JP2003194780A - 鉄酸化皮膜検査装置および鉄酸化皮膜検査方法 - Google Patents

鉄酸化皮膜検査装置および鉄酸化皮膜検査方法

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JP2003194780A JP2001390585A JP2001390585A JP2003194780A JP 2003194780 A JP2003194780 A JP 2003194780A JP 2001390585 A JP2001390585 A JP 2001390585A JP 2001390585 A JP2001390585 A JP 2001390585A JP 2003194780 A JP2003194780 A JP 2003194780A
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oxide film
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Taiji Hirasawa
泰治 平澤
Ichiro Furumura
一朗 古村
Takahiro Kubo
貴博 久保
Satoshi Nagai
敏 長井
Toshiaki Ozeki
敏明 尾関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄酸化皮膜の厚みおよび鉄成分量を的確に評
価する。 【解決手段】 鉄酸化皮膜の性状を判定する評価部位を
選定し(ステップS1)、皮膜鉄成分量(ステップS
3)、皮膜厚さ(ステップS4)、皮膜電気的特性(ス
テップS5)および皮膜表面色(ステップS6)の計測
結果に基づいて、鉄酸化膜の性状評価を行う(ステップ
S7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄酸化皮膜検査装
置および鉄酸化皮膜検査方法に関し、特に、発電設備等
で使用される冷却管内面を保護するために生成した鉄酸
化皮膜の性状を判定する場合に適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】発電設備等で使用される冷却管では、運
転時に鉄イオンを注入し、冷却管内表面に鉄酸化皮膜を
強制的に生成することにより、海水からの腐食を防止す
ることが行われている。
【0003】この冷却管内表面に鉄酸化皮膜を生成する
方法では、海水の成分によって鉄酸化皮膜の生成状態が
変化し、鉄酸化皮膜が付きにくくなる場合があり、鉄酸
化皮膜の生成が適正に行われないと、冷却管の腐食が生
じ易くなる。そして、腐食が冷却管の外面まで進行し、
ピット等の孔が冷却管に生じると、海水が漏洩するた
め、伝熱効率の低下をきたし、ひいてはタービン効率の
低下を招くようになる。
【0004】このため、発電設備を効率よく運転するに
は、冷却管内の点検を定期的に行い、冷却管内表面に生
成される鉄酸化皮膜の性状を的確に計測・評価する必要
がある。
【0005】冷却管内の性状を評価する方法として、冷
却管外面に設置した伝熱抵抗センサを用いて冷却管の伝
熱抵抗を測定することにより、内面付着汚れを評価する
方法があり、この方法の詳細は、日本機会学会講演論文
集No.969−1 九州支部第49期総会講演会「復
水器冷却管内面付着汚れの伝熱抵抗の簡易測定」(19
96)等に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷却管
の伝熱抵抗を測定して冷却管の内面付着汚れを評価する
方法では、鉄酸化皮膜に含まれる鉄成分量を精度よく評
価することが難しく、皮膜性状を的確に判定することが
難しいという問題があった。
【0007】また、海水中の微生物による生物皮膜の影
響を無視することができず、鉄酸化皮膜の厚みのみを精
度よく評価することが困難だった。
【0008】そこで、本発明の目的は、鉄酸化皮膜の厚
みおよび鉄成分量を的確に評価することが可能な鉄酸化
皮膜検査装置および鉄酸化皮膜検査方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の発明によれば、冷却管内面の皮
膜の鉄成分量、皮膜厚さ、皮膜の電気的特性および皮膜
表面の色情報の少なくともいずれか1つを計測するステ
ップと、前記計測結果に基づいて前記冷却管内面の皮膜
性状を評価するステップとを備えることを特徴とする。
これにより、鉄酸化皮膜の厚みおよび鉄成分量の評価結
果に基づいて皮膜性状を評価することが可能となり、鉄
酸化皮膜の生成状態を的確に判定することが可能となる
とともに、鉄酸化皮膜の生成状態に対応させて計測方法
を変更することが可能となり、必要に応じて高精度な計
測や簡易な計測を行うことが可能となる。
【0010】また、請求項2記載の発明によれば、前記
鉄成分量を計測するステップは、フラックスゲート型磁
束計を冷却管の内側に設置するステップと、前記フラッ
クスゲート型磁束計に交流電流を印加するステップと、
前記交流電流の印加時に前記フラックスゲート型磁束計
の鉄心に誘起される磁束を計測するステップと、前記計
測結果を磁束と鉄成分量との関係が登録されたマスター
カーブと照合することにより、鉄成分量を求めるステッ
プとを備えることを特徴とする。これにより、フラック
スゲート型磁束計を管内に設置して、微弱な磁界を検出
することが可能となり、皮膜の鉄成分量を精度よく求め
ることが可能となる。
【0011】また、請求項3記載の発明によれば、前記
鉄成分量を計測するステップは、透磁率の異なる複数の
永久磁石を冷却管の内側に設置するステップと、前記冷
却管に対する前記永久磁石の吸着力を求めるステップ
と、前記吸着力に基づいて透磁率を計測するステップ
と、前記計測結果を透磁率と鉄成分量との関係が登録さ
れたマスターカーブと照合することにより、鉄成分量を
求めるステップとを備えることを特徴とする。これによ
り、永久磁石を管内に設置して、皮膜の鉄成分量を求め
ることが可能となり、簡易な計測を行うことが可能とな
る。
【0012】また、請求項4記載の発明によれば、前記
鉄成分量を計測するステップは、励磁コイルと磁気抵抗
素子とを冷却管の内側に設置するステップと、前記励磁
コイルに所定の交流電流を印加して被検体を励磁させる
ステップと、前記励磁時に前記冷却管内面からの磁気信
号を前記磁気抵抗素子で計測するステップと、前記計測
結果を磁気信号と鉄成分量との関係が登録されたマスタ
ーカーブと照合することにより、鉄成分量を求めるステ
ップとを備えることを特徴とする。これにより、磁気抵
抗素子を管内に設置して、皮膜の鉄成分量を求めること
が可能となり、センサの小型軽量化が可能となる。
【0013】また、請求項5記載の発明によれば、前記
皮膜厚さを計測するステップは、渦電流センサを前記冷
却管の内側に設置するステップと、前記冷却管内面を励
磁した時に発生する渦電流信号の出力電圧値を計測する
ステップと、前記計測結果を渦電流信号の出力電圧値と
皮膜厚さとの関係が登録されたマスターカーブと照合す
ることにより、皮膜厚さを求めるステップとを備えるこ
とを特徴とする。これにより、渦電流センサを管内に設
置して、皮膜厚さを求めることが可能となる。
【0014】また、請求項6記載の発明によれば、前記
渦電流信号を計測するステップは、1または複数の周波
数を用いて前記冷却管内面を励磁するステップと、前記
励磁周波数ごとに発生する渦電流信号を計測するステッ
プと、前記励磁周波数に対する渦電流信号の振幅値の変
化を表す関係式を求めるステップとを備えることを特徴
とする。これにより、皮膜厚さの計測精度を容易に向上
させることが可能となる。
【0015】また、請求項7記載の発明によれば、前記
皮膜厚さを計測するステップは、β線を照射するβ線源
とβ粒子ビームを検出するガイガーミュラー管とを前記
冷却管の内側に設置するステップと、β線を前記β線源
から前記冷却管内面に照射するステップと、前記冷却管
内面から後方散乱したβ粒子数を前記ガイガーミュラー
管にて計測するステップと、前記計測結果をβ粒子数と
皮膜厚さとの関係が登録されたマスターカーブと照合す
ることにより、皮膜厚さを求めるステップとを備えるこ
とを特徴とする。これにより、冷却管に非接触な状態
で、皮膜厚さを求めることが可能となり、管の内径が異
なっていたり、汚れなどにより管内に凹凸がある場合に
おいても、、皮膜厚さを求めることが可能となる。
【0016】また、請求項8記載の発明によれば、前記
皮膜厚さの計測は、超音波法で皮膜厚さを計測すること
を特徴とする。これにより、マスターカーブと照合する
ことなく、皮膜厚さを計測することが可能となり、簡易
な測定が可能となる。
【0017】また、請求項9記載の発明によれば、前記
皮膜の電気的特性を計測するステップは、印加電流用端
子および電圧計測用端子を前記冷却管の内側に設置する
ステップと、前記印加電流用端子から前記冷却管内面に
電流を印加するステップと、前記電流印加時の電圧を前
記電圧計測用端子で計測するステップと、前記計測結果
に基づいて導電率を算出するステップと、前記算出結果
を導電率と皮膜の電気的特性との関係が登録されたマス
ターカーブと照合することにより、前記皮膜の電気的特
性を求めるステップとを備えることを特徴とする。これ
により、皮膜の電気的特性を求めることが可能となり、
皮膜性状の総合的な評価を容易に行うことができる。
【0018】また、請求項10記載の発明によれば、前
記皮膜の色情報を計測するステップは、前記冷却管の内
側に撮像装置を設置するステップと、前記撮像装置にて
皮膜表面の画像データを取り込むステップと、前記画像
データから前記皮膜表面のRGB値を算出するステップ
と、前記RGB値を不適合色の閾値と比較するステップ
と、前記比較結果に基づいて前記RGB値の適合度を求
めるステップとを備えることを特徴とする。これによ
り、皮膜表面の画像データを取り込むだけで、皮膜性状
を判定することが可能となり、簡易な判定が可能とな
る。
【0019】また、請求項11記載の発明によれば、皮
膜の鉄成分量、皮膜厚さ、皮膜の電気的特性値および皮
膜表面の色情報の少なくとも1つを計測するセンサと、
前記センサを保持するセンサ保持手段と、前記センサの
軸および周方向への移動および回転走査を可能とするセ
ンサ駆動手段と、前記センサ駆動手段を制御する駆動制
御手段と、前記センサへの励磁あるいは前記センサから
の信号の受信を制御するセンサ制御手段と、前記センサ
による計測結果に基づいて皮膜性状を判定する判定手段
と、前記計測結果および判定結果を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする。これにより、冷却管内の測
定部位を任意に選択し、かつ様々の計測項目を適宜選択
して、皮膜の測定を行うことが可能となり、様々の状況
に対応して皮膜性状を的確に判定することが可能とな
る。
【0020】また、請求項12記載の発明によれば、前
記皮膜の鉄成分量を計測するセンサは、前記冷却管の内
