JP5501894B2 - 飽和空気発生装置 - Google Patents

飽和空気発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5501894B2
JP5501894B2 JP2010177547A JP2010177547A JP5501894B2 JP 5501894 B2 JP5501894 B2 JP 5501894B2 JP 2010177547 A JP2010177547 A JP 2010177547A JP 2010177547 A JP2010177547 A JP 2010177547A JP 5501894 B2 JP5501894 B2 JP 5501894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
constant temperature
tank
saturated air
saturation tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010177547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012037137A (ja
Inventor
秀樹 武田
Original Assignee
株式会社第一科学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社第一科学 filed Critical 株式会社第一科学
Priority to JP2010177547A priority Critical patent/JP5501894B2/ja
Publication of JP2012037137A publication Critical patent/JP2012037137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5501894B2 publication Critical patent/JP5501894B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Humidification (AREA)

Description

本発明は、飽和槽に貯留させた水に乾燥空気を送り込み、水中で乾燥空気をバブリングさせることによって、水蒸気で飽和した飽和空気を発生・供給するよう構成した飽和空気発生装置に関するものである。
例えば、新素材開発等の研究開発分野においては、所望した湿度の調湿空気を供給するための機器として、分流式湿度供給装置等が一般的に採用されており、この分流式湿度供給装置は、完全に乾燥した空気(0%RH)を2つの流れに分け、乾燥空気(0%RH)のままとした一方の流れと、飽和槽を通して飽和空気(100%RH)とした他方の流れとを混合し、その時の乾燥空気と飽和空気との流量比によって、所望する一定の相対湿度に調湿した気体を供給するように構成されている。
ここで、上述した如き従来の分流式湿度供給装置においては、飽和槽に貯留させた水に乾燥空気を送り込み、水中で乾燥空気をバブリングさせることにより、水蒸気で飽和した飽和空気を発生させる、いわゆる“飽和槽バブリング方式”を用いた飽和空気発生装置が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来の“ヒーター直巻き加熱型”と称される飽和空気発生装置の一例を示しており、この飽和空気発生装置Qは、水(精製水)Wを貯留するための飽和槽Tを備え、この飽和槽Tの底部には空気送給管Iが接続されている一方、上部には空気取出管Oが接続されており、上記空気送給管Iの端部にはバブリング用の焼結フィルタFが取付けられている。
また、上記飽和槽Tの外周には、加熱用のコイルヒーターHが巻回されており、このコイルヒーターHは、上記飽和槽T内に設けられた温度センサSからの水Wの温度情報に基づき、温度制御部TCにおいてON/OFF制御やPID制御されることで、上記水Wの温度を制御するように構成されている。
上述した飽和空気発生装置Qにおいては、飽和槽Tに貯留された水WをコイルヒーターHの稼働によって所期の温度に加熱し、この状態において空気送給管Iから飽和槽Tに一定流量の乾燥空気Adを送り込み、焼結フィルタFで細かい気泡にして水Wを通過(バブリング)させることによって、飽和空気Asを発生させるよう構成されており、発生した飽和空気Asは空気取出管O介して飽和槽Tから取り出される。
特開2006−078012号公報
ところで、上述した如く飽和槽Tから取り出された飽和空気Asの露点温度(水分量)は、飽和槽Tに貯留されている水Wの温度と等しいことが理想であるものの、飽和槽Tに乾燥空気Adを送り込んだ際に水Wの気化に伴って熱を奪う、いわゆる蒸発潜熱に起因して水Wの温度が低下することにより、得られる調湿空気(飽和空気)の露点温度も大きく低下することとなる。
