JP2002005835A - ラマン分光測定装置及びそれを用いた生体試料分析方法 - Google Patents

ラマン分光測定装置及びそれを用いた生体試料分析方法

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JP2002005835A
JP2002005835A JP2000189774A JP2000189774A JP2002005835A JP 2002005835 A JP2002005835 A JP 2002005835A JP 2000189774 A JP2000189774 A JP 2000189774A JP 2000189774 A JP2000189774 A JP 2000189774A JP 2002005835 A JP2002005835 A JP 2002005835A
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raman
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wavelength
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JP2000189774A
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宏夫 ▲浜▼口
Hiroo Hamaguchi
Toshiaki Ito
利昭 伊藤
Hidekazu Koda
英一 甲田
Shoji Kaminaka
庄司 紙中
Hiroya Yamazaki
裕哉 山崎
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Hoya Corp
Hamamatsu Photonics KK
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Hoya Corp
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラマンスペクトルでのバックグラウンド光の
強度が低減されて、効率的に試料の分析を行うことが可
能なラマン分光測定装置、及びそれを用いた生体試料分
析方法を提供する。 【解決手段】 生体試料などの試料Sの分析に用いるラ
マン分光測定装置において、試料に照射する励起光とし
て、Nd:YAGレーザ光源10からの波長1064n
mのパルス状の近赤外光を用いる。そして、分光器30
で分光されて光検出器31で検出される試料Sからのラ
マン散乱光の計数について、励起光を検出するフォトダ
イオード16からの励起光検出信号によって、同時計数
回路41で励起光と同期させて計数する。これによっ
て、ラマンスペクトルでのバックグラウンド光の強度を
低減することが可能なラマン分光測定装置が実現され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象となる生
体試料などの試料に対して励起光を照射し、ラマンスペ
クトルを取得して試料の分析を行うためのラマン分光測
定装置、及びそれを用いた生体試料分析方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、生体組織や様々な物質などを測定
対象としたラマン分光測定によって、タンパク質、核酸
など生体試料に含まれている構成物の分析や、生体組織
の種類の区別、正常な組織と癌組織との弁別などを行う
ことが検討されている(例えば、米国特許526141
0号公報参照)。
【0003】このようなラマン分光測定においては、生
体組織などの測定対象となる試料に対して所定波長の励
起光を照射し、試料での非弾性散乱によって生成されて
試料から放出されたラマン散乱光を分光測定して、ラマ
ン散乱光の波長スペクトル(ラマンスペクトル)を得
る。そして、このラマンスペクトル中に現れるラマンピ
ーク(ラマンバンド)の波長や強度等から、試料に含ま
れる構成物や試料の状態の特定など、試料についての分
析を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、試料か
らのラマンスペクトルによって試料の分析を行うラマン
分光測定装置において、試料への励起光の照射によって
生成されるラマン散乱光以外の光で、分光されたラマン
散乱光を検出するための光検出器にバックグラウンド光
として検出される光成分が問題となる。
【0005】例えば、試料に対して励起光を照射するこ
とによって、レイリー散乱光やラマン散乱光とは別に、
励起された試料から高強度の蛍光が発生される場合があ
る。このとき、バックグラウンド光となる蛍光スペクト
ルとともに測定されることとなるラマンスペクトルにお
いて、分析に必要なラマンピークの波長及び強度を充分
な数値精度で特定するために長時間の測定を要し、ある
いは、ラマンピークが蛍光スペクトルに埋もれて全く特
定できないなどの問題を生じる。また、測定装置の構成
や測定条件によって、蛍光以外にも、室内光などの外部
からの光も同様にバックグラウンド光として検出され
る。
【0006】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、ラマンスペクトルでのバックグラウンド光
