JPH08313348A - 赤外光時間応答測定装置 - Google Patents

赤外光時間応答測定装置

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JPH08313348A
JPH08313348A JP11753395A JP11753395A JPH08313348A JP H08313348 A JPH08313348 A JP H08313348A JP 11753395 A JP11753395 A JP 11753395A JP 11753395 A JP11753395 A JP 11753395A JP H08313348 A JPH08313348 A JP H08313348A
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JP
Japan
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infrared light
measured
time response
optical filter
response measuring
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Application number
JP11753395A
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English (en)
Inventor
Hiroo Hamaguchi
宏夫 浜口
Takanori Kadokawa
高則 角川
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N F KAIRO SEKKEI BLOCK KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
N F KAIRO SEKKEI BLOCK KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤外光時間応答測定装置において、測定結果
の正確性を損なうことなく測定時間を短縮する。 【構成】 被測定物3を透過した赤外光の特定波数の成
分を選択して透過する光学フィルタ11を設け、光学フ
ィルタ11により選択された赤外光の特定波数成分のみ
を赤外光検出器6に入射させる。回折格子などによる分
光器に比べて入射した赤外光を有効に利用して良好なS
/Nで測定を行なう。光学フィルタ11は、被測定物3
と光強度検出器6の間、または被測定物3と光源1との
間に配置される。被測定物3に時間的変化を付与し、赤
外光の時間的変化を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤外光の時間応答測
定装置に関し、さらに言えば、赤外光の照射位置を変え
た時などに生じる被測定物からの赤外光強度の時間的変
化を測定する赤外光時間応答測定装置に関する。この装
置は、例えば薄膜などの均一度の検査に好適に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】「赤外分光法」で得られる振動スペクト
ルは、測定対象物の分子構造や分子の存在状態などの変
化に対して非常に敏感である。そこで、測定対象物の分
子構造や分子の存在状態などの時間的変化を検知する際
によく使用される。
【0003】また、被測定物に赤外光を照射する位置を
変えて赤外光の吸収量または反射量の時間的変化を測定
する「赤外光時間応答測定装置」は、赤外光照射位置の
変化による被測定物の分子レベルの厚み変化、均一度変
化などに対する情報を感度よく観察できる利点がある。
従来の赤外光時間応答測定装置の一例を図12に示す。
【0004】図12において、光源31は、白色スペク
トルを含む白色光を発生し、例えばグローバーから構成
される。楕円面鏡32は、光源31が発生した白色光を
反射して被測定物33に集光・照射する。楕円面鏡34
は、被測定物33を透過した白色光をさらに反射して赤
外分光器36に集光・照射する。
【0005】楕円面鏡34と赤外分光器36の間におい
て白色光の光路中に配置されたライトチョッパ35は、
1つ以上のスリットを有する円盤と、その円盤を所定速
度で回転させるモータとから構成され、円盤の回転に応
じて白色光を所定周期で透過または遮断する。
【0006】赤外分光器36は、受光した白色光の中か
ら特定波数の成分を選択し、その強度に応じた電気信号
を生成して前置増幅器37に出力する。前置増幅器37
は、赤外分光器36からの出力電気信号を増幅し、ディ
ジタル・オシロスコープ38に出力する。ディジタル・
オシロスコープ38は、入力された電気信号を記憶し、
その電気信号のアベレージングなどの各種演算を行な
う。
【0007】赤外分光器36として一般的に使用される
のは、回折格子やプリズムにより分光を行なう「分散型
分光器」である。回折格子やプリズムにより所望の波数
を持つ赤外光が選択され、内部に設けられた赤外光検出
器によりその光強度に応じた電気信号に変換される。こ
こで選択される波数は、被測定物33の所望の吸収スペ
クトルに合わせておく。なお、赤外光検出器としては、
検出波数範囲や検出感度の点から、液体窒素で冷却され
たMCT(水銀−カドミウム−テルル)検出器が一般的
に使用される。
【0008】ステージ39は、内蔵された駆動機構によ
り移動可能になっている。また、被測定物33に係合し
ていて、ステージ39の移動によって、図12中の矢印
の方向に被測定物33を移動させる。このステージ39
の移動により被測定物33は前記矢印の方向に移動し、
それに応じて前記赤外光の被測定物33への照射位置が
変化する。
【0009】次に、以上の構成を持つ従来の赤外光時間
応答測定装置の動作を説明する。ここでは、被測定物3
3として有機物の薄膜を用いた場合について述べる。
【0010】まず、光源31から所定波数の赤外光(こ
こでは白色光)を発生させる。この白色光は、楕円面鏡
32で反射されて被測定物33に集光・入射される。被
測定物33を透過した白色光は楕円面鏡34で反射さ
れ、さらにライトチョッパ35を通過して赤外分光器3
6に集光・入射される。入射された白色光の中の特定波
数の成分は、赤外分光器36においてその強度に応じた
電気信号に変換され、さらに前置増幅器37で増幅され
てからディジタル・オシロスコープ38に入力される。
【0011】被測定物である薄膜33は、測定中に、ス
テージ39の移動により前記矢印の方向に適宜移動さ
れ、前記赤外光の照射位置を変化させる。それによって
薄膜33の赤外光吸収量が変化するため、それに応じて
赤外分光器36の出力する電気信号が時間的に変化す
る。ディジタル・オシロスコープ38は、この電気信号
の時間的変化を記憶し、所定の演算を行なって測定結果
を得る。
【0012】図13に、この従来の赤外光時間応答測定
装置で得られる赤外分光器36の出力信号の波形の一例
を示す。
【0013】図13において、Idは、赤外分光器36
に赤外光(白色光)がまったく入射されない状態での赤
外分光器36の出力電圧を示す。これは、赤外分光器3
6の持つ暗電流に起因するものである。I0は、赤外分
光器36に赤外光が入射されてはいるが、ステージ39
の移動による薄膜33の移動が行なわれていない状態で
の赤外分光器36の出力電圧を示す。ΔI(t)は、ステ
ージ39の移動により薄膜33が移動した場合の赤外分
光器36の出力電圧の時間的変化を示す。一般に、ΔI
(t) << I0 << Idである。
【0014】I0は、ライトチョッパ35を回転させて
赤外分光器36の出力を交流電圧に変換して測定され
る。これは、前置増幅器37が一般に交流結合のため、
直流電圧を測定できないことを考慮したものである。
【0015】I0の測定後、ライトチョッパ35を光路
から取り除く。これは、ライトチョッパ35の構造上、
その円盤の一つのスリットを通って赤外光が透過するよ
うにその円盤を停止させるのが困難だからである。その
後、ステージ39により薄膜33を時間と共に移動し、
その移動による赤外光吸収量の時間的変化に対応するΔ
