JP5504425B2 - 封緘装置および封緘方法 - Google Patents

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Description

本発明は封緘装置および封緘方法に関するものである。
封筒の糊しろ部分であるフラップ部に粘着剤を塗布し、或いは、フラップ部に予め乾燥状態の接着剤が塗布されており、この部分に水分を供給することで湿潤させた後、フラップ部を折り曲げ封筒本体に貼着することで、フラップ部を自動的に封緘する封緘装置が知られている。
例えば、特許文献1には、フラップの付け根部分を下に曲げて当該フラップを斜め上に起立させる曲げヘッドと、接着テープを封筒の裏面に貼り付ける貼り付け具とを備えた封緘装置に関する開示がある。この封緘装置では、曲げヘッドがフラップ部を介在させ、所定幅の隙間に入り込み、折目を形成するようになっている。
特開2001−205988号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の封緘装置では、曲げヘッドが隙間に挟んだ折目を該隙間から抜き出すことが困難であるため、搬送途中で封筒を詰まらせることがある。
本発明は上記した課題を解決するものであり、搬送経路において封筒が詰まることなく円滑に封筒を搬送可能な封緘装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の封緘装置は、未封緘状態の封筒を封緘するための封緘剤を、少なくともフラップ部、または封筒本体のフラップ部を貼着する箇所のうちいずれかの塗布位置に塗布する塗布手段と、フラップ部に折目を形成する折曲げ凸部を設けてなる折目形成部と、折目形成部において形成された折目を挟持し、塗布手段によって塗布された封緘剤によりフラップ部を封筒本体に貼着して封筒を封止するプレスローラを設けてなる封止部と、各部の動作を制御する制御部とを備えた封緘装置において、前記折目形成部は、折曲げ凸部を挿通する挿通部を設けてなり、制御部は、フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通することで、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送するよう制御するものである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の封緘装置において、折曲げ凸部は、挿通部へ挿通される際の挿通量を調整可能に構成されてなるものである。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の封緘装置において、搬送手段により封筒搬送方向とは逆方向へ引き出す引き出し量は、折曲げ凸部の挿通部への挿通量に応じて調整可能に構成されてなるものである。
更に、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の封緘装置において、挿通部は、凹部材の上面に形成された凹溝により構成され、
凹溝の底部には、弾性部材が敷設されなるものである。
更に、請求項5に記載の発明は、未封緘状態の封筒を封緘するための封緘剤を、少なくともフラップ部、または封筒本体のフラップ部を貼着する箇所のうちいずれかの塗布位置に、塗布手段によって塗布し、フラップ部に折目を形成する折曲げ凸部により折目を形成し、形成された折目をプレスローラにより挟持し、塗布手段によって塗布された封緘剤によりフラップ部を封筒本体に貼着し封止する封緘方法において、フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通し、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送する封緘方法に関するものである。
請求項1に記載の封緘装置は、折目形成部は、折曲げ凸部を挿通する挿通部を設けてなり、制御部は、フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通することで、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送するよう制御するので、形成されたフラップ部の折目が挿通部に挟まったまま該挿通部から抜け難くなくなった状態を解除し、搬送経路において封筒が詰まるのを防止することができる。
また、請求項2に記載の封緘装置によれば、折曲げ凸部は、挿通部へ挿通される際の挿通量を調整可能に構成されてなるので、フラップ部を封筒本体へ貼着した後に、フラップ部が封筒本体から剥がれてしまう恐れがある場合には、折曲げ凸部の挿通部への挿通量を大きくすることで、しっかりとした折目を形成し、確実に封緘できるよう調整することが出来る。