の強度が低減されて、効率的に試料の分析を行うことが
可能なラマン分光測定装置、及びそれを用いた生体試料
分析方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるラマン分光測定装置は、(1)
ラマン分光測定の測定対象に照射される、近赤外で85
0nm以上の波長範囲内の所定波長を有するパルス状の
励起光を出射する励起光源と、(2)励起光が照射され
た測定対象からのラマン散乱光を分光する分光手段と、
(3)分光手段で分光されたラマン散乱光を検出する光
検出手段と、(4)光検出手段で検出されたラマン散乱
光の計数を、励起光源からの励起光の出射タイミングに
対して同期されたタイミングで行うための同期計数手段
と、を備えることを特徴とする。
【0008】上記したラマン分光測定装置においては、
測定対象に照射する励起光として、近赤外で所定の下限
波長以上の波長範囲内にあるパルス光を用いている。こ
の近赤外の波長領域は、生体試料などの測定対象からの
蛍光がほとんど観測されなくなる領域である。したがっ
て、このような波長領域での所定波長の励起光を用いて
生成されたラマン散乱光を分光測定することによって、
蛍光によるバックグラウンド光の強度が低減される。
【0009】また、光検出手段で検出されたラマン散乱
光の計数に対して、励起光との同期計数を行っている。
これによって、励起光が照射されていないタイミングに
おいて、余分なバックグラウンド光が計数されてしまう
ことを防止することができる。以上の構成から、ラマン
スペクトルでのバックグラウンド光の強度が低減され
て、効率的に試料の分析を行うことが可能なラマン分光
測定装置が実現される。
【0010】なお、光検出手段としては、励起光の波長
に対応する近赤外の波長領域に充分な感度を有する光検
出器等を用いることが好ましい。このような光検出器と
しては、例えば、光電面にInGaAsを用いた光電子
増倍管などがある。
【0011】また、(5)光検出手段で検出されるラマ
ン散乱光を含む光に対して、可視光成分を除去するため
の可視光除去手段をさらに備えることを特徴とする。
【0012】これによって、室内光などからくる可視光
に起因するバックグラウンド光をさらに低減して、試料
の分析の効率を向上することができる。可視光除去手段
としては、具体的には可視光カットフィルタなどを用い
ることができる。ただし、光検出手段として、可視光に
対する感度が低いものなどを用いた場合には、このよう
な可視光除去手段を設置することなく、可視光が除去さ
れる。
【0013】また、光検出手段は、分光手段で分光され
たラマン散乱光を、所定の波長域にわたって1度に測定
可能なマルチチャンネル光検出器であることが好まし
い。
【0014】分光されたラマン散乱光の検出に単一の光
検出器を用いた場合、ラマン散乱光の波長スペクトルを
得るには、その光検出器によって必要な波長域をスキャ
ンしていく方法が用いられる。ここで、上記のようにマ
ルチチャンネル光検出器を適用し、所定の波長域を1度
で測定可能な構成とすれば、測定に必要な時間を短縮す
ることができる。
【0015】このようなマルチチャンネル光検出器の構
成としては、例えば、分光手段で分光されたラマン散乱
光からなる光像を増倍するイメージインテンシファイア
と、増倍されて得られた光像または光電子像を検出する
CCDなどの撮像手段と、を有する構成がある。
【0016】また、励起光源は、所定波長として波長1
064nmの励起光を出射するレーザ光源であることを
特徴とする。このNd:YAGレーザ光源などによる波
長1064nmのパルス光によれば、蛍光によるバック
グラウンド光の強度が充分に低減された状態で、ラマン
分光測定を実行することが可能である。また、これ以外
にも、上記した波長範囲850nm以上での所定波長を
有する近赤外光をパルス光として供給可能なものであれ
ば、様々な励起光源を適用することが可能である。な
お、この波長範囲の下限波長については、特に蛍光の強
度を低減する必要があるときには、900nm以上の波
長範囲とすることが、より好ましい。
【0017】また、本発明による生体試料分析方法は、
上記したラマン分光測定装置を用いた生体試料分析方法
であって、測定対象を生体試料として、ラマン分光測定
装置を用いてラマン分光測定を行うとともに、ラマン散
乱光を計数して得られたラマンスペクトルによって、生
体試料の分析を行うことを特徴とする。これによって、
効率的に生体試料の分析を行うことが可能な生体試料分
析方法とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
ラマン分光測定装置、及びそれを用いた生体試料分析方
法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図
面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複
する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の
ものと必ずしも一致していない。
【0019】図1は、本発明に係るラマン分光測定装置
の一実施形態について概略的に示す構成図である。図1
