JP5500837B2 - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents
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Description
このような構造の密閉型玉軸受において、接触シールのシールリップ部分にグリースが存在した状態で軸受温度が上昇すると、軸受内部の空気の膨張によって軸受内部の圧力が上昇するため、軸受外部との圧力差によりシールリップ部分が開いて軸受内のグリースや空気が軸受外部へ漏洩する現象(以下、呼吸と称する)が生じる(特許文献1)。
上記した通気用の切欠部を設けず、例えば内輪回転の玉軸受において、前記接触シールのシールリップ部分が押し付けられる内輪外径面のシール溝へのシールリップ押し付け圧力(以下、緊迫力と言う)を強め、上記した呼吸対策とすることが考えられる。しかし、これではトルクの増大を招くのみで、緊迫力以上の内圧を招く大きな温度上昇時には、グリース漏れを防ぎ切れない。また、軸受温度が低下した場合には、軸受内部の空気の収縮によって内圧が低下することから、シールリップ先端の吸着現象が起こり、更なるトルクの増大を招く要因となる(例えば特許文献3)。
このような理由により、接触シールとして上述した各種の構造のものを用いたとしても、内輪シール溝にグリースが付着すると、グリース漏れを防止することは難しい。
また、樹脂保持器の強度を高めるために、補強材を組み込んだものがある(特許文献7)。
また、特許文献4に開示される改良型鉄板保持器はグリース漏れ対策に有効であるが、このグリース漏れ対策の構造を冠形保持器へ適用する場合には、強度面での制約を受けるので難しい。また、冠形保持器でよく利用される樹脂材は鉄に比べて低強度であるため、前記グリース漏れ対策の構造を冠形保持器に適用する場合、冠形保持器の軸方向厚みを増す必要があるが、これでは保持器内径面でのグリース堆積量の増加を招くため、グリース漏れを防止することが難しい。
例えば、特許文献7のような補強材を組み込んだものは、金属製素子を成形型の内側にセットした状態でこの成形型内に樹脂材を送り込むことにより、射出成形等しなければならない。したがって、製作の工程が多くなり、コストアップや重量増につながる。
また、保持器に耐グリース漏洩性を持たせ、高速回転可能なものは開発されていない。
この発明の他の目的は、冠形状の玉軸受用保持器に耐グリース漏洩性を持たせると共に、従来の形状の保持器よりも高速回転に耐えることができる玉軸受保持器および玉軸受を提供することである。
この構成の玉軸受用保持器によると、各ポケットの内面に、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びる凹み部を設けたことにより、玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量が減少する。これにより、内輪外径部へのグリース付着を防止することができるので、内輪のシール溝へのグリースの流動を防止でき、結果として玉軸受からのグリース漏れを防止できる。
この発明の玉軸受は、この発明の玉軸受用保持器を組み込んだものである。
単列の玉軸受では、ポケット開放側へのグリース挙動は一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受の場合と変わらず、グリース漏れ防止効果が期待できない。しかし、一般的に玉軸受は一対で使われることが多く、その一対の玉軸受の両端側へのグリース漏れを嫌う場合が多い。この場合には、上記発明の玉軸受用保持器の背面側を、グリース対策を施したい側に向けて組み込めば、最終製品のグリース密封機能が保たれる。
この発明の玉軸受において、グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満であってもよい。玉軸受の密封板内側と内外輪で囲まれる空間を全空間容積とし、この全空間容積から、玉軸受が回転した際に、玉および保持器が回転運動を行う空間を除いた空間を「静止空間」とする。グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満であると、密封板内径面と外輪内径面との径方向隙間から、封入されたグリースが不所望に漏れ出すことを抑制できる。
この実施形態の保持器5のポケット11の内面には、図4(A)に示すように、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びる複数の凹み部16が設けられている。この凹み部16を設けることにより、玉4に付着しているグリースが保持器5の内径面で掻き取られる量を減少させ、内輪2の外径部へのグリース付着を防止する。この例では、凹み部16を、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11の両側に位置する2箇所としている。各凹み部16の内面形状は、保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面での断面形状)が、ポケット11の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径Rbの円弧状であり、詳しくは同図(B)に示すように、保持器5の半径方向の直線Lを中心とする各仮想円筒Vの表面に略沿う円筒面状の形状である。この凹み部16は、保持器半径方向につき、保持器内径側のポケット開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。なお、玉配列ピッチ円PCDはポケットPCDとも呼ぶ。
