JP5500837B2 - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、冠形の玉軸受用保持器およびその保持器を組み込んだ玉軸受に関する。
各種回転装置、とりわけ自動車補機に使用される密閉型玉軸受には、耐高温,耐高速,耐泥水,耐ダスト,耐グリース漏れ,長寿命化および低トルクが要求され、耐泥水および耐ダスト対策として軸受内外輪間の空間の両端部に接触シールが設けられる。
このような構造の密閉型玉軸受において、接触シールのシールリップ部分にグリースが存在した状態で軸受温度が上昇すると、軸受内部の空気の膨張によって軸受内部の圧力が上昇するため、軸受外部との圧力差によりシールリップ部分が開いて軸受内のグリースや空気が軸受外部へ漏洩する現象(以下、呼吸と称する)が生じる(特許文献1)。
この呼吸現象を防止する対策を施したものとして、上記シールリップ部分の一部に通気用の切欠部を設けたものが提案されている(特許文献1)。しかし、切欠部にグリースが付着すると、上記した玉軸受と同様のグリース漏れが起きる(特許文献2)。
上記した通気用の切欠部を設けず、例えば内輪回転の玉軸受において、前記接触シールのシールリップ部分が押し付けられる内輪外径面のシール溝へのシールリップ押し付け圧力(以下、緊迫力と言う)を強め、上記した呼吸対策とすることが考えられる。しかし、これではトルクの増大を招くのみで、緊迫力以上の内圧を招く大きな温度上昇時には、グリース漏れを防ぎ切れない。また、軸受温度が低下した場合には、軸受内部の空気の収縮によって内圧が低下することから、シールリップ先端の吸着現象が起こり、更なるトルクの増大を招く要因となる(例えば特許文献3)。
このような理由により、接触シールとして上述した各種の構造のものを用いたとしても、内輪シール溝にグリースが付着すると、グリース漏れを防止することは難しい。
そこで、鉄板波形保持器の形状を変更して、グリース漏れ対策を行なった玉軸受用保持器(以下、この保持器を改良鉄板保持器と称する)も提案されている(特許文献4)。この保持器では、ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくして、この内径の大きい部分でボールに付着した余分なグリースを掻き取り、内輪肩部にグリースが付着するのを防ぐようにしている。
しかし、一般的な冠形保持器に対して、上記した改良鉄板保持器のグリース漏れ対策の構造を採用すると、冠形保持器において最も小断面積となるポケット中央部をさらに縮小させることになるため、冠形保持器への採用は困難である。
また、冠形樹脂保持器におけるグリース漏れ対策として、隣合うポケット間の連結部の背面側(ポケット開放側とは反対側)を開口したものも提案されている(特許文献5)。このように、この保持器では、隣合うポケット間の連結部の体積を縮小して軸受内の空間容積を増すことで、耐グリース漏れ性を改善している。この場合の冠形樹脂保持器の形状は、前記改良鉄板保持器におけるグリース漏れ対策の構造に類似させたものといえる。
しかし、このようなグリース漏れ対策の構造を、鉄に比べて低強度の樹脂を用いた冠形保持器に適用するためには、その軸方向厚さを増す必要があるが、それでは鉄板波形保持器に比べて内径面の面積が拡大する。内径面の面積が拡大すると、その分だけグリースも堆積しやすくなり、グリース漏洩に繋がる可能性も増大する。したがって、グリース漏洩抑制の大きな効果は期待し難い。
近年の自動車補機の高性能化に伴って、各種回転部品の高速化が求められている。軸受の高速化において、特に冠形樹脂保持器を用いている場合、保持器強度が問題となる。そこで、冠形樹脂保持器の強化方法として、転動体の遅れ進みに対する強度を向上させるために、保持器の軸方向の端面に、内径側壁部と外径側壁部とを区画する溝部を円周方向に沿って設けたものがある(特許文献6)。保持器が溝部により内径側壁部と外径側壁部とに区画されているため、転動体の遅れ進みに対して、前記内径側壁部が内径側に弾性的に傾斜し、前記外径側壁部が外径側に弾性的に傾斜して転動体の遅れ進みを吸収する。これにより、保持器にかかる応力を分散させる。
また、樹脂保持器の強度を高めるために、補強材を組み込んだものがある(特許文献7)。
特開2000−257640号公報 特開2005−308117号公報 特開2005−069404号公報 特開2007−271078号公報 特開2003−287032号公報 特開2007−139025号公報、図1 特開平9−79265号公報、第3頁左下欄、図1,図2
このように、密閉型玉軸受におけるグリース漏れ対策として、特許文献1〜3に開示されるような、シールリップの緊迫力、シールリップ形状および切欠等があるが、これらの対策では、回転により内輪外径部やシール溝にグリースが存在すると、軸受内部の温度上昇でグリース漏れが生じる。
また、特許文献4に開示される改良型鉄板保持器はグリース漏れ対策に有効であるが、このグリース漏れ対策の構造を冠形保持器へ適用する場合には、強度面での制約を受けるので難しい。また、冠形保持器でよく利用される樹脂材は鉄に比べて低強度であるため、前記グリース漏れ対策の構造を冠形保持器に適用する場合、冠形保持器の軸方向厚みを増す必要があるが、これでは保持器内径面でのグリース堆積量の増加を招くため、グリース漏れを防止することが難しい。
特許文献6の冠形樹脂保持器では、高速回転させると遠心力により保持器が外径側にさらに倒れることになり、保持器外径側が、外輪内径側と接触するおそれがある。
例えば、特許文献7のような補強材を組み込んだものは、金属製素子を成形型の内側にセットした状態でこの成形型内に樹脂材を送り込むことにより、射出成形等しなければならない。したがって、製作の工程が多くなり、コストアップや重量増につながる。
また、保持器に耐グリース漏洩性を持たせ、高速回転可能なものは開発されていない。
この発明の目的は、保持器内径部に付着するグリース量を減少させ、軸受からのグリース漏れを防止できる冠形状の玉軸受用保持器を提供することである。
この発明の他の目的は、冠形状の玉軸受用保持器に耐グリース漏洩性を持たせると共に、従来の形状の保持器よりも高速回転に耐えることができる玉軸受保持器および玉軸受を提供することである。
この発明の玉軸受用保持器は、環状体の一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットを、前記環状体の円周方向複数箇所に有する冠形状の玉軸受用保持器において、前記各ポケットの内面に、前記玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量を減少させる凹み部を、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びて設たことを特徴とする。
この構成の玉軸受用保持器によると、各ポケットの内面に、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びる凹み部を設けたことにより、玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量が減少する。これにより、内輪外径部へのグリース付着を防止することができるので、内輪のシール溝へのグリースの流動を防止でき、結果として玉軸受からのグリース漏れを防止できる。
