JP5502222B1 - 歩行者保護用エアーバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、歩行者保護用エアーバッグ装置を提供する。
【解決手段】そのエアーバッグ装置は、車両に設けられた衝突検知センサと、車両のボンネットの内側表面に設けられた収納部内に収納された第1のエアーバッグと、車両のフロントバンパー内に収納された第2のエアーバッグと、車両内に設けられ、衝突検知センサからの信号を受けて、第1及び第2のエアーバッグを駆動させるための駆動手段とを備える。第1のエアーバッグは、収納部が設けられた領域のボンネットの表面に形成される開口部から上方に向かって展開し、歩行者の少なくとも頭部を受け止め可能なように構成され、第2のエアーバッグは、フロントバンパーと車両のフロントボディとの間に形成される開口部から上方に向かって展開し、エアーマット部と、当該エアーマット部の外周に沿った膨隆部とを形成して、歩行者を膨隆部の内側のエアーマット部に包含可能なように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、歩行者保護用エアーバッグ装置に関し、より具体的には、車両のボンネットの内側及びフロントバンパー内に収納され、展開時に車両前方からの歩行者を受け止めて保護することが可能なエアーバッグを備える、歩行者保護用エアーバッグ装置に関する。
車両の走行時に歩行者及び二輪車乗員など(以下、「歩行者」という)が車両に衝突した際に、歩行者が跳ね飛ばされて車両のボンネットやフロントウィンドウに強打して大きな被害(損傷)を受けてしまうことがある。したがって、車両との衝突時における歩行者の被害をできるだけ緩和し軽減して歩行者を保護することが求められている。
特開2007−83845号公報は、車両との衝突時における歩行者保護用エアーバッグ装置として、車両のボンネットの後部の開口部から展開し、車両のボンネット及びフロントウィンドウの少なくとも一方を覆うことが可能なエアーバック装置を開示する。
特開2011−189924号公報は、車両との衝突時における歩行者保護用エアーバッグ装置として、車両のフロントガラス外面やボンネット上部にエアーバッグを展開し、搭乗者やぶつかってきた人などの物体への衝撃を和らげることを目的とするエアーバック装置を開示する。
特開2007−83845号公報 特開2011−189924号公報
特許文献1、2に記載されるような歩行者保護用エアーバッグ装置では、エアーバッグが衝突時に跳ね飛ばされた歩行者と車両のボンネットまたはフロントガラスの間に入った場合には、その衝突時の衝撃を緩和させることが可能である。
しかし、これらの歩行者保護用エアーバッグ装置では、歩行者がエアーバッグに衝突した後にその反動で車両の両側に飛ばされて、路面に打ち付けられたり、あるいは後続車両に再度衝突してしまう可能性がある。特に、車両が高速で走行している場合には、エアーバッグが歩行者を受け止めることができず、その再度の衝突等の可能性が大きくなってしまう。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を軽減、解消することであり、具体的には、比較的高速で走行する車両に衝突した歩行者が、ボンネットまたはフロントガラスへ衝突する際の衝撃を緩和、軽減し、同時に衝突後に車両の両側の路面に打ち付けられたり、あるいは後続車に再度衝突してしまうことを回避することである。
本発明は、歩行者保護用エアーバッグ装置を提供する。そのエアーバッグ装置は、車両に設けられた衝突検知センサと、車両のボンネットの内側表面に設けられた収納部内に収納された第1のエアーバッグと、車両のフロントバンパー内に収納された第2のエアーバッグと、車両内に設けられ、衝突検知センサからの信号を受けて、第1及び第2のエアーバッグを駆動させるための駆動手段とを備える。第1のエアーバッグは、その駆動時に、収納部が設けられた領域のボンネットの表面に形成される開口部から上方に向かって展開し、歩行者の少なくとも頭部を受け止め可能なように構成される。第2のエアーバッグは、その駆動時に、フロントバンパーと車両のフロントボディとの間に形成される開口部から上方に向かって展開し、エアーマット部と、当該エアーマット部の外周に沿った膨隆部とを形成して、歩行者を膨隆部の内側のエアーマット部に包含可能なように構成される。
