JP2007517690A - 射出圧縮成形 - Google Patents

Abstract

物品を射出圧縮成形するための金型であり、開放位置と閉鎖位置との間における相対的な接近及び離反移動のために使用時に射出成形機のプラテンに装着するための雌金型部品（１０）及びコア（１６）から構成される。雌金型部品（１０）とコア（１６）との間に封止状態を発生させるために、封止リング（２０）がコア（１６）を取り囲んでいる。コア（１６）が閉鎖位置に接近する時、コア（１６）、雌金型部品（１０）及び封止リング（２０）が協働して閉鎖金型キャビティを画定する。本発明では、封止リング（２０）は、コア（１６）が閉鎖位置に到達した後にのみコア（１６）上の先細り表面に対して封止する先細り表面（２４）を有し、コア（１６）が閉鎖位置に接近している時には、封止リング（２０）の先細り表面（２４）とコア（１６）との間に通気用クリアランスが生じるようにしている。

Description

本発明は、射出圧縮成形に関し、特にＰＣＴ公開公報ＷＯ０２／０５８９０９に記載された金型の改良に関わるものである。

本発明が関わる射出圧縮成形技術においては、精密に計量された分量のプラスチック材料が金型キャビティ内にその完全な閉鎖前に射出される。金型の部品が集合させられると同時に射出プラスチック材料が圧縮され、金型内にプラスチック材料を射出するために加えられる圧力よりも、むしろ金型を閉鎖するために加えられる力によりキャビティが満杯にさせられる。その結果として、高粘度を有する低コストのプラスチック材料の使用時でさえも、従来の射出成形よりも高い長さ‐厚さ比を達成することが可能である。このことは、本技術が、これまでは熱軟化性シート材料の真空成形又は圧力成形のような他の方法により製造される必要があったカップやマーガリン容器のような商品の製造に使用されることを可能にする。更なる利点は、低い処理温度と、キャビティを介するより早い熱損失を許容する改善されたパッキングに起因する冷却時間の大幅な短縮にある。（なお、従来、キャビティ壁からの収縮のために、熱損失の７０％がコアを介して行われるものと考えられている。）

本発明に最も近い先行技術を表すと信じられるＰＣＴ公開公報ＷＯ０２／０５８９０９には、壁の薄い物品の射出圧縮成形のために射出成形機のプラテン間に装着する金型が記述されている。金型は、成形機の固定プラテンに設けられた雌半金型と、可動プラテンに設けられると共に前記半金型を閉鎖するためのコアを保持する圧力プレートとから構成される（なお、これらの二部品を必要に応じて入れ替えることができない理由はない）。コアは、雌半金型と圧力プレートとの間に配置されたリム閉鎖リングの円筒状穴内を通過し、またそれに対して封止されている。使用に際して、圧力プレートが固定半金型に向かって前進する時、リム閉鎖リングは、コアがその終端位置に到達する前に金型キャビティを封止するように作用する。従って、プラスチック材料が金型キャビティ内に射出される時、それは、たとえコアがまだこれから金型内に完全に前進させられてその容積を最小値にまで減少するにしても、完全に封止されている。

しかしながら、実際には、コアの周囲を効果的に封止し、しかもコアが自由に通過することを許容する円筒状穴を備えたリム閉鎖リングを形成することは困難であることが知られていた。リム閉鎖リングに対するコアの確実且つ自由な移動を許容するために必要なクリアランスは、完全なシールの形成を容認するものではなく、成形物品の縁周囲に容認し難いウイットネスラインを生起させることになる。
ＰＣＴ公開公報ＷＯ０２／０５８９０９

本発明の課題は、前記背景技術に係る射出圧縮成形における前述の難点を軽減することにある。

前述の難点を軽減すること目的として、本発明は物品を射出圧縮成形するための金型を提供するものであり、開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動可能な雌金型部品及びコアと、雌金型部品とコアとの間に封止状態を発生させるためにコアを取り囲む封止リングとからなり、コアが閉鎖位置にある時に、コア、雌金型部品及び封止リングが協働して閉鎖金型キャビティを画定するようにした金型において、封止リングは、コアが閉鎖位置に到達した後にのみコア上の先細り表面に対して封止する先細り表面を有し、コアが閉鎖位置に接近している時には、封止リングの先細り表面とコアとの間に通気用クリアランスが生じるようにしたことを特徴としている。

