JP4256961B2 - 成形用金型装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂の成形に用いられる成形用金型装置の製造方法に係わり、特に材料通路の構成の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
合成樹脂の成形に用いられる成形用金型装置では、互いに開閉する複数の型体、例えば固定型と可動型との間に製品の成形用の製品キャビティを形成し、型体の内部に形成した材料通路を通して成形材料である樹脂を製品キャビティに充填するようにしている。
【0003】
前記材料通路は型体の内部に形成されるものであるため、材料通路が屈曲している場合、この材料通路を滑らかに屈曲させることは難しい。屈曲した材料通路を形成する場合、従来は、例えば特開平5−212758号公報などに記載されているように、金型構成材に2方向からドリルなどにより孔開け加工を施して互いに交差する孔を形成するようにしている。そして、加工された孔のうち材料通路として不要な部分は、止め栓(閉塞駒)により塞ぐようにしている。しかし、いずれにせよ孔開け加工により材料通路の屈曲部を形成するのでは、この材料通路の屈曲部は、比較的鋭く曲がったものにならざるを得ない。
【0004】
そして、材料通路の屈曲部が鋭く曲がったものになっていると、この屈曲部に樹脂が滞留しやすい。滞留した樹脂は劣化して不良なものになるが、この樹脂の劣化は、特にレンズなどの精密製品を成形する場合には問題である。また、同一の金型装置を用い、成形材料である樹脂のみを顔料ないし染料が異なったものに替えることにより、同じ形状で異なる色の製品を成形することがある。いわゆる色替えである。このような場合、次の色の製品の成形を始める前に、射出成形機からの射出(ショット)を何回か行って、固定型の材料通路内に残っている前の色の樹脂を排出しなければならないが、前述のように材料通路の屈曲部に樹脂が滞留していると、この滞留している樹脂はなかなか排出されないため、製品の成形のためではない色替えのためのショットを多数回行わなければならず、樹脂の無駄が多くなるとともに、生産性が悪くなる。一方、色替えのためのショットが少なければ、材料通路に残った前の色の樹脂が次の色の製品に混入し、成形される製品の不良を招く。
【0005】
このような問題は材料通路の屈曲部を滑らかに構成すれば改善できる。材料通路の屈曲部を滑らかに構成するための一つの手段としては、複数の金型構成材を接合してこれら金型構成材間に材料通路を形成することが考えられる。このように複数の金型構成材を接合する場合、この接合の手段としてどのような手段を用いるかが問題となる。例えば前記特開平5−212758号公報には、止め栓の接合手段として拡散接合およびろう付が記載されているが、ろう付では高い接合強度が得られない。また、特開平5−212758号公報に記載の拡散接合は、複数の金属材を加圧した状態で炉などで加熱することにより、両金属材の金属分子を相互に拡散させて接合するものであるが、このような拡散接合が可能な金属材は限定され、また、金属材全体を高温で加熱しなければならない問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、材料通路を形成するために複数の金型構成材を接合した成形用金型装置の製造方法において、前記複数の金型構成材を確実に接合できるとともに、これら金型構成材に関する制約を少なくできるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、前記製品キャビティへ通ずる屈曲部を有する材料通路であるランナーを内部に形成するとともにこのランナーを加熱してその内部の熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つヒーターを設けたマニホールドとを備え、このマニホールドで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製のランナー形成入子部材間に前記ランナーを形成する成形用金型装置の製造方法であって、
前記ランナー形成入子部材は、前記ランナーの前記屈曲部がある部分でのみ分割構成されており、このランナー形成入子部材はマニホールド本体に形成した組み込み孔に埋め込んで拡散溶接により固定され、前記拡散溶接は前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したものである。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、軸方向に移動して前記材料通路から前記製品キャビティへのゲートを開閉するバルブピンと、このバルブピンを支持するとともに内部が材料通路になったバルブケーシングとを備え、このバルブケーシング内の 材料通路は、前記バルブピンが同軸的に通る直線部と、この直線部の一端部から屈曲した入口部とを有し、前記バルブケーシングで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製の金型構成材間に前記材料通路の入口部を形成する成形用金型装置の製造方法であって、前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合する。
