JP5502546B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載され、無段変速部と有段変速部とを備える動力伝達装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば、モータMG1及びMG2から駆動軸に出力されるトルクの総和がゼロから要求トルクTr*までの範囲内となる条件と、モータMG1及びMG2から入出力される電力の総和がバッテリの耐久性確保や保護のために許可された最大充電電力であるWin制限や、バッテリの耐久性確保や保護のために許可された最大放電電力であるWout制限の範囲内となる条件と、モータMG2のトルクが負の値の許容最大変化量ΔTから前回のトルク指令Tm2*に許容最大変化量ΔTを加えた値までの範囲内となる条件とを満たす範囲内でトルク制限Tmlmin、Tmlmaxを設定してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に、バッテリの入出力制限Win、Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸に出力するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、負荷の放電要求に応じて、バッテリの放電電力制限を一時的に緩和する際に、放電許容電力値が、下限電圧及び最大放電可能電流の乗算に従って予測される、一時的に放電制限を緩和してもバッテリ電圧が下限電圧より低下しない最大放電可能電力に対応して設定される装置が提案されている(特許文献2参照)。
或いは、自動変速部の変速中に、第1電動機の出力及び第2電動機の出力の合計が蓄電装置の予め定められた入出力許容範囲内で、第1電動機の回転を抑制するために、イナーシャキャンセルトルクを発生させて、第1電動機の回転速度を予め定められた回転速度範囲内に収める装置が提案されている(特許文献3参照)。
或いは、第1回転要素が第1電動機に、第2回転要素が伝動軸を介して第2電動機に、第3回転要素がエンジンに連結された差動装置と、該伝動軸に伝達された回転の変速を行う変速機とを備えた装置であって、該変速機の変速に伴ってイナーシャによる回転速度の変動を補償するイナーシャ補償トルクを算出し、該算出されたイナーシャ補償トルクに従って、第1電動機の目標となるトルクを修正する装置が提案されている(特許文献4参照)。
特開2009−248600号公報 特開2007−306771号公報 特開2009−227097号公報 特開2007−118696号公報
上述の背景技術のような装置では、典型的には、電力収支のバランスをとるように電動機が制御される。しかしながら、変速機の変速等に起因して電力収支のバランスが崩れる可能性がある。すると、蓄電装置(バッテリ)の電力超過が生じ、蓄電装置の耐久性が低下する可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、蓄電装置の耐久性の低下を抑制することができる動力伝達装置を提案することを課題とする。
本発明の第1の動力伝達装置は、上記課題を解決するために、差動機構を有し、前記差動機構の第1回転要素が第1電動機に連結され、前記差動機構の第2回転要素が内燃機関に連結され、前記差動機構の第3回転要素が第2電動機に連結され、前記第1電動機により前記差動機構の差動状態が制御される電動式差動部と、前記電動式差動部に連結された有段変速部と、前記第1電動機及び前記第2電動機に対し電力を供給可能、且つ前記第1電動機及び前記第2電動機の回生電力により充電可能な蓄電装置と、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間に介在し、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間の電力授受を行うと共に、電圧を調整可能な電圧調整手段と、前記電力授受が制限されている際に、前記有段変速部の変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記電力授受に係る制限を超えるときに、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記電力授受が制限されている際に、前記変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記制限を超えることを条件に、前記第1電動機及び前記第2電動機の少なくとも一方の出力勾配を変更すると共に、前記変更された出力勾配に応じて、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する
本発明の第1の動力伝達装置によれば、電動式差動部は、差動機構を有し、該差動機構の第1回転要素(例えば、サンギヤ)が第1電動機に連結され、該差動機構の第2回転要素(例えば、プラネタリキャリア)が内燃機関に連結され、該差動機構の第3回転要素(例えば、リングギヤ)が第2電動機に連結されている。そして、第1電動機により、差動機構の差動状態が制御される。
例えばニッケル水素電池、リチウムイオン電池等である蓄電装置は、第1電動機及び第2電動機に対し電力を供給可能、且つ第1電動機及び第2電動機の回生電力により充電可能である。
例えばインバータ等である電圧調整手段は、第1電動機及び第2電動機と蓄電装置との間に介在し、第1電動機及び第2電動機と蓄電装置との間の電力授受を行うと共に、電圧を調整可能である。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御手段は、電力授受が制限されている際に、有段変速部の変速が実行されることに起因して、変速中に電力授受が該電力授受に係る制限を超えることを条件に、電圧を変更するように電圧調整手段を制御する。