側に設置された磁気光学素子と、前記磁気光学素子の周
囲に配置された励磁コイルと、前記励磁コイルに所定の
直流電流を印加した時に前記磁気光学素子上に現われる
磁区模様を取り込む取り込み手段と、前記磁区模様の変
化を計測する計測手段とを備えることを特徴とする。こ
れにより、磁気光学素子を管内に設置して、皮膜の鉄成
分量を求めることが可能となり、皮膜上に汚れが付着し
ている場合においても、皮膜性状を的確に評価すること
が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係わる
鉄酸化皮膜検査装置について図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明の第1実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の検査方法を示すブロック図である。図1において、鉄
酸化皮膜の性状を判定する評価部位を、過去のプラント
運転時の損傷事例などを参照して選定する(ステップS
1)。
【0022】次に、選定された評価部位に対して、検査
時点のプラントの運転状況、以前の計測結果との対比結
果、検査期間、管の内径などを総合的に判断して計測項
目を選定する(ステップS2)。この計測項目として
は、例えば、皮膜鉄成分量(ステップS3)、皮膜厚さ
(ステップS4)、皮膜電気的特性(ステップS5)、
皮膜表面色(ステップS6)などが挙げられる。そし
て、鉄酸化皮膜の性状を的確に評価するために、これら
全ての項目を評価してもよいし、鉄酸化皮膜の厚みおよ
び鉄成分量を評価するために、皮膜鉄成分量、皮膜厚さ
および皮膜電気的特性の計測を組み合わせて用いるよう
にしてもよい。また、検査期間を短縮するために、皮膜
表面色の計測のみを行ってもよい。
【0023】皮膜鉄成分量の計測では、選定された部位
に対し、例えば、磁気手法を用いて皮膜の鉄成分量の計
測を行う。この磁気手法を用いる方法では、例えば、高
感度磁気センサを用いて鉄酸化皮膜に含まれる鉄成分の
存在により生じる磁束を計測する。あるいは、交流磁界
あるいは直流磁界を印可し、検出センサにより磁気信号
を計測するようにしてもよい。
【0024】鉄成分量の計測値を評価する場合、同様の
方法を用いてテスト材を計測し、計測値と鉄成分量との
関係を求める。そして、計測値と鉄成分量との関係を鉄
成分量評価線で表し、そのマスターカーブをデータベー
ス化してコンピュータに格納しておく。そして、実際の
計測値をマスターカーブと照合することにより、鉄酸化
皮膜の鉄成分量を求めることができる。
【0025】皮膜厚さの計測では、例えば、電磁気法、
超音波法、赤外線などを用いて皮膜厚さを計測する。皮
膜厚さの計測値を評価する場合も同様に、テスト材を計
測して、計測値と皮膜厚さの関係を求める。そして、計
測値と皮膜厚さの関係を表したマスターカーブをデータ
ベース化してコンピュータに格納し、実際の計測値をマ
スターカーブと照合することにより、鉄酸化皮膜の皮膜
厚さを求めることができる。
【0026】皮膜電気的特性の計測では、例えば、4端
子のうちの外側の2端子で直流電流を印可し、内側の2
端子で計測した電位差から導電率を計測するようにして
もよい。また、セル内に配置した電極を用いて分極抵抗
を求めるようにしてもよい。
【0027】皮膜表面色の計測では、例えば、CCDカ
メラで採取した鉄酸化皮膜表面の画像データから色差お
よびRGB3原色を求め、皮膜の表面色が緑あるいは黒
などの色データに適合しているか否かを評価する。
【0028】次に、皮膜鉄成分量、皮膜厚さ、皮膜電気
的特性および皮膜表面色の計測結果に基づいて、鉄酸化
膜の性状評価を行う(ステップS7)。すなわち、これ
らの計測値がそれぞれの閾値あるいは適切な範囲に入っ
ているかを調べる。
【0029】次に、この評価結果を元に皮膜の判定を行
い、鉄イオン(Fe2+)の注入量の提案、運転継続、
あるいは管の交換などの判定を行う(ステップS8)。
【0030】このように、本発明の第1実施形態によれ
ば、発電設備等に用いられる冷却管内面に生成している
鉄酸化皮膜において、鉄成分量の計測結果、皮膜厚さの
計測結果、電気的特性地の計測結果、または色情報の計
測結果などを適宜選択して総合的に評価できるため、的
確かつ高精度に皮膜の性状判定を行うことができる。
【0031】図2は、本発明の第2実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の検査装置の構成を示すブロック図である。
【0032】図2において、センサ部11は、皮膜鉄成
分量、皮膜厚さ、皮膜電気的特性および皮膜表面色の計
測を行うもので、例えば、磁気センサ、超音波センサ、
電磁気センサ、あるいは赤外線センサなどを内在あるい
は交換して構成することができる。
【0033】センサ部11はセンサ保持機構12に連結
されている。そして、駆動機構制御装置15は、センサ
駆動機構13および管案内装置14を介しセンサ部11
の位置を制御することにより、センサ部11を冷却管1
の内側の皮膜2に臨んで設置することができる。ここ
で、センサ駆動機構13は、センサ部11を冷却管1の
軸および周方向に移動させたり、センサ部11の回転走
査を行わせたりすることができる。これにより、管1内
の任意の計測部位を選定して、皮膜2の性状評価を行う
ことができる。
【0034】センサ制御装置17はセンサ部11に対す
る制御を行い、例えば、センサ部11への励磁、超音波
発振、あるいはセンサ部11に対する信号の送受信など
を行う。
【0035】信号処理装置18は受信信号を信号処理す
るもので、受信信号のピーク電圧値、磁束、あるいは超
音波音速などを計測処理する。ここで、信号処理装置1
8には、テスト材を用いて予め計測した結果に基づくデ
ータベースが格納され、センサ部11から送られた計測
信号をデータベースの内容と照合することにより、皮膜
2の鉄成分量、皮膜2の厚さ、皮膜2の電気的特性、お
よび皮膜2の色情報などを求めることができる。
【0036】皮膜性状判定装置19は、皮膜2の鉄成分
量の計測結果、厚さの計測結果、電気的特性の計測結
果、および色情報の計測結果を単独または組み合わせて
用いることにより、皮膜2の性状を判定する。
【0037】表示装置13は、皮膜2の鉄成分量の計測
結果、厚さの計測結果、電気的特性の計測結果、色情報
の計測結果、および皮膜2の性状の判定結果などを表示
する。制御装置16は、駆動機構制御装置15、信号処
理装置18および皮膜性状判定装置19などの全体的な
制御を行い、管1内へのセンサ部11の挿入および固
定、センサ部11の制御、信号処理および計測結果の表
示などを自動または手動で行えるようにする。
【0038】このように、本発明の第2実施形態によれ
ば、センサ部11を冷却管1の内面の皮膜2に臨んで設
置し、皮膜2の鉄成分量、厚さ、電気的特性、および色
情報を任意に選択して計測することが可能となるととも
に、皮膜2の状態に応じて最適な計測方法を用いること
ができ、皮膜2の性状判定を的確かつ高精度に行うこと
が可能となる。
【0039】図3は、本発明の第3実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の検査装置の構成を示すブロック図である。図
3において、この実施形態では、図2の構成に加え、セ
ンサ部4´が設けられている。このセンサ部4´は、標
準サンプルの冷却管1´の皮膜2´に臨んで設置され、
皮膜2´の鉄成分量、厚さ、電気的特性、および色情報
の計測を行う。
【0040】これにより、皮膜性状判定装置19は、未
知の皮膜2の鉄成分量、厚さ、電気的特性、および色情
報を、既知の標準サンプルの皮膜2´の鉄成分量、厚
さ、電気的特性、および色情報とそれぞれ比較しつつ、
皮膜2が適正か否かを判定することが可能となり、的確
かつ高精度に皮膜2の性状判定を行うことができる。
【0041】このように、本発明の第3実施形態によれ
ば、皮膜2の計測結果を標準サンプルの値と比較しつ
つ、皮膜2の性状判定を行うことが可能となり、適正な
皮膜か否かの判定を的確に行うことができる。
【0042】図4は、本発明の第4実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第4実施
形態は、フラックスゲート型磁束計を用いて鉄酸化皮膜
の鉄成分量の計測を行うようにしたものである。図4
(a)において、フラックスゲート型磁束計は、1次コ
イル23、2次コイル22が磁心21に巻回されてい
る。このフラックスゲート型磁束計を皮膜2に近接させ
て配置し、1次コイル23に交流の励磁電流を供給す
る。そして、その時発生する誘起電圧を2次コイル22
で検出し、その第2高調波の振幅値Pを計測する。
【0043】この第2高調波の振幅値Pは、図4(b)
に示すように、外部磁界の大きさHに比例する。また、
この磁界の大きさHは、図4(c)に示すように、鉄成
分量Wに依存する。従って、フラックスゲート型磁束計
を用いて第2高調波の振幅値Pを計測し、図4(b)、
(c)の関係を登録したマスターカーブと照合すること
により、皮膜2の鉄成分量Wを求めることができる。
【0044】図5は、本発明の第4実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。図
5において、磁心21には1次コイル23および2次コ
イル22が巻回され、発振器24は交流の励磁電流を1
次コイル23に供給するとともに、同期検波器26にも
供給し、倍周波増幅器25からの信号と同期を取る。そ
して、1次コイル23に励磁電流が供給された時に発生
する誘起電圧は2次コイル22で検出され、倍周波増幅
器25を介して同期検波器26に送られ、出力信号の高
調波成分が採取される。この信号はフィルタ27を介し
て信号処理装置28に入力され、ここで第2高調波の振
幅値Pが計測された後、鉄成分計測装置29にて、磁界
の大きさHおよび鉄成分量Wが求められる。さらに、そ
の結果は表示装置30に表示される。
【0045】このように、本発明の第4実施形態によれ
ば、フラックスゲート型磁束計を冷却管1の内側に設置
することにより、微弱な磁界を検出することが可能とな
り、皮膜2の鉄成分量を精度よく求めることが可能とな
る。
【0046】図6は、本発明の第5実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第5実施
形態は、吸着式透磁率計を用いて鉄酸化皮膜の鉄成分量
の計測を行うようにしたものである。図6(a)におい
て、透磁率μが既知の永久磁石33は、バネ32を介し
て接触子31と接続されている。この接触子31を皮膜
2に接触させ、永久磁石33を引き上げると、皮膜2の
磁性量に応じてバネ32が伸縮する。磁性量が多い時に
は、バネ32は大きく伸びるが、磁性量がない時は、接
触子31の重量に対応して伸びる。このため、透磁率μ
の異なる永久磁石33を順次交換し、バネ32の変位L
が適正に変化する時を見つけることにより、皮膜2の透
