JP5505033B2 - 端子金具 - Google Patents
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Description
ここでこの種のシールド端子では、シールド電線に引張力が作用した場合の抜けを有効に阻止できるように、シールド電線との間の固着力を大きく取ることが重要な課題の一つであり、当該従来技術のものでは、外側端子における絶縁外皮に対する保持力を高めるようにしている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、芯線への応力緩和を図った上で電線の抜け止め力を向上させるところにある。
(1)前記両突起は、前記中心線から左右に同寸法離間した位置において、対称形状をなして形成されている。電線の軸線を挟んだ左右両側においてバランスの取れた抜け止め力を得ることができる。
(3)前記電線が、芯線、絶縁内皮、シールド層及び絶縁外皮を内側から同心に配したシールド電線であって、前記バレルが前記絶縁外皮にかしめられる。シールド電線に有効に適用できる。
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。この実施形態では、シールド電線10の端末に接続されるシールド端子20を例示している。
シールド電線10は、図4に示すように、軸心側から順に、芯線11、絶縁内皮12、編組線13(シールド層)、絶縁外皮14を同心に備えた公知構造のものであり、端末では、これらが順次に露出された状態に形成されている。
シールド端子20は雌側であって、同じく図4に示すように、シールド電線10の芯線11に接続される内側端子21の回りに、絶縁材からなる誘電体25を介して、外側端子30が配された構造である。外側端子30には、シールド電線10における編組線13と絶縁外皮14の端末がそれぞれ接続されている。
本体部31は、誘電体25の回りに間隔を開けて嵌着されるようになっており、図4に示すように、底板の前縁側に、コネクタハウジング70のキャビティ71に設けられたランス72に係止する一次係止突部32が、天井板の後縁に、リテーナ73に係止する二次係止突部33がそれぞれ形成されている。
さらに、底壁41の中央部と、右バレル片42Rの中央高さ部とには、それぞれシールド電線10の軸線方向と直交する方向に細長い長孔45が開口されている。
ただし、底壁51における左右両側縁部の所定領域、例えば底壁51の全幅の略1/3ずつの幅領域には、ローレット目が形成されておらず、突起60の形成領域55となっている。
一方、外側端子30の本体部31内には誘電体25が予め収容され、この誘電体25内に、上記した芯線11の端末に接続された内側端子21が抜け止めされて装着される。これに伴い、シールド電線10における編組線13の端末が前バレル40の底壁41に、また絶縁外皮14の端末が後バレル50の底壁51にそれぞれ載置された状態となる。
なお、下面側の長孔45は外部に開口しているから、同長孔45を通して目視することにより編組線13が正規にかしめられているか否かが確認できる。
また、両突起60は、後バレル50の底壁51の幅方向の中心から左右に同寸法離間した位置において、対称形状をなして形成されているから、左右両側においてバランスの取れた抜け止め力を得ることができる。
本実施形態では、前バレル40と後バレル50とにおいて、それぞれ内側に巻かれるべきバレル片42R,52Lの突出端に先に内方へ屈曲することを促す溝43,53を設けたから、前後のバレル40,50において所望のオーバラップ形状が確実に実現でき、ひいてはかしめ動作時においてシールド端子20がローリングすることを確実に防止でき、スムーズかつ正確なかしめ圧着をすることができる。
図7は、本発明の実施形態2を示す。後バレル50に設ける一対の突起65としては、平面方形状をなして、対向する側縁側を持ち上げるように切り起こし形成されたものであってもよい。この実施形態の突起65においても、前縁に設けられたところのシールド電線10の軸線方向と直交する方向に沿ったせん断面66が、絶縁外皮14の後方への移動の引っ掛かりとして機能し、また、対向した側縁に設けられたところの同軸線方向に沿ったせん断面67が、絶縁外皮14の外周部を挟むことに機能し、同様に、絶縁外皮14に対する抜け止め力を向上させることに有効となる。
三角形の突起60と方形の突起65とを切り起こした場合の曲げ剛性については、三角形の突起60の方が、3辺が切断された方形の突起65に比べて剛性が高く、そのため三角形の突起60の方が絶縁外皮14に対する食い込み量が大きいと考えられる。そのため、突起60,65の前縁のせん断面61,66が、絶縁外皮14の後方への移動の引っ掛かりとして機能する場合を考慮すると、三角形の突起60の方が有利であると考えられる。
翻って、突起60,65の接触面積については、同接触面積が大きい程絶縁外皮14を押さえ込んで肉の逃げ量を抑制することができ、そのため、絶縁外皮14の肉の逃げ量を抑制して保持力を確保するには、方形の突起65の方が有利と言える。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、一対のバレル片をオーバラップかしめする際に内側に巻かれるバレル片を特定するべく、同バレル片の突出端の裏面に屈曲を促す溝を形成したものを例示したが、このような溝の形成は省略してもよい。
(3)本発明はまた、芯線の回りを単層の絶縁被覆で覆った通常の被覆電線の端末に接続される端子金具についても、同様に適用することが可能である。
11…芯線
12…絶縁内皮
13…編組線(シールド層)
14…絶縁外皮(絶縁被覆)
20…シールド端子
30…外側端子
50…後バレル(バレル)
51…底壁
52L,52R…バレル片
53…溝
60…突起
61,62…せん断面
65…突起
66,67…せん断面
Claims (4)
- 底壁の左右両側縁から一対のバレル片が立ち上がり形成されてなるバレルを備え、前記底壁に載置された電線の絶縁被覆に対し、前記両バレル片が同絶縁被覆の外周に左右両側から巻き付きながらそれぞれの突出端を重ね合わせるように上下方向にかしめられることで前記電線を圧着するようにした端子金具において、
前記バレルの前記底壁における幅方向の中心線から左右に離間した位置であって、同底壁の左右の側縁付近には、前記電線の軸線方向と直交する方向に沿ったせん断面を前縁に、前記軸線方向に沿ったせん断面を対向する側縁にそれぞれ有する突起が切り起こしにより形成されていることを特徴とする端子金具。 - 前記両突起は、前記中心線から左右に同寸法離間した位置において、対称形状をなして形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
- いずれか一方のバレル片の突出端側の内面には、当該突出端を内方に屈曲しやすくするべく溝が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の端子金具。
- 前記電線が、芯線、絶縁内皮、シールド層及び絶縁外皮を内側から同心に配したシールド電線であって、前記バレルが前記絶縁外皮にかしめられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子金具。
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