JP5498077B2 - 発光体、発光体の製造方法、照明装置および化粧品用紫外線遮蔽材 - Google Patents

発光体、発光体の製造方法、照明装置および化粧品用紫外線遮蔽材 Download PDF

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Description

この発明は、発光スペクトル幅の広い発光体およびその製造方法に関する。
白色光源では、紫外光により白色発光体を励起することにより白色光を得ることが行われている。このような白色光源に使用される従来の白色発光体は、その発光スペクトルには輝線が含まれており、白色発光体を用いた白色光源下での演色性は、必ずしも十分なものではなかった。
しかしながら、近年では、酸化シリコン(SiO)にカーボン(C)を埋め込むことにより輝線を有しない白色の発光が観察されることが知られてきた(例えば、非特許文献1参照)。そこで、発光スペクトルに輝線を含まない白色発光体を得るため、酸化シリコンにカーボンが埋め込まれた白色発光体を種々の方法で作成することが提案されている。例えば、特許文献1では、炭化水素基で表面修飾されたフュームドシリカを熱処理することにより白色発光材料を作成することが提案されている。また、非特許文献2では、酸化シリコンへのカーボンのインプランテーションを行うことにより、酸化シリコンにカーボンが埋め込まれた白色発光体を作成することが提案されている。
国際公開第2006/025428号パンフレット
S.Hayashi, M.Kataoka and K.Yamamoto, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 32 (1993), L273-L276 J.Zhao, D.S.Mao, Z.X.Lin, B.Y.Jiang, Y.H.Yu, X.H.Liu and G.Q.Wang, Materials Letters, Vol. 38 (1999), p.321-325
しかしながら、これらの白色発光体の作成方法では、白色光源用の発光体として使用するために十分な発光強度を有する白色発光体を得ることは困難であった。この問題は、白色発光体を作成する場合のみならず、一般に、発光スペクトル幅の広い発光体を作成する際に共通する。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の第1の形態としての発光体の製造方法は、(a)細孔が形成された多孔質シリカを含む出発原料を準備する工程と、(b)前記細孔の内面に存在するシラノール基の水素をシリル基に置換するシリル化処理工程とを備えることを特徴とする。一般に、シラノール基の水素をシリル基に置換するシリル化処理工程は容易に行うことができので、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体をより容易に製造することができる。
本発明の第2の形態としての発光体の製造方法は、(a)細孔が形成された多孔質シリカを含む出発原料を準備する工程と、(b)前記出発原料を湿潤な不活性ガス雰囲気中において400〜700℃の範囲の温度で加熱する湿式酸化処理を施す工程とを備えることを特徴とする。この製造方法によれば、発光体のスペクトル幅をより広くすることができる。
[適用例1]
発光体の製造方法であって、(a)細孔が形成された多孔質シリカを含む出発原料を準備する工程と、(b)前記出発原料に所定の処理を行うことにより前記細孔の内面を化学修飾する工程とを備える、発光体の製造方法。細孔の内面を化学修飾することにより、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体を製造することができる。
[適用例2]
前記多孔質シリカは、X線回折パターンにおいて、2nm以上のd値に相当する回折角度にピークを有する、適用例1記載の発光体の製造方法。この適用例によれば、より容易に細孔内に化学修飾のための分子を侵入させることができるので、細孔の内面の化学修飾がより容易となる。
[適用例3]
前記工程(b)は、前記内面を炭素を含む官能基で修飾する官能基修飾工程を含む、適用例1または2記載の発光体の製造方法。細孔の内面を炭素を含む官能基で修飾することにより、発光体の発光強度をより強くすることができる。
[適用例4]
前記官能基修飾工程は、前記内面に存在するシラノール基の水素をシリル基に置換するシリル化処理工程を含む、適用例3記載の発光体の製造方法。シラノール基の水素をシリル基に置換するシリル化処理工程は、一般に容易に行うことができる。そのため、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体をより容易に製造することができる。
[適用例5]
前記シリル化処理工程は、前記出発原料をシリル化剤蒸気に暴露させることにより前記置換を行う、適用例4記載の発光体の製造方法。この適用例によれば、出発原料のシリル化処理量をより容易に多くすることができるので、発光体の量産がより容易となる。
[適用例6]
前記シリル化処理工程は、所定の溶媒に前記出発原料とシリル化剤とを添加することにより前記置換を行う、適用例4記載の発光体の製造方法。この適用例によれば、シリル化処理において、沸点が高いシリル化剤を利用することがより容易になる。そのため、多孔質シリカを修飾する官能基をより柔軟に変更することができる。
[適用例7]
適用例4から6のいずれか記載の発光体の製造方法であって、
前記官能基修飾工程は、さらに、前記シリル基を部分的に酸化する部分酸化工程を含む発光体の製造方法。シリル基を部分的に酸化することにより、発光体の発光強度をより強くするとともに、スペクトルの幅をより広くすることができる。
[適用例8]
前記部分酸化工程は、前記内面が前記シリル基で修飾された多孔質シリカに湿式酸化処理を施す工程を含む、適用例7記載の発光体の製造方法。湿式酸化処理では、酸化の反応速度をより容易に制御することができる。そのため、シリル基の部分的な酸化をより容易に行うことができる。
[適用例9]
適用例4から8のいずれか記載の発光体の製造方法であって、さらに、前記工程(b)に先立って、前記出発原料を水和させる水和工程を含む、発光体の製造方法。出発原料を水和させることにより、官能基への置換に関与する細孔の内面のシラノール基を増加させることができる。そのため、官能基への置換量をより多くすることができ、発光体の発光強度をより強くすることができる。