本発明によれば、比較的高速で走行する車両に衝突する歩行者を、最初にボンネット上に展開する第1のエアーバックで受けて、フロントガラスへの衝突を回避させた後に、フロントバンパーから展開する第2のエアーバックで受け止めて保持する、より具体的には、第2のエアーバックのエアーマット部の外周に沿った膨隆部により第2のエアーバッグの中央のエアーマット部に引き戻し保持することにより、歩行者が衝突時に受ける衝撃を緩和させると共に車両の両側の路面に打ち付けられたり、あるいは後続車に再度衝突してしまうことを回避することが可能となる。特に、本発明では第1及び第2のエアーバックによる2段構えの衝撃吸収(緩和)および保持(包含)の作用により、比較的高速で走行中の車両との衝突時においても歩行者を確実に保護することが可能となる。
本発明の一態様では、第1のエアーバッグの駆動時にボンネットの表面に形成される開口部は、駆動手段から供給されるガスの圧力により、ボンネットの表面の一部を成すプレート部が離脱することにより形成される。
本発明の一態様によれば、ガスの圧力によりボンネットの表面の一部を成すプレート部が瞬時に離脱させて開口部を形成すると同時に第1のエアーバッグを上方に展開させることができるので、比較的高速で走行中の車両との衝突時においても歩行者をフロントガラスへ衝突させることないように受け止めることが可能となる。
本発明の一態様では、第1のエアーバッグの収納部は、ボンネットの後端から先端へ向う長さ方向において、中央位置と、先端から略3分の1の長さの位置との間に設けられ、展開時の第1のエアーバッグの長さは、ボンネットの表面から略50cm以内にある。
本発明の一態様によれば、第1のエアーバッグがボンネットの後端から先端へ向う長さ方向において、中央位置と、先端から略3分の1の長さの位置との間に設けられることにより、歩行者が第1のエアーバッグに衝突した際に、歩行者とボンネットの表面との間に適度な隙間が形成されて、第2のエアーバッグがその隙間に沿うような形で展開して歩行者の下側に入り込むことが可能となる。
本発明の一態様では、第2のエアーバッグの膨隆部には、エアーバッグの外周に沿ったひれ部が設けられている。
本発明の一態様によれば、衝突時の衝撃等により第2のエアーバッグがパンクしエアーが抜けてしまう事態が起こっても、第2のエアーバッグの外周に沿ったひれ部が一種のポケットにように機能して歩行者にまとわりついて(引っかけて)、その歩行者を第2のエアーバッグ内に留まらせて保持することが可能となる。
本発明の一態様では、車両のフロントボディ内に設けられた、ボンネットの表面の一部を成すプレート部を離脱させ、かつフロントバンパーをフロントボディへの固定状態から離脱させるための離脱手段をさらに備える。
本発明の一態様によれば、駆動手段から供給されるガスの圧力により、第1及び第2のエアーバッグが展開する前に第1及び第2のエアーバッグが出るための開口部を形成することができるので、第1及び第2のエアーバッグをその開口部から確実に展開させることが可能となる。
本発明の一態様では、フロントバンパーは、その両側にフロントボディに接続する伸縮および回転可能な接続部を備える。その接続部は、フロントバンパーの離脱時において、フロントバンパーがフロントボディの下側と路面との間に維持されるように伸縮/回転する。
本発明の一態様によれば、車両に衝突した歩行者が第1及び第2のエアーバッグから車両前方に跳ね返される事態が起こった場合においても、フロントボディから離脱したフロントバンパーがフロントボディの下側と路面との間に維持されることにより、歩行者をブロックして車両の下側に巻き込まれることを防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態の歩行者保護用エアーバッグ装置の配置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の歩行者保護用エアーバッグ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の第1のエアーバックの配置/構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第2のエアーバックが展開した状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態の展開した第2のエアーバックの平面図と側面図である。 本発明の一実施形態の展開した第2のエアーバックの平面図と側面図である。 本発明の一実施形態の離脱手段の構成を示す図である。 本発明の一実施形態のフロントバンパーとフロントボディの接続部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の歩行者保護用エアーバッグ装置の動作時の様子を示す図である。 