例えば、露点温度80℃、湿度100%RHの調湿空気(飽和空気)を得るべく、飽和槽Tに貯留された水Wの温度を80℃に設定した場合、飽和槽Tに乾燥空気Adを送り込んだ際の蒸発潜熱によって水Wの温度が低下することで、得られる調湿空気は、露点温度75℃、湿度90%RH程度の状態となり、所望する理想的な調湿空気(飽和空気)を得ることができない。
また、上述した如く、飽和槽Tに巻回したコイルヒーターHによって水Wを加熱する構成では、上記水Wに対して与えられる熱量が十分ではないことと併せ、飽和槽Tを取り巻く外気との温度差によっても水Wの温度低下を招くため、所望する理想的な調湿空気(飽和空気)を得ることが難しい。
さらに、上記コイルヒーターHによって水Wを加熱する構成では、上記コイルヒーターHによる加熱の温度分布が不均一であることの影響に併せ、上記飽和槽Tが外気に直接に触れているため気温の変化にも影響を受けることから、飽和槽Tに貯留された水Wの温度が一定せずに不安定なものとなり、もって所望する理想的な調湿空気(飽和空気)を安定して得ることが困難となる。
図7は、上述した“ヒーター直巻き加熱型”の飽和空気発生装置における不都合を解消するべく提供された、“水槽加熱型”と称される飽和空気発生装置の一例を示しており、この飽和空気発生装置Q′は、水(精製水)Wを貯留するための飽和槽Tを備え、この飽和槽Tの底部には、バブリング用の焼結フィルタFを設けた空気送給管Iが接続され、飽和槽Tの上部には空気取出管Oが接続されている。
また、上記飽和空気発生装置Q′は、水、フロリナート、シリコンオイル等の恒温液Lを貯留する恒温液槽Bを備え、この恒温液槽Bには上述した飽和槽Tが収容設置されており、上記飽和槽Tは恒温液槽Bに貯留された恒温液Lに全体が浸漬されている。
また、上記恒温液槽Bの内部には、恒温液加熱用のコイルヒーターHが設置されており、このコイルヒーターHは、上記恒温液槽B内に設けられた温度センサSからの恒温液Lの温度情報に基づき、温度制御部TCにおいてON/OFF制御やPID制御されることで、上記恒温液Lの温度、言い換えれば恒温液Lを介して加熱される水Wの温度を制御するよう構成されている。
さらに、上記恒温液槽Bには、加熱された恒温液Lを均一に攪拌するための攪拌機Mが設置されており、この攪拌機MはモータMmと、該モータMmから恒温液槽Bの内部に延びるシャフトMsと、該シャフトMsの先端に固定されたインペラMiとを有している。
上記構成の飽和空気発生装置Q′においては、コイルヒーターHの稼働により加熱された恒温液Lを介して、飽和槽Tに貯留された水Wを所期の温度に加熱し、この状態において空気送給管Iから飽和槽Tに一定流量の乾燥空気Adを送り込み、焼結フィルタFで細かい気泡にして水Wを通過させることにより、飽和空気Asを発生させるよう構成されており、発生した飽和空気Asは空気取出管O介して飽和槽Tから取り出される。
ここで、上述した飽和空気発生装置Q′によれば、飽和槽Tの全体が恒温液Lに浸漬されているため、飽和槽Tに貯留された水Wが上記恒温液Lによって均等に加熱され、これに併せて、上記飽和槽Tが外気と直接に触れることがなく、いわゆる“熱切り”が為されていることにより、水Wが外気温の変化から影響を受けることが少なく、もって調湿空気(飽和空気)における安定性の改善が認められる。
しかし、上記構成においては、コイルヒーターHで加熱された恒温液Lを介して飽和槽Tの水Wを加熱しているため、上記飽和槽Tに貯留された水Wに与えられる熱量が十分とは言い難く、飽和槽Tに乾燥空気Adを送り込んだ際の蒸発潜熱による水Wの温度低下と相俟って、得られる調湿空気は露点温度の低いものとなり、もって所望する理想的な調湿空気(飽和空気)を得ることは難しい。
上述したように、従来から提供されている飽和空気発生装置の構成においては、飽和槽Tに貯留されている水Wの様々な要因による温度低下を抑えることが難しく、特に、蒸発潜熱の影響が大きく出る高露点域において、所望する理想的な調湿空気(飽和空気)を安定して得ることは極めて困難であった。
本発明の目的は、上記実状に鑑みて、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気を、高い安定性を保ちつつ発生・供給することの可能な、飽和空気発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明に係る飽和空気発生装置は、
飽和槽に貯留した水に乾燥空気を供給してバブリングさせることにより、飽和空気を発生・供給するよう構成した飽和空気発生装置であって、
水を貯留するための飽和槽本体と、該飽和槽本体を囲繞するケーシングとを有する二重構造から成り、飽和槽本体とケーシングとの間に、水を加熱するための恒温液を貯留する恒温液ジャケットを画成した飽和槽と、
内部に飽和槽を収容設置するとともに、飽和槽を加熱するための恒温液を貯留し、該恒温液に飽和槽の全体を浸漬させて成る恒温液槽と、
飽和槽の恒温液ジャケットに貯留する恒温液を所期の温度に設定するための飽和槽用温調手段と、
