JP5498407B2 - 接続構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性粒子を含む異方性導電材料を用いた接続構造体の製造方法に関し、より詳細には、例えば、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を、導電性粒子を介して電気的に接続する接続構造体の製造方法に関する。
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂などに複数の導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、又は半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))等に使用されている。
上記異方性導電材料により、例えば、半導体チップの電極とガラス基板の電極とを電気的に接続する際には、半導体チップの電極とガラス基板の電極との間に異方性導電材料を配置した後、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、かつ導電性粒子を介して電極間を電気的に接続し、接続構造体を得る。
また、上記接続構造体の製造方法の一例として、下記の特許文献1には、第一の接続端子を有する第一の回路部材上に接着材組成物を配置し、接着材組成物の上方から光照射を行った後、第二の接続端子を有する第二の回路部材を対向して配置し、加熱しながら加圧して対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子とを電気的に接続させる接続構造体の製造方法が開示されている。特許文献1では、上記接着材組成物として、(A)エポキシ樹脂、(B)分子内に1つ以上のエステル結合を持つチオール化合物、(C)光照射によって塩基を発生する光塩基発生剤、及び(D)導電性粒子を含有する接着材組成物が用いられている。
また、上記のような接続構造体の製造に用いられる異方性導電材料として、下記の特許文献2には、25℃及び2.5pmでの粘度をη1、25℃及び20rpmでの粘度をη2としたときに、下記式(A)及び(B)を満たす異方性導電接着剤が開示されている。
50Pa・s≦η2≦200Pa・s ・・・式(A)
1.5≦η1/η2≦4.3 ・・・式(B)
特開2007−77382号公報 特開2003−064330号公報
特許文献1に記載の接続構造体の製造方法では、第一の回路部材上に配置された接着材組成物上に、第二の回路部材を配置して仮圧着した後に、第二の回路部材の位置ずれが生じることがある。このため、得られる接続構造体において、第二の回路部材の位置がずれていることがある。第二の回路部材の位置がずれていると、第一,第二の回路部材の対向する電極間の位置がずれ、電極間の導通信頼性が低くなるという問題がある。
また、特許文献2に記載の異方性導電接着剤を用いた場合には、電極間に導電性粒子を精度よく配置できないことがある。このため、得られる接続構造体において、電極間の導通信頼性が低くなるという問題がある。
本発明の目的は、第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれを抑制でき、導通信頼性に優れた接続構造体を得ることができる接続構造体の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子とを含む異方性導電材料層を配置する工程と、該異方性導電材料層の上面に、電極を下面に有する第2の接続対象部材を積層して、上記第1の接続対象部材と上記異方性導電材料層と上記第2の接続対象部材との積層体を得る工程と、該積層体を仮圧着させる工程と、上記異方性導電材料層を硬化させて、仮圧着された上記積層体を本圧着させる工程とを備え、仮圧着前の上記積層体における上記異方性導電材料層の60〜100℃での最低溶融粘度を3000Pa・s以上、20000Pa・s以下にする、接続構造体の製造方法が提供される。
本発明に係る接続構造体の製造方法のある特定の局面では、仮圧着前の上記積層体における上記異方性導電材料層の80℃及び周波数1Hzでの粘度(Pa・s)の80℃及び周波数10Hzでの粘度(Pa・s)に対する粘度比を、1.5以上、6以下にする。
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記異方性導電材料層が異方性導電ペーストにより形成されており、仮圧着前の上記積層体における上記異方性導電材料層は、上記異方性導電ペーストがBステージ化された異方性導電材料層である。
本発明に係る接続構造体の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記異方性導電材料が異方性導電ペーストにより形成されており、上記異方性導電材料層を配置する工程において、電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを積層して、該異方性導電ペーストに光を照射又は熱を付与することにより、該異方性導電ペーストにより形成された異方性導電材料層を配置する。
本発明に係る接続構造体の製造方法の別の特定の局面では、上記異方性導電材料として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストが用いられる。
本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の接続対象部材上に積層された異方性導電材料層の上面に第2の接続対象部材を積層した後、上記第1の接続対象部材と上記異方性導電材料層と上記第2の接続対象部材との積層体を仮圧着し、次に本圧着するので、更に仮圧着前の上記積層体における上記異方性導電材料層の60〜100℃での最低溶融粘度を3000Pa・s以上、20000Pa・s以下にするので、第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれを抑制できる。従って、導通信頼性に優れた接続構造体を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られる接続構造体を模式的に示す正面断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法の各工程を説明するための正面断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られた接続構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している接続部3とを備える。接続部3は、硬化物層であり、導電性粒子5を含む異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