【0009】
前記製品キャビティへ通ずる屈曲部および分岐部を有する材料通路であるランナーを内部に形成するとともにこのランナーを加熱してその内部の熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つヒーターを設けたマニホールドとを備え、このマニホールドで、拡散溶接により互いに接合した複数の金属製のランナー形成入子部材間に前記ランナーを形成し、前記ランナー形成入子部材は、前記ランナーの前記屈曲部および前記分岐部がある部分でのみ分割構成されており、このランナー形成入子部材は、マニホールド本体に形成した組み込み孔に埋め込んで拡散溶接により固定され、前記拡散溶接は溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したものである。
【0010】
成形時には、複数の型体を型閉してこれらの型体間に製品キャビティを形成し、型体内の材料通路を通して成形材料である樹脂を製品キャビティ内に充填する。そして、製造上、複数の金型構成材間に材料通路を形成することにより、材料通路の形状の設定がより自由に行えるようになる。また、溶剤を用いた拡散溶接により複数の金型構成材を接合することにより、この接合が確実なものになるとともに、金型構成材に関する材料あるいは接合時の条件などの制約が少なくなる。
【0011】
前述のように複数の金型構成材間に材料通路を形成することにより、材料通路に屈曲部がある場合、この屈曲部を滑らかに形成することも可能になる。
【0012】
成形時には、成形材料である樹脂がマニホールドのランナーにより分配され、複数の製品キャビティにそれぞれ充填される。また、ランナー内の樹脂はヒーターの加熱により常時溶融状態に保たれる。ランナーは分岐する材料通路であることもあって、屈曲部の存在が避けられないが、前述のように複数の金型構成材間に材料通路を形成することにより、前記屈曲部を滑らかに形成することも可能になる。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の成形用金型装置の一実施例について、図面を参照しながら説明する。図1において、1は固定型、2は可動型で、型体であるこれら固定型1および可動型2は相互に図示上下方向(型開閉方向)へ移動して互いに開閉し、型閉時に相互間に複数の製品キャビティ3を形成するものである。
【0014】
前記固定型1は、図示していない射出成形機の固定側プラテンに取り付けられる固定側取付板6と、この固定側取付板6の図示下側すなわち可動型2側に枠状のスペーサブロック7を介して取り付けられた固定側受け板8と、この固定側受け板8の図示下側に取り付けられた固定側型板9とを備えている。また、前記固定側取付板6と固定側受け板8との間にはスペーサ10を介してマニホールド11が設けられている。
【0015】
このマニホールド11には、射出成形機のノズルが接続されるスプルーブッシュ12が固定されている。このスプルーブッシュ12は、固定側取付板6を貫通しており、内部が材料通路であるスプルー13になっている。なお、スプルーブッシュ12の外周面には加熱用のバンドヒーター14が設けられている。また、前記マニホールド11内には、前記スプルー13を前記複数の製品キャビティ3に分岐させる材料通路であるランナー15が形成されている。このランナー15は、屈曲部をなす第1分岐部16、第1屈曲部17、屈曲部をなす第2分岐部18および第2屈曲部19を有している。なお、これら屈曲部17,19および分岐部18の構成については後で詳述する。さらに、マニホールド11には加熱用のヒーター20が設けられている。
【0016】
また、前記固定側型板9には、複数のキャビティ入子26が埋め込まれて固定されている。これらキャビティ入子26は、それぞれ製品キャビティ3を形成するものである。また、これら各製品キャビティ3に対応させて前記固定側受け板8およびキャビティ入子26を貫通して図2に詳しく示す筒状のバルブケーシング27が設けられている。これらバルブケーシング27は、一端部に形成されたフランジ部28がマニホールド11と固定側受け板8との間に挟まれて固定されており、他端部が環状の断熱リング29を介してキャビティ入子26に固定されている。他の部分では、バルブケーシング27と固定側受け板8および固定側型板9との間には断熱用の隙間30が形成されている。ただし、断熱リング29よりも製品キャビティ3側において、隙間30は耐熱樹脂製の断熱封止キャップ31により埋められている。
【0017】