[適用例10]
前記工程(b)は、前記出発原料に湿式酸化処理を施す工程を含む、適用例1または2記載の発光体の製造方法。この適用例によれば、発光体のスペクトル幅をより広くすることができる。
[適用例11]
細孔が形成された多孔質シリカを含む発光体であって、前記細孔の内面が化学修飾されている、発光体。細孔の内面を化学修飾することにより、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体を得ることができる。
[適用例12]
前記多孔質シリカは、X線回折パターンにおいて、2nm以上のd値に相当する回折角度にピークを有する、適用例11記載の発光体。この適用例によれば、より容易に細孔内に化学修飾のための分子を侵入させることができるので、細孔の内面の化学修飾がより容易となる。
[適用例13]
前記内面は、炭素を含む官能基により修飾されている、適用例11または12記載の発光体。細孔の内面を炭素を含む官能基で修飾することにより、発光体の発光強度をより強くすることができる。
[適用例14]
前記官能基は、シリル基が部分的に酸化された官能基である、適用例13記載の発光体。細孔の内面を部分的に酸化されたシリル基により修飾することにより、発光体の発光強度をより強くするとともに、スペクトルの幅をより広くすることができる。
[適用例15]
適用例13または14記載の発光体であって、シリコン−メチル基結合による赤外吸収ピークと、炭素結合による赤外吸収領域との間の波数領域において、赤外吸収ピークを有する、発光体。当該波数領域において赤外吸収ピークを有するようにすることにより、発光体の発光強度をより強くすることができる。
[適用例16]
前記波数領域は、1270〜1290cm−1である、適用例15記載の発光体。
[適用例17]
前記官能基は、シリル基である、適用例13記載の発光体。一般に、シリカ表面のシリル基による修飾は容易に行うことができるので、発光スペクトル幅が広く発光強度が強い発光体をより容易に得ることができる。
[適用例18]
前記内面は、標準平衡量よりも多くのシラノール基を有している、適用例11または12記載の発光体。細孔の内面のシラノール基量を標準平衡量よりも多くすることにより、発光体のスペクトル幅をより広くすることができる。
[適用例19]
照明装置であって、適用例11から18のいずれか記載の発光体と、前記発光体を励起するための励起光源とを備える、照明装置。これらの発光体は、光で励起することにより発光する。そのため、この適用例によれば、輝度が高く、スペクトル幅が広い光源を得ることができる。
[適用例20]
化粧品用紫外線遮蔽材であって、適用例11から18のいずれか記載の発光体を含み、前記発光体は、粉末状である、化粧品用紫外線遮蔽材。細孔が形成された多孔質シリカは、入射光を良好に散乱する。また、細孔の内面を化学修飾することにより、紫外線を吸収して、可視光を放出する。そのため、本適用例によれば、紫外線を良好に遮蔽することにより日焼けをより容易に抑制するとともに、放出される可視光により化粧品を用いた際の肌色のくすみを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、発光体、発光体の製造方法とその製造方法で製造された発光体、それらの発光体を用いた照明装置や化粧品用紫外線遮蔽材、およびそれらの化粧品用紫外線遮蔽材を用いた化粧品等の態様で実現することができる。
第1実施形態における発光体の製造工程を示す工程図。 メソポーラスシリカのX線回折パターンを示すグラフ。 第1実施形態における発光体のX線回折パターンを示すグラフ。 第1実施形態における発光体のフォトルミネセンス評価結果を示すグラフ。 第2実施形態における発光体の製造工程を示す工程図。 FT−IRによる試料の状態評価結果を示すグラフ。 FT−IRによる試料の状態評価結果を示すグラフ。 シリル化処理により試料の状態が変化する様子を示すグラフ。 第2実施形態における発光体のフォトルミネセンス評価結果を示すグラフ。 第3実施形態における発光体の製造工程を示す工程図。 第4実施形態における発光体の製造工程を示す工程図。 FT−IRによる試料の状態評価結果を示すグラフ。 FT−IRによる試料の状態評価結果を示すグラフ。 湿式酸化処理により試料の状態が変化する様子を示すグラフ。 第4実施形態における発光体のフォトルミネセンス評価結果を示すグラフ。
本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.第1実施形態:
A2.第1実施形態の実施例:
A3.第1実施形態の試料の評価:
B.第2実施形態:
B1.第2実施形態:
B2.第2実施形態の実施例:
B3.第2実施形態の試料の評価:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
D1.第4実施形態:
D2.第4実施形態の実施例:
D3.第4実施形態の試料の評価:
E.他の適用形態:
A1.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における発光体の製造工程を示す工程図である。第1実施形態では、まず、図1(a)に示すように、出発原料となる多孔質の酸化シリコン(多孔質シリカ)300を調製する。多孔質シリカを構成するシリカ原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のアルコキシシラン、ケイ酸ソーダ、カネマイト(kanemite、NaHSi・3HO)またはシリカ等を用いることができる。
図1(a)の例では、多孔質シリカ300として、TMPS(TMPSは、太陽化学株式会社の登録商標)等の粉末状のメソポーラスシリカ310を調製している。メソポーラスシリカ310は、シリカ壁312がハニカム状に形成された粒子であり、個々の粒子には直径が約1.7〜7nmの細孔314が形成されている。シリカ壁312の表面(すなわち、細孔314の内面)は、水和した状態となっており、シラノール基(−SiOH)を有している。
メソポーラスシリカ310は、互いに平行な細孔314の配列が規則的な六方構造をとっている。このような細孔314の配列は、二次元ヘキサゴナル(2d-Hexagonal)配列とも呼ばれる。以下では、細孔314の配列が二次元ヘキサゴナル配列となっているメソポーラスシリカ310を、「2d−ヘキサゴナルタイプ」のメソポーラスシリカとも呼ぶ。なお、第1実施形態では、出発原料として2d−ヘキサゴナルタイプのメソポーラスシリカを用いているが、メソポーラスシリカとしては、細孔の配列が三次元構造をとるキュービックタイプのメソポーラスシリカを用いることも可能である。一般に、出発原料としては、一部において細孔の配列が周期的な構造をとるメソポーラスシリカを用いるのが好ましい。