恒温液槽に貯留する恒温液の温度を所期の温度に設定するための恒温液槽用温調手段とを具備し、
飽和槽用温調手段により、飽和槽の恒温液ジャケットに貯留する恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度にバブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度に設定するとともに、
恒温液槽用温調手段により、恒温槽に貯留する恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度と等しい温度に設定することを特徴としている。
本発明に係る飽和空気発生装置によれば、飽和槽を二重構造とするとともに、飽和槽を恒温液槽に収容設置したことで、飽和槽における飽和槽本体の全体が恒温液ジャケットに貯留している恒温液に包まれ、かつ飽和槽の全体が恒温液槽に貯留している恒温液に浸漬されるため、恒温液槽の外部における温度が変化することに伴って、飽和槽の飽和槽本体に貯留された水の温度が影響されることを防止でき、もって飽和槽における温度安定性が高められることで、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気を、高い安定性を維持しつつ発生・供給することが可能となる。
また、本発明に係る飽和空気発生装置によれば、飽和槽の恒温液ジャケットに貯留する恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度にバブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度としたことで、飽和槽本体内の水温が蒸発潜熱によって低下し得る状況においても、上述の如く温度設定された恒温液によって加熱されることで、上記水の温度が所望する飽和空気の温度を下回ることはなく、このように蒸発潜熱の影響が相殺されることにより、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気を、高い安定性を維持しつつ発生・供給することが可能となる。
さらに、本発明に係る飽和空気発生装置によれば、恒温液槽に貯留された恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度と等しい温度に設定したことで、飽和槽の飽和槽本体に貯留された水は、飽和槽の恒温液ジャケットに貯留する恒温液の熱量と、恒温液槽に貯留する恒温液の熱量とを合わせた、十分に大きな熱量を与えられて加熱されることとなり、所望する飽和空気が高温・高湿の場合であっても、バブリング時における蒸発潜熱の影響を可及的に抑えることが可能となる。
本発明に係る飽和空気発生装置の第1の実施例を示す概念図。 従来の飽和空気発生装置における時間経過に伴う露点温度の変動の様子を示すグラフ。 本発明に係る飽和空気発生装置における時間経過に伴う露点温度の変動の様子を示すグラフ。 本発明に係る飽和空気発生装置の第2の実施例を示す概念図。 本発明に係る飽和空気発生装置の第3の実施例を示す概念図。 従来の飽和空気発生装置における一例を示す概念図。 従来の飽和空気発生装置における他の例を示す概念図。
以下、本発明に係る飽和空気発生装置について、幾つかの実施例を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る飽和空気発生装置の第1の実施例を示しており、この飽和空気発生装置1は、後述する如く二重構造から成る飽和槽2と、この飽和槽2を収容設置する恒温液槽3とを具備している。
上記飽和槽2は、水(精製水)Wを貯留するための飽和槽本体2Aと、この飽和槽本体2Aの全体を囲繞するケーシング2Bとを有する二重構造であり、上記飽和槽本体2Aと上記ケーシング2Bとの間隙によって、飽和槽本体2Aの外面全体を包み込む態様の恒温液ジャケット2jが画成されている。
なお、本実施例における飽和槽本体2Aは、直径が約100mm、高さが約200mmの中空円柱形状を呈しており、また、上記ケーシング2Bは、飽和槽本体2Aより一回り大きな中空円柱形状を呈している。
上記飽和槽2の底部には、バブリング用の焼結フィルタ4fを設けた空気送給管4が、飽和槽本体2Aの内部に臨む態様で接続されている一方、上記飽和槽2の上部には、空気取出管5が飽和槽本体2Aの内部に臨む態様で接続されている。
上記飽和槽2の恒温液ジャケット2jには、水、フロリナート、シリコンオイル等の恒温液Laが供給されており、この恒温液Laは、飽和槽用循環チラー(飽和槽用温調手段)6によって所期の温度に加熱されている。
上記飽和槽用循環チラー6は、後述する恒温液槽3の内部に延びる送り管6i、戻し管6oを介して飽和槽2と接続されており、恒温液Laを飽和槽2(恒温液ジャケット2j)との間で循環させるポンプ(図示せず)と、上記恒温液Laを加熱するヒーター(図示せず)と、飽和槽本体2A内に設けた温度センサ6sからの温度情報に基づいて上記ヒーターをON/OFF制御やPID制御によって動作制御する制御部(図示せず)とを備え、上記制御部によって恒温液Laの温度を制御することにより、該恒温液Laを介して加熱される水Wの温度を調整するように構成されている。
