JP5503809B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

磁気テープ、相変化記録フィルム等のフィルム状記録媒体を一定送り速度で走行させ、ラインレーザビームを照射することによりフィルムを加熱する加熱装置に関する。
特許文献1は、鋼板幅方向の温度分布を均一化することができる、直火式の連続加熱炉による鋼板の加熱方法を開示している。この加熱方法では、鋼板を直火式の連続加熱炉に連続して通板し加熱する。加熱に際しては、直火式の連続加熱炉に通板する前に、鋼板の中央部表面および/または裏面に、該鋼板の放射率より高い放射率を有する物質を塗布する。これにより、鋼板幅方向中央部への輻射入熱量がエッジ部に比べて相対的に多くなる。この加熱方法では、鋼板幅方向端部の過加熱を抑制するとともに、中央部の昇温を促進して、鋼板幅方向の温度分布が均一化される。
特開2006−274336号公報
本開示は、フィルム状記録媒体を製造する際に、加熱したフィルム幅方向の温度分布の偏りを抑制する加熱装置及び加熱方法を提供することである。
本開示における加熱装置は、フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱装置であって、フィルム材料の一面に接触するフィルム接触面を有し、フィルム材料を載置してフィルム材料をその長手方向に移動させるフィルム送り機構と、レーザ光源と、フィルム接触面に対向して配されフィルム接触面に向かってレーザ光源からのレーザビームを照射するレーザ照射部と、レーザビームの照射を制御するレーザ制御部と、を備える。フィルム接触面は、フィルム材料の熱伝導率が異なる材料により形成される第1接触面と第2接触面とを有する。第2接触面は長手方向に直交するフィルム材料の幅方向両端部に接触する位置にそれぞれ配され、第1接触面は第2接触面の間に配される。第1接触面は、第2接触面よりも熱伝導率が低い材料により形成される。
本開示における加熱装置は、フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱装置であって、フィルム材料の一面に接触するフィルム接触面を有し、フィルム材料を載置してフィルム材料をその長手方向に移動させるフィルム送り機構と、レーザ光源と、フィルム接触面に対向して配され、フィルム接触面に向かってレーザ光源からのレーザビームを照射するレーザ照射部と、レーザビームの照射を制御するレーザ制御部と、を備える。レーザ照射部は、フィルム接触面に向かってレーザスポット光を照射する。レーザ制御部は、レーザスポット光が、上記長手方向に直交する幅方向におけるフィルム接触面の両端部に対しては、両端部の間に配されたフィルム接触面の中央部よりも高速に往復動するように、レーザ照射部を制御する。
上記の構成によれば、フィルム状記録媒体を製造する際に、加熱したフィルムの幅方向の温度分布の偏りが抑制される。
実施の形態1におけるレーザアニール装置の全体を概略的に示す図 レーザアニール装置におけるローラとフィルムの配置を示す図 実施の形態1におけるレーザアニール装置の要部を示す図 実施の形態2におけるレーザアニール装置の要部を示す図 実施の形態3におけるレーザアニール装置の要部を示す図 実施の形態4におけるレーザアニール装置の全体を概略的に示す図 実施の形態4におけるレーザアニール装置の要部を示す図 実施の形態5におけるレーザアニール装置の要部を示す図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
以下の開示は、相変化記録フィルムの非結晶質記録膜をレーザビームにより結晶化する初期化工程において、フィルムは幅方向の端部の熱損傷を防止し、フィルムの幅方向における温度分布の偏りを抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
[1−1.構成]
[1−1−1.レーザアニール装置の構成]
図1は、本実施の形態におけるレーザアニール装置10(加熱装置の一例)の構成と、フィルム移送装置11の構成の一部を概略的に示す図である。
レーザアニール装置10は、フィルム状記録媒体を製造するためのフィルム101(フィルム材料の一例)を所定のパワーによるラインレーザビーム102でアニール処理する。図1に示すように、レーザアニール装置10は、ラインレーザ照射部202(レーザ照射部の一例)と、レーザ光源204(レーザ光源の一例)と、レーザ制御部209(レーザ制御部の一例)と、ローラ100(フィルム送り機構の一例)とを備える。
