WO2010024033A1

WO2010024033A1 - 端子金具及び端子金具の製造方法

Info

Publication number: WO2010024033A1
Application number: PCT/JP2009/061626
Authority: WO
Inventors: 義裕内山; 真治飯星
Original assignee: 住友電装株式会社
Priority date: 2008-08-27
Filing date: 2009-06-25
Publication date: 2010-03-04
Also published as: US20110177728A1; US8342894B2

Abstract

　端子金具１０、４０、１１０は、電線３０、１９０の導体３１、１９２を圧着により接続するためのオープンバレル状の電線圧着部１２、４２と、電線圧着部１２、４２の一部を導体３１、１９２側へ変位させてなる固着部２０、４３、１１９と、固着部２０、４３、１１９と電線圧着部１２、４２とを段差状に連結してなる係止部２１、４４、１１８とを備えている。導体３１、１９２側への変位方向に関して、係止部２１、４４、１１８の板厚は、電線圧着部１２、４２及び固着部２０、４３、１１９の板厚よりも大きくされている。

Description

[規則37.2に基づきISAが決定した発明の名称]　端子金具及び端子金具の製造方法

　本発明は、端子金具に関するものである。

　特許文献１には、電線を圧着により接続するための電線圧着部を備えた端子金具が開示されている。この端子金具では、電線圧着部における電線の導体との接触面に溝を形成し、この溝を導体の外周に引っ掛けることによって、電線圧着部と導体との固着力を高める構造が採用されている。
　また、特許文献２には、電線が載せられる基板部と、基板部の両側から突出して電線の端末にて露出された芯線に外側から圧着される一対のバレル片とからなる電線圧着部を備え、両バレル片が芯線にかしめ付けられることにより、電線との電気的な接続がとられる、一般的な端子金具が開示されている。
特開２００５－２２２８１５公報特開２００８－２６２８４２公報

　特許文献１に記載の端子金具では、溝の深さが電線圧着部の板厚の範囲内に限られるため、溝における導体との係止代が小さい。そのため、電線圧着部の板厚が薄い場合には、十分な固着力を得ることができない場合がある。
　また、特許文献２に記載の端子金具では、例えば、バレル片の内面に板厚を減じる凹部を設け、この凹部の内面に芯線を沿わせるようにすれば、両バレル片の芯線への保持力が高められ、ひいては端子金具と電線との接続信頼性の向上を図ることができる。しかしこの場合に、両バレル片の圧着力が高く設定されていると、かしめ動作に伴ってバレル片が展延されるため、凹部と対応する位置に存するバレル片の板厚が大幅に減少して、電線圧着部の強度が不足するという問題がある。

　本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電線圧着部と電線の導体との固着力を向上させることを目的とする。また、他の目的は、電線圧着部の強度を確保するところにある。

　上記の目的を達成するための手段として、本発明の端子金具は、電線の導体を圧着により接続するためのオープンバレル状の電線圧着部と、前記電線圧着部の一部を前記導体側へ変位させてなる固着部と、前記固着部と前記電線圧着部とを段差状に連結してなる係止部とを備えている。
　これによれば、電線圧着部に導体を圧着した状態では、係止部が導体に引っ掛かることにより、導体と電線圧着部との固着力が向上する。また、電線圧着部の肉厚を減じることがないため、電線圧着部の強度が確保される。

