JP5503848B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金の精錬用非ハロゲンフラックス - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金溶湯中の酸化物を除去するのに使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の精錬用非ハロゲンフラックスに関する。
知られているように、アルミニウムの精錬においては、アルミニウム合金溶湯は雰囲気の酸素と結合して、アルミナ(A1)を生成する。また、アルミニウム合金にマグネシウム(Mg)が含有されている場合、雰囲気の酸素と結合して、マグネシア(MgO)を生成する。このようにアルミニウムの精錬において生成される溶湯中の介在物、特にAlやMgOなどの酸化物は鋳造品の機械的特性を低下させたり、ひけ巣の原因にもなる。そこで、このような生成酸化物を除去するために、脱滓用フラックスが用いられている。
従来広く用いられている脱滓用フラックスは、フッ化物と塩化物の混合物、或いはその混合物に助燃剤として硫酸塩又は炭酸塩又は硝酸塩を混合したものである。このように、必須元素としてフッ素を含んでいるフラックスを溶湯に添加すると、大気中にフッ化物が放出され、その放出量はフラックスの配合にもよるが、一般的にはフラックス中のフッ化物の濃度に比例するとされている。大気中に放出されたフッ素はフッ化水素などの化合物を形成し、作業者やその精錬所の周囲の住民の健康を害する恐れがある。また、フッ素は脱滓された滓にはフッ素が濃縮して存在しているために、滓の処理業者の健康にとっても有害となり得る。さらには、近年叫ばれている酸性雨などによる環境破壊の一因となっていると言われている。
一方、環境汚染防止の観点からフッ化物の放出量は条例などにより厳しく管理されるようになってきている。フッ化物の放出量を低減するために、脱滓用フラックスに含ませるフッ化物の量を低減することが考えられるが、しかし、フラックス中のフッ化物の量を低下させると、脱滓能が低下し、鋳造品の品質が低下することになる。そのため、添加するフッ化物の量を低減させたくても現実問題としてそのようにできないのが実情である。
このため、従来広く用いられてきた脱滓用フラックスに代えて、環境汚染の原因となるフッ化物や塩化物を含まない非ハロゲンフラックスが提案されてきた。例えば、ミョウバンを主成分とするフラックス(特許文献1参照)、単体の硫酸カリウムから成るフラックス(特許文献2参照)、硫酸カリウムを主成分とし、リチウム化合物及び/又はマグネシウム化合物を含有したフラックス(特許文献3参照)。
特開2000−239757公開特許公報 特開平11 −323449公開特許公報 特開平 7 −207358公開特許公報
特許文献1に記載されたものでは、溶湯を鋳型に供給してアルミニウム合金の鋳造を行う際にミョウバンを主成分とするフラックスを用いているが、アルミニウム原料を溶解したアルミニウム合金溶湯に従前のフッ化物と塩化物の混合物を含んだ脱滓用フラックスを吹き込んで溶湯の精錬を行うことを前提としている。
また、特許文献2に記載の方法では、脱酸化物能を発揮させるためには、溶湯温度が760℃以上であることが必要である。しかし、一般に脱酸化物処理を行う際の溶湯温度は740℃である。また,溶湯の保持温度は一般に720℃である。このため、特許文献2の方法を利用するためには、溶湯温度を上昇させなければならない。溶湯温度を上昇させるためには、バーナーによる追加燃焼を行う必要があり、このことはエネルギー消費の増大を意味し、経済的に不利である。また、溶湯温度を上昇させると、新たな酸化物の生成される危険が生じる。
さらに、特許文献3に記載のものでは、融点を降下させるために硫酸カリウムやほう酸リチウムを配合しているが、配合した硫酸カリウムやほう酸リチウムの融点がアルミニウムの融点よりも高いために、脱水素の反応が気体−固定反応で進み、脱水素の反応効率が低下することになるという問題がある。
そこで、本発明は、720℃から740℃の範囲の溶湯温度において脱酸化物処理できる非ハロゲンフラックスを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明よるアルミニウム又はアルミニウム合金の精錬用非ハロゲンフラックスは、金属硫酸塩、アルカリ金属硫酸塩、或いはアルカリ土類金属硫酸塩のいずれかの10〜70重量%と黒鉛又は炭素質材料の30〜90重量%との混合物から成ることを特徴としている。
本発明による非ハロゲンフラックスにおいては、好ましくは、硫酸塩に混合される黒鉛又は炭素質材料の量は50〜60重量%である。
本発明による非ハロゲンフラックスの一実施形態では、硫酸塩は硫酸カリウムである。
炭素質材料としては、コークス又は木炭又は炭素繊維屑を用いることができる。