前記ポケットの凹み部の軸方向位置は、保持器を軸受に組み込んだ状態で、内輪の軌道面の肩部と略一致する位置とする。なぜなら、保持器の内径面に堆積するグリースが多量となるのは、玉と内輪軌道面の接触により、軌道面肩部と一致する軸方向位置の近傍となるからである。上記凹み部が、上記ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心の両側に位置して2箇所に設けられ、上記2箇所の凹み部の位置は、上記各ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所であり、上記ポケットの内面が凹球面状である。
この発明において、前記ポケットの内面が凹球面状であり、前記凹み部の内面の保持器円周方向に沿う断面形状が、ポケットの内面となる凹球面の曲率半径よりも小さな曲率半径の円弧状であってもよい。
この発明において、各凹み部の内面形状が、保持器の半径方向の直線を中心とする各仮想円筒の表面に略沿う円筒面状の形状であってもよい。
この発明において、前記凹み部の内面の保持器円周方向に沿う断面形状が、多角形状であってもよい。
上記凹み部は、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円の付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円に近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。
記ポケットの内面が凹球面状であり、前記凹み部の深さを、ポケット内面の凹球面の中心から前記凹み部の最深位置までの距離が、玉の半径の1.05倍以上となる深さとする。
この発明において、前記ポケットの内面が凹球面状であり、隣合うポケット間の連結部の保持器円周方向の中央位置での断面における保持器内径面上のポケット開放側とは反対側の端点の軸方向位置が、内輪の軌道面の肩部よりもその軌道面の中央側の位置であってもよい。これにより、連結部の内径面からグリースが軸受外に漏れるのを防ぐことができる。
この発明において、前記連結部の保持器円周方向の中央位置での断面における保持器外径側での軸方向厚さを、保持器内径側での軸方向厚さよりも厚くしてもよい。これにより、連結部の内径面の面積を低減しつつ、保持器の強度も確保できる。
この発明において、前記各ポケットの背面における保持器内径縁から保持器外径側へ延びる凹み部を設けてもよい。これにより、ポケットでの内径面の面積を低減できて、グリース漏れ防止の効果を上げることができる。
この発明において、前記各ポケットにおける保持器外径側での軸方向厚さを、保持器内径側での軸方向厚さよりも厚くしてもよい。これにより、ポケットでの内径面の面積を低減しつつ、保持器の強度も確保できる。
この発明において、前記各ポケットの開放側先端部における保持器外径側先端部の軸方向への突出長を、保持器内径側先端部の軸方向への突出長よりも短くしてもよい。これにより、保持器を軽量化でき、玉軸受を高速回転で使用する場合に、遠心力による保持器の応力を低減することができる。高速回転時に、保持器の先端部では、ポケットの中央部に対して外径側に傾くように変形することから、先端部の内径側で玉を案内することになり、先端部の外径側を一部削除しても、軸受機能上の悪影響は生じない。
この発明において、ポケットの保持器周方向の中央におけるポケット底壁部分を、肉厚が内径側よりも外径側が厚くなる断面形状としてもよい。密封板を付けた玉軸受では、保持器と密封板の距離は、外径側で広く、内径側では狭くなっている。この場合、保持器全体を軸方向に拡大することが難しい。そこで、前記ポケット底壁部分における外径側の肉厚を、内径側の肉厚よりも厚くすることで、密封板と保持器とが接触することなく、保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。したがって、高速化を図ることができる。
この発明において、自動車補機に用いられる玉軸受用保持器としてもよい。
この発明の玉軸受は、この発明の玉軸受用保持器を組み込んだものである。
単列の玉軸受では、ポケット開放側へのグリース挙動は一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受の場合と変わらず、グリース漏れ防止効果が期待できない。しかし、一般的に玉軸受は一対で使われることが多く、その一対の玉軸受の両端側へのグリース漏れを嫌う場合が多い。この場合には、上記発明の玉軸受用保持器の背面側を、グリース対策を施したい側に向けて組み込めば、最終製品のグリース密封機能が保たれる。
この発明の玉軸受において、複列とする場合、上記玉軸受用保持器を、そのグリース漏れ防止機能を有する背面側が軸受外側に向くように複列の玉軸受に組み込むことが好ましい。これにより、複列の玉軸受の両側からのグリース漏洩を抑制することができる。
この発明の玉軸受において、グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満であってもよい。玉軸受の密封板内側と内外輪で囲まれる空間を全空間容積とし、この全空間容積から、玉軸受が回転した際に、玉および保持器が回転運動を行う空間を除いた空間を「静止空間」とする。グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満であると、密封板内径面と外輪内径面との径方向隙間から、封入されたグリースが不所望に漏れ出すことを抑制できる。
この発明の玉軸受用保持器は、環状体の一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットを、前記環状体の円周方向複数箇所に有する冠形状の玉軸受用保持器において、前記各ポケットの内面に、前記玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量を減少させる凹み部を、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びて設け、この凹み部の軸方向位置が、保持器を軸受に組み込んだ状態で、内輪の軌道面の肩部と略一致する位置であり、、上記凹み部が、上記ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心の両側に位置して2箇所に設けられ、上記2箇所の凹み部の位置は、上記各ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所であり、上記ポケットの内面が凹球面状であり、上記凹み部の深さを、ポケット内面の凹球面の中心から上記凹み部の最深位置までの距離が、玉の半径の1.05倍以上となる深さとし、上記凹み部は、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円の付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円に近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状であるため、保持器内径部に付着するグリース量を減少させ、軸受からのグリース漏れを防止できる。内輪のシール溝にグリースが付着し難く、グリース漏れを防止できる。