磁率μを計測することができる。また、この時のバネ3
2の変位Lを変位計37で計測することにより、磁性量
を測定することができる。
【0047】すなわち、ばね32の変位Lと透磁率μの
関係は、図6(b)のように表され、透磁率μと鉄成分
量Wの関係は、図6(c)のように表される。従って、
これらの図6(b)および図6(c)の関係をマスター
カーブとして登録しておく。そして、永久磁石33を順
次交換し、バネ32の変位Lが適正に変化する時の永久
磁石33の透磁率μを計測し、マスターカーブと照合す
ることにより、皮膜2の鉄成分量Wを計測することがで
きる。
【0048】図7は、本発明の第5実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。図
7において、透磁率μが既知の永久磁石ユニット33
は、バネ32を介して接触子31と接続されている。そ
して、駆動装置35は、駆動機構34を介して永久磁石
ユニット33を駆動し、接触子31を皮膜2に接触させ
た状態から永久磁石ユニット33を引き上げる。する
と、皮膜2の磁性量に応じてバネ32が伸縮し、この伸
縮量を変位量計測装置37にて計測する。ここで、透磁
率計測装置38は、透磁率μの異なる永久磁石を順次交
換した際のバネ32の変位Lが適正に変化する時を見つ
けることにより、皮膜2の透磁率μを計測する。皮膜2
の透磁率μが計測されると、マスターカーブと照合する
ことにより、皮膜2の鉄成分量Wを計測することができ
る。
【0049】なお、駆動装置35および変位量計測装置
37はコンピュータ36に接続され、このコンピュータ
36が全体的な制御を行うことにより、永久磁石の交
換、接触子31の設置、永久磁石ユニット33を引き上
げ、マスターカーブとの照合などの一連の処理を手動ま
たは自動で行うことができる。
【0050】このように、本発明の第5実施形態によれ
ば、吸着式透磁率計を冷却管1の内側に設置することに
より、皮膜2の鉄成分量を求めることが可能となり、皮
膜2の性状を適正に評価することができる。
【0051】図8は、本発明の第6実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。こ
の第6実施形態は、吸着式透磁率計を用いて鉄成分量の
計測を行う際に、鉄酸化皮膜の励磁を行うようにしたも
のである。図8において、この実施形態では、図7の構
成に加え、励磁コイル39および励磁電源部40が設け
られている。この励磁コイル39は、吸着式透磁率計の
接触子31の外側に配置され、励磁電源部40により励
磁コイル39を励磁することにより、皮膜2に磁界を印
可する。
【0052】そして、異なる透磁率を有する複数の永久
磁石が設けられた吸着式透磁率センサを管1の内側に設
置し、各センサを所定の位置から管1の内面に接触ある
いは一定の距離を保持して近接させた後着脱して所定の
位置に戻す操作を順次行い、各センサごとに着脱時の吸
着力を求め、複数の永久磁石の中から適正な吸着力を有
する永久磁石を判別してその透磁率を計測し、その透磁
率をマスターカーブと照合することにより、鉄成分量W
を計測することができる。
【0053】このように、本発明の第6実施形態によれ
ば、励磁コイル39を用いて皮膜2に磁界を印可するこ
とにより、皮膜2の磁気成分を増幅して計測することが
できる。
【0054】図9は、本発明の第7実施形態に係わる鉄
酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第7実施
形態は、ホール素子を用いて鉄酸化皮膜の鉄成分量の計
測を行うようにしたものである。図9(a)において、
磁心42には励磁コイル43が巻回され、励磁コイル4
3の中央にはホール素子41が配置されている。そし
て、ホール素子41を皮膜2に近接させて配置し、励磁
コイル43に励磁電流を供給することにより、皮膜2に
交流磁界を印加し、その時のホール素子41の出力電圧
Voを計測する。ここで、出力電圧Voと磁束Φxとの
関係は、図9(b)に示すようになり、磁束Φxと鉄成
分量Wとの関係は、図9(c)に示すようになる。従っ
て、ホール素子41で出力電圧Voを計測し、図9
(b)、(c)の関係を登録したマスターカーブと照合
することにより、皮膜2の鉄成分量Wを求めることがで
きる。
【0055】なお、皮膜2の鉄成分量Wが大きい場合
は、外部磁界を印加することなく、ホール素子41のみ
を用いて出力電圧Voを検出するようにしてもよい。
【0056】図10は、本発明の第7実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。
図10において、磁心42には励磁コイル43が巻回さ
れ、励磁コイル43の中央にはホール素子41が設けら
れている。そして、励磁制御装置45の制御下で、励磁
電源部44から励磁コイル43を介して皮膜2に交流磁
界を印加し、ホール素子41にて出力電圧Voを計測す
る。この出力電圧Voは、信号処理装置47を介して鉄
成分計測装置48に送られ、ここで、予めデータベース
化されたマスターカーブと照合されて、鉄成分量Wが算
出される。この鉄成分量Wは表示装置49に表示され
る。
【0057】なお、励磁制御装置45および鉄成分計測
装置48はコンピュータ46に接続され、コンピュータ
46が全体的な制御を行うことにより、励磁や計測など
を自動または手動で行うことが可能となる。
【0058】このように、本発明の第7実施形態によれ
ば、ホール素子41を冷却管1の内側に設置することに
より、皮膜2の鉄成分量を求めることが可能となり、皮
膜2の性状を適正に評価することができる。
【0059】図11は、本発明の第8実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第8実
施形態は、バルクハウゼンノイズセンサを用いて鉄酸化
皮膜の鉄成分量の計測を行うようにしたものである。ま
ず、励磁コイルとその中央に配置した検出コイルからな
るセンサ部を皮膜上に設置する。そして、図11(a)
に示すように、励磁コイルに励磁電流Irを流し、皮膜
に交流磁界を印加すると、皮膜内に存在する鉄成分の磁
区の移動に伴い、図11(b)に示すように、バルクハ
ウゼンノイズ(BHN)信号が発生する。このバルクハ
ウゼンノイズ信号のピーク電圧値Vpは、皮膜内の磁性
成分量に対応して変化し、このピーク電圧値Vpと鉄成
分量Wとの関係は、図11(c)のようになる。
【0060】従って、検出コイルによりバルクハウゼン
ノイズ信号を検出し、図11(c)の関係を登録したマ
スターカーブと照合することにより、皮膜の鉄成分量W
を計測することができる。
【0061】図12は、本発明の第8実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測方法を示すフローチャートである。図
12において、皮膜上に磁心D11、D12、・・を所
定間隔で円弧状に配置し、それらの磁心D11、D1
2、・・の中央に検出コイル51を配置する。ここで、
磁心D11、D12、・・に巻回された各励磁コイルの
対向する2脚を1組とし、磁心D11−D12、D21
−D22、D31−D32、D41−D42をそれぞれ
組として、皮膜に交流磁界を印加する(S11)。そし
て、検出コイル51により、その時に発生するバルクハ
ウゼンノイズ信号のピーク電圧値Vp1、Vp2、Vp
3、Vp4を検出する(S12)。
【0062】次に、これらのピーク電圧値Vp1、Vp
2、Vp3、Vp4の平均値Vpを算出し(S13)、
このピーク電圧値VpをデータベースDBに登録されて
いる評価線(マスターカーブ)と照合することにより
(S14)、鉄成分量Wを算出し、算出結果を表示する
(S15)。
【0063】図13は、本発明の第8実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。
図13において、センサ部53には、励磁コイル52お
よびその中央に配置された検出コイル51が設けられて
いる。そして、センサ部53を皮膜2上に設置し、励磁
装置54から励磁コイル52に励磁電流を流すことによ
り、皮膜2に交流磁界を印加する。すると、皮膜2内に
存在する鉄成分の磁区の移動が起こり、この時発生する
バルクハウゼンノイズ信号を検出コイル51で検出す
る。検出されたバルクハウゼンノイズ信号は、アンプ5
7を介して信号処理装置58に送られ、バルクハウゼン
ノイズ信号のピーク電圧値Vpが計測される。このピー
ク電圧値Vpは制御装置55を介して鉄成分計測装置5
6に送られ、鉄成分計測装置56にて、ピーク電圧値V
pと鉄成分量Wとの関係を登録したマスターカーブと照
合することにより、鉄成分量Wが算出される。この計測
結果および評価結果は表示装置59に表示される。
【0064】なお、磁気センサ53は、円弧状に複数の
脚を有する鉄心にコイルを巻回した励磁コイルを備え、
コイルが鉄心に巻回された磁気検出コイルをその励磁コ
イルの中心に配置してもよい。
【0065】このように、本発明の第8実施形態によれ
ば、円周方向の励磁コイル52を用いて順次励磁を行う
ことにより、計測部位全体のあらゆる方向のバルクハウ
ゼンノイズ信号を検出することができ、各位置でのピー
ク電圧値の平均値を求めることで、皮膜2内の鉄成分量
Wの平均的な状態を求めることができる。
【0066】また、個々のデータからは、皮膜2内に含
まれる鉄成分の生成状態(方向性)も計測することもで
きる。
【0067】図14は、本発明の第9実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第9実
施形態は、MAEセンサを用いて鉄酸化皮膜の鉄成分量
の計測を行うようにしたものである。
【0068】まず、励磁コイルおよびその中央または近
傍に配置されたMAEセンサからなるセンサ部を皮膜上
に設置する。そして、図14(a)に示すように、励磁
コイルに矩形状の励磁電流Irを流し、皮膜に交流磁界
を印加すると、その立ち上がりと立ち下りの磁界の急激
な変化に対応して、図14(b)に示すように、磁気歪
み効果によるMAE信号が発生する。このMAE信号の
ピーク電圧値Vpは、皮膜内の磁性成分量に対応して変
化し、このピーク電圧値Vpと鉄成分量Wとの関係は、
図14(c)のようになる。
【0069】従って、MAEセンサによりMAE信号を
検出し、図14(c)の関係を登録したマスターカーブ
と照合することにより、皮膜の鉄成分量Wを計測するこ
とができる。
【0070】図15は、本発明の第9実施形態に係わる
鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図である。
図15において、磁気センサ61には、励磁コイル62
およびその中央あるいはその近傍に配置されたMAEセ
ンサ63が設けられている。そして、磁気センサ61を
計測部位の皮膜2上に臨んで配置し、励磁電源部64お
よび励磁制御装置65からの制御に基づいて、励磁コイ