後述するように、本実施形態では、細孔の内面に化学修飾が施される。そのため、化学修飾のための分子を細孔内に侵入させるためには、細孔の平均直径は1nm以上であるのが好ましい。細孔の平均直径を1nm以上とするためには、出発原料としてのメソポーラスシリカ310は、1つの細孔314と1つのシリカ壁312とを合わせた一対の間隔が2nm以上であるのが好ましい。このようなメソポーラスシリカでは、X線回折パターンの2nm以上のd値に相当する回折角度にピークが現れる。ここで、d値とは、規則的な構造を有する試料の構造上の周期を表す値であり、「格子面間隔」とも呼ばれる。
2d−ヘキサゴナルタイプのメソポーラスシリカ310は、液相中で界面活性剤を鋳型としてシリケートを縮重合し、得られたシリカと界面活性剤との複合体をろ過、洗浄した後、界面活性剤を除去することによって得ることができる。メソポーラスシリカの生成において鋳型として使用される界面活性剤としては、陽イオン性あるいは非イオン性の界面活性剤等を用いることができる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等を用いることができる。この場合、アルキル鎖長をC〜C22とするのが好ましい。界面活性剤に加えてトリメチルベンゼンやトリイソプロピルベンゼンなどの疎水性を有する化合物を添加することによって、得られる多孔体の細孔径を制御することができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド鎖−ポリプロピレンオキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖型、またはポリプロピレンオキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖−ポリプロピレンオキサイド鎖型のトリブロックコポリマーなどを用いることができる。ここで、エチレンオキサイド鎖−ポリプロピレンオキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖型のトリブロックコポリマーを(EO)x(PO)y(EO)xと表すと、各アルキレンオキサイドのユニット数は好ましくはx=5〜110、y=15〜70であり、より好ましくはx=15〜20、y=50〜60である。他方、ポリプロピレンオキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖−ポリプロピレンオキサイド鎖型のトリブロックコポリマーを(PO)x(EO)y(PO)xと表すと、各アルキレンオキサイドのユニット数は、好ましくはx=5〜110、y=15〜70であり、より好ましくはx=15〜20、y=50〜60である。このようなトリブロックコポリマーとしては、具体的には、(EO)(PO)70(EO)、(EO)13(PO)30(EO)13、(EO)20(PO)30(EO)20、(EO)26(PO)39(EO)26、(EO)17(PO)56(EO)17、(EO)17(PO)58(EO)17、(EO)20(PO)70(EO)20、(EO)80(PO)30(EO)80、(EO)106(PO)70(EO)106、(EO)100(PO)39(EO)100、(EO)19(PO)33(EO)19、(EO)26(PO)39(EO)26等が挙げられ、これらのトリブロックコポリマーはBASF社等より商業的に入手可能であり、また、小規模製造レベルで所望のx値とy値とを有するものを得ることもできる。さらに、これらのトリブロックコポリマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、出発原料となる多孔質シリカは、細孔を有していればよく、シリカゲル等の種々の多孔質シリカを用いることできる。但し、出発原料としては、一次粒子が細孔を有する多孔質シリカを用いるのがより好ましい。また、多孔質シリカは、必ずしも粉末状である必要はなく、膜状や塊状の多孔質シリカを使用することも可能である。出発原料は多孔質シリカのみで形成されている必要はなく、多孔質シリカを有する種々の材料を出発原料とすることができる。例えば、シリコン基板の陽極酸化等によって形成される多孔質シリコンを酸化させ、酸化により形成された多孔質シリカを出発原料とすることも可能である。一般に、これらの出発原料においても、細孔の内面は水和した状態となっており、シラノール基(−SiOH)が存在する。
第1実施形態では、出発原料の調製(図1(a))の後、図1(b)に示すように、調製された多孔質シリカ300に湿式酸化処理が施される。湿式酸化処理は、多孔質シリカ300を熱処理炉200に挿入し、挿入した多孔質シリカ300を湿潤な不活性ガス雰囲気中で加熱することにより行われる。
図1(b)の例では、多孔質シリカ300を、チャンバ210のヒータ220に取り囲まれた領域(加熱部)の中心に配置している。湿式酸化処理は、筒状のチャンバ210に取り付けられたフランジ212を介して、湿潤状態の不活性ガス(例えば、アルゴン(Ar)や窒素(N))をチャンバ210内に供給することにより行われる。反応に供された湿潤状態の不活性ガスは、フランジ214を介して排出され、チャンバ210内の圧力は大気圧に維持される。なお、湿潤状態の不活性ガス(以下、単に「湿潤ガス」とも呼ぶ)は、乾燥した不活性ガスを純水中でバブリングすることにより得ることができる。この場合、純水の温度(バブリング水温)を調整することにより、湿潤ガス中の水分量を調整することができる。
湿式酸化処理では、まず、湿潤ガスの供給を開始する。湿潤ガスの供給を開始した後、ヒータ220により加熱を行う。そして、所定の酸化処理時間(例えば、3時間)チャンバ210の加熱部の温度を所定の酸化処理温度(例えば、500℃)に維持する。次いで、ヒータ220による加熱を止め、加熱部の温度が十分に低下したら、湿潤ガスの供給を停止し、チャンバ210内に挿入された多孔質シリカを取り出す。