2個の凹み部16の位置は、例えば、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所である。凹み部16の深さは、ポケット内面の凹球面の中心O11から凹み部16の最深位置までの距離Rcが、玉4の半径の1.05倍以上となる深さであることが好ましい(丁度1.05倍であって良い)。
なお、この実施形態では凹み部16を2箇所としたが、参考提案例として3箇所以上としても良い。
ポケット11における内面形状は、球面状に限らず、玉配列ピッチ円PCDよりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる形状であれば良く、例えば玉配列ピッチ円PCDよりも外径側の部分が円筒面状、内径側の部分が円すい面状であっても良い。
図4〜図6に示す実施形態では、前記凹み部16により、玉4に付着したグリースを保持器5の内径面で掻き取る量を減らすことができるものの、わずかに付着する場合には、その堆積量が増加するとグリース漏れに繋がってしまう。つまり、この場合、連結部13の内径面にもグリースが付着し、この部分のグリースが軸方向にしか移動できない。この連結部13の軸方向の範囲が、内輪2の外径部の存在領域と重なる場合、すなわち連結部13の内径面が内輪2の軌道面2aよりも軸受端面側に位置する場合には、連結部13の内径面からグリースが軸受外に漏れてしまうことになる。そこで、図8のように、連結部13の内径面の背面側を削除すると、連結部13の内径面からグリースが軸受外に漏れるのを防ぐことができる。
また、同図におけるYbの位置は、連結部13の内径面が存在してよい背面側の位置であり、その外径側にポケット11の中央部の背面側の軸方向位置と同じ位置まで延びる外壁面が存在しても良い。同様に、Ybの位置から外径側に向けて連結部13の軸方向厚さが、背面側へと徐々に、あるいは段階的に厚くなるような形状としても良い。
また、図11に部分拡大斜視図で示すように、保持器5を構成する環状体12を、内径側の軸方向厚さが薄く、外径側に向かって徐々に厚くなる形状とすることで、保持器5の内径面の面積を低減するようにしても良い。同様に、環状体12の軸方向厚さを、内径側から外径側へと段階的に増加させるようにしても良い。
ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくした従来例(特許文献4に開示)の保持器のグリース漏れ防止構造を、冠形状の保持器に適用した場合は、ポケットの中央底部の形状を一部削除する必要がある。このため、保持器の強度低下が大きく、実用に供することは困難である。具体的には、保持器の自転による遠心力が作用すると、ポケットの中央底部での歪みが大きく、この部分が破断に至ったり、あるいは隣合うポケット間の連結部の外径側への変位量が増加し、外輪との接触を招き好ましくない。
これに対して、この実施形態の保持器5における前記凹み部16は、ポケット11の底に位置しないので、保持器5の強度低下を小さくすることができ、実用に耐え得る。
この凹み部16は、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11から両側に広がって1箇所に設けられ、凹み部16の幅W16は、ポケット11の保持器円周方向の幅W11の略全体にわたる幅としている。凹み部13の幅W16は、ポケット11の幅W11の半分よりも大きいことが好ましく、2/3以上、あるいは3/4以上であることがより好ましい。
凹み部16の内面形状は、同図(B)に示すように、保持器5の半径方向の直線LCを中心とする仮想円筒VCの表面に略沿う円筒面状の形状である。上記仮想円筒VCは、凹み部16を加工する砥石の表面であっても良い。この凹み部16は、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDまで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに至るに従って、徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅が狭くなる形状とされている。凹み部16は、この実施形態では、丁度、玉配列ピッチ円PCDまで延びているが、玉配列ピッチ円PCDよりも保持器外径側まで若干延びていても、また玉配列ピッチ円PCDに若干達しないものであっても良い。
図18乃至図20に示すこの発明の実施形態に係る冠形保持器について説明する。図18は、同冠形保持器の部分拡大斜視図であり、図19は同冠形保持器を軸受軸心を含む仮想平面で切断して見た要部断面図、図20は同冠形保持器を保持器外径側から見た要部平面図である。この冠形保持器は、このポケット11の内面に凹み部16(図18)を設け、円環部壁面Ehを除去すると共に、ポケット11の保持器周方向の中央におけるポケット底壁部分Psを、保持器内径側よりも外径側が厚肉となる断面形状としている。つまり、保持器外径側の背面側ポケット底の部分P1の肉厚のみを、内径側の肉厚tiよりも増加させている。この冠形保持器を玉軸受に組み込んだ場合、シールと保持器とが接触することなく、保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。