また、前記筒状のバルブケーシング27の内部は材料通路36になっている。この材料通路36は、前記型開閉方向に延びる直線部37と、この直線部37の一端部から屈曲した屈曲部としての入口部38とを有しており、この入口部38が前記マニホールド11のランナー15の最終分岐路である第2屈曲部19に連通している。なお、材料通路36の入口部38の構成については後で詳述する。一方、前記材料通路36の直線部37の他端部は、縮径されてバルブピン支持孔39になっており、このバルブピン支持孔39の周辺部には複数の凹溝40が形成されている。また、キャビティ入子26における製品キャビティ3を形成する面には、材料通路36の直線部37と同軸的に位置するゲート41が開口形成されているが、このゲート41および前記凹溝40を介して前記材料通路36が製品キャビティ3に連通するようになっている。
【0018】
さらに、バルブケーシング27の外周側には加熱用のバンドヒーター46が設けられており、このバンドヒーター46は、筒状のヒーターカバー47により外周側から覆ってある。また、バンドヒーター46に沿って温度センサー48が設けられている。
【0019】
また、各バルブケーシング27内には、前記型開閉方向を軸方向としこの軸方向に移動して前記ゲート41を開閉するバルブピン51がそれぞれ収納されている。これらバルブピン51は、バルブケーシング27のゲート41側の先端部において前記バルブピン支持孔39に常時摺動自在に嵌合しているとともに、バルブケーシング27の反対側の端部に固定されたガイドブッシュ52を摺動自在に貫通している。これにより、バルブピン51は、バルブケーシング27内の材料通路36の直線部37を同軸的に通るように支持されている。さらに、バルブピン51は、前記マニホールド11をも貫通しており、前記固定側取付板6に設けられた油圧シリンダ32により駆動されるものである。
【0020】
図1に示すように、前記可動型2は、射出成形機の可動側プラテンに取り付けられる可動側取付板61と、この可動側取付板61の図示上側すなわち固定型1側に枠状のスペーサブロック62を介して取り付けられた可動側受け板63と、この可動側受け板63の固定型1側に固定された可動側型板64とを備えている。また、この可動側型板64の固定型1側にはストリッパー板65が前記型開閉方向へ所定範囲可動に支持されている。さらに、前記可動側取付板61と可動側受け板63との間には、エジェクタ板66が前記型開閉方向へ所定範囲可動に支持されている。
【0021】
このエジェクタ板66は、ガイドピン71およびガイドブッシュ72により支持されているとともに、エジェクタ板66と可動側受け板63との間に装着されたコイルばね73により可動側取付板61の方へ付勢されている。さらに、エジェクタ板66には、射出成形機のエジェクタロッドにより固定型1の方へ押されるエジェクタロッド受け74が可動側取付板61側の面に固定されている。このエジェクタロッド受け74は、可動側取付板61を貫通している。また、エジェクタ板66に固定されたガイドピン76が可動側受け板63および可動側型板64を貫通してストリッパー板65にボルト77により固定されており、これにより、ストリッパー板65はエジェクタ板66と一体的に移動するようになっている。なお、可動側受け板63に貫通状態で固定されたガイドブッシュ78にガイドピン76が摺動自在に嵌合しており、これにより、可動側受け板63に対してストリッパー板65が確実に案内されるようになっている。
【0022】
また、前記可動側型板64にはコア入子79が埋め込まれて固定されている。これらコア入子79は前記ストリッパー板65を摺動自在に貫通して固定型1の方へ突出しており、前記固定型1のキャビティ入子26との間にそれぞれ製品キャビティ3を形成するものである。
【0023】
つぎに、前記マニホールド11のランナー15の屈曲部17,19および分岐部18の構成と、前記バルブケーシング27の材料通路36の入口部38の構成について説明する。図2から図4に示すように、マニホールド11において、金型構成材であるマニホールド本体81に組み込み孔82,83が形成されており、この組み込み孔82,83に埋め込まれて固定されたランナー形成入子84,85にランナー15の第1屈曲部17および第2分岐部18あるいは第2屈曲部19が形成されている。また、ランナー形成入子84,85は、それぞれ一対の金型構成材であるランナー形成入子部材86,87を接合したものであり、これらランナー形成入子部材86,87間にランナー15が形成されている。これは屈曲部17,19や分岐部18を滑らかな形状に形成するためである。すなわち、屈曲部17,19の外角側は滑らかな曲面17a,19aになっており、分岐部18の外角側もほぼY字形状で滑らかな曲面18aになっている。
【0024】