I(t)をディジタル・オシロスコープ38で測定する。
このようにして測定したΔI(t)は、そのまま測定結果
として評価に用いられるか、ディジタル・オシロスコー
プ38によりI0で正規化され、その結果である(ΔI
(t)/I0)を測定結果として評価する。この評価によ
り、たとえば膜厚や材質の不均一の判定が可能となる。
【0016】なお、上記従来の赤外光時間応答測定装置
は、被測定物を透過する際の赤外光の吸収量変化を測定
する「透過型」であるが、被測定物により反射された赤
外光の吸収量変化を測定する「反射型」においても同様
である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の赤外光時間
応答測定装置には、次のような問題点がある。◆第1
に、赤外分光器36は通常、回折格子などを使用した
「分散型」であり、赤外分光器36における赤外光の光
量損失が大きい。このため、信号対雑音比(S/N比)
の良好な測定を行なうには、ディジタル・オシロスコー
プ38での積算回数を多くする必要が生じ、測定時間が
長くなる。
【0018】良好なS/N比を得るために光量の大きな
光源31を使用すると、その全光量が液晶表示装置など
の被測定物に常時照射されるため被測定物33の温度が
上昇し、正確な測定が行なえなくなる。
【0019】第2に、複数の波数で被測定物33の赤外
光応答時間を測定する場合には、上述した操作を各波数
について行なうため、測定時間はさらに長くなり、測定
結果の評価にも手間がかかる。
【0020】そこで、この発明の目的は、測定結果の正
確性を損なうことなく測定時間を短縮することができる
赤外光時間応答測定装置を提供することにある。
【0021】この発明の他の目的は、測定に使用する電
気信号のS/N比を改善することができる赤外光時間応
答測定装置を提供することにある。
【0022】この発明のさらに他の目的は、複数の波数
について被測定物の赤外光応答時間を測定する場合で
も、測定時間が短く、測定結果の評価にも手間がかから
ない赤外光時間応答測定装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の赤外光時間応答測定装置は、
被測定物に赤外光を照射する赤外光照射手段と、前記被
測定物に時間的な変化を与える時間的変化付与手段と、
前記赤外光の特定波数の成分を選択して透過あるいは反
射する光学フィルタ手段と、前記被測定物を透過しまた
は前記被測定物により反射した前記赤外光の強度を検出
する赤外光強度検出手段と、赤外光強度検出手段からの
出力信号に基づいて、前記被測定物を透過しまたは前記
被測定物により反射した前記赤外光の時間的変化を測定
する赤外光強度変化測定手段とを備え、前記赤外光強度
検出手段には、前記光学フィルタ手段により選択された
前記赤外光の特定波数の成分のみが入射されることを特
徴とする。
【0024】(2) この発明の第2の赤外光時間応答
測定装置は、被測定物に赤外光を照射する赤外光照射手
段と、前記被測定物に時間的な変化を与える時間的変化
付与手段と、前記赤外光の特定波数の成分を選択して透
過あるいは反射する光学フィルタ手段と、前記被測定物
を透過しまたは前記被測定物により反射した前記赤外光
の強度を検出する赤外光強度検出手段と、赤外光強度検
出手段からの出力信号に基づいて、前記被測定物を透過
しまたは前記被測定物により反射した前記赤外光の時間
的変化を測定する赤外光強度変化測定手段とを備え、前
記赤外光強度検出手段には、前記光学フィルタ手段によ
り選択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射さ
れ、前記赤外光強度検出手段は、前記被測定物に対する
前記赤外光の照射位置が異なる少なくとも2つの時点に
おける前記被測定物からの赤外光強度について、それら
赤外光強度のうちの1つを基準とし、その基準とした赤
外光強度によりその他の赤外光強度を正規化する機能を
有していることを特徴とする。
【0025】(3) この発明の第1および第2の赤外
光時間応答測定装置では、好ましくは、前記被測定物に
対する前記赤外光の照射位置を変更する赤外光照射位置
変更手段をさらに有しており、その赤外光照射位置変更
手段は、前記赤外光の光路の移動および前記被測定物の
移動の少なくとも一方によって照射位置を変更する。こ
うすれば、薄膜などの均一性の検査に好適に利用でき
る。
【0026】前記光学フィルタ手段は、前記被測定物と
前記光源との間に配置されているのが好ましい。測定に
必要な波数の赤外光のみが被測定物に照射され、測定に
関係ない赤外光は被測定物に照射されないので、光強度
の大きな光源を使用しても被測定物に与える温度上昇な
どの悪影響をほぼなくすことができるからである。これ
は、測定に必要な赤外光のエネルギー密度の上昇によ
り、測定時間の短縮にもつながる。
【0027】前記光学フィルタ手段が複数の波数を選択
可能であり、しかも、前記光強度検出手段はそれら複数
の波数について赤外光強度を検出してそれら複数の波数
について赤外光強度の時間的変化を測定可能であるのが
好ましい。同一種類の被測定物の場合、3種類程度の波
数で時間応答波形の測定を行なうのが一般的であり、こ
のような場合にもフィルタ手段の交換が不要であるから
である。
【0028】複数の波数を選択可能な前記光学フィルタ
手段の場合、好ましい態様として(a)透過波数が固定
された複数の光学フィルタと、それら光学フィルタを保
持するフィルタホルダとから構成され、前記複数の光学
フィルタから選ばれた一つが使用されるもの、(b)複
数の光学フィルタを保持した前記フィルタホルダを複数
個、備えており、前記複数の光学フィルタから選ばれた
一つが使用されるもの、(c)透過波数を連続的に変化
させることが可能な光学フィルタ、(d)透過波数を連
続的に変化させることが可能な第1の光学フィルタと、
フィルタホルダに保持された、透過波数が固定された複
数の第2の光学フィルタとを備えており、前記第1の光
学フィルタと複数の前記第2の光学フィルタから選ばれ
た一つが使用されるもの、(e)複数の透過波数を同時
に選択可能であるもの、(f)複数の透過波数を持つ単
一の光学フィルタ、(g)単一または複数の透過波数を
持つ光学フィルタを複数個、組み合わせて構成されてい
るもの、などが挙げられる。
【0029】基礎研究的な用途に適するのは、より多く
の波数で測定が行なえる(c)である。製造現場での検
査用途では、いくつかの決められた波数での測定で充分
であるので、フィルタ手段の製造が容易かつ低廉に行な
える(a)または(b)が適している。
【0030】前記赤外光強度変化測定手段は、前記複数
の波数についての測定結果の間で演算(たとえば差また
は比を求める演算)を行なう機能を有するのが好まし
い。これは、複数の波数での時間的応答の測定結果の間
で演算を行なうことにより、被測定物の応答挙動間の相
互作用を求めることなどが簡単にできるからである。
【0031】(4) この発明の第3の赤外光時間応答
測定装置は、赤外光を発生する光源と、前記光源が発生
した前記赤外光を被測定物に照射する赤外光照射手段
と、前記被測定物に時間的な変化を与える時間的変化付
与手段と、前記赤外光の通過および遮断を制御する赤外
光通過/遮断手段と、前記被測定物を透過しまたは前記
被測定物により反射した前記赤外光の強度を検出する赤
外光強度検出手段と、赤外光強度検出手段からの出力信
号に基づいて、前記被測定物を透過しまたは前記被測定
物により反射した前記赤外光の時間的変化を測定する赤
外光強度変化測定手段とを備え、前記赤外光の強度の時
間的変化を測定するときには、前記赤外光通過/遮断手
段を通過状態にして前記赤外光を前記被測定物に照射さ
せ、測定しないときには前記赤外光通過/遮断手段を遮
断状態にすることを特徴とする。
【0032】この発明の第3の赤外光時間応答測定装置
は、前記赤外光の特定波数の成分を選択して透過あるい
は反射する光学フィルタ手段をさらに備えていて、前記
赤外光強度検出手段には前記光学フィルタ手段により選
択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射される
