JP5495218B2 - テラヘルツ光検出方法、テラヘルツ光装置及びイメージ化装置 - Google Patents

テラヘルツ光検出方法、テラヘルツ光装置及びイメージ化装置 Download PDF

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Description

本発明は、テラヘルツ光等の入力を検出する検出方法及び装置、並びに、これを用いたテラヘルツ光装置及びイメージ化装置に関するものである。
微小信号を検出する場合、チョッパーのようなものにより信号成分を変調させ、その変調周波数に同期した成分を検出するロックイン検出という方法により検出するのが一般的である。
レーザ光をテラヘルツ光発生器に照射することにより放射されるテラヘルツ電磁波の時間変化を直接測定する時系列変換テラヘルツ分光システムなどのテラヘルツ光装置では、光伝導アンテナ等の光スイッチ素子を検出器として使用して測定する。この光スイッチ素子は、テラヘルツ電磁波発生に用いるレーザパルス光の一部をプローブパルス光として用いることにより、光伝導素子内にキャリアを発生させその瞬間のテラヘルツ電磁波の電場強度を電流として検出する。このため、光スイッチ素子からの信号は、通常、テラヘルツ光による信号の他、プローブパルス光による大きな背景雑音を含んでいる。したがって、光スイッチ素子からの信号を単に増幅するだけでは、テラヘルツ光による信号と共に背景雑音も増幅してしまい、SN比が大きく低下する。そこで、高いSN比でテラヘルツ光を検出するたあ、ロックイン検出法によって測定される。
パルス的な繰り返し信号に対しては、ボックスカー積分器と呼ばれる装置も用いられる。これは、パルス信号に同期したタイミングと時間幅でゲートをかけ、信号を検出し、かつ適当な繰り返し数だけ信号を積分する装置で、比較的低繰り返しの信号に適用されることが多い。ボックスカー積分器によれば、ゲートにより信号のある時間帯のみ信号が積分され、それ以外の時間帯に発生する雑音は除去れるので、検出信号のSN比が上がる。しかし、信号に大きな背景ノイズがある場合、オフセット機能を使ったとしても、ドリフトなどのため、SN比は低下する。このため、ボックスカー積分器は、背景ノイズが非常に大きい場合や、背景ノイズのドリフトが大きい場合は、テラヘルツ光等の検出には適していない。
発明が解決しようとする課題
テラヘルツ光の検出に採用される前述したようなロックイン検出に用いられるロックイン増幅器は、構成が複雑であり、高価であるとともにスペースもかなり要するものであった。
特に、被測定物をテラヘルツ光を用いてイメージ化しようとすると、複数の光スイッチ素子を分布させた検出器を使用することから、各素子に対して1つずつロックイン増幅器を用いることになり、コスト及びスペースが著しく増大することになる。このため、このような検出器を用いた被測定物のイメージ化は、実際に行われることはなかった。
なお、被測定物をテラヘルツ光を用いてイメージ化する場合、光スイッチ素子に代えてEO結晶(電気光学結晶)を使用してテラヘルツ光を検出する方法が実施されている。しかし、EO結晶を使用した検出方法に比べ、光伝導アンテナ素子等の光スイッチ素子を用いた検出方法の方がSN比の良い測定を行うことができる。
テラヘルツ光の検出に限らず、テラヘルツ光以外の種々の検出すべき入力の検出についても、SN比の向上と、装置のコストダウン及びコンパクト化が要請される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高いSN比でテラヘルツ光等の入力を検出することができ、更に装置のコストダウン及びコンパクト化を図ることができるテラヘルツ光等の検出方法及び装置、並びに、これを用いたテラヘルツ光装置及びイメージ化装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による検出方法は、検出すべき入力に応じた出力信号を、所定の検出状態において出力する検出部を用い、前記検出すべき入力を検出する検出方法において、(a)前記検出すべき入力が前記検出部に入力されている時及び前記検出すべき入力が前記検出部に入力されていない時の双方において、前記検出部を前記検出状態とし、(b)前記検出すべき入力が前記検出部に入力されている時に前記検出状態において前記検出部から得られる出力信号の所定種類の値と、前記検出すべき入力が前記検出部に入力されていない時に前記検出状態において前記検出部から得られる出力信号の前記所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得るものである。
前記所定種類の値としては、例えば、積分値又はピーク恒等を挙げることができる。この点は、後述する各態様についても同様である。
本発明の第2の態様による検出装置は、(a)検出すべき入力に応じた出力信号を、所定の検出状態において出力する検出部と、(b)前記検出すべき入力が前記検出部に入力されている時及び前記検出すべき入力が前記検出部に入力されていない時の双方において、前記検出部を前記検出状態にする手段と、(c)前記検出すべき入力が前記検出部に入力されている時に前記検出状態において、前記検出部から得られる出力信号の所定種類の値と、前記検出すべき入力が前記検出部に入力されていない時に前記検出状態において前記検出部から得られる出力信号の前記所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得る信号処理部と、を備えたものである。