そして、請求項3に記載の封緘装置によれば、搬送手段により封筒搬送方向とは逆方向へ引き出す引き出し量は、折曲げ凸部の挿通部への挿通量に応じて調整可能に構成されてなるので、形成された折目を挿通部から確実に引き出すことが出来るとともに、封筒を搬送方向と逆方向へ搬送するのに要する動力と時間を必要な量に調整することができる。
そして、請求項4に記載の封緘装置によれば、挿通部は、凹部材の上面に形成された凹溝により構成され、凹溝の底部には、弾性部材が敷設されてなるので、フラップ部を介在させた状態で折り曲げ凸部が、弾性部材の弾性力に抗して凹溝の底部近くまで挿通されることで、フラップ部にしっかりとした折目を形成することが可能である。
そして、請求項5に記載の封緘装置によれば、フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通し、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送するので、形成されたフラップ部の折目が挿通部に挟まったまま該挿通部から抜け難くなくなった状態を解除し、搬送経路において封筒が詰まるのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る封緘装置の外観斜視図である。 前記封緘装置の筐体を外した状態の斜視図である。 前記封緘装置の構成を示す断面図である。 前記封緘装置の封緘剤塗布部及び折目形成部の部分拡大図である。 前記封緘装置の折目形成部の凸部材昇降手段の斜視図である。 前記封緘装置の使用態様を示す拡大図である。 前記封緘装置の使用態様を示す拡大図である。 前記封緘装置の使用態様を示す拡大図である。 前記封緘装置の使用態様を示す拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る封緘装置の凹部材の拡大図である。 従来の封緘装置の使用態様を示す図である。
(第1の実施形態)
本発明に係る封緘装置の一実施形態について以下に説明する。図1は封緘装置の外観斜視図、図2は前記封緘装置の筐体を外した状態の斜視図、図3は前記封緘装置の構成を示す断面図、図4は前記封緘装置の封緘剤塗布部及び折目形成部の部分拡大図である。ここで、説明の都合上、封緘処理を行う対象である封筒10の供給台16の設けられた図1,2における右側を封緘装置1の前側、封緘剤塗布部3の設けられた同図における左側を後側、後側から見た左側を封緘装置1における左側、右側を封緘装置1における右側として説明する。
図1に示すように、封緘装置1によって封緘処理がなされる封筒10は、内容物を収納する封筒本体11の一端側にのりしろ部分であるフラップ部12を有し、このフラップ部12に封緘剤を塗布し、封筒本体11の裏面11aにフラップ部12を貼着して封緘する。
図3において、封緘装置1は、未封緘状態の封筒10を、裏面11aを上側にして複数積載し、最下位より一通ずつ後方の処理部分に供給する供給部2と、未封緘状態の封筒10のフラップ部12上面に封緘剤を塗布する封緘剤塗布部3と、フラップ部12に折目を形成する折目形成部4と、折目が形成された封筒10を折り畳んでプレスし、フラップ部12を封止する封止部5と、封止済みの封筒10を積載する排出積載部6と、各部の動作を制御する制御部7とを備えている。図1に示すように、供給部2の後部分、封緘剤塗布部3、折目形成部4及び封止部5は、筐体9内に収容されている。
図3に示すように、供給部2は、供給台16、サイド規制板17、供給搬送手段18、捌き部19を備えている。供給台16は、封緘装置1の前側の所定高さ位置に設けられ、該供給台16の前側は高く後側は低くなるよう傾斜配置される。サイド規制板17は、図2に示すように、供給台16上に左右の幅方向に摺動自在に設けられ、供給台16における封筒10の載置位置を幅方向略中央部に合わせるものである。
供給搬送手段18は、供給台16の封筒載置面に一部が露出して設けられた複数のゴムローラ22と、前記ゴムローラ22の後方に設置される図3に示す搬送ローラ23からなる。供給搬送手段18は、ギア、プーリ、ベルトからなる伝動機構(図示省略)を介して供給モータ15に連動連結している。
捌き部19は、供給台16の後方に配置され、供給台16上の複数の封筒10から最下位の封筒10aを分離し、順次後方へ搬送する。捌き部19は、後端規制板25、捌きローラ24及び従動ローラ26を備えている。後端規制板25は、供給台16の後部に縦設され、複数の封筒10の後端縁が当接し、最下位に位置する封筒10aのみが後方へ搬送されるよう上部の封筒10を規制する。後端規制板25の下方には、供給台16の上面との間に、封筒10を1通ずつ通過させるための開口部27が形成されている。
