも直交する方向を車幅方向とする。
さらに、車両の内側とは、車両の中心側を意味し、逆に、車両の外側とは、車両の中心側の逆側を意味する。このため、車両の前部に取り付けられるフロントアンダランプロテクタにおいては、車両の前後方向内側が車両後側を意味し、車両の前後方向外側が車両前側を意味する。逆に、車両の後部に取り付けられるリヤアンダランプロテクタにおいては、車両の前後方向内側が車両前側を意味し、車両の前後方向外側が車両後側を意味する。また、アンダランプロテクタにおいて、単に内側及び外側というときには、中空の空間側が内側であり、その逆側が外側を意味する。
以下の実施形態では、車体フレームの前部に設けられたフロントアンダランプロテクタ(以下、単に「アンダランプロテクタ」という)を例示して説明する。
〔一実施形態〕
[1.構成]
はじめに、本実施形態にかかるアンダランプロテクタの周辺構造について説明する。
図1に示すように、アンダランプロテクタ10は、その長手方向が車幅方向に沿って延びるように車体フレーム1の前部1aの下方に配設される。このアンダランプロテクタ10は、車両において車体フレーム1の前部1aの左右に対をなして設けられたブラケット5,5のそれぞれに取り付けられる。
[1−1.周辺構造]
以下、車体フレーム1,ブラケット5の順に各構成を説明する。
[1−1−1.車体フレーム]
車体フレーム1は、いわゆる梯子型フレーム(「ラダーフレーム」とも称される)として構成されている。この車体フレーム1は、左右一対のサイドフレーム2,2と、クロスメンバ3とを備えている。
サイドフレーム2,2は、互いに車幅方向に所定の間隔をおいて車両の前後方向に沿ってそれぞれ設けられている。これらのサイドフレーム2,2は、車幅(車両の全幅)よりも車両の中心側にそれぞれ設けられ、サイドフレーム2,2よりも車幅方向外側には図示省略する車輪や車体の側部などが配置されている。なお、サイドフレーム2,2は、車幅方向中心を基準に左右対称の配置及び形状とされている。このため、以下の説明では、一方(ここでは左方)のサイドフレーム2に着目して説明し、他方のサイドフレーム2についての説明は省略する。
サイドフレーム2は、車幅方向に沿った鉛直断面がコの字状、即ち、チャンネル形状に形成されている。各サイドフレーム2は、立設されたウェブ部2aとその上下端縁から車幅方向内側に突出するように同方向に屈曲形成されたフランジ部2b,2bとを有している。
クロスメンバ3は、車幅方向に沿って設けられている。なお、図1では、車体フレーム1において前部1aに設けられたクロスメンバ3のみを示すが、このほかに、前後方向に所定の間隔を置いて図示省略する複数のクロスメンバが設けられている。
このクロスメンバ3は、前後方向に沿った鉛直断面がコの字状、即ち、チャンネル形状に形成されている。また、クロスメンバ3は、立設されたウェブ部3aとその上下端縁から同方向に屈曲形成されたフランジ部3b,3bとを有している。なお、ここでは、クロスメンバ3のフランジ部3b,3bは、車両後側へ向けて突出するように屈曲形成されている。
クロスメンバ3における車幅方向の各端部は、サイドフレーム2,2に結合され、サイドフレーム2,2を相互に接続している。なお、例えば、クロスメンバ3とサイドフレーム2,2との間に図示しないガセットが介装され、このガセットにクロスメンバ3及びサイドフレーム2,2がそれぞれ接合され、ガセットを介してクロスメンバ3とサイドフレーム2,2とが結合されてもよい。また、クロスメンバ3における車幅方向の各端部に、対応するサイドフレーム2のウェブ部2aと重合する面部(図示省略)が形成され、この面部とサイドフレーム2のウェブ部2aとが接合されてもよい。
サイドフレーム2,2及びクロスメンバ3は、何れも図示省略するエンジンや変速機といった駆動系の各構成,キャブ(運転台),荷台やアクセサリといった架装物などが取り付けられて、これらを支持する車体フレーム1をなしている。このように、重量物が取り付けられるサイドフレーム2,2及びクロスメンバ3は、強度及び剛性が十分に確保されている。
[1−1−2.ブラケット]
ブラケット5,5は、左右一対で設けられ、アンダランプロテクタ10を車体フレーム1に取り付けるためのものであり、車体フレーム1の前部1aに取り付けられている。具体的には、左方に配置されたサイドフレーム2の前部に左方のブラケット5が取り付けられ、同様に、右方に配置されたサイドフレーム2の前部に右方のブラケット5が取り付けられている。このように、アンダランプロテクタ10は、車幅方向に所定の間隔をおいて、各ブラケット5に対応する箇所(二箇所)で支持される。なお、ブラケット5,5は、車幅方向中心を基準に左右対称の配置及び形状とされている。
これらのブラケット5,5は、車体フレーム1に対してこれよりも低い位置にアンダランプロテクタ10を設けるために、車体フレーム1(ここでは、サイドフレーム2,2)から下方に向けて設けられている。また、アンダランプロテクタ10には、前方からの荷重に対抗することが要求されるため、アンダランプロテクタ10がブラケット5,5の前方に結合され、ブラケット5,5がアンダランプロテクタ10を後方から支持するようになっている。
ブラケット5の構造としては、さまざまなものを採用することができるが、ここでは、以下に示す構造を採用している。なお、ここでは、一つのブラケット5(図1では左方のブラケット5)に着目して説明する。
ブラケット5は、車幅方向内側から順に、第一パネル部材6,第二パネル部材7,第三パネル部材8を有している。
第一パネル部材6は、サイドフレーム2において前後方向且つ上下方向に向けて配置されたウェブ部2aの外向き面に沿って設けられている。この第一パネル部材6には、サイドフレーム2のウェブ部2aに接合される平板状の本体部6aと、この本体部6aの前縁部に屈曲形成された補強用のフランジ部6bと、本体部6aの後縁部に屈曲形成された補強用のフランジ部6cとが形成されている。
第一パネル部材6の本体部6aは、その上部がサイドフレーム2のウェブ部2aに接合され、その下部に第二パネル部材7及び第三パネル部材8が重合され接合されている。ここでは、前縁のフランジ部6bが本体部6aから車幅方向内側に向けて屈曲形成され、後縁のフランジ部6cが本体部6aの上部及び下部に亘って車幅方向外側に向けて屈曲形成されている。
第二パネル部材7及び第三パネル部材8は、本体部6aの下部の外向き面にこの順で重合され接合される本体部7a,8aを有している。第二パネル部材7の前縁部には、車幅方向内側へ向かうとともに左右方向且つ上下方向に沿った取付面9aを有する取付部7bが屈曲形成され、第三パネル部材8の前縁部には、車幅方向外側へ向かうとともに左右方向且つ上下方向に沿った取付面9bを有する取付部8bが屈曲形成されている。
取付部7b,8bのそれぞれの取付面9a,9b(以下、まとめて「取付面9」という)は同一平面上に配置され、取付面9には、アンダランプロテクタ10の後面部(後述するアンダランプロテクタ本体10Aの後面部10bに対応)が重合され結合されている。
また、第二パネル部材7の後縁部及び第三パネル部材8の後縁部には、補強用のフランジ部7c,8cが車幅方向外側に向けて屈曲形成されている。
なお、サイドフレーム2,クロスメンバ3,ブラケット5といった各部材どうしの接合手法としては、プラグ溶接や隅肉溶接といった溶接による結合や、リベット,ボルト及びナットを用いた結合などのさまざまな公知の結合手法を用いることができる。
[1−2.アンダランプロテクタ]
次に、アンダランプロテクタ10の構造について説明する。
アンダランプロテクタ10は、車幅方向全域に亘るように配置されている。このアンダランプロテクタ10は、図1及び図2に示すように、その長手方向(車幅方向)の中心部分と両端部分との間の領域(以下、「結合領域」という)11,11がブラケット5,5(図2では第二パネル部材7及び第三パネル部材8のみを図示し、第一パネル部材6は図示省略する)に対してそれぞれ結合されている。このアンダランプロテクタ10の領域としては、結合領域11,11よりも車幅方向外方の領域(以下、「端部領域」という)12と、結合領域11,11の相互間であって結合領域11,11よりも車幅方向内方の領域(以下、「中間領域」という)13とが挙げられる。
つまり、アンダランプロテクタ10は、その長手方向の一端部から他端部へ向けて、端部領域12,結合領域11,中間領域13,結合領域11,端部領域12の順の五領域に大別することができる。
中間領域13の車幅方向外方には、左右のブラケット5,5にそれぞれ結合され支持される結合領域11,11が設けられているため、中間領域13は両持ち梁の構造となっている。また、端部領域12,12の車幅方向内方には、それぞれに対応する結合領域11,11が設けられているため、端部領域12,12は片持ち梁の構造となっている。
ところで、アンダランプロテクタ10に要求される強度及び剛性を計る指針としては、例えば、保安基準の試験方法で示されるような図2に示す荷重P1,P2,P3を用いることが挙げられる。具体的には、荷重P1,P2,P3をアンダランプロテクタ10に入力し、これらの荷重P1,P2,P3にアンダランプロテクタ10が耐える(持ちこたえる)ことができれば、要求される強度及び剛性が確保されたものとすることができる。
荷重P1,P2,P3は、アンダランプロテクタ10の図2に示す車幅方向個所において、何れも前後方向且つ水平方向に沿った方向で前方からアンダランプロテクタ10に入力される。
荷重P1は、端部領域12に入力されるものである。ここでは、荷重P1が、端部領域12において車幅方向端部から所定長さだけ車幅方向内側に入力されるものを説明する。