第1の接続対象部材2の上面2aには、複数の電極2bが設けられている。第2の接続対象部材4の下面4aには、複数の電極4bが設けられている。電極2bと電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。
接続構造体1では、第1の接続対象部材2としてガラス基板が用いられており、第2の接続対象部材4として半導体チップが用いられている。第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板等が挙げられる。
本実施形態に係る接続構造体の製造方法では、図1に示す接続構造体1は、以下のようにして得られる。
図2(a)に示すように、電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2を用意する。また、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子5とを含む異方性導電材料を用意する。ここでは、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子5を含む異方性導電ペーストを用いている。次に、第1の接続対象部材2の上面2aに、複数の導電性粒子5を含む異方性導電材料を配置し、第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料層3Aを形成する。このとき、電極2b上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。ここでは、上記異方性導電材料として、異方性導電ペーストを用いているので、異方性導電ペーストの積層は、異方性導電ペーストの塗布により行われている。
次に、図2(b)に示すように、異方性導電材料層3Aに光を照射又は熱を付与することにより、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させる。異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する。ここでは、異方性導電材料層3Aに光を照射して、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化している。異方性導電材料層3AのBステージ化により、第1の接続対象部材2の上面2aに、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを形成する。
異方性導電材料層3Aの硬化を適度に進行させるために、光を照射する際の光照射強度は、0.1〜4000mW/cmの範囲内であることが好ましい。光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
また、異方性導電材料層3AをBステージ化するために、異方性導電材料層3Aに熱を付与して、硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化してもよい。
熱の付与により異方性導電材料層3AをBステージ化する際の加熱の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下である。
なお、第1の接続対象部材2の上面2a上で光の照射又は熱の付与により異方性導電材料層3AをBステージ化せずに、予めBステージ化された異方性導電材料層3Bを第1の接続対象部材2の上面2aに配置してもよい。さらに、第1の接続対象部材2の上面2aに、異方性導電フィルムを配置してもよい。
次に、図2(c)に示すように、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの上面3aに、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の上面2aの電極2bと、第2の接続対象部材4の下面4aの電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。このようにして、第1の接続対象部材2と、異方性導電材料層3Bと、第2の接続対象部材4との積層体11を得る。
その後、図2(c)に示す積層体11を仮圧着させる。仮圧着前の積層体11における異方性導電材料層3B(仮圧着される直前の異方性導電材料層3B)の60〜100℃での最低溶融粘度η1は、3000Pa・s以上、20000Pa・s以下である。上記最低溶融粘度η1が上記下限以上及び上記上限以下であると、仮圧着時及び仮圧着後の本圧着時に、第1,第2の接続対象部材2,4間の位置ずれが生じるのを抑制することができる。このため、第1の接続対象部材2の電極2bと第2の接続対象部材4の電極4bとの位置ずれを抑制することができる。このため、得られる接続構造体1において、電極2b,4b間の導通信頼性を高めることができる。第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれをより一層抑制する観点からは、上記最低溶融粘度η1は、好ましくは6000Pa・s以上、好ましくは15000Pa・s以下である。
上記最低溶融粘度η1は、周波数1Hzの条件にて60℃から100℃まで昇温速度5℃/分で異方性導電材料層を加熱することにより測定される。上記最低溶融粘度η1は、60〜100℃の全領域で最も低い値を示した粘度を示す。