ル62に矩形状の励磁電流Irを流し、皮膜2に交流磁
界を印加すると、その立ち上がりと立下りの磁界の急激
な変化に対応して磁気歪み効果によりMAE信号が発生
する。そのMAE信号は、MAEセンサ63により計測
され、アンプ67で増幅された後、信号処理装置68に
送られる。信号処理装置68では、このMAE信号のピ
ーク電圧値Vpが算出され、鉄成分評価装置69に送ら
れる。
【0071】鉄成分評価装置69では、予めデータベー
ス化されているピーク電圧値Vpと鉄成分量Wとの関係
を照合することにより、皮膜2の鉄成分量Wを計測す
る。鉄成分量Wの計測結果および評価結果は表示装置7
0に表示される。また、励磁制御装置65および鉄成分
評価装置69はコンピュータ66に接続され、これらの
全体的な制御はコンピュータ66にて行われる。
【0072】このように、本発明の第9実施形態によれ
ば、MAEセンサ63を冷却管1の内側に設置すること
により、皮膜2の鉄成分量Wを求めることが可能とな
り、皮膜2の性状を適正に評価することができる。
【0073】図16は、本発明の第10実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
0実施形態は、磁気抵抗素子(MR素子)を用いて鉄酸
化皮膜の鉄成分量の計測を行うようにしたものである。
【0074】まず、励磁コイルおよびその中央に磁気抵
抗素子が配置された磁気センサを計測部位の皮膜上に臨
んで配置する。そして、図16(a)に示すように、三
角波(あるいはサイン波)の交流電流Irを励磁コイル
に印加して皮膜を励磁させると、磁気抵抗素子に誘起起
電圧が発生する。この磁気抵抗素子からの出力値Vo
は、皮膜内の磁性成分量に対応して変化し、この出力値
Voと鉄成分量Wとの関係は、図16(b)のようにな
る。従って、この磁気抵抗素子からの出力電圧値Voを
計測し、図16(b)の関係を登録したマスターカーブ
と照合することにより、皮膜の鉄成分量Wを計測するこ
とができる。
【0075】なお、磁気抵抗素子としては、AMR(a
nisotropic magnetoresisti
ve)素子、GMR(giant magnetore
sistive)素子、あるいはTMR(tunnel
ing magnetoresistive)素子など
を用いることができる。
【0076】図17は、本発明の第10実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図17において、磁気センサ71には、励磁コイル
72およびその中央に配置された磁気抵抗素子73が設
けられている。そして、磁気センサ71を計測部位の皮
膜2上に臨んで配置し、励磁電源部74および励磁制御
装置75の制御により、三角波あるいはサイン波の交流
電流Irを励磁コイル72に印加して皮膜2を励磁させ
ると、磁気抵抗素子73に誘起起電圧が生じる。
【0077】この磁気抵抗素子73に生じた誘起起電圧
は、アンプ77で増幅された後、信号処理装置78に送
られ、信号処理装置78で信号処理することにより、磁
束を求めることができる。信号処理装置78からの出力
値Voは鉄成分評価装置76に送られ、鉄成分評価装置
76では、予めデータベース化されている出力値Voと
鉄成分量Wとの関係を照合することにより、皮膜2の鉄
成分量Wを計測する。鉄成分量Wの計測結果および評価
結果は表示装置79に表示される。
【0078】このように、本発明の第10実施形態によ
れば、磁気抵抗素子73を冷却管1の内側に設置するこ
とにより、皮膜2の鉄成分量Wを求めることが可能とな
り、皮膜2の性状を適正に評価することができる。
【0079】図18は、本発明の第11実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
1実施形態は、超伝導量子干渉素子(SQUID)を用
いて鉄酸化皮膜の鉄成分量の計測を行うようにしたもの
である。図18(a)において、超伝導量子干渉素子8
3をピックアップコイル82を介して皮膜上に設置す
る。ここで、超伝導量子干渉素子83は、2つの弱い結
合を持った超電導の円環である。そして、皮膜に存在す
る磁性成分をピックアップコイル82を介して超伝導量
子干渉素子83に導くと、磁束Φxの変化量に対応する
電位差Vが超伝導体の両側に発生する。この電位差V
は、量図18(b)に示すように、磁束Φxの変化量に
対し、単位磁束量Φ0(=2×10−15ウェーバ程
度)を周期として変化する。一方、磁束Φxと鉄成分量
Wとの関係は、図18(c)に示すようになる。従っ
て、この超伝導量子干渉素子83から出力される電位差
Vに基づいて磁束Φxを計測し、図18(c)の関係を
登録したマスターカーブと照合することにより、皮膜2
の鉄成分量Wを計測することができる。
【0080】また、超伝導量子干渉素子83の外周ある
いは近傍に励磁コイルを設置し、磁界を印加しながら計
測を行ってもよい。
【0081】さらに、ピックアップコイル82を管内面
に配置し、超伝導量子干渉素子83を管の外側に設置し
て計測を行うようにしてもよい。
【0082】このように、超伝導量子干渉素子センサ8
1を用いることにより、地磁気の100万倍以上の感度
で磁気を検出することが可能となり、皮膜2内に存在す
る微小磁気成分も容易に検出することができる。
【0083】図19は、本発明の第11実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図19において、超伝導量子干渉素子センサ81に
は、ピックアップコイル82、超伝導量子干渉素子83
および2次コイル84が設けられ、これらのコイルは液
体窒素中に収められている。そして、超伝導量子干渉素
子センサ81を皮膜2上に設置し、皮膜2に存在する磁
束Φxをピックアップコイル82を介して超伝導量子干
渉素子83に導く。ここで検出された信号は、2次コイ
ル84およびアンプ85を介して信号処理装置86に導
かれ、信号処理装置86にて磁束Φxが計測される。そ
して、得られた磁束Φxを、実験等で予め求めた鉄成分
量Wと磁束Φxの関係からなるマスターカーブと照合す
ることにより、皮膜2内の鉄成分量Wを計測することが
できる。
【0084】このように、本発明の第11実施形態によ
れば、超伝導量子干渉素子センサ81を冷却管1の内側
に設置することにより、皮膜2の磁気成分が微小である
場合においても、皮膜2の鉄成分量Wを求めることが可
能となり、皮膜2の性状を適正に評価することができ
る。
【0085】図20は、本発明の第12実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
2実施形態は、磁気光学素子を用いて鉄酸化皮膜の鉄成
分量の計測を行うようにしたものである。図20におい
て、皮膜2上には磁気光学素子96が設置され、光源9
1から入射した光は、偏光子92、ハーフミラー93お
よびレンズ94を介して磁気光学素子96に入射され
る。ここで、皮膜2には励磁コイル95によって直流磁
界が印加されており、磁気光学素子96上の磁気模様が
皮膜2の磁性成分により変化する。この磁気模様は、ハ
ーフミラー93および偏向子100を介してCCDカメ
ラ101に取り込まれ、モニタ102に表示される。こ
こで、磁気画像の磁区間隔Sと鉄成分量Wとの関係は、
図20(b)のようになる。従って、磁気画像の磁区間
隔Sを求め、図20(b)の評価線と照合することによ
り、鉄成分量Wを求めることができる。
【0086】図21は、本発明の第12実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図21において、皮膜2上には磁気光学素子96が
設置され、光源91から入射した光は、偏光子92、ハ
ーフミラー93およびレンズ94を介して磁気光学素子
96に入射される。ここで、皮膜2には、励磁電源部9
8および励磁制御装置99の制御下で、励磁コイル95
によって直流磁界が印加されており、皮膜2の磁性成分
により磁気光学素子96上の磁気模様が変化する。この
磁気模様は、ハーフミラー93および偏向子100を介
してCCDカメラ101に取り込まれ、モニタ102に
表示される。この画像データは画像処理装置103に送
られ、この磁気模様の変化量が画像処理装置103で解
析されることにより、計測パラメータの1つである磁気
画像の磁区間隔Sが算出される。この磁気画像の磁区間
隔Sは鉄成分計測装置104に送られ、図20(b)の
評価線と照合することにより、鉄成分量Wを求めること
ができる。また、光源制御装置97、励磁制御装置9
9、画像処理装置103および鉄成分計測装置104は
コンピュータ105に接続され、これらの全体的な制御
はコンピュータ105にて行われる。
【0087】このように、本発明の第12実施形態によ
れば、皮膜2上に設置された磁気光学素子96の磁区模
様の変化量を計測することにより、皮膜2の鉄成分量W
を求めることが可能となり、皮膜2の性状を適正に評価
することができる。
【0088】図22は、本発明の第13実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。この第13実施形態は、磁気フィルムを用いて鉄酸
化皮膜の鉄成分量の計測を行うようにしたものである。
図22において、皮膜2上には磁気フィルム116が設
置され、光源111から入射した光は、偏光子112、
ハーフミラー113およびレンズ114を介して磁気フ
ィルム116に入射される。ここで、皮膜2には、励磁
装置118の制御下で、励磁コイル115により直流磁
界が印加されており、皮膜2の磁性成分により磁気フィ
ルム116上の磁区模様が変化する。この磁区模様は、
ハーフミラー113および偏向子120を介してCCD
カメラ121に取り込まれ、モニタ122に表示され
る。また、この画像データは画像処理装置123に送ら
れ、この磁区模様の変化量が画像処理装置123にて解
析され、計測パラメータと鉄成分量の関係を求めた評価
線と照合することにより、鉄成分量を求めることができ
る。また、光源制御装置117、画像処理装置123お
よび鉄成分計測装置124は、コンピュータ125に接
続され、これらの全体的な制御はコンピュータ125に
て行われる。
【0089】ここで、磁気フィルム116は、消磁する
ことで再度使用することができる。また、異なる皮膜2
に対して同一の磁気フィルム116を連続して使用する
ことにより、両者の画像を表示させ、違い明確化するこ
ともできる。
【0090】このように、本発明の第13実施形態によ
れば、皮膜2上に設置された磁気フィルム116の磁区
模様の変化量を計測することにより、皮膜2の鉄成分量
Wを求めることが可能となり、皮膜2の性状を適正に評
価することができる。
【0091】図23は、本発明の第14実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を示すフローチャートである。
この第14実施形態は、X線回折法を用いて鉄酸化皮膜
の鉄成分量の計測を行うようにしたものである。図23
