JP5495820B2 - 管内スケール計測装置及び計測方法 - Google Patents

管内スケール計測装置及び計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボイラ管等の長尺管の管内面におけるスケールの状態を定量的に計測する管内スケールの計測装置及び計測方法に関する。
火力発電用ボイラ等のボイラ管では、管内面におけるスケールの付着によって管内面と蒸気または水の熱伝達率が低下し、ボイラ管の温度が上昇して管部のクリープ損傷が起きることがある。かかるクリープ損傷については、管内面に一定量のスケールが付着すると、通常は次のような手段でスケール量を測定し、付着量が多い場合には酸洗浄によるスケール除去を行っている。
図9に示すように、ボイラ管101の外部にUTプローブ(超音波プローブ)51を配置し、該UTプローブ51から管内面のスケール付着部101bに超音波51a、51bを発振し、前記超音波51a、51bの差からスケール付着部101bの厚さを計測する。105は管内部である。
また、図示を省略するが、ボイラ管101の内部にレーザ光を通す光切断法により、管内面のスケール付着部101bを含む、管内面の形状を計測している。
尚、特許文献1(特開2006−64589号公報)には、ボイラ管等の被測定管の奥行き方向の一定範囲について、管の全周に亘り高密度で定量的な形状測定が可能な管内面形状測定装置を得るため、図10を参照して説明すると、被測定管010内を撮影する2台のテレビカメラ023と、該テレビカメラ023で撮影する際の照明を行う投光装置024とを備えた検出ヘッド020を、被測定管010内に挿入して被測定管010内の内面形状を測定する管内面形状測定装置であって、2台のテレビカメラ023からの映像信号を同一タイミングでデジタル化して記録する画像記録装置031と、該画像記録装置031に記録された画像データを読み出してステレオ法により被測定管010の内面形状を求めるステレオ法処理手段を有するデータ処理装置040とを備えている。
特開2006−64589号公報
図9に示されるボイラ管101の外部にUTプローブ(超音波プローブ)51を配置して、該UTプローブ51から管内面のスケール付着部101bの部分に超音波51a、51bを発振し、前記超音波51a、51bの差からスケール付着部101bの厚さを計測する方法では、緻密なスケールの場合には計測は可能であるが、ポーラス(多孔質)なスケールの場合には、超音波が散乱、減衰してしまい反射波が検出できない。
また、ボイラ管101の内部にレーザ光を通す光切断法により、管内面のスケール付着部101bの部分を含む、管内面の形状を計測する手段では、ボイラ管101の内面の凹凸は計測可能であるが、スケール付着部101bの厚さは計測できない。
尚、特許文献1(特開2006−64589号公報)の手段は、被測定管010の中心軸周りに回転可能に検出ヘッド020を設けておらず、従って被測定管010の円周方向の形状は計測できない。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてなされたもので、管の管軸方向及び管の円周方向の双方からの測定を可能とした計測具を設けることにより、ポーラススケールの場合であってもスケールの高精度な計測を可能とし、かつスケールの厚さも正確に計測可能とした管内スケール計測装置及び計測方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、管の中心軸周りに回転可能に設けられた回転体とともに回転する機器台板に装着された発信器から、管の内周各部のスケール付着部に向けてレーザ光を発振するレーザ光発信部と、前記スケール付着部からのレーザ光の反射波から該レーザ光の吸光度を検出するレーザ光の吸光度検出部と、前持って設定された該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着部におけるスケール付着厚さとの関係から前記吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さを算出するスケール付着厚さ算出部とを備え、前記スケール付着厚さ算出部により管の中心から内周各部のスケール表面までの距離hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出することを特徴とする(請求項1の装置発明、請求項5の方法発明)。
