JP2008155178A - 反応温度制御方法および反応装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液相で発熱を伴う反応をさせるための液相反応槽2と、反応液22を液相反応槽2の外部を通って循環させるための反応系循環路(反応液取出ライン5,反応液回収ライン6)と、反応系循環路の途中に介在される熱交換器(第1熱交換器)7と、熱交換器7内に気液平衡状態の熱媒を循環させるための熱媒循環路(第1熱媒供給ライン8,第1熱媒回収ライン9)と、反応器内の反応系の温度に基づいて、熱媒循環路内の圧力を制御するための制御手段(温度センサ10,第1熱媒排出制御弁11,第1熱媒補充制御弁12)と、を備える反応装置1において、液相反応槽2に対して外部循環または還流させている途中の反応液を、気液平衡状態の熱媒により除熱し、かつ、反応液の温度を、熱媒の圧力により制御する。
【選択図】図1
Description
発熱を伴う液相反応の反応温度を制御するための除熱操作には、冷却水などを用いた顕熱による除熱よりも、水蒸気などを用いた潜熱による除熱の方が、熱媒に貯蔵できる熱量が多いことから好適である。また、潜熱による除熱の場合は、単位熱量あたりの熱媒使用量を削減することができ、さらに、例えば、水蒸気などの熱媒を他の設備の熱源に利用できるなど、熱量の有効利用を図ることもできる。
また、反応温度を制御するための除熱操作の他の例としては、例えば、反応装置内の反応系を、反応器に対して外部循環または還流させつつ、外部循環または還流途中に熱交換器などにより除熱する、いわゆる外部循環除熱または還流除熱が挙げられる。
しかしながら、特許文献1および2に記載の反応装置のように、ジャケットなどによって反応装置の外面で除熱する場合には、上記した伝熱面積や熱伝達率の増減を制御することが困難である。このため、反応温度の制御幅が小さくなり、除熱量の制御性能が低いという不具合が生じる。
この反応温度制御方法では、熱媒が気液平衡状態の飽和蒸気であることから、反応系の除熱を、熱媒の潜熱によってすることができる。また、この反応温度制御方法では、熱媒の圧力(飽和蒸気圧)を調整することで、気液平衡状態にある熱媒の温度(飽和温度)を適宜調整することができる。このため、この反応温度制御方法によれば、熱媒と反応装置内の反応系との温度差の増減を、熱媒の圧力により制御し、反応系の除熱量を適切に設定することができる。
本発明の反応温度制御方法では、前記反応系の反応液を、前記反応器に対して外部循環させ、外部循環途中の反応液を気液平衡状態の第1熱媒により除熱し、前記反応系の蒸気を、前記反応器に対して還流させ、還流途中の蒸気を気液平衡状態の第2熱媒により除熱し、前記第1熱媒の圧力および前記第2熱媒の圧力を、それぞれ独立して調整することにより、前記反応器内の反応系の温度を制御することが好適である。
本発明の反応装置は、液相で発熱を伴う反応をさせるための反応器と、前記反応器内において液相の発熱反応に関与する反応系を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための反応系循環路と、前記反応系循環路の途中に介在される熱交換器と、前記熱交換器に対し、気液平衡状態の熱媒を循環させるための熱媒循環路と、前記反応器内の反応系の温度に基づいて、前記熱媒循環路内の圧力を制御するための制御手段と、を備えていることを特徴としている。
さらに、この反応装置では、熱交換器内に循環させる熱媒として、気液平衡状態の飽和蒸気が用いられている。この熱媒の温度(飽和温度)は、熱媒循環路内での圧力(飽和蒸気圧)が制御手段によって制御されることで、適宜調整され、これにより、熱媒と反応装置内の反応系との温度差の増減が、適宜調整される。しかも、熱媒の圧力は、温度計測手段により測定された反応系の温度の計測結果に基づいて制御されることから、反応系の温度に合わせて、熱媒と反応装置内の反応系との温度差を適宜設定することができ、反応系に対する除熱量、ひいては、反応器内での反応温度を適切に制御することができる。