において、X線源301から皮膜2に対して特性X線を
照射し(ステップS21)、皮膜2からの反射量をX線
計数管302にて計測することにより、X線回折強度を
求める(ステップS22)。個々の原子は特有の回折角
度を有しているため、このX線回折強度分布を計測する
ことにより、皮膜2全体における鉄成分の相対比率を求
めることができる。また、これを規格化し、計数値と鉄
成分量Wとの関係を予めデータベース化したマスターカ
ーブと照合することにより、鉄成分量Wを求めることが
できる(ステップS23)。
【0092】このように、本発明の第14実施形態によ
れば、X線照射時に皮膜2からのX線反射量を計測する
ことにより、皮膜2に非接触で皮膜2の鉄成分量Wを求
めることが可能となり、管1の内径が異なっていたり、
汚れなどにより管1内に凹凸がある場合においても、皮
膜2の性状を適正に評価することができる。
【0093】図24は、本発明の第15実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
5実施形態は、渦電流法を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚さ
の計測を行うようにしたものである。図24(a)にお
いて、渦電流センサ131を皮膜2上に設置し、皮膜2
に渦電流を発生させると、磁力線132が発生する。そ
して、この時の渦電流出力Uは、図24(b)に示すよ
うに、皮膜厚さd1〜d3に依存して異なった値とな
り、皮膜厚さdと渦電流出力Uの関係は、図24(c)
のようになる。従って、図24(d)に示すように、皮
膜厚さd0が未知の被検体に対して渦電流出力V0を測
定し、図24(c)の評価線と照合することにより、未
知の被検体の皮膜厚さd0を求めることができる。
【0094】図25は、本発明の第15実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図25において、渦電流センサ131は、発振回路
133を介して周波数制御回路134に接続されてい
る。そして、渦電流センサ131を皮膜2上に設置し、
任意の周波数で励磁させ、あるいは複数の周波数で連続
的にスイープしながら、皮膜2に渦電流を発生させる。
この渦電流の励磁により皮膜2上で生じた渦電流の変化
を、受信回路135を介して信号処理装置136に送
る。信号処理装置136では、検出信号の出力電圧値お
よび位相データを求める処理を行う。計測された出力電
圧値は、事前の試験で皮膜厚さと良い相関が認められて
おり、この相関を皮膜厚さ計測用評価線とすることで、
未知の皮膜2の厚さを計測することができる。この計測
結果は表示装置137で表示することができる。
【0095】このように、本発明の第15実施形態によ
れば、渦電流信号の計測において、励磁周波数として、
1種類あるいは複数の周波数を用いて管1内面を励磁
し、前記励磁周波数ごとに発生する渦電流信号を計測
し、前記励磁周波数に対する渦電流信号の振幅値の変化
を表す関係式を求め、計測値を予めデータベース化した
マスターカーブと照合させることにより、皮膜厚さを計
測することができる。
【0096】図26は、本発明の第16実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
6実施形態は、β線を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚さの計
測を行うようにしたものである。図26(a)におい
て、β線源141からβ線142を皮膜2に照射し、皮
膜2から反射したβ線粒子143をβ線検出器144で
計測する。ここで、図26(b)に示すように、皮膜厚
さd1〜d3に対応して、単位時間ΔT1当たりのβ線
粒子143の検出個数は異なり、図26(c)に示すよ
うに、単位時間ΔT1当たりの平均β線粒子数は、皮膜
厚さdに対して一様に増加する。従って、皮膜2にβ線
142を照射した時のβ線粒子143の個数を計測する
ことにより、皮膜厚さdを求めることができる。
【0097】図27は、本発明の第16実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図27において、β線源141からβ線142を皮
膜2に照射し、皮膜2から反射したβ線粒子143をβ
線検出器144で計測する。β線検出器144で計測さ
れた計測値はβ線計数器145に送られ、β線計数器1
45でβ線粒子143の個数が計数される。この計数値
は信号処理装置146に送られ、計数結果の表示が表示
装置148で行われる。信号処理装置146および表示
装置148はコンピュータ147に接続され、これらの
制御はコンピュータ147により行われる。ここで、皮
膜厚さdとβ線粒子数は相関関係があり、皮膜厚さdが
大きいほど検出できる粒子数も多い結果が得られてい
る。このため、β線計数器145で計数されたβ線粒子
数を、皮膜厚さdとβ線粒子数との関係が登録されたデ
ータベースと照合することにより、皮膜厚さdを求める
ことができる。
【0098】このように、本発明の第16実施形態によ
れば、β線を照射するβ線源141とβ粒子ビーム14
3を検出するガイガーミュラー管とからなる計測センサ
を管1の内側に設置し、β線142を管1の内面に照射
し、管1の内面から後方散乱したβ粒子142をガイガ
ーミュラー管にて計測し、β粒子数の計測値と皮膜厚さ
dとの関係を予めデータベース化したマスターカーブと
照合することにより、皮膜厚さdを計測することができ
る。
【0099】図28は、本発明の第17実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
7実施形態は、超音波法を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚さ
の計測を行うようにしたものである。図28(a)にお
いて、送信用の超音波探触子151aおよび受信用の超
音波探触子151bを皮膜2上に対向配置し、周波数f
で超音波を送受信した時の音速vは、超音波探触子15
1a、151b間の距離をL、伝達時間をTとすると、
以下の式で求められる。 v=L/T
【0100】次に、超音波周波数を変化させて音速vを
求めると、超音波周波数(f1<f2<f3)が大きく
なるに従って、皮膜2の厚さ方向における振動エネルギ
ー152は小さくなる。このため、皮膜2と管1の音速
が異なる条件下(皮膜2の音速>管1の音速)では、周
波数fが小さくなるに従って、振動エネルギー152が
管1まで伝わり易くなるため、音速vが小さくなる。そ
して、周波数fが大きくなるに従って、音速vが増加
し、ある周波数以上で音速vが一定になる。
【0101】ここで、図28(b)に示すように、皮膜
2の厚みd2が小さいと、皮膜2の厚みd1がより大き
い場合と比較して、より大きな周波数fに対しても、振
動エネルギー152が管1まで伝わり、音速vがより小
さくなる。このため、皮膜2の厚み(d1>d2>d
3)に対し、周波数fを変化させた場合に音速vは、図
28(c)に示すようになり、特定の周波数fiでは、
皮膜2の厚みdと音速vとは、図28(d)に示すよう
な相関関係が得られる。
【0102】従って、周波数fiにおける音速vを求
め、皮膜2の厚みdと音速vとの関係を登録したマスタ
ーカーブと照合することにより、皮膜2の厚みdを求め
ることができる。
【0103】図29は、本発明の第17実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図29において、2個の超音波探触子151a、1
51bが皮膜2上に対向配置され、一方が送信用、他方
が受信用として用いられる。これらの超音波探触子15
1a、151bは、超音波送受信装置153を介して超
音波周波数制御装置154に接続され、超音波周波数を
順次変化させて連続的に信号の送受信が行われる。すな
わち、超音波送受信装置153は、送信用探触子151
aを介して皮膜2に超音波を送る。皮膜2に送られた超
音波は、振動エネルギー152となって皮膜2を伝わ
り、受信用探触子151bを介して超音波送受信装置1
53により受信される。
【0104】ここで、皮膜2に送られる超音波は、超音
波周波数制御装置154により周波数のスイープが行わ
れ、超音波送受信装置153により受信された超音波信
号は、超音波音速測定装置155に送られる。そして、
超音波信号の伝達時間Tに基づいて各周波数ごとの音速
vが求められる。
【0105】音速vは各周波数ごとに皮膜厚さ計測装置
156に送られ、音速と皮膜厚さのデータベース157
を参照することにより、皮膜厚さdが計測される。ここ
で、周波数変化に伴う音速vの変化は、皮膜厚さdの違
いに依存して変化することが事前の計測で求められてお
り、データベース157にはこの関係が登録されてい
る。従って、周波数変化に伴う音速vの変化を求め、こ
の音速vの変化をデータベース157と照合することに
より、皮膜厚さdを求めることができる。なお、これら
の計測結果は表示装置158にて表示することができ
る。
【0106】このように、本発明の第17実施形態によ
れば、被検体表面に対向配置した1組の超音波探触子1
51a、151bを用い、一方を送信、他方を受信用と
し、送受信時の周波数を順次変化させつつ、表面波を伝
播させて伝達時間を計測し、1組の探触子間距離を伝達
時間で除算して各周波数についての音速を計測し、これ
らの結果を元に周波数変化に対する音速の変化率を求
め、その変化率を予めデータベース化したマスターカー
ブと照合することにより、皮膜厚さを計測することがで
きる。
【0107】なお、超音波法は、漏洩表面波を用いるよ
うにしてもよい。この場合、皮膜に臨んで配置する皮膜
計測用超音波センサは、漏洩表面波を送受信できるセン
サであり、周波数を任意に可変できる制御装置と、音速
測定が可能な信号処理装置とを備えている。
【0108】また、超音波センサは、振動子の形状を円
錐形にしてもよい。
【0109】図30は、本発明の第18実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
8実施形態は、超音波法を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚さ
の計測を行うようにしたものである。図30において、
超音波探触子310を皮膜2上に設置し、皮膜2の厚み
方向に対して超音波探触子310から超音波を入射させ
る。すると、皮膜2と管1の界面からは反射波Fが戻っ
てくるとともに、管1の端面からは反射波Bが戻ってく
る。ここで、皮膜2と管1の界面からの反射波Fの到達
時間をt0とすると、皮膜厚さd0は以下の式で求める
ことができる。d0=t0×皮膜2の音速
【0110】従って、皮膜2と管1の界面からの反射波
Fの到達時間t0を計測することにより、皮膜厚さd0
を求めることができるこのように、本発明の第18実施
形態によれば、高周波超音波探触子310を管1の内側
