JP5494333B2 - 自動車のケーブルの配索構造 - Google Patents
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Description
車両前部に積載された発電用モータと車両後部に積載されたバッテリとを接続するケーブルがフロアパネルの下面に沿って配索されている自動車のケーブルの配索構造に関する。
そこで、特許文献1に開示されているように、ケーブルを側面視クランク状に曲げるL字形の保護カバーをギアケースに取り付け、自動車の前方衝突によりケーブルが車両前方側から圧縮力を受けた時に、ケーブルが折れ曲がるようにすることで(特許文献1の図4参照)断線・損傷を防ぐ手段が提案されていた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、ケーブルの断線・損傷を確実に防止することができ、しかも製作コストを低廉化することができる自動車のケーブルの配索構造を提供する点にある。
車両前部に積載された発電用モータと車両後部に積載されたバッテリとを接続するケーブルがフロアパネルの下面に沿って配索されている自動車のケーブルの配索構造であって、
前記フロアパネルに形成された上方に凸のフロアトンネル内に剛性を備えた剛性筒材が車両前後方向に沿って配設されるとともに、前記剛性筒材と発電用モータの間に可撓性を備えた可撓性筒材が介在して、前記剛性筒材と可撓性筒材に前記ケーブルが挿通され、
前記剛性筒材の前端部が前記フロアトンネルの前端縁よりも車両後方側の前記フロアトンネル内に配置されて、前記可撓性筒材が車両前方側から圧縮力を受けた時に、前記可撓性筒材が前記フロアトンネル内に押し曲げられて収容される点にある。(請求項1)
これにより、フロアトンネル内に収容された可撓性筒材及びケーブルをフロアトンネルで保護することができて、可撓性筒材の変形・ケーブルの切断・損傷を防止することができる。
また、可撓性筒材がフロアトンネル内に押し曲げられることから、衝突の力を逃がすことができて、可撓性筒材の変形・ケーブルの切断・損傷をより防止しやすくすることができる。
そして、ケーブルを筒材(剛性筒材と可撓性筒材)で覆うから、L字形のカバーでケーブルを覆う場合よりも構造を簡素化できて製作コストを低廉化することができる。(請求項1)
エンジン系の部品に固定されたブラケットに前記可撓性筒材の前端部が固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
前記可撓性筒材の前端部は前記エンジン系の部品のブラケットにクランプで固定され、
前記剛性筒材は前記フロアトンネルの一方の側壁寄りに配置され、
前記クランプは前記フロアトンネルの他方の側壁寄りに配置されて、前記可撓性筒材が車両前方側から圧縮力を受けた時に、前記剛性筒材と前記クランプの間の空間に前記可撓性筒材が収容されると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記ケーブルの後部は車室導入パイプを介して車室内に導入され、
前記剛性筒材の後端部と前記車室導入パイプの間に可撓性を備えた後ろ側可撓性筒材が介在して前記後ろ側可撓性筒材に前記ケーブルが挿通され、
前記後ろ側可撓性筒材はサスペンションフレームと前記フロアパネルの下面との間に通されていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
ケーブルの断線・損傷を確実に防止することができ、しかも製作コストを低廉化することができる自動車のケーブルの配索構造を提供することができた。
図1,図2にハイブリッド車(HEV)のケーブルの配索構造を示してある。このケーブルの配索構造は、車両前部に積載された発電用モータMと、車両後部のトランクルームに積載されたバッテリ(HEV用電池、図示せず)とを接続する第1ケーブル1Aがフロアパネル2の下面2Kに沿って配索され、補機バッテリなどの電装部品と前記バッテリとを接続する第2ケーブル1Bが前記フロアパネル2の下面2Kに沿って配索されて構成されている。前記第1ケーブル1Aと第2ケーブル1Bは複数のケーブル線を束ねて形成されている。