本発明よるアルミニウム又はアルミニウム合金の精錬用非ハロゲンフラックスは、金属硫酸塩、アルカリ金属硫酸塩、或いはアルカリ土類金属硫酸塩のいずれかの10〜70重量%と黒鉛の30〜90重量%との混合物から成るので、脱酸化物処理が可能な溶湯温度である720℃程度のである低温域において使用可能な非ハロゲンフラックスを提供することができ、これにより、溶湯温度を上昇させることなく非ハロゲンフラックスが使用できるようになる。
また、本発明よるアルミニウム又はアルミニウム合金の精錬用非ハロゲンフラックスにおいて、金属硫酸塩に混合される黒鉛の量を50〜60重量%にした場合には、700℃程度のさらに低い温域においても高い反応性を示し、優れた脱滓性が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
あらかじめ酸化物を混合した3kgのJIS規格ADC12のアルミニウム合金を、電気炉に設置したるつぼ内で溶解した。溶解は6回実施した。硫酸カリウム(KSO)と黒鉛との混合比を重量%で10:0、9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、0:10にして、すなわち黒鉛の混合量を0%〜100%まで10%ずつ変えて混合して硫酸カリウムと黒鉛との混合物と硫酸カリウムのみ、及び黒鉛のみから成るフラックスを用意した。
こうして用意したフラックスを、ADC12のアルミニウム合金溶融物中に添加、撹拌した。この場合、フラックスの添加量は0.2%であった。またADC12のアルミニウム合金溶融物の温度は680℃、700℃、720℃、740℃、760℃と変化させた。これにより、それぞれの場合の反応の様子を観察して滓を分離できるかどうかを考察した。
表1には、その結果を示し、滓を分離できたものをO、できなかったものを×として評価した。
Figure 0005503848
従来技術の硫酸カリウム単体では、溶湯温度760℃の場合には滓を分離したが,740℃では分離できなかった。硫酸カリウムに黒鉛を10重量%及び20%添加した場合には滓の分離ができたが、本発明は既存のアルミニウム精錬プラントでの処理温度に適合できることを前提としているので、比較例とした。また黒鉛単体では、溶湯温度760℃の場合でも滓の分離は認められなかった。
また、表1から認められるように、硫酸カリウムに黒鉛を30重量%〜90重量%添加すると、溶湯温度740℃又は720℃においてにおいて滓を分離した。さらに、硫酸カリウムに黒鉛を50重量%〜60重量%添加した場合には溶湯温度700℃においてにおいて滓を分離することができた。このことは処理温度を低くすることができ、精錬に必要な消費エネルギーの削減となるだけでなく環境問題の対策にも有利である。
ところで、上記の実施形態では、金属硫酸塩として硫酸カリウムを用いた例について説明してきたが、当然、硫酸リチウム、硫酸マグネシウムを用いることもでき、それらいずれの場合も上記と同等の結果が得られる。
また、上記の実施形態では、硫酸カリウムに黒鉛を添加した例について記載してきたが、黒鉛の代わりに、コークスや木炭や炭素繊維屑のような炭素質材料を用いても同様な結果が得られる。
本発明に係る非ハロゲンフラックスは、溶湯温度を上昇させなくても使用できるので、既存のアルミニウム精錬プラントをそのまま使用でき、設備と使用するエネルギーとの面において経済的に有用なものとなる。

Claims (6)

  1. 金属硫酸塩、アルカリ金属硫酸塩、或いはアルカリ土類金属硫酸塩のいずれかの10〜70重量%と黒鉛又は炭素質材料の30〜90重量%との混合物から成ることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金溶融物の精錬用の非ハロゲンフラックス。
  2. 鉛又は炭素質材料の混合量が50〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲンフラックス。
  3. 硫酸塩が硫酸カリウムであることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲンフラックス。
  4. 炭素質材料がコークスから成ることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲンフラックス。
  5. 炭素質材料が木炭から成ることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲンフラックス。
  6. 炭素質材料が炭素繊維屑から成ることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲンフラックス。
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