また、上記飽和空気発生装置1における恒温液槽3には、水、フロリナート、シリコンオイル等の恒温液Lbが貯留されており、上述した如く恒温液槽3に収容設置された飽和槽2は、その全体が上記恒温液槽3に貯留された恒温液Lbに浸漬されている。
上記恒温液Lbは、恒温液槽用循環チラー(恒温液槽用温調手段)7によって所期の温度に加熱されており、送り管7i、戻し管7oを介して恒温液槽3と接続された恒温液槽用循環チラー7は、恒温液Lbを恒温液槽3との間で循環させるポンプ(図示せず)と、上記恒温液Lbを加熱するヒーター(図示せず)と、恒温液槽3内に設けた温度センサ7sからの温度情報に基づいて上記ヒーターをON/OFF制御やPID制御によって動作制御する制御部(図示せず)とを備え、上記制御部によって恒温液Lbの温度を調整するように構成されている。
また、飽和槽2の底部に接続された空気送給管4には、螺旋状を呈する熱交換部4hが設けられ、この熱交換部4hは恒温液槽3に貯留された恒温液Lbに浸漬されており、空気送給管4を流れる乾燥空気Adは、熱交換部4hを通過する際に恒温液Lbによって予熱されたのち、焼結フィルタ4fを介して水Wに送り込まれることとなる。
上述した構成の飽和空気発生装置1においては、飽和槽用循環チラー6の稼働により所期の温度に加熱された恒温液Laを介して、飽和槽2の飽和槽本体2Aに貯留されている水Wを所期の温度に加熱するとともに、恒温液槽用循環チラー7の稼働により恒温液Lbを所期の温度に加熱した状態において、空気送給管4から飽和槽2の飽和槽本体2Aに一定流量の乾燥空気Adを送り込み、焼結フィルタ4fで細かい気泡にして水Wを通過させることにより飽和空気Asを発生させ、空気取出管5を介して飽和槽2の飽和槽本体2Aから飽和空気Asを取り出している。
ここで、上記飽和空気発生装置1の動作時において、飽和槽2の恒温液ジャケット2jに貯留する恒温液Laの温度は、上述した飽和槽用循環チラー(飽和槽用温調手段)6の稼働に基づいて、所望する飽和空気Asの温度に、バブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度に設定されている。
また、上記飽和空気発生装置1の動作時において、恒温槽3に貯留する恒温液Lbの温度は、上述した恒温液槽用循環チラー(恒温液槽用温調手段)7の稼働に基づいて、所望する飽和空気Asの温度と等しい温度に設定されている。
例えば、露点温度23℃、湿度100%RHの飽和空気Asを所望する場合、飽和槽2の恒温液ジャケット2jに貯留する恒温液Laの温度は、所望する飽和空気Asの温度である23℃に、バブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度、具体的には23.5℃に設定されている。
また、露点温度23.0℃、湿度100%RHの飽和空気Asを所望する場合、恒温槽3に貯留する恒温液Lbの温度は、所望する飽和空気Asの温度と等しい温度、すなわち23.0℃に設定されている。
因みに、上述した具体例においては、“バブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量”を0.5℃としているが、上記“バブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量”は、所望する飽和空気Asの露点温度等、様々な条件に基づいて適宜に設定されるものであることは言うまでもない。
上述した飽和空気発生装置1によれば、飽和槽2を二重構造としたことで、飽和槽本体2Aの全体が恒温液ジャケット2jの恒温液Laに包まれ、また飽和槽2を恒温液槽3に収容設置したことで、飽和槽2の全体が恒温液槽3の恒温液Lbに浸漬されるため、飽和槽2に貯留された水Wの温度が、恒温液槽3外の温度変化に影響されることを抑えられ、もって飽和槽2における温度安定性が高められることで、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気Asを、高い安定性を維持しつつ発生・供給することができる。
さらに、飽和槽2の恒温液ジャケット2jに貯留する恒温液Laの温度を、所望する飽和空気Asの温度にバブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度としたことで、飽和槽本体2A内の水温が蒸発潜熱によって低下し得る状況においても、上述の如く温度設定された恒温液Laによって加熱されることで、上記水Wの温度が所望する飽和空気Asの温度を下回ることはなく、もって所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気を、高い安定性を維持しつつ発生・供給することができる。
