JP3207882B2 - 分光蛍光光度計のスペクトル補正方法及びスペクトル補正機能付分光蛍光光度計 - Google Patents

分光蛍光光度計のスペクトル補正方法及びスペクトル補正機能付分光蛍光光度計

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JP3207882B2
JP3207882B2 JP23470591A JP23470591A JP3207882B2 JP 3207882 B2 JP3207882 B2 JP 3207882B2 JP 23470591 A JP23470591 A JP 23470591A JP 23470591 A JP23470591 A JP 23470591A JP 3207882 B2 JP3207882 B2 JP 3207882B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料固有のスペクトル測
定に用いる分光蛍光光度計に係り、特にそのスペクトル
補正の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】分光蛍光光度計は、光源から放射される
光線が励起側分光器にて波長設定され、その波長設定さ
れた単色光が試料セル内の測定試料を照射,励起し、試
料から発光した蛍光を蛍光側分光器及び蛍光検知器を介
して検出して、蛍光(励起・発光)スペクトルを測定す
る。
【0003】蛍光スペクトルは、励起光の強度Iex
(λ)と蛍光分子の吸光係数εex(λ)との積に比例
するため、どの波長に設定しても一定の励起光強度が得
られるような理想的な測定系で蛍光スペクトルを観察す
るのが望ましい。しかし、実際の測定系では励起光強度
Iex(λ)は波長とともに変動し、その変動は光源や
分光器の種類,装置の経年変化等いわゆる装置の個性に
大きく依存する。このことは、励起側だけでなく、蛍光
側においてもその分光器や検知器の感度特性等に個性が
あるため同様のことがいえる。従って、検知器に表れる
蛍光スペクトルは見かけ上のものとなる。真のスペクト
ルを求めるには、上記の装置の個性(装置関数,波長特
性ともいう)を考慮したスペクトル補正を行うことが必
要となる。
【0004】この種のスペクトル補正の従来技術として
は、例えば特開平2−259533号公報等に開示され
るようにフォトダイオードを用いてスペクトル補正を行
うもの等種々提案されているが、従来より最も高感度で
信頼できるスペクトル補正技術として評価されているも
のに、木下、御橋編「蛍光測定」(学会出版センタ−)
2章.4「見かけ」の蛍光スペクトルと「真」の蛍光ス
ペクトル(63頁から70頁)において論じられている
ように、励起側については光量子計法、蛍光側について
は、光量子計法と標準光源を用いる方法を併用したもの
がある。
【0005】ここで、上記文献に記載されたスペクトル
補正について説明する。
【0006】〔励起側の補正〕励起側の補正に用いる光
量子計法は、高濃度のローダミンBの溶液が600nm
までの波長域において充分に高い吸光度を示す性質を利
用する。実際には、ローダミンB溶液を三角セルに入れ
試料ホルダーにセットし、蛍光側の分光器の波長を61
5nmより長波長側に設定し(発光の内部遮蔽効果の影
響を抑えるためである)、励起側分光器の波長を走査し
て光検出器からの信号を記録し励起光強度の波長特性を
求め、これに基づき一定の励起光強度に相当する補正を
行う。
【0007】〔蛍光側の補正〕蛍光側の補正では、前記
光量子計法と標準光源を用いる方法が併用される。標準
光源を用いる方法は、黒体輻射を基準にして分光出力特
性が正確に求められている標準タングステンランプ若し
くはこのランプをもとに校正された二次標準ランプ(副
標準光源)を用い、ランプの放射光を蛍光側分光器で波
長走査しつつ検知することで、蛍光側の波長特性を求め
る。この標準光源方法は600nmより長波長側の領域
の蛍光側の波長特性を知る上で現在のところ信頼できる
唯一の方法とされている。
【0008】そして、600nm以下の領域はローダミ
ンB溶液を用いた光量子計法でカバーしている。すなわ
ち、まず上記の励起側で用いたローダミンBの要領で励
起光の分光特性Iex(λ)を求める。次に試料ホルダ
ー位置に光拡散素子をセットして、励起光を導きつつ励