本発明の第3の態様によるテラヘルツ光検出方法は、入射するテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力するテラヘルツ光検出部を用い、前記テラヘルツ光を検出するテラヘルツ光検出方法において、(a)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を前記テラヘルツ光検出部に照射し、(b)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得るものである。
本発明の第4の態様によるテラヘルツ光検出装置は、(a)入射するテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力するテラヘルツ光検出部と、(b)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を前記テラヘルツ光検出部に照射する照射部と、(c)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得る信号処理部と、を備えたものである。
本発明の第5の態様によるテラヘルツ光装置は、(a)テラヘルツ光発生部と、(b)前記テラヘルツ光発生部から発生し所定の光路を経て到達するテラヘルツ光が入射され、入射されたテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力するテラヘルツ光検出部と、(c)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を前記テラヘルツ光検出部に照射する照射部と、(d)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得る信号処理部と、を備えたものである。
本発明の第6の態様によるイメージ化装置は、(a)テラヘルツ光発生部と、(b)前記テラヘルツ光発生部から発生し被測定物を含む所定の光路を経て2次元領域の個々の部位に到達するテラヘルツ光が入射され、入射されたテラヘルツ光の電場強度に応じた電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、前記個々の部位に対応するもの毎にそれぞれ出力するテラヘルツ光検出部と、(c)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を前記テラヘルツ光検出部に照射する照射部と、(d)前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られるパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを、前記各部位に対応するもの毎に得る信号処理部と、を備え、前記検出信号又は検出データに基づいて、前記被測定物をイメージ化するものである。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光装置を模式的に示す概略構成図である。
本実施の形態によるテラヘルツ光装置では、図1に示すように、フェムト秒パルス光源1が光源駆動部25により駆動されて、光源1からフェムト秒パルス光L1が放射される。例えば、フェムト秒パルス光L1として、中心波長が近赤外領域のうちの780〜800nm、パルス幅が10〜150fs程度の、パルス光が、繰り返し周波数が例えば1kHzで発生される。フェムト秒パルス光源1としては、例えば、再生増幅器と呼ばれるレーザを用いることが好ましい。このレーザでは、発生する1つずつのパルス光の強度が高いので、1つずつのテラヘルツ電磁波パルスの強度を高めることができる。また、このレーザでは、パルス間隔が比較的長く、パルス光の繰り返し周波数は例えば1kHzである。この速さの繰り返しでは、パルス光とパルス光の時間間隔は1msとなることから、比較的速い繰り返し(例えば、繰り返し周波数が数十MHz)のパルス光を用いていたときには考えられなかった、後述する信号処理部21のような電気回路による処理が可能となる。以下の説明では、パルス光L1の繰り返し周波数は、1kHzであるものとするが、この周波数に限定されるものではない。
光源駆動部25は、フェムト秒パルス光源1から発生するパルス光L1の繰り返し周波数(1kHz)に同期した同期信号を出力し、この同期信号が後述するチョッパー駆動部26及び信号処理部21に供給される。
フェムト秒パルス光源1から放射されたフェムト秒パルス光L1は、ビームスプリッタ2で2つのパルス光L2,L3に分割される。
ビームスプリッタ2で分割された一方のパルス光L2は、チョッパー3によりチョッピングされた後に、光伝導アンテナ等の光スイッチ素子又はEO結晶などのテラヘルツ光発生器7を励起してこの発生器7にテラヘルツパルス光を発生させるための、ポンプ光(パルス励起光)L4となる。このポンプ光L4は、平面反射鏡4〜6を経て、テラヘルツ光発生器7へ導かれる。その結果、ポンプ光L4に応答して、テラヘルツ光発生器7が励起されてテラヘルツパルス光L5を放射する。なお、テラヘルツ光発生器7として光スイッチ素子を用いる場合には、図示しないバイアス電源によりバイアス電圧がテラヘルツ光発生器7に印加される。