本発明の反応装置は、前記反応系循環路として、前記反応器内の反応液を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための反応液循環路と、前記反応器内の蒸気を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための還流路とを備え、前記熱交換器として、前記反応液循環路の途中に介在される第1熱交換器と、前記還流路の途中に介在される第2熱交換器とを備え、前記熱媒循環路として、前記第1熱交換器に対し、気液平衡状態の第1熱媒を循環させるための第1熱媒循環路と、前記第2熱交換器に対し、気液平衡状態の第2熱媒を循環させるための第2熱媒循環路と、を備え、前記制御手段として、前記第1熱媒循環路内の圧力を調整するための第1制御手段と、前記第2熱媒循環路内の圧力を調整するための第2制御手段とを備えていることが好適である。
そこで、まず、図1を参照しつつ、本発明の反応温度制御方法および反応装置について説明する。
原料ガス供給ライン3は、その下流側端部が、攪拌翼20の下方であって、液相反応槽2の底部内に配置されている。原料ガス供給ライン3の下流側端部には、ノズル(もしくは、スパージャ)21が設けられている。また、この原料ガス供給ライン3の上流側端部には、水素ガスなどの原料ガス源が接続されている。
図1において、反応液取出ライン5と、反応液回収ライン6とは、液相反応槽2内の反応液22を、液相反応槽2の外部を通って、再び液相反応槽2内に循環させるための反応液循環路(第1反応系循環路)を形成する。この反応液循環路の途中には、反応液循環路内の反応液22を除熱するための第1熱交換器7が介在される。
反応液回収ライン6は、その上流側端部が、第1熱交換器7に接続されており、その下流側端部が、液相反応槽2の鉛直方向上部側に接続されている。
第1熱交換器7は、反応液取出ライン5と反応液回収ライン6との間に介在されている。この第1熱交換器7は、反応液循環路内を循環する反応液22を、熱交換により除熱させることができる熱交換器である。
第1熱媒供給ライン8は、その上流側端部が、第1気液分離槽24の底部に接続されており、その下流側端部が、第1熱交換器7に接続されている。
第1気液分離槽24は、第1熱媒供給ライン8と第1熱媒回収ライン9との間に接続されている。この第1気液分離槽24は、第1熱媒を、蒸気(気体状態)と液(液体状態)とに分離させ得るものであれば、特に制限されず、例えば、円筒型圧力容器などから構成される。
第1熱交換器7へと送り込まれた第1熱媒は、第1熱交換器7内で反応液22の除熱に用いられ、その後、第1熱媒回収ライン9を経て、第1気液分離槽24へと送り込まれる。こうして、第1熱媒が、第1熱交換器7を通って、第1熱媒循環路内を循環し、反応液22を除熱する。
第1熱媒としては、第1熱交換器7内にて求められる反応液22の除熱量に合わせて、かつ、熱媒の飽和蒸気圧を考慮しつつ、選択される。第1熱媒の具体例としては、各種の熱媒が挙げられ、特に限定されないが、例えば、水、アルコール類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。これら熱媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
図1において、温度センサ10と、第1熱媒排出制御弁11とは、第1熱媒循環路内の第1熱媒の温度を制御するための第1制御手段を形成する。
第1熱媒排出制御弁11は、第1熱媒循環路からの第1熱媒の排出を制御するための制御弁であって、第1熱媒循環路に接続されている。図1に示す反応装置1では、第1気液分離槽24の頂部に第1熱媒排出ライン26が接続されており、この第1熱媒排出ライン26の途中に、第1熱媒排出制御弁11が介在されている。