のが好ましい。光学フィルタ手段により選択された赤外
光のみが赤外光強度検出手段に入射されるため、入射し
た赤外光を有効に利用して良好なS/N比で測定が行な
えるからである。
【0033】前記光学フィルタ手段は、前記被測定物と
前記光源との間に配置されているのが好ましい。測定に
必要な波数の赤外光のみが被測定物に照射され、測定に
関係ない赤外光は被測定物に照射されないので、光強度
の大きな光源を使用しても被測定物に与える温度上昇な
どの悪影響をほぼなくすことができるからである。
【0034】(5) この発明の第4の赤外光時間応答
測定装置は、赤外光を発生する光源と、前記光源が発生
した前記赤外光を被測定物に照射する赤外光照射手段
と、前記赤外光の通過および遮断を制御する赤外光通過
/遮断手段と、前記被測定物を移動させて前記赤外光の
照射位置を変更する被測定物移動手段と、前記被測定物
を透過しまたは前記被測定物により反射した前記赤外光
の強度を検出する赤外光強度検出手段と、赤外光強度検
出手段からの出力信号に基づいて、前記被測定物移動手
段により前記赤外光の照射位置を変更した時の前記被測
定物からの前記赤外光の時間的変化を測定する赤外光強
度変化測定手段とを備え、前記被測定物移動手段が前記
被測定物を移動するタイミングは、前記赤外光通過/遮
断手段の通過状態に同期して設定され、その通過状態の
間に前記赤外光の強度の時間的変化が測定されることを
特徴とする。
【0035】この発明の第4の赤外光時間応答測定装置
では、前記赤外光の特定波数の成分を選択して透過する
光学フィルタ手段をさらに備えていて、前記赤外光強度
検出手段には前記光学フィルタ手段により選択された前
記赤外光の特定波数の成分のみが入射されるのが好まし
い。光学フィルタ手段により選択された赤外光のみが赤
外光強度検出手段に入射されるため、入射した赤外光を
有効に利用して良好なS/N比で測定が行なえるからで
ある。
【0036】前記光学フィルタ手段は、前記被測定物と
前記光源との間に配置されているのが好ましい。測定に
必要な波数の赤外光のみが被測定物に照射され、測定に
関係ない赤外光は被測定物に照射されないので、光強度
の大きな光源を使用しても被測定物に与える温度上昇な
どの悪影響をほぼなくすことができるからである。
【0037】また、前記赤外光強度検出手段からの出力
電気信号を増幅する複数の増幅器をさらに備えていて、
前記出力電気信号はそれら増幅器で増幅されてから前記
赤外光強度変化測定手段に入力され、しかも、前記増幅
器は互いに異なる周波数帯域を有しているのが好まし
い。これは次のような理由による。
【0038】前記赤外光通過/遮断手段により生じる前
記赤外光強度検出手段の出力信号は、方形波状の電気信
号であり、その山および谷の部分は変化のない直流信号
である。また、前記刺激手段により前記被測定物に刺激
を与えたことにより生じる前記赤外光強度検出手段の出
力信号は、その刺激と被測定物の種類などに依存して変
化する交流信号である。これらの直流信号と交流信号は
周波数成分が異なり、さらに、信号レベルも著しく(典
型的には、交流信号は直流信号の数万〜数百万分の1で
ある)異なる。このように周波数成分および信号レベル
が大きく異なる成分を含む電気信号を単一の増幅器で増
幅するのにはダイナミックレンジの点で無理があり、ま
た、複数の増幅器で周波数帯域別に増幅した方が所望の
性能を得られやすいからである。
【0039】前記赤外光強度検出手段からの出力電気信
号の直流レベルを、前記赤外光透過/遮断手段による前
記赤外光の透過および遮断の動作タイミングに同期して
打ち消す手段を有しているのが好ましい。前記赤外光強
度検出手段からの出力電気信号を増幅するために一般的
に使用される交流結合型の増幅器では、結合コンデンサ
による低域時定数のために、前記被測定物に刺激を与え
たときに前記赤外光強度検出手段から得られる交流信号
波形に歪を生じさせることがあるが、このようにタイミ
ングを同期すればその恐れを解消できるからである。
【0040】
【作用】この発明の第1および第2の赤外光時間応答測
定装置では、赤外光の特定波数を選択して透過する光学
フィルタ手段を有しており、その光学フィルタ手段によ
って選択された波数の赤外光のみが赤外光強度検出手段
に入射されるため、回折格子などによる分光器に比べて
効率がよく、入射光を有効に利用することができる。よ
って、良好なS/Nで測定を行なうことができる。
【0041】また、S/Nが良好なため、赤外光強度変
化測定手段における積算処理などの必要回数が減少し、
測定時間が短縮される。複数の波数について被測定物の
赤外光応答時間を測定する場合でも、測定時間が短く、
測定結果の評価にも手間がかからない。
【0042】さらに、入射光を有効に利用できるため、
強度の高い赤外光を使用する必要がなく、赤外光の照射
に起因する被測定物の温度上昇が問題にならない。その
結果、測定結果の正確性を損なう恐れがない。
【0043】この発明の第3の赤外光時間応答測定装置
では、赤外光の通過および遮断を制御する赤外光通過/
遮断手段を備えており、被測定物移動手段による被測定
物の移動によって赤外光の照射位置を変えて強度の時間
的変化を測定するときには、赤外光通過/遮断手段を通
過状態にして赤外光を被測定物に照射させ、測定しない
ときには赤外光通過/遮断手段を遮断状態にする。この
ため、光源で発生した赤外光の全量が被測定物に照射さ
れる上記従来例とは異なり、被測定物に入射される赤外
光の平均光量は非常に小さい。
【0044】よって、強度の高い赤外光を使用しても、
赤外光の照射に起因する被測定物の温度上昇が問題にな
らず、測定結果の正確性を損なう恐れがない。
【0045】また、強度の高い赤外光を使用して良好な
S/Nで測定を行なうことができるため、赤外光強度変
化測定手段における積算処理などの必要回数が減少し、
測定時間が短縮される。複数の波数について被測定物の
赤外光応答時間を測定する場合でも、測定時間が短く、
測定結果の評価にも手間がかからない。
【0046】この発明の第4の赤外光時間応答測定装置
では、赤外光の通過および遮断を制御する赤外光通過/
遮断手段を備えており、被測定物を移動するタイミング
は、赤外光通過/遮断手段の通過状態に同期して設定さ
れ、その通過状態の間に赤外光の強度の時間的変化が測
定される。よって、この発明の第3の赤外光時間応答測
定装置の場合と同様の理由により、測定結果の正確性を
損なうことなく測定時間を短縮することができ、測定に
使用する電気信号のS/N比を改善することができ、複
数の波数について被測定物の赤外光応答時間を測定する
場合でも、測定時間が短く、測定結果の評価にも手間が
かからない。
【0047】しかも、この場合には、上記従来例のよう
に、測定中に赤外光通過/遮断手段を停止させたり赤外
光の光路から取り外したりする必要がないため、測定作
業の手間が簡略化され、測定時間もいっそう短縮され
る。
【0048】
【実施例】以下、図1〜図11に基づいてこの発明の実
施例を説明する。◆ (第1実施例)図1は、この発明の第1実施例の赤外光
時間応答測定装置の概略構成を示す。図1において、光
源1は、白色光を発生し、例えばグローバーから構成さ
れる。楕円面鏡2は、光源1が発生した白色光を反射し
て被測定物3に集光・照射する。楕円面鏡4と放物面鏡
12および13は、被測定物3を透過した白色光をさら
に反射して赤外光検出器6に集光・照射する。
【0049】楕円面鏡2と被測定物3の間において白色
光の光路中に配置されたライトチョッパ5は、1つ以上
のスリットを有する円盤と、その円盤を所定速度で回転
させるモータとから構成され、円盤の回転に応じて白色
光を所定周期で通過させ、または遮断する。
【0050】楕円面鏡4と放物面鏡12の間に配置され
た光学フィルタ11は、ここでは、白色光の特定波数の
成分とその近傍の成分のみを通過させる単色フィルタで
ある。特定波数とその近傍の波数を持つ透過赤外光は、
放物面鏡12で反射されて平行光となり、放物面鏡13
でさらに反射されて赤外光検出器6に集光・入射され
る。ここで選択される波数は、被測定物3の所望の吸収
スペクトルに合わせておく。
【0051】赤外光検出器6は、受光した赤外光の強度