ここで、チョッパー3は、光源駆動部25からの同期信号に基づいてチョッパー駆動部26により駆動され、チョッピング前のパルス光L2のパルス列のうち、1つ置きのパルスのみを通過させるとともに、残りのパルスを遮断する。すなわち、ポンプ光L4は、チョッピング前のパルス光L2のパルス光のパルス列からパルスが1つ置きに間引かれたパルス列となる。したがって、本実施の形態では、ポンプ光L4の繰り返し周波数は、500Hz(=1kHz/2)となる。このため、テラヘルツパルス光L5の繰り返し周波数も、500Hzとなる。
テラヘルツ光発生器7で発生するテラヘルツパルス光L5としては、概ね0.1×1012から100×1012ヘルツまでの周波数領域の光が望ましい。このテラヘルツパルス光L5は、曲面鏡13,14を経て集光位置に集光される。本実施の形態では、この集光位置には、被測定物20の測定部位が配置される。被測定物20を透過したテラヘルツパルス光L6は、曲面鏡15,16を経てテラヘルツ光検出器11ヘ導かれる。本実施の形態では、テラヘルツ光検出器11として、ダイポールアンテナを用いた公知の光スイッチ素子が用いられている。光スイッチ素子は、一般的には、光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に形成され互いに分離された2つの導電部とを有し、前記2つの導電部の少なくとも一部同士が前記所定の面に沿った方向に所定間隔をあけるように配置されたものである。
ビームスプリッタ2で分割された他方のパルス光L3は、テラヘルツパルス光を検出するためのプローブパルス光となる。このプローブパルス光L3は、平面反射鏡8、2枚又は2枚もしくは3枚の平面反射鏡が組み合わされてなる可動鏡9、及び平面反射鏡10を経て、テラヘルツ光検出器11へ導かれる。
プローブパルス光L3は、ポンプ光L4の場合と異なりチョッピングされずにパルスが間引かれないので、プローブパルス光L3のパルス繰り返し周波数は、ポンプ光L4のパルス繰り返し周波数(500Hz)の2倍の周波数(1kHz)となる。すなわち、本実施の形態では、プローブパルス光L3のパルス列のうちの1つ置きのパルスが、テラヘルツパルス光が発生している時に発生してテラヘルツ光を検出するタイミングを定めることになる。一方、プローブパルス光L3のパルス列のうちの残りの1つ置きのパルスは、テラヘルツパルス光が発生していない時に発生することになる。
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、前述した要素1,2,8,9,10,25が、テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、プローブパルス光L3をテラヘルツ光検出器11に照射する照射部を、構成している。
光スイッチ素子で構成されたテラヘルツ光検出器11は、プローブパルス光L3を受けた時のみ光励起キャリアを生じ、同時にテラヘルツパルス光L6の電場がかかっていれば、その電場に比例した光伝導電流が流れる。このとき測定される電流J(τ)は、テラヘルツパルス光の電場E(t)と光励起キャリアの光伝導度g(t−τ)のコンボリューションで表せ、J(τ)=∫E(t)g(t−τ)dtのような形で書ける。光伝導度g(t−τ)がデルタ関数的であるので、測定された電流値は到来するテラヘルツパルス光L5の電場強度E(τ)に比例したものになる。このように、テラヘルツ光検出器11は、入射するテラヘルツ光の電場強度に比例した電流信号を出力するはずである。
ところが、実際には、光スイッチ素子からの電流信号は、入射するテラヘルツ光の電場強度に比例した真の信号の他に、プローブパルス光による大きな背景雑音を含む。この背景雑音は、プローブパルス光L3を光スイッチ素子に照射することにより、光スイッチ素子へのレーザ照射の不均一や電極のわずかなショットキーコンタクトなどで発生する比較的大きな電気パルスである。通常、この背景雑音のパルスはテラヘルツ電磁波の電場によって誘起される信号よりも強い。
このように、テラヘルツ光がテラヘルツ光検出器11に入射している時には、プローブパルス光L3に応答したテラヘルツ光検出器11からの電流信号は、プローブパルス光L3による大きな背景雑音を含むが、入射するテラヘルツ光の電場強度に比例した真の信号も含むため、テラヘルツ光検出器11は、入射するテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力することになる。以上のように、テラヘルツ光検出器11は、テラヘルツ光が入射されている時にプローブパルス光L3が入射されると、テラヘルツ光の電場強度に比例した真の信号とプローブパルス光L3による背景雑音とが足し合わされた電流信号を出力することになる。一方、テラヘルツ光検出器11は、テラヘルツ光が入射されていない時にプローブパルス光L3が入射されると、プローブパルス光L3による背景雑音のみの電流信号を出力することになる。