仮圧着前の積層体11における異方性導電材料層3Bの80℃及び周波数1Hzでの粘度η2(Pa・s)の80℃及び周波数10Hzでの粘度η3(Pa・s)に対する粘度比(η2/η3)は、好ましくは1.5以上、好ましくは6以下である。この場合には、仮圧着時に、第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれをより一層抑制できるだけでなく、導電性粒子の移動も抑制できる。このため、電極間に導電性粒子をより一層精度よく配置することができ、得られる接続構造体における電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。仮圧着時の導電性粒子の移動をより一層抑制する観点からは、上記粘度比(η2/η3)は、好ましくは3以上、好ましくは5以下である。
また、ペースト塗布時におけるディスペンス性を良好にする観点からは、仮圧着前の積層体11における異方性導電材料層3Bの25℃及び1Hzでの粘度η4(Pa・s)の25℃及び10Hzでの粘度η5(Pa・s)に対する粘度比(η4/η5)は、好ましくは1.1以上、好ましくは1.5以下である。
仮圧着する際の加熱の温度(仮圧着温度)は好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。仮圧着温度は、一般に60℃以上、100℃以下であるので、上記最低溶融粘度η1の測定温度範囲は60〜100℃とした。
仮圧着の後、異方性導電材料層3Bに熱を付与することにより、異方性導電材料層3Bをさらに硬化させて、仮圧着された積層体11を本圧着して、硬化物層である接続部3を形成する。
異方性導電材料層3Bを硬化させる際の加熱の温度、すなわち本圧着する際の加熱の温度(本圧着温度)は好ましくは160以上、より好ましくは170℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
異方性導電材料層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって電極2bと電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。
異方性導電材料層3Bを硬化させることにより、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、接続部3を介して接続される。また、電極2bと電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、図1に示す接続構造体1を得ることができる。本実施形態では、光硬化と熱硬化とが併用されているため、異方性導電材料を短時間で硬化させることができる。
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料層が異方性導電ペーストにより形成されていることが好ましい。さらに、本発明に係る接続構造体の製造方法では、仮圧着前の上記積層体における上記異方性導電材料層は、上記異方性導電ペーストがBステージ化された異方性導電材料層であることが好ましい。また、本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料層を配置する工程において、電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、熱硬化性化合物と硬化剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを積層して、該異方性導電ペーストに光を照射又は熱を付与することにより、該異方性導電ペーストにより形成された異方性導電材料層を配置することが好ましい。
上記異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。
本発明に係る接続構造体の製造方法は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、又は半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))等に使用できる。なかでも、本発明に係る続構造体の製造方法は、COG用途に好適である。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材として、半導体チップとガラス基板とを用いることが好ましい。
COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との電極間を、異方性導電材料の導電性粒子により確実に接続することが困難なことが多い。例えば、COG用途の場合には、半導体チップの隣り合う電極間、及びガラス基板の隣り合う電極間の間隔が10〜20μm程度であることがあり、微細な配線が形成されていることが多い。微細な配線が形成されていても、本発明に係る接続構造体の製造方法により、電極間の位置ずれを抑制できることから、半導体チップとガラス基板との電極間を高精度に接続することができ、導通信頼性を高めることができる。
上記最低溶融粘度η1を上記下限以上及び上記上限以下にする方法としては、光を照射又は熱を付与することにより異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する際、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの粘度が1000Pa・s以上、40000Pa・s以下であるように、異方性導電材料層3AをBステージ化する方法等が挙げられる。上記粘度比(η2/η3)を上記下限以上及び上記上限以下にする方法としては、表面処理されたフィラーを添加する方法、並びに100℃以下で一部反応する熱硬化剤を用いる方法が挙げられる。上記粘度比(η4/η5)を上記下限以上及び上記上限以下にする方法としては、フィラーを添加する方法が挙げられる。
上記異方性導電材料は、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子とを含む。上記異方性導電材料は、熱硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化性化合物と光硬化開始剤と導電性粒子とを含むことが好ましい。以下、上記異方性導電材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
(熱硬化性化合物)