捌きローラ24は、後端規制板25の後方に配置され、封筒10の搬送方向とは逆方向にのみ回転するようになっており、搬送ローラ23との間に0.1mm程度の隙間が形成されている。また、捌きローラ24と該捌きローラ24に対向する搬送ローラ23との間に封筒10が搬送されてきたときに所定圧力で該封筒10を挟持するようバネにより付勢されている。
従動ローラ26は、捌きローラ24の後方に配置され、該捌きローラ24とは異なり、正逆回転自在であり、下方の搬送ローラ23に所定の圧力で転接するようバネにより付勢されている。
封緘剤塗布部3は、封緘剤供給具31と、塗布手段36と、塗布板35とを備えている。封緘剤供給具31は、封筒10を封緘するための封緘剤を内部に収容してなるものであり、本実施形態では、帯状のテープの片面に封緘剤を保持する封緘剤保持テープ30、及び図示しないが、封緘剤保持テープ30の供給リール、巻取リール、及び封緘剤保持テープ30に保持された封緘剤をフラップ部12に押し当て転写させる転写ローラをケースの内部に収容してなる。封緘剤は、図示しないが、所定厚さの粘着剤層により形成され、該粘着剤層が所定幅を有する封緘剤保持テープ30に保持されてなる。
塗布手段36は、封緘剤昇降手段32及び幅移動手段33を備えている。封緘剤昇降手段32は、封緘剤供給具31を昇降する。図4において、封緘剤昇降手段32によって封緘剤供給具31を降下した状態を二点鎖線で示す。封緘剤昇降手段32は図2,3に示す昇降モータ38により駆動される。
幅移動手段33は、封緘剤供給具31が封緘剤昇降手段32により降下された際、該封緘剤供給具31を左端から右方へ幅方向に移動させ、これにより封緘剤保持テープ30に保持された封緘剤をフラップ部12に転写する。幅移動手段33は、幅移動モータ39により駆動される。
塗布板35は、封緘剤供給具31の下方において、左右幅方向に延び、略水平に配設される。塗布板35の材質は特に限定されないが、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の封緘剤が付着した場合にも容易に剥離可能なものが好ましい。
折目形成部4は、封筒10の搬送方向にほぼ直交する向きに横設された凸部材44及び凹部材45と、凸部材44を昇降する凸部材昇降手段46とを備え、図4に拡大して示すように、凸部材44は、略直角に屈曲して形成され、フラップ部12に折目を形成する折曲げ凸部48を下部に有する。
凹部材45は上面に折曲げ凸部48が挿通する挿通部47としての凹溝49を有し、凸部材44が凸部材昇降手段46によりフラップ部12を介在させ凹溝49に挿通することによって、封筒10の搬送方向と略直交する向きに折目を形成するようになっている
図5は、凸部材昇降手段46の斜視図を示す。凸部材昇降手段46は、折目形成モータ50と、該折目形成モータ50により回転される回転軸88と、折目形成モータ50の回転を回転軸88に伝達する伝達手段89とを備えている。回転軸88の左右両端部にはそれぞれカム90が取り付けられ、該カム90には昇降棒91が接続される。昇降棒91の上端部は昇降台92を支持しており、折目形成モータ50が回転した際、カム90の作用により該昇降台92を昇降するようになっている。昇降台92の左右両端部には凸部材44の左右両端部を下方より支持する支持板93が付設されている。また昇降台92の左右両端部近傍には、該昇降台92を貫通して案内部材94が挿通されており、昇降台92を案内する。
図3に示すように、封緘剤塗布部3及び折目形成部4の後方には、封筒本体11を挟持し搬送する搬送手段としての後方搬送手段51が設置されている。後方搬送手段51は、上下一対の搬送ローラ52が前後に複数並設され、未封緘状態の封筒10の封筒本体11を挟持し、搬送ローラ52の正逆回転により封筒10を後方及び前方の両方向へ搬送可能に構成される。
封止部5は、前方の供給部2と後方の封緘剤塗布部3との中間に位置し、折目の形成された封筒10のフラップ部12を折り返し、封緘剤塗布部3において塗布された封緘剤により封筒本体11の裏面11aにフラップ部12を圧接して貼着するためのものである。封止部5は、封筒10を後方及び前方の両方向に搬送する正逆回転可能な搬送ローラ55と、バネの付勢により所定の押圧力で搬送ローラ55に転接するプレスローラ56とを備えている。
後方搬送手段51と、封止部5の搬送ローラ55とは図示しないベルトにより連結され、ともに図3に示す後方搬送モータ58により駆動される。
また、封止部5には、前後に2列並設された搬送ローラ55及びプレスローラ56の間に、封筒10の搬送面を跨いで発光素子と受光素子からなる先端検知センサ29を設けている。先端検知センサ29は、供給部2から送られた封筒10のフラップ部12の先端縁12aが先端検知センサ29の設置位置を通過したことを検出する。図2に示すように、先端検知センサ29は幅方向中央部からの距離が同じ位置に各々1個ずつ設置されている。