中において、ラマン分光測定を用いた分析の測定対象と
なる生体試料などの試料は、符号Sによって示されてい
る。
【0020】本実施形態によるラマン分光測定装置は、
レーザ光源10と、導光光学系11と、試料載置台20
と、集光光学系21と、分光器30とを備えて構成され
ている。レーザ光源10は、試料Sに励起光として照射
されるパルス状のレーザ光を出射して供給する励起光源
である。この励起光は、試料Sでの非弾性散乱によって
ラマン(Raman)散乱光を生成するためのものであり、
励起光の波長としては、近赤外で所定の下限波長以上の
波長範囲内の波長が用いられる。具体的には、850n
m以上、より好ましくは900nm以上の波長範囲内に
ある所定波長が用いられる。このような波長範囲のパル
ス励起光を供給するレーザ光源10としては、例えば、
波長1064nmの光を供給するNd:YAGレーザな
どがある。
【0021】レーザ光源10から供給された近赤外のパ
ルス状の励起光は、導光光学系11によって試料Sへと
導かれる。この導光光学系11は、光路を設定または変
更する反射ミラーなどの光学素子を組み合わせて構成さ
れる。また、図1に示した構成においては、導光光学系
11の光路上に、光強度を調整するためのNDフィルタ
ー12、及び励起光を集束させるための集束レンズ13
が設けられている。
【0022】導光光学系11を構成しているこれらの各
光学要素を通過した励起光は、試料Sに対向する位置
(図1中の試料Sの上方)に設けられた反射ミラー14
を介して、試料載置台20上に固定して配置された試料
Sへと照射される。そして、試料Sにおいて、励起光の
非弾性散乱によるラマン散乱光が生成される。
【0023】なお、試料載置台20は、励起光の照射位
置(集束位置)に対して、試料Sの位置を移動または調
整可能なXYZ−可動ステージとすることが好ましい。
また、本実施形態においては、試料Sに対する近赤外の
励起光の照射位置を目視して確認するために、可視光の
レーザ光を供給する位置合わせ用のレーザ光源26(例
えば、He−Neレーザ)が設置されている。
【0024】このレーザ光源26は、試料S及び試料載
置台20に対して反射ミラー14とは反対側に設置され
ている。また、レーザ光源26からの可視レーザ光の試
料Sへの光路は、反射ミラー14から試料Sへの励起光
の光路と同軸に位置合わせされている。これによって、
レーザ光源26からの可視レーザ光の試料Sでの照射位
置を用いて、目視で近赤外励起光の照射位置を確認する
ことができる。
【0025】試料Sで生成して放出されたラマン散乱光
は、集光光学系21によって所定の集束位置へと導光、
集束される。この集光光学系21は、反射ミラー22、
コリメートレンズ23、及び集束レンズ25を有し、試
料Sからのラマン散乱光について、励起光の照射方向に
対して後方散乱されたラマン散乱光を集光して測定する
ように構成されている。
【0026】試料Sと反射ミラー14との間には、アル
ミニウムミラーなどの反射ミラー22が設置されてい
る。この反射ミラー22は、試料Sから所定の角度範囲
で後方に放出されたラマン散乱光を反射して、分光器3
0の入射位置に向かう光路へと、ラマン散乱光の光路を
変更する。光路が変更されたラマン散乱光は、コリメー
トレンズ23及び集束レンズ25を介して導光され、分
光器30の入射位置へと集束される。なお、反射ミラー
22には、試料Sへと照射される励起光の光軸を含む部
位に、励起光を通過させるための開口が設けられてい
る。
【0027】また、コリメートレンズ23と集束レンズ
25との間には、ホログラフィックノッチフィルター2
4が設置されている。このノッチフィルター24は、試
料Sからの光のうち、強度の強いレイリー(Rayleigh)
散乱光などを除去するために用いられる。
【0028】ノッチフィルター24によってレイリー散
乱光が除去されるとともに、コリメートレンズ23及び
集束レンズ25によって集束されたラマン散乱光は、分
光器30によって分光された後、その出射スリットで選
択された波長成分の光が、光検出器31によって検出さ
れる。
【0029】光検出器31としては、励起光によって決
まる波長域の近赤外光に対して充分な感度を有するもの
が用いられる。具体的には、例えば、近赤外光に感度が
ある光電子増倍管やフォトダイオード、CCDなどを用
いることが可能である。
【0030】また、ラマン散乱光の波長スペクトル(ラ
マンスペクトル)を得るためには、所定の波長域にわた
って分光されたラマン散乱光の測定を行う必要がある。
これに対して、単一の光検出器を用いた場合には、分光
器30の出射スリットによって選択される波長をスキャ
ンしていくことによって、各波長成分のラマン散乱光を
順次測定してラマンスペクトルを得る。
【0031】光検出器31で検出されたラマン散乱光の
検出信号は、光検出器31からプリアンプ32を介して
同時計数回路41へと入力される。また、この同時計数
回路41には、フォトダイオード16からの検出信号が
入力されている。このフォトダイオード16は、レーザ
光源10からの励起光の光路上に設置されたハーフミラ
ー15によって分岐された励起光の一部を検出する位置
に設置されている。
【0032】同時計数回路41は、以上の構成によっ
て、光検出器31で検出されたラマン散乱光の計数を、