起側と蛍光側の分光器を同じ波長で走査して検出器の出
力H(λi)を計る。このH(λi)とIex(λ)の
比から600nm以下の蛍光側の波長特性が求まる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、蛍
光側については、ロ−ダミンBを用いた光量子計法と標
準光源を用いる方法との併用により、通常の分光蛍光光
度計の測定波長域(200〜900nm)に対する光度
計の波長特性を求めることができるが、励起側について
は、ロ−ダミンBを用いた光量子計法以外、信頼できる
有効な方法がないため、200〜600nmの範囲外に
ついては波長特性を求めることができない。従って、装
置全体としてみれば、600nm以上の波長域で充分な
スペクトル補正を伴いつつ試料分析を行うことができな
い。
【0010】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、分光蛍光光度計において、前述したような励起側
についても蛍光側と同様に例えば600nm以上の波長
特性を高精度に求めて測定対象波長ひいては試料の測定
レンジを広げることができるスペクトル補正技術を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、基本的には次のようなスペクトル補正技術
を提案する。
【0012】
【0013】
【0014】すなわち、光源、励起側分光器、蛍光側分
光器、蛍光検知器、蛍光信号値から測定結果を算出する
演算器を備えた分光蛍光光度計のスペクトル補正を行う
場合に、まず、測定範囲の波長領域λを第1の波長領域
λ1,第2の波長領域λ2に分けておく(λ1<λ
2)。ここで、領域λ1,λ2は適宜任意に選択され、
例えば後述の実施例ではλ1が200〜500nm、λ
2が500〜900nmとしてある。そして、上記の領
域λ1,λ2を前提として、第1の波長領域λ1の励起
側光学系の波長特性Fex1(λEX)を光量子計法に
より求める工程イ、第2の波長領域λ2の蛍光側光学系
の波長特性Fem2(λEM)を標準光源又は標準光源
により校正された副標準光源を利用して求める工程ロ、
第1の波長領域λ1及び第2の波長領域λ2の全波長領
域について前記励起側分光器,蛍光側分光器により励起
側,蛍光側の両波長を一致させながら同時走査して蛍光
信号値(蛍光スペクトル値を測定する工程ハ、前記工
程ハで測定された蛍光信号値のうち第1の波長領域λ1
に対応の測定値F1(λEX,λEM),第2の波長領
域λ2に対応の測定値F2(λEX,λEM)を分け
て、測定値F1(λEX,λEM)と前記工程イで求め
た波長特性Fex1(λEX)との比演算より第1の波
長領域λ1の蛍光側光学系の波長特性Fem1(λE
M)を求め、一方、測定値F2(λEX,λEM)と前
記工程ロで求めた波長特性Fem2(λEM)との比演
算により第2の波長領域λ2の励起側光学系の波長特性
Fex2(λEX)とを求める工程ニ、前記イ〜ニの工
程により求まる各波長特性より第1,第2の波長領域λ
1,λ2ごとの励起側,蛍光側各々のスペクトル補正関
数Gex1(λEX)、Gem1(λEM)とGex2
(λEX),Gem2(λEM)を求める(これを第
の課題解決手段とする)。
【0015】さらにその応用として、上記第の課題解
決手段のようにして求めた各波長領域λ1,λ2ごとの
補正関数、すなわちGex1(λEX),Gem1(λ
EM)とGex2(λEX),Gem2(λEM)を記
憶し、実測される蛍光スペクトル値の所属する波長領域
λ1,λ2に応じて上記補正関数Gex1(λEX),
Gem1(λEM)或いはGex2(λEX),Gem
2(λEM)のいずれかを読み出して見かけのスペクト
ル値の補正演算を行う手段を備えたスペクトル補正機能
付きの分光蛍光光度計を提案する(これを第の課題解
決手段とする)。
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】第の課題解決手段の作用…工程イ〜ハで求め
た、第1の波長領域λ1の励起側波長特性Fex1(λ
EX)、第2の波長領域λ2の蛍光側波長特性Fem2
(λEM)、測定対象の全波長領域λ1,λ2の蛍光
値F1(λEX,λEM),F2(λEX,λEM)
は全て既存の信頼性の高い方法を用いて求めることがで
きる。
【0019】上記の既知の実測データFex1(λE