「電力授受が制限されている際」とは、例えば、蓄電装置の放電制限時又は充電制限時等を意味する。「電力授受に係る制限」とは、例えば、蓄電装置の放電制限時であれば、放電制限の上限値を意味し、蓄電装置の充電制限時であれば、充電制限の上限値を意味する。「電力授受が、該電力授受に係る制限を超える」とは、例えば、蓄電装置の放電制限時であれば、蓄電装置から出力される電力が放電制限の上限値を超えることを意味し、蓄電装置の充電制限時であれば、蓄電装置に入力される電力が充電制限の上限値を超えることを意味する。
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、一般に、蓄電装置の電力収支のバランスがとれるように、第1電動機及び第2電動機が夫々制御される。しかしながら、有段変速部の変速に起因して、例えば第2電動機の回転数が比較的早く変化すると、電力収支のバランスが崩れる可能性がある。更に、例えば第2電動機の目標トルク等に起因する昇圧制御又は降圧制御と、有段変速部の変速とが同時期に実施されると、電力収支のバランスがより大きく崩れる可能性がある。すると、蓄電装置から出力される電力が放電制限の上限値を超えたり、蓄電装置に入力される電力が充電制限の上限値を超えたりする可能性がある。この結果、蓄電装置の電圧が所定値以下又は所定値以上となり、蓄電装置の耐久性が低下する可能性がある。
しかるに本発明では、制御手段により、電力授受が制限されている際に、有段変速部の変速が実行されることに起因して、変速中に電力授受が該電力授受に係る制限を超えることを条件に、電圧を変更するように電圧調整手段が制御される。具体的には例えば、制御手段により、昇圧制御又は降圧制御と有段変速部の変速とが同時期に実施されないように、有段変速部の変速よりも前に電圧を変更するように電圧調整手段が制御される。或いは、制御手段により、蓄電装置の電圧が急激に変化しないように、電圧を段階的に変更するように電圧調整手段が制御される。
このため、有段変速部の変速に起因して生じる電圧の変動を抑制することができる。この結果、蓄電装置の電圧が所定値以下又は所定値以上となることを抑制でき、蓄電装置の耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第1の動力伝達装置の一態様では、前記制御手段は、前記蓄電装置の電圧に応じて、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する。
この態様によれば、電圧を適切に昇圧又は降圧することができるので、第1電動機及び第2電動機各々が目標トルクを出力することができる。
本発明の第1の動力伝達装置の他の態様では、前記制御手段は、前記電力授受が制限されている際に、前記変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記制限を超えるときに、前記第1電動機及び前記第2電動機の少なくとも一方の出力勾配を変更すると共に、前記変更された出力勾配に応じて、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する。
この態様によれば、第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方の出力が急激に変動することを抑制することができる。加えて、第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方の出力変動に起因する電力収支の変動と、電圧調整手段による電圧の変更に起因する電力収支の変動とのタイミングをずらすことができる。
この態様では、先ず、第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方の出力勾配を変更することによって電力収支のバランスの維持が図られる。そして、第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方の出力勾配を変更しても電力収支のバランスを維持することが困難である場合は、電圧調整手段により電圧を変更することによって電力収支のバランスの維持が図られる。
従って、「変更された出力勾配に応じて、電圧を変更するように電圧調整手段を制御する」とは、例えば、出力勾配の変更によって電力収支のバランスを維持することができる場合は、電圧を変更しないように電圧調整手段が制御され、他方、出力勾配の変更によって電力収支のバランスを維持することが困難な場合は、電力収支のバランスを維持するために電圧を変更するように電圧調整手段が制御されることを意味する。
尚、「出力勾配を変更する」とは、第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方の目標(指令)トルクの変化割合を変更することを意味する。具体的には例えば、目標トルクの変動の時定数を変更したり、蓄電装置の電力制限量や電力収支余裕量、車両の負荷等に応じて目標トルクの変化割合を変更したりすればよい。
或いは、本発明の第1の動力伝達装置の他の態様では、前記制御手段は、前記電力授受が制限されている際に、前記変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記制限を超えることを条件に、前記電圧を前記変速前に変更するように前記電圧調整手段を制御する。
この態様によれば、有段変速部の変速前に、電圧調整手段により電圧が変更されるので、有段変速部の変速に起因する第1電動機及び第2電動機各々の回転数変化と、電圧調整手段による電圧の変更とのタイミングをずらすことができる。