レーザ光源10からの励起光の出射タイミングに対して
同期されたタイミングで行うための同期計数手段として
機能している。すなわち、同時計数回路41は、フォト
ダイオード16から入力される励起光検出信号によっ
て、レーザ光源10から供給されているパルス状の励起
光の出射タイミングを、それぞれのパルス光について特
定する。そして、その出射タイミングと同期させるため
のゲートをかけて、光検出器31から入力されるラマン
散乱光検出信号の計数を実行する。
【0033】同時計数回路41によるラマン散乱光の計
数は、パーソナルコンピュータなどを用いた分光測定制
御装置40によって制御される。また、この分光測定制
御装置40は、分光器30などの各装置の動作等を制御
するとともに、同時計数回路41によって計数されたラ
マン散乱光の計数データの取得や、データ加工、記憶装
置への記憶など、計数データに対して必要なデータ処理
を行う。
【0034】上記した実施形態によるラマン分光測定装
置においては、試料Sに照射してラマン散乱光を生成す
るためのパルス状の励起光として、波長範囲850nm
以上、より好ましくは900nm以上の所定波長、例え
ばNd:YAGレーザ光源からの波長1064nmの近
赤外光を用いている。
【0035】ラマン分光測定装置を用いて生体試料など
の試料を分析する場合、ラマンスペクトルを測定によっ
て取得し、そのラマンスペクトルで特定されたラマンピ
ークの波長または強度などから、試料の分析を行う。こ
のとき、試料Sまたは外部からのラマン散乱光以外のバ
ックグラウンド光が問題となる。
【0036】バックグラウンド光としては、上述したよ
うに、例えば試料からの高強度の蛍光や、室内光などの
外部からの光がある。これらのバックグラウンド光の影
響が大きいと、ラマンスペクトルの測定時間が長時間化
し、あるいは、ラマンスペクトルがバックグラウンド光
のスペクトルに埋もれてしまうなどの問題を生じる。
【0037】これに対して、上記のラマン分光測定装置
では、波長1064nmなど、下限波長850nm以上
の近赤外光を励起光として用いている。このような波長
領域は、生体試料等から発生される蛍光の強度が小さ
く、ほとんど観測されなくなる領域である。したがっ
て、このような波長の励起光を用いて生成されたラマン
散乱光を分光測定することによって、蛍光によるバック
グラウンド光の影響が大幅に低減された状態で、分析に
用いるラマンスペクトルを取得することが可能となる。
また、測定条件や試料の特性などから、特に蛍光の強度
を低減する必要があるときには、900nm以上の波長
範囲とすることが、より好ましい。
【0038】このとき、ラマン散乱光を検出する光検出
器31としては、近赤外光に対して高い感度を有する検
出器を用いることが好ましい。このような光検出器とし
ては、例えば光電面にInGaAsを用いた光電子増倍
管などがある。
【0039】また、光検出器31によって検出されたラ
マン散乱光の計数において、同時計数回路41を用い
て、レーザ光源10からの励起光の出射タイミングと同
期されたタイミングで、ラマン散乱光の計数を行ってい
る。
【0040】試料Sへの励起光をパルス光によって供給
する場合、パルス光が照射されてから次のパルス光の照
射までの間にはラマン散乱光が生成されない。したがっ
て、この間では、蛍光や室内光などのバックグラウンド
光のみが光検出器31で検出されることとなる。これに
対して、上記のように同時計数回路41で励起光の出射
タイミングとラマン散乱光の計数タイミングとを同期さ
せることによって、パルス光間で検出されるバックグラ
ウンド光を計数から除外して、さらにバックグラウンド
光の強度が低減されたラマンスペクトルを得ることが可
能となる。
【0041】例えば、測定及び分析の対象となる試料の
状態や位置を確認しつつ測定を実行するなど、ラマン分
光測定を通常の室内光の下で行う場合があるが、このと
き、室内光や室内光に起因する光が光検出器によって検
出されて、バックグラウンド光となる。このような場合
においても、励起光として近赤外光を用いるとともに、
同時計数回路などによる同期計数を行うことによって、
室内光の存在にかかわらず、ラマンスペクトルにおける
バックグラウンド光の強度を充分に低減することができ
る。
【0042】以上の構成から、ラマンスペクトルでのバ
ックグラウンド光の強度が低減されて、効率的に試料の
分析を行うことが可能なラマン分光測定装置が実現され
る。
【0043】なお、室内光などによる可視光が測定上問
題となる場合には、光検出器31によって検出されるラ
マン散乱光を含む光に対して、可視光成分を除去するた
めの可視光除去手段を設置することが好ましい。これに
よって、可視光に起因するバックグラウンド光の強度を
さらに低減することができる。
【0044】ただし、光検出器31として、可視光に対
する感度が低いものなどを用いた場合には、このような
可視光除去手段を設置することなく、可視光除去の効果
を得ることができる。また、可視光除去手段としては、
具体的には、分光器31の入射位置近傍の所定位置に可
視光カットフィルタを配置するなどの構成が適用可能で
ある。
【0045】図2は、図1に示したラマン分光測定装置
によって得られたラマンスペクトルの一例を示すグラフ
である。測定に用いたラマン分光測定装置の具体的な構