この発明の玉軸受は、この発明の玉軸受用保持器を組み込んだものであるため、玉軸受が一対で使われる場合に、上記発明の玉軸受用保持器の背面側を、グリース対策を施したい側に向けて組み込めば、最終製品のグリース密封機能を保つことができる。
この発明の一実施形態にかかる玉軸受用保持器を組み込んだ玉軸受の一部破断斜視図である。 同玉軸受の部分拡大断面図である。 この実施形態の玉軸受用保持器の概略の斜視図である。 (A)は同保持器の一例の部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 (A)は同保持器の他の一例の部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想多角柱を加えた状態を示す斜視図である。 (A)は同保持器のさらに他の一例の部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想リングを加えた状態を示す斜視図である。 同保持器のポケットと仮想リングの関係を断面で示す説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる玉軸受用保持器の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる玉軸受用保持器の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる玉軸受用保持器の部分拡大斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる玉軸受用保持器の部分拡大斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる玉軸受用保持器の部分拡大斜視図である。 玉軸受用保持器のポケットと内輪軌道面の間での軸方向位置の関係の説明図である。 (A)は図4に示す構造の保持器を組み込んだ玉軸受のグリース漏れ試験の結果の説明図、(B)は(A)の部分拡大図である。 (A)は一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受のグリース漏れ試験の結果の説明図、(B)は(A)の部分拡大図である。 (A)は参考提案例にかかる玉軸受用保持器の部分拡大斜視図、(B)は同斜視図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 実施形態の玉軸受用保持器を組み込んだ複列の玉軸受の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る玉軸受用保持器の部分拡大斜視図である。 同保持器を軸受軸心を含む仮想平面で切断して見た要部断面図である。 同保持器を保持器外径側から見た要部平面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る玉軸受用保持器であり、ポケット底の補強部に、相手側の爪が入り込まない大きさの板を設けた例を示す図である。 同保持器の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る玉軸受用保持器であり、外径円環部を壁面とした玉軸受用保持器の例を示す斜視図である。 図23の壁面に傾斜をつけた例を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る玉軸受用保持器であり、円環壁面を有し、且つ、保持器背面を除く保持器外径面を削除した例を示す斜視図である。 (a)は一般的な冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)はポケット内面に凹み部を設けた冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)はポケット内面に凹み部を設け円環部を除去した冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は図28の形状にポケット部を肉厚にした冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は図28の形状に外径部を補強した冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は図29および図30の形状を組み合わせた冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は補強部を円環状に形成した冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は外径円環部を壁面とした冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は図33の壁面に傾斜をつけた冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 (a)は保持器外径側を削除した冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布図、(b)は同保持器の変位分布図である。 一般的な冠形状保持器に対して、転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す応力分布図である。 一般的な冠形状保持器に対して、転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す応力分布図である。 図31の形状の保持器に対して転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す応力分布図である。 図31の形状の保持器に対して転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す応力分布図である。 (a)は保持器のポケットを、保持器軸方向を含む仮想平面で半分に切断した形状を表す斜視図、(b)は同斜視図の要部拡大図である。 (a)は一般的なシールを付けた玉軸受の断面図、(b)は保持器の外径部を補強した玉軸受の断面図である。 保持器を重ねたときに、爪側に相手のポケット底側が入り込む例を示す図である。 保持器半周に対し、保持器切断面をθ方向に拘束し、ポケット一つに対して、転動体が接触する面積にθ方向に強制変位を与えた解析例を示す斜視図である。 図29乃至図35のいずれかの冠形保持器を組み込んだ玉軸受の断面図である。 この発明の一実施形態にかかる軸受をアイドラプーリに設けた断面図である。 この発明の一実施形態にかかる軸受をオルタネータに設けた断面図である。 この発明の一実施形態にかかる軸受を自動二輪車の減速機に設けた断面図である。 この発明の一実施形態にかかる軸受を自動変速機に設けた断面図である。 図48の要部である遊星歯車機構を示す断面図である。 この発明の一実施形態にかかる軸受を無断変速機に設けた断面図である。