この結果、電力収支のバランスの急激な変化を抑制することができ、蓄電装置の耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第2の動力伝達装置は、上記課題を解決するために、差動機構を有し、前記差動機構の第1回転要素が第1電動機に連結され、前記差動機構の第2回転要素が内燃機関に連結され、前記差動機構の第3回転要素が第2電動機に連結され、前記第1電動機により前記差動機構の差動状態が制御される電動式差動部と、前記電動式差動部に連結された有段変速部と、前記第1電動機及び前記第2電動機に対し電力を供給可能、且つ前記第1電動機及び前記第2電動機の回生電力により充電可能な蓄電装置と、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間に介在し、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間の電力授受を行うと共に、電圧を調整可能な電圧調整手段と、前記電力授受が制限されている際に、前記有段変速部の変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記電力授受に係る制限を超えることを条件に、前記電圧を前記変速前に変更するように前記電圧調整手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の第2の動力伝達装置によれば、上述した本発明の第1の動力伝達装置と同様に、蓄電装置の耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係る動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 第1実施形態に係る動力伝達装置の有段変速部が作動される場合における変速作動と、それに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 第1実施形態に係る動力伝達装置が作動される場合における各ギヤ段の相対的回転速度を説明する共線図である。 第1実施形態に係る動力伝達装置に設けられた電子制御装置の入出力信号を説明する図である。 車速と出力トルクとをパラメータとする同じ二次元座標に構成された、有段変速部の変速状態の切換判定に用いられる予め記憶された切換線図の一例と、エンジン走行とモータ走行との切換判定に用いられる境界線を有する予め記憶された駆動力源切換線図とを例示する図である。 シフトレバーを備えた複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフト操作装置の一例である。 第1実施形態に係る電子制御装置による変速制御動作の要部を説明するフローチャートである。 図7のフローチャートに示す変速制御動作を説明するタイムチャートである。 第1実施形態の変形例に係る変速制御動作を説明するタイムチャートである。 第2実施形態に係る電子制御装置による変速制御動作の要部を説明するフローチャートである。 バッテリ電力制限値とレート処理時定数との関係を定めるマップの一例である。 図10のフローチャートに示す変速制御動作を説明するタイムチャートである。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明に係る動力伝達装置の第1実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。
(動力伝達装置の構成)
先ず、本実施形態に係る動力伝達装置の構成を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。尚、動力伝達装置は、その軸心に対して対称的に構成されているため、図1の骨子図においてはその下側が省略されている。
図1において、動力伝達装置1は、該動力伝達装置1が搭載されるハイブリッド車両の車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース14(以降、適宜“ケース14”と称する)内において共通の軸心上に配設され、主動力源であるエンジン(ENG)10に直接的に、或いは図示しない脈動吸収ダンパ(即ち、振動減衰装置)等を介して間接的に、連結された入力回転部材としての入力軸101と、該入力軸101に連結された無段変速部21と、該無段変速部21及び駆動輪(図示せず)間の動力伝達経路において、無段変速部21に伝達部材(即ち、伝動軸)102を介して直列に連結されている有段変速部22と、該有段変速部22の出力を後段へ伝達する出力回転部材としての出力軸103とを備えて構成されている。即ち、動力伝達装置1は、直列に設けられた無段変速部21及び有段変速部22を備えて構成されている。
動力伝達装置1は、その軸方向寸法が比較的大きいため、例えば車両長手方向に縦置きされるFR(Front−engine Rear−drive)型車両に好適に用いられる。動力伝達装置1は、エンジン10から一対の駆動輪に至る動力伝達経路に設けられ、エンジン10から出力された動力を、該動力伝達経路の一部を構成する差動歯車装置(即ち、終減速機)(図示せず)及び一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪へ伝達する。
エンジン10は、車両の走行用の主動力源であり、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成される。図1に示すように、動力伝達装置1において、エンジン10は、無段変速部21と直結されている。ここで、「直結」とは、トルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく連結されていることを意味し、例えば、上述した脈動吸収ダンパ等を介する連結は「直結」に含まれる。
無段変速部21は、遊星歯車機構24、第1電動機M1及び第2電動機M2を備えて構成されている。遊星歯車機構24は、サンギヤS0と、ピニオンギヤと、該ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリアCA0と、リングギヤR0とを備えて構成されている。
第1電動機M1は、その回転子が遊星歯車機構24のサンギヤS0と一体的に回転するように設けられている。第2電動機M2は、その回転子が遊星歯車機構24のリングギヤR0と一体的に回転するように設けられている。第1電動機M1及び第2電動機M2各々の固定子は、ケース14に夫々接続されている。尚、第2電動機M2は、伝達部材102から駆動輪までの間の動力伝達経路を構成する何れの部分に設けられてもよい。