したがって、テラヘルツ光検出器11からの電流信号の時間変化は、後述する図3(a)に示すようになる。ただし、図3(a)は、後述するように、テラヘルツ光検出器11からの電流信号を電流−電圧変換した信号を示している。それぞれのパルスの幅は、レーザのパルス幅と同程度のものであるはずであるが、観測されるパルスの幅は電気回路の特性によって広がったものとなっている。
信号処理部21は、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射している時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値と、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射していない時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値との、差分に応じた、検出信号を得る。先の説明からわかるように、前者の積分値は、テラヘルツ光の電場強度に比例した真の信号とプローブパルス光L3による背景雑音とが足し合わされたものに相当し、後者の積分値はプローブパルス光L3による背景雑音のみに相当している。したがって、両者の差分に応じたものである信号処理部21から得られる検出信号は、背景雑音が取り除かれてテラヘルツ光による真の信号のみを示すことになり、真の信号のみを高いSN比で検出することができる。
ここで、信号処理部21の具体例について、図2を参照して説明する。図2において、31はテラヘルツ光検出器11からの電流信号が入力される入力端子、39は検出信号が出力される出力端子である。入力端子31に入力された電流信号は、電流−電圧変換回路32により電圧信号に変換され、この電圧信号が前置増幅器33により増幅される。この前置増幅器33の出力信号を図3(a)に示す。図3(a)に示すように、プローブパルス光L3に応じたパルス信号が現れている。前述したように、プローブパルス光L3は間引かれずに1kHzの繰り返し周波数を持つ一方、ポンプ光L4はパルスが1つ置きに間引かれて500Hzの繰り返し周波数を持つので、図3(a)に示すように、テラヘルツ光がON時のパルスとテラヘルツ光がOFF時のパルスとが、交互に現れている。テラヘルツ光がON時のパルスは、テラヘルツ光による影響とプローブパルス光による影響とが足し合わされているので、レベルが比較的高くなっている。一方、テラヘルツ光がOFF時のパルスは、プローブパルス光による影響のみを含むので、レベルが比較的低くなっている。
前置増幅器33から出力される各パルスは、スイッチ34により、テラヘルツ光ON時のパルスとOFF時のパルスとにそれぞれ振り分けられて、積分回路35a,35bにそれぞれ選択的に入力される。図3(b)は積分回路35aへの入力信号を示し、図3(c)は積分回路35bへの入力信号を示す。このようなスイッチ34による振り分け動作は、光源駆動部25からの同期信号(1kHz)でスイッチ34をトリガーすることによってスイッチ34に切り替え動作を行わせることにより、実現することができる。
積分回路35aは、前記1/2に分周した信号(500Hz)に同期して、テラヘルツ光ON時の1つのパルスを含む積分期間毎に、その入力信号を積分する。このとき、積分期間をパルスを含む期間のみに限定することにより、パルスを含まない期間の雑音を除去することができる。その積分値を示す信号がサンプルホールド回路36aにより一時的に保持されて、差分回路37の一方の入力端子へ供給される。同様に、積分回路35bは、前記1/2に分周した信号(500Hz)に同期して、テラヘルツ光OFF時の1つのパルスを含む積分期間毎に、その入力信号を積分する。その積分値を示す信号がサンプルホールド回路36bにより一時的に保持されて、差分回路37の他方の入力端子へ供給される。
差分回路37は、前記1/2に分周した信号(500Hz)に同期して、サンプルホールド回路36a,36bにより保持されている信号の差分を示す差分信号を出力する。この差分は、図3(a)において相前後して発生するテラヘルツ光ON時の1つのパルスとテラヘルツ光OFF時の1つのパルスとに関する、両者の積分値の差分に相当している。差分回路37からの差分信号は、ローパスフィルタ機能を有する増幅器38により増幅され、テラヘルツ光検出信号として、出力端子39から出力される。
このように、図2に示す回路構成を採用すれば、前述した信号処理部21の動作を実現することができる。
ところで、前述した図2に示す回路構成では、先の説明からわかるように、テラヘルツ光ON時の1つのパルスの積分値とテラヘルツ光OFF時の1つのパルスの積分値との差分を示す検出信号を、順次繰り返して得ている。しかし、実際には、SN比をより高めるために、例えば、テラヘルツ光ON時の複数の所定数(例えば、数十)のパルスの積分値とテラヘルツ光OFF時の同数のパルスの積分値との差分を示す検出信号を、順次繰り返して得ることが、好ましい。この動作は、例えば、前記増幅器38から1ずつのパルスに対応して繰り返して得られる出力信号を、前記所定数のパルスを含む積分期間で順次積分する積分回路を追加するか、あるいは、増幅器38にこの積分回路の機能を持たせることにより、実現することができる。また、前記動作は、例えば、前記積分回路35a,35bの積分期間を前記所定数のパルスを含む期間に設定することによっても、実現することができる。