に応じた電気信号を生成し、前置増幅器7に出力する。
赤外光検出器6としては、例えば液体窒素で冷却された
MCT検出器が好適に使用される。
【0052】低雑音の前置増幅器7は、赤外光検出器6
からの出力電気信号を増幅し、ディジタル・オシロスコ
ープ8に出力する。
【0053】ディジタル・オシロスコープ8は、入力さ
れた電気信号を記憶し、その波形観測、積算などの各種
演算を行なう。こうして得た波形信号などに関する情報
は、信号処理部14に送られる。
【0054】信号処理部14は、送られてきた情報を解
析し、被測定物3の赤外光時間応答に関する所定の判断
を行なう。
【0055】時間的変化付与手段10は、被測定物3に
物理的な時間変化を付与するものである。被測定物3の
物理的な時間変化には、被測定物3の位置が変化する
「位置的変化」、被測定物3に作用する外力が変化する
「力学的変化」、被測定物3に作用する電磁気作用が変
化する「電磁気的変化」、被測定物3の温度が変化する
「熱的変化」などが挙げられるが、これら以外のもので
もよい。被測定物3には、時間的変化付与手段10によ
って時間的な変化が付与される。
【0056】次に、以上の構成を持つ第1実施例の赤外
光時間応答測定装置の動作を、図2に基づいて説明す
る。ここでは、被測定物3として有機物薄膜を用いた場
合について述べる。
【0057】ライトチョッパ5が動作状態であるAの時
間領域では、光源1より放射された白色光はライトチョ
ッパ5で断続されて、光学フィルタ11を介して赤外光
検出器6に入射される。赤外光検出器6は、入射された
赤外光の強度に応じた電気信号を出力する。
【0058】入射光がない状態でも、赤外光検出器6の
出力には電流Idが存在する。これは赤外光検出器6の
暗電流に対応するものである。特定波数の赤外光が入射
した状態では、赤外光検出器6の出力には電流(Id
0)が生じる。この赤外光検出器6の出力電気信号
は、低雑音の前置増幅器7で必要な大きさまで増幅され
る。 前置増幅器7は一般に、交流結合された回路で構
成されるので、前置増幅器7の出力には直流成分Id
含まれず、赤外光照射による変化分I0のみが含まれ
る。よって、この変化分I0のみがディジタル・オシロ
スコープ8で測定される。
【0059】こうして変化分I0を測定した後、ライト
チョッパ5が光路中から取り除かれる。ライトチョッパ
5が光路中から取り除かれた後のBの時間領域で、時間
的変化付与手段10により被測定物3に何らかの時間的
変化を付与する。これによって、被測定物3を透過する
白色光(特定波数を持つ)の強度が変化するので、それ
に応じて赤外光検出器6の出力電気信号が変化し、赤外
光の吸収量の時間変化ΔI(t)が赤外光検出器6で検出
される。このΔI(t)が、ディジタル・オシロスコープ
8で測定される。
【0060】こうして得たΔI(t)は、そのまま測定結
果として評価してもよいし、I0で正規化してから測定
結果として評価してもよい。なお、正規化が不要な場合
は、I0を求めるAの時間領域は不要である。
【0061】以上説明したように、この第1実施例の赤
外光時間応答測定装置では、光学フィルタ11で設定し
た透過波数に対して、被測定物3の時間的変化による赤
外光透過量(または吸収量)の時間的変化を測定するこ
とができる。光学フィルタ11で設定される通過波数
を、被測定物3を構成する材質分子の吸収スペクトル波
数に設定することにより、被測定物3で生じた時間変化
を効果的に測定することができる。
【0062】この装置では、従来の分散型赤外光分光器
を使用する赤外光時間応答測定装置と比べて光量損失の
少ない光学フィルタ11を使用しているため、S/N比
が向上し、その結果、ディジタル・オシロスコープ8で
の積算回数が大幅に減らせるので、測定時間の短縮が可
能である。
【0063】従来の赤外光時間応答測定装置において
は、特定波数の光線を得る手段として、回折格子やプリ
ズムを用いた分光器を使用している。このため、きわめ
て純度の高い単色光を得ることができるが、反面、分光
効率が悪く、光源から出射された光束のうちの特定波数
を有する光束のエネルギーの一部が利用されるのみであ
る。
【0064】一般の分光光度計においては、測定光の波
数に対する透過率または反射率を求め、これより、試料
の物性的な特性を検定することが一般的に行われてい
る。
【0065】これに対し、赤外光時間応答測定装置で
は、予め定めた単一または複数の波数の赤外光に注目
し、被測定物3に時間的変化を与えたときの分光特性の
変化を観測する。この変化量は一般に微少であり、これ
を高いS/N比で測定するには極力高いエネルギーの光
束を用いることが望ましい。反面、注目する光の波数の
純度は、必ずしも前述の場合ほど高い必要はない場合が
多い。従って、赤外光時間応答測定装置では、波数の純
度をいくぶん犠牲にしても、より高いエネルギーの光を
用いることが望ましい。このため、一般の分光光度計の
場合におけるような精密な分光器を使用するに代わり
に、精密さでは劣るが簡便な干渉フィルタなどの光学的
フィルタ手段を用いるのが望ましいのである。
【0066】なお、この第1実施例では、赤外光通過/
遮断手段としてライトチョッパ5を使用しているが、ラ
イトチョッパ5に代えて、光路を開閉するための光学的
シャッタを使用してもよい。要は、赤外光の通過および
遮断を制御できるものであれば足りる。
【0067】(第2実施例)図3は、この発明の第2実
施例の赤外光時間応答測定装置を示す。この第2実施例
の赤外光時間応答測定装置が第1実施例のそれと異なる
点は、時間的変化付与手段10を被測定物3に位置変化
を与えるステージ9としている点と、赤外光検出器6の
暗電流に対応する出力Idもディジタル・オシロスコー
プ8に送られる点のみである。それ以外は第1実施例と
同じ構成を持つので、対応する要素には対応する符号を
付してそれらの説明は省略する。
【0068】ステージ9は、内蔵された駆動手段により
図3の矢印の方向に移動する。ステージ9はまた、被測
定物3と機械的に係合してあり、ステージ9の移動によ
って被測定物3も同じ方向に移動するようになってい
る。
【0069】次に、以上の構成を持つ第2実施例の赤外
光時間応答測定装置の動作を、図4に基づいて説明す
る。ここでは、被測定物3として有機物薄膜を用いた場
合について述べる。
【0070】ライトチョッパ5が遮断状態であるA’の
時間領域では、光源1より放射された白色光はライトチ
ョッパ5で遮断されるために赤外光検出器6には入射さ
れない。また、ステージ9の動作は停止しており、被測
定物3は静止状態である。この入射光がない状態でも、
赤外光検出器6には暗電流に対応する出力Idが存在す
る。出力Idは、前置増幅器7で増幅され、ディジタル
・オシロスコープ8に入力される。ディジタル・オシロ
スコープ8では、入力された信号の波形から出力Id
測定する。
【0071】次に、ライトチョッパ5が通過状態に変わ
り、時間領域B’となる。ライトチョッパ5が通過状態
に変わると同時に、ステージ9が動作を開始し、被測定
物3を一定速度で図3の矢印の方向に移動させる。この
状態では、光源1から放射された白色光はライトチョッ
パ5を通過し、移動中の被測定物3に照射される。よっ
て、被測定物3を通過する白色光の位置は時間と共に変
化している。
【0072】そして、光学フィルタ11により特定の波
数wn1の成分のみが選択的に透過され、赤外光検出器6
に入射される。移動中の被測定物3の波数wn1の成分の
透過量に相当する赤外光検出器6の出力(Id +I0
を、ディジタル・オシロスコープ8で測定する。
【0073】被測定物である薄膜3に傷や厚みの不均一
があると、その場所を透過した赤外光吸収量が変化する
ために、赤外光吸収量の時間的な変化が得られる。この
変化量を赤外光検出器6で検出し、ΔI(t) としてディ
ジタル・オシロスコープ8で測定する。
【0074】ΔI(t)を測定した後、ライトチョッパ5
が再び遮断状態となり、光源1からの白色光が遮断され
る。白色光の遮断と同時にステージ9の動作も停止す
る。
【0075】続いて、ライトチョッパ5が再び通過状態
となると、それと同時にステージ9の動作が開始し、被
