JP2970818B2 - ビーム変調分光装置およびその測定方法 - Google Patents

ビーム変調分光装置およびその測定方法

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JP2970818B2 JP41381490A JP41381490A JP2970818B2 JP 2970818 B2 JP2970818 B2 JP 2970818B2 JP 41381490 A JP41381490 A JP 41381490A JP 41381490 A JP41381490 A JP 41381490A JP 2970818 B2 JP2970818 B2 JP 2970818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体材料の評価や半
導体素子の開発に用いられるビーム変調分光装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体材料のバンドギャップエネルギ等
のエネルギバンド構造パラメータを実験的に決定する方
法として、従来から変調分光法が知られている。この方
法では、試料に外部から電界、圧力、あるいは温度の周
期的な変調を与え、これにより誘起される誘電率変化を
反射率変化として測定する。このとき、ロックイン増幅
器などを用いて反射強度信号と外部変調信号との位相検
波を行うことにより、極めて高い信号対雑音(S/N)
比で反射率変化スペクトルを得ることができることが従
来の変調分光法の最大の特徴である。
【0003】このような変調分光法を行う際の留意点と
して、次の2点がある。反射率に寄与するのは試料表面
から数千オングストロームの領域のみであり、変調はこ
の領域のみにかかればよいこと。反射スペクトル測定用
分光ビームが照射されている面内に不均一性があると測
定スペクトルのブロードニングを招くため、試料面内に
は均一な変調をかける必要があること。
【0004】このため、数Vの外部電源で試料表面に1
4V/cm以上の高電界を均一に印加できるショット
キー電極を利用した電界変調分光測定が変調分光法の主
流となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この電界変調分光法の
原理は以下の通りである。図5および図6に、外部電界
が印加されていないときと印加されているときにおける
表面近傍のエネルギバンドの様子を、半絶縁性結晶の場
合について示す。図5は、外部電圧が印加されていない
条件下での表面バンド図であり、表面バンドはフラット
であり表面電界は存在しない。一方、外部電圧が印加さ
れると、図6に示したようにバンドが変形し、内部電界
が発生する。一般に、内部電界の有無により結晶の誘電
率は変化を示し、その変化はエネルギバンド端等の吸収
端で顕著となる。このことを反映して、波長λの入射光
に対する内部電界が存在するときの反射率R’(λ)と
内部電界が存在しないときの反射率R(λ)の相対変化
ΔR(λ)/R(λ)=(R’(λ)−R(λ))
/R(λ)は、測定試料の吸収端に対応する波長の近傍
で急激な変化を示す。このことから、入射光の波長λを
走査しながら内部電界が存在するとき及び存在しないと
きの反射光強度IR’(λ)及びIR(λ)を測定して、
ΔR(λ)/R(λ)を記録すれば、吸収端の値を極め
て精度よく求めることができる。しかし、電界変調分光
法には下記の問題点がある。
【0006】 1.ショットキー電極を形成できる試料は立方センチメー
トル当たり1014〜1017のキャリア濃度を有する試料
に限られる。キャリア濃度がこの範囲よりも小さい試料
では、試料表面のみに電界をかけることが難しく、十分
な変調をかけるためには大きな外部電圧を印加しなけれ
ばならない。また、キャリア濃度がこの範囲よりも大き
い試料では、絶縁膜等を介して電圧を印加する必要があ
る。このとき、絶縁膜の膜厚が厚いと大きな外部電圧が
必要となり、絶縁膜の膜厚が不均一であると面内に均一
な電界をかけることができない。
【0007】 2.試料表面への電極の形成等が必要なため、非破壊の測
定ができない。
【0008】 3.試料自体に面内分布がある場合には、電極面積内の平
均的な情報とか得られない。
【0009】このような問題点のため、電界変調分光法
はショットキー電極が形成できる結晶に比べ半絶縁性結
晶や低抵抗結晶への適用が進められていない上、微小領