第1熱媒の温度は、第1熱媒排出制御弁11の開閉や開度を適宜調整することにより、調節される。すなわち、液相反応槽2内の反応液22の温度の計測結果に基づき、第1熱媒排出制御弁11の開閉または開度が、温度センサ10の制御部(CPU)によって調整されると、第1熱媒の排出が制御され、これにより、第1熱媒循環路内の圧力が適宜調整される。さらに、第1熱媒循環路内の圧力に合わせて、第1熱媒の温度が調整される。
また、第1熱媒の温度を維持するには、第1熱媒排出制御弁11の開度を調整して、第1熱媒の排出量を適宜調整すればよい。
それゆえ、図1に示す反応装置1によれば、反応液循環路を通って液相反応槽2に対して外部循環される反応液22を、その外部循環途中の第1熱交換器7において、除熱することができ、さらに、その除熱量を、ひいては、除熱後の液相反応槽2内の反応液の温度を、第1熱媒の圧力を調整することにより、制御することができる。
蒸気取出ライン13は、その上流側端部が、液相反応槽2の頂部に接続されており、その下流側端部が、第2熱交換器15に接続されている。
第2熱交換器15は、蒸気取出ライン13と還流ライン14との間に介在されている。この第2熱交換器15は、還流路内を循環する蒸気を、熱交換により除熱させることができる熱交換器である。
図1において、第2熱媒供給ライン16と、第2熱媒回収ライン17とは、第2熱交換器15に対し、気液平衡状態の第2熱媒を循環させるための第2熱媒循環路を形成する。また、この第2熱媒循環路の途中には、第2気液分離槽28が介在される。
第2熱媒回収ライン17は、その上流側端部が、第2熱交換器15に接続されており、その下流側端部が、第2気液分離槽28の鉛直方向上方側に接続されている。
第2気液分離槽28は、第2熱媒供給ライン16と第2熱媒回収ライン17との間に接続されている。この第2気液分離槽28は、第2熱媒を、蒸気(気体状態)と液(液体状態)とに分離させ得るものであれば、特に制限されず、例えば、円筒型圧力容器などから構成される。
第2熱交換器15へと送り込まれた第2熱媒は、第2熱交換器15内で蒸気の除熱に用いられ、その後、第2熱媒回収ライン17を経て、第2気液分離槽28へと送り込まれる。こうして、第2熱媒が、第2熱交換器15を通って、第2熱媒循環路内を循環し、蒸気を除熱する。
第2熱媒としては、第2熱交換器15内にて求められる蒸気の除熱量に合わせて、かつ、熱媒の飽和蒸気圧を考慮しつつ、選択される。第2熱媒の具体例としては、第1熱媒と同様のものが挙げられ、上記例示の熱媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
図1において、温度センサ10と、第2熱媒排出制御弁18とは、第2熱媒循環路内の第2熱媒の温度を制御するための第2制御手段を形成する。
第2熱媒排出制御弁18は、第2熱媒循環路からの第2熱媒の排出を制御するための制御弁であって、第2熱媒循環路に接続されている。図1に示す反応装置1では、第2気液分離槽28の頂部に第2熱媒排出ライン30が接続されており、この第2熱媒排出ライン30の途中に、第2熱媒排出制御弁18が介在されている。
第2熱媒の温度は、第2熱媒排出制御弁18の開閉や開度を適宜調整することにより、調節される。すなわち、液相反応槽2内の反応液22の温度の計測結果に基づき、第2熱媒排出制御弁18の開閉または開度が、温度センサ10の制御部(CPU)によって調整されると、第2熱媒の排出が制御され、これにより、第2熱媒循環路内の圧力が適宜調整される。さらに、第2熱媒循環路内の圧力に合わせて、第2熱媒の温度が調整される。
また、第2熱媒の温度を維持するには、第2熱媒排出制御弁18の開度を調整して、第2熱媒の排出量を適宜調整すればよい。
それゆえ、図1に示す反応装置1によれば、還流路を通って液相反応槽2に対して還流される蒸気を、その還流途中の第2熱交換器15において、除熱することができ、さらに、その除熱量を、ひいては、除熱後の液相反応槽2内の反応液の温度を、第2熱媒の圧力を調整することにより、制御することができる。