そして本発明は、特に前記レーザ光発信部が管の内部に該管の中心軸周りに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の内側に設置されて該回転体を回転駆動せしめるモータと、前記回転体の外周に設けられて該回転体とともに管の中心軸周りに回転可能に構成された機器台板と、該機器台板上に取り付けられて前記管の内周のスケール付着部に向けてレーザ光を発振する発信器とからなり、前記レーザ光の吸光度検出部は該機器台板上に取り付けられて前記発信器から管の内周のスケール付着部に向けて発振されたレーザ光の反射波を受信する受信器と、前記回転体及び機器台板を管軸方向に移動せしめる軸方向移動機構とからなり、前もって設定された該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着部におけるスケール付着厚さとの関係から吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さを算出する前記発信器及び受信器を機器台板及び回転体とともに管の中心軸周りに回転可能に設置したことを特徴とする。
かかる発明によれば、管の中心軸周りにモータにより回転可能な回転体に設けられて、管内周のスケール付着部に向けてレーザ光を発振する発信器及び発振されたレーザ光の反射波を受信する受信器を搭載した機器台板と、該機器台板を管軸方向に移動せしめる軸方向移動機構とを設けることにより、発信器及び受信器を設けた機器台板を円周方向及び軸方向に、螺旋状に移動させながら、前記発信器により管の内周全体のスケール付着部に向けてレーザ光を発振し、受信器によりスケール付着部に向けて発振されたレーザ光の反射波を受信するという動作を、連続して行うことができる。
従って、前記管の内部に、スケール付着部に向けてレーザ光を発振する発信器および該発信器からのレーザ光の反射波を受信する受信器を備えた機器台板を、円周方向及び軸方向に螺旋状に移動させることにより、非破壊で以って、スケールがポーラスの場合にも、スケールの高精度な計測が容易にできる。
また、前記機器台板及び該機器台板上に取り付けられた発信器と受信器は、軸方向調整モータに接続部材を介して管軸方向に移動可能に連結されて、前記回転体に対する前記機器台板及び発信器と受信器の管軸方向位置を調整可能に構成するとよい。
このようにすることで、機器台板上に取り付けられた発信器と受信器との回転体に対する管軸方向の位置を、前記円周方向及び軸方向に加えて、モータにより接続部材を介して自由に微調整ができるので、発信器と受信機の軸方向位置の微調節が可能になり、より高精度な計測ができる。
また、前記発信器、受信器、モータ、および機器台板の軸方向移動の制御を行う制御装置を、環状に形成して前記回転体および機器台板の側部に配置するとよく、このように制御装置を、環状に形成して前記回転体および機器台板の側部に配置するため、ボイラ管内計測装置の軸線方向の長さが短縮される。
かかる発明によれば、スケール付着部からのレーザ光の反射波から該レーザ光の吸光度を検出し、該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着厚さとの関係から吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さTを算出し、管の中心から内周各部のスケール表面までの距離hを、すなわち管の内周各部のスケール表面線hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出するので、管の内周各部のスケール表面線hを正確に得ることができるとともに、これにより管の内周各部のスケールの厚さTを正確に計測できる。
本発明によれば、管の内部のスケール付着部からのレーザ光の反射波から該レーザ光の吸光度を検出し、該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着厚さとの関係から吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さTを算出し、管の中心から内周各部のスケール表面までの距離hを、すなわち管の内周各部のスケール表面線hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出するので、管の内周各部のスケール表面線を正確に得ることができるとともに、これにより管の内周各部のスケールの厚さTを正確に計測できる。