X)、Fem2(λEM)、F1(λEX,λEM),
F2(λEX,λEM)と、未知たる第1の波長領域λ
1の蛍光側波長特性Fem1(λEM)及び第2の波長
領域λ2の励起側波長特性Fex2(λEX)とには次
式が成立する。
【0020】
【数3】λ1について Fex1(λEX)×Fem1
(λEM)=F1(λEX,λEM) λ2について Fex2(λEX)×Fem2(λE
M)=F2(λEX,λEM) 上記式から、工程ニのように、既知データのF1(λE
X,λEM)とFex1(λEX)との比演算より第1
の波長領域λ1の蛍光側波長特性Fem1(λEM)を
求め、既知データのF2(λEX,λEM)とFem2
(λEM)との比演算により第2の波長領域λ2の励起
側光学系の波長特性Fex2(λEX)とが求められ
る。
【0021】そして、以上の全ての波長特性が求まるこ
とで、第1の波長領域λ1の励起側の補正関数Gex1
(λEX),蛍光側の補正関数Gem1(λEM)及び
第2の波長領域λ2の励起側の補正関数Gex2(λE
X),蛍光側の補正関数Gem2(λEM)を次のよう
にして求めることができる。
【0022】
【数4】・λ1について、 Gex1(λEX)=Fex1(λA)/Fex1(λEX) Gem1(λEM)=Fem1(λA)/Fem1(λEM) ・λ2について Gex2(λEX)=Fex2(λA)/Fex2(λEX) Gem2(λEM)=Fem2(λA)/Fem2(λEM) λA:スペクトルの相対的形状を補正するために、見か
けのスペクトル値のうちの一つを基準として適当に選ん
だものなお、この第2の課題解決手段において述べた要
素のうち、λ2、Fex2(λEX),Fem2(λE
M),Gex2(λEX),Gem2(λEX)のそれ
ぞれが第1の課題解決手段で述べたλ,Fex(λE
X),Fem(λEM),Gex(λEX),Gem
(λEX)に相当する。
【0023】この課題解決手段によれば、従来の光量子
計法,標準光源(又は副標準光源)を利用した方法に比
べて、従来は200〜600nmまでの励起側・蛍光側
のスペクトル補正しかできなかったものを200〜90
0nmまでの励起側・蛍光側のスペクトル補正を可能に
する。
【0024】第の課題解決手段の作用…上記の第
課題解決手段で求めたスペクトル補正関数Gex1(λ
EX),Gem1(λEM)とGex2(λEX),G
em(λEM)をスペクトル測定に用いた波長に応じて
記憶部から読み出すことで、自動的なスペクトルデータ
処理により真のスペクトルを演算できる。
【0025】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
【0026】図1は本発明のスペクトル補正の一例を示
すフローチャート、図2はそのスペクトル補正に用いる
装置の波長特性を求めるための説明図、図3は図2に対
応する波形説明図、図4は本発明の適用対象となる分光
蛍光光度計の構成図である。
【0027】まず、図4により、分光蛍光光度計につい
て説明する。
【0028】図4において、光源1から放射される光線
は、励起側分光器2に入射する。励起側分光器2の設定
波長は、パルスモ−タ3によって変えられる。パルスモ
−タ3の動作は、コンピュ−タ4の中にあらかじめプロ
グラムされており、インタフェ−ス5を介して制御され
る。所期の励起波長を操作パネル6でキ−インすること
によって、励起側分光器2の波長が設定される。励起側
分光器によって取り出された単色光は、試料セル7内の
測定試料8を照射し、試料8から放射された蛍光は蛍光
側分光器9に入射する。蛍光側分光器9はパルスモ−タ
10によって駆動されるが、その動作はパルスモ−タ3
と同様に、コンピュ−タ4により制御される。蛍光側分
光器9により選択された波長の蛍光は、検知器11に入
射し、電気信号に変換される。その電気信号は、アナロ
グ−デジタル変換器12によってデジタル信号に変えら
れる。一方、励起側分光器2から取り出された単色光の
一部は、光源光量モニタのためビ−ムスプリッタ13を
介して、モニタ検知器14に入射し、電気信号に変換さ
れる。この電気信号も、アナログ−デジタル変換器12
によってデジタル信号に変えられる。検知器11からの
デジタル信号(S)と、モニタ検知器14からのデジタ
ル信号(M)は、コンピュ−タ4に送られ、比(S/