例えば、液相反応槽2内の反応液の温度を低下させるには、第1熱媒排出制御弁11の開度の調整により、第1熱媒循環路内の圧力を低下させる操作と、第2熱媒排出制御弁18の開度の調整により、第2熱媒循環路内の圧力を低下させる操作と、の両方の操作を実行してもよく、各上記操作のいずれか一方のみを実行してもよく、いずれか一方の操作を優先的に実行し、他方の操作を補助的に実行してもよい。
図1において、第2熱交換器15の還流ライン14側には、反応生成物排出ライン32が接続されている。また、この反応生成物排出ライン32の下流側端部には、気相反応槽33が接続されており、さらに、気相反応槽33には、反応生成物取出ライン34が接続されている。
図1に示す反応装置1において、反応生成物排出ライン32上には、反応生成物排出ライン32内を通る反応生成物の温度を検知し、第2熱媒循環路内の第2熱媒の温度を制御するための第3の制御手段としての温度センサ35が設けられている。この温度センサ35は、第2熱媒排出制御弁18および第2熱媒補充制御弁19とともに、第2熱媒循環路内の第2熱媒の温度を制御するための第3制御手段を形成する。
第2熱媒の温度は、上述のように、液相反応槽2内の反応液22の温度の計測結果に基づいて、第2熱媒循環路内の圧力を調整することにより、制御される。一方で、このような制御とは別に、反応生成物排出ライン32を通過する反応生成物の温度の計測結果に基づいて、温度センサ35の制御部(CPU)により、第2熱媒排出制御弁18や第2熱媒補充制御弁19の開閉または開度を調整し、第2熱媒循環路内の圧力を調整することによっても、制御することができる。
この方法では、液相反応槽2に予め溶媒および触媒が仕込まれており、原料ガス供給ライン3のノズル21から、液相反応槽2内へ原料ガスを供給するとともに、原料液供給ライン4から、液相反応槽2内へ原料液を供給する。
溶媒の供給量は、反応負荷によって適宜決定され、触媒の供給量は、液相(すなわち、溶媒と原料液との合計)に対し、例えば、0.01〜2.0重量%の範囲で設定される。
液相反応槽2での反応条件は、例えば、反応温度(すなわち、反応液(溶媒、原料液および反応生成物の混合液))の温度が、150〜250℃であり、反応圧力(すなわち、液相反応槽2内の圧力)が、0.3〜1.5MPa−Gである。
この方法では、液相反応槽2における反応液22の温度が温度センサ10で管理される。この温度センサ10は、反応液22の温度に応じて、第1熱媒循環路上での熱交換器7における除熱や、第2熱媒循環路上での熱交換器15における除熱を、適切な程度に調節するため、第1熱媒排出制御弁11および第2熱媒排出制御弁18の開閉または開度を適宜調整する。
上記のように、第1熱媒循環路内や第2熱媒循環路内での熱媒の温度を調整し、各熱交換器7,15での除熱量を管理(調整)すれば、液相反応槽2内での反応温度を適切な範囲に調節し、反応生成物中への高沸点不純物の混入を高度に抑制することができる。
気相反応槽33には、予め、例えば、銅−クロム系触媒などの触媒が充填されており、また、反応温度が、例えば、100〜245℃に保持されている。
上記の説明では、本発明の反応を、ニトロベンゼンを反応原料として、水素添加によりアニリンを製造するための反応として説明したが、上記のような反応装置1や、後述する図2および図3に示す反応装置36,38は、上記反応への適用に限定されず、例えば、ニトロベンゼンなどのニトロ基含有芳香族化合物を反応原料として、水素添加により、アニリンなどの芳香族アミンを製造するための反応や、ベンゼンなどの芳香族炭化水素を反応原料として、水素添加により、シクロヘキサンなどのシクロアルカンを製造するための反応などにも適用することができる。
また、上記の説明では、第1熱交換器や第2熱交換器内を循環する熱媒を、水−水蒸気混合相として説明したが、熱媒の種類はこれに限定されず、上記した各種の熱媒を適用することができる。
一方、図2に示す反応装置36は、反応系の除熱のために、反応系循環路としての反応液循環路と、この反応液循環路に熱媒を供給するための熱媒循環路とを備えており、図3に示す反応装置38は、反応系の除熱のために、反応系循環路としての還流路と、この還流路に熱媒を供給するための熱媒循環路とを備えている。