すなわち、本発明に係る飽和空気発生装置1では、飽和槽2における温度安定性を、従来の装置に比較して1/10〜1/100の温度精度の範囲、具体的には従来方法における±1℃の変動を、本発明に係る飽和空気発生装置では±0.01℃の変動にまで抑えることができる。
ここで、露点温度23℃、湿度100%RHの調湿空気(飽和空気)を発生・供給する際の、従来の飽和空気発生装置における“時間経過に伴う露点温度の変動の様子”と、本発明に係る飽和空気発生装置における“時間経過に伴う露点温度の変動の様子”とを表した、図2および図3のグラフを比較することによっても明らかなように、上述した如く、本発明に係る飽和空気発生装置によれば、理想的な飽和空気を高い安定性を維持しつつ発生・供給することが可能となる。
また、上述した飽和空気発生装置1において、恒温液槽3に貯留された恒温液Lbの温度を、所望する飽和空気Asの温度と等しい温度に設定したことで、飽和槽2の飽和槽本体2Aに貯留された水Wは、飽和槽2に貯留する恒温液Laの熱量と、恒温液槽3に貯留する恒温液Lbの熱量とを合わせた、十分に大きな熱量を与えられて加熱されることとなり、所望する飽和空気Asが高温・高湿の場合であっても、バブリング時における蒸発潜熱の影響を可及的に抑えることができる。
また、上述した飽和空気発生装置1において、飽和槽2(飽和槽本体2A)に送り込まれる乾燥空気Adは、空気送給管4の熱交換部4hを通過する際、恒温液槽3に貯留された恒温液Lbによって予熱され、また、飽和槽2(恒温液ジャケット2j)に送り込まれる恒温液Laは、飽和槽用循環チラー(飽和槽用温調手段)6から延びる送り管6iを通過する際、恒温液槽3に貯留された恒温液Lbによって予熱されている。
このように、飽和槽2に供給される乾燥空気Adおよび恒温液Laが予熱されることで温度安定性が向上し、発生・供給される調湿空気(飽和空気)における露点温度が、従来の装置に比較して1/10〜1/50の高精度、具体的には従来方法における±2℃の変動を、本発明に係る飽和空気発生装置では±0.05℃の変動にまで抑えることができる。
さらに、上述した飽和空気発生装置1によれば、飽和槽用温調手段および恒温液槽用温調手段として、温度安定性に優れた循環チラー(飽和槽用循環チラー6、恒温液槽用循環チラー7)を採用していることでも、発生・供給される調湿空気(飽和空気)の露点温度の安定性が、従来の装置と比較して良好なものとなることは言うまでもない。
なお、上述した飽和空気発生装置1においては、飽和槽2に対する乾燥空気Adの供給量に特段の制限がないことから、調湿空気(飽和空気)を大きな流量で発生・供給する飽和空気発生装置として利用することが可能である。
図4は、本発明に係る飽和空気発生装置の第2の実施例を示しており、この飽和空気発生装置1′では、図1に示した構成、すなわち空気送給管4において恒温液槽3内の恒温液Lbに浸漬されている部位に熱交換部4hを設けた構成に換えて、恒温液槽3′の外部を延びる空気送給管4′に、専用の加熱手段4H′を直接に設置した構成としており、この構成によれば、空気送給管4′を流れる乾燥空気Adは、加熱手段4H′によって予熱されたのち、焼結フィルタ4f′を介して水Wに送り込まれることとなる。
上述した飽和空気発生装置1′の構成は、空気送給管4′に専用の加熱手段4H′を設置している以外、第1の実施例における飽和空気発生装置1と基本的に変わるところはないので、飽和空気発生装置1′の構成要素において、飽和空気発生装置1の構成要素と同一の作用を成すものには、図4において図1と同一の符号に′(ダッシュ)を附すことで詳細な説明は省略する。
上述した飽和空気発生装置1′においても、第1の実施例における飽和空気発生装置1と同じく、飽和槽2′における温度安定性が高められることで、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気Asを、高い安定性を維持しつつ発生・供給することが可能となる。
また、上述した飽和空気発生装置1′においても、第1の実施例における飽和空気発生装置1と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
図5は、本発明に係る飽和空気発生装置の第3の実施例を示しており、この飽和空気発生装置10では、飽和槽12の恒温液ジャケット12jに供給される恒温液Laと、恒温液槽13に貯留されている恒温液Lb(恒温液Laと実質同一)とを、1つの共用循環チラー18を用いて、それぞれ所期の温度に加熱するよう構成されている。
上記共用循環チラー18は、送り管18ia、戻し管18oaを介して飽和槽12と接続されており、恒温液Laを飽和槽2(恒温液ジャケット2j)との間で循環させるポンプ(図示せず)と、上記恒温液Laを加熱するヒーター(図示せず)と、飽和槽本体2A内に設けた温度センサ6sからの温度情報に基づいて上記ヒーターをON/OFF制御やPID制御によって動作制御する温調手段(図示せず)とを備え、上記温調手段によって恒温液Laの温度を制御することにより、該恒温液Laを介して加熱される水Wの温度を制御するよう構成されている。