また、管の内部に、スケール付着部に向けてレーザ光を発振する発信器および該発信器からのレーザ光の反射波を受信する受信器を備えた機器台板を、円周方向及び軸方向に螺旋状に移動させることにより、非破壊で以って、スケールがポーラススケールの場合にも、スケールの高精度な計測が容易にできる。
本発明の第1実施形態におけるボイラ管のボイラ管内計測装置の側面図である。 前記第1実施形態における図1のZ矢視図である。 (A)は前記第1実施形態における図1のA−A断面図、(B)は図1のB−B断面図である。 (A)、(B)、(C)は前記第1実施形態における作用説明図である。 前記第1実施形態における吸光度とスケール付着厚さとの関係線図である。 本発明の第2実施形態におけるボイラ管のボイラ管内計測装置の側面図である。 前記第2実施形態における図6のY矢視図である。 前記第2実施形態における図6のC−C断面図である。 従来技術に係るUTプローブ(超音波プローブ)の配置説明図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるボイラ管のボイラ管内計測装置の側面図、図2は前記第1実施形態における図1のZ矢視図である。図3の(A)は前記第1実施形態における図1のA−A断面図、(B)は図1のB−B断面図である。
図1〜3において、ボイラ管101の軸方向には、ボイラ管内計測装置100が、手動で軸方向に往復動可能に、且つ自動で回転可能に挿入されている。
前記ボイラ管内計測装置100は、該ボイラ管内計測装置100の前部に設置された軸方向の支持枠7aと該軸方向の支持枠7aに直角方向に固定、延設された半径方向の支持枠6aの先端に回動自在に支持された4個の前部のローラ5、及び該ボイラ管内計測装置100の後部にモータ3(詳細は後述)に取付けられた軸方向の支持枠16に回動自在に支持された4個の後部のローラ5を介して、手動でボイラ管101の軸方向に往復動可能となっている。
電動式で減速機構付のモータ3が設置され、該モータ3の外周には環状のスリーブ2が固定されている。図3(A)のように、該スリーブ2の外周には環状の回転体1が嵌合されている。
前記モータ3は、ボイラ管101の中心軸200周りに固定されるので、該モータ3の外周の環状のスリーブ2と回転体1とは、スリップリング22(図1〜2の無線送受器15に並べて設置)を介して連結され、回転体1がスリップリング22を介してスリーブ2の外周側を回転可能となっている。また、図1に示すように回転体1側に無線送受器15が設置されている。
そして、該回転体1は、図1のように、前記モータ3の回転軸の前部に駆動アーム17を介して連結され、該モータ3の回転軸によりボイラ管101の中心軸200周りに回転可能となっている。
前記回転体1の上部の両側には、2本のレール9が中心軸200方向に延設、固定されている。該2本のレール9の間には、図3(A)のように、平板状の機器台板10が、ボイラ管101の軸方向に往復動可能に嵌合されている。
前記機器台板10上には、前記ボイラ管101の内周のスケール付着部101bに向けてレーザ光(例えば赤外線光)33(図4参照)を発振する発信器11と、前記発信器11からボイラ管101の内周のスケール付着部101bに向けて発振されたレーザ光33の反射波を受信する受信器13と、照明装置を備えたカメラ12が取り付けられている。
従って、前記環状の回転体1と、該レール9の間に設けられた平板状の機器台板10及びこれに取り付けられた発信器11と受信器13とカメラ12は、前記スリーブ2とともに静止されたモータ3と切り離されて、ボイラ管101の中心軸200周りに回転可能に構成されることとなる。
そして、前記機器台板10には、前記発信器11及び受信器13及びカメラ12を取り付けて、モータ3により回転駆動されて回転体1を介して円周方向に回動し、軸方向には軸方向移動機構として手動によって電力信号線14を前後方向に押し引きして、結果として回転体1を螺旋状に移動させながら、前記発信器11及び受信器13及びカメラ12により、ボイラ管101の内周のスケール付着部101bに向けて発振されたレーザ光33の反射波を受信することとなる。また、カメラ12により、管内面の外観を観察することも可能である。
7は管軸方向調整モータで、該モータ7は、図2のように、クランク機構8にて機器台板10に連結されている。
該管軸方向調整モータ7を回転させると、クランク機構8を介して前記機器台板10が、図2のU矢印のように、軸方向に往復動する。従って、管軸方向調整モータ7の回転により、機器台板10の軸方向位置を調整できる。
