以下、本発明に係る画像管理システム、画像管理サーバ、レポート作成装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、病院内のシステムの一部を抜き出した構成図である。図1に示すように、病院内のシステムは、ネットワークNに、画像データベースを備える画像管理サーバ200と、保管手段たる複数の画像記憶装置300とが接続されている。画像管理サーバ200と画像記憶装置300は、通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークを介してデータ通信可能となっている。さらにネットワークNに、レポート作成装置100、及びクライアント端末400が接続される。レポート作成装置100、及びクライアント端末400は、それぞれ通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークを介して互いにデータ通信可能となっており、また画像管理サーバ200や複数の画像記憶装置300とも互いにデータ通信可能となっている。
このシステムは、医用画像の保管及び削除を行う画像管理システム(PACS)であり、また、作成された医用レポートをクライアント端末400に取得させるシステムである。レポート作成装置100は、医用レポートの作成において、所望の医用画像を画像管理サーバ200及び画像記憶装置300とデータ通信することにより取得し、医用レポートにリンク付けとして画像リンク情報を記述する。クライアント端末400は、所望の医用レポートをレポート作成装置100から取得し、画像リンク情報を画像管理サーバ200に送信する。画像管理サーバ200は、画像リンク情報を検索キーとして、画像データベースを検索し、医用画像の格納位置情報を取得し、クライアント端末400に送信する。クライアント端末400は、格納位置情報に対応する画像記憶装置300と通信を行い、医用画像を取得する。
本実施形態においてこのシステムは、さらに、レポート作成装置100により作成された医用レポートにリンク付けされた医用画像を削除対象から除外して、画像管理システムの削除処理から保護するシステムとなる。以下、この医用レポートにリンク付けされた医用画像を削除対象から除外して、削除処理から保護する技術について説明する。
図2は、レポート作成装置100の構成図である。レポート作成装置100は、ネットワークに接続されるワークステーション装置を備える。ワークステーション装置には、入力装置としてキーボード160、マウス170が接続され、表示装置として医用レポートモニタ190、参照情報モニタ180を備える。
ワークステーション装置は、処理部110、主記憶部140、送受信部130、入出力IF部150、外部記憶部120を備える。処理部110は、いわゆるCPUであり、外部記憶部120に記憶されているプログラムに従って演算を行い、各周辺部120乃至150を制御する。主記憶部140は、例えば半導体メモリ等のRAMであり、処理部110の作業領域として、プログラム、若しくは処理部110の演算による演算結果、又はデータが展開される。送受信部130は、例えばLANカードやモデム等のネットワークアダプタであり、ネットワークNを介して他の装置とデータ通信を行う。入出力IF部150は、キーボード160やマウス170の入力操作に対応した指示情報を受け付け、また医用レポートモニタ190や参照情報モニタ180にモニタ表示情報を出力する。
外部記憶部120は、いわゆる光磁気ディスク(MOD)や磁気ディスク(HDD)であり、コンピュータをレポート作成装置100として実現させるプログラム、及び作成された医用レポートが記憶される。尚、作成された医用レポートの記憶は、ネットワーク上に接続される他のコンピュータ、いわゆるレポートサーバの外部記憶部120で行ってもよい。
レポート作成装置100は、処理部110にて外部記憶部120に記憶されたプログラムに従った演算を行うことで、医用レポートを作成し、作成した医用レポートを記憶する装置として機能する。また、本実施形態においては、作成した医用レポートに医用画像のリンク付けがなされている場合、リンク付けされた医用画像を削除対象から除外するために、リンク付けされた医用画像を特定する情報として画像リンク情報を画像管理サーバ200に送信する。すなわち、レポート作成装置100は、レポート作成手段111、画像リンク情報抽出手段112、送受信制御手段113を備える。
レポート作成手段111は、読影する医用画像を参照情報モニタ180に表示させ、医用レポートモニタ190に作成中の医用レポートを表示させ、装置操作者のキーボード160やマウス170等を用いた医用レポート作成操作に応じた医用レポートを作成する。医用レポートにリンク付けする医用画像があれば、リンク付けする医用画像の画像リンク情報を医用レポートに記述する。
