JP5499565B2 - 合成樹脂製の中空成形品の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製の中空成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、DSI(Die Slide Injection)成形で製造される合成樹脂製中空製品の製造用の半中空体に関する。
近年、複雑な形状の合成樹脂製の中空製品の製造方法として、DRI(Die Rotary Injection)成形を含むDSI(Die Slide Injection)成形が知られている。
DSI成形は、1次成形において、開口縁に接合部を有する一対の半中空体を射出成形する。2次成形において、成形直後の一対の半中空体の接合部を合わせ、それらの接合部に溶融樹脂を射出して接合部相互を接合し、内部空間を有する成形品を成形する方法である。
より詳細に説明すると、2次成形において、一対の半中空体の接合部が合わされることで、一対の半中空体の開口縁の全長にわたって接合用通路が延在形成される。
また、一対の半中空体の接合部が合わされることで、接合用通路の形成と同時に、内部空間とは反対に位置する接合部の箇所に、接合用通路に溶融樹脂を射出する射出口が接合用通路の延在方向に間隔をおいて複数形成される。
そして、各射出口から溶融樹脂が接合用通路に射出され、この溶融樹脂が接合用通路の内壁部分を溶かしつつ接合用通路内を移動して接合用通路に充填される。これにより接合部相互が一体に結合され、内部空間を有する合成樹脂製の中空製品が成形される。
特開2000−309030 特開2005−288808
一方、1次成形および2次成形で用いる金型は加温され、成形直後の半中空体の温度は高いものの、2次成形において接合用通路に射出される溶融樹脂の温度は、半中空体の温度よりも高い。
そのため、2次成形において、一対の半中空体の接合部を合わせ、各射出口から接合用通路に射出された溶融樹脂は、接合用通路を流動していくに従ってその温度が低下していく。特に、接合用通路を流動していく溶融樹脂の先頭の部分の温度は最も低下する。
そして、射出された溶融樹脂の温度が低下すると、溶融樹脂により接合用通路の内壁部分を溶かしにくくなり、また、隣り合う射出口から射出され接合用通路を流動して衝突する溶融樹脂の先頭の部分相互も溶着しにくくなり、接合ムラの原因となる。
一方、このような不具合を解消するため、接合用通路へ射出する溶融樹脂の温度を高めることが考えられる。しかしながら、溶融樹脂の温度を高めると、各射出口から射出される溶融樹脂が衝突する接合用通路の内壁部分の受ける熱量が大きくなる。そのため、射出された溶融樹脂が、射出口に対向する接合用通路の内壁部分を溶かしてこの内壁部分を貫通し、内部空間に溶融樹脂が洩れ出す不具合が生じる。
このようなことから、従来のDSI成形では、接合部の長手方向に沿って接合ムラが生じ易く、接合部の長手方向の全長にわたって均一に確実に接合する上で不利があった。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、接合ムラの発生を防止し、接合部の長手方向の全長にわたって均一に確実に接合する上で有利な合成樹脂製の中空成形品の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明は、開口縁に接合部を有する一対の半中空体からなり、前記一対の半中空体の接合部は凹部を有しており、各接合部が合わされることでそれら凹部により前記開口縁の全長にわたってゲート部を除き長さ方向側面に開口端を持たないトンネル状の接合用通路が形成され、前記接合用通路に前記ゲート部から溶融樹脂が射出されることで前記接合部が接合されて構成される合成樹脂製の中空成形品の製造方法であって、前記一対の半中空体の接合部が合わされることでそれら一対の半中空体の内部に内部空間が形成され、前記各接合部は、前記内部空間寄りに位置する内壁と、前記内壁に対向して前記内部空間と反対側に位置する外壁と、前記内壁の基部と前記外壁の基部とを接続する接続壁とを有し、前記凹部はそれら内壁と外壁と接続壁とにより形成されており、前記各接合部の内壁の先部相互が合わされ、かつ、各接合部の外壁の先部相互が合わされた状態で、前記溶融樹脂の前記接合用通路への射出、充填が行なわれ、前記溶融樹脂の前記接合用通路への充填完了前記各接合部の内壁の先部相互をさらに押し付けて変形させ、かつ、各接合部の外壁の先部相互をさらに押し付けて変形させ、前記接合用通路の断面積を該接合用通路の全長にわたって縮小することで前記接合用通路に充填された前記溶融樹脂の圧力を高めるようにした合成樹脂製の中空成形品の製造方法である。
本発明では、溶融樹脂の接合用通路への充填完了、接合用通路に充填された溶融樹脂の圧力を高めることで、溶融樹脂による接合部の溶着を強制的に行なう。