荷重P2は、結合領域11に入力されるものである。この荷重P2は、アンダランプロテクタ10におけるブラケット5の取付点Sに入力される。ここでは、ブラケット5の第一パネル部材6(図1参照)と第二パネル部材7との接合面に対応する箇所、言い換えれば、ブラケット5の取付面9の車幅方向中央部(面芯)を取付点Sとして説明する。
荷重P3は、中間領域13の中心部に入力されるものである。この荷重P3は、中間領域13の長手方向中央、即ち、アンダランプロテクタ10における車幅方向中心Cに入力される。
荷重P1,P2,P3のそれぞれには、各国の法規に対応した保安基準などに示された大きさの荷重を用いることができる。なお、荷重P1,P2,P3が面状に入力される場合には、その面芯を入力点として扱うことができる。
このように、荷重P2はブラケット5に支持される結合領域11に入力されるのに対し、荷重P1及び荷重P3はブラケット5から梁構造の端部領域12及び中間領域13に入力される。このため、アンダランプロテクタ10には、荷重P1,P3による曲げモーメントが作用する。
この曲げモーメントの大きさは、入力される荷重のみならず、梁構造の支持形態や、荷重の入力点(いわば力点)や梁構造の支点(ここではブラケット5の取付点S)からの距離に応じて異なる。荷重P1は片持ち梁構造の自由端側に加わるので支点(結合領域11)に極めて大きな曲げモーメントが作用する。一方、荷重P3は、両持ち梁構造の中心部分に加わるのでこの入力点と両支点とで曲げモーメントの方向が反転し、荷重P1によって支点に作用する曲げモーメントに比べ、入力点及び両支点での曲げモーメントの大きさは抑えられる。
したがって、アンダランプロテクタ10において、荷重P1による曲げモーメントの大きさに対応できることが重要である。そこで、片持ち梁構造の端部領域12に入力される荷重P1による曲げモーメントに着目して説明する。
図2に太実線で示すように、車両左側の端部領域12において荷重P1が入力されたときには、車両左側の結合領域11におけるブラケット5の取付点Sと荷重P1の入力点との距離に応じて曲げモーメントが作用する。
したがって、車両左側の端部領域12に荷重P1が入力されたときには、車両左側のブラケット5の取付点Sに最も大きな曲げモーメントが作用する。言い換えれば、荷重P1が入力されたときの曲げモーメントの大きさは、アンダランプロテクタ10の端部領域12において、荷重P1の入力点からブラケット5の取付点Sに近づくに連れてリニア(直線状)に増加する。このため、アンダランプロテクタ10の端部領域12(ここでは車両左側)では、車幅方向内方に向かうに連れて、要求される断面二次モーメントの大きさが増大するものといえる。
同様に、車両右側の端部領域12において荷重P1が入力されたときの曲げモーメントの大きさは、図2に太破線で示すように、アンダランプロテクタ10の車両右側の端部領域12において、荷重P1の入力点から車両右側のブラケット5の取付点Sに近づくに連れてリニアに増加する。
車両左側の端部領域12に入力された荷重P1による曲げモーメントの大きさは、アンダランプロテクタ10の中間領域13では結合領域11,11がブラケット5,5に結合されて支持された両持ち梁の構造となっているため、図2に太実線で示すように、車両左側のブラケット5の取付箇所Sから車両右側のブラケット5の取付箇所Sへ向けてリニアに減少する。また、図2に太破線で示すように、車両右側の端部領域12に入力された荷重P1による曲げモーメントの大きさは、中間領域13では車両右側のブラケット5の取付箇所Sから車両左側のブラケット5の取付箇所Sへ向けてリニアに減少する。
アンダランプロテクタ10が装備される車両と他の車高の低い車両とがオフセット衝突する際には、アンダランプロテクタ10において車両左側及び車両右側の何れか一方の端部側に荷重が入力される。したがって、アンダランプロテクタ10には、車両左側及び車両右側の何れに荷重が入力されたとしても対抗可能な剛性が要求される。すなわち、アンダランプロテクタ10の中間領域13では、車両左側の端部領域12に荷重P1が入力されたときの曲げモーメントと車両右側の端部領域12に荷重P1が入力されたときの曲げモーメントとのうち大きい方の曲げモーメントに対抗可能な剛性が要求される。このため、アンダランプロテクタ10の中間領域では、ブラケット5,5の取付箇所S,Sから車幅方向中心Cに向かうに連れて、要求される断面二次モーメントの大きさが減少するものといえる。
以下、アンダランプロテクタ10を構成する各部材を説明する。
なお、アンダランプロテクタ10はフロントアンダランプロテクタなので、車両の前後方向外側を車両前側とし、車両の前後方向内側を車両後側として説明する。
図1に示すように、アンダランプロテクタ10は、アンダランプロテクタ本体10Aと、このアンダランプロテクタ本体10Aを補強する補強パネル部40,40(何れも破線で示す)とを備えている。なお、アンダランプロテクタ10における長手方向の端部には、各端部を覆う図示しないキャップが設けられていてもよい。
アンダランプロテクタ本体10Aは、前面部(車両前後方向外側面部)10aと後面部(車両前後方向内側面部)10bと上面部10cと下面部10dとを備え、これらの面部10a,10b,10c,10dが中空の空間を形成している。言い換えれば、アンダランプロテクタ本体10Aは、面部10a,10b,10c,10dによって形成された中空の閉断面を有する。なお、アンダランプロテクタ本体10Aの各面部10a,10b,10c,10dは、アンダランプロテクタ10の各面部に対応している。
このアンダランプロテクタ本体10Aは、アンダランプロテクタ10における長手方向全域に亘って設けられ、同領域に設けられる外側パネル20及び内側パネル30から構成されている。すなわち、アンダランプロテクタ本体10Aは、車両前側に配置された外側パネル20と車両後側に配置された内側パネル30とが相互に結合されて構成されている。
補強パネル40,40は、アンダランプロテクタ本体10Aを補強するものである。なお、補強パネル40,40は、車幅方向中心を基準に左右対称の配置及び形状とされている。このため、以下の説明では、一方(ここでは左方)の補強パネル40に着目して説明し、他方の補強パネル40についての説明は省略する。
詳細は後述するが、補強パネル40は、アンダランプロテクタ10の長手方向に着目すれば、結合領域11側の端部領域12と結合領域11側の中間領域13とに亘って配設される。言い換えれば、補強パネル40は、結合領域11を中心にその一部(両端部)が端部領域12及び中間領域13に進入するように配設されている。
また、補強パネル40は、アンダランプロテクタ本体10Aにおける中空部内の後面部10b側の内面に重合するように配設されている。
なお、アンダランプロテクタ10では、その長手方向(車幅方向)において、アンダランプロテクタ本体10Aと補強パネル40とが互いに重合した箇所(以下、「補強重合パート」という)81(図6参照)を横断面に含む領域を多重パネル部80(図1では一部を示す)とし、補強パネル40が重合されず横断面がアンダランプロテクタ本体10Aのみの領域を本体単体部90(図1では一部を示す)とする。
これらのパネル20,30,40は何れも、超高張力鋼板製である。ここでいう超高張力鋼は、引張強さが980MPa以上のものとする。この超高張力鋼としては、炭素(C)の他にニッケル(Ni),シリコン(Si),マンガン(Mn)などの元素を鋼板材に添加して強化した固溶強化型や析出強化型鋼板、プレス成形後に焼入れして強化した複合組織鋼板などが挙げられる。また、超高張力鋼は、製品レベルで、その引張強さが、980MPaのものをはじめとして、1.2GPaや1.5GPaのものなどが挙げられる。
ここでは、パネル20,30,40に用いる超高張力鋼板として、いわゆる980材(引張強さが980MPaのもの)を用いている。また、この超高張力鋼板の板厚tとしては、3.2mmを採用することができる。すなわち、パネル20,30,40には、同一の超高張力鋼板(同一材料)であって同一の板厚のものを用いることができる。
なお、アンダランプロテクタ10を構成する各パネル20,30,40は、何れもプレス成形により製造することができる。
以下、外側パネル20,内側パネル30,補強パネル40の順に各構成を説明する。
[1−2−1.外側パネル]
図3に示すように、外側パネル20は、その断面(長手方向と直交する横断面)がコの字型、即ち、チャンネル形状に形成されている。したがって、この外側パネル20は、立設されたウェブ部21とその上下端縁から車両後方に突出するように同方向に屈曲形成されたフランジ部22,23とを有している。すなわち、外側パネル20では、ウェブ部21が車両前側に配置され、フランジ部22,23の先端部が車両後方に向かうように配置されている。なお、外側パネル20は、長手方向両端部に内側パネル30(図1等参照)に近接するように屈曲形成された端部屈曲部29(図3では一箇所のみに符号を付す)を有している。
外側パネル20のウェブ部21は、車幅方向に延びるとともに上下方向に沿って設けられている。
フランジ部22,23は、車幅方向に延びるとともに前後方向に沿って設けられている。なお、フランジ部22,23は、ウェブ部21との各連続箇所が上端縁部か下端縁部かで異なる点を除いて、同様に構成されている。このため、以下の説明では、一方のフランジ部22(ここではフランジ部22,23のうちの上側のもの)に着目して説明する。