酸化処理温度は、400〜700℃の範囲で適宜設定することが可能であるが、450〜600℃の範囲内で設定するのがより好ましい。酸化処理時間は、湿潤ガス中の水分量、酸化処理温度等に応じて5分〜6時間の間で適宜変更される。具体的な湿潤ガス中の水分量、酸化処理温度および酸化処理時間は、多孔質シリカ300の細孔314の径や配列状態に応じ、実験的に決定される。
このように湿式酸化処理を行うことにより、細孔314の内面に存在するダングリングボンドが水酸基(−OH)で終端され、あるいは終端の水素が水酸基に置換されるものと推定される。このように、細孔314の内面を化学修飾することにより、湿式酸化処理前よりも多くのシラノール基が細孔314の内面に形成され、細孔314の内面付近のシリコンや酸素に歪みが加えられる。なお、湿式酸化処理前においては、多孔質シリカ300は、上述のように調製された後、常温(25℃)の空気中で保存される。このとき、細孔314の内面は空気の湿度により水和し、細孔314の内面には温度および湿度と、細孔314の内面付近のシリコンや酸素の歪みのエネルギとで定まる平衡量のシラノール基が形成される。そして、湿式酸化処理を行うことにより、細孔314の内面のシラノール基の量は、標準的な環境である常温の空気中における平衡量よりも多くなる。標準的な環境においては、相対湿度は65%以下である。従って、本明細書では、標準的な環境におけるシラノール基の平衡量(標準平衡量)とは、温度が25℃で相対湿度が65%の空気中におけるシラノール基の平衡量をいう。
A2.第1実施形態の実施例:
[多孔質シリカの調製]
出発原料の多孔質シリカであるメソポーラスシリカを調製するため、まず、粉末ケイ酸ソーダ(SiO/NaO=2.00)を700℃で6時間、空気中で焼成してジケイ酸ソーダ(δ−NaSi)の結晶を得た。得られたジケイ酸ソーダの結晶50gを水500ml中に分散させて3時間攪拌した後、濾過により固形分を回収してカネマイト結晶を得た。このカネマイト結晶の乾燥重量換算で50g相当を、乾燥させずに1000mlの陽イオン性界面活性剤の水溶液に分散させ、70℃で3時間加熱攪拌した。陽イオン性界面活性剤としては、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(ドコシルトリメチルアンモニウムクロリド)を用い、陽イオン性界面活性剤の濃度を0.1Mとした。その後、2規定の塩酸を用いて分散液のpHを8.5とし、さらに70℃で3時間加熱攪拌した。分散液を室温まで放冷した後、分散液中の固形分を濾取し、1000mlのイオン交換水に分散させて攪拌した。この濾過と分散・攪拌とを5回繰り返した後、固形分を60℃で24時間乾燥し、窒素ガス中、450℃で3時間加熱し、さらに空気中、550℃で6時間焼成することにより目的のメソポーラスシリカを得た。
図2は、このようにして得られたメソポーラスシリカのX線回折パターンを示すグラフである。図2の横軸は、X線の回折角2θ(度)を表している。図2の縦軸は、X線強度(cps:count per second)を表している。X線回折パターンの評価は、銅(Cu)のKα線を用いた粉末法で行った。図2に示すように、X線回折パターンにおいて、回折角2θが1.78度の位置にピークが確認された。このことから、得られたメソポーラスシリカは、ミラー指数が(100)のd値(d100)が、約5.0nmとなっていることが判った。また、他のピークの発現位置等のX線回折パターンから、メソポーラスシリカが二次元六方構造の細孔構造を有することも確認できた。なお、得られたメソポーラスシリカについて常法による窒素吸着測定を行ったところ、平均細孔直径4.2nm、比表面積1160m/g、細孔容積1.02cm/gであった。
[湿式酸化処理]
第1実施形態の実施例では、調製されたメソポーラスシリカの一部を対照試料として抽出し、残りの試料に湿式酸化処理を施した。湿式酸化処理は、湿潤アルゴン雰囲気中で、酸化処理温度を500℃とし、3時間行った。湿潤アルゴンは、乾燥アルゴンを90℃の純水中にバブリングして生成した。このように得られた2種類の試料を次の表に示す。なお、以下では、各試料を記号(A,B)を用いて参照する。
Figure 0005498077
A3.第1実施形態の試料の評価:
[X線回折パターンの評価]
図3は、湿式酸化処理を施していない対照試料(A)と、湿式酸化処理を施した試料(B)とのX線回折パターンを示すグラフである。図3において、横軸はX線の回折角2θ(度)を表し、縦軸はX線強度(cps)を表している。
図3に示すように、湿式酸化処理を施した試料(B)においても、対照試料(A)と同様に、d値が約5.0nm(回折角2θ=1.78度)の位置にミラー指数が(100)のピークが認められた。また、他のミラー指数のピークも対照試料(A)と同様に現れた。このことから、対照試料(A)であるメソポーラスシリカの細孔構造は、湿式酸化処理によっても崩れず、湿式酸化処理を施した試料(B)においても維持されていることが判った。
[フォトルミネセンスの評価]
図4は、湿式酸化処理を施していない対照試料(A)と、湿式酸化処理を施した試料(B)と、比較試料としての多孔質シリコンとのフォトルミネセンスの評価結果を示すグラフである。図4において、横軸は、波長を表し、縦軸は、発光強度を表している。なお、発光強度は、任意単位(AU)としている。フォトルミネセンスの評価は、試料をアルゴンレーザ光で励起し、試料からの発光スペクトルを測定することにより行った。アルゴンレーザ光(励起光)の強度は、2mWとした。
図4に示すように、比較試料である多孔質シリコンでは、ほとんど発光が見られなかった。これに対し、湿式酸化処理を施していない対照試料(A)では、約450nmをピークとし、半値幅(FWHM:Full Width Half Magnitude)が約70nmの青色の発光が観察された。また、湿式酸化処理を施した本実施例の試料(B)では、約500nmをピークとする白色の発光が観察された。この白色の発光は、半値幅が約200nmのスペクトル幅の広い発光であった。本実施例の試料(B)の発光は、ピークの高さが対照試料(A)よりも低いものの、発光の面積強度は対照試料(A)よりも強かった。ここで、面積強度とは、発光強度の積分値(すなわち、スペクトルの下側の領域の面積)をいう。
このように、本実施例では、メソポーラスシリカを湿式酸化処理することにより、発光スペクトル幅の広い発光体が得られた。得られた発光体では、メソポーラスシリカの細孔内面に存在するダングリングボンドや終端の水素が水酸基に置換されていると推定される。すなわち、湿式酸化処理を施すことにより、多孔質シリカの内面は、標準平衡量よりも多くのシラノール基による化学修飾がなされ、細孔の内面付近のシリコンに歪みが加えられていると考えられる。このように、細孔の内面の化学修飾によりシリコンに歪みが加わることにより、メソポーラスシリカの青色の発光が、ピークが長波長側にシフトするとともに、スペクトル幅が広がったものと推定される。