画像リンク情報抽出手段112は、医用レポートに記述された画像リンク情報を抽出する。装置操作者がキーボード160やマウス170を用いて設定する除外設定を予め保持していれば画像リンク情報の抽出処理を行う。
画像リンク情報は、画像管理サーバ200のホスト名やIPアドレス、医用画像ID、シリーズID、検査ID、患者IDが対になった情報である。図3は、作成された医用レポートのソースである。図3に示すように、医用レポートには、リンク標識とともにこの画像リンク情報が記述される。例えば、図3に示す医用レポートでは、少なくとも画像リンク情報Aが記述されており、画像リンク情報Aは、画像管理サーバ200のホスト名、医用画像IDである「00002」、シリーズIDである「001」、検査IDである「002」、患者IDである「00292」が対になって含まれている。
尚、シリーズとは、DICOM規格上の医用画像の最小単位グループであり、撮影した部位毎、画像発生時刻、スライス厚、造影剤の有無、X線CT装置の場合の再構成関数、所定の付帯情報が同一であるもの、X線CT装置の場合の同一寝台移動方向で撮影されたもの、医用画像IDの偶数奇数、又は画像のヒストグラムによる部位判定によって分けられるグループであり、シリーズIDはそのように分けられたグループ名である。
画像リンク情報抽出手段112は、外部記憶部120に記憶されている医用レポートを主記憶部140に展開して記述を順次読み込む。医用レポートからリンク標識や画像管理サーバ200のホスト名やIPアドレスの記述を検索し、画像リンク情報を抽出する。抽出した画像リンク情報を別途主記憶部140に記憶させておくことで画像リンク情報の抽出を完了する。
画像リンク情報の抽出は、削除処理から除外する範囲に応じて、画像リンク情報に含まれる情報の一部又は全部を抽出する。削除処理から除外する範囲は、除外設定として予め保持している。図4は、除外設定を説明する図である。画像リンク情報抽出手段112は、図4に示す、除外する範囲Bと、抽出すべき画像リンク情報の内容Cとを対応させた除外設定D1乃至4の何れかを予め保持している。画像リンク情報抽出手段112は、保持している除外設定に従い、抽出する画像リンク情報の内容に従って画像リンク情報に含まれる情報の一部又は全てを抽出する。
例えば、除外する範囲が医用レポートにリンク付けされた医用画像単体の場合、すなわち除外設定D1の場合には、抽出すべき画像リンク情報の内容として、医用画像ID、シリーズID、検査ID、及び患者IDを抽出する。医用レポートにリンク付けされた医用画像が属するシリーズ全体を除外する範囲としている場合、すなわち除外設定D2の場合には、抽出すべき画像リンク情報の内容として、シリーズID、検査ID、患者IDを抽出する。医用レポートにリンク付けされた医用画像が属する検査全体を除外する範囲としている場合、すなわち除外設定D3の場合には、抽出すべき画像リンク情報の内容として、検査ID、患者IDを抽出する。医用レポートにリンクされた医用画像の撮影対象となった患者に関する医用画像の全てを除外する範囲としている場合、すなわち除外設定D4の場合には、抽出すべき画像リンク情報の内容として、患者IDを抽出する。
送受信制御手段113は、送受信部130を制御して、他の装置とのデータ通信を制御する。画像管理サーバ200に対して、抽出した画像リンク情報を送信する制御を行う。このとき、画像リンク情報で特定される医用画像を削除対象から除く処理を行わせる制御命令である画像プロテクト命令が生成されて、画像リンク情報とともに送信される。図5の(a)乃至(c)は、画像管理サーバ200へ送信する送信データのデータ構造を示す図である。図5の(a)乃至(c)に示すように、画像プロテクト命令Eに画像リンク情報Fが付加されて送信データとなり、画像管理サーバ200に送信される。図5の(b)及び(c)は、送信データの具体例であり、詳細は後述する。
この送信データは、画像管理サーバ200に対して、画像リンク情報に対応する画像データベースのレコードに削除防止属性を付与することを要求する制御命令となる。
尚、この送受信制御手段113は、画像プロテクト命令と画像リンク情報を送信する制御を行うほか、読影する医用画像を取得するためにレポート作成手段111により生成された所望の医用画像を特定する情報を画像管理サーバ200へ送信する制御、画像管理サーバ200から送信された所望の医用画像の格納位置情報を受信する制御、格納位置情報に対応する格納位置にアクセスして医用画像を受診する制御を行う。
レポート作成装置100の医用レポート作成及び画像リンク情報送信手順について、図6に基づき説明する。