本発明の一実施形態の歩行者保護用エアーバッグ装置の動作時の様子を示す図である。 本発明の一実施形態の歩行者保護用エアーバッグ装置の動作の流れを示すフロー図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置の配置を示すブロック図である。図1は、車両のフロントボディ100の部分の側面図である。本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置の第1のエアーバックは、車両のボンネット120の内側の表面(裏面)に取り付けられた収納部105の中に配置される。本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置の第2のエアーバックは、車両のフロントバンパー110の中に配置される。第1のエアーバッグの収納部105は、ボンネット120の後端(フロントガラス130の先端)の位置Bからボンネット120の先端の位置Fへ向う長さ方向において、中央位置と、先端から略3分の1の長さの位置との間に設けられる。その範囲に第1のエアーバッグの収納部105を設ける理由は、歩行者が第1のエアーバッグに衝突した際にその反動で、歩行者とボンネット120の表面との間に適度な隙間が形成されて、第2のエアーバッグがその隙間に沿うような形で展開して歩行者の下側に入り込むことを可能にするためである。
図2は、本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置の構成を示すブロック図である。図2の(a)は、車両の前方部を上から見た断面図を想定して、各構成をブロックで記載したものである。図2の(a)において、符号11で指示されるブロックが図1の収納部105に収納(配置)された第1のエアーバックを示し、符号12で指示されるブロックが図1のフロントバンパー110の中に収納(配置)される第2のエアーバックを示している。本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置は、第1及び第2の2つのエアーバック11、12を用いることに1つの特徴がある。
フロントバンパー110内に設けられた衝突検知センサ10は、歩行者等との衝突を検知すると、その検知信号をフロントボディ100内のエアーバッグを駆動させるための駆動手段14に送る。衝突検知センサ10としては、加速度センサ、圧力センサ、光ファイバセンサなどの従来からある任意のセンサを用いることができる。図2の(a)では、衝突検知センサ10はフロントバンパー110の中央部に1つだけ記載されているが、2以上の複数のセンサを異なる位置に配置しても良い。また、衝突検知センサ10として、あるいはこれに追加する形で、フロントバンパー110内またはフロントボディ100内に小型のカメラを配置して、画像情報から衝突する対象が歩行者であることをその衝突時あるいは衝突前に検知できるようにしてもよい。
第1のエアーバッグ11は、収納部105内に折りたたんだ状態で収納される。エアーバッグ11は、後述するように、展開(膨張)時に上方に延びることができるように、垂直方向に重ねて折りたたまれている。エアーバッグ11の一方の端部(底部)は、収納部105に接続(固定)されている。エアーバッグ11には、少なくとも1か所以上の位置で駆動手段14からのガス配管18が接続され、その作動時(展開時)に高圧ガスが供給されるようになっている。収納部105の両端部内に、収納部の蓋の役割を果たすプレート部106(図3)をボンネット120の表面から離脱させるための離脱手段16が配置される。
収納部105内の離脱手段16の各々には駆動手段14からのガス配管20が接続され、その作動時(離脱時)に高圧ガスが供給されるようになっている。離脱手段16は、駆動手段14から供給される高圧ガスの圧力により、第1のエアーバッグ11が展開する前にプレート部106をボンネット120の表面から離脱させて、ボンネット120の表面に開口部107(図3)を形成する。
ここで、図3を参照する。図3は、本発明の一実施形態の第1のエアーバック11の配置/構成を示す図である。図3(a)は、車両のフロントボディ100を含む前方部の上面図である。図3(a)において、ブロック106は、上述した収納部105の蓋の役割を果たすプレート部を示す。プレート部106は、上述したように、ボンネット120の後端の位置Bからボンネット120の先端の位置Fへ向う長さ方向において、中央位置と、先端から略3分の1の長さの位置との間に設けられる。図3(b)は、ボンネット120を開けた状態図である。収納部105が、ボンネット120の内側面に設置されている。収納部105には、ガス配管18、20が接続されている。