域のエネルギバンド構造解析には全く無力であった。
【0010】近年、これらの問題点を解決するため、半
導体試料に光または電子の励起用パルスビームを照射し
てキャリアを発生させることにより誘電率の周期的な変
化を誘起し、この変化を励起ビームとは別の入射光の反
射率変化として位相検波するビーム変調分光法が開発さ
れた。図7および図8に、半絶縁性結晶に励起光ビーム
を照射していない場合と照射した場合の、結晶表面近傍
のバンド変形の様子を示す。図7は、励起光ビームパル
スが照射されない条件下での表面バンド図であり、表面
バンドはフラットであり表面電界は存在しない。一方、
図8に示したように、励起光ビームが照射されると表面
近傍に光キャリアが発生し表面バンドが変形する。この
結果、表面に極在した電界が発生する。このように、外
部電圧によらずに、励起光ビームの有無により電界変調
分光法と同様のバンド変形を誘起できることがビーム変
調分光法の特徴である。
【0011】ビーム変調分光法は電界変調分光法の特徴
を保ったまま、電界変調分光法の持つ上記1〜3の問題点
を解決する。しかし、光または電子励起ビームの照射に
より生じたキャリアが発光再結合する試料では、本来測
定すべき反射光とともに励起ビームの照射により発生し
たルミネセンス光が光検出器に入射してしまうため、光
検出器に入射した光強度のうちから反射光の寄与を分離
する必要が生じる。そして、発光素子に用いられる化合
物半導体の大半の材料では励起されたキャリアが発光再
結合するため、ルミネセンス光を放出する試料では変調
スペクトルが得られないことは致命的な欠点である。従
来のビーム変調分光装置において、ルミネセンス光は励
起光ビームパルスと同周期、同位相のパルス状であるた
め、位相検波した信号出力への重畳を避けられない。さ
らに、バンドギャップエネルギを求めるときにはバンド
ギャップ近傍の波長域における反射率変化の測定が必要
であるが、ルミネセンス光は一般にバンドギャップエネ
ルギに極めて近いエネルギを有するため、反射光とルミ
ネセンス光を光学的に分離することは原理的に極めて困
難である。
【0012】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、光または電子励起ビームの照射によりル
ミネセンス光を発する試料に対しても、金属電極を形成
することなく、微小領域のエネルギバンド構造パラメー
タを決定することを可能にする測定装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のビーム変調分光装置は下記のように構成さ
れている。
【0014】半導体試料に反射スペクトル測定用分光ビ
ームパルスを照射する光源と、上記半導体試料表面にキ
ャリアを発生させる光または電子励起ビームパルス源
と、上記反射スペクトル測定用分光ビームパルスの反射
強度を検出する光検出器からなることを第一の主要な特
徴とする。
【0015】上記反射スペクトル測定用分光ビームパル
ス及び励起ビームパルスの周期T1、T2及びパルス幅
t1、t2が、T2=2・T1及びt1<t2<T1な
る関係を満たすことを第二の主要な特徴とする。
【0016】上記反射スペクトル測定用分光ビームパル
ス及び励起ビームパルスの両方及びいずれか一方のみが
照射されているときの上記光検出器からの出力信号を時
分割処理するため、上記反射スペクトル測定用分光ビー
ムパルスあるいは励起ビームパルスの立ち上がりタイミ
ング信号に同期したボックスカー積分器、オシロスコー
プ、ストロービングボルトメータ等を備えることを第三
の主要な特徴とする。
【0017】半導体試料に反射スペクトル測定用分光ビ
ームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測定
用分光ビームパルスに同期した光または電子励起ビーム
を前記半導体試料に照射する工程と、前記半導体試料で
反射した分光ビームパルスの強度を測定する工程とから
なり、前記上記反射スペクトル測定用分光ビームパルス
及び励起ビームパルスの周期T1、T2およびびパルス
幅t1、t2を、T2=2・T1かつt1<t2<T1
なる関係に設定することを第四の主要な特徴とする。
【0018】半導体試料に反射スペクトル測定用分光ビ
ームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測定
用分光ビームパルスに同期した光または電子励起ビーム