即ち、前記機器台板10及び該機器台板10上の発信器11と受信器13とは、前記管軸方向調整モータ7にクランク機構8を介して管軸方向に移動可能に連結され、また機器台板10及び発信器11と受信器13における、前記ボイラ管101の軸方向位置を前記クランク機構8により調整可能に構成しているので、機器台板10上に取り付けられた発信器11と受信器13との軸方向の位置を、前記円周方向及び軸方向に加えて、管軸方向調整モータ7によりクランク機構8を介して自由に微調整できる。
制御装置4は、前記モータ3の後部に固定されており、前記レーザ光33を発振する発信器11、スケール付着部101bに向けて発振されたレーザ光33の反射波を受信する受信器13、照明装置を備えたカメラ12、さらに、モータ3、および、管軸方向調整モータ7の制御を行う制御信号、例えば、回転、移動、測定の制御信号を出力及び入力する。14は、前記制御装置4に連結される電力信号線である。
回転体1側に設置される発信器11、受信器13、カメラ12、管軸方向調整モータ7、無線送受器15への電力はスリップリング22を介して供給される。また、制御信号や計測信号は無線送受器15によって、制御装置4や外部に設置されたデータ処理装置および外部制御装置等と送受信されるようになっている。
次に、かかる第1実施形態の作用、効果について説明する。
前記ボイラ管内計測装置100は、前記ボイラ管101内に、前部の4個の前部のローラ5及び後部の4個のローラ5を介して、電力信号線14押し引きによって手動でボイラ管101の軸方向に往復動可能となっている。
手動により、ボイラ管内計測装置100を所定の部位に移動させると、前記環状の回転体1を、モータ3によりボイラ管101の中心軸200周りに回転させる。
そして、該回転体1の上部に固定された機器台板10と該機器台板10上に取り付けられた発信器11と受信器13と照明装置を備えたカメラ12とを、これらが前記ボイラ管101の内周のスケール付着部101bに向くように、機器台板10の向きをセットする。
この場合、発信器11と受信器13と照明装置を備えたカメラ12は、前記スケール付着部101bに向けて回転して、モータ3の回転数により回転体1及び機器台板10の回転速度及び回転位置を調整できる。
一方、かかるボイラ管内計測装置100は、手動でボイラ管101の軸方向に往復動可能となっている。
従って、ボイラ管内計測装置100全体は、手動でボイラ管101の軸方向に往復動しながら、モータ3により機器台板10上の発信器11と受信器13とカメラ12は、前記スケール付着部101bに向けて、前記のように、モータ3の回転数により回転体1及び機器台板10の回転速度及び回転位置を調整して回転せしめられる。
そして、かかる状態で、後述するように、前記発信器11は、ボイラ管101内周のスケール付着部101bに向けてレーザ光33(図4(A)参照)を発振し、受信器13は前記発信器11より発振されたレーザ光33の反射波を受信する。そして照明付のカメラ12はスケール付着部101b近傍を撮像する。
この第1実施形態によれば、ボイラ管101の中心軸200周りにモータ3により回転可能な回転体1に設けられて、ボイラ管101内周のスケール付着部101bに向けてレーザ光33を発振する発信器11及び発振されたレーザ光33の反射波を受信する受信器13を搭載した機器台板10と、該機器台板10を管軸方向に移動せしめる手動の軸方向移動機構とを設けることにより、発信器11及び受信器13を設けた機器台板10を円周方向及び軸方向に、螺旋状に移動させながら、前記発信器11によりボイラ管101の内周のスケール付着部101bに向けてレーザ光33を発振し、受信器13によりスケール付着部101bに向けて発振されたレーザ光33の反射波を受信するという動作を、連続して行うことができる。
従って、前記ボイラ管101の内部に、スケール付着部101bに向けてレーザ光を発振する発信器11および該発信器11からのレーザ光の反射波を受信する受信器13を備えた機器台板10を、円周方向及び軸方向に螺旋状に移動させることにより、非破壊で以って、ポーラススケールの場合にも、スケールの高精度な計測が容易にできる。
次に、かかる第1実施形態の状態における、ボイラ管101のスケール付着部101bの計測方法について説明する。
図4(A)、(B)、(C)は前記第1実施形態における作用説明図、図5は前記第1実施形態における吸光度とスケール付着厚さとの関係線図である。