ラインレーザ照射部202は、ミラーやレンズ等の光学系を備える。ラインレーザ照射部202は、例えば、レーザ光源204から発せられるレーザ光線を平行光束とするコリメートレンズや、コリメートレンズの光軸と直交する光軸を有するシリンドリカルレンズ等を含む。ラインレーザ照射部202は、レーザ光源204からのレーザ光を、フィルム101の幅方向(図1の矢印W)に沿って広がるように形成する。形成されたラインレーザビーム102はフィルム101に照射される。
レーザ光源204としては、例えば、加熱性のよい近赤外領域の波長(0.7〜2.5μm)を有するYAGレーザ、YVO4レーザ、半導体レーザ等を使用する。
レーザ制御部209は、レーザ光源204のレーザパワーの制御(例えば、レーザ照射のON/OFF、レーザパワーの設定等)や、フォーカス制御、レーザ駆動機構の動作制御等を行う。レーザ制御部209は、例えば、プロセッサやメモリを含む装置や集積回路等であり、メモリに格納されたプログラムを実行する汎用のDSPやFPGA等により実現される。
レーザ光は、レーザ制御部209によりパワー制御されてレーザ光源204により発光される。そして、レーザ光は、ラインレーザ照射部202の光学系により、例えば、平行光束とされた後レンズによりフィルム101の幅方向に広げられ、図1に示すようなラインレーザビーム102が形成される。ラインレーザビーム102は、移送中のフィルム101に照射される。
フィルム移送装置11は、フィルム移送部110と、移送制御部111とを備える。フィルム移送部110は、例えば駆動ローラや移送ベルト等の駆動機構であり、駆動することによりフィルム101を所定方向に移送する。移送制御部111は、フィルム移送部110の駆動制御を行うプロセッサやメモリを含む装置等である。
[1−1−2.ローラの構成]
ローラ100は、回転可能に構成される。ローラ100は、フィルム移送部110により移送されるフィルム101の裏面と接触するフィルム接触面を有する。ローラ100は、フィルム101を巻き付けた状態で回転する。フィルム101は、ローラ100のフィルム接触面との摩擦力により滑ることなくその長手方向に送られる。ローラ100は更に、フィルム101の幅方向の中央部分に接触する低熱伝導部104(第1接触面の一例)と、フィルム101の両端部に接触する高熱伝導部103,105(第2接触面の一例)と、を有する。低熱伝導部104は、熱伝導率の低い材料により製作されている。高熱伝導部103,105は、熱伝導率の高い材料で製作されている。例えば、低熱伝導部104は熱伝導率約0.23〔W/(m・k)〕のポリアセタール等のプラスチック材料、または熱伝導率16.7〜20.9〔W/(m・k)〕のステンレス鋼等熱伝導率の低い材料で製作し、高熱伝導部103および105は熱伝導率約236〔W/(m・k)〕のアルミニウム、熱伝導率約398〔W/(m・k)〕の銅等熱伝導率の高い材料で製作する。
図2は、ローラ100とフィルム101の配置を説明する図である。フィルム101の幅方向両端部の所定領域であって端部からの寸法L〔mm〕の領域が、ローラ100の高熱伝導部103および105に接触する。両端部の所定領域に挟まれたフィルム101の中央部分は、ローラ100の低熱伝導部104に接触する。
[1−2.動作]
図3は、本実施の形態におけるレーザアニール装置10の要部を示す図である。
フィルム101は、図3に示すように、ローラ100にフィルム101の裏面が接触するようにローラ100に巻き付けられる。フィルム101は、フィルム移送装置11により所定方向(図3の矢印F方向)に送られる。このとき、フィルム101の裏面はローラ100のフィルム接触面と接触して所定の摩擦力が作用するため、フィルム101は滑ることなくローラ100を回転させる。フィルム101の移送に伴い、所定のパワーに制御されたラインレーザビーム102がフィルム101に照射される。ラインレーザビーム102は、フィルム101の裏面がローラ100と接触している領域において、フィルム101の幅方向全体に照射される。これにより、短時間でフィルム101のレーザ照射部分の温度を上昇させ、ラインレーザビーム102を通過するフィルム101がアニール処理される。
ラインレーザビーム102によりローラ100上のフィルム101を幅方向全体に照射した場合、フィルムのような薄い材料では、フィルムの裏面が接触しているローラ100に熱が逃げやすい。端部付近のフィルム101は、高熱伝導部103,105と接触しているため、低熱伝導部104と接触している中央部よりも熱が逃げやすく、フィルム101の温度が上昇しにくくなる。このような構成により、幅広の板材やフィルムを加熱した場合に、端部が高温になるエッジ効果による熱的損傷を防止できる。