(A)は中空成形品の一部を破断した斜視図、(B)は接合部の拡大斜視図である。 具体例1の説明図で、(A)は、接合用通路への溶融樹脂の射出、充填時における断面図、(B)は接合用通路への溶融樹脂の充填完了と同時に接合用通路の断面積を縮小させた状態の断面図である。 具体例2の説明図で、(A)は、接合用通路への溶融樹脂の射出、充填時における断面図、(B)は接合用通路への溶融樹脂の充填完了と同時に接合用通路の断面積を縮小させた状態の断面図である。 試験品となった中空成形品の斜視図である。 試験結果を示す図である。
以下、本発明の製造方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
本発明は、DSI成形で成形される合成樹脂製の中空成形品に適用されるものであり、中空成形品の形状は、複雑な形状のものから簡単な形状のものまで種々提供され、また、考えられるが、本発明はその全てに適用可能である。
図1(A)に示すように、中空成形品10は、開口縁に接合部14を有する一対の半中空体12から構成されている。
一対の半中空体12の接合部14が接合されることで、それらの内部に内部空間16が形成されている。
一対の半中空体12の接合部14は凹部18を有しており、各接合部14が合わされることでそれら凹部18により前記開口縁の全長にわたって接合用通路20が形成されている。
また、各接合部14が合わされることで、接合用通路20の形成と同時に、内部空間16とは反対に位置する接合部14の箇所に、接合用通路20に溶融樹脂を射出する射出口22が接合用通路20の延在方向に間隔をおいて複数形成される。
そして、金型のゲート24から射出口22を通って接合用通路20に溶融樹脂が射出されることで接合部14が接合され、合成樹脂製の中空成形品10が構成されている。
なお、図1において符号26は、接合用通路20に射出、充填された溶融樹脂を示している。
次に、DSI成形で中空成形品10を製造する場合についてその工程順に説明する。
1次成形において、開口縁に接合部14を有する一対の半中空体12を射出成形する。
図1(B)に示すように、一対の半中空体12の各接合部14は、内部空間16寄りに位置する内壁30と、内壁30に対向して内部空間16と反対側に位置する外壁32と、内壁30の基部と外壁32の基部とを接続する接続壁34とを有している。
凹部18はそれら内壁30と外壁32と接続壁34とにより形成されている。
2次成形において、一対の半中空体12の接合部14を合わせ、それら接合部14の凹部18で形成された接合用通路20に溶融樹脂を射出して接合部14相互を接合する。
より詳細に説明すると、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を高める。
本実施の形態では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に行なわれる溶融樹脂の圧力の上昇を、接合用通路20の断面積を該接合用通路20の全長にわたって縮小することで行なっている。
溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を高めることで、各射出口22から接合用通路20に射出された溶融樹脂の温度が、接合用通路20を流動していくに従って低下しても、溶融樹脂と接合用通路20の内壁30と溶着が確実になされる。これは、溶融樹脂と接合用通路20の内壁30とが大きな力で押し付けられ、溶着が強制的に行なわれるものと考えられる。
また、隣り合う射出口22から射出され接合用通路20を流動していく溶融樹脂の先頭の部分の温度が最も低下しても、衝突する溶融樹脂の先頭の部分相互の溶着が確実になされる。これは、溶融樹脂の先頭の部分相互が大きな力で押し付けられ、溶着が強制的に行なわれるものと考えられる。
したがって、接合ムラの発生を防止し、一対の半中空体12の接合部14を、その接合部14の長手方向の全長にわたって均一に確実に接合する上で有利となる。
次に、図2を参照して、溶融樹脂の圧力を上昇させるために、接合用通路20の断面積を該接合用通路20の全長にわたって縮小する構成の第1の具体例について説明する。
図2(A)に示すように、一対の半中空体12の接合部14は、内部空間16寄りに位置する内壁30と、内壁30に対向して内部空間16と反対側に位置する外壁32と、内壁30の基部と外壁32の基部とを接続する接続壁34とを有している。
凹部18はそれら内壁30と外壁32と接続壁34とにより形成されている。
一対の半中空体12の接合部14が合わされることで各接合部14の内壁30の先部相互と外壁32の先部相互が合わされ、それら接合部14の間に接合用通路20が形成される。
また、内部空間16とは反対に位置する接合部14の箇所に、接合用通路20に溶融樹脂を射出する射出口22(図1参照)が接合用通路20の延在方向に間隔をおいて複数形成される。