なお、テラヘルツ光ON時の複数の所定数のパルスの積分値とテラヘルツ光OFF時の同数のパルスの積分値との差分を示す検出信号も、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射している時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値と、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射していない時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値との、差分に応じた、検出信号の一種であることは、言うまでもない。
信号処理部21は、図2に示す回路構成に代えて、例えば、図4に示す回路構成を採用してもよい。図4は、信号処理部21の他の具体例を示すブロック図である。図4において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図5(a)は図4中の前置増幅器33の出力信号を示しており、図3(a)に示す信号と同じである。前置増幅器33から出力される各パルスは、スイッチ34により、テラヘルツ光ON時のパルスとOFF時のパルスとにそれぞれ振り分けられて、差動増幅回路40の+入力端子及び−入力端子にそれぞれ選択的に入力される。このとき、差動増幅回路40の+入力端子及び−入力端子は、前置増幅器33の出力端子とパルスを含む期間は接続されているが、パルスを含まない期間は接続されず、図には示していないが、パルスを含まない期間の雑音の増幅を避けるため、スイッチ34を介して接地されるようになっている。したがって、差動増幅回路40の出力は、図5(b)に示すように、テラヘルツ光ON時のパルスを同じ極性で含むとともにテラヘルツ光OFF時のパルスを反転した極性で含む。
積分回路35は、光源駆動部25からの同期信号(1kHz)を図示しない分周器で1/2に分周した信号(500Hz)に同期して、相前後して発生するテラヘルツ光ON時の1つのパルスとテラヘルツ光OFF時の1つのパルスとを含む積分期間毎に、その入力信号(すなわち、図5(b)に示す差動増幅回路40の出力信号)を積分する。このことは、図5(a)において相前後して発生するテラヘルツ光ON時の1つのパルスとテラヘルツ光OFF時の1つのパルスとに関して両者の積分値の差分を取ったのと、等価である。差動増幅回路40の積分出力信号は、サンプルホールド回路36により一時的に保持され、ローパスフィルタ機能を有する増幅器41により増幅され、テラヘルツ光検出信号として、出力端子39から出力される。
このように、図4に示す回路構成を採用しても、前述した信号処理部21の動作を実現することができる。図4に示す回路の場合、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射している時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値、及び、テラヘルツ光L6がテラヘルツ光検出器11に入射していない時にプローブパルス光L3に応答してテラヘルツ光検出器11から得られるパルス電気信号の積分値は、直接的に求めている訳ではないが、両者の積分値の差分に応じたテラヘルツ光検出信号が出力端子39から得られる。
なお、図4に示すような回路構成を採用する場合も、実際には、SN比をより高めるために、例えば、テラヘルツ光ON時の複数の所定数(例えば、数十)のパルスの積分値とテラヘルツ光OFF時の同数のパルスの積分値との差分を示す検出信号を、順次繰り返して得ることが、好ましい。この動作は、例えば、前記増幅器41から1ずつのパルスに対応して繰り返して得られる出力信号を、前記所定数のパルスを含む積分期間で順次積分する積分回路を追加するか、あるいは、増幅器41にこの積分回路の機能を持たせることにより、実現することができる。また、前記動作は、例えば、前記積分回路35の積分期間を前記所定数のパルスを含む期間に設定することによっても、実現することができる。
また、前記図2又は図4に示すような回路構成では、先の説明からわかるように、テラヘルツ光ON時のパルスの積分値とテラヘルツ光OFF時のパルスの積分値との差分に応じた検出信号を得ている。しかし、本発明では、例えば、テラヘルツ光ON時のパルスのピーク値とテラヘルツ光OFF時のパルスのピーク値との差分に応じた検出信号を得てもよい。この場合、例えば、図2に示す回路構成において、積分回路35a,35bに代えてそれぞれピーク検出回路を用いればよい。この場合においても、よりSN比を高めるため、例えば、前記増幅器38から1ずつのパルスに対応して繰り返して得られる出力信号を、前記所定数のパルスを含む積分期間で順次積分する積分回路を追加してもよい。
再び図1を参照すると、プローブパルス光L3の光路上に配置された可動鏡9は、コンピュータ等からなる制御・演算処理部23による制御下で、移動機構12により矢印X方向に移動可能となっている。可動鏡9の移動量に応じて、プローブパルス光L3の光路長が変わり、プローブパルス光L3が検出器11へ到達する時間が遅延する。すなわち、本実施の形態では、可動鏡9及び移動機構12が、プローブパルス光L3の時間遅延装置を構成している。