　なお、端子金具は、以下のような構成であってもよい。
　（１）導体側への変位方向に関して、係止部の厚みは、電線圧着部及び固着部の厚みよりも大きくされている。これによれば、仮に、導体を圧着するときの締付け力が大きくても、肉厚の大きい係止部は変形し難いので、係止部における導体との係止代が減少することはない。
　（２）固着部は導体の配線方向にほぼ沿った端面を有している。これにより、導体が固着部の端面に沿うように配置される。
　（３）固着部の端面には、導体側にリブ状に突出する食い込み部が形成されている。こうすると、食い込み部が導体の外周に食い込むように係止するので、固着力がさらに向上する。
　（４）電線圧着部は、導体が載せられる基板部と、基板部の両側から突出する一対のバレル片とを有し、このバレル片が導体に外側から圧着されるものであって、固着部はバレル片に設けられ、バレル片の外面には、固着部と対応する位置に、内面側に凹む凹部が設けられ、バレル片の内面には、固着部と対応する位置であって凹部と背中合わせの位置に、導体側へ突出する凸部が設けられている。バレル片の内面には導体側へ突出する凸部が設けられているから、バレル片の導体への保持力が高められ、端子金具と電線との接続信頼性の向上を図ることができる。また、バレル片の外面に凹部が設けられ、バレル片の内面における凹部と背中合わせの位置に凸部が設けられているから、バレル片にその板厚を減じる凹部のみが設けられる場合と比較して、バレル片の強度が確保される。この点は、請求項１の発明も同様である。
　（５）凸部及び凹部は、バレル片のみに設けられている。導体への圧着力の高い部位であるバレル片に効率よく設けられるため、必要以上に構成の複雑化を伴うことがない。
　（６）凸部及び凹部は、導体の配線方向と交差する向きに延びる線条の形状とされている。このような構成であれば、芯線への保持力がよりいっそう高められる。

　さらに、端子金具は次のように製造され得る。
　（７）電線を支持する基板部と、基板部の両側から突出する一対のバレル片とを備えた端子金具の製造方法であって、基板部に、電線の端末にて露出された導体を載せ、その状態で導体に外側から両バレル片をかしめ付け、そのかしめ付け動作と同時に、又はそのかしめ付け動作の後に、バレル片の外面を叩いて、バレル片の外面に、内面側に凹む凹部を形成するとともに、バレル片の内面における凹部と背中合わせの位置に、導体側に突出する凸部を形成する。凸部及び凹部がかしめ付け動作と同時にまたはかしめ付け動作の後に形成されることにより、圧着状態にあるバレル片がスプリングバックによって外側に開き変形するのが防止される。

　本発明によれば、電線圧着部と電線の導体との固着力を向上させることができる。また、電線圧着部の強度を確保することができる。

実施形態１において端子金具に電線を圧着した状態をあらわす側面図端子金具に電線を圧着した状態をあらわす平面図金属板材の電線圧着部の形状をあらわす平面図図３のＸ－Ｘ線断面図実施形態２の金属板材の電線圧着部の形状をあらわす平面図図５のＹ－Ｙ線断面図実施形態３の端子金具の要部破断側面図端子金具の要部平面図実施形態４の端子金具の要部平面図

　１０、４０、１１０…端子金具
　１２、４２…電線圧着部
　１１１…基板部
　２０、４３、１１９…固着部
　２１、４４、１１８…係止部
　４５…食い込み部
　３０、１９０…電線
　３１、１９２…導体
　１１４…バレル片
　１１５…凹部
　１１６…凸部

　＜実施形態１＞
　以下、本発明を具体化した実施形態１を図１～図４を参照して説明する。本実施形態の端子金具１０は、所定形状に打ち抜いた金属板材１０Ｐに曲げ加工等を施すことによって形成された雌形のものであり、前端側部分は角筒状をなす端子接続部１１となっている。端子接続部１１は、雄形の相手端子の細長いタブ（図示せず）との接続手段として機能する周知形態のものである。

　端子金具１０の後端側部分はオープンバレル状の電線圧着部１２となっている。この電線圧着部１２には、電線３０の前端部が圧着により接続されている。電線３０は、複数本の金属細線を撚り合わせた撚り線からなる芯線としての導体３１と、導体３１を包囲する絶縁被覆３２とから構成されている。電線３０の前端部においては、端子金具１０との接続準備として、予め、絶縁被覆３２が除去されることにより導体３１の前端部が露出した状態となっている。なお、導体３１の材料としては、銅や、銅よりも剛性が高い材料（例えば、アルミニウム）や、銅よりも導電率の低い材料（例えば、アルミニウム）が用いられ、ここでは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体３１が用いられる。