成形に供される材料は、通常は溶融した熱可塑性プラスチック材料である。しかしながら、本発明が、更に、溶融した金属、樹脂及び熱硬化性材料の成形における応用を提供するであろうことは、この技術分野における通常の技量を有する者にとって当然自明である。実際上、材料は、最初は十分に流動性を呈して射出されることが可能であり、且つその後、冷却、加熱又は化学的キュアリングによれば硬化する如何なるものであってもよい。

本発明において、コアに対して封止する封止リングの先細り表面の目的は、コアと封止リングとの間隙を、コアに対する封止リングの自由な運動を許容しつつ金型が完全に閉鎖されるまで維持することにある。これは、米国特許６，５００，３７６により例示されるような、整合目的のために封止リング上に設けられた先細り表面と対比されるべきであり、そこでは、金型キャビティが完全に閉鎖される前に両表面が当接し、それらの間に間隙がない状態にされる。

当然ながら、「封止リング」の用語は、本文脈において円形のリングに限定されると解されるべきものではなく、該封止リングの外形は、事例ごとに、成形される物品の外形に左右されるのである。

好ましくは、コアの移動方向に対して測定される先細りの角度は、通常、５°未満であり、従ってコアの最終数ミリメータの運動期間中はコアと封止リングとの間に小さな間隙しか存在しない。コアが閉鎖位置に到達する時に残存する小さな間隙の幅は、射出材料がその中に入り込むことを許容しないが、空気が金型キャビティから漏出することを許容することになる。

空気は、金型キャビティが完全に閉鎖される前は何時でも、該キャビティから漏出することができるので、成形物品の射出成形又は射出圧縮成形に際して通常必要とされる通気間隙を全く不要にすることが可能である。通気間隙を不要にする性能は、多くの重要な利点を与える。第一に、ガスは、射出材料が通過することを許容するには小さ過ぎる通気口を通って漏出しなければならないので、該ガスは高温にまで加熱されて、通気間隙が、広範囲の保守を必要とすると共にプラスチック材料を焦がすほどに十分な高温に達し得ることであり、また第二には、通気間隙を介する空気の押し出しに起因する背圧が、射出材料の移動速度と金型の充填速度を減ずることである。

封止リングは、好ましくは、コアに対する制限された範囲の移動を許容する関係によりコア上に設けられ、そして該封止リングは、スプリング及びガス圧の少なくとも一つにより、先細り表面間の間隙の大きさを増大させるように一方向に付勢される。

本発明が、実施例により、添付図面に照らして更に説明される。
図１は、雌金型部品における金型キャビティ内部に指向した斜視図であり、
図２は、図１に示す雌金型部品に嵌合するコア部品の斜視図であり、
図３は、図１及び２に示す二個の金型部品の金型閉鎖位置における斜視図であり、
図４は、図２に示すコア部品を通る断面図であり、
図５は、図４に示す断面の一部拡大断面図であり、そして
図６は、金型閉鎖位置にある時の金型を通る断面図である。

図面は、概して平坦な基底部、円錐台形の側壁及びカップ口部を囲む逆「Ｕ」字形の縁部を有する飲用カップの形状の成形物品を製作するための射出圧縮金型用の単式コア／キャビティセットを示している。コア／キャビティセットが多数個取り用多キャビティ金型における多くのものの一つであってもよく、異なるセットが並んで配置され、及び／又は背中合わせで積層されてもよい。しかしながら、単純化のために、以下の説明は単式のキャビティ金型に言及される。

金型は、図３に示す方法で互いに嵌合する雌金型部品１０とコア部品１２とからなり、それらは、それらの間に、成形されるべき飲用カップの所要形状を有する金型キャビティを保留する。

従来の射出成形では、物品の成形は、先ず金型を完全に閉鎖することにより行われる。次に、プラスチック材料が、金型キャビティ内にそれを完全に満たすように射出される。プラスチック材料が十分に冷却する状態にされた後に金型が開放され、成形物品が取り出され、そしてサイクルが繰り返される。前記技術は、しかしながら、成形物品の長さ‐厚さ比に制限を加える。達成され得る最小の壁厚さはプラスチック材料の粘度によって変動し、成形物品の構造的な完全性のために必要とされる以上の壁厚さを有する物品を製造するためにも、より高価で低粘度のプラスチック材料が必要である。

それに比べて、射出圧縮成形では、プラスチック材料の射出末期に、コアは金型キャビティの完全な閉鎖位置にはない。コアが閉鎖位置に向かって前進している時、射出プラスチック材料は金型キャビティを満たすように強制される。プラスチック材料は、射出圧力によるよりもむしろ金型キャビティの圧縮により流動させられ、このことは先行技術の中で記述された多くの利点を与える。