前記ランナー形成入子部材86,87は、いずれも鋼材(例えばS50C)などの金属材からなっているが、製造に際しては、まずランナー形成入子部材86,87の外面に機械加工などによってランナー15となる凹溝を形成する。つぎに、一対のランナー形成入子部材86,87を接合して、これらランナー形成入子部材86,87間にランナー15を形成する。さらに、このようにして内部にランナー15が形成されたランナー形成入子84,85を鋼材(例えばS50C)などの金属材からなるマニホールド本体81の組み込み孔82,83内に嵌合して接合する。これにより、マニホールド本体81内に形成されたランナー15とランナー形成入子84,85内のランナー15とが繋がる。
【0025】
そして、前記一対のランナー形成入子部材86,87相互の接合およびランナー形成入子84,85とマニホールド本体81との接合には拡散溶接を用いる。この拡散溶接では、ニッケル合金、例えばBNiなどからなる溶剤を用い、この溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間、つまり一対のランナー形成入子部材86,87間あるいはランナー形成入子84,85およびマニホールド本体81間に浸透させる。これにより、接合部において材料組織が変成を生じ、一対のランナー形成入子部材86,87相互あるいはランナー形成入子84,85とマニホールド本体81とが強固に接合される。
【0026】
また、前記バルブケーシング27における材料通路36の入口部38のある部分は、金型構成材であるバルブケーシング本体91に組み込み孔92が形成されており、この組み込み孔92に材料通路形成入子93が埋め込まれて固定されている。さらに、この材料通路形成入子93に貫通成形された組み込み孔94に前記ガイドブッシュ52が嵌合されて固定されている。そして、前記バルブケーシング本体91と材料通路形成入子93との間に材料通路36の入口部38が形成されているが、この入口部38の一部はガイドブッシュ52によっても形成されている。このようにバルブケーシング本体91および材料通路形成入子93、それにガイドブッシュ52によって材料通路36の入口部38を形成しているのは、屈曲したこの入口部38を滑らかな形状に形成するためである。
【0027】
前記バルブケーシング本体91、材料通路形成入子93およびガイドブッシュ52は、いずれも鋼材(例えばS50C)などの金属材からなっているが、製造に際しては、まずバルブケーシング本体91、材料通路形成入子93およびガイドブッシュ52の外面に機械加工などによって材料通路36の入口部38となる凹溝を形成する。つぎに、バルブケーシング本体91と材料通路形成入子93とを接合するとともに、この材料通路形成入子93にガイドブッシュ52を組み付けて、これらバルブケーシング本体91、材料通路形成入子93およびガイドブッシュ52間に材料通路36の入口部38を形成する。特にバルブケーシング本体91と材料通路形成入子93との接合には、前述したマニホールド11の場合と同様に、溶剤を用いた拡散溶接を用いる。
【0028】
成形に際しては、まず固定型1と可動型2とを型閉し、これら固定型1と可動型2との間に製品キャビティ3を形成する。その後、バルブピン51を反可動型2側へ移動させてゲート41を開放する。この状態でも、バルブピン51は、バルブケーシング27のバルブピン支持孔39に嵌合したままである。そして、射出成形機のノズルからスプルー13内に成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、スプルー13からマニホールド11内のランナー15に流入して各製品キャビティ3へと分配され、さらにバルブケーシング27内の材料通路37およびバルブピン支持孔39の周辺部にある凹溝40を通って、ゲート41から各製品キャビティ3内にそれぞれ充填される。その後、保圧を経て、バルブピン51を可動型2側へ移動させてゲート41に嵌合し、このゲート41を閉じる。
【0029】
さらに、各製品キャビティ3内に充填された樹脂すなわち製品が冷却して固化した後、固定型1と可動型2とを型開する。このとき、固定型1と可動型2とでの離型抵抗の違いにより、成形された製品は固定型1から離れ、可動型2側に留まる。その後、射出成形機のエジェクタロッドがエジェクタ板66を固定型1の方へ押すことにより、エジェクタ板66にガイドピン76を介して固定されたストリッパー板65が固定型1の方へ移動し、成形された製品を突き出し、可動型2から離型させる。
【0030】
このようにして離型された製品が取り出された後、固定型1と可動型2とを再び型閉して以上の成形工程を繰り返す。その間、スプルーブッシュ12のスプルー13、マニホールド11のランナー15およびバルブケーシング27の材料通路36内の樹脂は、それぞれヒーター14,20,46の加熱により常時溶融状態に保たれる。
【0031】