図4に示すように、外側パネル20のフランジ部22には、複数の軽量穴51,52,53が形成されている。なお、外側パネル20のもう一つのフランジ部23(図3等参照)にも、フランジ部22の軽量穴51,52,53と対応する位置に、即ち上下対称に複数の軽量穴が形成されている。
詳細は後述するが、外側パネル20のフランジ部22,23は、アンダランプロテクタ10の車両前後方向の中間部を含み、アンダランプロテクタ10の前面部及び後面部からの距離が等しい等距離部95を含む軽量穴形成領域96(何れも図6(b)参照)を包含する位置まで延在している。
複数の軽量穴51,52,53は、中間領域13に形成された中間軽量穴51,52(図4では何れも一つだけに符号を付す)と、端部領域12に形成された端部軽量穴53とに大別することができる。さらに、中間軽量穴51,52は、上面視で円形に形成された軽量穴(以下、「円形中間軽量穴」という)51と、上面視で長円形に形成された軽量穴(以下、「長円形中間軽量穴」という)52とに類別することができる。なお、図4では、長円形中間軽量穴52として、長円形として長手方向に延びる平行な2本の直線とこれらの直線の前端部及び後端部をそれぞれ円弧で結んだ形状のものを例示するが、長径がアンダランプロテクタ10の長手方向に沿った楕円形のものを用いてもよい。
円形中間軽量穴51と長円形中間軽量穴52とでは、アンダランプロテクタ10の長手方向の穴径(長さ)が異なるのに対し、アンダランプロテクタ10の短手方向の穴径(車両前後方向の長さ)が同径に設定されている。なお、中間軽量穴51,52は、左右対称に設けられている。
図4では、アンダランプロテクタ10の長手方向中心(車幅方向中心C)と円形中間軽量穴51とが同心に配置され、この円形中間軽量穴51から車幅方向外側に向かう順に、長円形中間軽量穴52,円形中間軽量穴51,長円形中間軽量穴52,長円形中間軽量穴52が配置されたものを例示するが、かかる配列に限らず、種々の配列を採ることができる。
中間軽量穴51,52の配列としては、中間軽量穴51,52どうしの間隔が、等間隔に設定されてもよいし、車幅方向中心Cから車幅方向外側に向かうに連れて大きくなるように設定されてもよい。
更に言えば、中間軽量穴51,52の上面視形状は例示でありさまざまな上面視形状とすることができる。例えば、車幅方向中心Cから車幅方向外側に向かうに連れて、アンダランプロテクタ10の長手方向の穴径が次第に大きくなるように形状の異なる中間軽量穴が形成されてもよい。この場合、中間軽量穴どうしの間隔は、等間隔であってもよく、車幅方向外側に向かうに連れて長くなるように設定されてもよい。
一方で、中間軽量穴の何れもが同形状に形成されていてもよい。この場合の中間軽量穴どうしの間隔についても、等間隔であってもよいし、車幅方向外側に向かうに連れて長くなるように設定されてもよい。
なお、図4では、各結合領域11に穴が二つ形成されたものを示すが、これらの穴は、外側パネル20と内側パネル30とを接合するプラグ溶接用に設けられたものである。
端部軽量穴53は、ここでは上面視で円形に形成されており、円形中間軽量穴51と同様に形成されている。この端部軽量穴53は、端部領域12のなかで結合領域11側に設けられている。なお、端部軽量穴53は、上面視の形状が円形と異なるものでもよいし、構造の簡素化のために省略してもよい。
[1−2−2.内側パネル]
図5に示すように、内側パネル30は、その断面(長手方向と直交する横断面)がコの字型、即ち、チャンネル形状に形成されている。したがって、この内側パネル30は、立設されたウェブ部31とその上下端縁から車両前方に突出するように同方向に屈曲形成されたフランジ部32,33とを有している。すなわち、内側パネル30では、ウェブ部31が車両後側に配置され、フランジ部32,33の先端部が車両前方に向かうように配置されている。なお、内側パネル30は、長手方向に均一断面形状に形成されている。
ウェブ部31は、車幅方向に延びるとともに上下方向に沿って設けられている。
フランジ部32,33は、車幅方向に延びるとともに前後方向に沿って設けられている。なお、フランジ部32,33は、ウェブ部31との各連続箇所が上端縁部か下端縁部かで異なる点を除いて、同様に構成されている。
図5,図7に示すように、内側パネル30のウェブ部31には、アンダランプロテクタ10の長手方向に並んで複数の穴61〜65が形成されている。これらの複数の穴61〜65は、軽量化を図るための軽量穴61〜64と、部材同士を締結によって結合するための結合穴65(図7では一箇所のみに符号を付す)とに分類できる。軽量穴61,62は、図7に示すように、本体単体部90(図7では一部を示す)に設けられており、内側パネル30のウェブ部31における各端部領域12には複数の端部軽量穴61が配設され、内側パネル30のウェブ部31における中間領域13には複数の中間部軽量穴62が配設されている。また、軽量穴63,64及び結合穴65(図5参照)は、図7に示すように、多重パネル部80(図7では一部を示す)に設けられている。
まず、本体単体部90に設けられた端部軽量穴61について説明する。
図7に示すように、各端部領域12には、複数(ここでは三つ)の端部軽量穴61が配設されている。なお、ここでは三つの端部軽量穴61を、車幅方向内方から外方に向かってそれぞれ第一端部軽量穴61a,第二端部軽量穴61b,第三端部軽量穴61cと呼んで区別する。これら端部軽量穴61a,61b,61cは、何れも補強パネル40よりも車幅方向外方の本体単体部90において、穴の中心が内側パネル30のウェブ部31の上下方向略中央部に配置され形成されている。
図8は、図7のA部の拡大図であり、外側パネル20を外したアンダランプロテクタ10の車幅方向端部(ここでは左側端部)及びその周辺を示す図である。図8に示すように、一方(ここでは左方)の端部領域12の本体単体部90に形成された端部軽量穴61のうち、第一端部軽量穴61aは正面視が円形の円形形状穴であり、第二,第三端部軽量穴61b,61cは、何れも正面視が矩形の矩形形状穴である。なお、第二,第三端部軽量穴61b,61cの間には、図示しないキャブのバンパを内側パネル30に取り付けるためのボルトが配設される。
端部軽量穴61は、結合領域11から離隔する車体外方のものほど上下方向に大きな穴径に設定されている。即ち、ここでは第一端部軽量穴61a,第二端部軽量穴61b,第三端部軽量穴61cの順に上下方向の穴径が次第に大きく形成されている。
このような端部軽量穴61の上下方向の穴径は、前記の荷重P1に対するアンダランプロテクタ10の曲げモーメント分布に対応するように設定されている。上述したように、端部領域12では、荷重P1によってアンダランプロテクタ10に作用する曲げモーメントの大きさが、車体内方の支点(ここではブラケット5の取付点S)から荷重P1の入力点に近づくに連れてリニアに減少する(図2及び図7参照)。このため、アンダランプロテクタ10に要求される曲げ剛性は、支点である取付点Sから荷重P1の入力点に近づくに連れてリニアに低くなる。
この要求される曲げ剛性のリニアな変化に対応して、端部軽量穴61a,61b,61cは、車体内方から荷重P1の入力点に近づくに連れて上下方向の穴径d1,d2,d3が略リニアに増加するように設定されている。この場合の各穴径d1,d2,d3は、軽量穴61a〜61cの車幅方向中央におけるものである。したがって、それぞれの上下方向の穴径を規定する穴の上下各縁部を結ぶと、図8にそれぞれ一点鎖線で示すように何れも略直線状になる。これによって、アンダランプロテクタ10の端部領域12の端部軽量穴61a,61b,61cを設けた部分における断面二次モーメントは、車体内方から荷重P1の入力点に近づくに連れて減少するようになり、要求される曲げ剛性の大きさに対応したものとなる。
次に、本体単体部90に設けられた中間部軽量穴62について説明する。
図7に示すように、中間領域13には、複数(ここでは三つ)の中間部軽量穴62が配設されている。なお、ここでは三つの中間部軽量穴62a,62b,62cを、車体左方から右方に向かってそれぞれ第一中間部軽量穴62a,第二中間部軽量穴62b,第三中間部軽量穴62cと呼ぶ。これら中間部軽量穴62a,62b,62cは、何れも結合領域11,11の相互間の長手方向中間部に横並びに形成され、補強パネル40,40よりも車幅方向内方の本体単体部90において、穴の中心が内側パネル30のウェブ部31の上下方向略中央部に配置されて形成されている。
図9は、図7のB部の拡大図であり、外側パネル20を外したアンダランプロテクタ10の車幅方向中心及びその周辺を示す図である。図9に示すように、第二中間部軽量穴62bは、正面視が矩形の矩形形状穴であり、車幅方向中心C上に配置されている。また、第一,第三中間部軽量穴62a,62cは、何れも正面視が円形の円形形状穴であり、互いに等しい開口面積を有し、互いに等しい距離だけ第一中間部軽量穴61bからそれぞれ車幅方向に離隔している。
中間部軽量穴62は、結合領域11から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されている。即ち、ここでは車幅方向中心C上に配置された第二中間部軽量穴62bが、これよりも結合領域11,11側に隣接して配置された第一,第三中間部軽量穴62a,62cの穴径よりも、上下方向に小さい穴径を有している。