上記熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体の導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記熱硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物であることが好ましい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する化合物は、エピスルフィド化合物である。熱硬化をより一層速やかに進行させる観点からは、上記熱硬化性化合物は、エピスルフィド化合物であることが好ましい。
エピスルフィド化合物は、エポキシ基ではなくチイラン基を有するので、低温で速やかに硬化させることができる。すなわち、チイラン基を有するエピスルフィド化合物は、エポキシ基を有するエポキシ化合物と比較して、チイラン基に由来してより一層低い温度で硬化可能である。
[光硬化性化合物]
上記異方性導電材料は、光の照射によって硬化するように、光硬化性化合物を含有していてもよい。光の照射により光硬化性化合物を半硬化させ、硬化性化合物の流動性を低下させることができる。
上記光硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリル樹脂及び環状エーテル基含有樹脂等が挙げられる。
上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物であることが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物としては、エポキシ基及びチイラン基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物としては、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られた光硬化性化合物であることが好ましい。このような光硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
また、上記光硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを併用する場合には、上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜40:60で含むことが更に好ましい。
(熱硬化剤)
上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
異方性導電材料を低温でより一層速やかに硬化させることができるので、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、異方性導電材料の保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
仮圧着後の第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれをより一層抑制する観点からは、上記熱硬化剤の熱硬化開始温度は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。このような熱硬化開始温度を満足する熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤及びポリチオール硬化剤が挙げられ、これらの少なくとも1種が好適に用いられる。
なお、本明細書において、上記熱硬化開始温度とは、示差走査熱量測定(DSC)において発熱ピークが立ち上がる温度を意味する。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を充分に熱硬化させることができる。さらに、上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記粘度比(η2/η3)を上記下限以上及び上記上限以下にすることが容易である。
(光硬化開始剤)
上記光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を用いることができる。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤、ベンゾフェノン光硬化開始剤、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を適度に光硬化させることができる。異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制できる。
(導電性粒子)
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、又は実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層又は錫を含有する金属層等が挙げられる。
電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に設けられた導電層とを有することが好ましい。
導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
(フィラー)
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記最低溶融粘度η1を上記下限以上及び上記上限以下にするために、フィラーは官能基で表面処理されていることが好ましい。該官能基としては、エポキシ基、水酸基及びアルコキシ基等が挙げられる。
上記粘度比(η2/η3)を上記下限以上及び上記上限以下にするために、表面処理されたフィラーは硬化性化合物の全量100重量部に対して、好ましくは5重量部以上、好ましくは50重量部以下である。
(他の成分)
上記異方性導電材料は、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール硬化促進剤及びアミン硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール硬化促進剤が好ましい。なお、イミダゾール硬化促進剤又はアミン硬化促進剤は、イミダゾール硬化剤又はアミン硬化剤としても用いることができる。
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)エピスルフィド化合物含有混合物の調製
攪拌機、冷却機及び温度計を備えた2Lの容器内に、エタノール250mLと、純水2