図3(b)は、第1のエアーバック11の展開動作時の様子を示す正面図である。図3(c)は、プレート部106の離脱および第1のエアーバックの展開動作時の様子を示す断面図である。駆動手段14からのガス配管18を経由して送られる高圧ガスにより離脱手段16が作動して、プレート部106は瞬時にボンネット120の表面から離脱し、開口部107が形成されると同時に、同じ高圧ガスによって第1のエアーバッグ11がボンネット120の表面から上方に向かって展開(膨張)していく。展開時の第1のエアーバッグ11の長さは、ボンネット120の表面から略50cm以内にある。第1のエアーバッグ11の長さを略50cm以内に制限するのは、できるだけ瞬時に展開して、歩行者の少なくとも頭部を受け止めて、フロントガラス103への衝突を回避させると同時に、上述したように、歩行者が第1のエアーバッグに衝突した際に、歩行者とボンネット120の表面との間に適度な隙間が形成されて、第2のエアーバッグ12がその隙間に沿うような形で展開して歩行者の下側に入り込むことを可能にするためである。
図2に戻って、第2のエアーバッグ12は、フロントバンパー110内に折りたたんだ状態で収納される。第2のエアーバッグ12は、詳細は後述するように、展開(膨張)時に上方(ほぼ真上)に延びることができるように、垂直方向に重ねて折りたたまれている。第2のエアーバッグ12の一方の端部は、フロントボディ100に接続(固定)されている。第2のエアーバッグ12には、少なくとも1か所以上の位置で駆動手段14からのガス配管19が接続され、その作動時(展開時)に高圧ガスが供給されるようになっている。フロントバンパー110の両端部に接するフロントボディ100内にフロントバンパーをフロントボディへの固定状態から離脱させるための離脱手段16が配置される。
フロントボディ100内の離脱手段16の各々には駆動手段14からのガス配管21が接続され、その作動時(離脱時)に高圧ガスが供給されるようになっている。離脱手段16は、駆動手段14から供給されるガスの圧力により、第2のエアーバッグ12が展開する前にフロントバンパー110の少なくとも上部をフロントボディ100から離脱させて、フロントバンパー110と車両のフロントボディ100との間の開口部を形成する。なお、図2の例では、離脱手段16はフロントバンパー110の両側に2つ設けられているが、その数は2つに限定されず、例えばフロントバンパー110の中央部に1つ、あるいは中央部と両側を含む合計3つ設けてもよい。
駆動手段14は、図2の(b)に示すように、電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)140とインフレータ142を含む。ECU140は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。メモリには、インフレータ142の制御等を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ、テーブルおよびマップを格納することができる。ECU140は、衝突検知センサ10を含む車両の各部から送られてくる信号を受け取って、インフレータ142を制御するための制御信号を生成する。
インフレータ142は、ECU140の制御下で第1及び第2のエアーバッグ11、12を展開させるための高圧ガスを発生させる。高圧ガスの発生方法としては、従来からあるパイロ(推進薬)タイプ、高圧ガスタイプ、それらを組み合わせたハイブリッドタイプ等の任意の方法を利用することができる。例えば、パイロ(推進薬)タイプの場合は、起動信号を受けてインフレータ142内の火薬を爆発させてガス発生剤を燃焼させ、その燃焼により発生したガス(窒素ガス)を冷却した後に第1及び第2のエアーバッグ11、12と離脱手段16へ配管18〜21を介して噴出させる。なお、図2では1つの駆動手段14が、第1及び第2のエアーバッグ11、12と4つの離脱手段16で共用されるように構成されているが、この構成に限られず、第1及び第2のエアーバッグ11、12および4つの離脱手段16の各々にECU140の制御下で連動して動作可能な個別の駆動手段(ガス供給手段)を設けるようにしてもよい。