また、上記送り管18iaからは、該送り管18iaと恒温液槽13とを接続する送り管18ibが分岐しており、該送り管18ibには流量制御弁(絞り弁)18ivが介装されている一方、上記戻り管18oaには、恒温液槽13から延びる戻り管18obが接続されており、該戻り管18obには流量制御弁(絞り弁)18ovが介装されている。
ここで、マニュアル操作によって、流量制御弁(絞り弁)18iv、および流量制御弁(絞り弁)18ovの開度を調整し、恒温液槽13と共用循環チラー18との間を循環する恒温液Lb(恒温液Laと実質同一)の流量を規制することにより、恒温液槽13における恒温液Lbの温度が調整されることとなる。
上述した飽和空気発生装置10の構成は、飽和槽12における恒温液Laと、恒温液槽13における恒温液Lb(恒温液Laと実質同一)とを、1つの共用循環チラー18を用いて、それぞれ所期の温度に加熱するよう構成した以外、第1の実施例における飽和空気発生装置1と基本的に変わるところはないので、飽和空気発生装置10の構成要素において、飽和空気発生装置1の構成要素と同一の作用を成すものには、図5において図1と同一の符号に10を加えた(10番台の)符号を附すことで詳細な説明は省略する。
上述した飽和空気発生装置10においても、第1の実施例における飽和空気発生装置1、および第2の実施例における飽和空気発生装置1′と同じく、飽和槽12における温度安定性が高められることで、所期の露点温度および湿度を有する理想的な飽和空気Asを、高い安定性を維持しつつ発生・供給することが可能となる。
また、上述した飽和空気発生装置10においても、第1の実施例における飽和空気発生装置1、および第2の実施例における飽和空気発生装置1′と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
さらに、上述した飽和空気発生装置10では、1つの共用循環チラー18によって、恒温液Laと恒温液Lbとの両方を加熱しているため、飽和槽用循環チラーと恒温液槽用循環チラーとの2つの循環チラーを備えている、上述した飽和空気発生装置1および飽和空気発生装置1′に比較して、上記循環チラーに係る構成を簡素化することができ、延いては飽和空気発生装置10の製造に係るコストを抑えることが可能となる。
なお、図5に示した第3の実施例においても、飽和空気発生装置10の空気送給管14に形成した螺旋状の熱交換部14hに換えて、図4に示した第2の実施例と同じく、空気送給管14に対して専用の熱交換手段(図示せず)を設置することも可能である。
また、上述した如き構成の本発明に係る飽和空気発生装置は、先に詳述した分流式湿度供給装置における飽和空気の発生源としては勿論のこと、二圧力式湿度供給装置や二温度式湿度供給装置、さらには二圧力・二温度式湿度供給装置等、様々な方式の湿度供給装置における飽和空気の発生源として、極めて有効に採用し得る装置であることは言うまでもない。
1、1′…飽和空気発生装置、
2、2′…飽和槽、
2A、2A′…飽和槽本体、
2B、2B′…ケーシング、
2j、2j′…恒温液ジャケット、
3、3′…恒温液槽、
4、4′…空気送給管、
5、5′…空気取出管、
6、6′…飽和槽用循環チラー(飽和槽用温調手段)、
7、7′…恒温液槽用循環チラー(恒温液槽用温調手段)、
10…飽和空気発生装置、
12…飽和槽、
12A…飽和槽本体、
12B…ケーシング、
12j…恒温液ジャケット、
13…恒温液槽、
14…空気送給管、
15…空気取出管、
18…共用循環チラー(飽和槽用温調手段、恒温液槽用温調手段)、
W…水、
La、Lb…恒温液、
Ad…乾燥空気、
As…飽和空気。

Claims (1)

  1. 飽和槽に貯留した水に乾燥空気を供給してバブリングさせることにより飽和空気を発生・供給するよう構成した飽和空気発生装置であって、
    前記水を貯留するための飽和槽本体と、該飽和槽本体を囲繞するケーシングとを有する二重構造から成り、前記飽和槽本体と前記ケーシングとの間に、前記水を加熱するための恒温液を貯留する恒温液ジャケットを画成した飽和槽と、
    内部に前記飽和槽を収容設置するとともに、前記飽和槽を加熱するための恒温液を貯留し、該恒温液に前記飽和槽の全体を浸漬させて成る恒温液槽と、
    前記飽和槽の前記恒温液ジャケットに貯留する前記恒温液を所期の温度に設定するための飽和槽用温調手段と、
    前記恒温液槽に貯留する前記恒温液の温度を所期の温度に設定するための恒温液槽用温調手段とを具備し、
    前記飽和槽用温調手段により、前記飽和槽の前記恒温液ジャケットに貯留する前記恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度にバブリング時の蒸発潜熱を補完する熱量を加えた温度に設定するとともに、
    前記恒温液槽用温調手段により、前記恒温槽に貯留する前記恒温液の温度を、所望する飽和空気の温度と等しい温度に設定する、