M)が算出され、この比が各波長における蛍光強度とし
て、コンピュ−タ4に記憶される。
【0029】コンピュータ4には、後述のロ−ダミンB
による光量子計15(図2)を用いて求める第1の波長
領域λ1(λ1は200〜600nm)における励起側
光学系の波長特性(励起側波長特性)、副標準光源(図
3,標準光源により校正された2次ランプ)16を用い
て求める第2の波長領域λ2(λ2は500〜900n
m)の蛍光側光学系の波長特性(蛍光側波長特性)、及
びこれらの波長特性を利用して所定の関係式により第1
の波長領域λ1の蛍光側波長特性,第2の波長領域λ2
の励起側波長特性ひいてはスペクトル補正関数Gex1
(λEX),Gem1(λEM),Gex2(λE
X),Gem2(λEM)を求めるプログラムがコンピ
ュ−タ4内に記憶されている。求められた各波長領域λ
1,λ2の励起側、蛍光側の波長特性及び補正関数は、
コンピュ−タ4内のRAMに記憶され、未知試料の真の
スペクトル測定、算出に使われる。
【0030】次に、装置の波長特性及びスペクトル補正
関数を求める手順について、図1〜図3を用いて説明す
る。
【0031】図1のステップS1〜S4に示すように、
波長特性及びスペクトル補正関数を求める手順は、4段
階に大別される。
【0032】ステップS1では、ロ−ダミンBを用いて
第1の波長領域λ1(本例では200〜600nm)に
ついての励起側波長特性を測定する。これに相当するの
が図2の(a)で、ロ−ダミンBを入れた三角セル(光
量子計)15を試料セル位置にセットし、蛍光波長を6
40nmに固定しておく。このときに、励起側分光器2
を波長走査して200〜600nmについての励起スペ
クトルを測定すると、結果が図3(a)に示すような波
長領域λ1の励起側波長特性Fex1(λEX)とな
り、これをコンピュ−タ4に記憶する。
【0033】ステップS2では、副標準光源16によ
り、第2の波長領域λ2(本例では500〜900n
m)についての蛍光側波長特性を測定する。すなわち図
2の(b)に示すように、副標準光源16から放射され
る光線を蛍光側分光器9に入射させる。蛍光側分光器9
により500〜900nmまで波長走査して蛍光スペク
トルを測定すると、結果は、副標準光源16の波長特性
Fc(λEM)と蛍光側光学系の波長特性Fem2(λ
EM)との積となる。ここで使用する副標準光源16
は、タングステンランプを用いたもので、その波長特性
は2995°Kにおける黒体放射の式と一致することが
確かめられているものである。このため、Fc(λE
M)は既知であり、比演算により図3の(b)に示すよ
うなFem2(λEM)を求めることができ、これをコ
ンピュ−タ4内に記憶する。
【0034】ステップS3では、全波長域λ1,λ2に
ついて励起側、蛍光側両波長を、同一波長、同一速度で
走査したスペクトルを測定する。すなわち図2の(c)
に示すように、この場合には試料セル位置に拡散素子1
7をセットする。拡散素子17それ自体は波長依存性を
持たないため、結果は次式に示すように励起側分光器2
の波長特性と蛍光側分光器9の波長特性の積となる。こ
の測定結果は図3の(c)に示す。
【0035】
【数5】λ1<500nmについて Fex1(λE
X)×Fem1(λEM)=F1(λEX,λEM) λ2>500nmについて Fex2(λEX)×Fe
m2(λEM)=F2(λEX,λEM) λEX=λEM 上記の内、Fex1(λEX)とFem2(λEM)は
前記の操作により既に求められているため、それらとF
1(λEX,λEM),F2(λEX,λEM)の比演
算によりFem1(λEM)とFex2(λEX)を求
める。
【0036】ステップ4では、以上の操作により求めら
れた波長特性から、励起側、蛍光側各々の全波長域λ
1,λ2にわたるスペクトル補正関数Gex1(λE
X)、Gem1(λEM)及びGex2(λEX),G
em2(λEM)を求める。
【0037】これらのスペクトル補正関数は、未知試料
について測定した見かけのスペクトルに乗じることによ
り、真のスペクトルを求めるためのものである。蛍光光
度計で得られたスペクトルは、縦軸が任意単位であり、
ここで補正スペクトルと言っている意味は、強度につい
て絶対単位を与えるものではなく、スペクトルの相対的
な形状を補正すると言うことである。しかし、補正後の
値が補正前のものと大幅に違うことは好ましくないた