B1.第2実施形態:
図5は、第2実施形態における発光体の製造工程を示す工程図である。第2実施形態は、湿式酸化処理(図1(b))に替えて、シリル化処理(図5(b))が調製された多孔質シリカに施される点で、第1実施形態と異なっている。他の点は、第1実施形態と同じである。図5(a)に示す第2実施形態における多孔質シリカの調製は、図1(a)に示す第1実施形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
シリル化処理とは、多孔質シリカ300が有するシラノール基(−SiOH)の水素(H)をシリル基(−SiRn:nは1〜3)に置換する処理のことを言う。シリル基を構成するRnのうち少なくとも1つは、メチル基やエチル基等のアルキル基、エテニル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基、あるいはそれらの誘導体等の1以上の炭素を含む官能基である。
シリル化処理は、多孔質シリカ300をヘキサメチルジシラザン(HMDS:(MeSi)NH)等のシリル化剤(修飾剤)の蒸気に暴露させることにより行うことができる。シリル化剤蒸気への暴露は、例えば、図5(b)に示すように、多孔質シリカ300と、シリル化剤320を入れた小容器120とをフラスコ等の開口容器110中に挿入し、開口容器110を加温してシリル化剤320を沸点(ヘキサメチルジシラザンでは126℃)近くまで昇温することにより行うことができる。シリル化剤320を沸点近くまで昇温することにより、開口容器110中にはシリル化剤320の蒸気が充満する。これにより、多孔質シリカ300は、シリル化剤320の蒸気に暴露され、シラノール基の水素はシリル基に置換される。なお、加温時のシリル化剤の温度は、開口容器110中にシリル化剤320の蒸気を充満させることができればよく、シリル化剤の沸点よりも低い温度であってもよい。
図5(b)の例では、多孔質シリカ300を単一の開口112を有する開口容器110に挿入しているが、多孔質シリカを異なる形状の開口容器に挿入してもよい。例えば、多孔質シリカを筒状のカラムに充填し、当該カラムを通過するようにシリル化剤蒸気を供給するものとしてもよい。第1実施形態では、開口容器を用いることによりシリル化剤蒸気の雰囲気を開放系とし、大気圧でシリル化処理を行っている。但し、密閉容器にシリル化剤蒸気を供給して、シリル化剤蒸気の雰囲気を非開放系とすることも可能である。この場合、シリル化剤蒸気の温度や圧力は、適宜変更することができる。但し、反応の副生成物の濃度を低くすることが容易である点で、開口容器を使用するのがより好ましい。なお、このように、多孔質シリカ300をシリル化剤320の蒸気に暴露する方法によれば、試料を挿入する容器を大きくすることにより、1回あたりのシリル化処理量を多くすることができる。そのため、発光体の量産がより容易となる。
シリル化剤320としてヘキサメチルジシラザンを用いた場合、シラノール基の水素は、トリメチルシリル基(−SiMe)に置換される。シリル化処理の時間は、細孔314内におけるシリル基への置換を十分に行うため、4時間以上とするのが好ましく、8時間以上とするのがより好ましい。ヘキサメチルジシラザンによるシリル化処理を行った場合、シリル化反応においてアンモニア(NH)が生成される。副生成物であるアンモニアを揮散させるため、シリル化剤320が蒸散した後も所定の時間(例えば、0.5時間)開放系にて加温を維持するのが好ましい。
シリル化剤320としては、ヘキサメチルジシラザンの他、ジメチルジエトキシシラン(MeSi(OEt)をはじめとするアルコキシシラン(ケイ酸エステル)やクロロシラン(例えば、トリメチルクロロシラン)等の種々のシランカップリング剤を用いることが可能である。シリル化剤320としてクロロシランを用いた場合、シリル化反応において塩化水素(HCl)が生成される。そのため、クロロシランを用いた場合においても、副生成物の塩化水素を揮散させるため、シリル化剤320が蒸散した後も所定の時間(例えば、0.5時間)開放系にて加温を維持するのが好ましい。
第2実施形態では、多孔質シリカ300にシリル化処理を施すことにより、細孔314の内面がシリル基により修飾される。このように、細孔の内面がシリル基により修飾された多孔質シリカは、スペクトル幅が広い光を良好に放出する。これは、細孔の内面がシリル基等の炭素を含む官能基により修飾されることにより、細孔の内面付近のシリコンあるいは細孔の内面を修飾する官能基に歪みが加わるためと推定される。
なお、第2実施形態では、シラノール基の水素をシリル基に置換することにより細孔の内面をシリル基で修飾しているが、細孔の内面を炭素を含む種々の官能基で修飾するものとしてもよい。例えば、メチル基やエチル基等のアルキル基、エテニル基等のアルケニル基、あるいはエチニル基等のアルキニル基等の炭素を含む官能基でシラノール基の水素を置換することにより、これらの官能基のいずれかで細孔の内面を修飾するものとしてもよい。また、メチル基やエチル基等のアルキル基、エテニル基等のアルケニル基、あるいはエチニル基等のアルキニル基等の炭素を含む官能基でシラノール基の水酸基を置換することにより、これらの官能基で細孔の内面を修飾するものとしてもよい。
第2実施形態では、出発原料の多孔質シリカに直接シリル化処理を施しているが、シリル化処理に先立って水和処理を行うものとしてもよい。水和処理は、多孔質シリカを純水中に浸漬した後、浸漬した多孔質シリカを乾燥させることにより行うことができる。多孔質シリカは、通常親水性を有しているため、純水に浸漬すると速やかに水和する。そのため、純水への浸漬時間は、比較的短かい時間(例えば、10秒)でよい。乾燥は、多孔質シリカの水和状態を維持するため、水の沸点より十分低い温度(例えば、40℃)で行うのが好ましい。このとき、多孔質シリカの細孔へのシリル化剤の導入を阻害しないように、24時間以上乾燥を行ない水和に関与しない水分を十分に除去するのが好ましい。水和処理を施すことにより、出発原料の多孔質シリカの状態によっては、細孔の内面の単位面積あたりのシラノール基量が増加する。シラノール基量が増加すると、シリル基への置換量が増加するため、シリル化処理に先立って水和処理を行うのがより好ましい。