前記実施例の構成によれば、マニホールド11において、一対のランナー形成入子部材86,87を接合してこれらランナー形成入子部材86,87間にランナー15の屈曲部17,19および分岐部18を形成したので、製造上、屈曲部17,19および分岐部18の形状の設定がより自由に行えるようになり、これら屈曲部17,19および分岐部18を滑らかな形状に形成できる。また、バルブケーシング27についても、バルブケーシング本体91と材料通路形成入子93とを接合してこれらバルブケーシング本体91と材料通路形成入子93との間に材料通路36の屈曲部である入口部38を形成したので、製造上、この入口部38の形状の設定がより自由に行えるようになり、この入口部38を滑らかな形状に形成できる。
【0032】
このようにランナー15の屈曲部17,19および分岐部18や、バルブケーシング27の材料通路36の屈曲した入口部38を滑らかな形状に形成できることにより、これら屈曲部17,19および分岐部18や入口部38において成形材料である樹脂の流動抵抗が減少し、樹脂を円滑に流すことができ、樹脂の滞留も抑制できる。したがって、滞留による樹脂の劣化も防止できる。これは、特にレンズのような精密製品を成形する場合に有利である。また、例えば色替えに際しては、少ないショット数で前記屈曲部17,19および分岐部18や入口部38を含めてランナー15や材料通路36内に残った前の色の樹脂を短時間で、かつ残留なく確実に排出できる。したがって、樹脂の無駄を少なくできるとともに、生産性が向上する。また、固定型1内に残留した前の色の樹脂が次の色の樹脂に混入するようなことがなく、成形される製品の不良を防止できる。
【0033】
また、一対のランナー形成入子部材86,87を接合してなるランナー形成入子84,85をマニホールド本体81に形成した組み込み孔82,83に埋め込んで固定する構成として、屈曲部17,19および分岐部18がある部分でのみマニホールド11を分割構成するようにしたので、マニホールド11の製造が容易にできるとともに、マニホールド11の強度も高めることができ、また、マニホールド11からの樹脂漏れのおそれもより少なくできる。
【0034】
さらに、一対のランナー形成入子部材86,87の接合、ランナー形成入子84,85とマニホールド本体81との接合およびバルブケーシング本体91と材料通路形成入子93との接合には、溶剤を用いた拡散溶接を利用したので、接合を確実に行うことができ、接合強度を高めることができる。例えば、材料がS50Cである場合、50〜60kgf/mm2程度の引張強度を得ることができ、むくの母材自在の強度と同程度の強度を得られる。そして、接合状態を確実なものにできることにより、ランナー15や材料通路36内の樹脂圧は相当高くなるものである(例えば500〜1000kgf/cm2)にもかかわらず、接合部からの樹脂漏れをより確実に防止できる。また、例えば溶剤を用いない拡散接合などに比べ、接合の対象であるランナー形成入子部材86,87、マニホールド本体81、バルブケーシング本体91、材料通路形成入子93に関する材料あるいは接合時の条件などの制約を少なくできる。
【0035】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、ランナー形成入子84,85を角柱形状にしたが、ランナー形成入子の形状はそれに限るものではなく、円柱形状などであってもよい。また、前記実施例では、マニホールド11の材料通路であるランナー15の屈曲部17,19や分岐部18とバルブケーシング27の材料通路36の入口部38に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は材料通路の他の部分にも適用できる。また、例えばランナーの屈曲部を形成するにしても、この屈曲部を形成するための金型構成材の分割の仕方は前記実施例のものには限らず、様々な分割の仕方があり得る。
【0036】
【発明の効果】
請求項1の発明の成形用金型装置の製造方法によれば、互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、前記製品キャビティへ通ずる屈曲部を有する材料通路であるランナーを内部に形成するとともにこのランナーを加熱してその内部の熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つヒーターを設けたマニホールドとを備え、このマニホールドで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製のランナー形成入子部材間に前記ランナーを形成する成形用金型装置の製造方法であって、前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したので、この接合を強固に確実なものにできるとともに、金型構成材に関する材料あるいは接合時の条件などの制約も少なくできる。また、屈曲部を滑らかに形成することも可能になる。さらに、接合を強固に確実なものにできるとともに、金型構成材に関する材料あるいは接合時の条件などの制約も少なくできる。
【0037】