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1および図2は、この実施形態の玉軸受用保持器が適用される玉軸受の一部破断斜視図および部分拡大断面図である。この玉軸受1は密閉型の深溝玉軸受であり、内輪2と外輪3の軌道面2a,3aの間に複数の玉4を介在させ、これら玉4を保持する保持器5を設け、内外輪2,3間に形成される環状空間の両端をそれぞれ接触シール6で密封したものである。玉4は鋼球からなる。接触シール6は、環状の芯金7とこの芯金7に一体に固着されたゴム状部材8とで構成され、外輪3の内周面に形成されたシール取付溝9に外周部が嵌合状態に固定される。内輪2は各接触シール6の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝10が形成され、接触シール6の内周側端に形成されたシールリップ6aが内輪2のシール溝10に摺接する。
保持器5は、図3に斜視図で示すように、内部に玉4を保持するポケット11を、環状体12の円周方向の複数箇所に有する冠形状のものである。各ポケット11は、環状体12の一側面に一部が開放されている。各ポケット11の内面は、玉4の外面に沿った凹球面状の曲面形状とされている。環状体12の隣合うポケット11,11間の部分は連結部13となる。各ポケット11の開放側には、円周方向に対面する一対の爪状の先端部14,14が軸方向に突出して設けられている。なお、この明細書において、軸受軸方向のポケット開放側をポケット側と呼び、その反対側を背面側と呼ぶ。
保持器5の一部を拡大して図4に斜視図で示す。図3は、図4と対応する部分につき、ポケット内面を単調な球面とした場合の図である。
この実施形態の保持器5のポケット11の内面には、図4(A)に示すように、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びる複数の凹み部16が設けられている。この凹み部16を設けることにより、玉4に付着しているグリースが保持器5の内径面で掻き取られる量を減少させ、内輪2の外径部へのグリース付着を防止する。この例では、凹み部16を、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11の両側に位置する2箇所としている。各凹み部16の内面形状は、保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面での断面形状)が、ポケット11の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径Rbの円弧状であり、詳しくは同図(B)に示すように、保持器5の半径方向の直線Lを中心とする各仮想円筒Vの表面に略沿う円筒面状の形状である。この凹み部16は、保持器半径方向につき、保持器内径側のポケット開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。なお、玉配列ピッチ円PCDはポケットPCDとも呼ぶ。
2個の凹み部16の位置は、例えば、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所である。凹み部16の深さは、ポケット内面の凹球面の中心O11から凹み部16の最深位置までの距離Rcが、玉4の半径の1.05倍以上となる深さであることが好ましい(丁度1.05倍であって良い)。
なお、この実施形態では凹み部16を2箇所としたが、参考提案例として3箇所以上としても良い。
図5は、保持器5のポケット11の内面のさらに他の形状例を示す。この例は、図4の実施形態において、凹み部16の断面形状(保持器円周方向に沿う断面形状)を円弧状とする代わりに、多角形状としたものである。詳しくは、同図(B)に示すように、保持器5の半径方向の直線LAを中心とする各多角形柱(図示の例では正10角形柱)VAの表面に略沿う多角形状の形状である。この凹み部16は、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。この実施形態におけるその他の構成は、図4の例と同様である。
図6は、保持器5のポケット11の内面のさらに他の形状例を示す。この例は、ポケット11の内面に設けられる凹み部16が、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11の両側に位置して2箇所に設けられていることでは図4の実施形態と同様であるが、各凹み部16が、保持器外径縁付近まで延びている。これら凹み部16の内面の保持器円周方向に沿う断面形状は、ポケット11の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径RBbの円弧状であり、詳しくは同図(B)に示すように、一つの仮想リングVBの表面に略沿った形状である。この仮想リングVBは、凹み部16を加工する砥石の外周面であっても良い。前記仮想リングVBは、ポケット11内に収まるリング外径であって、任意周方向位置の断面形状が円形となるドーナツ状であり、図7のように、リング中心OVBが保持器中心軸Oに対して傾きを持つ。
なお、この発明において、凹み部16の保持器円周方向に沿う断面形状は、図4〜図6の各例の形状に限らず、部分楕円状や、矩形溝状、台形溝状や、その他任意の断面形状としても良い。また、凹み部16の上記断面形状は、凹み部中心に対して非対称の形状であっても良い。
ポケット11における内面形状は、球面状に限らず、玉配列ピッチ円PCDよりも内径側の部分が、保持器内径側開口縁に近づくに従って小径となる形状であれば良く、例えば玉配列ピッチ円PCDよりも外径側の部分が円筒面状、内径側の部分が円すい面状であっても良い。
図8は他の実施形態を示す。この玉軸受用保持器5は、図4〜図6に示す実施形態において、連結部13の内径面の背面側を削除したものである。これにより、ポケット11では、その背面側が円弧状の殻部11aで囲まれた形状となる。
図4〜図6に示す実施形態では、前記凹み部16により、玉4に付着したグリースを保持器5の内径面で掻き取る量を減らすことができるものの、わずかに付着する場合には、その堆積量が増加するとグリース漏れに繋がってしまう。つまり、この場合、連結部13の内径面にもグリースが付着し、この部分のグリースが軸方向にしか移動できない。この連結部13の軸方向の範囲が、内輪2の外径部の存在領域と重なる場合、すなわち連結部13の内径面が内輪2の軌道面2aよりも軸受端面側に位置する場合には、連結部13の内径面からグリースが軸受外に漏れてしまうことになる。そこで、図8のように、連結部13の内径面の背面側を削除すると、連結部13の内径面からグリースが軸受外に漏れるのを防ぐことができる。