成については、レーザ光源10として、波長1064n
mのパルス光を周波数25kHz、パルス幅100ns
で供給するNd:YAGパルスレーザ光源(X30-106Q,
Spectra Physics)を用いた。また、導光光学系11の
集束レンズ13としては、f=100mm及び150m
mの2つのシリンドリカルレンズを用い、試料S上で1
00μm×1mmのスポットサイズに励起光を集束し
た。このとき、試料Sの加熱を抑制するため、N2ガス
を試料Sに吹付けて冷却を行った。照射される励起光強
度は、8mJ/cm2以下であった。
【0046】試料Sからのラマン散乱光を集光する集光
光学系21においては、F/1.6のコリメートレンズ
23、及びF/4.0の集束レンズ25を用い、また、
分散型の32cmシングルモノクロメータ(HR320, Job
in Yvon)を分光器30に適用して分光を行った。ま
た、ホログラフィックノッチフィルター24(Kaiser)
によるレイリー散乱光の除去と合わせて、分光器30の
入射位置の内側に設置した可視光カットフィルタ(RG-8
50, CVI Laser Corp.)によって、余分な可視光成分の
除去を行った。
【0047】分光器30では、600溝/mmの1.0
μm−ブレーズ回折格子によって、測定するラマン散乱
光の分散を行った。そして、分光されたラマン散乱光に
対して、光検出器31として近赤外光に感度を有するI
nGaAs光電子増倍管(浜松ホトニクス)を用いて、
ラマン散乱光を検出した。また、レーザ光源10からの
励起光を検出するフォトダイオード16としては、PI
N−typeフォトダイオード(浜松ホトニクス)を用
いた。
【0048】ラマン散乱光の波長スキャンは、それぞれ
スキャン幅およそ4cm-1/sで行い、800cm-1
1800cm-1の範囲でスキャンして分光測定を行っ
た。スキャンに要する時間は、およそ5分であった。
【0049】図2に示されている(a)、(b)、
(c)の3つのグラフは、いずれも生体の肺癌組織を試
料Sとしたラマン分光測定によって得られたラマンスペ
クトルを示している。ここで、各グラフの横軸はラマン
シフト(cm-1)、縦軸は各ラマンシフト値に対する検
出光子数(counts)である。
【0050】このうち、スペクトル(a)は、比較例と
して波長532nmの励起光を用いたラマン分光測定を
行って得られたラマンスペクトルである。このスペクト
ルでは、高強度の蛍光のため、スペクトルにおいてラマ
ンピークを特定することができなくなっている。
【0051】一方、スペクトル(b)及び(c)は、上
記した構成のラマン分光測定装置によって、波長106
4nmの励起光を用いたラマン分光測定を行って得られ
たラマンスペクトルを示している。ただし、スペクトル
(b)では、可視光カットフィルタを用いずに測定を行
っている。また、これらのスペクトルでは、いずれも数
学的データ処理等は行っていない。
【0052】これらのうち、スペクトル(b)では、得
られたラマンスペクトルに対して何らの数学的データ処
理を実行していないにもかかわらず、蛍光及び室内光に
よる影響の低減により、複数のラマンピークを有するラ
マンスペクトルの構造を充分に特定することができる。
【0053】ただし、このスペクトル(b)においては
室内光の影響が一部残留しており、蛍光灯に起因したH
g可視放射が測定されている。図中の1161cm-1
び1751cm-1に現れている信号は、それぞれ波長が
1214.0nm及び1307.6nmであり、これ
は、Hg輝線405nm及び436nmの3次光に相当
する。これに対して、可視光カットフィルタを適用した
スペクトル(c)では、上記したHg可視放射も除去さ
れており、さらにラマンピークを明確に特定可能となっ
ている。
【0054】以上より、近赤外の波長1064nmの励
起光を用いるとともに、励起光と同期させてラマン散乱
光の計数を行うことによって、数学的データ処理等を行
わない状態でも、バックグラウンド光の強度が充分に低
減されて、複数のラマンピークによるラマンスペクトル
の構造を容易に特定可能なラマンスペクトルを得ること
が可能となる。また、可視光カットフィルタを適用すれ
ば、さらにバックグラウンド光の強度を低減することが
できる。
【0055】図3は、本発明に係るラマン分光測定装置
の他の実施形態について概略的に示す構成図である。
【0056】本実施形態によるラマン分光測定装置は、
レーザ光源10、導光光学系11、試料載置台20、及
び集光光学系21については、図1に示したラマン分光
測定装置と同様の構成となっている。
【0057】一方、分光器30によって分光された試料
Sからのラマン散乱光を検出する光検出器31につい
て、出射スリットによって選択された波長の光成分を単
一の光検出器(シングルチャンネル)で検出するのでは
なく、ラマン散乱光の波長分布によって分光器30の出
射側に形成された光像を増倍するイメージインテンシフ
ァイア(I.I.)33と、増倍された光像または光電
子像を検出する撮像手段であるCCD34とによって構
成されたマルチチャンネル光検出器として、光検出器3
1を構成している。ここで、CCD34は、1次元セン
サとして構成されたマルチチャンネル検出器であり、分
光器30によって分光されたラマン散乱光を、所定の波