このような中間部軽量穴62の上下方向の穴径は、前記の荷重P1に対するアンダランプロテクタ10の曲げモーメント分布に対応するように設定されている。図2や図7を参照して上述したように、中間部領域13では、荷重P1によってアンダランプロテクタ10に作用する曲げモーメントの大きさが、車体内方の支点(ここではブラケット5の取付箇所S)から車幅方向中心Cに近づくに連れてリニアに減少する。このため、アンダランプロテクタ10に要求される曲げ剛性は、支点である取付点Sから車幅方向中心Cに近づくに連れてリニアに低くなる。
この要求される曲げ剛性のリニアな変化に対応して、中間部軽量穴62a,62b,62cは、取付点Sから車幅方向中心Cに近づくに連れて上下方向の穴径d4,d5,d6が略リニアに増加するように設定されている。この場合の各穴径d4,d5,d6は、軽量穴62a〜62cの車幅方向中央におけるものである。したがって、それぞれの上下方向の穴径を規定する穴の上下各縁部を結ぶと、図9にそれぞれ一点鎖線で示すように何れも車幅方向中心Cで屈曲する略直線状になる。これによって、アンダランプロテクタ10の中間領域13の中間部軽量穴62a,62b,62cを設けた部分における断面二次モーメントは、取付点Sから車幅方向中心Cに向かうに連れて減少するようになり、要求される曲げ剛性に対応したものとなる。
なお、アンダランプロテクタ10の断面二次モーメントは、内側パネル30のウェブ部31だけでなく、内側パネル30のフランジ部32,33や、外側パネル20のウェブ部21やフランジ部22,23や、更には、補強パネル40も寄与するので、これらを総合的に考慮して軽量穴61a〜61c,62a〜62cの上下方向の穴径を設定することが有効である。
また、軽量穴61a〜61c,62a〜62cの車幅方向の穴径は、上記の水平方向への荷重P1,P2,P3に対する曲げ剛性に関しては影響し難いが、アンダランプロテクタ10に加わる外力は水平方向だけでなく鉛直方向成分も含み、また、水平方向の荷重P1,P2,P3が加わった場合にも、アンダランプロテクタ10が変形する際に鉛直方向成分の荷重も発生するので、この点を考慮すると、軽量穴61a〜61c,62a〜62cの車幅方向の穴径も制限される。
また、このような鉛直方向成分の荷重を含んで三次元的な剛性を考慮すると、内側パネル30のウェブ部31からフランジ部32,33に屈曲する屈曲部分の近傍も、軽量穴61a〜61c,62a〜62cの設定個所から省く必要がある。これらを総合的に考慮して、軽量穴61a〜61c,62a〜62cの配置や大きさや形状を設定することが有効である。
ここでは軽量穴61b,61c,62bを矩形形状穴としているが、これは、矩形形状穴の方が、円形形状穴よりも、上記の要求される曲げ剛性に対応しやすく、また、フランジ部22,23につながる屈曲部分に接近し難く、且つ穴面積を大きくすることができるためである。ただし、矩形形状穴の場合も、穴の四隅は部分的に円弧等の曲線状に形成され応力集中を回避できるようになっている。
なお、例えば上下方向の穴径が等しい円形形状穴と矩形(正方形)形状穴とを比較すると、その開口面積は円形形状穴よりも矩形形状穴の方が大きくなる。このため、軽量穴61〜64を矩形形状穴とすれば、等しい上下方向の穴径を有する円形形状穴と比べて、アンダランプロテクタ10の軽量化をより促進することができる。
一方、軽量穴61〜64が円形形状穴であれば、穴の上下長さが車幅方向に沿って緩やかに変化するため、アンダランプロテクタ10の長手方向における断面二次モーメントの急変が抑制される。このため、軽量穴61〜64を円形形状穴とすれば、アンダランプロテクタ10の強度や剛性が局部的に低下することを抑制できる。
次に、多重パネル部80の内側パネル30に設けられた軽量穴63,64について説明する。
図7に示すように、各端部領域12において、後述の補強パネル40の延設部42が内側パネル30と重合して形成された多重パネル部80には、複数(ここでは二つ)の軽量穴63が配設される。中間領域13において、後述の各補強パネル40の延設部42が内側パネル30と重合して形成された多重パネル部80には、複数(ここでは合計四つ)の軽量穴64が左右の多重パネル部80に二つずつ配設されている。これらの軽量穴63,64は、何れも多重パネル部80を構成する補強パネル40と車両前後方向に重なる位置に形成されている。
図8に示すように、軽量穴63は、端部領域12において、端部軽量穴61よりも車体内方で横並びに形成され、一方の軽量穴63aが、これよりも結合領域11側(車幅方向内側)に形成された他方の軽量穴63bよりも上下方向に小さな穴径を有している。このため、内側パネル30のみの曲げ剛性は、結合領域11に近い軽量穴63bの部分が、結合領域11から遠い軽量穴63aの部分よりも低下する。しかし、軽量穴63bの部分は補強パネル40の肉部によって補強されるため、アンダランプロテクタ10の端部領域12における曲げ剛性は、軽量穴63bを設けた部分の方が軽量穴63aを設けた部分に比べて高くなる。
また、図9に示すように、中間部領域13において、四つの軽量穴64は、中間部軽量穴62よりも車体外方の左右それぞれに、二つずつ横並びに形成されている。左右一方に形成された二つの軽量穴64に着目すると、一方の軽量穴64aが、これよりも結合領域11側(車幅方向外側)に形成された他方の軽量穴64bよりも上下方向に小さな穴径を有している。このため、内側パネル30のみの曲げ剛性は、結合領域11に近い軽量穴64bの部分が、結合領域11から遠い軽量穴64aの部分よりも低下する。しかし、軽量穴64bの部分は、補強パネル40の肉部によって補強されるため、アンダランプロテクタ10の中間領域13における曲げ剛性は、軽量穴64bを設けた部分の方が軽量穴64aを設けた部分に比べて高くなる。
内側パネル30は、平面状のプレート部材に上述の穴61〜65がそれぞれ形成された後、長手方向に沿う線で屈曲されることによりウェブ部31及びフランジ部32,33が形成される。このようにして内側パネル30は、ウェブ部31及びフランジ部32,33が何れも長手方向に沿って直線上に延び、長手方向に均一な断面形状に形成される。
[1−2−3.補強パネル]
図7及び図10に示すように、補強パネル40は、その断面(長手方向と直交する横断面)がチャンネル形状に形成された本体部(補強パネル本体部)41と同断面が直線形状に形成され本体部41から車幅方向に向けて延設された延設部(補強パネル延設部)42とを有する。
本体部41は、アンダランプロテクタ10の結合領域11に配設され、その断面(長手方向と直交する横断面)がコの字型、即ち、チャンネル形状に形成されている。したがって、この本体部41は、図10に示すように、立設されたウェブ部41aとその上下端縁から車両前方に突出するように同方向に屈曲形成されたフランジ部41b,41cとを有する。すなわち、本体部41aでは、ウェブ部41aが車両後側に配置され、フランジ部41b,41cの先端部が車両前方に向かうように配置されている。
ウェブ部41aは、車幅方向に延びるとともに上下方向に沿って設けられている。このウェブ部41aには、詳細を後述する取付穴73(図10では一つだけに符号を付す)が形成されている。
フランジ部41b,41cは、車幅方向に延びるとともに前後方向に沿って設けられている。なお、フランジ部41b,41cは、ウェブ部41aとの各連続箇所が上端縁部か下端縁部かで異なる点を除いて、同様に構成されている。
延設部42は、図7及び図10などに示すように、中間領域13において結合領域11(図7参照)側の一部に配設される中間延設部42aと、端部領域12において結合領域11(図7参照)側の一部に配設される端部延設部42bとに大別することができる。
各延設部42a,42bの車幅方向端部には、軽量穴71,72が形成されている。ここでは、各軽量穴71,72がそれぞれ1つずつ形成されている。
なお、内側パネル30の軽量穴63b,64bを設けずに軽量穴63a,64aのみ設ける場合や、内側パネル30の軽量穴63a,63b,64a,64bを何れも設けない場合には、図7及び図10などに二点鎖線で示すように、各軽量穴71,72をそれぞれ二つずつ形成してもよい。この場合、軽量穴71,72の何れも補強パネル40の端部側の軽量穴71a,72aの方が補強パネル40の中心部側の軽量穴71b,72bよりも大きく形成される。これにより、曲げ剛性は、軽量穴71b,72bを設けた部分の方が、軽量穴71a,72aを設けた部分に比べて高くなる。
図10に示すように、中間延設部42aは、本体部41のウェブ部41aから車幅方向内側に延設された部分である。このため、中間延設部42aは、図7に示すように、アンダランプロテクタ10において、結合領域11から中間領域13に進入するように配設されている。なお、中間延設部42aは、アンダランプロテクタ10の中間領域13における車幅方向中心Cまでは延びていない。
中間延設部42aの端部(ここでは車幅内側端部)に二つの軽量穴71a,71bを形成する場合、一方の軽量穴71aは、これよりも補強パネル40の本体部41側に形成された他方の軽量穴71bよりも大きく形成される。このため、中間延設部42aに形成された軽量穴71a,71bは、中間延設部42aの端部に向かうに連れて大きくなるように形成されたものといえる。
端部延設部42bは、本体部41のウェブ部41aから車幅方向外側に延設した部分である。このため、端部延設部42bは、図7に示すように、アンダランプロテクタ10において、結合領域11から端部領域12に進入するように配設されている。なお、端部延設部42bは、アンダランプロテクタ10の端部領域12における車幅方向外側の端部までは延びていない。