B2.第2実施形態の実施例:
[試料の作成]
第2実施形態の実施例では、第1実施形態の実施例と同様に、まず、メソポーラスシリカを調製した。シリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザンを準備した。調製したメソポーラスシリカの一部をフラスコに挿入した後、8時間の加温によっても蒸散しないように十分な量のヘキサメチルジシラザンを入れた小容器をフラスコに挿入した。調製したメソポーラスシリカの残りは、シリル化処理を施していない対照試料とした。
次いで、メソポーラスシリカとヘキサメチルジシラザンとを挿入したフラスコを126℃に調節したヒータにより加温した。加温は、ヘキサメチルジシラザンが蒸散した後、0.5時間が経過するまで継続した。加温の終了後、フラスコからメソポーラスシリカを取り出し、シリル化処理を施した試料を得た。
このように得られた試料のうち、以下で評価結果を示す試料を次の表に示す。なお、以下では、評価した試料を記号(AおよびC)を用いて参照する。
Figure 0005498077
B3.第2実施形態の試料の評価:
[FT−IRによる試料の状態評価]
得られた試料の状態を評価するため、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR:Fourier Transform-Infrared Spectroscopy)により、対照試料(A)と、シリル化処理を施した試料(C)の赤外吸収スペクトルを測定した。赤外吸収スペクトルの測定は、拡散反射法を用いて行った。図6および図7は、対照試料(A)と、シリル化処理を施した試料(C)とのFT−IRによる状態評価結果を示すグラフである。これらのグラフは、各試料の赤外吸収スペクトルを示しており、図6および図7において、横軸は赤外線の波数を示し、縦軸は拡散反射率を示している。
図6に示すように、シリル化処理の有無にかかわらず、波数1024cm−1の吸収(すなわち、拡散反射率の低下)が同程度であった。波数1024cm−1の吸収は、メソポーラスシリカが有するシリコン−酸素結合(Si−O)の横光学(TO:Transverse Optical)モード振動に由来する。この吸収が同程度であったことから、シリル化処理は、メソポーラスシリカのシリコン−酸素結合にほとんど影響を与えないことが判った。
図6および図7に示すように、2つの試料(A,C)のいずれにおいても、波数が3060〜3740cm−1の範囲の水酸基結合(−OH)に由来する吸収が認められた。しかしながら、水酸基結合に由来する吸収の強さは、シリル化処理を行うことにより小さくなった。また、対照試料(A)には、シリル化処理を施した試料(C)に認められる波数が2690〜3100cm−1の範囲の吸収が認められなかった。このシリル化処理を施した試料(C)のみに認められた吸収は、炭素−水素結合(C−Hn)の伸縮振動に由来する。従って、これらの評価結果は、シリル化処理により水酸基結合が減少するとともに、炭素−水素結合が形成されることを示している。
図8は、シリル化処理により試料の状態が変化する様子を示すグラフである。図8のグラフは、対照試料(A)の拡散反射率に対する、シリル化処理を施した試料(C)の拡散反射率の比(反射率比)を示すグラフである。図8に示すように、シリル化処理を施した試料(C)では、波数が1254cm−1のシリコン−メチル基結合(Si−CH3)に由来する吸収ピークが認められた。このことから、シリル化処理によりシリコン−メチル基結合が形成されることが判った。
以上の結果から、上述のシリル化処理を施すことにより、メソポーラスシリカの細孔内面に存在するシラノール基(−SiOH)の水素が、炭素−水素結合を含む置換基(本実施例では、トリメチルシリル基(−SiMe))に置換されることが判った。
[フォトルミネセンスの評価]
図9は、対照試料(A)と、シリル化処理を施した試料(C)とのフォトルミネセンスの評価結果を示すグラフである。図9において、横軸は、波長を表し、縦軸は、発光強度を表している。なお、発光強度は、任意単位(AU)としている。フォトルミネセンスの評価は、第1実施形態における試料の評価と同様に行った。
図9に示すように、対照試料(A)と同様に、シリル化処理を施した試料(C)においても、約430nmにピークがある青色の発光が観察された。この青色の発光は、シリル化処理を施していない対照試料(A)よりも強度が強く、また、半値幅(FWHM:Full Width Half Magnitude)が100nmを超えるスペクトル幅の広い発光であった。
このように、本実施例では、メソポーラスシリカをシリル化剤(本実施例では、ヘキサメチルジシラザン)の蒸気に暴露させることにより、発光強度が強く、発光スペクトル幅の広い発光体が得られた。また、得られた発光体では、メソポーラスシリカの細孔内面に存在するシラノール基の水素がシリル基に置換されていると推定される。従って、多孔質シリカの細孔内面に存在するシラノール基の水素をシリル基に置換することにより、発光強度が強くスペクトル幅の広い発光体を得ることが可能であることが判った。
C.第3実施形態:
図10は、第3実施形態における発光体の製造工程を示す工程図である。第2実施形態では、多孔質シリカをシリル化剤蒸気に暴露する気相法によりシリル化処理を行っているが、第3実施形態では、所定の溶媒中で多孔質シリカとシリル化剤とを反応させる液相法によりシリル化処理を行っている。
第3実施形態では、図10(a)に示すように、まず、シリル化反応を行うための溶媒330を調製する。溶媒330は、例えば、所定濃度(例えば1重量%)の酢酸水溶液と、エタノール等とを、重量比1:1の割合で混合することにより調製することができる。酸の種類、酸濃度、および酸水溶液とエタノール等との混合比率は、多孔質シリカやシリル化剤の種類等に応じて適宜変更することができる。一般に、シリル化反応を行うための溶媒としては、シリル化剤が溶解し、かつシリル化剤の加水分解を促進する溶媒であれば、任意の溶媒を用いることができる。