図6において、まずネットワークNを通じて医用画像に対する医用レポート作成の依頼を受けると(S101)、医用レポートモニタ190に医用レポート作成画面を表示し(S102)、参照情報モニタ180に医用レポート作成の際に参照される医用画像を表示する(S103)。ここで、医用レポートに記入する書誌的事項については、装置操作者のキーボード160やマウス170を用いた記入操作、記載事項の自動複写操作、予め登録されている情報の選択指定操作に従って作成される。また、参照情報モニタ180には、参照する医用画像として読影する医用画像のほか、参考にするコンテンツとして過去の医用レポート、過去の医用画像、履歴情報等を表示する。
医用レポートモニタ190に表示される医用レポートには所見欄が設けられており、参照している医用画像に対する所見を所見欄に記入する操作を行うことで、所見欄に入力された文字列が配列される(S104)。文字列が配列された状態で、参照情報モニタ180に表示されている医用画像、過去の医用レポート、履歴情報等を特定の文字列にリンク付けするために、まずリンク付けしようとする文字列にカーソルを合わせてリンク対応範囲を特定する(S105)。
次に参照情報モニタ180に表示されているコンテンツの中でリンクさせようとするコンテンツを指定するドラッグ操作入力を行う(S106)。そして、ドラッグ表示アイコンを表示して(S107)、医用レポート作成画面のリンク付け対応範囲表示部分にドロップ操作することで(S108)、文字列が指定されたとき、当該コンテンツのリンク情報、ドロップ操作の対象が医用画像であれば画像リンク情報をハイパーリンクの形式で張り付ける(S109)。同時にハイパーリンクが設定されたリンク対応範囲の文字列の色を変更しかつ下線を伏して識別表示する(S110)。
続いて、他に参照しているコンテンツをリンクさせたい文字列があるか判断し(S111)、リンクさせたい文字列がある場合には、(S111,Yes)、S105のリンク対応範囲を特定する処理に戻り、リンクさせたい文字列がない場合には(S111,No)、所見文字列の入力が終了したものとして医用レポートを保存する(S112)。
医用レポートが保存されると(S112)、除外設定を予め保持しているか判断する(S113)。除外設定がない場合(S113、No)、一連の処理は完了する。除外設定がある場合(S113,Yes)、除外設定から、抽出する画像リンク情報の内容を認識する(S114)。尚、予め除外設定していない場合、又は装置操作者による操作によって設定変更が要求された場合は、除外設定を施す表示画面をモニタに表示し、キーボード160やマウス170を用いた除外設定の入力を受け付けるようにしてもよい。
次に、保存された医用レポートの記述を順次読み込み、リンク標識や画像管理サーバ200のホスト名やIPアドレスといった画像リンク情報の標識を検索する(S115)。医用レポートの読み込み範囲に標識がない場合は(S116,No)、医用レポートの全範囲の読み込みが終了しない限り(S118,No)、医用レポートの記述を順次読み込んでいき、読み込み範囲での標識検索(S115)を繰り返す。
該当する標識が見つかった場合(S116,Yes)、S114で決定した、抽出する画像リンク情報の内容に従って、画像リンク情報のうち、医用画像ID、シリーズID、検査ID、患者IDの一部又は全部を抽出する(S117)。
医用レポートの全記述の読み込みが終了し(S118,Yes)、医用レポートにリンクされた全画像リンク情報が抽出されると、抽出した各画像リンク情報を引数とした画像プロテクト命令を生成する(S119)。
画像リンク情報が抽出され、画像プロテクト命令が生成されると、画像プロテクト命令及び画像リンク情報を画像管理サーバ200へ送信し(S120)、一連の処理を終了する。
このように、レポート作成装置100は、医用レポートが作成されると、医用レポートから画像リンク情報を抽出し、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除くために、抽出した画像リンク情報を画像管理サーバ200へ送信する。この画像リンク情報の送信により、レポート作成装置100は、画像管理サーバ200に対して医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除くことを要求し、かつ医用レポートにリンクされた医用画像を特定する情報を報知することとなる。
次に、画像管理サーバ200について詳細に説明する。図7は、画像管理サーバ200の構成図である。画像管理サーバ200は、ワークステーション装置を有し、処理部210、主記憶部220、外部記憶部230、送受信部240を備える。ワークステーション装置には、マンマシンインターフェース部250が接続される。