に設置し、超音波探触子310から超音波ビームを管内
面に垂直方向に入射させ、管内表面と、皮膜と基材の界
面からの反射波F、あるいは界面の多重反射波を検出し
て、各々の反射波の時間差を求め、前記時間差と予め実
験により求めた皮膜の音速値との乗算から皮膜厚さを計
測することができる。
【0111】図31は、本発明の第19実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第1
9実施形態は、集束超音波を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚
さの計測を行うようにしたものである。図31におい
て、集束型探触子311を媒質312を介して膜2に対
向させて設置し、皮膜2と管1との界面に焦点を結ぶよ
うにして、集束型探触子311から超音波を入射させ
る。そして、皮膜2と管1の界面からの反射波Fの到達
時間t0を計測することにより、皮膜厚さd0を計測す
ることができる。
【0112】このように、本発明の第19実施形態によ
れば、集束型探触子311から出射される集束超音波を
用いることにより、集束型探触子311を皮膜2に接触
させることなく、皮膜厚さd0を計測することができ、
管1の内径が異なっていたり、汚れなどにより管1内に
凹凸がある場合においても、皮膜性状を適正に評価する
ことが可能となる。
【0113】図32は、本発明の第20実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第2
0実施形態は、赤外線法を用いて鉄酸化皮膜の皮膜厚さ
の計測を行うようにしたものである。図32(a)にお
いて、加熱源161および赤外線カメラ162を皮膜2
の表面に臨んで配置する。そして、加熱源161を用い
て皮膜2を加熱し、赤外線カメラ162により皮膜2の
表面の温度変化を計測する。ここで、皮膜2の熱伝達率
が管1の熱伝達率より小さい場合、図32(b)に示す
ように、皮膜2の厚み(d1<d2<d3)が厚いほ
ど、皮膜2の表面温度Tは速く上昇する。従って、皮膜
2の表面における加熱時の温度変化率(ΔT/Δt)は
皮膜厚さdに依存し、図32(c)のようになる。
【0114】一方、皮膜2を加熱した後に加熱源161
をオフにし、赤外線カメラ162により皮膜2の表面の
温度変化を計測すると、図32(d)に示すように、皮
膜2の厚み(d1<d2<d3)が厚いほど、皮膜2の
表面温度Tは遅く下降する。従って、皮膜2の表面にお
ける冷却時の温度変化率(ΔT/Δt)も皮膜厚さdに
依存し、図32(e)のようになる。
【0115】従って、皮膜2の加熱時あるいは冷却時の
温度変化を計測し、皮膜2の加熱時あるいは冷却時の温
度変化と皮膜厚さdとの関係を登録したマスターカーブ
と照合することにより、皮膜厚さdを求めることができ
る。
【0116】図33は、本発明の第20実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図33において、皮膜2の表面に臨んで加熱源16
1および赤外線カメラ162を配置する。そして、熱源
制御装置163の制御により加熱源161をオンにして
皮膜2を加熱させ、この時の温度変化を赤外線カメラ1
62を介して赤外線制御装置165に取り込む。ここ
で、コンピュータ164は、熱源制御装置163および
赤外線制御装置165の動作を制御し、加熱源161の
起動時に同期をとって赤外線制御装置165を作動させ
る。赤外線カメラ162により取り込まれた温度データ
は信号処理装置166に送られ、加熱開始時からの温度
変化として処理され、皮膜厚さ計測装置167に送られ
る。
【0117】皮膜2の表面の温度変化は、皮膜2と管1
の熱伝達率に依存し、皮膜厚さdに依存することも事前
の実験で確認されている。すなわち、皮膜2の熱伝達率
が管1の熱伝達率に比べて小さい場合、図32(c)に
示すように、皮膜厚さdが厚いほど皮膜表面の温度変化
は大きくなる。従って、加熱開始時からの温度変化を、
皮膜厚さと加熱時の温度変化率の関係がデータベース化
されたトレースカーブと照合することにより、計測部位
の皮膜厚さdを求めることができる。
【0118】また、コンピュータ164は、加熱源16
1により皮膜2を加熱した後、加熱源161のオフ時に
同期をとって赤外線制御装置166を作動させる。この
場合、赤外線カメラ162により取り込まれた温度デー
タは信号処理装置166に送られ、冷却開始時からの温
度変化として処理され、皮膜厚さ計測装置167に送ら
れる。冷却時においては、図32(e)に示すように、
皮膜厚さdが厚いほど皮膜表面の温度変化は小さくな
る。従って、冷却開始時からの温度変化を、皮膜厚さと
冷却時の温度変化率の関係がデータベース化されたトレ
ースカーブと照合することにより、計測部位の皮膜厚さ
dを求めることができる。なお、これらの計測結果は、
表示装置168に表示することができる。
【0119】なお、皮膜2を加熱した後の皮膜2の冷却
方法は、自然冷却あるいは強制冷却のいずれを用いても
よい。
【0120】また、管内面を加熱する熱源と管内面に対
して45°方向に傾斜しているミラーからなる計測ヘッ
ド部を管の内側に設置するとともに、赤外線カメラを赤
外線案内管を介して管の外側に設置し、加熱源を用いて
管内面を加熱させた時に赤外線カメラにて管内面の加熱
温度変化を測定するようにしてもよい。
【0121】このように、本発明の第20実施形態によ
れば、皮膜2の加熱時または冷却時の温度変化を計測す
ることにより、皮膜2と非接触で皮膜厚さを求めること
ができ、管1の内径が異なっていたり、汚れなどにより
管1内に凹凸がある場合においても、管1の皮膜性状を
適正に評価することが可能となる。
【0122】図34は、本発明の第21実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第2
1実施形態は、電気抵抗法を用いて鉄酸化皮膜の電気的
特性の計測を行うようにしたものである。図34(a)
において、4端子からなる接触子171a、171b、
172a、172bを皮膜2上に並べて配置し、外側の
2端子172a、172b間に直流電流Aを印加する。
そして、この時生じる電位差Vを内側の2端子171
a、171bで計測することにより、皮膜2の導電率σ
を求める。ここで、皮膜2が鉄、管1が黄銅の場合、導
電率σと鉄成分量Wとの間には、図34(b)に示すよ
うな関係がある。従って、皮膜2の導電率σを計測し、
図34(b)の関係を登録したマスターカーブと照合す
ることにより、皮膜2の鉄成分量Wを求めることができ
る。
【0123】図35は、本発明の第21実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図35において、接触子171a、171bは電圧
計測装置175に接続されるとともに、接触子172
a、172bは印加電流制御装置173に接続されてい
る。そして、接触子171a、171b、172a、1
72bを皮膜2上に並べて配置し、外側の2端子172
a、172b間に直流電流Aを印加した時に生じる電位
差Vを、内側の2端子171a、171bにて計測し、
電圧計測装置175を介してデータ処理装置176に送
る。
【0124】ここで、印加電流制御装置173およびデ
ータ処理装置176はコンピュータ174に接続され、
コンピュータ174は、2端子172a、172b間に
印加した直流電流Aおよび2端子171a、171b間
に生じた電位差Vに基づいて導電率σを求める。この導
電率σは鉄成分評価装置177に送られ、鉄成分評価装
置177は、導電率σと鉄成分量Wとの関係が登録され
た評価線と照合することにより、皮膜2の鉄成分量Wを
求めることができる。
【0125】このように、本発明の第21実施形態によ
れば、印加電流用端子172a、172bと電圧計測用
端子171a、171bからなる計測センサヘッド部を
管1内面に設置し、管1内面に電流を印加した時の電圧
を計測し、ここで得られる導電率をマスターカーブと照
合することにより、皮膜厚さを計測することができる。
【0126】図36は、本発明の第22実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を説明する図である。この第2
2実施形態は、分極抵抗法を用いて鉄酸化皮膜の電気的
特性の計測を行うようにしたものである。図36(a)
において、対極183および照合電極184が電解液1
82に浸されたセル181を皮膜2上に設置し、皮膜2
に電極185を接続して分極抵抗Rを測定する。ここ
で、図36(b)のように、適正な皮膜ほど、すなわ
ち、鉄成分量が多く、皮膜厚さが適正なほど、分極抵抗
は高くなる。このため、分極抵抗Rを計測し、分極抵抗
Rと皮膜性状との関係を登録したトレースカーブと照合
することにより、皮膜性状の全体的な評価を行うことが
できる。
【0127】図37は、本発明の第22実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図37において、分極抵抗測定装置186には、対
極183、照合電極184および電極185が接続され
ている。そして、対極183および照合電極184が電
解液182に浸されたセル181を、電解液182が皮
膜2上に接触するように設置するとともに、皮膜2に電
極185を接続することにより分極抵抗Rを測定する。
【0128】分極抵抗測定装置186により測定された
分極抵抗Rは皮膜性状評価装置187に送られ、事前の
計測で求めた適正な分極抵抗の閾値と比較することによ
り、皮膜性状を評価することができる。なお、計測結果
等は表示装置188にて表示される。
【0129】このように、本発明の第22実施形態によ
れば、対極183と照合電極184と電解液182とで
構成されセル181を被検体に設置するとともに、被検
体に電極185を設置し、電流の大きさおよび掃引速度
を制御しつつ、電流印加時の電圧変化を計測して分極抵
抗を求めることにより、皮膜性状を評価することができ
る。
【0130】図38は、本発明の第23実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測方法を示すフローチャートである。
この第23実施形態は、鉄酸化皮膜の色情報を用いて鉄
酸化皮膜の性状評価を行うようにしたものである。図3
8において、皮膜2の表面を光源191で照らした状態
で、CCDカメラ192にて皮膜2の表面画像を採取す
る(ステップS31)。採取した画像データは、RGB
の3原色に分割処理され(ステップS32)、予めテス
ト材で採取されてデータベース化された不適合色の閾値
Rc,Gc,Bcと比較される(ステップS33)。こ
こで、鉄酸化皮膜の無い皮膜2には、黒色あるいは緑色
の強い緑青色が存在する。従って、R<Rc,G>G
c,B>Bcがどうかを判断し、この条件を満たさない
場合、不適合でない皮膜性状と判断し(ステップS3
4)、この条件を満たす場合、不適合な皮膜性状と判断