一方で、ローラ100上のフィルム101は、その幅方向中央の大部分がローラ100の低熱伝導部104に接触している。従って、フィルム101全体としては、フィルム101の裏面からローラ100に熱の逃げにくい断熱的な構造を有する。このような構成により、ラインレーザビーム102で照射した熱エネルギは、フィルム101を加熱するために有効に使用されることになる。よって、フィルム端部における熱的損傷を防止しつつ、フィルム幅方向全体に渡り均一なアニール処理を行なうことができる。よって、本実施の形態においては、効率よく、かつ経済的なアニールが可能となる。
なお、長時間レーザアニール装置10を使用する際に、ローラ100の温度が上昇する場合には、冷却のためローラに圧縮空気を吹きつける等の手段を付加することもできる。
[1.3 効果等]
以上のように、本実施の形態においては、フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム101にレーザビームを照射して加熱するレーザアニール装置10は、フィルム101の一面に接触するフィルム接触面を有し、フィルム101を巻き付けてフィルム101をその長手方向の一方向に移動させるローラ100と、レーザ光源204と、フィルム接触面に対向して配され、フィルム接触面に向かってレーザ光源204からのラインレーザビーム102を照射するラインレーザ照射部202と、ラインレーザビーム102の照射を制御するレーザ制御部209と、を備える。ローラ100のフィルム接触面は、フィルム101の熱伝導率が異なる材料により形成される低熱伝導部104と高熱伝導部103,105とを有する。高熱伝導部103,105は長手方向に直交するフィルム101の幅方向両端部に接触する位置にそれぞれ配され、低熱伝導部104は高熱伝導部103,105の間に配される。低熱伝導部104は、高熱伝導部103,105よりも熱伝導率が低い材料により形成される。このレーザアニール装置10においては、ローラ100に巻き付けられたフィルム101は、その幅方向の中央大部分がローラ100の低熱伝導部104に接触しているため、フィルム101全体としては、フィルム101の裏面からローラ100に熱の逃げにくい断熱的な構造となる。一方、端部付近のフィルム101は高熱伝導部103,105と接触しているため、フィルム101の両端部は、低熱伝導部104と接触している中央部よりもローラ100に熱が逃げやすくなり、フィルム温度が上昇しにくくなる。この結果、幅広の板材やフィルムを加熱した場合に端部が高温になるエッジ効果による端部の熱的損傷を防止するとともに、フィルム幅方向全体に渡り均一なアニール処理を可能とする。
また、本実施の形態においては、従来、例えば上記特許文献1の加熱方法のように、鋼板の中央表面や裏面に物質を塗布する必要がないため、加熱後にその物質の除去をする必要はなく、製造コストも抑制できる。さらに同例のように、スプレーで物質を塗布するため周囲環境を悪化させたり、物質の塗布によりフィルム材料が変形してしまうおそれもない。
(実施の形態2)
図4は、本実施の形態におけるレーザアニール装置20の要部を示す図である。ここでは、実施の形態1と実質的に同一の構成に対する重複説明は省略する場合がある。
本実施の形態のレーザアニール装置20は、実施の形態1と異なり、一種類の材料で製作されたローラ106を有する。ローラ106の材料としては、レーザのエネルギを有効に利用するため低熱伝導材料で製作することが好ましい。低熱伝導材料としては、例えば、熱伝導率約0.23〔W/(m・k)〕のポリアセタール等のプラスチック材料、または熱伝導率16.7〜20.9〔W/(m・k)〕のステンレス鋼等熱伝導率の低い材料である。また、本実施の形態のレーザアニール装置20は、図4に示すように、フィルム101の幅方向における両端部付近で、フィルム端部からの距離L〔mm〕の領域に対応する位置に、ラインレーザビーム102の光量を減衰させる減衰板107を設置する。
本実施の形態においては、ローラ106に巻き付けられたフィルム101の両端部に対応する位置に減衰板107を設ける。この構成により、エッジ効果で高温になりやすいフィルム101の端部付近においては減衰板107を介してレーザビームが照射される。よって、フィルム101の端部に対するレーザ強度を減衰させることができ、温度上昇を抑制し、フィルム101の幅方向において温度分布の偏りを抑制することができる。
(実施の形態3)
図5は、本実施の形態におけるレーザアニール装置30の要部を示す図である。ここでは、実施の形態2と実質的に同一の構成に対する重複説明は省略する場合がある。
本実施の形態のレーザアニール装置30は、実施の形態2と同様、一種類の材料(低熱伝導材料)で製作されたローラ106を使用する。ラインレーザビーム102は、そのフィルム101の幅方向の長さB〔mm〕をフィルム101の幅より両端部からそれぞれL〔mm〕短く設定して照射する。