を前記半導体試料に照射する工程と、上記反射スペクト
ル測定用分光ビームパルス及び励起ビームパルスの両方
が照射されているとき及びいずれか一方のみが照射され
ているときの上記光検出器からの出力信号を時分割処理
する工程と、前記半導体試料で反射した分光ビームパル
スの強度を測定する工程とからなることを第五の主要な
特徴とする。
【0019】半導体試料に反射スペクトル測定用分光ビ
ームを照射する光源と、上記半導体試料表面にキャリア
を発生させる光または電子励起ビームパルス源と、励起
光ビームパルスと同期して位相検波する手段からなるビ
ーム変調分光装置において、上記ロックイン増幅器から
出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/
D変換器と、上記A/D変換器からの出力信号をデータ
保存およびデータ処理するためのプロセッサとを備えて
なり、上記プロセッサは、励起光ビームパルスが照射さ
れているときの反射光強度I1(λ)と、励起光ビーム
パルスが照射されていないときの反射光強度IR(λ)
と、試料からのルミネセンス光強度IPLとから{I1
(λ)−IPL(λ)}/IR(λ)なる演算を行うことを第六
の主要な特徴とする。
【0020】半導体試料に反射スペクトル測定用分光ビ
ームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測定
用分光ビームパルスに同期した電子励起ビームパルスを
前記半導体試料に照射する工程と、前記半導体試料で反
射した分光ビームパルスの強度を測定する工程とからな
り、分光ビームパルスの強度の測定は、分光ビームパル
スおよび励起ビームパルスの両方が照射されている場
合、およびいずれか一方のみが照射されている場合のそ
れぞれにおいて行われることを第七の主要な特徴とす
る。
【0021】
【作用】従来の電界変調分光装置では試料に電極を形成
する必要があるのに対し、本発明のビーム変調装置では
その必要がない点が異なる。その結果 試料のキャリア
濃度によらない吸収端測定、非破壊の測定、試料面内の
微小領域の評価が可能となった。また、従来のビーム変
調分光装置では励起光ビームのみがパルス状であり反射
光強度を位相検波しているのに対し、本発明のビーム変
調装置では励起光ビームと反射スペクトル測定用分光ビ
ームが共にパルス状であり反射スペクトル測定用分光ビ
ームパルス及び励起ビームパルスの両方及びいずれか一
方のみが照射されているときの光検出器からの出力信号
をボックスカー積分器、オシロスコープ、ストロービン
グボルトメータ等により時分割処理する点、あるいは、
ロックイン増幅器から出力されるアナログ信号をデジタ
ル信号に変換し、その信号をでータ保存およびデータ処
理する。その結果、従来のビーム変調装置では測定がで
きなかったルミネセンス光を発生する試料についても、
バンドギャップ等のエネルギバンド構造パラメータを決
定することが可能となった。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す図であっ
て、励起光源1からの光ビームをライトチョッパ2によ
り励起光ビームパルス3とし、これを試料4に照射す
る。一方、白色光源5からの光を分光器6で分光し、分
光器6から出射した分光ビーム7(波長λ)をライトチ
ョッパ8により分光ビームパルス9とし試料4に照射す
る。ライトチョッパ2はライトチョッパ8と同期させる
とともに、分光ビームパルス及び励起ビームパルスの周
期T1、T2及びパルス幅t1、t2が、T2=2・T
1及びt1<t2<T1なる関係を満たすように調整す
る。分光ビームパルス9の試料4からの反射光ビームパ
ルス10は光検出器11で受光し、その出力信号をライ
トチョッパ2のタイミング信号をトリガ信号としてボッ
クスカー積分器12で測定する。
【0023】図2は、図1に示す装置における、(a)
分光ビームパルス9の強度、(b)励起光ビームパルス
3の強度、及び(c)光検出器11からの出力信号の時
間変化を示す図である。試料が励起光ビームの照射によ
りルミネセンス光を発する場合には、時間τ=0〜t
1、t1〜t2、T1〜T1+t1領域の信号強度I1
(λ)、I2(λ)、I3(λ)は、励起ビームパルス3
が照射されているときの及び照射されていないときの反
射光強度をIR’(λ)、IR(λ)、ルミネセンス光の
強度をIPLとして、
【0024】 τ=0〜t1の範囲では、I1(λ)=IR’(λ)+IPLとなる。