することができる(ステップS35)。
【0131】なお、色差計を用いて皮膜表面色を計測
し、不適合度を評価するようにしてもよい。また、皮膜
2の表面画像を表示装置193に表示させ、目視により
皮膜2の皮膜性状を判定するようにしてもよい。
【0132】図39は、本発明の第23実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置の構成を示すブロック図であ
る。図39において、皮膜2の表面には光源191から
の光が照射され、皮膜2の表面状態はCCDカメラ19
2にて画像データとして採取され、モニタ193を介し
て画像処理装置196に送られる。画像処理装置196
は、採取した画像データをRGBの3原色に分割処理
し、このRGB値を予めテスト材で採取してデータベー
ス化された不適合色の閾値と比較することにより、その
不適合度を求める。すなわち、鉄酸化皮膜がない皮膜
は、黒色あるいは緑色の強い緑青色が存在する。従っ
て、このような色が存在する場合、不適合な皮膜性状と
なる。コンピュータ195は光源制御装置194,画像
処理装置196および色判定装置197に接続され、こ
れらの制御はコンピュータ196で行われるとともに、
計測結果は表示装置198に表示される。なお、色差計
を用いて皮膜表面色を計測することにより、不適合度を
評価するようにしてもよい。
【0133】このように、本発明の第23実施形態によ
れば、管1内面に設置したCCDカメラ192にて皮膜
2表面の色情報を画像として取り込み、画像処理にてR
GB3原色をデジタル値として分離して求め、RGBの
各値を予めデータベース化した不適合色のしきい値と比
較することにより、その適合度を簡易に求めることがで
きる。
【0134】図40は、本発明の第24実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置における管案内装置の構成を示
す図である。この第24実施形態は、固定脚を用いて計
測センサを管内面へ固定するようにしたものである。図
40において、計測ヘッド201には、計測センサ20
2を中央にして、その周囲に固定脚203が配置される
とともに、案内管205を介して保持脚206により保
持される。ここで、案内管205はセンサ駆動装置20
7に接続され、案内管205を管1の長手方向に出し入
れしたり、管1の円周方法に回転させたりすることによ
り、計測ヘッド201を管1内に挿入した際の計測ヘッ
ド201の位置を制御することができる。
【0135】また、固定脚203は、計測ヘッド201
の軸方向の前後に、その円周方向に等間隔で配置され、
固定脚203を管1に押し付けることにより、計測セン
サ202の固定を行うことができる。ここで、固定脚2
03はセンサ押し付け制御装置209に接続され、セン
サ押し付け制御装置209により、固定脚203の円周
方向への押し付け、引き出し、および押し付け力の制御
が行われる。また、計測センサ202はセンサ制御装置
208に接続され、計測センサ202の制御が行われ
る。
【0136】このように、本発明の第24実施形態によ
れば、計測ヘッド201を管1内の所定の位置に手動あ
るいは自動で設置可能とする案内機構を設けるととも
に、複数個の脚203を計測ヘッド201の円周方向に
等間隔で設け、その脚203を管1内面に所定の強さで
押し付ける機構を設けることにより、計測センサ202
と管1内面までの距離を一定に保持することができ、安
定して計測を行うことができる。
【0137】図41は、本発明の第25実施形態に係わ
る鉄酸化皮膜の計測装置における管案内装置の構成を示
す図である。この第25実施形態は、空気圧を用いて計
測センサを管内面へ固定するようにしたものである。図
41において、計測ヘッド部201には、図40の固定
脚203の代わりに、空気204を吹き出すための小孔
212が設けられている。この小孔212は案内管20
5を介して空気吹き出し口に接続され、計測ヘッド20
1が常時所定の位置に固定されるように、小孔212か
らの空気吹き出し量がエア制御装置211により制御さ
れる。
【0138】このように、本発明の第25実施形態によ
れば、複数個の孔212を計測ヘッド201の円周方向
に等間隔に設け、計測ヘッド201を管1内の所定の位
置に手動あるいは自動で設置可能とする案内機構を設け
るとともに、孔212から空気204を供給するエア制
御装置211を設けることにより、管1の内径が異なっ
ていたり、汚れなどにより管1内に凹凸がある場合にお
いても、計測センサ202と管1内面までの距離を一定
に保持することができ、安定して計測を行うことができ
る。
【0139】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、
本発明の技術的思想の範囲内で様々の変更が可能であ
る。例えば、磁気インダクタンス効果素子(MI素子)
などを用いて鉄成分量を計測するようにしてもよい。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉄酸化皮膜の厚みおよび鉄成分量を適正に評価すること
が可能となり、冷却管内表面に生成する鉄酸化皮膜の品
質を適正に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる鉄酸化皮膜の検
査方法を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる鉄酸化皮膜の検
査装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係わる鉄酸化皮膜の検
査装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測方法を説明する図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測方法を説明する図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係わる鉄酸化皮膜の計
測方法を説明する図である。
【図10】本発明の第7実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第8実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測方法を説明する図である。
【図12】本発明の第8実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第8実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第9実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測方法を説明する図である。
【図15】本発明の第9実施形態に係わる鉄酸化皮膜の
計測装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第10実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第11実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図19】本発明の第11実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第12実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図21】本発明の第12実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の第13実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第14実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第15実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図25】本発明の第15実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図26】本発明の第16実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図27】本発明の第16実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第17実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図29】本発明の第17実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図30】本発明の第18実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図31】本発明の第19実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図32】本発明の第20実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図33】本発明の第20実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図34】本発明の第21実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図35】本発明の第21実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図36】本発明の第22実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を説明する図である。
【図37】本発明の第22実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図38】本発明の第23実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測方法を示すフローチャートである。
【図39】本発明の第23実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置の構成を示すブロック図である。
【図40】本発明の第24実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置における管案内装置の構成を示す図である。
【図41】本発明の第25実施形態に係わる鉄酸化皮膜
の計測装置における管案内装置の構成を示す図である。
【符号の説明】 DB1〜DB4、157…データベース 1、1´…管 2、2´…皮膜 11、11´、53…センサ部 12…センサ保持機構 13…センサ駆動機構 14…管案内装置 15 駆動機構制御装置 16、55、210…制御装置 17、208…センサ制御装置18、28、47、5