次いで、図10(b)に示すように、多孔質シリカ300を溶媒330に添加し、攪拌を行う。多孔質シリカ300の添加量は、適宜設定することが可能であるが、例えば、溶媒330の2重量%程度とすることができる。多孔質シリカ300の添加して十分に攪拌した後、図10(c)に示すように、多孔質シリカ300を添加した溶媒330aにシリル化剤320を添加し、攪拌を行う。シリル化剤320の添加量も適宜設定することが可能であるが、例えば、溶媒330の2重量%程度とすることができる。シリル化剤320の添加の後、シリル基への置換が十分に行われるように、所定の時間(例えば、8時間)以上攪拌を行う。十分な攪拌の後、溶媒を濾過・乾燥することにより、細孔の内面がシリル基で修飾された多孔質シリカが得られる。乾燥は、60℃で行う場合、2時間以上行うのが好ましい。
このように、液相でシリル化処理を行う第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、多孔質シリカの細孔の内面に存在するシラノール基がシリル基により置換される。そのため、第3実施例によっても発光強度が強く発光スペクトル幅の広い発光体を形成することが可能となる。また、液相でシリル化処理を行うことにより、シリル化処理において沸点が高いシリル化剤を用いることが容易となる。そのため、多孔質シリカを修飾する官能基をより柔軟に変更することができる。
D1.第4実施形態:
図11は、第4実施形態における発光体の製造工程を示す工程図である。図11(a)及び図11(b)は、図5(a)及び図5(b)と同じである。また、図11(c)は、多孔質シリカ300をシリル化処理を施した多孔質シリカ(以下、「シリル化多孔質シリカ」とも呼ぶ)300aに置き換えている点で、図1(b)と異なっており、他の点は、図1(b)と同じである。このように、第4実施形態は、多孔質シリカ300のシリル化処理(図11(b))の後に、図11(c)に示すように湿式酸化処理を施す点で、第2実施形態と異なっている。他の点は、第2実施形態と同様である。
湿式酸化処理は、第1実施形態における湿式酸化処理と同様に、シリル化多孔質シリカ300aを熱処理炉200に挿入し、挿入したシリル化多孔質シリカ300aを湿潤な不活性ガス雰囲気中で加熱することにより行われる。
シリル化多孔質シリカの酸化処理温度は、400〜700℃の範囲で適宜設定することが可能であるが、450〜600℃の範囲内で設定するのがより好ましい。さらに好ましくは、酸化処理温度は、470℃〜550℃の範囲内に設定される。酸化処理時間は、湿潤ガス中の水分量、酸化処理温度等に応じて5分〜6時間の間で適宜変更される。具体的な湿潤ガス中の水分量、酸化処理温度および酸化処理時間は、多孔質シリカ300の細孔314の径や配列状態、細孔314の内面を修飾するシリル基の種類等に応じ、湿式酸化処理を施したシリル化多孔質シリカ(以下、「湿式酸化処理試料」ともいう)に所定の波数領域(1270〜1290cm−1)の吸収ピークが発現するように実験的に決定される。
D2.第4実施形態の実施例:
[試料の作成]
第4実施形態の実施例では、まず、第2実施形態の実施例と同様にして、メソポーラスシリカにシリル化処理を施した試料を作成した。作成した試料の一部は、対照試料として抽出し、残りの試料に湿式酸化処理を施した。湿式酸化処理は、湿潤アルゴン雰囲気中で、酸化処理温度が450℃、500℃、650℃および800℃の4種類の条件で行った。酸化処理時間は、3時間とした。湿潤アルゴンは、乾燥アルゴンを90℃の純水中にバブリングして生成した。また、酸化処理温度が500℃の条件では、水分量が異なる処理条件として、乾燥アルゴンを室温(約25℃)の純水中にバブリングして生成した湿潤アルゴン雰囲気中で湿式酸化処理も行った。このように得られた5種類の試料を次の表に示す。なお、以下では、各試料を記号(C,D1〜D5)を用いて参照する。
Figure 0005498077
D3.第4実施形態の試料の評価:
[FT−IRによる試料の状態評価]
第2実施形態における評価と同様に、得られた試料の状態を評価するため、FT−IRを用いて、湿式酸化処理を施していない対照試料(C)と、湿式酸化処理を施した試料(D2〜D4)の赤外吸収スペクトルを測定した。図12および図13は、対照試料(C)と湿式酸化処理を施した試料(D2〜D4)とのFT−IRによる状態評価結果を示すグラフである。これらのグラフは、各試料の赤外吸収スペクトルを示しており、図12および図13において、横軸は赤外線の波数を示し、縦軸は拡散反射率を示している。
図12および図13に示すように、湿式酸化処理を施すことにより、水酸基結合(−OH)に由来する吸収が増加するとともに、炭素−水素結合(C−Hn)による吸収が減少した。この傾向は、酸化処理温度の上昇に伴いより顕著となり、酸化処理温度を800℃とした試料では、炭素−水素結合による吸収が観察されなかった。このことから、酸化処理温度を800℃とした場合には、多孔質シリカの細孔の内面を修飾するシリル基の酸化が進み、細孔内面がシラノール基で終端された状態に戻ったものと推定される。
図14は、湿式酸化処理により試料の状態が変化する様子を示すグラフである。図14のグラフは、対照試料(C)の拡散反射率に対する、湿式酸化処理を施した試料(D2〜D4)の拡散反射率の比(反射率比)を示すグラフである。図14に示すように、酸化処理温度を500℃及び650℃とした試料(D2,D3)については、シリコン−メチル基結合(Si−CH)の吸収ピークと、1290cm−1から高波数側の炭素結合(C−:CH,CH,CH,C=C,C=O)に由来する吸収領域の間に、波数が約1280cm−1の反射率が小さい吸収のピーク(X)が観察された。一方、酸化処理温度を800℃とした試料(D4)では、約1280cm−1の吸収ピーク(X)は観察されなかった。この吸収ピーク(X)に対応する結合状態については具体的に同定されていないが、図12および図13に示す水酸基結合(−OH)および炭素−水素結合(C−Hn)の吸収の変化の様子から、シリル基を構成する炭素が部分的に酸化した状態に対応するピークと推定される。
[フォトルミネセンスの評価]
図15は、対照試料(C)と湿式酸化処理を施した試料(D1〜D3,D5)とのフォトルミネセンスの評価結果を示すグラフである。図15において、横軸は波長を表し、縦軸は発光強度を表している。なお、発光強度は、任意単位(AU)としている。フォトルミネセンスの評価は、第1実施形態における試料の評価と同様に行った。