　電線圧着部１２の前端側部分は導体３１が接続されるワイヤバレル部１３となっており、電線圧着部１２の後端側部分は、電線３０の前端部のうち導体３１を包囲する絶縁被覆３２が残っている部分が接続されるインシュレーションバレル部１４となっている。ワイヤバレル部１３は、底板部１５の左右両側縁から左右対称な一対のバレル片１６を延出させた形態である。ワイヤバレル部１３に圧着された電線３０は、底板部１５と一対のバレル片１６とにより全周に亘って包囲されて加圧され、この加圧により生じた固着力によりワイヤバレル部１３に対して導通可能に固着される。

　圧着状態では、導体３１の前端部はバレル片１６の前端縁よりも更に前方へ突出するように位置する。ワイヤバレル（バレル片１６）のうち前後方向において、アプリケータのクリンパ（図示せず）により締め付けられる締付け領域１７は、バレル片１６の前後両端部を除いた範囲に限定されており、締付け領域１７の前方及び後方の端縁部は、締付け領域１７よりも僅かに拡径するように斜め（テーパ状）をなすベルマウス１８となっている。このように締付け領域１７を限定してベルマウス１８を形成しているので、バレル片１６の内周における前端縁及び後端縁のエッジが、導体３１を構成する金属細線を切断することはない。

　ワイヤバレル部１３には、固着部２０と係止部２１とが形成されている。固着部２０は、ワイヤバレル部１３のうち前後方向において締付け領域１７の範囲内の部分を、導体３１側（内周面側）へ変位させた壁状の形態であり、導体３１の配線方向に沿ってフラットな端面を有している。導体３１は固着部２０の端面に沿うように配置される。曲げ加工前の平板状をなす金属板材１０Ｐの状態では、固着部２０は、ワイヤバレル部１３のうち固着部２０以外の領域（以下、非固着部２２という）に対して平行をなしている。左右方向（圧着状態においては周方向）における固着部２０の形成領域は、一方のバレル片１６の立ち上がり端よりも内側（底板部１５側）の位置から、底板部１５を含み、他方のバレル片１６の立ち上がり端よりも内側（底板部１５側）の位置に亘る範囲である。かかる固着部２０は、方形をなしている。また、固着部２０の板厚寸法Ｔａは、全領域に亘って一定であり、非固着部２２の板厚Ｔｂと同一の寸法である。

　係止部２１は、固着部２０の前後両端縁と非固着部２２及び固着部２０の左右両端縁と非固着部２２とを段差状に連結する形態であり、換言すると、係止部２１は、固着部２０の全周に亘って連続した方形の枠状をなす。固着部２０の変位方向、つまり内外方向に関して、係止部２１の板厚寸法Ｔｃは、固着部２０及び非固着部２２の板厚Ｔａ，Ｔｂよりも厚い。この係止部２１の板厚Ｔｃは、固着部２０の板厚Ｔａの２倍よりも小さい寸法であるが、固着部２０の板厚Ｔａの２倍より大きい寸法としてもよい。また、係止部２１の内面（導体３１との対向面）は固着部２０の内面（導体３１との接触面）に対して面一状に連なり、係止部２１の外面は非固着部２２の外面に対して面一状に連なっている。また、前後方向において、係止部２１は、締付け領域１７の範囲内に位置している。

　ワイヤバレル部１３に導体３１を圧着した状態では、固着部２０の内面と係止部２１の内面とが導体３１の外周に密着し、非固着部２２の内面のうち係止部２１の近傍の方形枠状領域は導体３１とは非接触となる。同じく圧着状態では、係止部２１の内面側のエッジ状の角縁部が、導体３１の外周に対して食い込むことになり、この食い込み作用により、径方向において導体３１とワイヤバレル部１３との間で大きな係止代が確保される。これにより、ワイヤバレル部１３と導体３１との間における前後方向の固着力が高められている。