更に、後側のプレスローラ56の後方の所定高さ位置には、フラップ当接板81が縦設されており、折目が形成されることで、上方に跳ね上がったフラップ部12が該フラップ当接板81に当接しつつ前方へ搬送されることで、フラップ部12を折り畳むようになっている。
図3に示すように、排出積載部6は、供給部2の下方に設けられる。供給部2の後部に配設された搬送ローラ23と、封止部5の搬送ローラ55とは前後方向に所定長さ離間して配置されている。この両搬送ローラ23、55の間に形成された空間部60から封緘済みの封筒10が下方に排出され排出積載部6に積載される。
制御部7は、封緘装置1の全体を制御し、CPU等により構成される。制御部7には、封筒10の大きさを入力し、設定する設定手段65からの信号、及び先端検知センサ29からの信号が供給される。図1示すように、設定手段65は操作パネル64等により構成され、封緘処理すべき角2、長3、長4等の封筒の大きさを使用者が操作パネル64より入力し設定する。
そして、制御部7からの出力により、供給モータ15、後方搬送モータ58、昇降モータ38、幅移動モータ39及び折目形成モータ50の駆動状態が適宜制御される。
更に、制御部7は、フラップ部12を介在させて折曲げ凸部48を挿通部47に挿通することで、フラップ部12に折目を形成した封筒10を、後方搬送手段51により封止部5へと搬送するにあたり、挿通部47に挟まったフラップ部12を、挿通部47設置位置における封止部5への封筒10の搬送方向とは逆側に設置した後方搬送手段51により前方への封筒20の搬送方向とは逆方向となる後方へ所定量引き出した後、搬送方向である前方へ搬送するよう制御する。
(作用)
封緘装置1により未封緘状態の封筒10を封緘する作業について説明する。まず封緘作業の概略について、図3に示すように、未封緘状態の多数の封筒10は、フラップ部12を前側に、宛先が記載された封筒10の表面を下側にして供給台16上に積載され、供給搬送手段18及び捌き部19の作用により最下位の封筒10aから順次1通ずつ後方へ搬送される。供給部2から搬送された封筒10は、未封緘のままで一旦封止部5を通過し、封緘剤塗布部3に至り、封緘剤が塗布された後、折目形成部4において折目が形成され、後方搬送手段51により供給の際とは逆方向となる前方へ搬送され、封止部5においてフラップ部12が封止され、排出積載部6に排出される。以下に詳細に説明する。
供給台16上に複数の未封緘状態の封筒10を積載し、供給搬送手段18の駆動により最下位から順次後方に送り出す。この際、後端規制板25に上層の封筒10の後端が当接して、後方への搬送が規制され、開口部27を通過した封筒10のみが後方へ搬送される。そして、捌きローラ24により更に封筒10を分離し、封筒10を後方の封止部5へと搬送する。
封止部5においては、未封緘状態のままの封筒10が搬送ローラ55およびプレスローラ56により挟持搬送され、後方の封緘剤塗布部3に供給される。先端検知センサ29は、フラップ部12の先端縁12aが該先端検知センサ29の設置箇所を通過したことを検出し、制御部7に供給する。
封緘剤塗布部3に至った封筒10は、図3に示す後方搬送手段51により封筒本体11が挟持され後方へ搬送される。そして、封筒10のフラップ部12の先端縁12aが塗布板35上の封緘剤供給具31の前端部のほぼ真下に位置するところで、後方搬送手段51の駆動を停止する。これは、制御部7が、設定手段65により設定された封筒10の大きさに対応したフラップ部12の長さに基づいて、先端検知センサ29によるフラップ部12の先端縁12aの検出後、封筒10を所定量搬送した後、所定位置で後方搬送モータ58を停止することにより行う。
そして、封緘剤塗布部3では、設定手段65により設定された封筒10の幅に対応した所定位置まで幅移動手段33により封緘剤供給具31が予め左端から所定量右方へと予め移動されている。この状態において、図6に示すように、封緘剤昇降手段32により封緘剤供給具31が降下され、塗布板35上のフラップ部12に接触する。そして、幅移動手段33により封緘剤供給具31が右方へと移動され、フラップ部12に封緘剤保持テープ30の封緘剤としての粘着剤層が転写される。
封緘剤供給具31は、フラップ部12への封緘剤の転写に伴って転写ローラが回転し、供給リールから順次封緘剤保持テープ30が繰り出され、巻取リールに封緘剤保持テープ30が巻き取られる。
フラップ部12への封緘剤の塗布終了後、封緘剤供給具31は封緘剤昇降手段32により上昇され、幅移動手段33により元の位置に移動され、次に送られてくる封筒10のため所定位置で待機する。