図4は、本発明の一実施形態の第2のエアーバックが展開した状態を示す側面図である。なお、図4の展開状態は、歩行者との衝突が無い状態で第2のエアーバックを展開させた場合の様子を示し、実際に歩行者と衝突した際の展開状態については、図9、10を用いて後述する。第2のエアーバッグ12は、その作動時にインフレータ142から供給される高圧ガスにより、フロントバンパー110と車両のフロントボディ100との間に形成される開口部から上方に向かって展開する。その開口部は、インフレータ142から供給される高圧ガスにより作動する離脱手段16により、フロントバンパー110(図4の破線110)がフロントボディ100から離脱する(飛び出す)際に形成される。
フロントバンパー110の離脱は、第2のエアーバッグ12の作動(展開)よりも少し前に、あるいはほぼ同時に開始するようにECU140により制御される。離脱したフロントバンパー110は、図4に示すように、フロントボディ100の前方下側に飛び出し、接続部24の長さにより規定される所定の位置に維持される。その所定の位置は、路面とフロントボディ100の下面との間隔(図4のH)の少なくとも一部以上を塞ぐことができる位置として設定される。これにより、車両に衝突した歩行者が第2のエアーバッグ12から車両前方に跳ね返される事態が起こった場合においても、歩行者をブロックして車両の下側(間隔H内)に巻き込まれることを防ぐことが可能となる。
展開した第2のエアーバッグ12の長さ(図4では高さ)は、第2のエアーバッグ12が車両に衝突した歩行者を受け止めて車両の後方に折れ曲がった際に、車両のボンネット120の全部およびフロントガラス130の少なくとも一部(下側)以上を覆うことができる長さとして設定される。これにより、その歩行者がボンネット120またはフロントガラス130へ衝突する際の衝撃を緩和、軽減することが可能となる。
図5と図6は、本発明の一実施形態の展開した第2のエアーバック12の状態を示す平面図と側面図である。両図の(a)は、いずれも車両の前方から見た図であり、図示はしていないが、第2のエアーバック12の後ろ側に車両のボンネット120およびフロントガラス130が存在することになる。図5の第2のエアーバック12は、全体としてほぼ楕円な形状をしており、外周に沿って膨隆部323が形成され、その内側にエアーマット部321が形成される。膨隆部323は筒状(円筒形)をしており、そのサイズ(直径、エアーマット部321の表面からの高さ)は、歩行者が第2のエアーバック12の外側に飛び出すことを妨げる(ブロックする)ことが可能な長さ(大きさ)に設定される。例えば、そのサイズ(直径、エアーマット部321の表面からの高さ)は、少なくとも約20〜40cm程度である。
図5の第2のエアーバック12の膨隆部323には、第2のエアーバッグ12の外周に沿ったひれ部325を設けることができる。図5の(b)は、図5(a)の第2のエアーバック12の上部を側面から見た図であり、ひれ部325は膨隆部323の外側部に張り付けられる形で取り付けられる。ひれ部325は、膨隆部323の厚さ(高さ)方向に向かって伸びるように所定の張り具合を持つように形成される。ひれ部325は、第2のエアーバッグ12と同じ材質、あるいは他の材質で構成され、第2のエアーバッグ12にぶつかってくる歩行者にまとわりつく(引っかかる)ように、所定の張りを有すると同時にある程度の柔軟性のある繊維、樹脂等から構成される。ひれ部325は、例えば網状の形状を有することができる。ひれ部325は、衝突時の衝撃等によりエアーバッグがパンクしエアーが抜けてしまう事態が起こっても、一種のポケットにように機能して歩行者を引っかけて、その歩行者をエアーバッグ内に留まらせ保持することが可能となる。なお、ひれ部325は必要に応じて選択的に設けることができ、無くてもよい。
図6の展開した第2のエアーバック12では、エアーマット部321および膨隆部323がほぼ円形をなしている。その側面は、図6の(b)に示すように、エアーマット部321の領域が膨らんだ(突出した)、半球形な形状327となっている。これにより、第2のエアーバック12の歩行者をより受け止め易く、言い換えれば、包み込むように機能させることができる。同時に、歩行者がボンネット120およびフロントガラス130へ衝突する際の衝撃を緩和、吸収させるクッション効果をさらに向上させることが可能となる。なお、図示はしていないが、図6の第2のエアーバック12においても、図5の場合と同様に第2のエアーバッグ12の外周に沿ったひれ部325を設けることができる。
図7は、本発明の一実施形態の離脱手段16の構成を示す図である。図7の構成が、既に図2で示したように、例えば、ボンネット120の収納部105の両端、及びフロントバンパー110の両端に設けられる。収納部105の離脱手段16は、収納部105のプレート106と駆動手段14からの配管20とに接続する。フロントバンパー110の離脱手段16は、フロントバンパー110と駆動手段14からの配管21とに接続する。離脱手段16は、配管20、21からの高圧ガスを受けるシリンダ161と、シリンダ161内のピストン163を含む。