　また、導体３１を圧着するときの締付け力を大きく設定しても、肉厚の大きい係止部２１は潰れ変形し難いので、係止部２１における導体３１との係止代が減少することはない。なお、導体３１側からの反力によって固着部２０が係止部２１の間で外側へ湾曲するような変形を生じたとしても、肉厚の係止部２１は殆ど変形を来すことがないので、導体３１と係止部２１との係止代が減少する虞はない。さらに、電線圧着部１２の内面にその板厚を減ずるような凹部を形成しなくて済むため、電線圧着部１２全体の強度も確保される。

　＜実施形態２＞
　次に、本発明を具体化した実施形態２を図５及び図６を参照して説明する。本実施形態２の端子金具４０は、その電線圧着部４１のワイヤバレル部４２に形成される固着部４３を上記実施形態１とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態１と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。

　本実施形態２のワイヤバレル部４２には実施形態１と同様の固着部４３と係止部４４とが形成されており、固着部４３の端面には、導体３１側へ突出する食い込み部４５が形成されている。食い込み部４５は、固着部４３に対し外面側から叩き出すようなプレス加工を施すことによって形成されている。食い込み部４５は、導体３１の軸線と交差する周方向（底板部１５からのバレル片１６の立ち上がり方向と平行な方向）に延びており、前後方向に間隔を空けて複数、並列配置されている。各食い込み部４５の断面形状は、略三角形をなしている。ワイヤバレル部４２に電線３０の導体３１を圧着した状態では、食い込み部４５が導体３１の外周に食い込むことにより、高い固着力が発揮される。

　実施形態１、２では、例えば次のような態様であっても本発明の技術的範囲に含まれる。
　（１）実施形態１、２では固着部の形成領域を電線圧着部の外縁部よりも内側の範囲内としたが、本発明によれば、固着部の形成領域が電線圧着部の外縁部に達してもよい。
　（２）実施形態１、２では電線圧着部に１つの固着部を形成したが、本発明によれば、１つの電線圧着部に複数の固着部を形成してもよい。
　（３）実施形態１、２では雌形の端子金具に適用した例について説明したが、本発明は雄形の端子金具にも適用することができる。

　＜実施形態３＞
　本発明の実施形態３を図７及び図８によって説明する。実施形態３の端子金具１１０は、電線１９０の端末に接続されるものであって、図示しないコネクタハウジングに収容され、その状態で図示しない相手コネクタと嵌合されることにより、図示しない相手端子と導通接続されるようになっている。この端子金具１１０は、銅又は銅合金からなる導電性金属板を所定形状に打ち抜いたあと曲げ加工等して一体に成形され、前後方向の全長に亘って延びる帯板状の基板部１１１を備えている。

　基板部１１１の前端部には、相手端子を受容してこの相手端子と電気的に接続される接続部１１２が角筒状に折り曲げて設けられている。また、基板部１１１の後端部の両側縁（延出方向と直交する幅方向の両端縁）には、電線１９０の端末における被覆１９１に外側から圧着されるオープンバレル状の一対の保持片１１３が外側に突出して設けられている。両保持片１１３は、圧着後、電線１９０の被覆１９１の外周面に沿って回曲され、図８に示すように、その先端同士を基板部１１１の幅方向略中央部にて突き合わせて配されている。さらに、基板部１１１の両側縁には、前後方向に関して接続部１１２と両保持片１１３との間に、電線１９０の端末にて露出された芯線からなる導体１９２に外側から圧着されるオープンバレル状の一対のバレル片１１４が外側に突出して設けられている。両バレル片１１４は、電線１９０の導体１９２の幅方向略中央部に深く食い込むように圧着され、圧着後は湾曲状をなしてその先端同士を基板部１１１の幅方向略中央部に突き合わせて配されている。なお、基板部１１１及びバレル片１１４によって本発明の電線圧着部が構成されている。