マンマシンインターフェース部250は、キーボードやマウス等の入力手段と、画面を表示するモニタで構成され、装置操作者と対話を行うものである。外部記憶部230は、コンピュータを画像管理サーバ200として実現させるプログラム、画像データベース、及び登録処理のために医用画像が一時的に記憶される。
図8は、画像管理サーバ200の機能ブロック図である。画像管理サーバ200は、処理部210により外部記憶部230に記憶されたプログラムに従った演算を行うことで、医用画像を登録若しくは削除し、また医用画像の格納位置をクライアント端末400に報知する装置として機能する。尚、登録とは、一時的に外部記憶部230に格納した医用画像を画像記憶装置300に送信して記憶させ、記憶させた医用画像のレコードを画像データベースに加えて更新することである。すなわち、画像管理サーバ200は、図8に示すように、医用画像格納手段212と医用画像登録手段211とサーバ側削除手段214と画像データベースと送受信制御手段215を備える。
医用画像格納手段212は、ネットワークNに直接又は間接的に接続する画像作成装置や古い画像管理サーバ200から送信された医用画像を一時的に格納する。
医用画像登録手段211は、医用画像格納手段212に格納されている医用画像の記憶先を特定する画像格納位置情報を生成して送信制御手段を介して当該医用画像を送信し、また画像データベースに新たに当該医用画像のレコードを作成する。
画像データベース213は、画像記憶装置300に記憶されている医用画像のレコードをデータベースとして記憶する。図9の(a)及び(b)は、いずれも画像データベース213を示す図である。レコードナンバーが付された医用画像のレコードは、医用画像の登録日11、検査日12、最終アクセス日13、患者ID14、検査ID15、シリーズID16、医用画像ID17、及び画像格納位置情報18を対にしたデータ集合である。
例えば、レコードNo.3は、登録日11が「91/02/01」、患者ID14が「00292」、検査ID15が「002」、シリーズID16が「001」、医用画像ID17が「00002」の医用画像が画像格納位置情報18として「アドレスAAC」に格納されていることを示している。
また、画像データベース213は、削除防止付与手段たるデータベース管理システムとして、レポート作成装置100から画像プロテクト命令と画像リンク情報が送信されると、画像リンク情報を検索キーとして該当する医用画像全てに削除防止属性を付与して画像データベースを更新する。
例えば、図9の(a)では、「レコードNo.3」の医用画像に削除防止属性19が付与されている。レポート作成装置100がレコードNo.3に相当する医用画像の画像リンク情報をレポートに記述し、削除対象から除外する範囲が医用レポートにリンク付けされた医用画像単体を削除対象から除外する内容である場合は、画像プロテクト命令と患者ID「00292」、検査ID「001」、シリーズID「001」、医用画像ID「00002」を含む画像リンク情報が送信される。画像データベース213では、この画像リンク情報に該当する「レコードNo.3」の医用画像のみに削除防止属性19が付与される。
また、例えば、図9の(b)では、レコードナンバー2乃至4に削除防止属性19が付与されている。レポート作成装置100がレコードNo.3に相当する医用画像の画像リンク情報をレポートに記述し、医用レポートにリンクされた医用画像が属するシリーズ全体を削除対象から除外する内容である場合は、画像プロテクト命令と患者ID「00292」、検査ID「001」、シリーズID「001」を含む画像リンク情報が送信される。画像データベース213では、この画像リンク情報に該当するレコードナンバー2乃至4の医用画像に削除防止属性19が付与される。
画像リンク情報が医用レポートにリンクされた医用画像が属する検査全体を削除対象から除外する内容であった場合、及び医用レポートにリンクされた医用画像の撮影対象である患者に関する全ての医用画像を削除対象から除外する内容であった場合も、同様にレポートにリンクされた医用画像が属する検査属性や患者属性と同一の検査属性又は患者属性を有する全てのレコードに対して削除防止属性を付与する。
また、画像データベース213は、検索手段たるデータベース管理システムとして、サーバ側削除手段214が医用画像削除のために生成した検索キーにより画像データベースを検索して、該当する医用画像のレコードに記録されている画像格納位置情報を読み出して、サーバ側削除手段214に送出する。
尚、画像データベース213は、PACSとしての機能として、クライアント端末400から医用画像を要求する検索キーが送信されると、画像データベースから検索キーに該当する医用画像を検索し、検索により該当した医用画像のレコードに記録されている画像格納位置情報を読み出して、送信制御手段を介してクライアント端末400に送信する。