接合用通路20側に位置する各接合部14の内壁30の先部の箇所と各接合部14の外壁32の先部の箇所に、各接合部14が合わされる方向に対して傾斜した傾斜面30A、40Aがそれぞれ形成されている。
また、接合用通路20と反対に位置する一方の内壁30の先部の箇所と、一方の外壁32の箇所に、各接合部14の傾斜面30A相互と傾斜面40A相互が合わされた状態で、合わされる方向において、内壁30の先部間と外壁32の先部間に隙間S1、S2が生じるように切り欠きが設けられている。
各射出口22から溶融樹脂の接合用通路20への射出、充填は、各接合部14の内壁30の傾斜面30Aが合わされ、かつ、各接合部14の外壁32の傾斜面40Aが合わされた状態で行なう。
図2において、符号26は、接合用通路20に射出、充填された溶融樹脂を示している。
そして、溶融樹脂26の接合用通路20への充填完了と同時に、図2(B)に示すように、接合用通路20の断面積の縮小させ、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を高める。
この接合用通路20の断面積の縮小は、各接合部14の内壁30の傾斜面30Aをその接触状態を保って摺動させ、かつ、各接合部14の外壁32の傾斜面40Aをその接触状態を保って摺動させることで行なわれる。
この接合用通路20の断面積の縮小は、傾斜面30Aどうし、および、傾斜面40Aどうしが接触された状態で行なわれるので、円滑になされる。
接合用通路20の断面積の縮小後、内壁30の先部間の隙間S1と、外壁32の先部間の隙間S2は塞がれてなくなる。
それら傾斜面30A、40Aの摺動は、2次成形の際に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型を、互いに接近させる方向に移動させることで行なわれる。
または、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型の接合部14に相当する部分のみを、互いに接近させる方向に移動させることで行なわれる。
本実施の形態では、各接合部14の傾斜面30A相互と傾斜面40A相互が合わされた状態で、内壁30の先部間と外壁32の先部間に隙間S1、S2が設けられるので、接合用通路20の断面積の縮小がより円滑に行なわれる。
このように溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、接合用通路20の断面積を縮小させ溶融樹脂の圧力を高めることで、接合ムラの発生を防止し、接合部14の長手方向の全長にわたって均一に確実に接合する上で有利となる。
次に、溶融樹脂の圧力を上昇させるために、接合用通路20の断面積を該接合用通路20の全長にわたって縮小する構成の第2の具体例について説明する。
図3(A)に示すように、凹部18が内壁30と外壁32と接続壁34とにより形成されていること、一対の半中空体12の接合部14が合わされることで接合用通路20が形成され、また、複数の射出口22が形成される点は第1の具体例と同様である。
第2の具体例では、一対の半中空体12のうちの一方の外壁32の先部に、変形し易いように、肉厚を薄くした薄肉部32Aが形成されている。
また、一対の半中空体12のうちの他方の内壁30の先部に、向かい合う内壁30の先部よりも幅を狭くした部分30Bが形成されている。
各射出口22から溶融樹脂の接合用通路20への射出、充填は、一対の半中空体12の内壁30の先部と、内壁30の幅を狭くした部分30Bの先部とが合わされ、かつ、外壁の12の薄肉部32Aの先部と、外壁32の先部が合わされた状態で行なう。
そして、図3(B)に示すように、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、接合用通路20の断面積の縮小させ、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を高める。
この接合用通路20の断面積の縮小は、一対の半中空体12の内壁30の先部と、内壁30の幅を狭くした部分30Bの先部とをさらに押し付け、内壁30の先部を変形させ、かつ、薄肉部の先部32Aの先部と外壁32の先部とをさらに押し付け、外壁32の先部を変形させることで行なわれる。本実施の形態では、例えば、図3(B)に示すように、内壁30の幅を狭くした部分30Bが、対向する内壁30の先部に潜り込み、また、外壁32の薄肉部32Aがつぶされる変形がなされる。
それら各接合部14の内壁30、外壁32の先部どうしの押し付けは、2次成形の際に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型を、互いに接近させる方向に移動させることで行なわれる。
または、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型の接合部14に相当する部分のみを、互いに接近させる方向に移動させることで行なわれる。