なお、図8の実施形態では、前記連結部13の背面側において、内径面から外径面にわたって削除した例を示しているが、保持器5の強度を考えた場合は、その削除量は少ないことが望ましい。内輪2の外径部へのグリース付着の抑制には、内輪2の外径面と保持器5の内径面との距離を長くすることも有効であることから、連結部13の内径側のみを一部削除し、外径側に従来のような壁面を残すようにしても良い。すなわち、隣合うポケット11,11間の連結部13の円周方向中央位置における断面において、連結部13の削除されずに残された内径面の背面側の端点の軸方向位置を、内輪2の軌道面2aの肩部よりも軌道面2a中央側に位置させることが、グリース漏れ防止の上で重要である。このことを、図8の保持器5に仮想線で示す内輪2の断面図を重ねて、軸方向Yの位置関係の模式図として図13に示す。つまり、同図において、連結部13の軸方向位置Ybが、内輪2の軌道面2aの肩部の軸方向位置Yaよりも軌道面2aの中央側(Yb<Ya)であれば良い。
また、同図におけるYbの位置は、連結部13の内径面が存在してよい背面側の位置であり、その外径側にポケット11の中央部の背面側の軸方向位置と同じ位置まで延びる外壁面が存在しても良い。同様に、Ybの位置から外径側に向けて連結部13の軸方向厚さが、背面側へと徐々に、あるいは段階的に厚くなるような形状としても良い。
図9はさらに他の実施形態を示す。この玉軸受用保持器5は、図8の実施形態において、ポケット11の殻部11aの厚さを比較的厚くした例を示す。この場合の殻部11aの厚みの増加は、保持器5の内径面の面積増加を招くため、グリース漏れを助長する傾向になる。とりわけ、保持器5の内径面において、堆積するグリースが多量になる位置は、図13における内輪2の軌道面2aの肩部と一致する軸方向位置の近傍(符号Pで示す)となるので、この軸方向位置の近傍での保持器5の内径面の面積低減が重要である。そこで、この実施形態では、そのポケット11の殻部11aの外面にも凹み部26を設け、ポケット11の内径面の面積を低減している。これにより、保持器5の内径面へのグリース堆積量の減少と、保持器単体の強度向上とを両立させることができる。
なお、保持器5の内径面の面積を低減するには、図10に部分拡大斜視図で示すように、ポケット11の内面に設ける前記凹み部16を大きくしても良い。
また、図11に部分拡大斜視図で示すように、保持器5を構成する環状体12を、内径側の軸方向厚さが薄く、外径側に向かって徐々に厚くなる形状とすることで、保持器5の内径面の面積を低減するようにしても良い。同様に、環状体12の軸方向厚さを、内径側から外径側へと段階的に増加させるようにしても良い。
図12はさらに他の実施形態を示す。この玉軸受用保持器5は、図9の実施形態において、ポケット11の開放側に突出する一対の先端部14の一部を削除して、軽量化を図ったものである。玉軸受1を高速回転で使用する場合、保持器5に作用する遠心力の影響が大きくなる。この遠心力による保持器5の応力を低減するためには、保持器5の軽量化が有効である。そこで、この実施形態では、前記先端部14の外径側を一部削除した形状としている。高速回転時に、保持器5の先端部14では、ポケット11の中央部に対して外径側に傾くように変形するため、先端部14の内径側で玉4を案内することになる。したがって、この実施形態のように、先端部14の外径側を一部削除しても、軸受機能上の悪影響は生じない。
図14および図15は、グリース付着状態の確認を行なった試験結果を示す。この試験では、図8に示した実施形態の保持器5を組み込んだ玉軸受と、一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受とを、同一条件で運転して比較した。図14は、図8の実施形態の保持器5を用いた玉軸受のグリース付着状態を示し、図15は一般的な冠形状の保持器を用いた玉軸受のグリース付着状態を示す。
図14および図15の試験結果から、一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受(図15)では、保持器内径面と内輪の外径部との間にグリースが多量存在し、紙面手前方向の内輪シール溝に向かってグリースが漏れてきている。シールが装着されていれば、シール溝とシール先端との間にグリースが流動し、軸受内部の温度上昇とともに軸受外部へ漏洩することになる。実施形態の保持器5を組み込んだ玉軸受(図14)では、保持器5の内径部に極微量のグリース付着が認められるものの、内輪外径部には認められないことが分かる。
これらの試験結果からわかるように、この実施形態の玉軸受用保持器5では、各ポケット11の内面に、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びる凹み部16を設けたことにより、玉4に付着しているグリースを保持器5の内径面で掻き取る量が減少する。これにより、内輪2の外径部へのグリース付着を防止することができる。内輪2の外径部へのグリース付着がなければ、内輪2のシール溝10(図1)へのグリースの流動を防止でき、結果として玉軸受1からのグリース漏れを防止できる。
ポケットのある円周方向部分の内径の保持器中心からの半径を、ポケット間の円周方向部分の内径の保持器中心からの半径よりも大きくした従来例(特許文献4に開示)の保持器のグリース漏れ防止構造を、冠形状の保持器に適用した場合は、ポケットの中央底部の形状を一部削除する必要がある。このため、保持器の強度低下が大きく、実用に供することは困難である。具体的には、保持器の自転による遠心力が作用すると、ポケットの中央底部での歪みが大きく、この部分が破断に至ったり、あるいは隣合うポケット間の連結部の外径側への変位量が増加し、外輪との接触を招き好ましくない。
これに対して、この実施形態の保持器5における前記凹み部16は、ポケット11の底に位置しないので、保持器5の強度低下を小さくすることができ、実用に耐え得る。
前記各実施形態において、ポケット11の内面の凹み部16の好ましい位置は、図13に符号Pで示す位置である。つまり、凹み部16の軸受軸方向位置が、保持器5を玉軸受1に組み込んだ際の内輪軌道面2aの肩部と概ね一致する場所である。なぜなら、保持器5の内径面に堆積するグリースが多量となるのは、玉4と内輪軌道面2aの接触により、軌道面肩部と一致する軸方向位置の近傍となるからである。
図16は参考提案例を示す。この玉軸受用保持器5は、図4〜図6の実施形態において、ポケット11の内面に設ける2つの凹み部16を、1つの凹み部16に置き換えたものである。この凹み部16の場合も、保持器内径側の開口縁から保持器外径側に延びるものとし、この凹み部16の内面の保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面で断面した断面形状)を、ポケット11の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径RCbの円弧状としている。
この凹み部16は、ポケット11の開口縁における保持器円周方向の中心OW11から両側に広がって1箇所に設けられ、凹み部16の幅W16は、ポケット11の保持器円周方向の幅W11の略全体にわたる幅としている。凹み部13の幅W16は、ポケット11の幅W11の半分よりも大きいことが好ましく、2/3以上、あるいは3/4以上であることがより好ましい。