サーバ側削除手段214は、予め保持する削除処理開始タイミング及び削除条件に従い医用画像を画像記憶装置300から削除する制御を行う。削除処理開始タイミングが到来すると処理を開始し、削除条件を検索キーとして画像データベース213に送出する。検索キーに該当する医用画像のレコードに記録されている画像格納位置情報が画像データベース213により読み出されると、この画像格納位置情報を取得し、画像削除命令を生成して画像格納位置情報を付加する。そして、画像削除命令と画像格納位置情報を送受信制御手段215を介して画像記憶装置300に送信する。
図10は、(a)(b)いずれもサーバ側削除手段214により送受信制御手段215を介して送信される送信データのデータ構造を示す。図10に示すように、送信データは、画像削除命令Gと、取得した画像格納位置情報Hで構成され、画像記憶装置300に送信される。図10の(a)(b)で示す具体例については後述する。
削除処理開始タイミングは、マンマシンインターフェース部250を用いて装置操作者と対話することにより作成される。サーバ側削除手段214は、削除キューの登録設定画面をモニタに表示させ、装置操作者がキーボードやマウス等を用いて削除処理開始タイミングを時刻で設定する入力操作を行うことで、削除処理開始タイミングが設定される。
削除条件も同様にマンマシンインターフェース部250を用いて装置操作者と対話することにより作成される。サーバ側削除手段214は、削除キューの登録設定画面をモニタに表示させ、装置操作者がキーボードやマウス等を用いて削除条件を設定する入力操作を行うことで、削除条件が設定される。削除条件は、例えば、所定の患者IDに対応する医用画像を削除する、検査日付若しくは登録日付又は最終アクセス日が所定の日付以前である医用画像を削除する等である。
図11は、削除キューの登録設定画面を示す図である。この画面上では、曜日単位で削除処理の起動を設定し、開始及び終了時刻を設定する。例えば、図11では、日曜日、水曜日、木曜日、土曜日の20時00分から23時00分までが削除処理の実行タイミングとなる。また、この画面上では、医用画像の検査、登録、最終アクセスのいずれの日付を削除条件として参照するか設定し、削除対象とする日付の古さの程度を設定する。また、削除する医用画像の患者属性を設定する。例えば、図11では、登録日付が10年前以前である医用画像と、患者IDが「00292」である医用画像とを削除対象として設定している。
送受信制御手段215は、送受信部240を制御して、他の装置とのデータ通信を制御する。医用画像格納手段212に格納されている医用画像を医用画像取得手段211が生成した画像格納位置情報で特定される画像記憶装置300へ送信させる制御を送受信部240に対して行う。
また、送受信制御手段215は、サーバ側削除手段214が生成した画像削除命令と取得した画像格納位置情報とを、画像格納位置情報に記述されている画像記憶装置300へ送信させる制御を送受信部240に対して行う。
画像管理サーバ200の削除防止属性を付与する手順について、図12に基づき説明する。まず、レポート作成装置100から画像プロテクト命令と画像リンク情報が送信されると(S201,Yes)、画像リンク情報を検索キーとして画像データベース213を検索する(S202)。
該当する医用画像が見つかると(S203,Yes)、該当した医用画像のレコード全てに対して削除防止属性を付与して画像データベース213を更新する(S204)。
画像データベース213が更新されると、医用レポートにリンクされた医用画像、又は医用レポートにリンクされた医用画像が属するシリーズ全て、検査名全て、医用レポートにリンクされた医用画像の撮影対象となった患者に関する医用画像全てが削除対象から除外されたことを通知するデータ通信をレポート作成装置100に対して行い(S205)、一連の処理を終了する。
画像管理サーバ200の医用画像削除手順について、図13に基づき説明する。まず、削除処理開始タイミングが到来すると(S301,Yes)、削除条件に該当し、かつ削除防止属性が付与されていない医用画像を検索する検索キーを生成し、当該検索キーにより画像データベース213から該当する医用画像を検索する(S302)。
検索により該当する医用画像のレコードが見つかると(S303,Yes)、そのレコードに記録されている画像格納位置情報を読み出し(S304)、画像削除命令を生成する(S305)。
次に、読み出した画像格納位置情報に含まれている画像記憶装置300を特定する情報に該当する画像記憶装置300に、画像削除命令と画像格納位置情報を送信し(S306)、一連の処理を終了する。
画像削除命令と画像格納位置情報を受信した画像記憶装置300では、画像削除命令に従って、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像を削除する。