8、68、78、86、136、146、166…信号
処理装置 19…皮膜性状判別装置 20、30、49、59、70、79、87、137、
148、158、168、178、188、198…表
示装置 21、42…磁心 22…1次コイル 23…2次コイル 24…発振器 25…倍周波増幅器 26…同期検波器 27…フィルタ 29、48、56、76、104、124…鉄成分計測
装置 31…接触子 32…ばね 33…永久磁石ユニット 34…駆動機構 35…駆動装置 36、46、66、105、125、147、164、
174、195…コンピュータ 37…変位量計測装置 38…透磁率計測装置 39、43、52、62、72、95、115…励磁コ
イル 40、44、64、74、98…励磁電源部 41…ホール素子 45、65、75、99…励磁制御装置 51…検出コイル 54、118…励磁装置 57、67、77、85…アンプ 61、71…磁気センサ 63…MAEセンサ 69、177…鉄成分評価装置 73…磁気抵抗素子 81…超電導量子干渉素子 82…ピックアップコイル 83…超電導コイル 84…2次コイル 91、111、191…光源 92、100、112、120…偏光子 93、113…ハーフミラー 94、114…レンズ 96、116…磁気光学素子 97、117、194…光源制御装置 101、121、192…CCDカメラ 102、122、193…モニタ 103、123、196…画像処理装置 131…渦電流センサ 132…磁力線 133…発振回路 134…周波数制御回路 135…受信回路 141…β線源 142、143…β線 144…β線検出器 145…β線計数器 151a、151b…探触子 152…超音波 153…超音波送受信装置 154…超音波周波数制御装置 155…超音波音速測定装置 156、167…皮膜厚さ計測装置 161…加熱源 162…赤外線カメラ 163…熱源制御装置 165…赤外線制御装置 171a、171b、172a、172b…接触子 173…印加電流制御装置 175…電圧計測装置 176…データ処理装置 181…セル 182…電解液 183…対極 184…照合電極 185…電極 186…分極抵抗測定装置 187…皮膜性状評価装置 197…色判定装置 201…計測センサ 202…計測ヘッド 203…固定脚 204…空気 205…案内管 206…保持脚 209…センサ押し付け制御装置 211…エア制御装置 212…小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/27 G01N 27/04 Z 2G053 27/04 G01B 11/06 H 2G059 // G01B 11/06 7/10 Z 2G060 (72)発明者 久保 貴博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 長井 敏 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 尾関 敏明 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2F063 AA16 BC02 BD13 GA08 LA30 2F065 AA30 BB08 BB17 CC31 FF04 GG21 JJ03 JJ08 2F067 AA27 BB06 BB16 GG01 HH06 JJ05 KK08 LL12 2F068 AA28 BB09 BB15 FF13 FF16 FF25 HH03 KK14 PP04 PP11 QQ45 2G020 AA08 DA05 DA31 DA34 DA45 2G053 AA02 AB01 AB07 AB20 BA02 BA12 BA16 BA19 BB11 BC02 BC04 BC14 BC20 CA03 CA05 CA06 CA09 CA10 CA16 CA18 CA20 CB16 CB27 CC03 DA01 DA10 DB04 DB06 DB21 2G059 AA01 AA05 BB10 CC03 EE02 EE13 FF06 HH02 JJ11 JJ13 JJ19 JJ30 KK04 MM05 PP10 2G060 AA08 AD01 AE40 AF07 EB02 KA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却管内面の皮膜の鉄成分量、皮膜厚
    さ、皮膜の電気的特性および皮膜表面の色情報の少なく
    ともいずれか1つを計測するステップと、 前記計測結果に基づいて前記冷却管内面の皮膜性状を評
    価するステップとを備えることを特徴とする鉄酸化皮膜
    検査方法。
  2. 【請求項2】 前記鉄成分量を計測するステップは、 フラックスゲート型磁束計を冷却管の内側に設置するス
    テップと、 前記フラックスゲート型磁束計に交流電流を印加するス
    テップと、 前記交流電流の印加時に前記フラックスゲート型磁束計
    の鉄心に誘起される磁束を計測するステップと、 前記計測結果を磁束と鉄成分量との関係が登録されたマ
    スターカーブと照合することにより、鉄成分量を求める
    ステップとを備えることを特徴とする請求項1記載の鉄
    酸化皮膜検査方法。
  3. 【請求項3】 前記鉄成分量を計測するステップは、 透磁率の異なる複数の永久磁石を冷却管の内側に設置す
    るステップと、 前記冷却管に対する前記永久磁石の吸着力を求めるステ
    ップと、 前記吸着力に基づいて透磁率を計測するステップと、 前記計測結果を透磁率と鉄成分量との関係が登録された
    マスターカーブと照合することにより、鉄成分量を求め
    るステップとを備えることを特徴とする請求項1記載の
    鉄酸化皮膜検査方法。
  4. 【請求項4】 前記鉄成分量を計測するステップは、 励磁コイルと磁気抵抗素子とを冷却管の内側に設置する
    ステップと、 前記励磁コイルに所定の交流電流を印加して被検体を励
    磁させるステップと、 前記励磁時に前記冷却管内面からの磁気信号を前記磁気
    抵抗素子で計測するステップと、 前記計測結果を磁気信号と鉄成分量との関係が登録され
    たマスターカーブと照合することにより、鉄成分量を求
    めるステップとを備えることを特徴とする請求項1記載
    の鉄酸化皮膜検査方法。
  5. 【請求項5】 前記皮膜厚さを計測するステップは、 渦電流センサを前記冷却管の内側に設置するステップ
    と、 前記冷却管内面を励磁した時に発生する渦電流信号の出
    力電圧値を計測するステップと、 前記計測結果を渦電流信号の出力電圧値と皮膜厚さとの
    関係が登録されたマスターカーブと照合することによ
    り、皮膜厚さを求めるステップとを備えることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載の鉄酸化皮膜検査
    方法。
  6. 【請求項6】 前記渦電流信号を計測するステップは、 1または複数の周波数を用いて前記冷却管内面を励磁す
    るステップと、 前記励磁周波数ごとに発生する渦電流信号を計測するス
    テップと、 前記励磁周波数に対する渦電流信号の振幅値の変化を表
    す関係式を求めるステップとを備えることを特徴とする
    請求項5記載の鉄酸化皮膜検査方法。
  7. 【請求項7】 前記皮膜厚さを計測するステップは、 β線を照射するβ線源とβ粒子ビームを検出するガイガ
    ーミュラー管とを前記冷却管の内側に設置するステップ
    と、 β線を前記β線源から前記冷却管内面に照射するステッ
    プと、 前記冷却管内面から後方散乱したβ粒子数を前記ガイガ
    ーミュラー管にて計測するステップと、 前記計測結果をβ粒子数と皮膜厚さとの関係が登録され
    たマスターカーブと照合することにより、皮膜厚さを求
    めるステップとを備えることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項記載の鉄酸化皮膜検査方法。
  8. 【請求項8】 前記皮膜厚さの計測は、超音波法で皮膜
    厚さを計測することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の鉄酸化皮膜検査方法。
  9. 【請求項9】 前記皮膜の電気的特性を計測するステッ
    プは、 印加電流用端子および電圧計測用端子を前記冷却管の内
    側に設置するステップと、 前記印加電流用端子から前記冷却管内面に電流を印加す
    るステップと、 前記電流印加時の電圧を前記電圧計測用端子で計測する
    ステップと、 前記計測結果に基づいて導電率を算出するステップと、 前記算出結果を導電率と皮膜の電気的特性との関係が登
    録されたマスターカーブと照合することにより、前記皮
    膜の電気的特性を求めるステップとを備えることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項記載の鉄酸化皮膜検
    査方法。
  10. 【請求項10】 前記皮膜の色情報を計測するステップ
    は、 前記冷却管の内側に撮像装置を設置するステップと、 前記撮像装置にて皮膜表面の画像データを取り込むステ
    ップと、 前記画像データから前記皮膜表面のRGB値を算出する
    ステップと、 前記RGB値を不適合色の閾値と比較するステップと、 前記比較結果に基づいて前記RGB値の適合度を求める
    ステップとを備えることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか1項記載の鉄酸化皮膜検査方法。
  11. 【請求項11】 皮膜の鉄成分量、皮膜厚さ、皮膜の電
    気的特性値および皮膜表面の色情報の少なくとも1つを
    計測するセンサと、 前記センサを保持するセンサ保持手段と、 前記センサの軸および周方向への移動および回転走査を
    可能とするセンサ駆動手段と、 前記センサ駆動手段を制御する駆動制御手段と、 前記センサへの励磁あるいは前記センサからの信号の受
    信を制御するセンサ制御手段と、 前記センサによる計測結果に基づいて皮膜性状を判定す
    る判定手段と、 前記計測結果および判定結果を表示する表示手段とを備
    えることを特徴とする鉄酸化皮膜検査装置。
  12. 【請求項12】 前記皮膜の鉄成分量を計測するセンサ
    は、 前記冷却管の内側に設置された磁気光学素子と、 前記磁気光学素子の周囲に配置された励磁コイルと、 前記励磁コイルに所定の直流電流を印加した時に前記磁
    気光学素子上に現われる磁区模様を取り込む取り込み手
    段と、 前記磁区模様の変化を計測する計測手段とを備えること
    を特徴とする請求項11記載の鉄酸化皮膜検査装置。
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