凹み部16の内面形状は、同図(B)に示すように、保持器5の半径方向の直線LCを中心とする仮想円筒VCの表面に略沿う円筒面状の形状である。上記仮想円筒VCは、凹み部16を加工する砥石の表面であっても良い。この凹み部16は、保持器半径方向につき、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円PCDまで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに至るに従って、徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅が狭くなる形状とされている。凹み部16は、この実施形態では、丁度、玉配列ピッチ円PCDまで延びているが、玉配列ピッチ円PCDよりも保持器外径側まで若干延びていても、また玉配列ピッチ円PCDに若干達しないものであっても良い。
凹み部16の深さは、ポケット内面の凹球面の中心O11から凹み部16の最深位置までの距離RCcが、玉4の半径の1.05倍以上となる深さ(丁度1.05倍であって良い)であることが好ましい。ポケット11の内面となる凹球面の曲率半径Raは、玉4の半径よりも僅かに大きくし、玉4の半径の1.05未満としている。
実施形態の保持器5を組み込んだ単列の深溝玉軸受1(図1)では、ポケット開放側へのグリース挙動は一般的な冠形状の保持器を組み込んだ玉軸受の場合と変わらず、グリース漏れ防止効果が期待できない。しかし、一般的に玉軸受は一対で使われることが多く、その一対の玉軸受の両端側へのグリース漏れを嫌う場合が多い。この場合には、実施形態の保持器5の背面側を、グリース対策を施したい側に向けて組み込めば、最終製品のグリース密封機能が保たれる。
図17は、前記各実施形態の玉軸受用保持器5を組み込んだ複列の深溝玉軸受31を示す。この玉軸受31では、内輪2の外径面に2列の軌道面2a,2aが形成され、これら軌道面2aに対向する2列の軌道面3a,3aが外輪3の内径面に形成されていて、これら内外輪2,3の各軌道面2a,3a間に2列の玉4を介在させている。内外輪2,3間に形成される環状空間の両端は、それぞれ接触シール6で密封されている。各列の玉4は、前記各実施形態における保持器5で保持されている。この場合、各保持器5は、その背面側が接触シール6を向くように組み込まれる。その他の構成は、図1の単列の玉軸受1の場合と同様である。
この複列の玉軸受31によると、実施形態の保持器5を、そのグリース漏れ防止機能を有する背面側が接触シール6に向くように組み込んでいるため、玉軸受31の両側からのグリース漏洩を抑制することができる。
次に、グリース漏洩を抑制し、従来よりも高速回転下で使用可能な玉軸受用保持器について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図18乃至図20に示すこの発明の実施形態に係る冠形保持器について説明する。図18は、同冠形保持器の部分拡大斜視図であり、図19は同冠形保持器を軸受軸心を含む仮想平面で切断して見た要部断面図、図20は同冠形保持器を保持器外径側から見た要部平面図である。この冠形保持器は、このポケット11の内面に凹み部16(図18)を設け、円環部壁面Ehを除去すると共に、ポケット11の保持器周方向の中央におけるポケット底壁部分Psを、保持器内径側よりも外径側が厚肉となる断面形状としている。つまり、保持器外径側の背面側ポケット底の部分P1の肉厚のみを、内径側の肉厚tiよりも増加させている。この冠形保持器を玉軸受に組み込んだ場合、シールと保持器とが接触することなく、保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。
図21および図22の冠形保持器は、ポケット11底の補強部に、相手側の爪が入り込まない大きさの板Htを設けたものである。すなわち、保持器外径側の背面側ポケット底の部分の肉厚を、内径側の肉厚よりも増加させる。この肉厚を増加させた補強部を板状にし、各ポケット11における一対の爪の先端部14,14間の距離L1よりも、同補強部の一辺の長さL2を長くしている。これにより、複数の保持器を保持器軸方向に重ねたとき、爪が相手側の背面側ポケット底に入り込むことを阻止する。
この冠形保持器によると、凹み部16によりグリース漏洩を抑制し、補強部である板Htにより保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ従来よりも高速回転下で使用可能となる。さらに、板Htにより複数の保持器を保持器軸方向に重ねたときの利便性を高めることができる。
図23の冠形保持器は、保持器外径側に円環壁面Eh1を有し、内径側の内径面に凹みEh2を設けたものである。この場合、一般的な冠形状保持器等よりも円環壁面Eh1と内輪外径面との距離を大きく確保できるため、内輪外径面にグリースが付着し難く、保持器の耐グリース漏洩性を保つことができる。この保持器を保持器軸方向に複数重ねたとき、爪の先端部14が円環壁面Eh1に当接するため、爪が相手側の背面側ポケット底に入り込むことを阻止する。またグリース漏洩を抑制し、従来よりも高速回転下で使用可能となる。
図24の冠形保持器は、図23の円環壁面Eh1に傾斜を付けた形状である。この円環壁面Eh1の傾斜部Ksは、保持器背面から保持器正面に向かうに従って肉厚が次第に厚くなり、連結部13に繋がるように形成されている。この傾斜部Ksにより、壁面Eh1に付着したグリースが、この保持器に作用する遠心力により、外径側に移動し易くなる。よって、内輪外径面にグリースが溜まり難くなり、保持器の耐グリース漏洩性を保つことができる。また、従来よりも高速回転下で使用可能となる。
図25の冠形保持器は、円環壁面EH2を有し、且つ、保持器背面を除く保持器外径面Hgを削除している。保持器とシール溝の距離が近く、保持器の背面側を保持器軸方向に拡大させられない場合等において、遠心力に対して影響が大きい保持器外径側を削除する。これにより応力集中を低下させることができる。一般的な冠形状保持器では、高速回転下で運転した場合、外径側の爪の先端部14が軸受外径方向へ変形し、外輪内径面と接触する可能性がある。図25の形状とすることで、保持器外径面Hgと外輪内径面との距離を必要十分に取ることができる。高速回転下において、爪の外径側先端部分14aが軸受外径方向へ変形した場合であっても、前記距離を確保したことで、この爪の外径側先端部分14aが外輪内径面と接触することを未然に防止し得る。よって、より高速回転可能となる。また、凹み部16よりグリース漏洩を抑制することができる。
図26〜図35は、各種形状の冠形保持器に遠心力を作用させた場合の応力分布と変位分布とを表したものである。これらの図は、解析の対称性から、保持器のポケットを、保持器軸方向を含む仮想平面で半分に切断した形状である(図38参照)。遠心力解析の境界条件は、保持器径方向をx軸、保持器軸方向をz軸、保持器周方向をθとする円筒座標系とし、保持器切断面をθ方向に拘束し、且つ、ポケット底の内径側1点をz方向に拘束し、保持器中心を中心にz軸回りに遠心力を作用させた。