　電線１９０は、基板部１１１の長さ方向（前後方向）に配策され、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線を撚り合わせた導体１９２と、導体１９２の周りを覆う絶縁樹脂製の被覆１９１とによって構成されている。

　さて、両バレル片１１４には、このバレル片の一部を導体１９２側へ変位させてなる固着部１１９が形成されている。固着部１１９は、図７に示すように、前後方向中間部において前後方向に間隔をあけつつ対をなして配され、それぞれ幅方向に延びる線状の形態をなしている。両バレル片１１４のうち、各固着部１１９と対応する外面には、内面側に凹む凹部１１５が形成されている。各凹部１１５は、幅方向に延びる線条であって断面Ｖ字状をなし、図８に示すように、互いに平行に、かつ両バレル片１１４に跨って一直線状に配されている。また、両バレル片１１４のうち、各固着部１１９と対応する内面には、凹部１１５と背中合わせの位置に、導体１９２側へ突出する凸部１１６が形成されている。各凸部１１６は、幅方向に延びる線条であって断面Ｖ字状をなし、互いに平行に、かつ両バレル片１１４に跨って一直線状に配され、端的には各凹部１１５と適合する形状をなしている。このため、バレル片１１４は、各凸部１１６及び各凹部１１５と対応する部位を含めて全体に亘ってほぼ同じ板厚とされている。なお、かかる凸部１１６及び凹部１１５は、両バレル片１１４のみに設けられ、接続部１１２、基板部１１１、及び両保持片１１３には設けられていない。また、固着部１１９とその前後のバレル片１１４の部分とは係止部１１８によって段差状に連結されている。

　次に、実施形態３の端子金具１１０の製造方法及びその作用効果について説明する。
　電線１９０の端末における被覆１９１を皮剥ぎして導体１９２を露出させた後、電線１９０を基板部１１１の上面に載せる。続いて、図示しないアンビルとクリンパ等の治具を用いて両バレル片１１４及び両保持片１１３をかしめ付ける。すると、両バレル片１１４が内側に傾倒してその先端部が導体１９２の幅方向中央部に外側（上方）から食い込み、これによって端子金具１１０と電線１９０とが電気的に接続される。また、両バレル片１１４と対応する治具の内面に形成された凸条により、治具の移動に伴って両バレル片１１４の外面が押圧され、両バレル片１１４の外面に凹部１１５が形成されるとともに、両バレル片１１４の内面に凸部１１６が形成され、ひいては固着部１１９及び係止部１１８が形成される。そして、係止部１１８の凸部１１６が導体１９２の表面にエッジ状に食い込むことにより、導体１９２が強固に圧着される。この場合、仮に、導体１９２の表面に酸化アルミニウムからなる酸化皮膜が形成されていても、凸部１１６の成形と同時に、凸部１１６が酸化皮膜を機械的に破壊するため、両バレル片１１４と導体１９２との良好な接続信頼性が確保される。

　ところで、上記の場合、かしめ動作によって両バレル片１１４に板厚方向の力が加わるため、両バレル片１１４が展延されて、凹部１１５と対応する部位の強度が低下する懸念がある。しかるに実施形態３によれば、両バレル片１１４には凹部１１５と凸部１１６とが互いに背中合わせの位置に設けられているため、両バレル片１１４にその板厚を減じる凹部１１５のみが設けられる場合と比べ、両バレル片１１４の板厚が大きく減少することがなく、また凸部１１６によって両バレル片１１４の伸び量そのものが小さく抑えられる。その結果、両バレル片１１４の強度が適正に確保される。

　また、凸部１１６及び凹部１１５が両バレル片１１４のみに設けられ、つまり導体１９２への圧着力の高い部位に効率よく設けられているから、端子金具１１０の構成が必要以上に複雑になるのが回避される。