このように、画像管理サーバ200は、画像リンク情報がレポート作成装置100から送信されると、画像リンク情報に該当する医用画像のレコードを画像データベース213から検索し、該当する医用画像に削除防止属性を付与して画像データベース213を更新する。
また、削除処理開始タイミングが到来すると、所定の日付より古い検査日や登録日や最終アクセス日を有し、かつ削除防止属性が付与されていない医用画像のレコード、又は所定の患者IDを有し、かつ削除防止属性が立てられていない医用画像のレコードを検索することで、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除き、それ以外の医用画像で削除条件に合致した画像を削除対象とする。
画像管理システムの動作を説明する。図14に示すように、画像管理システムでは、まず、レポート作成装置100にて、例えば図3に示す医用レポートが作成される(S401)。医用レポート作成が終了し、作成した医用レポートが保存されると(S402)、医用レポートに記述された画像リンク情報を抽出する(S403)。
例えば、画像リンク情報として、図3に示す医用レポートから[医用画像ID:00002]&[シリーズID:001]&[検査ID:002]&[患者ID:00292]が含まれた画像リンク情報が抽出される(S404)。
さらに画像プロテクト命令を生成して、抽出した画像リンク情報とともに画像管理サーバ200へ送信する(S405)。例えば、除外設定による除外対象が医用画像単体である場合には、図5の(b)に示すように、画像プロテクト命令に[医用画像ID:00002]&[シリーズID:001]&[検査ID:002]&[患者ID:00292]を付加して画像管理サーバ200へ送信する。また、例えば、除外設定による除外対象がシリーズ全体である場合には、図5の(c)に示すように、画像プロテクト命令に抽出した[シリーズID:001]&[検査ID:002]&[患者ID:00292]を付加して画像管理サーバ200へ送信する。
画像管理サーバ200は、画像リンク情報が送信されると、画像リンク情報に該当する医用画像を画像データベースから検索し(S406)、該当する医用画像が見つかると(S407)、該当する医用画像のレコードに削除防止属性を付与して医用画像データベース213を更新する(S408)。例えば、図5の(b)に示す画像リンク情報が送信された場合、図9の(a)に示すレコードNo.3がこの画像リンク情報に該当して抽出され、この医用画像に削除防止属性が付与される。また、図5の(c)に示す画像リンク情報が送信された場合は、図9の(b)に示すレコードNo.2乃至4がこの画像リンク情報に該当して抽出され、これら医用画像に削除防止属性が付与される。
次に、画像管理サーバ200において、削除開始タイミングが到来すると(S409)、削除条件に該当し、かつ削除防止属性を付与されていない医用画像を画像データベースから検索し(S410)、該当するレコードを検出する(S411)。例えば、図9の(a)に示す画像データベース213において、2005年2月1日に削除開始タイミングが到来し、10年前の登録日を有する医用画像を削除する削除条件が設定されている場合、レコードNo.1乃至5及び1000乃至1003が該当するが、レコードNo.3には削除防止属性が付与されており、検出されるのは、レコードNo.1、2,4,5及び1000乃至1003となる。また、図9の(b)に示す画像データベースにおいて、[患者ID:00292]を有するレコードを削除する削除条件が設定されている場合、レコードNo.1乃至5が該当するが、レコードNo.2乃至4には削除防止属性が付与されており、検出されるのは、レコードNo.1及び5となる。
検索により該当した医用画像が見つかると、該当する医用画像のレコードから画像格納位置情報を取得し、画像削除命令を生成して、取得した画像格納位置情報とともに画像記憶装置300に送信する(S412)。ここで、図9の(a)においてレコードNo.1、2,4,5及び1000乃至1003が検出された場合は、これら医用画像のレコードに記録されている画像格納位置情報である「アドレスAAA」、「アドレスAAB」、「アドレスAAD」、「アドレスAAE」、「アドレスBBA」、「アドレスBBB」、「アドレスBBC」、「アドレスBBD」が取得されて図10の(a)に示す送信データとして画像記憶装置300へ送信される。また、図9の(b)においてレコードNo.1及び5が検出された場合は、これら医用画像のレコードに記録されている画像格納位置情報である「アドレスAAA」、「アドレスAAE」が取得されて図10の(b)に示す送信データとして画像記憶装置300へ送信される。