め、補正関数の値は1に近くなるように、適当な波長の
値が1となるように規格化する。この場合には、500
nmの値〔Fex1(500)、Fex2(500)、
Fem1(500)、Fem2(500)〕で各関数を
規格化し、次の式により補正関数を算出する。
【0038】
【数6】・λ1(500nm以下)について Gex1(λEX)=Fex1(500)/Fex1(λEX) Gem1(λEM)=Fem1(500)/Fem1(λEM) ・λ2(500nm以上)について Gex2(λEX)=Fex2(500)/Fex2(λEX) Gem2(λEM)=Fem2(500)/Fem2(λEM) 以上のようにして求められたスペクトル補正関数は、コ
ンピュ−タ4内に記憶される。
【0039】そしてステップ5にて未知試料測定後、次
の式により補正スペクトルを求めるために使用される。
【0040】
【数7】・λ1について Ic(λEX、λEM)=I
(λEX、λEM)×Gex1(λEX)×Gem1
(λEM) ・λ2について Ic(λEX、λEM)=I(λE
X、λEM)×Gex2(λEX)×Gem2(λE
M) 上式でIcは補正スペクトル、Iは補正前のスペクトル
である。
【0041】本実施例によれば、励起側,蛍光側の双方
の波長特性を200〜900nmにわたり信頼性の高い
方法により求め、これに基づく励起側及び蛍光側双方の
スペクトル補正関数をそれぞれ波長領域200〜500
nmと500〜900nmとの領域に分けてきめ細かく
設定して蛍光スペクトル値を精度良く補正演算でき、し
かも、コンピュータのデータ処理により真のスペクトル
を自動的に求める効果がある。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、分光蛍光
光度計の励起側、蛍光側における波長特性ひいてはそれ
に基づくスペクトル補正関数を従来以上に広く求めしか
も信頼性の高い手法を用いて求めることができ、試料の
測定レンジを高精度を保ちつつ広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスペクトル補正の一例を示すフローチ
ャート。
【図2】上記スペクトル補正に用いる装置の波長特性を
求めるための説明図。
【図3】図2に対応する波形説明図。
【図4】本発明の適用対象となる分光蛍光光度計の構成
図。
【符号の説明】
1…光源、2…励起側分光器、3…励起側パルスモー
タ、4…コンピュータ(スペクトル補正手段)、5…イ
ンターフェース、6…操作パネル、7…試料セル、8…
測定試料、9…蛍光側分光器、10…蛍光側パルスモー
タ、11…検知器、12…A/D変換器、13…ビーム
スプリッタ、14…モニタ検知器、15…光量子計、1
6…副標準光源、17…拡散素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/52 G01N 21/63 - 21/74

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源、励起側分光器、蛍光側分光器、蛍
    光検知器、蛍光信号値から測定結果を算出する演算器を
    備えた分光蛍光光度計のスペクトル補正を行う場合に、
    測定範囲の波長領域λを第1波長領域λ1,第2の波
    長領域λ2に分け、 第1の波長領域λ1の励起側光学系の波長特性Fex1
    (λEX)を光量子計法により求める工程イ、 第2の波長領域λ2の蛍光側光学系の波長特性Fem2
    (λEM)を標準光源又は標準光源により校正された副
    標準光源を利用して求める工程ロ、 第1の波長領域λ1及び第2の波長領域λ2の全波長領
    域について前記励起側分光器,蛍光側分光器により励起
    側,蛍光側の両波長を一致させながら同時走査して蛍光
    信号値を測定する工程ハ、 前記工程ハで測定された蛍光信号値のうち第1の波長領
    域λ1に対応の測定値F1(λEX,λEM),第2の
    波長領域λ2に対応の測定値F2(λEX,λEM)を
    分けて、測定値F1(λEX,λEM)と前記工程イで
    求めた波長特性Fex1(λEX)との比演算より第1
    の波長領域λ1の蛍光側光学系の波長特性Fem1(λ
    EM)を求め、一方、測定値F2(λEX,λEM)と