このようなラインレーザビーム102を照射することで、フィルム101の端部の温度上昇を抑制し、均一な温度分布を可能にする。
(実施の形態4)
[4−1.構成]
図6は、本実施の形態におけるレーザアニール装置40(加熱装置の一例)の構成と、フィルム移送装置11の構成の一部を概略的に示す図である。
レーザアニール装置40は、所定のパワーによるレーザスポット光108をフィルム101の幅方向に一定速度で往復直線移動させることにより、ローラ100上のフィルム101をアニール処理する。図6に示すように、レーザアニール装置40は、光ピックアップ403(レーザ光照射部の一例)と、レーザ光源404と、ミラー405と、対物レンズ406と、ヘッド送り機構408と、レーザ制御部409と、ローラ100とを備える。
光ピックアップ403は、レーザ光源404や、ミラー405及び対物レンズ406等の光学系により構成される。レーザ光源404から照射されたレーザスポット光108は、ミラー405により方向を変え、対物レンズ406を介してフィルム101に照射される。
レーザ光源204としては、例えば、加熱性のよい近赤外領域の波長(0.7〜2.5μm)を有するYAGレーザ、YV04レーザ、半導体レーザ等を使用する。
ヘッド送り機構408は、パルスモータ、サーボモータ、リニアモータ等(図示せず)を駆動源として光ピックアップ403をフィルム101の幅方向(図6の矢印W方向)に移動させると共に、光ピックアップ403の位置情報をレーザ制御部209に出力する。
レーザ制御部409は、ヘッド送り機構408の移動、光ピックアップ403のフォーカシング、レーザ光源404によるレーザパワーの調整等を制御する。レーザ制御部409は、例えば、プロセッサやメモリを含む装置や集積回路等であり、メモリに格納されたプログラムを実行する汎用のDSPやFPGA等により実現される。
フィルム移送装置11は、フィルム移送部110と、移送制御部111とを備える。フィルム移送部110は、例えば駆動ローラや移送ベルト等の駆動機構であり、駆動することによりフィルム101を所定方向に移送する。移送制御部111は、フィルム移送部110の駆動制御を行うプロセッサやメモリを含む装置等である。
[4−2.動作]
図7は、本実施の形態におけるレーザアニール装置40の要部を示す。ここでは、実施の形態1と実質的に同一の構成に対する重複説明は省略する場合がある。
本実施の形態のレーザアニール装置40は、実施の形態1で使用するラインレーザビーム102の代わりに、フィルム101の幅方向に一定速度で往復直線移動するレーザスポット光108を使用する。光ピックアップ403は、所定のパワーでフォーカス制御されたレーザスポット光108を、フィルム101上に集光させる。同時に、レーザ制御部409に制御されたヘッド送り機構408により、光ピックアップ403をフィルム101の幅方向に高速且つ直線的に往復動させる。
ローラ100の構成は実施の形態1と同じである。
フィルム101が一定速度で移送され、同時にレーザスポット光108が高速で往復直線移動すると、実施の形態1と同様に、フィルム101は全面に渡り加熱される。例えば、フィルム101の幅は100〔mm〕、レーザスポット光108のフィルム上での集光スポット径を0.1〔mm〕、往復移動速度を10000〔mm/s〕、フィルムの走行速度を5〔mm/s〕に設定する。
本実施の形態のレーザアニール装置40では、レーザスポット光108のスポット径、往復動速度及びフィルムの走行速度の組み合わせまたはいずれか一つの調整により、レーザスポット光108をフィルム101上の同一領域を複数回通過させて照射するように制御できる。このような制御により、レーザスポットに強度分布がある場合に発生する加熱ムラを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、レーザ制御部409の制御により、レーザスポット光108を往復直線移動させるが、往復直線移動に際して一方向のみレーザを照射し、他方向の移動時はレーザを照射しないように制御することも可能である。このような構成にすることにより、フィルム101の全域に渡りさらに均一な温度分布が可能になる。
なお、上記レーザアニール装置40においては、レーザスポット光108を高速に往復動させる機構として、ガルバノスキャナを採用してもよい。
[4−3.効果等]