画像記録装置では、受信した画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶された医用画像を削除して(S413)、一連の処理は終了する。
このように、画像管理システムでは、医用レポートを作成すると、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除外し、医用画像の削除処理時に、削除対象から除かれておらずかつ所定の削除条件を満たす医用画像を削除する。レポート作成装置100では、医用レポートを作成すると、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除外するために画像管理サーバ200に画像リンク情報を送信する。画像管理サーバ200では、画像リンク情報に該当する医用画像に削除防止属性を付与し、削除対象を検索する際に削除防止属性を有する医用画像を除く。従って、医用レポートにリンクされた医用画像が削除されてしまうことを防止でき、医用レポート内の情報が欠落することなく、正確に医用レポートの内容を伝達することができる。
尚、レポート作成装置100が医用レポートを作成するコンピュータと医用レポートを保管するサーバで構成される場合は、医用レポートを保管するサーバが画像リンク情報を検索して画像管理サーバ200に送るようにすればよい。また、レポート作成装置100が画像管理サーバ200に医用レポートをまるごと送信するようにしてもよい。異様レポートをまるごと送信する場合は、レポート作成装置100の画像リンク情報抽出手段112を画像管理サーバ200が備えるようにし、送信された医用レポートから画像リンク情報を取得し、この画像リンク情報に基づいて画像データベース213に削除防止属性を付与する処理を行ってもよい。
レポート作成装置100にも画像データベース213に含まれる画像データベース213を管理するシステムを備えるようにし、画像管理サーバ200の画像データベース213を直接操作して削除対象の医用画像の抽出及び削除防止属性の付与を行ってもよく、この場合は、画像プロテクト命令と画像リンク情報を画像管理サーバ200に送信しなくともよい。レポート作成装置100が医用レポートを作成するコンピュータと医用レポートを保管するサーバで構成される場合は、医用レポートを保管するサーバにも削除防止属性を付与する画像データベース管理システムを備えるようにする。
(第2の実施形態)
本実施形態の画像管理サーバ200では、削除防止属性の付与を行わず、画像記憶装置300に削除防止命令を送信するものである。また、削除条件に基づく画像データベースの検索時に、削除防止属性が付与されているレコードを除く検索は行わない。
すなわち、画像データベースは、画像プロテクト命令と画像リンク情報が送信されると、画像リンク情報に対応するレコードに記録されている画像格納位置情報を抽出する。サーバ側削除手段214は、画像プロテクト命令が送信されると、削除防止命令を生成し、画像格納位置情報とともに送受信制御手段を介して画像記憶装置300に送信する。
また、サーバ側削除手段214は、医用画像の削除処理時、削除防止属性を有する医用画像を除く検索依頼を画像データベースに対して行わず、設定された削除条件のみをもって画像格納位置情報を取得し、削除命令をともに画像格納位置情報を抽出する。
図15は、画像管理サーバ200の削除防止命令を送信するフローチャートである。図15に示すように、まず、レポート作成装置100から画像プロテクト命令とともに画像リンク情報が送信されると(S501,Yes)、画像リンク情報を検索キーとして画像データベースを検索する(S502)。該当する医用画像のレコードが検出されると(S503,Yes)、該当する医用画像のレコードに記録されている画像格納位置特定情報を取得する(S504)。画像格納位置特定情報を取得すると、削除防止命令を生成し(S505)、画像格納位置特定情報とともに、画像記憶装置300に送信し(S506)、一連の処理を終了する。
画像管理サーバ200の医用画像削除手順について、図16に基づき説明する。まず、削除処理開始タイミングが到来すると(S601,Yes)、削除条件を検索キーとして該当する医用画像を画像データベースから検索する(S602)。該当する医用画像のレコードが見つかると(S603,Yes)、そのレコードに記録されている画像格納位置情報を読み出し(S604)、画像削除命令を生成する(S605)。次に、読み出した画像格納位置情報に含まれている画像記憶装置300を特定する情報に該当する画像記憶装置300に、画像削除命令とともに画像格納位置情報を送信し(S606)、一連の処理を終了する。
このように、本実施形態においては、画像管理サーバ200は、画像記憶装置300に対して医用画像の削除防止制御を行うとともに、削除処理から除外する対象となっている医用画像を認識せずに削除対象を抽出する。