図4(A)は、スケール付着部101bの管内スケール計測方法の部分構成図であり、ボイラ管内計測装置100の機器台板10上に取り付けられた発信器11及び受信器13を用い、ボイラ管101の中心軸200周りに回転可能に設けられた回転体1とともに回転する機器台板10に装着された発信器11から、ボイラ管101の内周各部のスケール付着部101bに向けてレーザ光33を、偏光子32を介して発振し、該スケール付着部101bからのレーザ光33の反射波を受信器13で受ける。
偏光子32を通してP偏光を用いることでスケール付着部101bの表面からの反射光をなくしてスケール付着部101bを通過してボイラ管101の管内表面からの反射光を計測することで、スケール付着部101bによる吸光度を受信器13による受信信号から精度よく計測できる。
該スケール付着部101bを通過してボイラ管101の管内表面からのレーザ光33の反射波から、レーザ光33の吸光度Sを検出する。
即ち、吸光度Sは特定の波長の光に対して物質(スケール)の吸収強度を示すものであり、入射光と反射光の強度比である。
前記吸光度Sとスケール厚さTとの関係データは、前持って該吸光度Sの検出値に対応する管の内周のスケール付着部101bにおけるスケール厚さTとの関係を設定しておく。図5は、かかる吸光度Sとスケール厚さTとの関係データで、抜管したサンプル管等で測定データを取る。図5のAはスケール密度が大きい場合、Bはスケール密度が小さい場合であり、スケール密度によって適した関係データを選択する。
さらに、スケール密度や成分に合わせて最適な波長帯のレーザ光を選択することで、精度良くスケール厚さを測定できる。
前記吸光度Sの検出値を、図5に対応させて、図5から吸光度Sの検出値に対応するスケール厚さTを求める。図4(B)は前記吸光度Sの検出値に対応するスケール厚さTの断面図である。
このスケール厚さTを用いて、図4(C)のように、前記ボイラ管101内周各部のスケール表面線101c(h)の管101の中心からの距離hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出する。
従って、かかる第1実施形態の計測方法によれば、スケール付着部101bからのレーザ光33の反射波から該レーザ光33の吸光度Sを検出し、該吸光度Sの検出値に対応するボイラ管101の内周のスケール付着厚さTとの関係から吸光度Sの検出値に対応するスケール付着厚さTを算出し、ボイラ管101の内周各部のスケール表面線101c(h)のボイラ管101の中心からの距離hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出する。
また、計測結果を管の周方向角度位置、長手方向位置、管内径スケール厚さを各点で計算して、それらデータを基に、外部に設置されたデータ処理装置によって3次元画像処理を行い、管内面状況を画像表示することで、ボイラ管101の管内状況をスケール表面線101c(h)も含めて正確に得ることができ、これによりボイラ管101の内周各部の状況が正確に把握でき、図4(B)のように、管内部の腐食ピット101dが生じていても、直ちに検知できる。
以上のように、第1実施形態によれば、ボイラ管内計測装置100によって、ボイラ管101の内部からスケール付着部101bの厚さを測定でき、さらに、レーザ光を用いることで、超音波厚さ測定では測定できないポーラススケールの厚さを測定できる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態におけるボイラ管のボイラ管内計測装置の側面図、図7は第2実施形態における図6のY矢視図である。また、図8は第2実施形態における図6のC−C断面図である。
第1実施形態では制御装置4を、モータ3の後部に固定した静止型のものであったが、この第2実施形態においては、制御装置4aをボイラ管内計測装置100aの側部に、図8に示すように、半円環状に形成して回転体1および機器台板10の側部に配置する回転型である。
制御装置4aが回転体1および機器台板10の側部に配置されて、これらに固定されるため、制御装置4aへの電力供給は電力信号線14からスリップリング22を介して供給される。
従って、前記第1実施形態のような制御装置4のモータ3の後部への固定は廃止したので、ボイラ管内計測装置100aの軸線方向の長さが短縮される。また、制御装置4aが回転体1側に配置されるため、回転体1側に設置される発信器11、受信器13、カメラ12、管軸方向調整モータ7、無線送受器15との配線接続が容易になる。