    ことを特徴とする飽和空気発生装置。
JP2010177547A 2010-08-06 2010-08-06 飽和空気発生装置 Active JP5501894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010177547A JP5501894B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 飽和空気発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010177547A JP5501894B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 飽和空気発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012037137A JP2012037137A (ja) 2012-02-23
JP5501894B2 true JP5501894B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=45849330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010177547A Active JP5501894B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 飽和空気発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5501894B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3102507B2 (ja) * 1991-09-10 2000-10-23 タバイエスペック株式会社 飽和空気発生装置
US6863268B2 (en) * 2001-11-27 2005-03-08 Chaojiong Zhang Dew point humidifier (DPH) and related gas temperature control
JP4291879B2 (ja) * 2003-10-20 2009-07-08 エスペック株式会社 飽和気体発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012037137A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4332181B2 (ja) 露点加湿機および関連するガス温度制御
KR102129219B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
US3583685A (en) Method and apparatus for controlling quantity of a vapor in a gas
WO2013103096A1 (ja) 石炭不活性化処理装置
JP5501894B2 (ja) 飽和空気発生装置
JPS6144824B2 (ja)
JP4662352B2 (ja) 蒸気乾燥方法及びその装置並びにその記録媒体
JP5281363B2 (ja) 材料ガス濃度制御システム
JP2008155178A (ja) 反応温度制御方法および反応装置
JP5145193B2 (ja) 材料ガス濃度制御システム
JP5473421B2 (ja) 液体原料のバブリング気化供給方法及び装置
JP2003185202A (ja) 気体加湿器
JP4570889B2 (ja) スラリー冷却装置及びスラリー供給装置
JP2010240525A (ja) 霧化装置の恒温水循環システム
JP2009082919A (ja) 気体溶解水供給装置
JPH09286620A (ja) 原料ガスの供給方法及び装置
JPH11248607A (ja) 湿度発生制御装置
JP3716697B2 (ja) イオンビーム発生装置
SU538723A1 (ru) Способ автоматического регулировани теплового режима ректификационной колонны
JP2011127808A (ja) 飽和蒸気発生装置
JPH04322736A (ja) 原料供給装置
JP5083191B2 (ja) 紫外線処理装置
JPS5992933A (ja) 原料ガス供給装置
JP2003042487A (ja) 水蒸気の発生量調整方法および水蒸気の発生装置
JP2016169432A (ja) 液体材料気化装置、液体材料気化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5501894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250