第1電動機M1は、反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも有する電動機であり、第2電動機M2は、走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも有する電動機である。第1電動機M1及び第2電動機M2は、発電機能をも有する、所謂モータ・ジェネレータであることが望ましい。
無段変速部21において、キャリアCA0は入力軸101、即ちエンジン10に連結され、サンギヤS0は第1電動機M1に連結され、リングギヤR0は伝達部材102に連結されている。無段変速部21では、サンギヤS0、キャリアCA0及びリングギヤR0各々が相互に相対回転可能である。このため、エンジン10の回転数にかかわらず、伝達部材102の回転数が連続的に変化する、即ち、無段変速状態となる。
尚、第1電動機M1及び第2電動機M2は、インバータ11を介して、例えばニッケル水素電池、リチウムイオン電池等である蓄電装置12に電気的に接続されている。蓄電装置12は、第1電動機M1及び第2電動機M2に対し電力を供給可能、且つ第1電動機M1及び第2電動機M2の回生電力により充電可能である。
尚、本実施形態に係る「エンジン10」、「インバータ11」、「無段変速部21」、「サンギヤS0」、「キャリアCA0」及び「リングギヤR0」は、夫々、本発明に係る「内燃機関」、「電圧調整手段」、「電動式差動部」、「第1回転要素」、「第2回転要素」及び「第3回転要素」の一例である。
有段変速部22は、遊星歯車機構25、26及び27を備えて構成されている。遊星歯車機構25は、サンギヤS1と、ピニオンギヤと、該ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリアCA1と、リングギヤR1とを備えて構成されている。遊星歯車機構26は、サンギヤS2と、ピニオンギヤと、該ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリアCA2と、リングギヤR2とを備えて構成されている。遊星歯車機構27は、サンギヤS3と、ピニオンギヤと、該ピニオンギヤを自転及び公転可能に支持するキャリアCA3と、リングギヤR3とを備えて構成されている。
有段変速部22において、相互に一体的に連結されているサンギヤS1及びS2は、第1クラッチC1を介して伝達部材102に選択的に連結されると共に、第1ブレーキB1を介してケース14に選択的に連結される。キャリアCA1は、第2ブレーキB2を介してケース14に選択的に連結される。相互に一体的に連結されているリングギヤR1並びにキャリアCA2及びCA3は、出力軸103に連結されている。相互に一体的に連結されているリングギヤR2及びサンギヤS3は、第2クラッチC2を介して伝達部材102に選択的に連結される。リングギヤR3は、第3ブレーキB3を介してケース14に選択的に連結される。
第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3は、公知の車両用変速機においてよく用いられる係合要素である油圧式摩擦係合装置であって、第1ブレーキB1を除いて、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型係合装置であるが、第1ブレーキB1は回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本又は2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキにより構成され、それらが介挿されている両側の部材を選択的に連結するものである。
以上のように構成された有段変速部22では、例えば、図2の係合作動表に示されるように、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3が選択的に係合作動されることにより、第1速ギヤ比(即ち、第1変速段)乃至第4変速ギヤ比(即ち、第4変速段)のいずれか、後進ギヤ段(即ち、後進変速段)、或いはニュートラルが選択的に成立され、所定の変速比(即ち、入力軸回転速度/出力軸回転速度)がギヤ段毎に得られるようになっている。
図2に示すように、第1クラッチC1及び第3ブレーキB3の係合により、変速比が、例えば「3.357」である第1変速ギヤ段が成立される。第1クラッチC1及び第2ブレーキB2の係合により、変速比が、例えば「2.180」である第2変速ギヤ段が成立される。第1クラッチC1及び第1ブレーキB1の係合により、変速比が、例えば「1.424」である第3変速ギヤ段が成立される。第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合により、変速比が、例えば「1.000」である第4変速ギヤ段が成立される。第1クラッチC1及び第3ブレーキB3の係合により、変速比が、例えば「3.209」であるモータ走行用後進ギヤ段が成立される。第2クラッチC2及び第3ブレーキB3の係合により、変速比が、例えば「3.209」であるエンジン走行用後進ギヤ段が成立される。尚、ニュートラル(N)状態とする場合には、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3のいずれも係合されない。
図2において、互いに隣接する各変速段の変速比は、有段変速に理想的とされている等比的に変化させられており、各ギヤ段の変速間の変化割合(即ち、変速比ステップ)がほぼ一定とされている。即ち、第1変速ギヤ段と第2変速ギヤ段との間の変速比ステップは1.54であり、第2変速ギヤ段と第3変速ギヤ段との間の変速比ステップは1.53であり、第3変速ギヤ段と第4変速ギヤ段との間の変速比ステップは1.42である。そして、全体のギヤ幅(即ち、第1変速ギヤ段と第4変速ギヤ段との間の変速比ステップ)は、3.36と比較的大きな値に設定されている。
図3は、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表わすことができる共線図を示している。図3の共線図は、横軸方向において各遊星歯車機構24、25、26及び27のギヤ比の相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示している。