【0025】 τ=t1〜t2の範囲では、I2(λ)=IPLとなる。
【0026】 τ=T1〜T1+t1の範囲では、I3(λ)=IR(λ)と変化する。
【0027】分光ビームパルス3の入射強度をI0
(λ)とすると、励起光ビームパルス3が照射されてい
るとき、及び、照射されていないときの反射率R’
(λ)、及びR(λ)は、R’(λ)=IR’(λ)/
0(λ)、R(λ)=IR(λ)/I0(λ)と表現す
ることができる。したがって、
【0028】 {I1(λ)−I2(λ)−I3(λ)}/I3(λ) ={IR’(λ)−IR(λ)}/IR(λ) ={R’(λ)I0(λ)−R(λ)I0λ)}/R(λ)I0(λ) =ΔR/R
【0029】の関係より、ボックスカー積分器12にお
いて、時間τ=0〜t1、t1〜t2、T1〜T1+t
1領域の信号強度の平均値avI1(λ)、avI
2(λ)、avI3(λ)を求め、ボックスカー積分器1
2内で計算した {avI1(λ)−avI2(λ)−avI3(λ)}/avI3(λ) の値をレコーダ13に記録することにより、ΔR/Rス
ペクトルを得ることができる。
【0030】図3は、試料4としてZnSe単結晶薄膜
(バンドギャップエネルギ2.7eV)、励起光源1と
してArレーザ(波長351nm)、白色光源5として
Wランプを用いた場合の室温におけるビーム変調スペク
トルであり、456nm付近の基礎吸収端に加え394
nm付近のスピン軌道分裂吸収端の構造を測定すること
ができた。
【0031】本実施例では、発光再結合する化合物半導
体の一例としてZnSe試料を取り上げたが、試料のバ
ンドギャップエネルギに応じてそれよりも高エネルギの
励起光源を用いれば、本実施例と同様にあらゆる化合物
半導体試料のエネルギバンド構造パラメータを決定でき
る。また、光検出器12からの信号を時分割処理するた
め、ライトチョッパ2からのタイミング信号に同期させ
たボックスカー積分器12を用いてデータの積算を行う
ことによりS/N比の向上を図ったが、十分信号強度が
取れる場合にはボックスカー積分器の代わりに直流出力
端子付きのオシロスコープ、ストロービングボルトメー
タ等を用いても同様の結果を得ることができる。
【0032】また、励起源1として光ビームを用いる代
わりに電子ビームを用いてビームブランキング装置によ
り励起ビームパルスを作った場合にも同様の結果が得ら
れることは、ここに示した実施例からも明らかである。
【0033】図4は、本発明の他の実施例を示す図であ
って、励起光源からの光ビームをライトチョッパ2によ
り励起光ビームパルス3とし、これを試料4に照射す
る。一方、白色光源5からの光を分光器6で分光し、
光器6から出射した分光ビーム7(波長λ)を試料4に
照射する。その反射ビーム10を受光する光検出器11
からの出力信号はロックイン増幅器15に入力し、ライ
トチョッパ2からの同期信号を参照信号として位相検波
する。分光ビーム7の波長λを走査しながら、ロックイ
ン増幅器15からの出力信号をA/D変換器16により
デジタル化し、プロセッサ17にI1 (λ)としてデー
タ保存する。
【0034】次に、励起光ビームが照射されていないと
きの反射光強度IR(λ)を求めることを目的として、励
起光ビームパルス3を切った状態で分光ビーム7の波長
λを走査しながら分光ビーム7を試料4に照射し、その
反射光ビーム10を受光する光検出器11からの出力信
号をA/D変換器16によりデジタル化し、プロセッサ
17にIR(λ)としてデータ保存する。
【0035】最後に、試料からのルミネセンス光強度I
PLを求めることを目的として、分光ビーム7を切った状
態で励起光ビームパルス3を試料4に照射し、そのとき
の光検出器11からの出力信号をロックイン検波した結
果をA/D変換し、プロセッサ16にIPLとしてデータ
保存する。
【0036】励起光ビームパルス3が照射されていると
きの反射光強度をIR’(λ)とすると、I1(λ)は、I1
=IR’(λ)−IR(λ)+IPLと表現することができる。
【0037】一方、励起光ビームパルス3が照射されて
いるときと照射されていないときの分光ビーム7の試料
4からの反射率をR’(λ)、R(λ)とすると、分光ビー
ムの入射強度をI0(λ)として、R’(λ)=IR’(λ)/
0(λ)、および、 R(λ)=IR(λ)/I0(λ) と表
現することができる。
【0038】以上の関係より、
【数1】 の関係が導かれる。この結果、プロセッサ上で{I