50mLと、チオシアン酸カリウム20gとを加え、チオシアン酸カリウムを溶解させ、
第1の溶液を調製した。その後、容器内の温度を20〜25℃の範囲内に保持した。次
に、20〜25℃に保持された容器内の第1の溶液を攪拌しながら、該第1の溶液中に、
レゾルシノールジグリシジルエーテル160gを5mL/分の速度で滴下した。滴下後、
30分間さらに攪拌し、エポキシ化合物含有混合液を得た。
次に、純水100mLと、エタノール100mLとを含む溶液に、チオシアン酸カリウ
ム20gを溶解させた第2の溶液を用意した。得られたエポキシ基含有混合液に、得られ
た第2の溶液を5mL/分の速度で添加した後、30分攪拌した。攪拌後、純水100m
Lとエタノール100mLとを含む溶液に、チオシアン酸カリウム20gを溶解させた第
2の溶液をさらに用意し、該第2の溶液を5mL/分の速度で容器内にさらに添加し、3
0分間攪拌した。その後、容器内の温度を10℃に冷却し、2時間攪拌し、反応させた。
次に、容器内に飽和食塩水100mLを加え、10分間攪拌した。攪拌後、容器内にト
ルエン300mLをさらに加え、10分間攪拌した。その後、容器内の溶液を分液ロート
に移し、2時間静置し、溶液を分離させた。分液ロート内の下方の溶液を排出し、上澄み
液を取り出した。取り出された上澄み液にトルエン100mLを加え、攪拌し、2時間静
置した。更に、トルエン100mLをさらに加え、攪拌し、2時間静置した。
次に、トルエンが加えられた上澄み液に、硫酸マグネシウム50gを加え、5分間攪拌
した。攪拌後、ろ紙により硫酸マグネシウムを取り除いて、溶液を分離した。真空乾燥機
を用いて、分離された溶液を80℃で減圧乾燥することにより、残存している溶剤を除去
した。このようにして、エピスルフィド化合物含有混合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたエピスルフィド化合物含有混合物の1H−NMR
の測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグ
ナルが減少し、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域にシグナルが
現れた。これにより、レゾルシノールジグリシジルエーテルの一部のエポキシ基がエピス
ルフィド基に変換されていることを確認した。また、1H−NMRの測定結果の積分値よ
り、エピスルフィド化合物含有混合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテル70重
量%と、下記式(1B)で表される構造を有するエピスルフィド化合物30重量%とを含
有することを確認した。
Figure 0005498407
(2)異方性導電ペーストの作製
得られたエピスルフィド化合物含有混合物30重量部と、熱硬化剤であるアミンアダクト(味の素ファインテクノ社製「アミキュアPN−23J」、硬化開始温度75℃)5重量部と、光硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)5重量部と、光硬化開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」)0.1重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール1重量部と、フィラーであるシリカ(アドマテックス社製「SE−2030」、平均粒子径0.25μm)25重量部と、表面にエポキシ基を有するシリカフィラー(アドマテックス社製「SE−4050−SEE」、平均粒子径1μm)15重量部とを配合し、さらに平均粒子径3μmの導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、配合物を得た。
なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、導電性粒子の含有量が10重量%である異方性導電ペーストを得た。
(3)接続構造体の作製
L/Sが20μm/20μmのITO電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板(第1の接続対象部材、縦24mm×横52mm)を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの銅電極パターンが下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材、縦1mm×横18mm)を用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層に420nmの紫外線を光照射強度が50mW/cmとなるように照射して、光重合によって異方性導電ペースト層を半硬化させ、Bステージ化した。次に、Bステージ化された異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、80℃(仮圧着温度)で仮圧着することにより電極同士が対向するように積層した。仮圧着後に、異方性導電ペースト層の温度が185℃(本圧着温度)となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面にヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
熱硬化性化合物を、多官能アクリレート(日本化薬社製「DPCA−120」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例3)
シリカフィラー(平均粒子径0.25μm)の配合量を8重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例4)
熱硬化開始剤を、アミンアダクト系(味の素ファインテクノ社製「アミキュアMY−24」、硬化開始温度80℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例5)
仮圧着温度を、65℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例6)