画像記憶装置300は、削除防止命令を受信すると、記憶している医用画像に削除防止情報を付帯させ、削除命令が画像管理サーバ200から送信された場合、医用画像の付帯情報を参照し、削除防止情報が付帯していれば、その医用画像の削除は中止する。
図17は、画像記憶装置300の構成図である。画像記憶装置300は、処理部310、送受信部320、外部記憶部330、主記憶部340を備えたコンピュータの構成を有する。外部記憶部330には、コンピュータをNAS(Network Attached Storage,NAS)等の画像記憶装置300として実現させるプログラムが記憶され、また医用画像記憶手段331として画像管理サーバ200から送信されてきた医用画像が記憶される。
画像記憶装置300は、処理部により外部記憶部に記憶されたプログラムに従った演算を行うことで、医用画像に削除防止情報を付帯させ、また医用画像の削除を行う装置として機能する。すなわち、削除防止情報付帯手段311と記憶装置側削除手段312を備える。
削除防止情報付帯手段311は、画像管理サーバ200から削除防止命令と画像格納位置情報が送信されると、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像に削除防止情報を付帯させる。図18に削除防止情報を付帯させた医用画像を示す。図18では、医用画像20の付帯情報部分21に削除防止情報を付帯させる削除防止エリア22を確保し、削除防止エリアに削除防止情報23として例えば「1」を書き込む。
削除手段及び当該手段に含まれる検出手段たる記憶装置側削除手段312は、画像管理サーバ200から削除命令と画像格納位置情報が送信されると、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像の付帯情報部分を読み込んで削除防止情報が付帯しているかどうかを検出し、削除防止情報が付帯していない医用画像のみ削除を行う。
図19は、画像記憶装置300の削除防止動作を示すフローチャートである。まず、画像管理サーバ200より削除防止命令と画像格納位置情報が送信されると(S701,Yes)、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像の付帯情報に削除防止情報エリアを設定し(S702)、当該エリアに削除防止情報を付帯させて(S703)、一連の処理を終了する。
図20は、画像記憶装置300の削除動作を示すフローチャートである。まず、画像管理サーバ200より削除命令と画像格納位置情報が送信されると(S801,Yes)、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像の付帯情報のうち、削除防止情報エリア部分を読み込み(S802)、削除防止情報が付帯しているかどうかを検出する(S803)。
削除防止情報が付帯していなければ(S803,No)、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像を削除し(S804)、一連の処理を終了する。
削除防止情報が付帯していれば(S803,Yes)、画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像の削除を中止し(S805)、一連の処理を終了する。
このように、画像管理システムでは、医用レポートを作成すると、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除外し、医用画像の削除処理時に、削除対象から除かれておらずかつ所定の削除条件を満たす医用画像を削除するようにした。レポート作成装置100では、医用レポートを作成すると、医用レポートにリンクされた医用画像を削除対象から除外するために画像管理サーバ200に画像リンク情報を送信する。画像管理サーバ200では、画像データベースから画像リンク情報に該当する医用画像を削除対象から除外する命令を画像記憶装置300に送信する。画像記憶装置300では、削除防止命令とともに送信された画像格納位置情報に対応する格納位置に記憶されている医用画像に削除防止情報を付帯させるようにし、画像管理サーバ200からの削除命令に対して、削除防止情報が付帯している医用画像の削除を中止するようにした。従って、医用レポートにリンクされた医用画像が削除されてしまうことを防止でき、医用レポート内の情報が欠落することなく、正確に医用レポート内容を医師同士で伝達することができる。
尚、第1の実施形態と第2の実施形態を併用して2重の削除防止プロテクトを施しても良い。この場合は、第2の実施形態において、画像プロテクト命令に応じた削除防止属性の付与の処理を行うようにすればよい。