本実施の形態のレーザアニール装置40においても、フィルムのような薄い材料では裏面に接触させたローラ100へ熱が逃げやすい。フィルム101の中央部と端部付近を比較した場合、端部付近のフィルム101はローラ100の高熱伝導部103、105と接触しているため、低熱伝導部104と接触している中央部よりも熱が逃げやすくなり、フィルム温度が上昇しにくくなる。これにより、フィルム101を加熱した場合に、フィルム101の端部が高温になるエッジ効果によるフィルム101の端部の熱的損傷を防止しつつ、フィルム101の幅方向全体に渡り均一なアニール処理を行なうことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態4のレーザアニール装置40の変形例であり、フィルム101の温度分布を一定にすることができる。
図8は、本実施の形態におけるレーザアニール装置50の要部を示す。ここでは、実施の形態4と実質的に同一の構成に対する重複説明は省略する場合がある。
本実施の形態のレーザアニール装置50は、実施の形態4と異なり、一種類の材料で製作されたローラ106を使用する。ローラの材料としては、レーザのエネルギを有効に利用するため低熱伝導材料で製作することが好ましい。低熱伝導材料としては、例えば、熱伝導率約0.23〔W/(m・k)〕のポリアセタール等のプラスチック材料、または熱伝導率16.7〜20.9〔W/(m・k)〕のステンレス鋼等熱伝導率の低い材料である。レーザ制御部409(図6)はレーザスポット光108を次のように制御する。レーザスポット光108は、フィルム101の幅方向において、フィルム101の両端部付近、すなわち端部からの距離L〔mm〕の領域に対する移動速度を、中央部に対する移動速度より高速に設定して照射する。このようにレーザスポット光108の照射を制御することにより、エッジ効果で高温になりやすいフィルム101の端部付近のレーザ照射時間は短縮されるため、フィルム101の端部における温度上昇は抑制されつつ、フィルム101の幅方向における均一な温度分布を可能になる。
本実施の形態においては、例えば、フィルム101の幅を100〔mm〕、端部からの距離をL=3〔mm〕、レーザビームの中央部移動速度を5000〔mm/s〕、フィルム端部での移動速度を10000〔mm/s〕に設定する。
また、本実施においても、実施の形態4と同様に、往復直線移動時の一方向のみレーザスポット光108を照射し、もう一方向の移動時はレーザスポット光108を照射しないようにレーザ制御部409により制御することができる。このような構成にすることにより、フィルム101の全域に渡りさらに均一な温度分布が可能になる。
更に、実施の形態4と同様に、レーザスポット光108のスポット径、往復移動速度、及びフィルムの走行速度の組み合わせまたはいずれか一つの調整により、レーザスポット光108をフィルム101上の同一領域を複数回通過させて照射するように制御できる。このような制御により、レーザスポットに強度分布がある場合に発生する加熱ムラを抑制することが可能となる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜5を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜5で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
実施の形態1〜5では、フィルム材料送り機構の一例としてローラを説明したが、これに限定されない。フィルム材料送り機構は、フィルム材料を載置し、フィルム材料をその長手方向の一方向に移動させる機構であればよい。従って、フィルム材料送り機構は、ローラに限定されず、例えばフィルム材料を水平に載置して移送する移送ベルト等であってもよい。
また、実施の形態1〜5では、加熱装置としてのレーザアニール装置について説明したが、これらの実施の形態はフィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱方法としても実現可能である。
本開示は、磁気テープ、相変化記録フィルム等のフィルム状記録媒体の製造工程において用いられる、フィルム材料の加熱装置に適用可能である。
10 レーザアニール装置(加熱装置の一例)
11 フィルム移送装置
100 ローラ(フィルム送り機構の一例)
101 フィルム(フィルム材料の一例)
102 ラインレーザビーム
103 高熱伝導部(第2接触面の一例)
104 低熱伝導部(第1接触面の一例)
105 高熱伝導部(第2接触面の一例)
106 ローラ(フィルム送り機構の一例)
107 減衰板
108 レーザスポット光
110 フィルム移送部
111 移送制御部
202 ラインレーザ照射部(レーザ照射部の一例)
204 レーザ光源(レーザ光源の一例)
209 レーザ制御部(レーザ制御部の一例)