測定物3が矢印の方向に移動する。
【0076】被測定物3の検査範囲全域について測定が
完了すると、最初の位置に戻り、再び以上の動作を繰り
返し、必要なS/N比が得られるまでディジタル・オシ
ロスコープ8で積算処理(いわゆる同期加算)を行な
う。
【0077】ライトチョッパ5には、通過/遮断に同期
してステージの移動を指示するための位相検出手段を設
けている(図示せず)。このような位相検出手段は、フ
ォトインタラプタなどを用いて容易に実現することがで
きる。
【0078】信号処理部14では、ΔI(t)をI0で正規
化するため、時間領域A’およびB’で測定した赤外光
検出器6の出力信号Idおよび(Id+I0)を用いて、
引き算(引き算を行う回路は図示省略)によりI0を求
める。さらに、ΔI(t)とI0との比(あるいはΔI(t)
とI0との比の対数)を演算し、被測定物3の移動中の
赤外光吸収量変化|ΔAbs|を求める。これにより、被
測定物3を構成する物質の均一度を求めることができ
る。
【0079】被測定物3が異なる材質の層からなる多層
構造をなしていても、各層の材質の赤外光吸収波長が異
なれば、光学フィルタ11での選択波長を変えて測定す
ることにより、各層毎の均一度、傷の有無を測定するこ
とができる。
【0080】光学フィルタ11としては、図5に示すよ
うな円盤状の干渉フィルタを用いてもよい。このフィル
タ11は、軸11aの周りに回動可能な円盤11bに、
図に示すような円弧状のフィルタ部11cを設けたもの
である。フィルタ部11cの透過波数は、円弧に沿って
連続的に変化している。軸11aの周りに円盤11bを
適当な角度だけ回動させると、赤外光の透過する位置が
変わり、それにより透過波数を連続的に変化させること
ができる。このような光学フィルタ11としては、たと
えばOCLI社のWCV 2.5/14.1−Sなどが
ある。
【0081】光学フィルタ11としては、直線に沿って
透過波数が変化するフィルタ部を有する干渉フィルタを
用いてもよい。
【0082】以上説明したように、この第2実施例の赤
外光時間応答測定装置では、光学フィルタ11で設定し
た透過波数における被測定物3の赤外光透過量(または
吸収量)の、被測定物3の移動に伴なう時間変化|ΔAb
s|を測定することができる。 また、この第2実施例
の赤外光時間応答測定装置は、上記第1実施例のそれと
基本的に同じ構成を有しているから、上記第1実施例と
同じ効果が得られる。
【0083】なお、被測定物3の移動パターンは、図4
に示したものに限定されず、必要に応じて任意のパター
ンとすることができる。例えば、ライトチョッパ5が遮
断状態の間に直前に測定した位置まで被測定物3の位置
を戻し、同じ範囲の測定を繰り返す、あるいは、狭い範
囲で振動させるなどの移動パターンでもよい。
【0084】また、ここではステージ9によって被測定
物3を移動しているが、被測定物3を移動する代わり
に、ミラーなどを用いて赤外光の光路を移動させてもよ
い。
【0085】さらに、ここではライトチョッパ5の透過
状態でのみステージ9が動作しているが、遮断状態から
透過状態、あるいは透過状態から遮断状態への過渡時と
完全に一致してステージ9の動作を制御する必要はな
く、ライトチョッパ5の過渡時とステージ9の動作開始
あるいは終了時刻に時間差があってもよい。
【0086】(第3実施例)図6は、この発明の第3実
施例の赤外光時間応答測定装置を示す。この装置は、製
品の製造ライン上での検査時など、測定条件がある程度
決定しており、かつ測定を迅速に行ないたい場合に好適
である。
【0087】第3実施例の赤外光時間応答測定装置が第
2実施例のそれと異なる点は、単一の透過波数または連
続可変型の透過波数を持つ光学フィルタ11の代わり
に、透過波数固定の光学フィルタ11を複数個取り付け
たフィルタホルダ15を備えていること、およびフィル
タホルダ15が光源1と被測定物3の間に配置されてい
ることの2点である。それ以外は同じ構成を持つので、
対応する要素には対応する符号を付してそれらの説明は
省略する。
【0088】各フィルタ11は互いに異なる透過波数を
持っている。フィルタホルダ15を図6の矢印に沿って
移動すると、光路中に入るフィルタ11が変わるため、
透過波数を容易に変更することができる。そこで、フィ
ルタホルダ15の複数の光学フィルタ11の中から被測
定物3の特性に対応したものを選択して使用する。
【0089】このように光学フィルタを被測定物3の直
前に入れることにより、被測定物3に余分な光エネルギ
ーが加わらなくなり、被測定物3の劣化を防ぐことがで
きる。
【0090】第3実施例の赤外光時間応答測定装置の動
作は、光源1からの白色光がライトチョッパ5とフィル
タ11を通過してから被測定物3に照射される点を除い
て、第2実施例のそれと同様なので、ここでは省略す
る。
【0091】第3実施例では、被測定物3に照射される
赤外光が、測定に必要な波数の赤外光のみとなり、被測
定物3に余分なエネルギーが加わらないため、より強力
な光源を使用することができる。このため、測定波形の
S/N比をさらに改善でき、測定時間のさらなる短縮も
可能となる。
【0092】また、被測定物3に特徴的な吸収波数と合
致した波数のみを透過させる光学フィルタ11が複数
個、フィルタホルダ15に装備してあり、必要に応じて
それらフィルタ11を切り換えて使用するため、個別の
フィルタ11を交換しながら個々にセットするよりも作
業効率が向上する。また、連続可変型というような特殊
なフィルタを使用しなくても、必要な波数での時間分解
赤外分光測定を行なうことが可能となる。
【0093】さらに、複数の異なる吸収波数を持つ被測
定物3を測定するためには、各々の被測定物3で必要な
吸収波数に合わせたフィルタ11を備えた専用のフィル
タホルダ15を、被測定物毎に用意してもよい。
【0094】(第4実施例)図7は、この発明の第4実
施例の赤外光時間応答測定装置において使用する光学フ
ィルタ11の赤外光通過量特性を示す。第4実施例の赤
外光時間応答測定装置は、図6に示す第3実施例の赤外
光時間応答測定装置において、フィルタホルダ15に取
り付けた複数の光学フィルタ11に代えて、図7に示す
透過波数特性を有する光学フィルタ11を使用するもの
である。その他の構成と動作は第3実施例のそれと同じ
である。
【0095】図7に示す特性を持つ光学フィルタ11で
は、wn1およびwn2の2つの透過波数を有するので、赤
外光検出器6の出力信号は、両波数wn1およびwn2の赤
外光成分の透過量の和に対応する。2つの波数での測定
が同時に行なえるため、両波数wn1およびwn2における
赤外光吸収の変化が同じような挙動を示す場合に使用す
れば、測定時間を半分あるいはそれ以下に短縮できる利
点がある。
【0096】一つの光学フィルタ11が有する透過波数
は3個以上であってもよいから、第3実施例の赤外光時
間応答測定装置は、複数の波数での赤外光吸収量(ある
いは透過量)の和を測定するのに好適である。
【0097】(第5実施例)図8は、この発明の第5実
施例の赤外光時間応答測定装置を示す。この実施例は、
第4実施例と同様に、複数の波数での赤外光吸収量(あ
るいは透過量)を同時に測定するものである。しかし、
第4実施例では、複数の透過波数を持つ単一の光学フィ
ルタ11を用いているが、この第5実施例では、波数選
択性ミラーにより被測定物3を透過した赤外光を波数別
に取り出し、各波数に対して赤外光検出器および前置増
幅器を設けて、波数毎に別個の測定データを同時に得る
ようにしたものである。
【0098】図8において、第2実施例と同じ構成の箇
所では、対応する要素に対応する符号を付して説明を省
略し、異なる箇所についてのみ説明する。
【0099】波数選択性ミラー15a、15b、15c
は、入射する光の一部の波数範囲を反射し、残りを透過
する鏡である。3つの波数選択性ミラー15a、15
b、15cの反射波数は、それぞれwn1、wn2、wn3
ある。
【0100】光源1から放射された赤外光は、ライトチ
ョッパ5および被測定物3を透過して波数選択性ミラー
15cに到達する。波数選択性ミラー15cは、それ特
有の波数wn3の赤外光のみを反射して対応する赤外光検