この冠形保持器によると、凹み部16によりグリース漏洩を抑制し、補強部である板Htにより保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ従来よりも高速回転下で使用可能となる。さらに、板Htにより複数の保持器を保持器軸方向に重ねたときの利便性を高めることができる。
図26(a)に示すように、一般的な冠形保持器は、軸受回転に伴う遠心力が作用すると、保持器の最小断面部であるポケット11底部に応力集中が発生する。このとき最大応力は例えば2.34×104mN/mm2(=KPa)となる。この一般的な冠形保持器において、変位が最大となる位置は、図26(b)に示すように、爪の外径側先端部分14aとなっている。このとき変位の最大値は例えば3.47×10−1mmとなる。図27乃至図35の各図(b)に示すように、全ての形状で、爪の外径側先端部分14aの変位が最大となった。
図28の冠形保持器では、このポケット11の内面に凹み部16を設けると共に、円環部壁面Ehを除去している。これにより、保持器の耐グリース漏洩性を高めると共に、保持器にかかる集中応力が分散する。このとき最大応力は例えば2.38×104mN/mm2となる。しかし、図28(b)に示すように、変位の最大値は例えば8.20×10−1mmとなる。図27、図28の冠形保持器の最大変位量は、図26の一般的な冠形保持器の最大変位量よりも増加する。
ここで、一般的なシールを付けた玉軸受の断面図を図39(a)に示す。同図より、保持器とシールとの距離δ1は、外径側つまり同図上側で広く、内径側では狭くなっている。この場合、保持器全体を軸方向つまり同図左右方向に拡大することが難しい。そこで、図39(b)に示すように、保持器外径側の背面側ポケット底の部分P1の肉厚のみを、内径側の肉厚tiよりも増加させる。これにより、シール6と保持器とが接触することなく、保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。このとき最大応力は、図30(a)に示すように、例えば1.89×104mN/mm2となる。図30(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.59×10−1mmとなる。なお、シール6と保持器の距離が近いと、保持器背面側に付着したグリースがシール6との間で引きずられ、軸受回転トルクが上昇する可能性がある。
これに対し、前述の図21〜図24のような形状とすることで、保持器の耐グリース漏洩性とポケット中央部への応力集中を低下させる機能を保ちつつ、複数の保持器を保持器軸方向に重ねたときに相手のポケット11底が不所望に入り込むのを防ぐことができる。
ポケット11底の補強部に板Htを設けた保持器では、最大応力は、図32(a)に示すように、例えば1.09×104mN/mm2となる。図32(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.59×10−1mmとなる。
前述の図24の保持器では、最大応力は、図34(a)に示すように、例えば1.18×104mN/mm2となる。図34(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.64×10−1mmとなる。この図24の保持器も、一般的な冠形状保持器よりも遠心力による応力集中と変位が共に低い数値となっており、高速化可能となる。
図25の保持器では、最大応力は、図35(a)に示すように、例えば1.69×104mN/mm2となる。図35(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.64×10−1mmとなる。
上記した高速回転可能な保持器の形状は、転動体の遅れ進みに対しても、応力集中緩和の効果がある。図36、図37には、一般的な冠形状保持器に対して、転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す。その境界条件は、図43に示すように、保持器半周に対し、保持器切断面Sd,Sdをθ方向に拘束し、ポケット11一つに対して、転動体が接触する面積にθ方向に強制変位を与えている。解析は保持器半周に対して行ったが、解析結果は強制変位を与えた一ポケット11を示している。図38、図39に、図31の形状の保持器に対して転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す。図38、図39に示すように、図31の保持器では、ポケット11への凹み部16の付与と円環壁面Ehの除去とにより、保持器ポケット底に作用する応力が分散している。また、ポケット底面を肉厚にし、補強部を設けていることにより、応力集中の最大値の低下につながっており、結果的に変位量も低下する。同図38、図39の爪部に生じている応力は、転動体の遅れ進みを模擬した変位拘束の影響により発生しているため、無視してよい。ここでは、ポケット底部に生じる応力に注目すればよい。図36、図37の一般的な保持器の最大応力は例えば2.92×105mN/mm2であるのに対し、図38、図39の保持器の最大応力は例えば1.78×105mN/mm2である。
図44の玉軸受におけるグリース封入率は、内外輪2,3の静止空間に対する100%未満である。この場合、シール内径面と内輪との径方向隙間から、封入されたグリースが玉軸受から不所望に漏れ出すことを抑制できる。