仮圧着温度を、95℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例7)
本圧着温度を、175℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例8)
本圧着温度を、195℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(比較例1)
シリカフィラー(平均粒子径0.25μm)の配合量を5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(比較例2)
シリカフィラー(平均粒子径0.25μm)の配合量を40重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
(実施例1〜8及び比較例1〜2の評価)
(1)最低溶融粘度η1
仮圧着前のBステージ化された異方性導電ペースト層の最低溶融粘度η1を測定した。
溶融粘度測定装置(レオロジカ社製「VAR-100」)を用いて、上記最低溶融粘度η1は、周波数1Hzの条件にて60℃から120℃まで昇温速度5℃/分で仮圧着前のBステージ化された異方性導電ペースト層を加熱することにより測定した。
(2)上記粘度比(η2/η3)及び上記粘度比(η4/η5)
溶融粘度測定装置(レオロジカ社製「VAR-100」)を用いて、仮圧着前のBステージ化された異方性導電ペースト層の80℃及び周波数1Hzでの粘度η2(Pa・s)の80℃及び周波数10Hzでの粘度η3(Pa・s)に対する粘度比(η2/η3)を求めた。
さらに、溶融粘度測定装置(レオロジカ社製「VAR-100」)を用いて、仮圧着前のBステージ化された異方性導電ペースト層の25℃及び周波数1Hzでの粘度η4(Pa・s)の25℃及び周波数10Hzでの粘度η5(Pa・s)に対する粘度比(η4/η5)を求めた。
(3)第1,第2の接続構対象部材における電極間の位置ずれ
得られた10個の接続構造体の中で、第1,第2の接続対象部材の電極間の位置ずれが生じていないか又は電極間の位置ずれが0.005mm未満である場合を「良好」、第1,第2の接続対象部材の位置ずれが0.005mm以上である場合を「不良」と判定した。
良好と判定された接続構造体の割合から、電極間の位置ずれを下記の判定基準で評価した。
○○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が90%以上
○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が80%以上、90%未満
×:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が80%未満
(4)導通信頼性(上下の電極間の導通試験)
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗を、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。接続抵抗の平均値が2.0Ω以下である場合を「良好」、接続抵抗の平均値が2Ωを超える場合を「不良」と判定した。
10個の接続構造体の中で、良好と判定された接続構造体の割合から、導通信頼性を下記の判定基準で評価した。
[導通信頼性の判定基準]
○○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が90%以上
○:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が80%以上、90%未満
×:10個の接続構造体中、良好と判定された接続構造体の割合が90%未満
結果を下記の表1に示す。
Figure 0005498407
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
3…接続部
3a…上面
3A…異方性導電材料層
3B…Bステージ化された異方性導電材料層
4…第2の接続対象部材
4a…下面
4b…電極
5…導電性粒子
11…積層体

Claims (4)

  1. 電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子とを含む異方性導電材料層を配置する工程と、
    前記異方性導電材料層の上面に、電極を下面に有する第2の接続対象部材を積層して、前記第1の接続対象部材と前記異方性導電材料層と前記第2の接続対象部材との積層体を得る工程と、
    前記積層体を仮圧着させる工程と、
    前記異方性導電材料層を硬化させて、仮圧着された前記積層体を本圧着させる工程とを備え、
    仮圧着前の前記積層体における前記異方性導電材料層の60〜100℃での最低溶融粘度を3000Pa・s以上、20000Pa・s以下にし、かつ、仮圧着前の前記積層体における前記異方性導電材料層の80℃及び周波数1Hzでの粘度(Pa・s)の80℃及び周波数10Hzでの粘度(Pa・s)に対する粘度比を、1.5以上、6以下にする、接続構造体の製造方法。
  2. 前記異方性導電材料層が、異方性導電ペーストにより形成されており、
    仮圧着前の前記積層体における前記異方性導電材料層が、前記異方性導電ペーストがBステージ化された異方性導電材料層である、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
  3. 前記異方性導電材層が、異方性導電ペーストにより形成されており、
    前記異方性導電材料層を配置する工程において、電極を上面に有する第1の接続対象部材上に、熱硬化性化合物と熱硬化剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを積層して、該異方性導電ペーストに光を照射又は熱を付与することにより、上記異方性導電ペーストにより形成された異方性導電材料層を配置する、請求項1又は2に記載の接続構造体の製造方法。
  4. 前記異方性導電材料として、熱硬化性化合物と光硬化性化合物と熱硬化剤と光硬化開始剤と導電性粒子とを含む異方性導電ペーストを用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
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