403 光ピックアップ
404 レーザ光源(レーザ光源の一例)
409 レーザ制御部(レーザ制御部の一例)

Claims (8)

  1. フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱装置であって、
    前記フィルム材料の一面に接触するフィルム接触面を有し、前記フィルム材料を載置して前記フィルム材料をその長手方向に移動させるフィルム送り機構と、
    レーザ光源と、
    前記フィルム接触面に対向して配され、前記フィルム接触面に向かって前記レーザ光源からのレーザビームを照射するレーザ照射部と、
    前記レーザビームの照射を制御するレーザ制御部と、
    を備え、
    前記フィルム接触面は、前記フィルム材料の熱伝導率が異なる材料により形成される第1接触面と第2接触面とを有し、
    前記第2接触面は前記長手方向に直交する前記フィルム材料の幅方向両端部に接触する位置にそれぞれ配され、前記第1接触面は前記第2接触面の間に配され、
    前記第1接触面は、前記第2接触面よりも熱伝導率が低い材料により形成されてなる、
    加熱装置。
  2. 前記レーザ照射部は、前記幅方向に広がるように形成されるラインレーザビームを前記フィルム接触面に向かって照射する、
    請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記レーザ照射部は、レーザスポット光を照射し、
    前記レーザ制御部は、前記レーザスポット光を前記幅方向に往復動させるように前記レーザ照射部を制御する、
    請求項1に記載の加熱装置。
  4. フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱装置であって、
    前記フィルム材料の一面に接触するフィルム接触面を有し、前記フィルム材料を載置して前記フィルム材料をその長手方向に移動させるフィルム送り機構と、
    レーザ光源と、
    前記フィルム接触面に対向して配され、前記フィルム接触面に向かって前記レーザ光源からのレーザビームを照射するレーザ照射部と、
    前記レーザビームの照射を制御するレーザ制御部と、
    を備え、
    前記レーザ照射部は、前記フィルム接触面に向かってレーザスポット光を照射し、
    前記レーザ制御部は、前記レーザスポット光が、前記長手方向に直交する幅方向における前記フィルム接触面の両端部に対しては、前記両端部の間に配された前記フィルム接触面の中央部よりも高速に往復動するように、前記レーザ照射部を制御する、
    加熱装置。
  5. 前記レーザ制御部は、前記レーザスポット光の往復動のうち、一方向の移動時にレーザ照射を停止するよう前記レーザ照射部を制御する、
    請求項3又は4に記載の加熱装置。
  6. 前記レーザ制御部は、前記レーザスポット光の往復動速度、前記フィルム材料の移動速度、及び前記レーザスポット光のスポット径のうち少なくともうち一つを調整することにより、前記レーザスポット光を前記フィルム接触面の同一領域に向かって複数回照射する、
    請求項3又は4に記載の加熱装置。
  7. フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱方法であって、
    前記フィルム材料の一面に接触するフィルム接触面を有するフィルム送り機構であって、前記フィルム接触面は、前記フィルム材料の熱伝導率が異なる材料により形成される第1接触面と第2接触面とを有し、前記第2接触面は前記フィルム材料の幅方向両端部に接触する位置にそれぞれ配され、前記第1接触面は前記第2接触面の間に配され、前記第1接触面は前記第2接触面よりも熱伝導率が低い材料により形成されてなるフィルム送り機構を用いて、前記フィルム材料をその長手方向に移動させ、
    前記フィルム送り機構により移動される前記フィルム材料に対してレーザビームを照射する、
    加熱方法。
  8. フィルム状記録媒体の製造において長尺のフィルム材料にレーザビームを照射して加熱する加熱方法であって、
    前記フィルム材料をその長手方向に移動させ、
    移動している前記フィルム材料に対し、前記フィルム材料の幅方向にレーザスポット光を往復動させながら照射し、
    前記レーザスポット光が、前記フィルム材料の幅方向両端部に対しては、前記両端部の間に配された前記フィルム材料の中央部よりも高速に往復動するように、前記レーザスポット光を照射する、
    加熱方法。
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