なお、以下の説明において、図1に示す反応装置1と同一または同種の部分には、同一の符号を示す。また、同一または同種の部分の説明については、省略する場合がある。
図2において、この反応装置36は、例えば、原料ガスとして水素ガスなどが用いられる各種水素添加反応などに、有効に適用することのできる反応装置であって、反応器としての液相反応槽2と、原料ガス供給ライン3と、原料液供給ライン4と、反応系循環路としての反応液取出ライン5および反応液回収ライン6と、熱交換器7と、熱媒循環路としての熱媒供給ライン8および熱媒回収ライン9と、制御手段としての温度センサ10、熱媒排出制御弁11および熱媒補充制御弁12と、を備えている。
熱交換器7は、図1に示す反応装置1における第1熱交換器7と同様である。この熱交換器7は、反応液取出ライン5と反応液回収ライン6との間に介在されている。
気液分離槽24から熱媒供給ライン8に取り込まれ、熱媒循環用のポンプ25によって熱交換器7へ送り込まれた熱媒は、熱交換器7内で反応液22の除熱に用いられ、その後、熱媒回収ライン9を経て、気液分離槽24へと回収される。こうして、熱媒が、熱交換器7を通って、熱媒循環路内を循環し、反応液22を除熱する。
図2において、温度センサ10と、熱媒排出制御弁11とは、熱媒循環路内の熱媒の温度を制御するための制御手段を形成する。この制御手段は、図1に示す反応装置1における第1制御手段と同様である。なお、熱媒排出制御弁11および熱媒補充制御弁12は、それぞれ図1に示す反応装置1における第1熱媒排出制御弁11および第1熱媒補充制御弁12と同様である。
それゆえ、図2に示す反応装置36によれば、反応液循環路を通って液相反応槽2に対して外部循環される反応液22を、その外部循環途中の熱交換器7において、除熱することができ、さらに、その除熱量を、ひいては、除熱後の液相反応槽2内の反応液の温度を、熱媒の圧力を調整することにより、制御することができる。
気相反応槽33および反応生成物取出ライン34は、いずれも図1に示す反応装置1と同様である。気相反応槽33では、反応生成物排出ライン32に取り込まれた反応生成物中の未反応原料と、原料ガスとが、液相において反応される。こうして完全に反応された反応生成物は、反応生成物取出ライン34から取り出される。
熱交換器15は、図1に示す反応装置1における第2熱交換器15と同様である。この熱交換器15は、蒸気取出ライン13と還流ライン14との間に介在されている。
気液分離槽28から熱媒供給ライン16に取り込まれ、熱媒循環用のポンプ29によって熱交換器15へ送り込まれた熱媒は、熱交換器15内での蒸気の除熱に用いられ、その後、熱媒回収ライン17を経て、気液分離槽28へと回収される。こうして、熱媒が、熱交換器15を通って、熱媒循環路内を循環し、蒸気を除熱する。
図3において、温度センサ10と、熱媒排出制御弁18とは、熱媒循環路内の熱媒の温度を制御するための制御手段を形成する。この制御手段は、図1に示す反応装置1における第2制御手段と同様である。なお、熱媒排出制御弁18および熱媒補充制御弁19は、それぞれ図1に示す反応装置1における第2熱媒排出制御弁18および第2熱媒補充制御弁19と同様である。
それゆえ、図3に示す反応装置38によれば、反応液循環路を通って液相反応槽2に対して還流される蒸気を、その還流途中の熱交換器15において、除熱することができ、さらに、その除熱量を、ひいては、除熱後の液相反応槽2内の反応液の温度を、熱媒の圧力を調整することにより、制御することができる。
気相反応槽33および反応生成物取出ライン34は、いずれも図1に示す反応装置1と同様である。気相反応槽33では、反応生成物排出ライン32に取り込まれた反応生成物中の未反応原料と、原料ガスとが、液相において反応される。こうして完全に反応された反応生成物は、反応生成物取出ライン34から取り出される。
実施例1
反応温度制御の有効性を確認するために、ダイナミックシミュレーションによるニトロベンゼンの水素添加によるアニリンの製造についての反応器の解析を実施した。