図15に示すように、湿式酸化処理を施すことにより、発光スペクトルのピークは長波長側に移動し、発光スペクトル幅が広い白色から淡黄色の発光が観察された。評価を行った試料のうち、酸化処理温度を500℃とした試料(D2,D5)を比較すると、湿潤アルゴン中の水分量が多い試料(D2)の方がより発光が強かった。また、湿潤アルゴン中の水分量を同一にした試料(D1〜D3)を比較すると、酸化処理温度が500℃の試料(D2)の発光が、他の試料(D1,D3)よりも強かった。また、水分量が多い湿潤アルゴン雰囲気中において500℃で湿式酸化することにより、湿式酸化処理を施さなかった対照試料(C)よりも発光強度が強くなることが判った。湿潤アルゴン中の水分量が少ない試料(D5)や酸化処理温度が450℃の試料(D1)の発光強度が低くなったのは、シリル基を構成する炭素の部分的な酸化が十分行われなかったためと考えられる。また、湿式酸化温度が高い試料(D3)の発光強度が低くなったのは、シリル基の酸化が進み、シリル基の炭素が離脱したためと考えられる。
このように、本実施例では、メソポーラスシリカをシリル化剤(本実施例では、ヘキサメチルジシラザン)の蒸気に暴露させた後、湿式酸化処理を施すことにより、発光スペクトル幅が広く、発光強度が強い発光体が得られた。このような発光体では、シリコン−メチル基結合の吸収ピークよりも高波数側の約1280cm−1に、シリル基を構成する炭素が部分的に酸化した状態に対応すると推定される吸収ピークが観察される。従って、シリコン・酸素・炭素および水素を含む材料において、約1280cm−1の付近(1270〜1290cm−1)に吸収ピークが発現するよう処理を行うことで、発光スペクトル幅が広く、発光強度が強い発光体を得ることができる。
E.適用形態:
上記各実施形態では、各実施形態により得られる試料の発光体としての特性について説明してきたが、得られる試料は、種々の用途に適用することができる。各実施形態により得られる発光体は、例えば、次のような適用形態で利用することが可能である。
E1.適用形態1:
上述の通り、多孔質シリカの細孔内面を化学修飾した試料は、励起光(アルゴンレーザ光)を照射することにより、発光強度が強く、スペクトル幅が広い青色や白色の光を放出する。そのため、これらの試料に励起光を照射する励起光源を用いることにより、輝度が高く、スペクトル幅が広い可視光の照明装置を構成することが可能となる。具体的には、放電で発生する紫外線を励起光とする蛍光ランプ、エレクトロルミネッセンスにより発生する青から近紫外域の光を励起光とし白色の光を放出する発光ダイオード、あるいは、これらの蛍光ランプや発光ダイオードを用いたバックライト等、種々の照明装置を構成することが可能となる。
E2.適用形態2:
一般に、メソポーラスシリカ等の粉末状の多孔質シリカは、入射光を良好に散乱する。この多孔質シリカを化学修飾した多孔質シリカ粉末(化学修飾多孔質シリカ粉末)は、入射光を良好に散乱させるとともに、上述の通り紫外線を吸収して可視光を放出する。そのため、化学修飾多孔質シリカ粉末は、日焼け止めクリームやファンデーション等の日焼け止め機能を有する化粧品における紫外線散乱・吸収材(紫外線遮蔽材)あるいは不透明化材として用いることも可能である。さらに、化学修飾多孔質シリカ粉末を用いることにより、可視光が放出されるので、化粧品を用いた際に肌色が暗くなる肌色のくすみを抑制することが可能となる。
110…開口容器
112…開口
120…小容器
200…熱処理炉
210…チャンバ
212,214…フランジ
220…ヒータ
300…多孔質シリカ
300a…シリル化多孔質シリカ
310…メソポーラスシリカ
312…シリカ壁
314…細孔
320…シリル化剤
330,330a…溶媒

Claims (15)

  1. 発光体の製造方法であって、
    (a)細孔が形成された多孔質シリカを含む出発原料を準備する工程と、
    (b)前記細孔の内面に存在するシラノール基の水素をシリル基に置換するシリル化処理工程
    を備える、発光体の製造方法。
  2. 前記シリル化処理工程は、前記出発原料をシリル化剤蒸気に暴露させることにより前記置換を行う、請求項記載の発光体の製造方法。
  3. 前記シリル化処理工程は、所定の溶媒に前記出発原料とシリル化剤とを添加することにより前記置換を行う、請求項記載の発光体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか記載の発光体の製造方法であって、さらに、
    前記内面が前記シリル基で修飾された多孔質シリカに湿潤な不活性ガス雰囲気中において400〜700℃の範囲の温度で加熱する湿式酸化処理を施すことにより前記シリル基を部分的に酸化する部分酸化工程を含む、発光体の製造方法。
  5. 請求項からのいずれか記載の発光体の製造方法であって、さらに、
    前記工程(b)に先立って、前記出発原料を水和させる水和工程を含む、
    発光体の製造方法。
  6. 発光体の製造方法であって、
    (a)細孔が形成された多孔質シリカを含む出発原料を準備する工程と、
    (b)前記出発原料を湿潤な不活性ガス雰囲気中において400〜700℃の範囲の温度で加熱する湿式酸化処理を施す工程
    を備える、発光体の製造方法。
  7. 前記多孔質シリカは、X線回折パターンにおいて、2nm以上のd値に相当する回折角度にピークを有する、請求項1からのいずれか記載の発光体の製造方法。
  8. 請求項4記載の発光体の製造方法により製造された発光体。
  9. 請求項記載の発光体であって、
    シリコン−メチル基結合による赤外吸収ピークと、炭素結合による赤外吸収領域との間の波数領域において、赤外吸収ピークを有する、
    発光体。
  10. 前記波数領域は、1270〜1290cm−1である、請求項記載の発光体。
  11. 請求項1から3のいずれか記載の発光体の製造方法により製造された発光体。
  12. 請求項6記載の発光体の製造方法により製造された発光体であって、
    前記細孔の内面は、標準平衡量よりも多くのシラノール基を有している
    発光体。
  13. 前記多孔質シリカは、X線回折パターンにおいて、2nm以上のd値に相当する回折角度にピークを有する、請求項から12のいずれか記載の発光体。
  14. 照明装置であって、
    請求項から13のいずれか記載の発光体と、
    前記発光体を励起するための励起光源と
    を備える、照明装置。
  15. 化粧品用紫外線遮蔽材であって、
    請求項から13のいずれか記載の発光体を含み、
    前記発光体は、粉末状である、
    化粧品用紫外線遮蔽材。
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