1(λ)−IPL}/IR(λ)を計算すれば、ΔR/Rスペク
トルを得ることができる。
【0039】このような処理により、前記一実施例の場
合と同様の条件において、図3に示すようなビーム変調
スペクトルを得て、456nm付近における基礎吸収端
に加え394nm付近のスピン輝度分裂吸収端の構造を
測定することができた。また、前記一実施例の場合と同
じく、試料のバンドギャップエネルギに応じてそれより
も高エネルギの励起光源を用いれば、あらゆる化合物半
導体試料のエネルギバンド構造パラメータを決定するこ
とができる。
【0040】さらに、上記他の実施例では、光検出器1
1からの信号を時分割処理するため、ライトチョッパ2
からのタイミング信号に同期させたボックスカー積分器
12を用いてデータの積算を行うことによりS/N比の
向上を図ったが、十分な信号強度を取ることができる場
合には、ボックスカー積分器の代わりに直流出力端子付
きのオシロスコープ、ストロービングボルトメータ等を
用いても同様の結果を得ることができる。
【0041】なお、この実施例においても、励起源1と
して光ビームを用いる代わりに電子ビームを用いビーム
ブランキング装置により励起ビームパルスを作っても同
様の結果が得られるのはもちろんである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明では従来
のビーム変調分光装置と同様に光ビームまたは電子ビー
ムを試料に照射し試料表面のバンドの曲がりに変調を加
えているため、外部電極の形成が不要であると言う利点
を持つ。このため、本願発明の装置では試料のキャリア
濃度を選ぶことなく、非破壊で微小領域の測定ができる
という従来のビーム変調分光装置の特徴を持つ。さらに
本願発明の内、反射スペクトル測定用分光ビーム及び励
起ビームを同期してチョッピングした場合には、励起ビ
ームが照射されているときとされていないときの光検出
器出力を時分割処理することにより試料からのルミネセ
ンス光による寄与を除去できる利点を持ち、また、ロッ
クイン増幅器から出力されるアナログ信号をA/D変換
器によりデジタル信号に変換してプロセッサ上でデータ
処理することによっても試料からのルミネセンス光によ
る寄与を除去することができる。この結果、従来のビー
ム変調装置では測定が不可能であった励起ビームの照射
によりルミネセンス光を放出する試料についても測定が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】反射スペクトル測定用分光ビームパルス、励起
光ビームパルス、光検出器の出力信号のそれぞれの時間
変化を時間軸を同じくして表現した図である。
【図3】本発明の測定装置における測定結果を示す図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例を示す概略構成図である。
【図5】電界変調分光法における、外部電界が印加され
ていない条件下での表面バンド図である。
【図6】電界変調分光法における、外部電界が印加され
ている条件下での表面バンド図である。
【図7】ビーム変調分光法における、励起光ビームパル
スが照射されていない条件下における表面バンド図であ
る。
【図8】ビーム変調分光法における、励起光ビームパル
スが照射されている条件下における表面バンド図であ
る。
【符号の説明】
1 励起光源 2 励起光ビーム変調用ライトチョッパ 3 励起光ビームパルス 4 試料 5 白色光源 6 分光器 7 反射スペクトル測定用分光ビーム 8 反射スペクトル測定用分光ビーム変調用ライトチョ
ッパ 9 反射スペクトル測定用分光ビームパルス 10 反射光ビームパルス 11 光検出器 12 ボックスカー積分器 13 レコーダ 15 ロックイン増幅器 16 A/D変換器 17 プロセッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝井 明憲 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−181434(JP,A) 特開 昭63−261846(JP,A) 特開 昭63−78545(JP,A) 特開 昭61−152033(JP,A) 特開 昭63−302347(JP,A) 特開 平2−72646(JP,A) 特開 平2−205045(JP,A) 特開 平3−185339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/61