液相反応槽2(全容積100m3)中に、反応液45m3が保持され、原料液(ニトロベンゼン)が20000kg/hで供給される条件でシミュレーションした結果、反応温度216℃、液相反応槽2内の全圧0.7MPa−Gの条件を一定に保つための原料ガス(水素ガス)の供給量は、990kg/hであり、液相反応槽2の反応液の液面を安定に保つための原料ガスの循環量は、2440kg/hであった。
液相反応槽2内での反応液の温度を、第1熱媒循環路内での第1熱媒の蒸気圧力で制御し、その蒸気圧力の上限を1.85MPa−G、下限を1.35MPa−Gとした場合の制御性を、ダイナミックシミュレーションにより確認した。
図4(a)中、(i)は、反応液の温度設定値(℃)を示し、(ii)は、シミュレーションされた反応液の温度(℃)を示し、(iii)は、反応液温度の操作出力MV(%)を示し、(iv)は、シミュレーションされた第1熱媒の温度(℃)を示す。また、図4(b)中、(v)は、第1熱媒圧力の操作出力MV(%)を示し、(vi)は、シミュレーションされた第1熱媒の圧力(MPa−G)を示す。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
2 液相反応槽(反応器)
7 熱交換器(第1熱交換器)
15 熱交換器(第2熱交換器)
22 反応液
Claims (7)
- 反応器内において液相の発熱反応に関与する反応系を、前記反応器に対して外部循環または還流させ、外部循環または還流途中の反応系を気液平衡状態の熱媒により除熱し、かつ、前記反応器内の反応系の温度を、前記熱媒の圧力により制御することを特徴とする、反応温度制御方法。
- 前記液相の発熱反応が、液相での発熱を伴う気液接触反応であることを特徴とする、請求項1に記載の反応温度制御方法。
- 前記反応系の反応液を、前記反応器に対して外部循環させ、外部循環途中の反応液を気液平衡状態の第1熱媒により除熱し、
前記反応系の蒸気を、前記反応器に対して還流させ、還流途中の蒸気を気液平衡状態の第2熱媒により除熱し、
前記第1熱媒の圧力および前記第2熱媒の圧力を、それぞれ独立して調整することにより、前記反応器内の反応系の温度を制御することを特徴とする、請求項2に記載の反応温度制御方法。 - 液相で発熱を伴う反応をさせるための反応器と、
前記反応器内において液相の発熱反応に関与する反応系を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための反応系循環路と、
前記反応系循環路の途中に介在される熱交換器と、
前記熱交換器に対し、気液平衡状態の熱媒を循環させるための熱媒循環路と、
前記反応器内の反応系の温度に基づいて、前記熱媒循環路内の圧力を制御するための制御手段と、を備えていることを特徴とする、反応装置。 - 前記反応系が、前記反応器内の反応液であることを特徴とする、請求項4に記載の反応装置。
- 前記反応系が、前記反応器内の蒸気であることを特徴とする、請求項4に記載の反応装置。
- 前記反応系循環路として、前記反応器内の反応液を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための反応液循環路と、前記反応器内の蒸気を、前記反応器の外部を通って、再び前記反応器内に循環させるための還流路とを備え、
前記熱交換器として、前記反応液循環路の途中に介在される第1熱交換器と、前記還流路の途中に介在される第2熱交換器とを備え、
前記熱媒循環路として、前記第1熱交換器に対し、気液平衡状態の第1熱媒を循環させるための第1熱媒循環路と、前記第2熱交換器に対し、気液平衡状態の第2熱媒を循環させるための第2熱媒循環路とを備え、
前記制御手段として、前記第1熱媒循環路内の圧力を制御するための第1制御手段と、前記第2熱媒循環路内の圧力を調整するための第2制御手段とを備えていることを特徴とする、請求項4に記載の反応装置。
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