長域にわたって1度に測定可能なように配置されてい
る。
【0058】また、本実施形態においては、レーザ光源
10からの励起光の出射タイミングに対して同期された
タイミングでラマン散乱光の計数を行うための同期計数
手段として、イメージインテンシファイア33を駆動す
る電源やその制御回路等を含む光検出制御装置42が用
いられている。
【0059】この光検出制御装置42には、図1の実施
形態におけるフォトダイオード16からの励起光検出信
号に代わって、レーザ光源10からのトリガー信号が入
力されている。これによって、この光検出制御装置42
は、励起光出射のトリガー信号と同期してイメージイン
テンシファイア33を駆動制御して、ラマン散乱光を同
期計数する同期計数手段として機能している。
【0060】このように、分光されたラマン散乱光を検
出する光検出器31を、イメージインテンシファイア3
3及び1次元センサCCD34からなる構成など、複数
のチャンネル(複数の光検出器)からなるマルチチャン
ネル光検出器とすることによって、測定波長をスキャン
することなく、ラマン散乱光を所定の波長域にわたって
1度に測定可能となる。したがって、ラマン分光測定に
要する時間が短縮されるなど、その測定の効率が向上さ
れる。
【0061】図4(a)及び(b)は、(a)シングル
チャンネル光検出器、及び(b)マルチチャンネル光検
出器を用いたときのラマン分光測定について模式的に示
す図である。
【0062】シングルチャンネル光検出器を用いた場合
では、図4(a)に示すように、分光器30の出射位置
に分光されて形成された波長スペクトルの光像(図中で
は、横方向に並んだ複数の楕円状スポットによって、複
数のラマンピークを有するラマンスペクトルによる光像
を図示している)のうち、所定の波長成分のみを出射ス
リット30aで選択し、シングルチャンネル光検出器3
1で検出する。そして、このような測定を出射スリット
30aによる選択波長をスキャンしつつ複数回実行して
いき、所定の波長域にわたるラマンスペクトルを取得す
る。
【0063】これに対して、マルチチャンネル光検出器
を用いた場合では、図4(b)に示すように、分光され
た光に対して出射スリット30aによる波長選択を行わ
ず、波長スペクトルに対応する光像をそのままマルチチ
ャンネル光検出器31で検出する。したがって、波長を
スキャンしなくても、所定の波長域にわたるラマンスペ
クトルを1度に取得することが可能となる。
【0064】また、測定時間が短縮されることなどか
ら、図5に示すように、光検出器31の暗電流が多く検
出されてしまうシングルチャンネル光検出器の場合(図
5(a))に比べて、マルチチャンネル光検出器を用い
れば(図5(b))、暗電流によるバックグラウンドを
も低減することができる。
【0065】図6は、図1及び図3に示したラマン分光
測定装置によってそれぞれ得られるラマンスペクトルを
比較するグラフである。ここで、グラフAは、図3に示
したマルチチャンネル光検出器31での、測定時間40
0秒のラマン分光測定によって得られたラマンスペクト
ルを示し、また、グラフBは、図1に示したシングルチ
ャンネル光検出器31での、測定時間5時間のラマン分
光測定によって得られたラマンスペクトルを示してい
る。
【0066】このように、マルチチャンネル測定による
グラフAは、グラフBに比べて、スペクトルの取得に必
要とされる測定時間が大幅に短縮されており、かつ、ラ
マンピークをより明確に特定可能な、バックグラウンド
光の影響が少ないラマンスペクトルとなっている。
【0067】上記したラマン分光測定装置は、様々な試
料の分析に適用することが可能である。特に、近年、タ
ンパク質や核酸などの生体に含まれる物質や生体組織な
どの生体試料に対して、ラマン分光測定によって生体試
料を分析する方法が検討されている。このような生体試
料分析に対しても、本ラマン分光測定装置を適用するこ
とが可能である。
【0068】ラマン分光測定の測定対象となる試料Sを
生体試料として、上記したラマン分光測定装置を用いて
行った生体試料の分析について、図7及び図8にその例
を示す。ここで、図7及び図8に示されている各グラフ
は、いずれも図1に示したシングルチャンネル光検出器
によるラマン分光測定装置を用い、図2(c)のラマン
スペクトルとほぼ同様の測定条件でのラマン分光測定に
よって得られたラマンスペクトルである。
【0069】図7は、5つの生体試料に対するラマン分
光測定で得られたラマンスペクトルを示している。測定
及び分析の対象とした試料は、それぞれ(a)コラーゲ
ン、(b)リゾチーム、(c)DNA、(d)ホスファ
チジルコリン、及び(e)グルコース1リン酸塩であ
る。これらに対するいずれのラマンスペクトルも、それ
ぞれ複数のラマンピークの波長等が明確に特定可能であ
り、これらのラマンスペクトルデータから、生体試料の
分析を行うことができる。
【0070】例えば、(c)DNAのラマンスペクトル
では、アデニン及びグアニンに起因するラマンシフト1
490cm-1のラマンピーク(ラマンバンド)が特定さ
れている。このラマンバンドは、プロテインのラマンバ
ンドから充分に分離された波長に位置しており、したが
って、ラマンスペクトルでのDNAの良い指標となる。
【0071】また、図8は、3つの生体組織に対するラ
マン分光測定で得られたラマンスペクトルを示してい