出器6cに入射させる。wn3以外の波数の赤外光は、そ
のまま透過・直進して次の波数選択性ミラー15bに到
達する。
【0101】同様に、波数選択性ミラー15bは、それ
特有の波数wn2の赤外光のみを反射して対応する赤外光
検出器6bに入射させる。波数選択性ミラー15cおよ
び15bで選択されたwn3およびwn2以外の波数の赤外
光は、そのまま直進して次の波数選択性ミラー15aに
到達する。
【0102】波数選択性ミラー15aは、それ特有の波
数wn1の赤外光のみを反射して対応する赤外光検出器6
aに入射させる。波数選択性ミラー15c、15bおよ
び15aで選択されたwn3、wn2およびwn1以外の波数
の赤外光は、そのまま直進する。
【0103】赤外光検出器6a〜6cに入射した波数w
n1、wn2およびwn3の赤外光は、そこで電気信号に変換
され、対応する前置増幅器7a、7b、7cで別個に増
幅されてからディジタル・オシロスコープ8に入力され
る。ディジタル・オシロスコープ8では、入力された信
号の波形測定、積算などを行ない、その後、信号処理部
14に入力されて所定の信号処理が行なわれる。
【0104】波形測定の動作は、第2実施例の赤外光時
間応答測定装置と同様なので省略する。
【0105】この第5実施例では、複数の異なる選択波
数を有する波数選択性ミラー15a、15bおよび15
cにより、波数wn1、wn2およびwn3での時間応答波形
の測定と、それらの波形間での和、差、相関などの測定
・演算が同時にできるため、測定波数ごとに測定・評価
を行なう従来の赤外光時間応答測定装置に比べて、測定
時間が大幅に短縮される。
【0106】なお、図8では波数選択性ミラーを3つ設
けているが、2つあるいは4つ以上の波数選択性ミラー
を設けてもよい。一つの波数選択性ミラーのみを設けて
もよい。なお、場合によっては、最後尾の波数選択性ミ
ラー15aを入射光のほぼすべてを反射する通常のミラ
ーに代えてもよい。
【0107】このように、この発明の光学フィルタ手段
としては、一定の波数の赤外光を選択的に透過する通常
の光学フィルタだけでなく、このようなミラーを用いる
こともできる。
【0108】さらに、各波数選択性ミラー15a、15
b、15cと各赤外光検出器6a、6b、6cとの間
に、単色フィルタをそれぞれ挿入してもよい。また、光
源1と被測定物3との間に、測定に関与しない光をカッ
トする光学フィルタを入れ、被測定物3の加熱を防止す
ることもできる。
【0109】なお、この第4実施例では、波数wn1、w
n2およびwn3のそれぞれについて赤外光検出器6a、6
b、6cと前置増幅器7a、7b、7cを設けている
が、赤外光検出器6a、6b、6cの出力側にマルチプ
レクサを挿入して、前置増幅器を一つにすることも可能
である。
【0110】(第6実施例)図9は、この発明の第6実
施例の赤外光時間応答測定装置の信号検出部を示す。赤
外光検出器6に入射するまでの光学系は、図2に示す第
2実施例の赤外光時間応答測定装置と同様であるので省
略する。
【0111】図9に示すように、第6実施例の赤外光時
間応答測定装置は、高速・高増幅率の前置増幅器16a
と、低速・低増幅率の前置増幅器16bとを備えてい
る。前置増幅器16aの出力信号は、サンプルホールド
(S/H)増幅器17a、アナログ−ディジタル(A/
D)変換器18aを介して信号処理部19に入力され
る。前置増幅器16bの出力信号は、サンプルホールド
(S/H)増幅器17b、アナログ−ディジタル(A/
D)変換器18bを介して信号処理部19に入力され
る。
【0112】次に、第6実施例の赤外光時間応答測定装
置の信号検出部の動作について説明する。◆赤外光検出
器6に入射した赤外光は、そこで電気信号に変換され
て、前置増幅器16aおよび16bにそれぞれ入力され
る。ここで、図4に示すタイミングで各波形が生成され
る場合の動作について説明する。
【0113】図4における時間領域A’では、赤外光検
出器6の出力電圧はほぼ直流であるので、低速・低増幅
率の前置増幅器16bで増幅される。時間領域B’で
は、赤外光検出器6の出力電圧は急激に変化し交流であ
るので、高速・高増幅率の前置増幅器16aで増幅され
る。
【0114】図4の各々の信号のレベルの典型例は、I
0はIdの数10分の1、ΔI(t)はI0の数万〜数100
万分の1程度である。このようにΔI(t)の信号レベル
は、実際には極めて小さいので、ΔI(t)を増幅する前
置増幅器16aは、増幅率が大きく設定され、また、刺
激信号に対する応答波形(交流分)を観測するので、交
流結合型増幅器が使用される。
【0115】他方、IoおよびIdは変化のない直流電圧
なので、前置増幅器16bには直流結合型増幅器が使用
される。
【0116】つまり、この第6実施例では、赤外光検出
器6の出力信号の交流分を前置増幅器16aで、直流分
を前置増幅器16bで、周波数帯域別に別個に必要なレ
ベルまで増幅するのである。よって、赤外光検出器6か
らの出力信号を周波数帯域毎にそれらに最適な増幅器で
増幅するので、その出力信号の直流成分と交流成分とを
同時に測定することができる利点がある。これも測定時
間の短縮化につながる。
【0117】赤外光検出器6の出力信号の交流分と直流
分を前置増幅器16aと16bで別個に増幅した後、S
/H増幅器17aと17bで別個にサンプリングし、A
/D変換器18aと18bで別個にディジタル信号に変
換し、得られたディジタル信号を信号処理部19にそれ
ぞれ入力して、積算処理、正規化処理などを行なう。S
/H増幅器17a、17b、A/D変換器18a、18
bおよび信号処理部19は、図4に示す波形のタイミン
グで制御される。
【0118】この第6実施例では、赤外光検出器6の出
力信号の交流分と直流分とを周波数帯域の異なる前置増
幅器16aと16bで別個に増幅しているので、単一の
増幅器を使用した場合に比べていっそう容易に所望の性
能が得られる。
【0119】なお、この第6実施例では、2つの前置増
幅器の出力を各々専用のS/H増幅器とA/D変換器を
使用して信号処理部19に入力しているが、複数のS/
H増幅器の出力をスイッチで切り換えて1つのA/D変
換器に入力するようにしてもよいし、複数の前置増幅器
の出力をスイッチで切り換えて1組のS/H増幅器とA
/D変換器に入力するようにしてもよい。
【0120】信号発生器9より発生する刺激信号は、図
4に示す電圧パルスとしたが、他の波形でもよいことは
もちろんである。
【0121】(第7実施例)図10は、この発明の第7
実施例の赤外光時間応答測定装置の信号検出部を示す。
なお、赤外光検出器6に赤外光が入射するまでの光学系
は、図2に示す第2実施例の赤外光時間応答測定装置と
同様であるので省略する。
【0122】図10において、20は積分回路、21は
トラック・アンド・ホールド(T/H)回路、22は引
き算回路である。
【0123】赤外光検出器6の出力電気信号は、引き算
回路22を介して積分回路20および前置増幅器7に入
力される。前置増幅回路7の出力信号は、ディジタル・
オシロスコープ8に送られる。
【0124】積分回路20の出力信号は、T/H回路2
1に入力され、T/H回路21の出力信号は、引き算回
路22およびディジタル・オシロスコープ8に入力され
る。ディジタル・オシロスコープ8の測定結果は、信号
処理部14に出力される。
【0125】次に、図10に示す第7実施例の赤外光時
間応答測定装置の信号検出部の動作について、図11に
基づいて説明する。
【0126】まず、ライトチョッパ5が遮断状態のと
き、T/H回路21はトラック状態すなわち伝達状態に
あるため、引き算回路22、積分回路20およびT/H
回路21で構成される負帰還回路により、前置増幅器7
の入力電圧は0となる。この状態では、T/H回路21
の出力には赤外光検出器6の出力電圧Idと同じ電圧が
出力されている。また、この直流分Idは、ディジタル
・オシロスコープ8に送られ、ディジタル・オシロスコ
ープ8および信号処理部14で測定される。
【0127】次に、ライトチョッパ5が通過状態になる
と、赤外光検出器6に赤外光が入射され、その出力電圧
は(I0+Id)まで急上昇する。この時、前置増幅器7
の入力電圧は、(I0 + Id) − Id = I0