請求項2の発明の成形用金型装置の製造方法によれば、互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、軸方向に移動して前記材料通路から前記製品キャビティへのゲートを開閉するバルブピンと、このバルブピンを支持するとともに内部が材料通路になったバルブケーシングとを備え、このバルブケーシング内の材料通路は、前記バルブピンが同軸的に通る直線部と、この直線部の一端部から屈曲した入口部とを有し、前記バルブケーシングで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製の金型構成材間に前記材料通路の入口部を形成する成形用金型装置の製造方法であって、前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したので、この接合を強固に確実なものにできるとともに、金型構成材に関する材料あるいは接合時の条件などの制約も少なくできる。また、接合を強固に確実なものにできるとともに、金型構成材に関する材料あるいは接合時の条件などの制約も少なくできる。さらに、バルブケーシングの材料通路のように屈曲部の存在が避けられない材料通路に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用金型装置の一実施例を示す全体の縦断面図である。
【図2】同上バルブケーシング付近の縦断面図である。
【図3】同上マニホールドの一部の横断面図である。
【図4】同上マニホールドの一部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 固定型(型体)
2 可動型(型体)
3 製品キャビティ
11 マニホールド
13 スプルー(材料通路)
15 ランナー(材料通路)
17 第1屈曲部(屈曲部)
18 第2分岐部(屈曲部)
19 第2屈曲部(屈曲部)
20 ヒーター
36 材料通路
81 マニホールド本体(金型構成材)
86,87 ランナー形成入子部材(金型構成材)
91 バルブケーシング本体(金型構成材)

Claims (2)

  1. 互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、前記製品キャビティへ通ずる屈曲部を有する材料通路であるランナーを内部に形成するとともにこのランナーを加熱してその内部の熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つヒーターを設けたマニホールドとを備え、このマニホールドで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製のランナー形成入子部材間に前記ランナーを形成する成形用金型装置の製造方法であって、
    前記ランナー形成入子部材は、前記ランナーの前記屈曲部がある部分でのみ分割構成されており、このランナー形成入子部材はマニホールド本体に形成した組み込み孔に埋め込んで拡散溶接により固定され、前記拡散溶接は前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したことを特徴とする成形用金型装置の製造方法。
  2. 互いに開閉し型閉時に相互間に製品キャビティを形成する複数の型体を備えるとともに、この型体内に前記製品キャビティに通じる材料通路を形成した成形用金型装置において、軸方向に移動して前記材料通路から前記製品キャビティへのゲートを開閉するバルブピンと、このバルブピンを支持するとともに内部が材料通路になったバルブケーシングとを備え、このバルブケーシング内の材料通路は、前記バルブピンが同軸的に通る直線部と、この直線部の一端部から屈曲した入口部とを有し、前記バルブケーシングで、溶剤を用いた拡散溶接により互いに接合した複数の金属製の金型構成材間に前記材料通路の入口部を形成する成形用金型装置の製造方法であって、前記溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合し、
    前記製品キャビティへ通ずる屈曲部および分岐部を有する材料通路であるランナーを内部に形成するとともにこのランナーを加熱してその内部の熱可塑性樹脂を常時溶融状態に保つヒーターを設けたマニホールドとを備え、このマニホールドで、拡散溶接により互いに接合した複数の金属製のランナー形成入子部材間に前記ランナーを形成し、前記ランナー形成入子部材は、前記ランナーの前記屈曲部および前記分岐部がある部分でのみ分割構成されており、このランナー形成入子部材は、マニホールド本体に形成した組み込み孔に埋め込んで拡散溶接により固定され、前記拡散溶接は溶剤を加熱して溶融させ、毛細管現象により接合すべき材料間に浸透させて、これにより接合部において材料組織が変成を生じ、接合したことを特徴とする成形用金型装置の製造方法。
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