そして、図7に示すように、折曲げ凸部48が待機位置から凸部材昇降手段46により折目形成位置まで降下され、フラップ部12とともに凹溝49内に挿通し、フラップ部12に折目が形成される。
折目形成後、凸部材昇降手段46により凸部材44を待機位置まで上昇し、図3に示す後方搬送モータ58を、封緘剤塗布及び折目形成前とは逆方向に回転し、後方搬送手段51によって封筒10を前方の封止部5へ搬送する。このとき、形成した折目が挿通部47に挟まっているで、挿通部47の後方に設置された後方搬送手段51により封筒10を前方へ搬送しようとすると、図11に示すように、封筒10の詰まりが発生する。
そこで、後方搬送手段51の前方への搬送の直前に、図8に示すように、搬送方向とは逆方向となる後方へ所定量封筒10を搬送し、挿通部47である凹溝49に挟まったままの折目を引き出した後、搬送方向である前方への搬送を行うようにする。これにより、形成されたフラップ部12の折目が凹溝49に挟まったまま該凹溝49から抜け難くなくなった状態を解除し、封筒10が詰まるのを防止することができる。
後方搬送手段51による封筒10の搬送方向とは逆方向となる後方への引き出し量は、0.5mm〜5mm程度、好ましくは1mm〜3mm程度である。尚、折曲げ凸部48の挿通部47への挿通量は、例えば、3mm〜4mm程度とする。
封筒10が封止部5に至ると、図9に示すように、フラップ部12がフラップ当接板81に当接してフラップ部12が折り畳まれ、プレスローラ56と搬送ローラ55との間に折目形成部4において形成された折目を挟持し、フラップ部12を折り畳んで封筒10を前方へ搬送する。封筒10は、封緘剤塗布部3において塗布された封緘剤によりフラップ部12が封筒本体11に貼着され、封止される。封筒10は、図3に示す空間部60から下方へ向けて放出され、排出積載部6に積載される。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、凸部材昇降手段46が、折目形成モータ50の回転により伝達手段89を介して回転軸88を一方向のみに回転することで、凸部材44を待機位置と折目形成位置との間で昇降したが、本第2の実施形態では、これに替えて、折目形成モータ50を正逆回転可能とし(図示省略)、正回転時と逆回転時とで凸部材44の降下と上昇とを使い分けることとする。また、図10に示すように、凹部材45aの上面に形成された挿通部47aとしての凹溝49aの底部には、天然ゴム、合成ゴム、またはスポンジ等の発泡樹脂等の弾性部材54が敷設されている。
そして、制御部7は、折目形成モータ50の回転量を制御することで、折曲げ凸部48が挿通部47aへ挿通される際の挿通量を調整可能に構成している。これにより、封筒10を形成する紙がコシの強いものである場合や、封筒10の内容物が厚い場合等、フラップ部12に形成された折目が封止部5において封筒本体11へ貼着された後に浮き上がり、封筒本体11から剥がれてしまう恐れがある場合に、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量を大きくすることで、しっかりとした折目を形成し、確実に封止できるように制御可能である。また、逆に、封筒10を構成する紙がコシの弱いものである場合や封筒10の内容物が薄い場合には、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量を小さくすることで、フラップ部12の折目形成位置の近傍に皺が生じるのを防止することができ、封緘処理の仕上がりを美しくすることができる。
このように、折曲げ凸部48をより深く挿通部47aとしての凹溝49内へ挿通する制御は、使用者が、封緘処理を行う封筒10が比較的コシの強い紙により形成された封筒10であると判断した場合や、封筒10の内容物の厚さが厚いために、封緘処理後、フラップ部12が封筒本体11から浮き上がりやすいと判断した場合等に、封緘処理の前に予め設定手段65により、手動で設定することにより行われる。
また、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量を調整するよう制御部7により制御した場合、後方搬送手段51により凹溝49に挟まったままの折目を後方へ引き出す引き出し量を、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量に応じて調整するよう制御することが可能である。即ち、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量が大きいときは、後方搬送手段51による引き出し量を大きくし、逆に、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量が小さいときは、後方搬送手段51による引き出し量を小さくするよう制御部7により制御できる。これにより、折目を挿通部47aから確実に引き出すことが出来るとともに、封筒10を搬送方向と逆方向へ搬送するのに要する動力と時間を必要な量に調整することができる。