る。測定及び分析の対象とした生体試料である生体組織
は、それぞれ(a)正常肝臓組織、(b)正常肺組織、
及び(c)肺癌組織(扁平上皮癌組織)である。また、
これらの組織は、ホルマリン固定組織の状態で試料とし
ている。
【0072】それぞれのラマンスペクトルには、図7と
同様に、それぞれ特定されたラマンピーク(ラマンバン
ド)について波長を付記してある。これらのラマンピー
クは、それぞれ、測定対象とした各組織間で共通のラマ
ンピークや、その組織に特有のラマンピーク等からな
る。したがって、それぞれのラマンスペクトルに対し
て、得られたラマンピークの波長等を特定することによ
って、例えば、肝臓組織及び肺組織などの異なる組織の
区別、あるいは、正常肺組織及び肺癌組織などの組織の
状態の弁別を行うことができる。
【0073】以上、図7及び図8のラマンスペクトルに
よって示したように、生体試料に対して上記したラマン
分光測定装置を適用することによって、バックグラウン
ド光の強度が低減されたラマンスペクトルを取得して、
効率的に分析を行うことが可能な生体試料分析方法が実
現される。
【0074】なお、波長1064nmの励起光を用いた
ラマン分光測定については、米国特許5261410号
公報に記載がある。しかしながら、この文献に記載され
たラマン分光測定装置では、充分にバックグラウンド光
の強度が低減されているとは言えない(上記文献の図2
〜図4参照)。
【0075】これに対して、本発明によるラマン分光測
定装置は、近赤外の励起光を用いると同時に、励起光の
出射タイミングと同期された計数タイミングで、分光さ
れたラマン散乱光の計数を行っている。このとき、図8
にラマン分光測定の例を示したように、バックグラウン
ド光が充分に低減されたラマンスペクトルを取得するこ
とができる。これによって、これまで特定ができなかっ
た多くのラマンピークについても特定が可能となり、ラ
マンスペクトルを用いた正常組織及び癌組織の弁別など
が、より確実かつ効率的に実現可能となるものである。
【0076】本発明によるラマン分光測定装置は、上記
した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可
能である。例えば、分光器30や光検出器31について
は、上記したものに限らず、様々な種類の分光器または
光検出器を適用することが可能である。また、励起光出
射とラマン散乱光計数とを同期させる同期計数手段につ
いても、上記した同時計数回路及び光検出制御装置を用
いて同期させる構成に限らず、様々な同期方法を用いる
ことが可能である。
【0077】また、分光測定制御装置40については、
例えばさらに表示装置を接続しておき、分光測定制御装
置40においてオンラインでラマンスペクトルを生成し
て、表示装置に表示する構成としても良い。
【0078】また、ラマン分光測定装置を用いた生体試
料分析方法についても、上記した例以外にも、様々な生
体試料、またはそれらの分析、弁別に対して適用するこ
とが可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明によるラマン分光測定装置及びそ
れを用いた生体試料分析方法は、以上詳細に説明したよ
うに、次のような効果を得る。すなわち、生体試料など
の試料の分析に用いるラマン分光測定装置において、試
料に照射してラマン散乱光を生成するためのパルス状の
励起光として、所定の下限波長以上、具体的には850
nm以上の波長範囲内の所定波長、例えばNd:YAG
レーザ光源からの波長1064nmの近赤外光を用い
る。そして、励起光の出射タイミングと同期されたタイ
ミングで、分光されたラマン散乱光の計数を行う。
【0080】このように、試料からの蛍光が低減される
近赤外の波長範囲を用いることによって、ラマンスペク
トルでの蛍光によるバックグラウンド光の強度を低減す
ることができる。また、励起光との同期計数を行うこと
によって、パルス状の励起光が照射されていない間での
バックグラウンド光の計数を防止して、さらに、蛍光及
び室内光などによるバックグラウンド光の強度を低減す
ることができる。以上より、ラマンスペクトルでのバッ
クグラウンド光の強度が低減されて、効率的に試料の分
析を行うことが可能なラマン分光測定装置、及び効率的
に生体試料を分析可能な生体試料分析方法が実現され
る。
【0081】上記したラマン分光測定装置及び生体試料
分析方法は、人体への非侵襲検査測定などにも応用が可
能である。このように非侵襲検査に用いた場合、通常は
室内光の下でラマン分光測定が行われることとなるが、
本発明によるラマン分光測定装置によれば、同期計数に
よって室内光を充分に除去することが可能であり、した
がって、室内光下においても、充分にバックグラウンド
光の強度が低減されたラマンスペクトルを取得すること
が可能である。
【0082】また、バックグラウンド光の強度の低減な
どにより、ラマンスペクトルの取得を効率化することが
可能となる。これによって、測定対象である試料または
人体内の組織等への励起光の照射による損傷を充分に防
止しつつ、ラマン分光測定による生体試料などの試料の
分析を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラマン分光測定装置の一実施形態について概略