その他の構成および作用効果については、前記第1実施形態(図1〜図5)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
本発明によれば、管の管軸方向及び管の円周方向の双方からの測定を可能とした計測具を設けることにより、ポーラススケールの場合であってもスケールの高精度な計測を可能とし、かつスケールの厚さも正確に計測可能とした管内スケール計測装置及び計測方法を提供できる。
1 回転体
2 スリーブ
3 減速機構付のモータ
4、4a 制御装置
5 ローラ
7 管軸方向調整モータ
8 クランク機構
9 レール
10 機器台板
11 発信器
12 カメラ
13 受信器
14 電力信号線
15 無線送受器
17 駆動アーム
33 レーザ光
100、100a ボイラ管内計測装置
101 ボイラ管
101b スケール付着部
101d 腐食ピット
200 中心軸
S 吸光度
T スケール厚さ

Claims (5)

  1. 管の中心軸周りに回転可能に設けられた回転体とともに回転する機器台板に装着された発信器から、管の内周各部のスケール付着部に向けてレーザ光を発振するレーザ光発信部と、前記スケール付着部からのレーザ光の反射波から該レーザ光の吸光度を検出するレーザ光の吸光度検出部と、前もって設定された該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着部におけるスケール付着厚さとの関係から前記吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さを算出するスケール付着厚さ算出部とを備え、前記スケール付着厚さ算出部により管の中心から内周各部のスケール表面までの距離hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出することを特徴とする管内スケール計測装置。
  2. 前記レーザ光発信部は管の内部に該管の中心軸周りに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の内側に設置されて該回転体を回転駆動せしめるモータと、前記回転体の外周に設けられて該回転体とともに管の中心軸周りに回転可能に構成された機器台板と、該機器台板上に取り付けられて前記管の内周のスケール付着部に向けてレーザ光を発振する発信器とからなり、前記レーザ光の吸光度検出部は該機器台板上に取り付けられて前記発信器から管の内周のスケール付着部に向けて発振されたレーザ光の反射波を受信する受信器と、前記回転体及び機器台板を管軸方向に移動せしめる軸方向移動機構とからなり、前もって設定された該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着部におけるスケール付着厚さとの関係から吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さを算出する前記発信器及び受信器を機器台板及び回転体とともに管の中心軸周りに回転可能に設置したことを特徴とする請求項1記載の管内スケール計測装置。
  3. 前記機器台板及び該機器台板上に取り付けられた発信器と受信器は、軸方向調整モータに接続部材を介して管軸方向に移動可能に連結されて、前記回転体に対する前記機器台板及び発信器と受信器の管軸方向位置を調整可能に構成されたことを特徴とする請求項2記載の管内スケール計測装置。
  4. 前記発信器、受信器、モータ、および機器台板の軸方向移動の制御を行う制御装置を、環状に形成して前記回転体および機器台板の側部に配置したことを特徴とする請求項3記載の管内スケール計測装置。
  5. 管の中心軸周りに回転可能に設けられた回転体とともに回転する機器台板に装着された発信器から、管の内周各部のスケール付着部に向けてレーザ光を発振し、前記スケール付着部からのレーザ光の反射波から該レーザ光の吸光度を検出し、前持って設定された該吸光度の検出値に対応する管の内周のスケール付着部におけるスケール付着厚さとの関係から前記吸光度の検出値に対応するスケール付着厚さを算出し、前記管の中心から内周各部のスケール表面までの距離hを、h=(管内周の半径R−スケール付着厚さT)により算出することを特徴とする管内スケール計測方法。
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