射出圧縮成形は、しかしながら、従来の射出成形では遭遇しない特定のある問題を提示する。第一の問題は、複数の金型部品の整合に関するものである。従来、円錐形嵌合面は、金型が完全に閉鎖される時に互いに集中させる異なる金型部品に設けられている。しかしながら、金型が完全に閉鎖される前に、金型部品は完全には整合されていないかも知れず、換言すれば、それらは同心上にないかも知れず、或いは同軸上にないかも知れない。射出成形機の機械製造者により使用されたタイバー、又はその他の案内システムにより達成される案内は、特に、射出圧縮成形を使用する主たる目的が、カップ、マーガリン容器又はごみ箱のような物品における非常に大きな流動長さ‐厚さ比を達成することにある点に注目するとき、所要精度への整合を保証しないかも知れない。

これらの問題を克服するために、本発明に係る図示された実施態様では、三個の平坦な案内フィンガ１４が、コア部品１２に、中央の金型コア１６を精密に設定された位置において取り囲むように安定に固定されている。各案内フィンガ１４は、二つの平行な側方の位置決め断面を有する。一対の位置決め断面１４ａは各案内フィンガ１４の基部近くに配置され、他の一対の位置決め断面１４ｂは各案内フィンガ１４の自由端に配置されている。位置決め断面１４ａの幅は、位置決め断面１４ｂの幅より大きい。各案内フィンガにおける位置決め断面１４ａと位置決め断面１４ｂとの間の部分は、漸次先細り状態で図示されているが、しかしながらその部分は、その幅が位置決め断面１４ａの幅を決して上回らない限り、如何なる形状を有していてもよい。嵌合用の平行な位置決め断面１８ａ及び１８ｂが、雌金型部品１０に同様に固定されたインサート１８により画定されたＵ字形凹部の一部として配置されている。

使用に際して、射出システムに連結されていない金型部品、通常、コア部品１２は、機械プラテンに対して小規模のロストモーションを許容するような手段で設けられている。強力なスプリングの圧力が金型部品を所定位置に常時保持しているが、十分な力がそれに加われば、金型部品は側方に移動することになる。

金型が完全に閉鎖される最初の時、フィンガとインサートは互いに完全には嵌合していなくてもよく、これはコア部品に力を及ぼして、それを雌金型部品と整合する状態にする。その後、金型が完全に閉鎖される時、複数の金型部品は従来の方法で互いに完全に整合する状態に至らされる。続く作業サイクル中に、位置決め断面１４ａ及び１４ｂは、金型が完全に閉鎖される前に表面１８ａ及び１８ｂと相互に影響し合い、そして、二つの相違し且つ軸方向に離れた平面において、金型が完全に閉鎖される前に同心的集中と平行的整合の両点に関して金型部品の精密な整合を確実にするのに必要とされる金型部品の小さな相対的変位をもたらすものである。

案内フィンガ１４とインサート１８が、金型キャビティの両端において金型部品の同心的集中を確実にするとしても、それらは、金型キャビティの長さに合わせた軸方向長さを有する位置決め断面を使用することなしにそれを実行するものである。事実、金型がほぼ完全に閉鎖されるまでは、金型部品を整合させるために如何なる力も加えられることはない。このことは、それが位置決め断面に対する過剰な磨耗を回避するので、重要である。

平坦なフィンガ１４の代わりに円錐形のロッドを使用することが考えられるが、各フィンガが一平面における矯正をもたらすことのみを求められ、それによって金型部品上における位置決め断面の設置を簡素化することから、フィンガの方が好ましい。

多数個取り用多キャビティ金型においては、各個のコア／キャビティセットの周囲に案内フィンガを設けて、セットにおけるお互いに対する可能な動きを許容することが好ましい。より小さな製品の場合、二個又は四個のキャビティについて、それらが緊密に寄せ集められているならば、それらの周囲に案内フィンガを設けることが可能であるかもしれない。