なお、幅を狭くした部分30Bや薄肉部32Aを設けず、接合用通路20の断面積の縮小時に、単に、内壁30の先部どうしおよび外壁32の先部どうしを押し付けてそれら壁部を変形させてもよいが、上述のように幅を狭くした部分30Bや薄肉部32Aの少なくとも一方を設けておくと、変形し易く、接合用通路20の断面積の縮小を円滑に行う上で有利となる。
このように溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、接合用通路20の断面積を縮小させ溶融樹脂の圧力を高めることで、接合ムラの発生を防止し、接合部14の長手方向の全長にわたって均一に確実に接合する上で有利となる。
次に、実施例と比較例についての試験結果について説明する。
DSI成形により一対の半中空体12から図4に示す筒状の中空成形品10を製造した。
その際、2次成形において、溶融樹脂の接合用通路20への射出、充填を、各接合部14の内壁30の先部が合わされ、かつ、外壁32の先部が合わされた状態で行ない、このときの接合用通路20の断面積は100mmであった。
比較例1では、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を高めず、そのまま冷却し、溶融樹脂を硬化させた。
実施例1では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.005mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから98.5mmとなった。
実施例2では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.01mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから98.0mmとなった。
実施例3では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.015mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから97.5mmとなった。
実施例4では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.02mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから97.0mmとなった。
実施例5では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.025mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから96.5mmとなった。
実施例6では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.03mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから96.0mmとなった。
実施例7では、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、一対の半中空体12の外側に位置する一対の金型のうち、一方の金型を静止させておき、他方の金型を一方の金型に向けて0.035mm移動させた。この移動により、接合用通路20の断面積は100mmから95.5mmとなった。
比較例1で成形された中空成形品10を5つ作成した。
そしてそれらの中空成形品10の内部空間16への圧力を高めていき、接合部14が破壊されるときの圧力を測定した。このときの最も高い圧力は100Kg/cmであった。
実施例1から7で成形された中空成形品10をそれぞれ5つずつ作成し、それぞれの内部空間16に100Kg/cm圧力をかけた。
実施例1では5つの中空成形品10のうち、接合部14が破壊されたものが2つあった。
実施例2から6では5つの中空成形品10のうち、接合部14が破壊されたものが1つもなかった。
実施例7では5つの中空成形品10のうち、接合部14が破壊されたものが2つあった。
この実施例1〜7の試験結果を図5に示す。
図5では、破壊されなかった中空成形品10を○で示し、破壊された中空成形品10を×で示している。
なお、比較例1では、5つの中空成形品10の内部空間16に100Kg/cm圧力をかけると、全ての中空成形品10の接合部14は破壊されることになるので、図5に実施例1〜7と共に比較例1として示した。
図5に示す実施例1から7の試験結果で明らかなように、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に、溶融樹脂の圧力を高めると、溶融樹脂の圧力を高めない比較例1に比べて、接合用通路20に射出された溶融樹脂により接合部14相互を確実に溶着させる上で有利となる。