図3において、2本の横線X1及びX2のうち、横線X1が回転速度ゼロを示し、横線X2が回転速度「1.0」即ち、伝達部材102の回転速度を示している。他方、8本の縦線は、左側から順に、サンギヤS0、キャリアCA0、リングギヤR0、互いに連結されたサンギヤS1及びS2、キャリアCA1、リングギヤR3、互いに連結されたリングギヤR1、キャリアCA2及びCA3、並びに、互いに連結されたサンギヤS3及びリングギヤR2各々の相対回転速度比を示すものである。
縦線間の間隔は遊星歯車機構24、25、26及び27のギヤ比に応じて夫々定められている。即ち、図3に示すように、遊星歯車機構24、25、26及び27毎に、そのサンギヤとキャリアとの間が1.000とされると、キャリアとリングギヤとの間がρに対応するものとなる。
図3において、遊星歯車機構24のキャリアCA0が入力軸101に連結され、サンギヤS0が第1電動機M1に連結され、リングギヤR0が第2電動機M2に連結されると共に伝達部材102に連結される。相互に一体的に連結されている遊星歯車機構25のサンギヤS1及び遊星歯車機構26のサンギヤS2は、第2クラッチC2を介して伝達部材102に選択的に連結されると共に、第1ブレーキB1を介してケース14に選択的に連結される。遊星歯車機構25のキャリアCA1は、第2ブレーキB2を介してケース14に選択的に連結される。遊星歯車機構27のリングギヤR3は、第3ブレーキB3を介してケース14に選択的に連結される。相互に一体的に連結されている遊星歯車機構25のリングギヤR1、遊星歯車機構26のキャリアCA2及び遊星歯車機構27のキャリアCA3は、出力軸103に連結される。相互に一体的に連結されている遊星歯車機構26のリングギヤR2及び遊星歯車機構27のサンギヤS3は、第1クラッチC1を介して伝達部材102に選択的に連結される。
図4は、本実施形態に係る動力伝達装置1を制御するための制御装置である電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)30に入力される信号及びその電子制御装置30から出力される信号を例示している。電子制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェース等からなる所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン10、第1電動機M1及び第2電動機M2に関するハイブリッド駆動制御、有段変速部22の変速制御等の駆動制御を実行するものである。
電子制御装置30には、図4に示す各センサやスイッチから、エンジン水温を示す信号、Pb1油圧を示す信号、Pb2油圧を示す信号、Pc2油圧を示す信号、第1電動機M1の回転数を示す信号、第2電動機M2の回転数を示す信号、エンジン回転数を示す信号、トーイングスイッチの状態を示す信号、Mモード(手動変速走行モード)を指令する信号、エアコンの作動を示す信号、出力軸103の回転速度に対応する車速信号、有段変速部22の作動油温を示す信号、ECT(Electoronic Controlled Transmission)を指令する信号、サイドブレーキ操作を示す信号、フットブレーキ操作を示す信号、触媒温度を示す信号、アクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号、EV(Electric Vehicle)スイッチの状態を示す信号、スノーモード設定を示す信号、車両の前後加速度を示す加速度信号、オートクルーズ走行を示す信号、パワーモードスイッチの状態を示す信号、シフトポジションを示す信号、等が夫々供給される。
他方、電子制御装置30からは、スロットル弁の開度を操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号、過給圧を調整するための信号、電動エアコンを作動させるための信号、エンジン10の点火時期を指令する点火信号、第1電動機M1の作動を指令する信号、第2電動機M2の作動を指令する信号、第1蓄電装置を制御する信号、第2蓄電装置を制御する信号、ギヤ比インジケータを作動させるための信号、スノーモードであることを表示させるための信号、有段変速部22の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路に含まれる電磁弁を作動させる指令信号、制動時の車輪のスリップを防止するABS(Antilock Brake System)アクチュエータを作動させるための信号、Mモードが選択されていることを表示させる信号、油圧制御回路の油圧源である電動油圧ポンプを作動させる信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号、等が夫々出力される。
電子制御装置30は、無段変速部21及び有段変速部22の自動変速制御を実行する。ここで、有段変速部22の自動変速制御は、例えば電子制御装置30に予め記憶された、図5に示すような、変速線図から車速及び要求出力トルクで示される車両状態に基づいて実行される。この際、電子制御装置30は、例えば図2に示す係合表に従って変速段が達成されるように、変速に関与する係合装置等を係合及び/又は解放させる指令を出力する。
図5は、車速と出力トルクとをパラメータとする二次元座標に構成された、有段変速部の変速状態の切換判定に用いられる予め記憶された切換線図の一例と、エンジン走行とモータ走行との切換判定に用いられる境界線を有する予め記憶された駆動力源切換線図とを例示する図である。図5において、実線はアップシフト線を示しており、破線はダウンシフト線を示している。
図5における実線Eは、ハイブリッド車両の発進・走行用(以下、適宜“走行用”と称する)の駆動力源をエンジン10と、電動機(例えば、第2電動機M2)とで切り換えるための、言い換えれば、エンジン10を走行用の駆動力源としてハイブリッド車両を発進・走行(以下、適宜“走行”と称する)させる所謂エンジン走行と、第2電動機M2を走行用の駆動力源としてハイブリッド車両を走行させる所謂モータ走行とを切り換えるための、エンジン走行領域とモータ走行領域(図5における斜線部分)との境界線である。