になるが、引き算回路22、積分回路20およびT/H
回路21で構成される負帰還回路により、一定時間(過
渡状態)が経過すると再びゼロになる。前置増幅器7の
入力電圧がゼロとなったときのT/H回路21の出力電
圧は、赤外光検出器6の出力電圧と同じ(I0+Id)で
あるので、この出力電圧は直流分として、ディジタル・
オシロスコープ8および信号処理部14で測定される。
【0128】続いて、T/H回路21をホールド状態す
なわち保持状態に設定する。この時、他の部分の電圧の
変化はなく、前置増幅器7の入力電圧はゼロのままであ
る。また、上記の負帰還回路は形成されない。
【0129】T/H回路21をホールド状態に設定した
後、ステージ9を移動させて被測定物3の移動を開始す
る。被測定物3の組織の均一度に応じて被測定物3の赤
外光吸収量が変化するので、赤外光検出器6により時間
応答波形ΔI(t)が出力される。この交流分であるΔI
(t)は、前置増幅器7で増幅されてから、ディジタルオ
シロスコープ8および処理部14で測定される。
【0130】こうしてΔI(t)の測定が終了した後、T
/H回路21をトラック状態に戻す。その後、再びライ
トチョッパ5が遮断状態となり、赤外光検出器6の出力
がIdに戻る。前置増幅器7の入力は(−I0)になる
が、負帰還回路により一定時間(過渡状態)後にはゼロ
に復帰する。
【0131】以上説明したように、第7実施例の赤外光
時間応答測定装置では、必要なパラメータであるI0
dおよびΔI(t)を一度のシーケンスで測定することが
できるので、各々のパラメータを単独に測定する従来の
赤外光時間応答測定装置に比べて、測定時間を短縮する
ことができる。
【0132】また、引き算回路22、積分回路20およ
びT/H回路21で構成される負帰還回路により、前置
増幅器7の直流入力をゼロとすることができるので、前
置増幅器7を直流結合とすることができる。その結果、
交流結合に伴う結合コンデンサの時定数による悪影響
(たとえば、波形歪など)を避けることができる。前置
増幅器7の低域遮断周波数による波形ΔI(t)の波形歪
みの発生も生じない。
【0133】また、前置増幅器7を交流結合とする場合
でも、直流入力の変化分が少ないために低域遮断周波数
を低くすることができ、測定波形ΔI(t)の低域遮断周
波数による歪みを低く押さえることが可能となる。
【0134】さらに、この第7実施例では、直流分がゼ
ロになるので、前記増幅器7の増幅度を高く設定でき、
したがってΔI(t)を感度よく測定できる利点もある。
【0135】なお、図11の波形では、ΔI(t)を測定
した後、T/H回路21を先にトラック状態にしてから
ライトチョッパ5が遮断状態になるように制御している
が、ライトチョッパ5を遮断状態にしてから、T/H回
路21をトラック状態にしてもよい。
【0136】被測定物3の移動パターンは図11の通り
としたが、他のパターンでもよいことはもちろんであ
る。
【0137】上記第2〜第7実施例では、被測定物3を
移動して透過または反射する赤外光の変化を得ている
が、この発明はこれに限定されず、被測定物3に電流を
流したり、磁界を加えたり、電磁波を与えたり、レーザ
光線や紫外線等の光学的刺激を与えたり、衝撃を与えた
り、圧力や張力の力学的な刺激を与えたり、温度の急上
昇や急冷却を与えたり、熱線を与えたりするなど、任意
の物理的変化を生じさせるものを使用することができ
る。
【0138】
【発明の効果】この発明の赤外光時間応答測定装置によ
れば、測定結果の正確性を損なうことなく測定時間を短
縮することができる。また、測定に使用する電気信号の
S/N比を改善することができる。さらに、複数の波数
について被測定物の赤外光応答時間を測定する場合で
も、測定時間が短く、測定結果の評価にも手間がかから
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の赤外光時間応答測定装
置の機能ブロック図である。
【図2】この発明の第1実施例の赤外光時間応答測定装
置による測定作業における各部の波形を示す波形図であ
る。
【図3】この発明の第2実施例の赤外光時間応答測定装
置の機能ブロック図である。
【図4】この発明の第2実施例の赤外光時間応答測定装
置による測定作業における各部の波形を示す波形図であ
る。
【図5】この発明の第2実施例の赤外光時間応答測定装
置に使用される透過波数連続可変型の光学フィルタであ
る。
【図6】この発明の第3実施例の赤外光時間応答測定装
置の機能ブロック図である。
【図7】この発明の第4実施例の赤外光時間応答測定装
置に使用される光学フィルタの特性を示す概念図であ
る。
【図8】この発明の第5実施例の赤外光時間応答測定装
置の機能ブロック図である。
【図9】この発明の第6実施例の赤外光時間応答測定装
置の要部機能ブロック図である。
【図10】この発明の第7実施例の赤外光時間応答測定
装置の要部機能ブロック図である。
【図11】この発明の第7実施例の赤外光時間応答測定
装置による測定作業における各部の波形を示す波形図あ
る。
【図12】従来の赤外光時間応答測定装置の一例の機能
ブロック図である。
【図13】従来の赤外光時間応答測定装置による測定作
業における各部の波形を示す波形図ある。
【符号の説明】
1 光源 2、4 楕円面鏡 3 被測定物 5 ライトチョッパ 6、6a〜6c 赤外光検出器 7、7a〜7c 前置増幅器 8 ディジタル・オシロスコープ 9 ステージ 10 時間的変化付与手段 11 光学フィルタ 11a 軸 11b 円盤 11c フィルタ部 12、13 放物面鏡 14 信号処理部 15 フィルタホルダ 15a、15b、15c 波数選択性ミラー 16a、16b 前置増幅器 17a、17b サンプルホールド(S/H)回路 18a、18b アナログ−ディジタル(A/D)変換
器 19 信号処理部 20 積分回路 21 トラック・アンド・ホールド(T/H)回路 22 引き算回路

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物に赤外光を照射する赤外光照射
    手段と、 前記被測定物に時間的な変化を与える時間的変化付与手
    段と、 前記赤外光の特定波数の成分を選択して透過あるいは反
    射する光学フィルタ手段と、 前記被測定物を透過しまたは前記被測定物により反射し
    た前記赤外光の強度を検出する赤外光強度検出手段と、 赤外光強度検出手段からの出力信号に基づいて、前記被
    測定物を透過しまたは前記被測定物により反射した前記
    赤外光の時間的変化を測定する赤外光強度変化測定手段
    とを備え、 前記赤外光強度検出手段には、前記光学フィルタ手段に
    より選択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射
    されることを特徴とする赤外光時間応答測定装置。
  2. 【請求項2】 被測定物に赤外光を照射する赤外光照射
    手段と、 前記被測定物に時間的な変化を与える時間的変化付与手
    段と、 前記赤外光の特定波数の成分を選択して透過あるいは反
    射する光学フィルタ手段と、 前記被測定物を透過しまたは前記被測定物により反射し
    た前記赤外光の強度を検出する赤外光強度検出手段と、 赤外光強度検出手段からの出力信号に基づいて、前記被
    測定物を透過しまたは前記被測定物により反射した前記
    赤外光の時間的変化を測定する赤外光強度変化測定手段
    とを備え、 前記赤外光強度検出手段には、前記光学フィルタ手段に
    より選択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射
    され、 前記赤外光強度検出手段は、前記被測定物に対する前記
    赤外光の照射位置が異なる少なくとも2つの時点におけ
    る前記被測定物からの赤外光強度について、それら赤外
    光強度のうちの1つを基準とし、その基準とした赤外光
    強度によりその他の赤外光強度を正規化する機能を有し
    ていることを特徴とする赤外光時間応答測定装置。
  3. 【請求項3】 前記被測定物に対する前記赤外光の照射