    前記工程ロで求めた波長特性Fem2(λEM)との比
    演算により第2の波長領域λ2の励起側光学系の波長特
    性Fex2(λEX)とを求める工程ニ、 前記イ〜ニの工程により求まる各波長特性より第1,第
    2の波長領域λ1,λ2ごとの励起側,蛍光側各々のス
    ペクトル補正関数Gex1(λEX)、Gem1(λE
    M)とGex2(λEX),Gem2(λEM)を求め
    ることを特徴とする分光蛍光光度計のスペクトル補正方
    法。
  2. 【請求項2】 前記工程イの光量子計の蛍光スクリーン
    としてローダミンBを用い、前記工程ロの標準光源又は
    副標準光源としてタングステンランプを用い、前記第1
    の波長領域は600nm以下で200nm以上の範囲の
    中から設定し、前記第2の波長領域は、前記第1の波長
    領域以上で900nm以下の範囲を含むように設定した
    請求項記載の分光蛍光光度計のスペクトル補正方法。
  3. 【請求項3】 前記工程ハでは光拡散素子を光路上にセ
    ットしてスペクトル測定を行う請求項又は請求項
    載の分光蛍光光度計のスペクトル補正方法。
  4. 【請求項4】 光源、励起側分光器、蛍光側分光器、蛍
    光検知器、蛍光信号値から測定結果を算出する演算器を
    備えた分光蛍光光度計において、 励起側光学系及び蛍光側光学系の波長特性に影響される
    見かけの蛍光スペクトル値を補正する手段を有し、この
    スペクトル補正手段は、測定範囲の波長領域λを第1
    波長領域λ1と第2の波長領域λ2とに分けて、これら
    の波長領域λ1,λ2ごとに次の関係式で予め求めた補
    正関数Gex1(λEX),Gem1(λEM)とGe
    x2(λEX),Gem2(λEM)を記憶し、 【数1】・λ1について Fex1(λEX)×Fem
    1(λEM)=F1(λEX,λEM) ・λ2について Fex2(λEX)×Fem2(λE
    M)=F2(λEX,λEM) ここで、Fex1(λEX):光量子計法により求めた
    第1の波長領域λ1の励起側光学系の波長特性 F1(λEX,λEM):第1の波長領域λ1において
    励起側波長と蛍光側波長を一致させつつ励起側分光器及
    び蛍光側分光器を同時に波長走査して得られたスペクト
    ル測定値 Fem1(λEM):F1(λEX,λEM)とFex
    1(λEX,λEM)との比演算より得た第1の波長領
    域λ1の蛍光側光学系の波長特性 Fem2(λEX):標準光源又は標準光源により校正
    された副標準光源を用いて求めた第2の波長領域λ2の
    蛍光側光学系の波長特性 F2(λEX,λEM):第2の波長領域λ2において
    励起側波長と蛍光側波長を一致させつつ励起側分光器及
    び蛍光側分光器を同時に波長走査して得られたスペクト
    ル測定値 Fex2(λEM):F2(λEX,λEM)とFem
    2(λEX,λEM)との比演算より得た第2波長領域
    λ2の励起側光学系の波長特性 ・λ1について Gex1(λEX)=Fex1(λA)/Fex1(λ
    EX) Gem1(λEM)=Fem1(λA)/Fem1(λ
    EM) ・λ2について Gex2(λEX)=Fex2(λA)/Fex2(λ
    EX) Gem2(λEM)=Fem2(λA)/Fem2(λ
    EM) ここで、Gex1(λEX):λ1の励起側光学系の補
    正スペクトル関数 Gem1(λEM):λ1の蛍光側光学系の補正スペク
    トル関数 Gex2(λEX):λ2の励起側光学系の補正スペク
    トル関数 Gem2(λEM):λ2の蛍光側光学系の補正スペク
    トル関数 λA:スペクトルの相対的形状を補正するために、見か
    けのスペクトル値のうちの一つを基準として適当に選ん
    だもの 前記記憶したλ1,λ2のいずれかの補正スペクトル関
    数を実測される蛍光スペクトル値の測定波長領域λ1,
    λ2に応じて読み出して見かけのスペクトル値の補正演
    算を行うよう設定したことを特徴とするスペクトル補正
    機能付き分光蛍光光度計。
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