電子制御装置30は、例えば図5に示すような、駆動力源切換線図から、車速と要求出力トルクとで示される車両状態に基づいてモータ走行領域とエンジン走行領域との何れであるかを判定してモータ走行又はエンジン走行を実行する。モータ走行は、図5から明らかなように、一般的にエンジン効率が高トルク域に比して低いとされる比較的低出力トルク域、即ち、低エンジントルク域、或いは、車速の比較的低車速域、即ち、低負荷域で実行される。従って、通常は、モータ発進がエンジン発進に優先して実行されるが、例えば車両発進時に、図5におけるモータ走行領域を超える要求出力トルク、即ち要求エンジントルクとされる程大きくアクセルペダルが踏み込まれるような車両状態では、エンジン発進も通常実行されるものである。
図6は、シフトレバーを備えた複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフト操作装置の一例を示す図である。シフト切換装置は、例えば運転席の横に配設され、複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフトレバー48を備えている。該シフトレバー48は、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の何れの係合装置も係合されないような動力伝達装置1(有段変速部22)内の動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態、即ち中立状態とし、且つ有段変速部22の出力軸103をロックするための駐車ポジション「P(パーキング)」、後進走行のための後進走行ポジション「R(リバース)」、動力伝達装置1内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立ポジション「N(ニュートラル)」、前進自動変速走行ポジション「D(ドライブ)」、又は前進手動変速走行ポジション「M(マニュアル)」へ手動操作されるように構成されている。
(変速制御)
次に、以上のように構成された動力伝達装置1が搭載されるハイブリッド車両の、主に走行中に、電子制御装30が実行する変速制御処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7において、先ず、電子制御装置30は、蓄電装置12の電力量が制限されているか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、電子制御装置30は、蓄電装置12の充電電力が制限されているWin制限状態であるか否か、及び蓄電装置12の放電電力が制限されているWout制限状態であるか否かを判定する。
蓄電装置12の電力量が制限されていないと判定された場合(ステップS101:No)、リターンされ処理を停止して待機状態となる。即ち、所定の周期によって一義的に決定される次の処理開始時期に到達するまで、ステップS101の処理の実行を停止して待機状態となる。
他方、蓄電装置12の電力量が制限されていると判定された場合(ステップS101:Yes)、電子制御装置30は、特定変速が発生するか否かを判定する(ステップS102)。ここで、「特定変速」とは、有段変速部22の変速に伴って、第1電動機M1と第2電動機M2との電力授受のバランスがずれ、且つ、電力を蓄電装置12に出し入れできない状態が生じる変速を意味する。
特定変速が発生しないと判定された場合(ステップS102:No)、リターンされ処理を停止して待機状態となる。他方、特定変速が発生すると判定された場合(ステップS102:Yes)、電子制御装置30は、昇圧切換制御が有段変速部22の変速中に同時に発生するか否かを判断する(ステップS103)。
昇圧切換制御が有段変速部22の変速中に同時に発生すると判定された場合(ステップS103:Yes)、電子制御装置30は、有段変速部22の変速前に(例えば、変速判定と同時に)昇圧切換制御を実施する(即ち、電圧を上昇させるようにインバータ11を制御する)(ステップS104)。
尚、昇圧切換制御の影響がイナーシャ相に及ぶ場合、変速判定から変速の信号出力までの時間を遅延し、変速の実行、即ちイナーシャ相の発生を時間的に遅らせてもよい。或いは、昇圧切換制御を変速判定よりも前に実施してもよい。
他方、昇圧切換制御が有段変速部22の変速中に同時に発生しないと判定された場合(ステップS103:No)、電子制御装置30は、有段変速部22の変速を実施する(ステップS105)。
尚、本実施形態に係る「電子制御装置30」は、本発明に係る「制御手段」の一例である。本実施形態では、ハイブリッド車両の各種電子制御用の電子制御装置30の一部を動力伝達装置1の一部として用いている。
次に、上述した変速制御処理が実行された際の電力収支等の時間変化を、図8のタイムチャートを参照して説明する。図8は、図7のフローチャートに示す変速制御動作を説明するタイムチャートであって、Wout制限状態、且つハイブリッド車両の運転者がアクセル操作を行ったことに起因して、有段変速部22がダウンシフトする際のタイムチャートの一例である。
図8における、時刻t1に電子制御装置30により蓄電装置12の電力量が制限されているか否かの判定がされ、時刻t2に運転者によりアクセルペダルが操作され、時刻t3に電子制御装置30により変速判定がされ、時刻t4に有段変速部22の変速が開始され、時刻t5に有段変速部22の変速が終了するものとする。
図8における時刻t2に、運転者がアクセルペダルを踏下する(或いは、アクセルペダルの踏下量を増加する)ことにより、アクセル開度が増加する。その後、アクセルペダルが踏下されたことに対応して、エンジン10の回転数が増加する。
また、有段変速部22のダウンシフトに起因して、該有段変速部22の入力軸(即ち、伝達部材102)に接続されている第2電動機M2の回転数(即ち、MG2回転数)が上昇する。更に、有段変速部22の油圧が所定の油圧制御に則り、変速要求時(ここでは、時刻t3)から変更され、有段変速部22の変速を進行させる。尚、図8の変速部油圧における「Pb1」及び「Pb3」は、夫々、「解放圧」及び「係合圧」を示している。