本発明に係る図示された実施態様は、各金型を整合させるために三個の案内フィンガ１４を使用しているが、それより多く使用することも可能であり、好ましくは４個である。

射出圧縮成形における更に解決すべき問題は、キャビティの容積が減少している時に該キャビティ内にプラスチック材料を封じ込めることである。先行技術では、この課題は、リム閉鎖リングを使用して雌金型部分内のキャビティを孤立させ、そしてコアにリム閉鎖リングの円筒状穴内を通過させることにより達成されている。コアの周囲を効果的に封止し、しかもコアが自由に通過することを許容する円筒状穴を備えたリム閉鎖リングを作製することが困難であることから、これは満足し得る解決策ではない。リム閉鎖リングに対するコアの確実且つ自由な移動を許容するために必要なクリアランスは、完全なシールの形成を許容するものではなく、成形物品の縁周囲に容認し難いウイットネスラインを生起させることになる。

本発明に係る好ましい実施態様（図４〜６参照）では、封止リング２０がコア１６を取り囲んでいる。封止リングは、コア部品１２に拘束下に保持され、コア部品に対して、コア部品１２の移動軸方向への小規模の移動のみ可能とされている。金型内部の圧力に抗し得る強力なスプリング（又はガス圧）が、封止リング２０を雌金型部品の頂面に対して保持するように作用し、従って、如何なるプラスチック材料も金型キャビティの頂部から横方向に漏出することができない。

封止リング２０とコア１６との間の封止面は、先行技術におけるような円筒状ではなく、二つの隣接する先細り断面２２及び２４から形成され、その内、先細り断面２４は５°未満の非常に小さな角度、好ましくは１°のオーダの角度であり、先細り断面２２はより大きな先細り角度を有している。両先細り断面において、封止リング２０とコア１６との間の封止下の接触は、金型キャビティが完全に閉鎖される前には生起しない。

典型的な作業サイクルにおいては、コア１６が先ず雌金型部品１０のキャビティ内に前進し、キャビティ内の大部分の空気を排出させる。次に、精密に計量された量のプラスチック材料が金型キャビティ内に射出され、金型キャビティの底部にビスケット状物を形成する。この時間中に、コアは、射出圧力の作用により、或いはコアキャビティの移動により雌金型部品から幾分後退する。

封止リングは、コアの後退運動が、リングの最大ストロークと金型内に射出されるビスケット状物の厚さに依存して開始する前に、雌金型部品の前部と接触するに至ってもよく、或いは至らなくてもよい。仮に封止リングが雌金型部品の前部と接触する場合、コアに対するリングのストロークと後退運動の大きさに依存し、該封止リングは、後退運動の全時間又は一部のみの時間を通して雌金型部品と封止下に接触したままであってよい。

後退運動中に、コア１６は、案内フィンガ１４の作用により雌金型部品と整合する状態に保持されている。封止リング２０に対するコア１６の軸方向の移動は、先細りの封止断面２２及び２４のために、それら２者間の間隙を拡大する。しかしながら、断面２４の急激な先細り角度のために、生起する間隙の幅は、ガスをキャビティから漏出させ得る通気口として作用するためにのみ十分な広さである。

コア１６が、次に雌金型部品のキャビティ内に前進すると、プラスチック材料のビスケット状物は圧縮され、成形中の容器の縁に向かってキャビティの側壁を流上させられる。この時間中、ガスは、先ず封止リング２０とキャビティとの間隙を通して、続いて封止リング２０とコア１６との間隙を通して金型キャビティから放出される。コアがその最終位置に到達すると同時に、それと封止リング２０との間隙は、金型からのプラスチック材料の如何なる漏出も防止するために完全に閉鎖される。

先細りのフィンガ１４とＵ字形の部品１８を使用することにより達成される軸方向の精密な整合のために、プラスチック材料は、キャビティの全表面の周囲を均等な速度で流動し、実質的に同じ時間にキャビティの終端に到達する。このことは、封止リング２０がコア１６に対して移動するために必要とする距離を減少させる。

封止リングが、如何なるフラッシングも回避するために金型キャビティを効果的に閉鎖するのみならず、それが、コアと摩擦することなしにそれを実施することは注目される。更に、封止リングは、コアが閉鎖位置に到達する時に断面積を減少する通気口を与える。従って、空気がキャビティから放出される必要があるときの圧縮ストロークの開始時に、空気は先ず封止リング２０と雌金型部品１０のキャビティとの間を、それから封止リング２０とコア１６との間を自由に通過することができる。このことは、高温が通気口内に達することを回避し、コアの移動に対する空気ダンピングを軽減する。間隙が最終的に封鎖される時までに、全ての空気は金型キャビティから排出されており、シールがプラスチック材料の如何なるフラッシングも防止することになる。