前述したように、被測定物10を透過したテラヘルツパルス光の電場強度は、信号処理部21の出力信号である検出信号に変換される。信号処理部21から出力された検出信号は、A/D変換器22によりA/D変換された後に、制御・演算処理部23に供給される。
前述したように、ポンプ光L4の繰り返し周波数は、500Hzである。したがって、テラヘルツ光発生器7から放射されるテラヘルツパルス光L5も、500Hzの繰り返しで放射される。現在は、このテラヘルツパルス光の波形を瞬時に、その形状のまま計測することは不可能である。
したがって、本実施の形態では、同じ波形のテラヘルツパルス光L5が500Hzの繰り返しで到来することを利用して、ポンプ光L4とプローブパルス光L3との間に時間遅延を設けてテラヘルツパルス光の波形を計測する、いわゆるポンプ−プローブ法を採用している。すなわち、テラヘルツ光発生器7を作動させるポンプ光L4に対して、テラヘルツ光検出器11を作動させるタイミングをτ秒だけ遅らせることにより、τ秒だけ遅れた時点でのテラヘルツパルス光の電場強度を測定できる。言い換えれば、プローブパルス光L3は、テラヘルツ光検出器11に対してゲートをかけていることになる。また、可動鏡9を徐々に移動させることは、遅延時間τを徐々に変えることにほかならない。前記時間遅延装置によってゲートをかけるタイミングをずらしながら、繰り返し到来するテラヘルツパルス光の各遅延時間τごとの時点の電場強度を信号処理部21から検出信号として順次得ることによって、テラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形E(τ)を計測することができる。
本実施の形態では、テラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形E(τ)の計測時には、制御・演算処理部23が、移動機構12に制御信号を与えて、前記遅延時間τを徐々に変化させながら、A/D変換器22からのデータを制御・演算処理部23内の図示しないメモリに順次格納する。これによって、最終的に、テラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形E(τ)を示すデータ全体をメモリに格納する。このような時系列波形E(τ)を示すデータを、被測定物20を図1に示す位置に配置した場合と配置しない場合について取得する。制御・演算処理部23は、これらのデータに基づいて、被測定物の所望の特性を求め、これをCRT等の表示部24に表示させる。例えば、制御・演算処理部26は、公知の手法(ドュヴィラレットら(Lionel Duvillaret, Frederic Garet, and Jean-Louis Coutaz)の論文("A Reliable Method for Extraction of Material Parameters in Terahertz Time-Domain Spectroscopy", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, Vol.2, No.3, pp.739-746(1996))によって、被測定物20の複素屈折率を演算し、これを表示部24に表示させる。
本実施の形態では、被測定物20のある部位にテラヘルツ光を集光しているので、被測定物20の当該部位の局所的な複素屈折率等の特性を得ることができる。
本実施の形態では、前述したように、テラヘルツ光がテラヘルツ光検出器11に入射している時及びテラヘルツ光がテラヘルツ光検出器11に入射していない時の双方において、プローブパルス光L3がテラヘルツ光検出器11に照射される。そして、信号処理部21が前述したように動作するので、信号処理部21から得られる検出信号は、背景雑音が取り除かれてテラヘルツ光による真の信号のみを示すことになり、真の信号のみを高いSN比で検出することができる。
また、信号処理部21の動作は単純であり、その回路構成として、例えば、図2又は図4に示すような回路構成を採用することができるので、ロックイン増幅器に比べて、構成が簡単となり、コストダウン及びコンパクト化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、信号処理部21の機能の全てがハードウエアにより実現されている。しかし、例えば、その機能の後段側の一部をソフトウエア的な処理により実現することも可能である。この場合、当該ソフトウエア的な処理により得られる検出結果は、テラヘルツ光の検出データと言える。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光装置を模式的に示す概略構成図である。図6において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるテラヘルツ光装置は、被測定物20をイメージ化するイメージ化装置として構成されている。