ここで、第2電動機M2のトルク(即ち、MG2トルク)は、第2電動機M2の回転数の変化から生じる自身のイナーシャトルクによる駆動力発生までのもたつきを低減するため、高トルクに設定される。この際、蓄電装置12の電力収支(即ち、バッテリ電力収支)は放電側に変化する。
このような場合、通常は、第2電動機M2が高トルクを出力するタイミングで、電圧を昇圧するようにインバータ11が制御される。すると、昇圧開始の際に電力が消費されるため、蓄電装置12の電力収支は放電側に変化する。仮に、有段変速部22の変速中に、第2電動機M2の回転数の変化に起因する放電と、インバータ11による昇圧に起因する放電とが重なると、例えば図8において破線で示すように、蓄電装置12の電力収支が大きく変化してしまう。このため、蓄電装置12の耐久性が低下するおそれがある。
しかるに本実施形態では、電子制御装置30により、有段変速部22の変速前である変速判定と同時に(即ち、時刻t3に)電圧を昇圧するようにインバータ11が制御される(インバータ昇圧電圧における実線参照)。このため、インバータ11による昇圧に起因する放電と、第2電動機M2の回転数やトルクの変化に起因する放電とが重なることを回避することができる。このため、蓄電装置12の耐久性の低下を抑制することができる。
尚、図8におけるインバータ昇圧電圧は、第1電動機M1の負荷率、及び第2電動機M2の負荷率の大きいほうの負荷率から算出される。そして、インバータ昇圧電圧の値が第1電動機M1及び第2電動機M2各々の電圧の値となる。
尚、インバータ11による電圧の昇圧を、有段変速部22の変速前に実施することに代えて、有段変速部22の変速後に実施してもよい。
ところで、蓄電装置12の電力量が制限されていない場合は、仮に蓄電装置12の電力収支がアンバランスになったとしても、蓄電装置12で該アンバランスを吸収することができるので、第2電動機M2の回転数の変化に起因する放電と、インバータ11による昇圧に起因する放電とが重なってもよい、即ち、有段変速部22の変速と昇圧制御とを同時に実施してもよい。
また、蓄電装置12の電力量が制限されている場合であっても、蓄電装置12の電力収支がアンバランスにならないのであれば、有段変速部22の変速と昇圧制御とを同時に実施してもよい。
<変形例>
次に、本実施形態の変形例に係る変速制御処理について、図9のタイムチャートを参照して説明する。図9は、図8と同趣旨の、本実施形態の変形例に係る変速制御動作を説明するタイムチャートであって、Wout制限状態、且つハイブリッド車両の運転者がアクセル操作を行ったことに起因して、有段変速部22がダウンシフトする際のタイムチャートの一例である。
図9における、時刻t1に電子制御装置30により蓄電装置12の電力量が制限されているか否かの判定がされ、時刻t2に運転者によりアクセルペダルが操作され、時刻t3に電子制御装置30により変速判定がされ、時刻t4に有段変速部22の変速が開始され、時刻t5に有段変速部22の変速が終了するものとする。
本変形例では、図7に示したステップS104において、「電子制御装置30が、有段変速部22の変速前に昇圧切換制御を実施する」ことに代えて、「電子制御装置30が、有段変速部22の変速中に段階的に昇圧切換制御を実施する」。
具体的には、図9に示すように、第2電動機M2の負荷率に制限をかけ、該制限を段階的に解除することによって(MG2負荷率における実線参照)、電圧が急激に上昇することを防止している(インバータ昇圧電圧における実線参照)。
第2電動機M2の負荷率の制限を段階的に解除することにより、昇圧開始時の電力消費を抑制することができるので、蓄電装置12の電力収支が大きく変化することを抑制することができる。このため、蓄電装置12の耐久性の低下を抑制することができる。
本変形例に係る変速制御処理は、例えば、有段変速部22の変速要求時には、第2電動機M2の回転数やトルクから算出された負荷率に基づいて、昇圧制御の必要はないと判定されたが、有段変速部22の変速過度よる第2電動機M2の回転数やトルクの変化、アクセル開度や勾配の変化に起因して、昇圧制御が必要となった場合であっても、蓄電装置12の耐久性の低下を抑制することができ、実用上非常に有利である。
尚、第2電動機M2の負荷率の制限は、例えば、有段変速部22の変速及び昇圧制御により、蓄電装置12の電力収支がアンバランスにならないような値として設定すればよい。
<第2実施形態>
本発明の動力伝達装置に係る第2実施形態を、図10乃至図12を参照して説明する。第2実施形態では、電子制御装置30が実行する変速制御処理が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図10乃至図12を参照して説明する。
(変速制御)
図10において、先ず、電子制御装置30は、蓄電装置12の電力量が制限されているか否かを判定する(ステップS201)。蓄電装置12の電力量が制限されていないと判定された場合(ステップS201:No)、リターンされ処理を停止して待機状態となる。
他方、蓄電装置12の電力量が制限されていると判定された場合(ステップS201:Yes)、電子制御装置30は、特定変速が発生するか否かを判定する(ステップS202)。特定変速が発生しないと判定された場合(ステップS202:No)、リターンされ処理を停止して待機状態となる。
他方、特定変速が発生すると判定された場合(ステップS202:Yes)、電子制御装置30は、有段変速部22の変速に起因して、第1電動機M1及び第2電動機M2の少なくとも一方の指令トルクが急変するか否かを判断する(ステップS203)。
指令トルクが急変すると判定された場合(ステップS203:Yes)、電子制御装置30は、指令トルクが急変すると判定された電動機に係る指令トルクに対して、レート処理を実施し、該レート処理を施された指令トルクを出力する(ステップS204)。