更に、上記のように、封筒10を形成する紙がコシの強いものである場合や、封筒10の内容物が厚い場合等には、折曲げ凸部48の挿通部47aへの挿通量を通常よりかなり大きくし、折曲げ凸部48の先端を凹溝49の底部に敷設された弾性部材54にフラップ部12を介して押し付けることもできる。この場合には、折り曲げ凸部48が、弾性部材54の弾性力に抗して凹溝49の底部近くまで降下することで、フラップ部12によりくっきりとした折目を形成することができ、封緘をより確実できるよう調整可能である。
尚、上記第1,2の実施形態では、供給部2において、未封緘状態の封筒10を最下位より一通ずつ供給したが、本発明に係る封緘装置は、これに限定されず、最上位の封筒から順次供給する構成としてもよい。また、封緘剤昇降手段32により封緘剤供給具31を昇降し、封緘剤を塗布したが、封緘剤供給具を固定するとともに、封緘剤供給具に当接するよう封筒を移動し、封緘剤を塗布する構成としてもよい。
また、封緘剤は、粘着性を有するとともに、封緘剤保持テープ30に粘着剤層が保持されたものにより構成したが、これに限定されず、ノズル先端から液体状の粘着性接着剤を所定のタイミングで供給するといったものであってもよく、ホットメルト系接着剤を加熱溶融し接着してもよい。また、フラップ部に予め接着剤が塗布され、乾燥状態とされた封筒を、封緘処理する場合には、水を封緘剤として用いても構わない。封緘剤としての水を塗布する塗布手段としては、開閉自在なノズル先端から、タンク内に収容した水を供給するといった構造や、水を含んでなるスポンジ等の含水部材をフラップ部12に当接させる構造等が挙げられる。
また、封緘剤を塗布する位置は、封筒10のフラップ部12としたが、これに限定されず、封筒本体のフラップ部を貼着する箇所を封緘剤の塗布位置とし、この塗布位置に合わせて後方搬送手段による搬送量を制御してもよい。
1 封緘装置
4 折目形成部
5 封止部
7 制御部
10 封筒
11 封筒本体
12 フラップ部
36 塗布手段
47,47a挿通部
48 折曲げ凸部
49 凹溝
54 弾性部材
56 プレスローラ

Claims (5)

  1. 未封緘状態の封筒を封緘するための封緘剤を、少なくともフラップ部、または封筒本体のフラップ部を貼着する箇所のうちいずれかの塗布位置に塗布する塗布手段と、
    フラップ部に折目を形成する折曲げ凸部を設けてなる折目形成部と、
    折目形成部において形成された折目を挟持し、塗布手段によって塗布された封緘剤によりフラップ部を封筒本体に貼着して封筒を封止するプレスローラを設けてなる封止部と、
    各部の動作を制御する制御部とを備えた封緘装置において、
    前記折目形成部は、折曲げ凸部を挿通する挿通部を設けてなり、
    制御部は、フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通することで、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送するよう制御する封緘装置。
  2. 折曲げ凸部は、挿通部へ挿通される際の挿通量を調整可能に構成されてなる請求項1に記載の封緘装置。
  3. 搬送手段により封筒搬送方向とは逆方向へ引き出す引き出し量は、折曲げ凸部の挿通部への挿通量に応じて調整可能に構成されてなる請求項1または請求項2に記載の封緘装置。
  4. 挿通部は、凹部材の上面に形成された凹溝により構成され、
    凹溝の底部には、弾性部材が敷設されなる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の封緘装置。
  5. 未封緘状態の封筒を封緘するための封緘剤を、少なくともフラップ部、または封筒本体のフラップ部を貼着する箇所のうちいずれかの塗布位置に、塗布手段によって塗布し、
    フラップ部に折目を形成する折曲げ凸部により折目を形成し、
    形成された折目をプレスローラにより挟持し、塗布手段によって塗布された封緘剤によりフラップ部を封筒本体に貼着し封止する封緘方法において、
    フラップ部を介在させて折曲げ凸部を挿通部に挿通し、フラップ部に折目を形成した封筒を、搬送手段により封止部へと搬送するにあたり、挿通部に挟まったフラップ部を、挿通部設置位置における封止部への封筒搬送方向とは逆側に設置した搬送手段により、封筒搬送方向とは逆方向へ所定量引き出した後、搬送方向へ搬送する封緘方法。
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