    位置を変更する赤外光照射位置変更手段をさらに有して
    おり、その赤外光照射位置変更手段は、前記赤外光の光
    路の移動および前記被測定物の移動の少なくとも一方に
    よって照射位置を変更する請求項1または2に記載の赤
    外光時間応答測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光学フィルタ手段が、前記被測定物
    と前記光源との間に配置されている請求項1〜3のいず
    れかに記載の赤外光時間応答測定装置。
  5. 【請求項5】 前記光学フィルタ手段が複数の波数を選
    択可能であり、しかも、前記光強度検出手段はそれら複
    数の波数について赤外光強度を検出してそれら複数の波
    数について赤外光強度の時間的変化を測定可能である請
    求項1〜4のいずれかに記載の赤外光時間応答測定装
    置。
  6. 【請求項6】 複数の波数を選択可能な前記光学フィル
    タ手段が、透過波数が固定された複数の光学フィルタ
    と、それら光学フィルタを保持するフィルタホルダとか
    ら構成され、前記複数の光学フィルタから選ばれた一つ
    が使用される請求項5に記載の赤外光時間応答測定装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の波数を選択可能な前記光学フィル
    タ手段が、複数の光学フィルタを保持した前記フィルタ
    ホルダを複数個、備えており、前記複数の光学フィルタ
    から選ばれた一つが使用される請求項6に記載の赤外光
    時間応答測定装置。
  8. 【請求項8】 複数の波数を選択可能な前記光学フィル
    タ手段が、透過波数を連続的に変化させることが可能な
    光学フィルタである請求項7に記載の赤外光時間応答測
    定装置。
  9. 【請求項9】 複数の波数を選択可能な前記光学フィル
    タ手段が、透過波数を連続的に変化させることが可能な
    第1の光学フィルタと、フィルタホルダに保持された、
    透過波数が固定された複数の第2の光学フィルタとを備
    えており、前記第1の光学フィルタと複数の前記第2の
    光学フィルタから選ばれた一つが使用される請求項5に
    記載の赤外光時間応答測定装置。
  10. 【請求項10】 複数の波数を選択可能な前記光学フィ
    ルタ手段が、複数の透過波数を同時に選択可能である請
    求項5に記載の赤外光時間応答測定装置。
  11. 【請求項11】 複数の波数を選択可能な前記光学フィ
    ルタ手段が、複数の透過波数を持つ単一の光学フィルタ
    である請求項10に記載の赤外光時間応答測定装置。
  12. 【請求項12】 複数の波数を選択可能な前記光学フィ
    ルタ手段が、単一または複数の透過波数を持つ光学フィ
    ルタを複数個、組み合わせて構成されている請求項10
    に記載の赤外光時間応答測定装置。
  13. 【請求項13】 前記赤外光強度変化測定手段が、前記
    複数の波数についての測定結果の間で演算を行なう機能
    を有する請求項5〜12のいずれかに記載の赤外光時間
    応答測定装置。
  14. 【請求項14】 赤外光を発生する光源と、 前記光源が発生した前記赤外光を被測定物に照射する赤
    外光照射手段と、 前記被測定物に時間的な変化を与える時間的変化付与手
    段と、 前記赤外光の通過および遮断を制御する赤外光通過/遮
    断手段と、 前記被測定物を透過しまたは前記被測定物により反射し
    た前記赤外光の強度を検出する赤外光強度検出手段と、 赤外光強度検出手段からの出力信号に基づいて、前記被
    測定物を透過しまたは前記被測定物により反射した前記
    赤外光の時間的変化を測定する赤外光強度変化測定手段
    とを備え、 前記赤外光の強度の時間的変化を測定するときには、前
    記赤外光通過/遮断手段を通過状態にして前記赤外光を
    前記被測定物に照射させ、測定しないときには前記赤外
    光通過/遮断手段を遮断状態にすることを特徴とする赤
    外光時間応答測定装置。
  15. 【請求項15】 前記赤外光の特定波数の成分を選択し
    て透過する光学フィルタ手段をさらに備えていて、前記
    赤外光強度検出手段には前記光学フィルタ手段により選
    択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射される
    請求項14に記載の赤外光時間応答測定装置。
  16. 【請求項16】 前記光学フィルタ手段が、前記被測定
    物と前記光源との間に配置されている請求項15に記載
    の赤外光時間応答測定装置。
  17. 【請求項17】 赤外光を発生する光源と、 前記光源が発生した前記赤外光を被測定物に照射する赤
    外光照射手段と、 前記赤外光の通過および遮断を制御する赤外光通過/遮
    断手段と、 前記被測定物を移動させて前記赤外光の照射位置を変更
    する被測定物移動手段と、 前記被測定物を透過しまたは前記被測定物により反射し
    た前記赤外光の強度を検出する赤外光強度検出手段と、 赤外光強度検出手段からの出力信号に基づいて、前記被
    測定物移動手段により前記赤外光の照射位置を変更した
    時の前記被測定物からの前記赤外光の時間的変化を測定
    する赤外光強度変化測定手段とを備え、 前記被測定物移動手段が前記被測定物を移動するタイミ
    ングは、前記赤外光通過/遮断手段の通過状態に同期し
    て設定され、その通過状態の間に前記赤外光の強度の時
    間的変化が測定されることを特徴とする赤外光時間応答
    測定装置。
  18. 【請求項18】 前記赤外光の特定波数の成分を選択し
    て透過する光学フィルタ手段をさらに備えていて、前記
    赤外光強度検出手段には前記光学フィルタ手段により選
    択された前記赤外光の特定波数の成分のみが入射される
    請求項17に記載の赤外光時間応答測定装置。
  19. 【請求項19】 前記光学フィルタ手段が、前記被測定
    物と前記光源との間に配置されている請求項18に記載
    の赤外光時間応答測定装置。
  20. 【請求項20】 前記赤外光強度検出手段からの出力電
    気信号を増幅する複数の増幅器をさらに備えていて、前
    記出力電気信号はそれら増幅器で増幅されてから前記赤
    外光強度変化測定手段に入力され、しかも、前記増幅器
    は互いに異なる周波数帯域を有している請求項17〜1
    9のいずれかに記載の赤外光時間応答測定装置。
  21. 【請求項21】 前記赤外光強度検出手段からの出力電
    気信号の直流レベルを、前記赤外光透過/遮断手段によ
    る前記赤外光の透過および遮断の動作タイミングに同期
    して打ち消す手段を有している請求項17〜20のいず
    れかに記載の赤外光時間応答測定装置。
JP11753395A 1995-05-16 1995-05-16 赤外光時間応答測定装置 Pending JPH08313348A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003505707A (ja) * 1999-07-21 2003-02-12 サーロメッド・インコーポレーテッド 微小体積レーザ・スキャニング・サイトメトリのためのシステム
JP2013509239A (ja) * 2009-10-28 2013-03-14 グルコ・ビスタ・インコーポレイテッド 体内物質の非侵襲的測定のための装置および方法
CN103645140A (zh) * 2013-12-30 2014-03-19 北京雪迪龙科技股份有限公司 一种水质监测系统及方法
US10928754B2 (en) 2018-04-13 2021-02-23 Xerox Corporation Release fluid composition

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