雌金型部品及びコアは、本発明の理解のために、必要とされる以上に詳細に図示されているが、詳述されていない部品は一般に公知であり、それらの機能は、当技術分野における通常の技量を有するものによって詳細な説明の必要なしに理解されるものである。特に、キャビティへのプラスチック材料の射出、成形体の冷却、金型からの成形物品の取り出し及び射出成形機のプラテンに装着される金型工具類における部品の配備のような機能と連携する部品は図示されている。

記述された金型が、コアと雌金型部品とを、適宜の圧力を掛けつつ適宜の速度で互いに移動させる成形機に装着される必要があることもまた理解される。トグル作動式成形機の圧力／距離プロファイルが射出圧縮成形プロセスに理想的に好都合であることは知られていたが、他の機械が同様の圧力／距離プロファイルを達成するために組み入れられてもよい。機械が、低圧大変位モードから高圧小変位モードに円滑に変化することができないときは、更なる実現可能性は、金型と機械のプラテンとの間に所要の距離／圧力プロファイルを発生することができるモジュールを介入させることである。

雌金型部品における金型キャビティ内部に指向した斜視図である。 図１に示す雌金型部品に嵌合するコア部品の斜視図である。 図１及び２に示す二個の金型部品の金型閉鎖位置における斜視図である。 図２に示すコア部品を通る断面図である。 図４に示す断面の一部拡大断面図である。 金型閉鎖位置にある時の金型を通る断面図である。

符号の説明

１０ 雌金型部品
１２ コア部品
１４ 案内フィンガ
１６ 金型コア
１８ インサート
２０ 封止リング
２２、２４ 先細り断面

Claims (8)

1. 開放位置と閉鎖位置との間で相対的に移動可能な雌金型部品（１０）及びコア（１６）と、雌金型部品（１０）とコア（１６）との間に封止状態を発生させるためにコア（１６）を取り囲む封止リング（２０）とからなり、コア（１６）が閉鎖位置にある時に、コア（１６）、雌金型部品（１０）及び封止リング（２０）が協働して閉鎖金型キャビティを画定するようにした、物品を射出圧縮成形するための金型において、封止リング（２０）は、コア（１６）が閉鎖位置に到達した後にのみコア（１６）上の先細り表面に対して封止する先細り表面（２４）を有し、コア（１６）が閉鎖位置に接近している時には、封止リング（２０）の先細り表面（２４）とコア（１６）との間に通気用クリアランスが生じるようにしたことを特徴とする金型。
2. 請求項１に記載の金型において、コアの移動方向に対して測定される先細りの角度が５°未満である金型。
3. 請求項２に記載の金型において、コアの移動方向に対して測定される先細りの角度が実質的に１°である金型。
4. 請求項１〜３の何れかに記載の金型において、金型キャビティからガスを排気するために配備される唯一の通気間隙が、封止リング（２０）の先細り表面（２４）とコア（１６）との間の間隙である金型。
5. 請求項１〜４の何れかに記載の金型において、封止リング（２０）が、コア（１６）に対する制限された範囲の移動を可能にするようにコア上に設けられ、そして該封止リング（２０）が、スプリング及びガス圧の少なくとも一つにより、封止リング（２０）の先細り表面（２４）とコア（１６）との間の間隙の大きさを増大させるように一方向に付勢されている金型。
6. 請求項１〜５の何れかに記載の金型において、コア及び雌金型部品が軸方向に互いに整合させられることを許容するように、それらの内の少なくとも一方が射出成形機のプラテンに調節自在に装着可能とされ、複数の案内フィンガが、一方の金型部品に配備されると共に、金型部品が完全な閉鎖位置に接近している時に他方の金型部品における相補的形状の凹部内に受容されるようにコア軸周囲に分配され、各案内フィンガがその長さに沿って互いに離れて位置する二つの平行な側方の位置決め断面を有し、案内フィンガの自由端により近い位置決め断面が他方のものよりも狭く、また各位置決め断面の長さが、射出プラスチック材料の圧縮が行われている間におけるプラテンのストロークの最終部分に少なくとも等しくなるようにした金型。
7. 請求項６に記載の金型において、二つの平行な側方の位置決め断面間に延びる各案内フィンガの部分が連続的な先細り形状を呈する金型。
8. 請求項６又は７に記載の金型において、各案内フィンガが平坦であって、コアに固定され、また凹部が、雌金型部品に取り外し可能に固定された平坦なインサート内に形成された金型。

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