シリンダ161内のピストン163は、離脱手段16の作動時、言い換えれば、第1及び第2のエアーバック11、12の作動時に、瞬時に供給されてくる高圧ガスにより圧縮されて、図7の左方向に移動し、プレート106を上方に飛び出させ、あるいはフロントバンパー110を左方向(車両の前方)に飛び出させる。これにより、プレート106とフロントバンパー110は、それぞれボンネット120とフロントボディ100から離脱する。なお、フロントバンパー110は、両側の2つのピストン163によって押される力により、フロントボディ100から離脱可能な仕様(強度を含む)で、予めフロントボディ100に接続されている。
図8は、本発明の一実施形態のフロントバンパー110とフロントボディ100の接続部24の構成を示す図である。接続部24は、フロントボディ100に接続された支点部245を中心に回転可能な第1接続部243と、第1接続部243の中に図の矢印Aの方向で伸縮可能なように収納された第2接続部245とを含む。第2接続部245の端部は、フロントバンパー110に接続されている。離脱手段16が作動し、フロントバンパー110が飛び出した際に、第1接続部243が図の矢印Bの方向で回転しながら、同時に第2接続部245が矢印Aの方向で伸びて、フロントバンパー110を上述した所定の位置に維持させる。なお、第2接続部245の端部とフロントバンパー110との接続部は、美観上フロントバンパー110の内側に設けるようにしてもよい。
次に、図9と図10を参照しながら、本発明の一実施形態の第1及び第2のエアーバックの作動(展開)について説明する。図9において、図3(c)を参照しながら説明したように、駆動手段14からのガス配管18を経由して送られる高圧ガスによりボンネット120の表面に開口部107が形成されると同時に、同じ高圧ガスによって第1のエアーバッグ11が上方に向かって展開(膨張)する。車両に衝突した歩行者200の少なくとも頭部は、図のように展開した第1のエアーバッグ11に当たる。この時、第2のエアーバッグ12も展開を始めているがその全体は展開しきれていない。この状態において、歩行者200は第1のエアーバッグ11によりその前進が遮られて、フロントガラス130あるいはボンネット120の上部の表面への衝突が回避される。
図10は、第2のエアーバッグ12が十分に展開した状態を示す。第2のエアーバッグ12は、歩行者200が第1のエアーバッグ11に当った時の反動で生ずる歩行者200とフロントボディ100との間の隙間に沿って展開して歩行者の下側に入って、歩行者200を受け止める。図5、6を参照しながら説明したように、歩行者200は、第2のエアーバッグ12の膨隆部323内側のエアーマット部321に包含されるように維持される。第2のエアーバッグ12は、図4〜図6を用いて説明したように、ボンネット120及びフロントガラス130の少なくとも一部(下部)を覆うことが可能な十分な長さを持ち、かつ膨隆部323とひれ部325を有しているので、歩行者200の体全体への衝撃を緩和すると同時にエアーバック外へ飛び出さないように保持することができる。
なお、第1のエアーバッグ11は、図に示されるように、第2のエアーバッグ12の下で押しつぶされ、そのクッション効果で第2のエアーバッグ12内の歩行者200が受ける衝撃をさらに緩和させることが可能となる。このように、本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置によれば、衝突時から比較的大きな第2のエアーバッグ12が完全に展開するまでの時間の間に、まず比較的小さな第1のエアーバッグ11でその進行を止めて、その後展開した第2のエアーバッグ12で歩行者を受け止めることにより、特に高速走行している車両において、歩行者の保護をより確実におこなうことが可能となる。
図11は、本発明の歩行者保護用エアーバッグ装置の動作を示すフロー図である。ステップS1において、歩行者と車両との衝突が検知される。その検知は、既に図2の説明において述べたように、フロントバンパー110内等に設置された衝突検知センサ10、あるいはカメラによる画像検知によりおこなわれる。ステップS2において、駆動手段14が作動する。検知信号が駆動手段14のECU140に送られる。ECU140が所定の処理を行った後に、インフレータ142を作動させる。