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームパルスを照射する光源と、上記半導体試料表面に
    キャリアを発生させる光または電子励起ビームパルス源
    と、上記反射スペクトル測定用分光ビームパルスの反射
    光を受光する光検出器からなり、上記反射スペクトル測定用分光ビームパルス及び励起光
    ビームパルスの周期T1、T2及びパルス幅t1、t2
    が、T2=2・T1かつt1<t2<T1なる関係を満
    たすことを特徴とするビーム変調分光器。
  2. 【請求項2】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームパルスを照射する光源と、上記半導体試料表面に
    キャリアを発生させる光または電子励起ビームパルス源
    と、上記反射スペクトル測定用分光ビームパルスの反射
    光を受光する光検出器からなり、上記反射スペクトル測定用分光ビームパルス及び励起光
    ビームパルスの両方が照射されているとき及びいすれか
    一方のみが照射されているときの上記光検出器からの出
    力信号を時分割処理する手段を備えることを特徴とする
    ビーム変調分光装置。
  3. 【請求項3】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測
    定用分光ビームパルスに同期した光または電子励起ビー
    ムを前記半導体試料に照射する工程と、前記半導体試料
    で反射した分光ビームパルスの強度を測定する工程とか
    らなり、前記反射スペクトル測定用分光ビームパルス及
    び励起ビームパルスの周期T1、T2及びパルス幅t
    1、t2を、T2=2・T1かつt1<t2<T1なる
    関係に設定することを特徴とするビーム変調分光装置の
    測定方法。
  4. 【請求項4】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測
    定用分光ビームパルスに同期した光または電子励起ビー
    ムを前記半導体試料に照射する工程と、上記反射スペク
    トル測定用分光ビームパルス及び励起ビームパルスの両
    方が照射されているとき及びいすれか一方のみが照射さ
    れているときの上記光検出器からの出力信号を時分割処
    理する工程と、前記半導体試料と反射した分光ビームパ
    ルスの強度を測定する工程とからなることを特徴とする
    ビーム変調分光装置の測定方法。
  5. 【請求項5】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームを照射する光源と、上記半導体試料表面にキャリ
    アを発生させる光または電子励起ビームパルス源と、
    起光ビームパルスと同期して位相検波する手段からなる
    ビーム変調分光装置において、上記ロックイン増幅器か
    ら出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA
    /D変換器と、上記A/D変換器からの出力信号をデー
    タ保存およびデータ処理するためのプロセッサとを備え
    てなり、 上記プロセッサは、励起光ビームパルスが照射されてい
    るときの反射光強度I1(λ)と、励起光ビームパルス
    が照射されていないときの反射光強度IR(λ)と、試
    料からのルミネセンス光強度IPLとから{I1(λ)−IP
    L(λ)}/IR(λ)なる演算を行うことを特徴とするビー
    ム変調分光装置。
  6. 【請求項6】 半導体試料に反射スペクトル測定用分光
    ビームパルスを照射する工程と、この反射スペクトル測
    定用分光ビームパルスに同期した電子励起ビームパルス
    を前記半導体試料に照射する工程と、前記半導体試料で
    反射した分光ビームパルスの強度を測定する工程とから
    なり、分光ビームパルスの強度の測定は、分光ビームパ
    ルス及び励起ビームパルスの両方が照射されている場
    合、およびいずれか一方のみが照射されている場合のそ
    れぞれで行われることを特徴とするビーム変調分光装
    置。
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