的に示す構成図である。
【図2】図1に示したラマン分光測定装置によって得ら
れたラマンスペクトルの一例を示すグラフである。
【図3】ラマン分光測定装置の他の実施形態について概
略的に示す構成図である。
【図4】シングルチャンネル及びマルチチャンネルの光
検出器によるラマン分光測定を模式的に示す図である。
【図5】シングルチャンネル及びマルチチャンネルの光
検出器によるラマン分光測定で得られるラマンスペクト
ルを模式的に示すグラフである。
【図6】図1及び図3に示したラマン分光測定装置によ
って得られたラマンスペクトルを比較するグラフであ
る。
【図7】図1に示したラマン分光測定装置によって得ら
れたラマンスペクトルの他の例を示すグラフである。
【図8】図1に示したラマン分光測定装置によって得ら
れたラマンスペクトルの他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
10…レーザ光源、11…導光光学系、12…NDフィ
ルター、13…集束レンズ、14…反射ミラー、15…
ハーフミラー、16…PINフォトダイオード、20…
試料載置台、21…集光光学系、22…反射ミラー、2
3…コリメートレンズ、24…ホログラフィックノッチ
フィルター、25…集束レンズ、26…レーザ光源、3
0…分光器、31…光検出器、32…プリアンプ、33
…イメージインテンシファイア、34…1次元センサC
CD、40…分光測定制御装置、41…同時計数回路、
42…光検出制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500297672 甲田 英一 東京都世田谷区代沢1−29−24 (72)発明者 ▲浜▼口 宏夫 神奈川県川崎市麻生区王禅寺613−108 (72)発明者 伊藤 利昭 静岡県浜松市参野町281−4 (72)発明者 甲田 英一 東京都世田谷区代沢1−29−24 (72)発明者 紙中 庄司 東京都文京区白山3−2−2 レジャンシ ック小石川402 (72)発明者 山崎 裕哉 東京都調布市調布ヶ丘3−39−11−706 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 CA05 DA06 EA03 FA01 FA02 GA07 GA08 GB07 GB21 HA01 HA02 HA09 JA01 JA03 KA01 KA05 KA08 KA09 LA03 MA01 NA01 NA04 2G045 AA26 CB01 CB02 DA12 DA13 DA14 DA36 FA14 FA19 FA25 FA28 FA29 GC11 JA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラマン分光測定の測定対象に照射され
    る、近赤外で850nm以上の波長範囲内の所定波長を
    有するパルス状の励起光を出射する励起光源と、 前記励起光が照射された前記測定対象からのラマン散乱
    光を分光する分光手段と、 前記分光手段で分光された前記ラマン散乱光を検出する
    光検出手段と、 前記光検出手段で検出された前記ラマン散乱光の計数
    を、前記励起光源からの前記励起光の出射タイミングに
    対して同期されたタイミングで行うための同期計数手段
    と、を備えることを特徴とするラマン分光測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光検出手段で検出される前記ラマン
    散乱光を含む光に対して、可視光成分を除去するための
    可視光除去手段をさらに備えることを特徴とする請求項
    1記載のラマン分光測定装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出手段は、前記分光手段で分光
    された前記ラマン散乱光を、所定の波長域にわたって1
    度に測定可能なマルチチャンネル光検出器であることを
    特徴とする請求項1記載のラマン分光測定装置。
  4. 【請求項4】 前記マルチチャンネル光検出器は、前記
    分光手段で分光された前記ラマン散乱光からなる光像を
    増倍するイメージインテンシファイアと、増倍されて得
    られた光像または光電子像を検出する撮像手段と、を有
    することを特徴とする請求項3記載のラマン分光測定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記励起光源は、前記所定波長として波
    長1064nmの前記励起光を出射するレーザ光源であ
    ることを特徴とする請求項1記載のラマン分光測定装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項記載のラマ
    ン分光測定装置を用いた生体試料分析方法であって、 前記測定対象を生体試料として、前記ラマン分光測定装
    置を用いて前記ラマン分光測定を行うとともに、前記ラ
    マン散乱光を計数して得られたラマンスペクトルによっ
    て、前記生体試料の分析を行うことを特徴とする生体試
    料分析方法。
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