ただし、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に行なう実施例1による溶融樹脂の圧力上昇では、各射出口22から接合用通路20に射出された溶融樹脂の温度が、接合用通路20を流動していくに従って低下し、溶融樹脂と接合用通路20の内壁30とが確実に溶着されなかったものが生じたと考えられる。また、隣り合う射出口22から射出され接合用通路20を流動していく溶融樹脂の先頭の部分の温度が最も低下し、衝突する溶融樹脂の先頭の部分相互が確実に溶着されなかったものが生じたと考えられる。
また、溶融樹脂の接合用通路20への充填完了と同時に行なう実施例7による溶融樹脂の圧力上昇では、内壁30の先部相互の変形量が大きく、また、外壁32の先部相互の変形量が大きくなることから、金型を開いて中空成形品10を取り出した際に、内部残留応力により内壁30の先部どうしが互いに離れる方向に変形し、また、外壁32の先部どうしが互いに離れる方向に変形し、接合部14の接合が不十分となったものが生じたと考えられる。
これに対して実施例2から6では、溶融樹脂の圧力上昇により、溶融樹脂により接合部14相互が確実に溶着されたものと考えられる。
したがって、接合用通路20の断面積の縮小は、溶融樹脂の前記接合用通路20への充填完了時における接合用通路20の断面積を100とした場合に、接合用通路20の断面積を96以上98以下の範囲の値で行なわれることが好ましい。
なお、上記の実施の形態では、傾斜面30A、40Aをスライドさせ、あるいは、内壁30や外壁32の先部を変形させることで接合用通路20の断面積を縮小する場合について説明したが、それら内壁30、外壁32をスライドや変形させず、次のようにしてもよい。
すなわち、接続壁34を、接合用通路20の延在方向の全長にわたって、接合用通路20側に変形させて接合用通路20の断面積を縮小し、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を接合用通路20の全長にわたって高めるようにしてもよい。
または、接合用通路20の延在方向に間隔をおいた複数箇所を、それぞれ接合用通路20側に変形させて接合用通路20の断面積を縮小し、接合用通路20に充填された溶融樹脂の圧力を接合用通路20の全長にわたって高めるようにしてもよい。
10……中空成形品、12……半中空体、14……接合部、16……内部空間、18……凹部、20……接合用通路、30……内壁、32……外壁、34……接続壁。

Claims (3)

  1. 開口縁に接合部を有する一対の半中空体からなり、前記一対の半中空体の接合部は凹部を有しており、各接合部が合わされることでそれら凹部により前記開口縁の全長にわたってゲート部を除き長さ方向側面に開口端を持たないトンネル状の接合用通路が形成され、前記接合用通路に前記ゲート部から溶融樹脂が射出されることで前記接合部が接合されて構成される合成樹脂製の中空成形品の製造方法であって、
    前記一対の半中空体の接合部が合わされることでそれら一対の半中空体の内部に内部空間が形成され、
    前記各接合部は、前記内部空間寄りに位置する内壁と、前記内壁に対向して前記内部空間と反対側に位置する外壁と、前記内壁の基部と前記外壁の基部とを接続する接続壁とを有し、前記凹部はそれら内壁と外壁と接続壁とにより形成されており、
    前記各接合部の内壁の先部相互が合わされ、かつ、各接合部の外壁の先部相互が合わされた状態で、前記溶融樹脂の前記接合用通路への射出、充填が行なわれ、
    前記溶融樹脂の前記接合用通路への充填完了前記各接合部の内壁の先部相互をさらに押し付けて変形させ、かつ、各接合部の外壁の先部相互をさらに押し付けて変形させ、前記接合用通路の断面積を該接合用通路の全長にわたって縮小することで前記接合用通路に充填された前記溶融樹脂の圧力を高めるようにした、
    合成樹脂製の中空成形品の製造方法。
  2. 前記接合用通路の断面積の縮小は、前記溶融樹脂の前記接合用通路への充填完了時における前記接合用通路の断面積を100とした場合に、前記接合用通路の断面積を96以上98以下の範囲の値で行なわれる請求項記載の合成樹脂製の中空成形品の製造方法。
  3. 前記一対の半中空体のうちの一方の半中空体の接合部の外壁の先部で、前記溶融樹脂の前記接合用通路への射出、充填時に他方の半中空体の外壁の先部が合わされる箇所に、肉厚を薄くした薄肉部が形成され、
    前記接合用通路の断面積の縮小時に、各接合部の外壁の先部相互がさらに押し付けられると、前記薄肉部が変形する、
    請求項1または2記載の合成樹脂製の中空成形品の製造方法。
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