本実施の形態によるテラヘルツ光装置では、フェムト秒パルス光源1から放射されたフェムト秒パルス光L1が、平面反射鏡51を経て、ビームスプリッタ52でポンプ光L2とプローブパルス光L3とに分割される。ポンプ光L2は、チョッパー3、2枚もしくは3枚の平面反射鏡が組み合わされてなる可動鏡53及び平面鏡54〜56を経て、ビームエキスパンダ57で拡張された後に、テラヘルツ光発生器7へ導かれる。その結果、テラヘルツ光発生器7が励起されてテラヘルツパルス光L5を放射する。
テラヘルツ光発生器7で発生したテラヘルツ光L5は、結像レンズ58を介して、テラヘルツ光検出器60の2次元領域に到達する。本実施の形態では、このテラヘルツ光検出器60として、2次元領域に複数の光スイッチ素子が分布されたものが用いられている。結像レンズ58は、被測定物20の2次元領域を透過したテラヘルツ光による被測定物20の当該領域の像を、テラヘルツ光検出器60の前記2次元領域に結像する。
ビームスプリッタ52で分割されたプローブパルス光L3は、平面鏡61,62を経てビームエキスパンダ63で拡張された後に、テラヘルツ光が入射するテラヘルツ光検出器60の複数の光スイッチ素子が分布された2次元領域に入射する。なお、本実施の形態においても、プローブパルス光L3とポンプ光L4との関係は、前記第1の実施の形態の場合と同じである。
検出器60の個々の光スイッチ素子は、各素子に入射するテラヘルツ光及びプローブパルス光L3に応じて、前記第1の実施の形態において検出器11として用いられた単一の光スイッチ素子と同様に、パルス電気信号を出力する。
信号処理部121は、テラヘルツ光検出器60の各光スイッチ素子に対応して図1中の信号処理部21を複数チャンネル有している。これに応じて、A/D変換器122は各チャンネルに応じて設けられた複数のA/D変換器から構成される。検出器60の個々の光スイッチ素子からの信号に応じて信号処理部121の各チャンネルから得られた各検出信号は、A/D変換器122によりそれぞれA/D変換された後に、制御・演算処理部23に取り込まれる。したがって、テラヘルツパルス光の電場強度の分布(各部位ごとの電場強度)を示すデータが、制御・演算処理部23に取り込まれる。前述したように、信号処理部121の複数チャンネルからの検出信号を複数のA/D変換器122でパラレル処理によりA/D変換することが、処理速度の点で好ましい。もっとも、例えば、1つのみの高速のA/D変換器122を用い、信号処理部121の各チャンネルからの検出信号を順次スイッチで切り替えて前記1つのA/D変換器122に入力し、シリアル的にA/D変換することも可能である。
ポンプ光L4の光路上に配置された可動鏡53は、制御・演算処理部23による制御下で、移動機構59により矢印Y方向に移動可能となっている。可動鏡53の移動量に応じて、ポンプ光L4の光路長が変わり、ポンプ光L4がテラヘルツ光発生器7へ倒達する時間が遅延する。すなわち、本実施の形態では、可動鏡53及び移動機構59が、ポンプ光L4の時間遅延装置を構成している。このように、本実施の形態ではポンプ光L4の方を時間遅延可能となっているが、この点は、プローブパルス光L3の方を時間遅延可能とする前記第1の実施の形態と実質的に同じである。
制御・演算処理部23は、移動機構59を制御して可動鏡53を徐々に移動させて、各遅延時間(テラヘルツパルス光のプローブパルス光に対する遅延時間)τごとの時点のテラヘルツパルス光の電場強度の分布(各部位ごとの電場強度)を示すデータを順次得ることによって、各部位ごとのテラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形E(τ)を取得する。このような各部位ごとの時系列波形E(τ)を示すデータを、被測定物20を図6に示す位置に配置した場合と配置しない場合について取得する。制御・演算処理部23は、これらのデータに基づいて、被測定物の各部位ごとの所望の特性(すなわち、所望の特性の分布)を求め、これをCRT等の表示部24に画像として表示させる。
本実施の形態では、テラヘルツ光がテラヘルツ光検出器60に入射している時及びテラヘルツ光がテラヘルツ光検出器60に入射していない時の双方において、プローブパルス光L3がテラヘルツ光検出器60に照射される。そして、信号処理部121が、前述したように動作する信号処理部21を複数有しているので、信号処理部121から得られる各検出信号は、背景雑音が取り除かれてテラヘルツ光による真の信号のみを示すことになり、真の信号のみを高いSN比で検出することができる。
また、本実施の形態によれば、信号処理部121の各チャンネルを構成する個々の信号処理部21の回路構成が、簡単となりコストダウン及びコンパクト化を図ることができるため、信号処理部121全体として、著しくコストダウン及びコンパクト化を図ることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
前述した各実施の形態は、本発明による検出方法及び装置をテラヘルツ光の検出方法及び装置に適用した例であったが、本発明による検出方法及び装置の検出対象はテラヘルツ光に限定されるものではない。本発明による検出方法及び装置では、例えば、ボックスカー積分器の場合と同様、狭いゲート時間幅を用いることができるので、連続動作のロックイン増幅器よりもノイズをより効果的に除去でき、ロックイン検出法及び装置を用いるよりも高いSN比の信号検出が可能となる。したがって、本発明による検出方法及び装置は、コンパクトで安価な微小信号検出方法及び装置としても、広く一般的に利用可能である。