図26〜図35の各図(a)が応力分布図、(b)が変位の分布図となっている。各図(a)の応力分布図において、引出し線の先端で表される位置は、最大応力発生位置を示し、同引出し線の基端の四角枠内の文字は、最大応力の値を示している。各図(b)の変位の分布図において、左上のMaxの値が変位の最大値を表している。
図26(a)に示すように、一般的な冠形保持器は、軸受回転に伴う遠心力が作用すると、保持器の最小断面部であるポケット11底部に応力集中が発生する。このとき最大応力は例えば2.34×10mN/mm(=KPa)となる。この一般的な冠形保持器において、変位が最大となる位置は、図26(b)に示すように、爪の外径側先端部分14aとなっている。このとき変位の最大値は例えば3.47×10−1mmとなる。図27乃至図35の各図(b)に示すように、全ての形状で、爪の外径側先端部分14aの変位が最大となった。
図27(a)に示すように、冠形保持器のポケット11の内面に凹み部16を設けたものでは、この凹み部16を付与することにより、ポケット底の最大応力発生位置が保持器内径側から保持器外径側へと移り、上記一般的な冠形保持器よりも僅かに応力分布が広がる。このとき最大応力は例えば2.30×10mN/mmとなる。また図27(b)に示すように、変位の最大値は例えば3.86×10−1mmとなる。
図28の冠形保持器では、このポケット11の内面に凹み部16を設けると共に、円環部壁面Ehを除去している。これにより、保持器の耐グリース漏洩性を高めると共に、保持器にかかる集中応力が分散する。このとき最大応力は例えば2.38×10mN/mmとなる。しかし、図28(b)に示すように、変位の最大値は例えば8.20×10−1mmとなる。図27、図28の冠形保持器の最大変位量は、図26の一般的な冠形保持器の最大変位量よりも増加する。
図29の冠形保持器では、このポケット11の内面に凹み部16を設け、円環部壁面Ehを除去すると共に、ポケット部を図28等よりも肉厚にした形状である。この場合、保持器の最小断面部を増加させることにより、応力集中と変位が低下する。すなわち図29(a)に示すように、最大応力は例えば1.31×10mN/mmとなる。図29(b)に示すように、変位の最大値は例えば3.24×10−1mmとなる。
ここで、一般的なシールを付けた玉軸受の断面図を図39(a)に示す。同図より、保持器とシールとの距離δ1は、外径側つまり同図上側で広く、内径側では狭くなっている。この場合、保持器全体を軸方向つまり同図左右方向に拡大することが難しい。そこで、図39(b)に示すように、保持器外径側の背面側ポケット底の部分P1の肉厚のみを、内径側の肉厚tiよりも増加させる。これにより、シール6と保持器とが接触することなく、保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。このとき最大応力は、図30(a)に示すように、例えば1.89×10mN/mmとなる。図30(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.59×10−1mmとなる。なお、シール6と保持器の距離が近いと、保持器背面側に付着したグリースがシール6との間で引きずられ、軸受回転トルクが上昇する可能性がある。
さらなる応力集中と変位の低下を得るためには、図31に示すように、図29と図30の形状を組み合わせるとよい。具体的には、保持器最小断面部を増加させ、さらにシールとの距離が大きい保持器外径側を肉厚にした形状である。この図31の形状の保持器では、最大応力は、図31(a)に示すように、例えば1.14×10mN/mmとなる。図31(b)に示すように、変位の最大値は例えば2.21×10−1mmとなる。
ところで図31の形状では、図40に示すように、保持器を重ねたときに、爪側に相手のポケット11底側が入り込んでしまう場合がある。この場合、保持器を重ねて積み上げるときに傾くため、軸受への保持器組立工程において、大量の保持器の取り扱いが悪くなったりする。
これに対し、前述の図21〜図24のような形状とすることで、保持器の耐グリース漏洩性とポケット中央部への応力集中を低下させる機能を保ちつつ、複数の保持器を保持器軸方向に重ねたときに相手のポケット11底が不所望に入り込むのを防ぐことができる。
ポケット11底の補強部に板Htを設けた保持器では、最大応力は、図32(a)に示すように、例えば1.09×10mN/mmとなる。図32(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.59×10−1mmとなる。
前述の図23の保持器では、最大応力は、図33(a)に示すように、例えば1.18×10mN/mmとなる。図33(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.62×10−1mmとなる。このように、図23の保持器は、一般的な冠形状保持器よりも遠心力による応力集中と変位が共に低い値となっており、高速化可能となる。
前述の図24の保持器では、最大応力は、図34(a)に示すように、例えば1.18×10mN/mmとなる。図34(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.64×10−1mmとなる。この図24の保持器も、一般的な冠形状保持器よりも遠心力による応力集中と変位が共に低い数値となっており、高速化可能となる。
図25の保持器では、最大応力は、図35(a)に示すように、例えば1.69×10mN/mmとなる。図35(b)に示すように、変位の最大値は例えば1.64×10−1mmとなる。
次に、転動体遅れ進みに対する解析について説明する。
上記した高速回転可能な保持器の形状は、転動体の遅れ進みに対しても、応力集中緩和の効果がある。図36、図37には、一般的な冠形状保持器に対して、転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す。その境界条件は、図43に示すように、保持器半周に対し、保持器切断面Sd,Sdをθ方向に拘束し、ポケット11一つに対して、転動体が接触する面積にθ方向に強制変位を与えている。解析は保持器半周に対して行ったが、解析結果は強制変位を与えた一ポケット11を示している。図38、図39に、図31の形状の保持器に対して転動体の遅れ進みを模擬した変位を与えた解析結果を示す。図38、図39に示すように、図31の保持器では、ポケット11への凹み部16の付与と円環壁面Ehの除去とにより、保持器ポケット底に作用する応力が分散している。また、ポケット底面を肉厚にし、補強部を設けていることにより、応力集中の最大値の低下につながっており、結果的に変位量も低下する。同図38、図39の爪部に生じている応力は、転動体の遅れ進みを模擬した変位拘束の影響により発生しているため、無視してよい。ここでは、ポケット底部に生じる応力に注目すればよい。図36、図37の一般的な保持器の最大応力は例えば2.92×10mN/mmであるのに対し、図38、図39の保持器の最大応力は例えば1.78×10mN/mmである。
