JP5500719B2 - 座金付きナット - Google Patents
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これを避けるために、通常は、土台の表面に座刳り穴を形成し、この座刳り穴の底部においてアンカーボルトにナットを螺合して、アンカーボルトが座刳り穴内に納まるようにしていた。
このように、座金の直径よりもやや広い面積で20mm以上もの深さを有する座刳り穴を形成すると、土台の欠損部が大きくなって体裁が悪いばかりか、土台の強度も低下してしまう。
この座金付きナットを用いるには、先端が上方へ突出しないように土台に通したアンカーボルトにナットをはめ込んでから、座金上面の工具掛け穴に回転工具を係合して回転させることにより、ナットの締めこみを行なう。同時に、刃で土台表面を削って座刳り穴を形成し、座刳り穴に座金を嵌合するため、土台と座金の上面を面一に仕上げることができる。
しかしながら、近年、座金が木材に沈み込むのを防ぐため、座金の直径を60mm〜70mmの大きさにしようとする要求がある。このように座金が大型化すると、もはや通常の工具では回転させることができない。強力な工具を用いれば回転させることはできるが、工具をそれだけに用意することは職人に負担が大きく、現実的ではない。
フランジ部の厚さと凹部の深さとを同じくすることによって、フランジ部を凹部に嵌合した時、長ナットの上面と座金の上面とを面一にするとなお良い。
長ナットは、フランジ部の下面とナット部の外周面との接続部を円錐状に湾曲させて形成することにより、断面において工具掛け穴の底部周囲の肉厚を厚くすることが望ましい。
長ナットを用いたので、ボルトを木材表面から突出しないよう低めに配置しても、長ナットとボルトとの掛かりを充分に取ることができるように、ボルトの突出量が施工状況で変動しても、通常の場合、支障なく対応することができる。
座刳り穴の深さと座金の厚さを同じくしておけば、木材表面、座金の上面及び長ナットの上端面が全て面一となるので、床パネルなどの取り付けに邪魔にならず、また、体裁が良く、木材の欠損部も少なくて済む。
長ナットのフランジ部が座金の凹部に密着して押さえ込むので、長ナットによる押圧力が広い面積に分散され、強く締めこむことができる。さらに、断面において工具掛け穴の底部周囲の肉厚が大きいので、締め付け力が強くても長ナットがフランジ部から破損してしまうことが少ない。
本発明の座金付きナットは、表面に不錆処理を施した鋼等を素材とし、図1〜図3に示すように、長ナット1と、これとは別体の座金2とを備える。
長ナット1は、筒状のナット部3の上端に、これより径大のフランジ部4を一体に設けて成り(図5)、約40mmの長さ(上下寸法)を有する。
フランジ部の厚さは4.5mm程度で、フランジ部4の上面には、回転工具と係合可能な工具掛け穴5を、ナット部3のネジ孔の上端に連続して形成してある(図4)。工具掛け穴5の平面形状は、回転工具と係合した時に相対的な回転を規制するように、先端が湾曲した複数の突起を放射状に突出した花形としてある。
また、工具掛け穴5を形成したために肉厚が不足しないよう、フランジ部4の下面とナット部3の外周面との接続部を緩やかに湾曲させて、円錐状に工具掛け穴5の底部周囲の肉厚を厚くしてある(図5)。
座金2の上面に形成された凹部9は、長ナット1のフランジ部4を嵌合するためのものであり、凹部9の底部中心に長ナット1を挿通するためのナット挿通孔8が穿設されている(図6)。ナット挿通孔8の直径は長ナット1の外径より1mm程度大きくしてある。
また、凹部9とナット挿通孔8との接続部は、フランジ部4とナット部3の接続部と同じ曲率で湾曲させてある(図8)。
従って、座金2に長ナット1を挿通し、フランジ部4を凹部9に嵌合すると、長ナット1の上端面と座金2の上面とが面一になり、フランジ部4の下面が凹部9の底に密着する(図2)。
図9に示すように、土台11に穿設した透孔にアンカーボルト10を挿通して、図示しない基礎上に土台11を設置する。アンカーボルト10は、土台11よりも上方へ突出しないよう、基礎からの突出長さを短めにしてある。
その後、木工用座彫り錐を用いて、土台11の上面にアンカーボルト10を囲むように座刳り穴12を形成する。座刳り穴12は、座金2の大径部6を嵌合する部分と、小径部7を嵌合する部分と、長ナット1のナット部3を挿入する部分とが連続した形状となっている。
次いで、アンカーボルト10の上端に長ナット1のナット部3を軽くねじ入れてから、回転工具の先端に装着したビット13を工具掛け穴5に係合し、回転工具を回転させることにより、ナット部3とアンカーボルト10とを締め付ける。
ナット部3の締め込みが進行すると長ナット1は土台に対して沈み込み、ナット部3が座金2のナット挿通孔8に挿通される。そして、長ナット1のフランジ部4が完全に座金2の凹部9に嵌合し、フランジ部4の下面と凹部9の底面とが密着すると、図10に示すように、長ナット1の上面と、座金2の上面と、土台11の上面とが面一に、もしくは、長ナット1の上面が座金2の上面以下に仕上がる。
また、工具掛け穴5の平面形状は、星形や十字形であっても、四角形、六角形等の角形としても良い。
2 座金
3 ナット部
4 フランジ部
5 工具掛け穴
6 大径部
7 小径部
8 ナット挿通孔
9 凹部
10 アンカーボルト
11 土台
12 座刳り穴
13 ビット
Claims (1)
- 座金と、座金に挿通され回転が自由な長ナットとを備え、長ナットは、ナット部の上端に径大のフランジ部を一体に設けて成り、フランジ部の上面に回転工具と相対的な回転を規制して係合可能な工具掛け穴を形成し、座金の上面に長ナットのフランジ部を嵌合する凹部を形成すると共に、凹部の底部中心に長ナットを挿通するためのナット挿通孔が穿設されており、座金に長ナットを挿通してフランジ部を凹部に嵌合した時、長ナットの上端面と座金の上面とが面一もしくは長ナットの上面がそれ以下になるものとし、
長ナットは、フランジ部の下面とナット部の外周面との接続部を円錐状に湾曲させて、工具掛け穴の底部周囲の肉厚を厚くしてあり、前記凹部と前記ナット挿通孔との接続部は前記フランジ部の下面とナット部の外周面との接続部と同じ曲率で湾曲させてあることを特徴とした座金付きナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010069510A JP5500719B2 (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 座金付きナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010069510A JP5500719B2 (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 座金付きナット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011202721A JP2011202721A (ja) | 2011-10-13 |
JP5500719B2 true JP5500719B2 (ja) | 2014-05-21 |
Family
ID=44879583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010069510A Active JP5500719B2 (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 座金付きナット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP5500719B2 (ja) |
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-
2010
- 2010-03-25 JP JP2010069510A patent/JP5500719B2/ja active Active
Also Published As
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---|---|
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