　さらに、凸部１１６及び凹部１１５が導体１９２の配線方向と交差する向きに延びる線条の形状とされているから、導体１９２への保持力がよりいっそう高められる。

　さらにまた、凸部１１６及び凹部１１５がかしめ付け動作と同時に形成されるから、導体１９２に圧着された両バレル片１１４がスプリングバックによって外側に開き変形するのが効果的に防止される。

　＜実施形態４＞
　図９は実施形態４に係る端子金具１１０を示す。これは、固着部１１９及び係止部１１８の配置、言い換えれば凸部１１６及び凹部１１５の配置が実施形態３とは異なっている。すなわち、凹部１１５は、両バレル片１１４の外面のうちの一方に、互いに平行に配される第１凹部１１５Ａを有し、他方に、互いに平行に配される第２凹部１１５Ｂを有して構成されている。第１凹部１１５Ａと第２凹部１１５Ｂとは、いずれも幅方向に直線状に延びる形状とされ、かつ前後方向に関して互い違いとなるよう互いに千鳥状に配されている。図示しない凸部１１６も、第１凹部１１５Ａ及び第２凹部１１５Ｂと背中合わせの位置に、それぞれ第１凸部及び第２凸部を有している。その他は、実施形態３と同様である。

　実施形態３、４では、例えば次のような態様であっても本発明の技術的範囲に含まれる。
　（１）両バレル片をかしめ付けた後、両バレル片の外面を叩くことにより、両バレル片の内面及び外面にそれぞれ凸部及び凹部を形成してもよい。
　（２）凸部及び凹部は、任意形状であって、例えば、断面角Ｕ字状に形成されてもよい。
　（３）凸部及び凹部の個数は、任意であって、単数又は３つ以上であってもよい。
　（４）端子金具は、前方へ突出する雄タブを有する雄型端子金具であってもよい。
　（５）電線は、銅又は銅合金からなる素線を撚り合わせた導体を有する銅電線であってもよい。

Claims

　電線の導体を圧着により接続するためのオープンバレル状の電線圧着部と、
　前記電線圧着部の一部を前記導体側へ変位させてなる固着部と、
　前記固着部と前記電線圧着部とを段差状に連結してなる係止部とを備えていることを特徴とする端子金具。
　前記導体側への変位方向に関して、前記係止部の厚みは、前記電線圧着部及び前記固着部の厚みよりも大きくされていることを特徴とする請求項１記載の端子金具。
　前記固着部は前記導体の配線方向にほぼ沿った端面を有していることを特徴とする請求項１又は２記載の端子金具。
　前記固着部の前記端面には、前記導体側にリブ状に突出する食い込み部が形成されていることを特徴とする請求項３記載の端子金具。
　前記電線圧着部は、前記導体が載せられる基板部と、前記基板部の両側から突出する一対のバレル片とを有し、このバレル片が前記導体に外側から圧着されるものであって、
　前記固着部は前記バレル片に設けられ、
　前記バレル片の外面には、前記固着部と対応する位置に、内面側に凹む凹部が設けられ、前記バレル片の内面には、前記固着部と対応する位置であって前記凹部と背中合わせの位置に、前記導体側へ突出する凸部が設けられていることを特徴とする請求項１記載の端子金具。
　前記凸部及び前記凹部は、前記バレル片のみに設けられていることを特徴とする請求項５記載の端子金具。
　前記凸部及び前記凹部は、前記導体の配線方向と交差する向きに延びる線条の形状とされていることを特徴とする請求項５又は６記載の端子金具。
　電線を支持する基板部と、前記基板部の両側から突出する一対のバレル片とを備えた端子金具の製造方法であって、
　前記基板部に、前記電線の端末にて露出された導体を載せ、その状態で前記導体に外側から前記両バレル片をかしめ付け、そのかしめ付け動作と同時に、又はそのかしめ付け動作の後に、前記バレル片の外面を叩いて、前記バレル片の外面に、内面側に凹む凹部を形成するとともに、前記バレル片の内面における前記凹部と背中合わせの位置に、前記導体側に突出する凸部を形成することを特徴とする端子金具の製造方法。