図44に示すように、図29乃至図35のいずれかの冠形保持器を組み込んだ玉軸受(図44の例では図31の保持器適用)とした場合、この玉軸受からのグリース漏れを防止できると共に、一般的な冠形状保持器を組み込んだ玉軸受よりも高速回転に耐えることができる。樹脂材からなる冠形状保持器を適用した場合であっても、前述の図29〜図35の各形状により保持器にかかる最大応力と変位量とを低下させ得る。したがって、高速化を図ることができる。
図44の玉軸受におけるグリース封入率は、内外輪2,3の静止空間に対する100%未満である。この場合、シール内径面と内輪との径方向隙間から、封入されたグリースが玉軸受から不所望に漏れ出すことを抑制できる。
この発明の一実施形態に係る玉軸受を自動車補機に適用しても良い。図45は、前記玉軸受を自動車補機であるアイドラプーリに設けた断面図である。この実施形態では、軸Shの外周に同軸受を嵌合し、この軸受によりプーリPLを回転自在に支持している。このアイドラプーリ用軸受によると、前述の玉軸受用保持器を用いることにより、グリース漏れを防止し得る。特に、図29〜図35の玉軸受用保持器を用いることにより、グリース漏れ防止を図ると共に高速化可能となる。
図46は、前記玉軸受を自動車補機であるオルタネータに設けた断面図である。この実施形態では、オルタネータONTにおいて、オルタネータ用軸受NN1,NN2にシャフトSh1が挿入され、突き出た端部にプーリPLが取り付けられている。プーリPLには、図示していない伝動ベルトが掛けられる係合溝PL1が設けられる。このオルタネータ用軸受NN1,NN2によると、前述の保持器を設けたことにより、グリース漏れを防止し得る。特に、図29〜図35の玉軸受用保持器を用いることにより、グリース漏れ防止を図ると共に高速化可能となる。
この発明の一実施形態に係る玉軸受を二輪車減速機に適用しても良い。
例えば、図47に示すように、二輪車減速機GSにおいて、車軸Sh1の一端部および他端部に同玉軸受を嵌合し、図示外の駆動源によりこの車軸Sh1は回転可能に構成しても良い。この減速機GSの軸受によると、前述の保持器を設けたことでグリース漏れを防止し、軸受の長寿命化等を図ることができる。特に、図29〜図35の玉軸受用保持器を用いることにより、グリース漏れ防止を図ると共に高速化可能となる。
図48は、この発明の一実施形態にかかる軸受を自動変速機に設けた断面図である。図49は、図48の要部である遊星歯車機構を示す断面図である。図48に示すように、自動変速機55は、ケーシング56と、入力軸57と、出力軸58と、変速機構59とを有する。入力軸57は、ケーシング56に挿通され、図示外のエンジンの回転をトルクコンバータ等を介して自動変速機55に伝達する。出力軸58は、ケーシング56に挿通され、図示外の駆動輪に連結される。変速機構59は、入力軸57の回転を任意に選択された回転比で変換して出力軸58に伝達する。
前記変速機構59のうち図47に拡大して示す遊星歯車機構60は、第1回転軸61に固定される太陽歯車62と、第2回転軸63に固定される内歯歯車64と、これら太陽歯車62および内歯歯車64間に配置される複数の遊星歯車65と、複数の遊星歯車65と軸受1を介して接続される遊星キャリア66とを有する。前記軸受1等に、この発明の実施形態にかかる軸受が適用される。
また、図50に示すように、この発明の一実施形態にかかる軸受1を無断変速機CVTに設けても良い。
1…玉軸受
2…内輪
2a…軌道面
2b…外径面部
4…玉
5…玉軸受用保持器
11…ポケット
12…環状体
13…連結部
14…ポケットの先端部
16…凹み部
26…凹み部
31…複列の玉軸受
O…保持器中心軸
PCD…玉配列ピッチ円
Ra:凹球面の曲率半径
Rb:凹み部内面の曲率半径
Rc:距離

Claims (10)

  1. 環状体の一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットを、上記環状体の円周方向複数箇所に有する冠形状の玉軸受用保持器において、上記各ポケットの内面に、前記玉に付着しているグリースを保持器の内径面で掻き取る量を減少させる凹み部を、保持器内径側のポケット開口縁から保持器外径側へ延びて設け、この凹み部の軸方向位置が、保持器を軸受に組み込んだ状態で、内輪の軌道面の肩部と略一致する位置であり、上記凹み部が、上記ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心の両側に位置して2箇所に設けられ、上記2箇所の凹み部の位置は、上記各ポケットの開口縁における保持器円周方向の中心に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所であり、上記ポケットの内面が凹球面状であり、上記凹み部の深さを、ポケット内面の凹球面の中心から上記凹み部の最深位置までの距離が、玉の半径の1.05倍以上となる深さとし、上記凹み部は、保持器内径側の開口縁から玉配列ピッチ円の付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円に近づくに従って徐々に浅くかつ幅狭となる形状である玉軸受用保持器。
  2. 請求項1において、各凹み部の内面形状が、保持器の半径方向の直線を中心とする各仮想円筒の表面に略沿う円筒面状の形状である玉軸受用保持器。
  3. 請求項1において、上記ポケットの内面が凹球面状であり、隣合うポケット間の連結部の保持器円周方向の中央位置での断面における保持器内径面上のポケット開放側とは反対側の端点の軸方向位置が、内輪の軌道面の肩部よりもその軌道面の中央側の位置である玉軸受用保持器。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、上記各ポケットの背面における保持器内径縁から保持器外径側へ延びる凹み部を設けた玉軸受用保持器。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、上記各ポケットの円周方向中央部における保持器外径側部分の軸方向厚さを、保持器内径部分の軸方向厚さよりも厚くした玉軸受用保持器。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、上記各ポケットの開放側先端部における保持器外径側先端部の軸方向への突出長を、保持器内径側先端部の軸方向への突出長よりも短くした玉軸受用保持器。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、ポケットの保持器周方向の中央におけるポケット底壁部分を、肉厚が内径側よりも外径側が厚くなる断面形状とした玉軸受用保持器。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、自動車補機に用いられる玉軸受用保持器。
  9. 請求項1ないし請求項のいずれか1項の玉軸受用保持器を組み込んだ玉軸受。
  10. 請求項において、グリースの封入率が、内外輪間の静止空間に対する100%未満である玉軸受。
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