図10に示すように、端部延設部42bの端部(ここでは車幅方向外側端部)に二つの軽量穴72a,72bを形成する場合、一方の軽量穴72aは、これよりも補強パネル40の本体部41側に形成された他方の軽量穴72bよりも大きく形成される。このため、端部延設部42bに形成された軽量穴71a,72bは、端部延設部42bの端部に向かうに連れて大きくなるように形成されたものといえる。
[1−3.外側パネル,内側パネル及び補強パネルの配置]
次に、外側パネル20,内側パネル30及び補強パネル40の相互の配置について説明する。
まず、アンダランプロテクタ10の長手方向全域において共通の構造を、図6(a)及び(b)を参照して説明する。
アンダランプロテクタ10のアンダランプロテクタ本体10Aでは、外側パネル20のフランジ部22,23における縁部(端縁部)22a,23aと内側パネル30のフランジ部32,33における縁部(端縁部)32a,33aとが重合されて結合された部分(以下、「結合重合パート」という)91(図6では上部のみ符号を付けて示す)を有して結合され、中空の閉断面が形成されている。ここでは、アンダランプロテクタ10及びアンダランプロテクタ本体10Aが形成する閉断面が、矩形であり口の字型(ボックス断面)のものを例に挙げて説明する。なお、外側パネル20が内側パネル30を外嵌するように、外側パネル20のフランジ部22,23は内側パネル30のフランジ部32,33の外側に設けられる。
アンダランプロテクタ本体10Aは、前面部10aが外側パネル20のウェブ部21で構成され、後面部10bが内側パネル30のウェブ部31で構成され、上面部10cが外側パネル20のフランジ部22と内側パネル31のフランジ部32とで構成され、下面部10dが外側パネル20のフランジ部23と内側パネル31のフランジ部33とで構成されている。これらの面部10a,10b,10c,10dは、何れも平板状に形成されている。
ここでは、図6(a)に示すように、アンダランプロテクタ10の結合領域11(図1,図2及び図7参照)における外側パネル20のフランジ部22,23の前後長さよりも、図6(b)に示すように、アンダランプロテクタ10の端部領域12及び中間領域13(図1,図2及び図7参照)における外側パネル20のフランジ部22,23の前後長さの方が短く形成されている。また、結合領域11における内側パネル30のフランジ部32,33の前後長さよりも、端部領域12及び中間領域13における内側パネル30のフランジ部32,33の前後長さの方が短く形成されている。
次に、アンダランプロテクタ10の結合領域11(図1,図2及び図7等参照)の構造について図6(a)を参照して説明し、アンダランプロテクタ10の端部領域12及び中間領域13(何れも図1,図2及び図7等参照)の構造について図6(b)を参照して説明する。
アンダランプロテクタ10の結合領域11では、図6(a)に示すように、補強パネル40が、アンダランプロテクタ本体10Aの中空部内の後面部10b側の内面、即ち内側パネル30の内面30aに全面的に重合するように配設されている。言い換えれば、内側パネル30には、その内面30aに沿うように補強パネル40の全域が重合されている。なお、全面的に重合するとは、部材どうし(ここでは内側パネル30及び補強パネル40)の製造誤差により重合せずに浮いているものや、部材の曲げ部などで部材どうしを重合させるのに精度が要求される箇所では、予め内側の部材(ここでは補強パネル40)を外側の部材(ここでは内側パネル30)から僅かに離隔するように形状設定して平面部が離隔しないようにするしばしば処理されるが、このような箇所については重合していなくてもよいことを意味している。
ここでは、補強パネル40の本体部41は、ウェブ部41a及びフランジ部41b,41cの内面を、内側パネル30のウェブ部31及びフランジ部32,33の内面にそれぞれ重合するように結合されている。具体的には、補強パネル40の本体部41におけるウェブ部41aと内側パネル30のウェブ部31とが隙間なく重合され、また、補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41cと内側パネル30のフランジ部32,33とが隙間なく重合されている。
補強パネル40は、アンダランプロテクタ10における結合領域11の長手方向全域に亘って配設される。補強パネル40が配設される部分は、アンダランプロテクタ本体10Aと補強パネル40とが重合する補強重合パート81であり、アンダランプロテクタ10における結合領域11の長手方向全域に、その横断面に補強重合パート81が含まれる多重パネル部80(図1参照)が配設される。
ここでは、補強重合パート81に、共通のボルト或いはナットなどの締結部材によって内側パネル30及び補強パネル40をブラケット5(図1及び図2参照)に共締めして固定するための取付穴73(図6(b)では一つのみに符号を付す)が形成されている。
またここでは、補強パネル40が内側パネル30の内面30aかつ結合重合パート91に重合するように結合され、3重の多重パネルパート85が形成されている。この多重パネルパート85では、補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41c、内側パネル30のフランジ部32,33、外側パネル20のフランジ部22,23が、この順で中空の内側から重合される。なお、補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41c、内側パネル30のフランジ部32,33、外側パネル20のフランジ部22,23は、この順で車両前後方向の長さが次第に長くなるように設定されている。
アンダランプロテクタ10の上面部(アンダランプロテクタ10Aの上面部10cに対応)においては、車両前側寄りに外側パネル20のみからなるシングルパネルパート92が形成され、車両後側寄りには複数のパネル20,30,40が重合してなる重合パネルパート84が形成されている。
同様に、アンダランプロテクタ10の下面部(アンダランプロテクタ10Aの下面部10dに対応)においては、車両前側には外側パネル20のみからなるシングルパネルパート92が形成され、車両後側には複数のパネル20,30,40が重合してなる重合パネルパート84が形成されている。
シングルパネルパート92の車両前後方向の長さL1は、重合パネルパート84の車両前後方向の長さL2と同等(L1≒L2)に設定されている。
重合パネルパート84には、内側パネル30のフランジ部32と補強パネル40のフランジ部41bとが重合している補強重合パート81と、外側パネル20のフランジ部22における縁部22aと内側パネル30のフランジ部32における縁部32aとが重合している結合重合パート91とが、車両前後方向に重複するように配設されている。この重合パネルパート84において補強重合パート81と結合重合パート91とが車両前後方向に重複する箇所に、多重パネルパート85が形成されている。
言い換えれば、多重パネルパート85は、外側パネル20のフランジ部22,23が補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41cと内側パネル30のフランジ部32,33とが重合する補強重合パート81まで延びて重合して形成されている。
一方、補強パネル40は、図6(b)に示すように、アンダランプロテクタ10における端部領域12及び中間領域13それぞれにおける結合領域11寄りの一部以外(以下、「他部」という)には配設されていない。言い換えれば、アンダランプロテクタ10における端部領域12及び中間領域13のそれぞれの他部には、補強重合パート81がなくアンダランプロテクタ本体10Aのみからなる本体単体部90が配設される。
ただし、図6(b)に二点鎖線で示すように、補強パネル40の延設部42は、結合領域11から端部領域12及び中間領域13それぞれの一部に進入するように配設されるため、端部領域12及び中間領域13それぞれの結合領域11側の一部では、延設部42が配設される。具体的には、延設部42が内側パネル30のウェブ部31の内側の内面に重合されて配設される。このため、端部領域12及び中間領域13それぞれの結合領域11側の一部には、補強パネル40と内側パネル30とが重合された補強重合パート81が形成され、かかる領域にも多重パネル部80が配設される。
また、アンダランプロテクタ10における中間領域13においては、図6(b)に二点鎖線で示すように、アンダランプロテクタ10の上面部及び下面部を構成する外側パネル20のフランジ部22,23に上述した中間軽量穴51(52)が形成されている。
これらの中間軽量穴51(52)は、アンダランプロテクタ10の車両前後方向の中間部であって、前面部10aに対する距離と後面部10bに対する距離とが等しい等距離部95を含む軽量穴形成領域96に形成されている。
外側パネル20のフランジ部22,23の縁部22a,23aは、中間軽量穴51(52)が形成される軽量穴形成領域96を包含する位置まで延在し、かかる縁部22a,23aの内面に内側パネル30のフランジ部32,33の縁部32a,33aの外面が重合され溶接により結合されている。この重合箇所が、上述した結合重合パート91をなしており、ここでは、上述したシングルパネルパート92に軽量穴51(52)が形成されている。
なお、端部軽量穴53(図4参照)についても、アンダランプロテクタ10において等距離部95を含む軽量穴形成領域96に形成されている。
[2.作用及び効果]
本実施形態のアンダランプロテクタ10の構造は、上述したように構成されるため、以下に示す作用及び効果を得ることができる。