例えば、図47に示すように、二輪車減速機GSにおいて、車軸Sh1の一端部および他端部に同玉軸受を嵌合し、図示外の駆動源によりこの車軸Sh1は回転可能に構成しても良い。この減速機GSの軸受によると、前述の保持器を設けたことでグリース漏れを防止し、軸受の長寿命化等を図ることができる。特に、図29〜図35の玉軸受用保持器を用いることにより、グリース漏れ防止を図ると共に高速化可能となる。
図48は、この発明の一実施形態にかかる軸受を自動変速機に設けた断面図である。図49は、図48の要部である遊星歯車機構を示す断面図である。図48に示すように、自動変速機55は、ケーシング56と、入力軸57と、出力軸58と、変速機構59とを有する。入力軸57は、ケーシング56に挿通され、図示外のエンジンの回転をトルクコンバータ等を介して自動変速機55に伝達する。出力軸58は、ケーシング56に挿通され、図示外の駆動輪に連結される。変速機構59は、入力軸57の回転を任意に選択された回転比で変換して出力軸58に伝達する。
前記変速機構59のうち図47に拡大して示す遊星歯車機構60は、第1回転軸61に固定される太陽歯車62と、第2回転軸63に固定される内歯歯車64と、これら太陽歯車62および内歯歯車64間に配置される複数の遊星歯車65と、複数の遊星歯車65と軸受1を介して接続される遊星キャリア66とを有する。前記軸受1等に、この発明の実施形態にかかる軸受が適用される。
また、図50に示すように、この発明の一実施形態にかかる軸受1を無断変速機CVTに設けても良い。
2…内輪
2a…軌道面
2b…外径面部
4…玉
5…玉軸受用保持器
11…ポケット
12…環状体
13…連結部
14…ポケットの先端部
16…凹み部
26…凹み部
31…複列の玉軸受
O…保持器中心軸
PCD…玉配列ピッチ円
Ra:凹球面の曲率半径
Rb:凹み部内面の曲率半径
Rc:距離
Claims (10)
- 環状体の一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットを、上記環状体の円周方向複数箇所に有する冠形状の玉軸受用保持器において、上記各ポケットの内面に、前記玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量を減少させる凹み部を、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びて設け、この凹み部の軸方向位置が、保持器を軸受に組み込んだ状態で、内輪の軌道面の肩部と略一致する位置であり、上記凹み部が、上記ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心の両側に位置して2箇所に設けられ、上記2箇所の凹み部の位置は、上記各ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所であり、上記ポケットの内面が凹球面状であり、上記凹み部の深さを、ポケット内面の凹球面の中心から上記凹み部の最深位置までの距離が、玉の半径の1.05倍以上となる深さとし、上記凹み部は、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円の付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円に近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状である玉軸受用保持器。
- 請求項1において、各凹み部の内面形状が、保持器の半径方向の直線を中心とする各仮想円筒の表面に略沿う円筒面状の形状である玉軸受用保持器。
- 請求項1において、上記ポケットの内面が凹球面状であり、隣合うポケット間の連結部の保持器円周方向の中央位置での断面における保持器内径面上のポケット開放側とは反対側の端点の軸方向位置が、内輪の軌道面の肩部よりもその軌道面の中央側の位置である玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、上記各ポケットの背面における保持器内径縁から保持器外径側へ延びる凹み部を設けた玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、上記各ポケットの円周方向中央部における保持器外径側部分の軸方向厚さを、保持器内径部分の軸方向厚さよりも厚くした玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、上記各ポケットの開放側先端部における保持器外径側先端部の軸方向への突出長を、保持器内径側先端部の軸方向への突出長よりも短くした玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、ポケットの保持器周方向の中央におけるポケット底壁部分を、肉厚が内径側よりも外径側が厚くなる断面形状とした玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、自動車補機に用いられる玉軸受用保持器。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項の玉軸受用保持器を組み込んだ玉軸受。
- 請求項9において、グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満である玉軸受。
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-
2009
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