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、高いSN比でテラヘルツ光等の入力を検出することができ、更に装置のコストダウン及びコンパクト化を図ることができるテラヘルツ光等の検出方法及び装置、並びに、これを用いたテラヘルツ光装置及びイメージ化装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光装置を模式的に示す概略構成図である。 図1中の信号処理部の一具体例を示すブロック図である。 図2中の各部の信号の波形の例を示す波形図である。 図1中の信号処理部の他の具体例を示すプロツク図である。 図4中の各部の信号の波形の例を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光装置を模式的に示す概略構成図である。
1 フェムト秒パルス光源
3 チョッパー
7 テラヘルツ光発生器
11,60 テラヘルツ光検出器
20 被測定物
21,121 信号処理部
23 制御・演算処理部
25 光源駆動部
26 チョッパー駆動部

Claims (4)

  1. 入射するテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力するテラヘルツ光検出部を用い、前記テラヘルツ光を検出するテラヘルツ光検出方法において、
    前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を、前記両者の時が前記プローブパルス光の1パルス毎に交互するように、前記テラヘルツ光検出部に照射し、
    前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に1以上の所定数の前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られる前記所定数のパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記所定数と同数の前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られる前記所定数と同数のパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得ることを特徴とするテラヘルツ光検出方法。
  2. テラヘルツ光発生部と、
    前記テラヘルツ光発生部から発生し所定の光路を経て到達するテラヘルツ光が入射され、入射されたテラヘルツ光の電場強度に応じたパルス電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、出力するテラヘルツ光検出部と、
    前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時及び前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時の双方において、前記プローブパルス光を、前記両者の時が前記プローブパルス光の1パルス毎に交互するように、前記テラヘルツ光検出部に照射する照射部と、
    前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射している時に1以上の所定数の前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られる前記所定数のパルス電気信号の所定種類の値と、前記テラヘルツ光が前記テラヘルツ光検出部に入射していない時に前記所定数と同数の前記プローブパルス光に応答して前記テラヘルツ光検出部から得られる前記所定数と同数のパルス電気信号の所定種類の値との、差分に応じた、検出信号又は検出データを得る信号処理部と、
    を備えたことを特徴とするテラヘルツ光装置。
  3. 請求項2記載のテラヘルツ光装置を備えたイメージ化装置であって、
    前記所定の経路は被測定物を含み、
    前記テラヘルツ光検出部は、前記テラヘルツ光発生部から発生し前記所定の光路を経て当該テラヘルツ光検出部の2次元領域の個々の部位に到達するテラヘルツ光が入射され、入射されたテラヘルツ光の電場強度に応じた電気信号を、入射するプローブパルス光に応答して、前記個々の部位に対応するもの毎にそれぞれ出力し、
    前記信号処理部は、前記検出信号又は検出データを、前記各部位に対応するもの毎に取得し、
    前記検出信号又は検出データに基づいて、前記被測定物をイメージ化することを特徴とするイメージ化装置。
  4. 前記テラヘルツ光検出部は、前記2次元領域の前記個々の部位に光スイッチ素子が分布されたものであり、
    前記信号処理部は、前記テラヘルツ光検出部の前記各光スイッチ素子に対応した複数チャンネルから前記各検出信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項3記載のイメージ化装置。
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