補強パネル40が、アンダランプロテクタ本体10Aの中空部内の後面部10b側の内面に重合するように配設されるため、アンダランプロテクタ本体10Aの要部(アンダランプロテクタ本体10Aの中空部内の後面部10b側)が補強され、アンダランプロテクタ10の強度及び剛性を確保することができる。これらより、重量を抑えるとともに強度及び剛性を確保したうえで、コストを抑えることができる。
具体的には、アンダランプロテクタ本体10Aを構成する外側パネル20及び内側パネル30と補強パネル40,40とが何れも超高張力鋼板製であるため、強度及び剛性を確保したうえで板厚を抑えて(薄くして)重量を抑えることができ、鋼板材よりもコストのかかるアルミ材を用いるのに比較して、コストを抑制することができる。
アンダランプロテクタ10においては、片持ち梁の構造である端部領域12に荷重が入力されたときに結合領域11には大きな曲げモーメントが作用しうるため、結合領域11で要求される強度及び剛性よりも端部領域12及び中間領域13で要求される強度及び剛性の方が低い。
このように、要求される強度及び剛性が比較的に低い端部領域12及び中間領域13には、補強パネル40が重合されずアンダランプロテクタ本体10Aのみからなる本体単体部90が配設されるため、簡素な構成とすることができ、重量の軽減に寄与する。また、要求される強度及び剛性が比較的高い結合領域11には、アンダランプロテクタ本体10Aの中空部内において後面部10b側の内面に補強パネル40が全面的に重合した補強重合パート81を有する多重パネル部80が配設されるため、簡素な構成ながら補強パネルによる断面二次モーメントの増大を図ることで要求される強度及び剛性を確保することができる。
また、要求される強度及び剛性に応じて、アンダランプロテクタ10の各領域(結合領域11,端部領域12,中間領域13)に多重パネル部80及び本体単体部90が配設されるため、要求される強度及び剛性を確保したうえで、重量を抑えることができる。
アンダランプロテクタ本体10Aの閉断面は、矩形閉断面であり、矩形閉断面は一般的に用いられる鋼材の形状であるため、製造コストの低減に寄与する。
アンダランプロテクタ本体10Aは、車両前側に配置された外側パネル20と車両後側に配置された内側パネル30とが相互に結合されて構成されているため、容易に製造することができ、コストの低減に寄与する。例えば、上記の補強パネル40を備えるアンダランプロテクタ10の場合、まず内側パネル30の内面に補強パネル40を結合してから外側パネル20と内側パネル30とを結合することによって、アンダランプロテクタ10の中空部内に補強パネル40を容易に配設することができる。また、アンダランプロテクタ本体10Aの矩形閉断面は、一般的に用いられる断面チャンネル形状をなす外側パネル20及び内側パネル30を組み合わせて構成することができ、製造コストを低減させることができる。
補強パネル40は、結合領域11のみに配置されるとともに内側パネル30の内面30aに重合する本体部41と、本体部41のウェブ部41aから車幅方向に向けて延設されるとともに内側パネル30のウェブ部31の内面(30a)に重合する延設部42とが形成されているため、アンダランプロテクタ10では、結合領域11を中心に車幅方向の所定領域(端部領域12及び中間領域13それぞれの結合領域11側の一部領域)が補強され、アンダランプロテクタ10の強度や曲げモーメントに対する剛性を確実に確保することができる。
延設部42の車幅方向端部には、軽量穴71,72が形成されているため、軽量化を促進することができる。例えば、中間延設部42aに形成された軽量穴71a,71bが補強パネル40の端部に向かうに連れて大きくなるように形成され、また、端部延設部42bに形成された軽量穴72a,72bが補強パネル40の端部に向かうに連れて大きくなるように形成されていれば、曲げモーメントに対する剛性を適切に確保しながら、軽量化を図ることができる。
また、外側パネル20が、長手方向両端部に内側パネル30へ接近するように屈曲形成された端部屈曲部29を有しているため、アンダランプロテクタ10の直前方に装着されるフロントバンパの後退した左右両端部に対応して、外側パネル20の長手方向両端部を端部屈曲部29で後退させることができる。これにより、内側パネル30は長手方向に均一断面形状に形成することができるため、内側パネル30の加工コストを抑えることができる。
また、軽量穴は、パネルが屈曲形成される場合に変形してしまうことがないように、パネルのうち屈曲加工されない個所に対して形成されることが好ましいが、上記の構成によれば、内側パネル30が長手方向に均一断面形状に形成されるため、内側パネル30への軽量穴61〜64の加工負担を軽減することができる。
一般に、荷重の入力される対象部材の支持剛性が高いほど、座屈の発生は抑制されるが、結合重合パート91にはパネル20,30,40が3重に重合している多重パネルパート85が形成されるため、多重パネルパート85及びその周辺部位の剛性を向上させることができ、座屈の発生を抑えることができる。
例えば、アンダランプロテクタ10に荷重P1が入力されたときのように、結合領域11に大きな曲げモーメントが作用したとしても、多重パネルパート85及びその周辺部位の剛性が向上されているため、座屈の発生を抑えることができる。
シングルパネルパート92は、車両前後方向の長さが長いほど、また、その板厚が薄いほど、更に、その車両前後方向端部の剛性が低いほど、例えば荷重P1などの車両前後方向の荷重に対して座屈が発生しやすくなる。かかる点を考慮すれば、アンダランプロテクタ10において、車両後側に複数のパネル20,30,40が重合してなる重合パネルパート84が形成されているため、シングルパネルパート92の車両前後方向の長さを抑えるとともにアンダランプロテクタ10の車両後部側の剛性を向上させることができ、座屈の発生を更に抑制することができる。
また、シングルパネルパート92の車両前後方向の長さL1は、重合パネルパート84の車両前後方向の長さL2と同等(L1≒L2)に設定されているため、シングルパネルパート92の車両前後方向の長さL1が抑えられ、座屈発生の抑制に寄与する。
補強重合パート81に、共通のボルト或いはナットなどの締結部材によって内側パネル30及び補強パネル40をブラケット5(図1及び図2参照)に共締めして固定するための取付穴73が形成されているため、補強パネル40及び内側パネル30の結合と内側パネル30及びブラケット5の結合とのをそれぞれ別個にするのに比較して、締結部材を削減することができ、コストを軽減させることができる。
また、ボルト或いはナットなどの締結部材によって内側パネル30及び補強パネル40をブラケット5(図1及び図2参照)に共締めして固定するときに、補強パネル40がボルト或いはナットなどの締結部材の座金として機能するため、アンダランプロテクタ10の取付安定性を向上させるとともに、部材点数を低減させることができる。
このように、締結にかかる部材の点数を低減させることできるため、重量を軽減させることもできる。
アンダランプロテクタ10では、補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41c、内側パネル30のフランジ部32,33、外側パネル20のフランジ部22,23が、この順で車両前後方向の長さが次第に長くなるように設定されているため、補強パネル40におけるフランジ部41b,41cの車両前後方向の長さを抑えることができ、軽量化に寄与する。
パネル20,30,40には、同一の超高張力鋼板(同一材料)であって同一の板厚のものを用いることができるため、アンダランプロテクタ10の製造にあたって、複数の材料を用意する必要がなく、材料コストを抑制することができる。
アンダランプロテクタ10においては、前面部や後面部に軽量穴を形成するよりも、上面部や下面部に軽量穴を形成した方が、剛性の低下を招き難い。かかる点を考慮すれば、アンダランプロテクタ10の上面部及び下面部に複数の軽量穴51,52,53が形成されているため、剛性の低下(断面二次モーメントの減少)を抑えながら効果的に重量を抑えることができる。
アンダランプロテクタ10において、外側パネル20のフランジ部22,23における長手方向の穴径が複数の軽量穴51,52,53では異なるため、長手方向の穴径が同径である複数の軽量穴(以下、「同径軽量穴」という)が形成されるのに比較して、アンダランプロテクタ10の長手方向における複数の軽量穴51,52,53の配設にかかる自由度を向上させることができる。例えば、同径軽量穴が形成されることを考えてみると、同径軽量穴どうしの間隔を変更することまでは可能であるが、本軽量穴51,52,53は、軽量穴51,52,53どうしの間隔が変更可能であるのに加え、軽量穴51,52,53によって長手方向の穴径が異なるため、アンダランプロテクタ10における軽量穴51,52,53の配置にかかる自由度を向上させることができる。つまり、アンダランプロテクタ10の上面部及び下面部において、軽量穴51,52,53が形成される領域と軽量穴51,52,53どうしの間の構造体の領域とを自由度高く配設することができる。このため、アンダランプロテクタ10に作用する捩れや鉛直方向の荷重による曲げモーメントといったさまざまな要因を考慮して、軽量穴51,52,53を配設することができる。よって、アンダランプロテクタ10の更なる軽量化に寄与しうる。
軽量穴51,52,53は、外側パネル20のフランジ部22,23のそれぞれに上下対称に設定されているため、加工コストを低減させることができ、アンダランプロテクタ10の内部に浸入した異物の排出性を向上させることができる。