ステップS3おいて、インフレータ142から配管20、21を介して供給された高圧ガスにより、離脱手段16の各々が作動する。離脱手段16は、既に述べたように、プレート106をボンネット120から上方に飛び出させ、フロントバンパー110をフロントボディ100から離脱させる。ステップS4おいて、インフレータ142から配管20、21を介して供給された高圧ガスにより、第1及び第2のエアーバック11、12が作動(展開)する。
ステップS4の第1及び第2のエアーバック11、12の作動よりも前にステップS3の離脱手段16の作動が実行される必要がある。そのため、ECU140は、インフレータ142から高圧ガスの供給において所定の時間差を設定し、第1及び第2のエアーバック11、12へのガス供給がその所定時間差分だけ遅れて開始されるようにする。あるいは、高圧ガスの供給時間差を設けずに、離脱手段16へのガス圧を第1及び第2のエアーバック11、12へのガス圧よりも高くして、離脱手段16がそのガス圧差分だけ早く作動するようにしてもよい。なお、フロントバンパー110の離脱に要する時間よりも、第2のエアーバック12の展開に要する時間の方が長くかかるので、ステップS4の第2のエアーバック12の作動とステップS3の離脱手段16の作動をほぼ同時におこなっても第2のエアーバック12の展開に支障が出る恐れはほとんどないと考えられる。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明をした。しかし、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できるものである。
10 衝突検知センサ
11、12 第1、第2のエアーバック
14 駆動手段
16 離脱手段
18、19、20、21 ガス配管
24 接続部
100 フロントボディ
105 収納部
106 プレート部
110 フロントバンパー
120 ボンネット
130 フロントガラス
200 歩行者(人)
321 エアーマット部
323 膨隆部
325 ひれ部

Claims (5)

  1. 歩行者保護用エアーバッグ装置であって、
    車両に設けられた衝突検知センサと、
    前記車両のボンネットの内側表面に設けられた収納部内に収納された第1のエアーバッグと、
    前記車両のフロントバンパー内に収納された第2のエアーバッグと、
    前記車両内に設けられ、前記衝突検知センサからの信号を受けて、前記第1及び第2のエアーバッグを駆動させるための駆動手段と、を備え、
    前記第1のエアーバッグは、その駆動時に、前記収納部が設けられた領域の前記ボンネットの表面に形成される開口部から上方に向かって展開し、歩行者の少なくとも頭部を受け止め可能なように構成され、
    前記第2のエアーバッグは、その駆動時に、前記フロントバンパーと前記車両のフロントボディとの間に形成される開口部から上方に向かって展開し、エアーマット部と、当該エアーマット部の外周に沿った膨隆部とを形成して、前記歩行者を前記膨隆部の内側の前記エアーマット部に包含可能なように構成され
    前記第1のエアーバッグの駆動時に前記ボンネットの表面に形成される開口部は、前記駆動手段から供給されるガスの圧力により、前記ボンネットの表面の一部を成すプレート部が離脱することにより形成される、歩行者保護用エアーバッグ装置。
  2. 前記収納部は、前記ボンネットの後端から先端へ向う長さ方向において、中央位置と、先端から略3分の1の長さの位置との間に設けられ、展開時の前記第1のエアーバッグの前記ボンネットの表面から上方へ向かって展開する長さは略50cm以内にある、請求項に記載の歩行者保護用エアーバッグ装置。
  3. 前記第2のエアーバッグの前記膨隆部には、前記第2のエアーバッグの外周に沿ったひれ部が設けられている、請求項1または2に記載の歩行者保護用エアーバッグ装置。
  4. 前記車両のフロントボディ内に設けられた、前記ボンネットの表面の一部を成す前記プレート部を離脱させ、かつ前記フロントバンパーを前記フロントボディへの固定状態から離脱させるための離脱手段をさらに備える、請求項に記載の歩行者保護用エアーバッグ装置。
  5. 前記フロントバンパーは、その両側に前記フロントボディに接続する伸縮および回転可能な接続部を備え、
    前記接続部は、前記フロントバンパーの前記離脱時において、前記フロントバンパーが前記フロントボディの前面の下側と路面との間に維持されるように伸縮および回転する、請求項に記載の歩行者保護用エアーバッグ装置。
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