ここで、レート処理に係るレート値は、例えば図11に示すような、蓄電装置12の電力制限値(バッテリ電力制限値)とレート処理時定数とをパラメータとするマップから決定される。具体的には例えば、蓄電装置12の電力制限時には、大きな時定数とし、指令トルクの急変を抑制することにより、電力収支がアンバランスになることを抑制する。また、車両負荷変化量が大きい場合には、電力収支のアンバランスが大きくなるため、時定数を上げる。他方、電力収支に余裕がある場合には時定数を下げる。
尚、図11は、バッテリ電力制限値とレート処理時定数との関係を定めるマップの一例である。
他方、指令トルクが急変しないと判定された場合(ステップS203:No)、電子制御装置30は、指令トルクをそのまま出力する(ステップS205)。尚、指令トルクが急変しないと判定された場合であっても、蓄電装置12の電力収支のバランスをとるために、レート処理を実施してもよい。
次に、上述した変速制御処理が実行された際の電力収支等の時間変化を、図12のタイムチャートを参照して説明する。図12は、図10のフローチャートに示す変速制御動作を説明するタイムチャートであって、Wout制限状態、且つ有段変速部22がアップシフトする際のタイムチャートの一例である。
図12における、時刻t1に電子制御装置30により蓄電装置12の電力量が制限されているか否かの判定がされ、時刻t2に電子制御装置30により変速判定がされ、時刻t3に有段変速部22の変速が開始され、時刻t4に有段変速部22の変速が終了するものとする。
ここでは、第1電動機M1のイナーシャキャンセル制御を用いて、有段変速部22のアップシフトを実施しているため、有段変速部22の変速開始(即ち、イナーシャ相開始)と同時に、第1電動機M1の慣性をキャンセルするイナーシャキャンセルトルクが指令される(MG1指令トルクにおける破線参照)。
本実施形態では、電子制御装置30により第1電動機M1の指令トルクが急変すると判定された場合、蓄電装置12の電力量の制限に応じて、第1電動機M1の指令トルクにレート処理が施される、即ち、第1電動機M1の出力勾配が変更される(MG1指令トルクにおける実線参照)。
このため、第1電動機M1の出力急変に起因して電力収支のバランスが崩れることを抑制することができる。尚、指令トルクにレート処理を施しても電力収支のバランスが崩れると予測された場合は、電子制御装置30により、指令トルクに応じて電圧を変更するようにインバータ11が制御されるので、電力収支のバランスが崩れることを抑制することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う動力伝達装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…動力伝達装置、10…エンジン、12…蓄電装置、21…無段変速部、22…有段変速部、24、25、26、27…遊星歯車機構、30…電子制御装置、M1…第1電動機、M2…第2電動機

Claims (3)

  1. 差動機構を有し、前記差動機構の第1回転要素が第1電動機に連結され、前記差動機構の第2回転要素が内燃機関に連結され、前記差動機構の第3回転要素が第2電動機に連結され、前記第1電動機により前記差動機構の差動状態が制御される電動式差動部と、
    前記電動式差動部に連結された有段変速部と、
    前記第1電動機及び前記第2電動機に対し電力を供給可能、且つ前記第1電動機及び前記第2電動機の回生電力により充電可能な蓄電装置と、
    前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間に介在し、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間の電力授受を行うと共に、電圧を調整可能な電圧調整手段と、
    前記電力授受が制限されている際に、前記有段変速部の変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記電力授受に係る制限を超えるときに、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する制御手段と
    を備え
    前記制御手段は、前記電力授受が制限されている際に、前記変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記制限を超えることを条件に、前記第1電動機及び前記第2電動機の少なくとも一方の出力勾配を変更すると共に、前記変更された出力勾配に応じて、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記制御手段は、前記蓄電装置の電圧に応じて、前記電圧を変更するように前記電圧調整手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 差動機構を有し、前記差動機構の第1回転要素が第1電動機に連結され、前記差動機構
    の第2回転要素が内燃機関に連結され、前記差動機構の第3回転要素が第2電動機に連結され、前記第1電動機により前記差動機構の差動状態が制御される電動式差動部と、
    前記電動式差動部に連結された有段変速部と、
    前記第1電動機及び前記第2電動機に対し電力を供給可能、且つ前記第1電動機及び前記第2電動機の回生電力により充電可能な蓄電装置と、
    前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間に介在し、前記第1電動機及び前記第2電動機と前記蓄電装置との間の電力授受を行うと共に、電圧を調整可能な電圧調整手段と、
    前記電力授受が制限されている際に、前記有段変速部の変速が実行されることに起因して、前記変速中に前記電力授受が前記電力授受に係る制限を超えるときに、前記電圧を前記変速前に変更するように前記電圧調整手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
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