また、アンダランプロテクタ10の下面部に軽量穴51,52,53が形成されているため、アンダランプロテクタ10の中空内部に浸入した水や泥などの異物を排出することができ、アンダランプロテクタ10の内部に異物が溜まることを防ぐことができる。これにより、アンダランプロテクタ10の腐食を抑制することができ、耐久性の向上に寄与する。
さらに、アンダランプロテクタ10の下面部に軽量穴51,52,53は、アンダランプロテクタを塗装したときの塗料の抜けを良好にして、塗装品質の向上に寄与する。特に、アンダランプロテクタ10を浸漬塗り(いわゆる「どぶ漬け塗装」)するときには、塗料を中空内部から確実に排出させることができ、塗装品質を向上させることができる。
アンダランプロテクタ10においては、矩形断面の角部の剛性が確保されるほど、断面二次モーメントが確保されるのに対し、矩形断面を構成する各面部の中間部の剛性は断面二次モーメントに影響を与えにくい。このように、断面二次モーメントに影響を与えにくいアンダランプロテクタ10の車両前後方向の中間部、具体的には、アンダランプロテクタ本体10Aの前面部10a及び後面部10bそれぞれに対する距離が等しい等距離部95を含む軽量穴形成領域96に、軽量穴51,52,53が形成されているため、断面二次モーメントの低下を効果的に抑制しつつ軽量化を図ることができる。さらに、これらの軽量穴51,52,53が車両前後方向の穴径が同径に設定されているため、軽量穴51,52,53の加工コストを抑えるとともに、断面二次モーメントの低下を抑えることができる。
外側パネル20のフランジ部22,23の縁部22a,23aは、軽量穴51,52,53が形成される軽量穴形成領域96を包含する位置まで延在するため、軽量穴51,52,53を外側パネル20のフランジ部22,23に形成することができる。これにより、例えば、外側パネル20の外径をプレスでカットする際に軽量穴51,52,53の同時加工が容易になる。
また、外側パネル20のフランジ部22,23の縁部22a,23aの内面に内側パネル30のフランジ部32,33の縁部32a,33aの外面が重合され溶接により結合されるため、内側パネル30において車両前方に向けて突き出したフランジ部32,33が露出することがなく、安全性を更に高めることができる。
アンダランプロテクタ10の長手方向に並んで内側パネル30に形成された複数の軽量穴61,62が、結合領域11,11から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されている。このため、結合領域11,11に隣接する側の部分では、軽量穴61,62の穴径を上下方向に小さく設定することによって強度や剛性を大きく確保し、結合領域11,11から離隔する側の部分では、軽量穴61,62の穴径を上下方向に大きく設定することによって軽量化を効率的に促進することができる。したがって、要求される強度や剛性を確保しながら、アンダランプロテクタ10の軽量化を効果的に促進することができる。
つまり、複数の軽量穴61,62が、荷重P1に対するアンダランプロテクタ10の曲げモーメント分布に対応するように、結合領域11,11から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されているので、アンダランプロテクタ10の長手方向各部の曲げ剛性を曲げモーメント分布に対応させることができる。したがって、荷重P1による曲げモーメント分布に対して要求される曲げ剛性を確実に確保しながら、軽量穴61,62によって軽量化をより効果的に促進することができる。
軽量穴61,62には、正面視が矩形の矩形形状穴61b,61c,62bが含まれているので、開口面積を大きく確保してより効果的に軽量化を促進することができる。
また、各端部領域12に配設された複数の端部軽量穴61が、結合領域11から離隔する車体外方のものほど上下方向に大きな穴径に設定されているため、アンダランプロテクタ10の各端部領域12において軽量化を効果的に促進しながら要求される強度や剛性を確保することができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上述した実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、パネル20,30,40に引張強度が980MPaの超高張力鋼板材を用いるものを例示したが、パネル20,30,40には、引張強度が980MPa以上(例えば1.2GPaや1.5GPa)のさまざまな超高張力鋼板材を用いることができ、パネルによっては超高張力鋼板材以外の板材を用いることもできる。
また、パネル20,30,40の板厚tが3.2mmのものを用いることができると説明したが、要求される強度及び剛性を満たしていればさまざまな板厚のものを用いることができる。もちろん、パネル20,30,40のそれぞれで、異なる引張強度又は板厚のものを用いてもよい。
上述の実施形態では、アンダランプロテクタ本体10Aの上面部10c及び下面部10dのそれぞれに上下対称に軽量穴51,52,53が形成されるものを説明したが、これらの軽量穴51,52,53は、上下対称に形成されていなくてもよいし、上面部10c及び下面部10の何れか一方にだけ形成されていてもよい。更に言えば、軽量穴51,52,53は、アンダランプロテクタ本体10Aの上面部10c及び下面部10dに形成されていれば、等距離部95を含まない領域に形成されてもよく、車両前後方向の穴径は同径でなくてもよい。
また、上述の実施形態では、上面部10c及び下面部10に軽量穴51,52,53を、後面部10bに軽量穴61,62,63,64を、補強パネル40に軽量穴71,72を、それぞれ形成しているが、これらの一部を選択的に形成しても良い。
また、軽量穴51,52,53は、外側パネル20のフランジ部22,23ではなく、内側パネル30のフランジ部32,33に形成されてもよい。この場合、内側パネル30のフランジ部32,33は、アンダランプロテクタ10の車両前後方向の中間部を含み、アンダランプロテクタ10の前面部及び後面部からの距離が等しい等距離部95を含む軽量穴形成領域96(図6(b)参照)を包含する位置まで延在するように形成される。
補強パネル40には、軽量穴71,72が形成されたものを説明したが、かかる軽量穴71,72は全部又は一部が形成されていなくてもよい。具体例を挙げれば、補強パネル40の中心側の軽量穴71b,72bが形成されていなくてもよいし、軽量穴71a,71b,72a,72bの全てが形成されていなくてもよい。
また、補強パネル40の本体部41におけるフランジ部41b,41cの前後長さは、内側パネル30のフランジ部32,33の前後長さよりも長く形成されていてもよい。この場合、補強パネル40が内側パネル30の内面30aに結合されたもとでは、外側パネル20のフランジ部22,23の内面に重合するように結合される。このため、重合パネルパート84が結合重合パート91の車両後方のみならず車両前方にも配設されることになる。
更に言えば、補強パネル40が本体部41から車幅方向に向けて延設された延設部42を有するものを説明したが、この延設部42は全部又は一部が設けられていなくてもよい。例えば、補強パネル40は、本体部41と中間延設部42a又は端部延設部42bとから構成されてもよいし、本体部41のみから構成されてもよい。また、軽量穴に関する技術のみに着目すれば、補強パネル40自体を省略することも考えられる。
断面がチャンネル形状の外側パネル20と断面がチャンネル形状の内側パネル30とが結合されてアンダランプロテクタ10及びアンダランプロテクタ10Aが形成する閉断面が矩形となるものを説明したが、アンダランプロテクタ10及びアンダランプロテクタ10Aが形成する閉断面が矩形であれば、パネル20,30の各断面はチャンネル形状に限らず種々の形状のものを用いることができる。例えば、パネル20,30の各断面がL字に形成されてもよいし、パネル20,30の何れか一方の断面がチャンネル形状に形成されるとともにパネル20,30の何れか他方の断面が直線状に形成さていていもよい。同様に、補強パネル40の断面形状も、種々の形状を採用することができる。
上述の実施形態では、多重パネルパート85が、パネル20,30,40が3重に重合したものを説明したが、例えば、補強パネル40の内側に他のパネルを更に重合したり、内側パネル30の外側に他のパネルが更に重合するなどして、4重以上の多重パネルパートが形成されたりしていてもよい。この場合、アンダランプロテクタ10の強度及び剛性は向上するものの、重量の増加を招いてしまうため、確保する強度及び剛性と重量増との双方を考慮して多重パネルパートを形成することが好ましい。
アンダランプロテクタ10及びアンダランプロテクタ本体10Aが形成する閉断面が矩形のものを説明したが、この断面形状は、矩形に限らず、例えば丸形や矩形以外の多角形といったさまざまな形状であってもよい。この場合、パネル20,30,40の断面形状は、アンダランプロテクタ10及びアンダランプロテクタ本体10Aが形成する閉断面の形状に応じたものとなる。
アンダランプロテクタ10の各パネル20,30,40どうしの結合或いは接合や、アンダランプロテクタ10とブラケット5,5との結合には、プラグ溶接や隅肉溶接といった溶接による結合や、リベット,ボルト及びナットを用いた結合などのさまざまな公知の手法を用いることができる。このため、締結部材を用いてアンダランプロテクタ10とブラケット5,5とを結合するための取付穴73は必須ではない。
更に言えば、アンダランプロテクタ本体10Aは、外側パネル20及び内側パネル30の二枚のパネル20,30が結合されて構成されるものに限らず、一枚のパネルで構成されてもよいし、三枚以上のパネルが結合されて構成されてもよい。なお、一枚のパネルでアンダランプロテクタ本体10Aを構成するには、横断面の端部どうしを結合したり押出し成形などの手法を採用したりすることができる。
アンダランプロテクタ本体10Aの中空部内の後面部10b側の内面に補強パネル40が全面的に重合するものを説明したが、補強パネル40は、アンダランプロテクタ本体10Aに部分的に重合していてもよい。
なお、アンダランプロテクタ10にはさまざまな方向から荷重が入力されうる。このため、アンダランプロテクタ10において強度及び剛性を確保すべき箇所、即ち、補強すべき箇所として、種々の箇所を想定することができる。よって、補強パネルは、アンダランプロテクタ10において、内側パネル30の内面、即ちアンダランプロテクタ本体10Aの後面部10bを補強するように重合されるものに限らず、アンダランプロテクタ本体10Aの前面部10a,上面部10c,下面部10dの少なくとも何れかを補強するように重合されていてもよい。この場合、想定される車両の衝突状態やアンダランプロテクタ10の取付状態によって、補強パネルによる補強箇所が設定されることが好ましい。
例えば、補強パネルが外側パネル40の内面に重合するように結合されてもよい。この場合、アンダランプロテクタ10では、内側パネル30のみからなるシングルパネルパートが車両後側寄りに形成され、補強重合パート81がなくアンダランプロテクタ本体10Aのみからなる本体単体部が車両後側に形成されるとともに、外側パネル20や補強パネル40などの複数のパネルが重合する重合パネルパートが車両前側寄りに形成され、アンダランプロテクタ本体10Aと補強パネル40とが重合する補強重合パートが車両前側に形成される。
また、シングルパネルパート92の車両前後方向の長さL1は、重合パネルパート84の車両前後方向の長さL2よりも短く(L1<L2)設定されていてもよい。
アンダランプロテクタ10が左右一対のブラケット5,5に結合されるものを示したが、例えば左右それぞれに複数のブラケットが設けられ、左右複数対のブラケットにアンダランプロテクタ10が結合されてもよい。
上述の実施形態では、アンダランプロテクタ本体10Aの後面部10bに軽量穴61,62が形成されるものを説明したが、これらの軽量穴61,62は、後面部10b又は前面部10aの少なくとも何れか一方に形成されればよい。また、端部軽量穴61は省略してもよい。
また、軽量穴61,62は、結合領域11から離隔するほど上下方向の穴径が大きくなればよく、穴61,62の上下各縁部を結んだ線は直線状のものに限られない。例えば、アンダランプロテクタの長手方向両端部に車両前後方向外側から加わる荷重に対するアンダランプロテクタの曲げモーメント分布が曲線状の場合、軽量穴61,62の上下各縁部を結んだ線が曲線状になるように各穴径を設定してもよい。
なお、軽量穴61,62の上下方向の穴径は、荷重P1に対するアンダランプロテクタ10の曲げモーメント分布に限らず、例えば荷重P1,P2,P3の何れも考慮した総合的な曲げモーメント分布に対応するように設定してもよいし、曲げモーメント分布以外の要素に基づいて設定してもよい。
また、上記に示した軽量穴61,62の形状や個数は一例であり適宜変更することができる。ただし上述のように、軽量穴61,62を矩形形状穴とすれば軽量化をより促進することができ、円形形状穴とすれば断面二次モーメントの急変を抑制できる。また、例えば軽量穴61,62を全て同一形状とすれば加工コストを抑制することができる。また、例えば軽量穴61,62の左右方向長さを短くしてその個数を増やせば、アンダランプロテクタ10の曲げ剛性を長手方向に沿ってより細かく調整することが可能になる。
また、端部軽量穴61b,61cや第二中間部軽量穴62bの正面視形状は、矩形形状であるが、例えば、これらの軽量穴61b,61c,62bは、正面視形状が正方形となるように形成されてもよいし、車幅方向に長い横長の矩形や上下方向に長い縦長の矩形となるように形成されてもよい。
1 車体フレーム
2 サイドフレーム
3 クロスメンバ
5 ブラケット
10 アンダランプロテクタ
10A アンダランプロテクタ本体
10a 前面部(車両前後方向外側面部)
10b 後面部(車両前後方向内側面部)
10c 上面部
10d 下面部
11 結合領域
12 端部領域
13 中間領域
20 外側パネル
21 ウェブ部
22 フランジ部
22a 縁部(端縁部)
23 フランジ部
23a 縁部(端縁部)
29 端部屈曲部
30 内側パネル
30a 内面
31 ウェブ部
32 フランジ部
32a 縁部(端縁部)
33 フランジ部
33a 縁部(端縁部)
40 補強パネル
41 本体部(補強パネル本体部)
41a ウェブ部
41b フランジ部
41c フランジ部
42 延設部(補強パネル延設部)
50 軽量穴
51 円形中間軽量穴
52 長円形中間軽量穴
53 端部軽量穴
60 軽量穴
61 端部軽量穴
61a 第一端部軽量穴
61b 第二端部軽量穴
61c 第三端部軽量穴
62 中間部軽量穴
62a 第一中間部軽量穴
62b 第二中間部軽量穴
62c 第三中間部軽量穴
63a,63b 多重パネル部の軽量穴
64a,64b 多重パネル部の軽量穴
65 結合穴
71,72 軽量穴
73 取付穴
80 多重パネル部
81 補強重合パート
84 重合パネルパート
85 (3重の)多重パネルパート
90 本体単体部
91 結合重合パート
92 シングルパネルパート
95 等距離部
96 軽量穴形成領域
100 スティフナ
101パネル部
111 基端部
112 先端縁
112a 頂部
112b,112c 稜線部
113 平面部
115 軽量穴
102 所定のクリアランス
110 アンダランプロテクタ
140 補強パネル
141a ウェブ部
C 車幅方向中心
L1 シングルパネルパートの車両前後長さ
L2 多重パネルパートの車両前後長さ
P1 荷重
P2 荷重
P3 荷重
S ブラケットの取付点

Claims (8)

  1. 車両の車体フレームの前部又は後部の左右のブラケットに取り付けられるアンダランプロテクタの構造であって、
    車両前後方向外側面部と車両前後方向内側面部と上面部と下面部とを備え中空の閉断面を有するように構成され、
    前記内側面部又は前記外側面部には、軽量穴が形成され、
    前記軽量穴には、前記アンダランプロテクタにおける前記各ブラケットに結合される結合領域の相互間の長手方向中間部に横並びに形成される複数の中間部軽量穴が含まれ、
    前記複数の中間部軽量穴は、前記アンダランプロテクタにおける前記各ブラケットにそれぞれ結合される結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されている
    ことを特徴とする、アンダランプロテクタの構造。
  2. 前記複数の中間部軽量穴は、前記アンダランプロテクタの長手方向両端部に車両前後方向外側から加わる荷重に対する前記アンダランプロテクタの曲げモーメント分布に対応するように、前記結合領域から離隔するほど上下方向に大きな穴径に設定されている
    ことを特徴とする、請求項1記載のアンダランプロテクタの構造。
  3. 前記中間部軽量穴には、正面視が矩形の矩形形状穴が含まれている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のアンダランプロテクタの構造。
  4. 前記アンダランプロテクタは、車両前後方向外側に配置された外側パネルと、車両前後方向内側に配置された内側パネルとが、中空の閉断面を有するように結合されて構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のアンダランプロテクタの構造。
  5. 前記外側面部と前記内側面部と前記上面部と前記下面部とは何れも平板状に形成され、前記アンダランプロテクタの前記閉断面は矩形閉断面である
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のアンダランプロテクタの構造。
  6. 前記軽量穴には、前記内側面部における前記結合領域よりも車体外方の各端部領域に配設された複数の端部軽量穴が含まれ、
    前記複数の端部軽量穴は、前記結合領域から離隔する車体外方のものほど上下方向に大きな穴径に設定されている
    ことを特徴とする、請求項5記載のアンダランプロテクタの構造。
  7. 前記アンダランプロテクタは、断面がチャンネル形状の外側パネルと、断面がチャンネル形状又は直線形状の内側パネルとが、中空の閉断面を有するように結合されて構成され、
    前記外側面部は前記外側パネルのウェブ部により構成され、前記内側面部は前記内側パネルのウェブ部により構成され、前記上面部及び前記下面部は前記外側パネルのフランジ部又は前記内側パネルのフランジ部により構成されている
    ことを特徴とする、請求項5又は6記載のアンダランプロテクタの構造。
  8. 前記外側パネルは、長手方向両端部に前記内側パネルへ接近するように屈曲形成された端部屈曲部を有し、
    前記内側パネルは、長手方向に均一断面形状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項7記載のアンダランプロテクタの構造。
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