[ケーブルの前部の配索構造]
図7に示すように、第1ケーブル1Aの後部と第2ケーブル1Bの後部は纏められて単一の車室導入パイプ17を介して車室内に導入されている。左側のアルミパイプ5の後端部5Bと車室導入パイプ17の間、及び、右側のアルミパイプ35の後端部35Bと車室導入パイプ17の間には可撓性を備えた後ろ側ゴムチューブ7,37(後ろ側可撓性筒材に相当)がそれぞれ介在し、左右一対の後ろ側ゴムチューブ7,37に第1ケーブル1Aと第2ケーブル1Bが各別に挿通されている。
補機バッテリなどの電装部品に接続する第2ケーブル1Bは、右側のアルミパイプ35の前端部35Aから突出した後、ダッシュパネル3のエンジンルーム側の面に沿って適宜固定されながら上方に向かって配索されて電装部品に接続する。この第2ケーブル1Bは伝達する電気量が少なくて感電の危険性も無い上、第2ケーブル1Bを挟んで断線させるような大型の部品が周囲に存在しない。
(1) 図5,図6に示すように、自動車が前突(前方衝突)して前側ゴムチューブ6が車両前方側Frから圧縮力を受けると、可撓性を備えた前側ゴムチューブ6がフロアトンネル4内に押し曲げられて収容される。
これにより、フロアトンネル4内に収容された前側ゴムチューブ6及び第1ケーブル1Aをフロアトンネル4で保護することができて、左側のアルミパイプ5の変形・第1ケーブル1Aの切断・損傷を防止することができる。
また、前側ゴムチューブ6がフロアトンネル4内に押し曲げられることから、衝突の力を逃がすことができて、前側ゴムチューブ6の変形・第1ケーブル1Aの切断・損傷をより防止しやすくすることができる。
前記クランプ16はフロアトンネル4の他方の側壁4S2寄りに配置されて、前側ゴムチューブ6が車両前方側Frから圧縮力を受けた時に、左側のアルミパイプ5とクランプ16の間の空間Sに前側ゴムチューブ6が収容される。これにより、前側ゴムチューブ6内の第1ケーブル1Aに曲げの負荷がなるべくかからないようにすることができ、第1ケーブル1Aの断線・損傷を確実に防ぐことができる。
(1) 後ろ側ゴムチューブ7がサスペンションフレーム9とフロアパネル2の下面2Kとの間に通されていると、サスペンションフレーム9とフロアパネル2で後ろ側ゴムチューブ7を保護することができ、サスペンションフレーム9と車体に第1ケーブル1Aが挟まれることを防止することができて、第1ケーブル1Aの断線・損傷を防止することができる。
(2) 上記の実施形態ではハイブリッド車(HEV)を例に挙げて説明したが、本発明はEV車(電気自動車)にも適用することができる。
2 フロアパネル
2K フロアパネルの下面
4 フロアトンネル
4M フロアトンネルの前端縁
4S1 フロアトンネルの一方の側壁
4S2 フロアトンネルの他方の側壁
5 剛性筒材
5A 剛性筒材の前端部
5B 剛性筒材の後端部
6 可撓性筒材(前側ゴムチューブ)
6A 可撓性筒材の前端部
7 後ろ側可撓性筒材(後ろ側ゴムチューブ)
9 サスペンションフレーム
14 エンジン系の部品(ドライブユニット)
15 ブラケット
16 クランプ
17 車室導入パイプ
Fr 車両前方側
M 発電用モータ
Rr 車両後方側
S 剛性筒材とクランプの間の空間
Claims (4)
- 車両前部に積載された発電用モータと車両後部に積載されたバッテリとを接続するケーブルがフロアパネルの下面に沿って配索されている自動車のケーブルの配索構造であって、
前記フロアパネルに形成された上方に凸のフロアトンネル内に剛性を備えた剛性筒材が車両前後方向に沿って配設されるとともに、前記剛性筒材と発電用モータの間に可撓性を備えた可撓性筒材が介在して、前記剛性筒材と可撓性筒材に前記ケーブルが挿通され、
前記剛性筒材の前端部が前記フロアトンネルの前端縁よりも車両後方側の前記フロアトンネル内に配置されて、前記可撓性筒材が車両前方側から圧縮力を受けた時に、前記可撓性筒材が前記フロアトンネル内に押し曲げられて収容される自動車のケーブルの配索構造。 - エンジン系の部品に固定されたブラケットに前記可撓性筒材の前端部が固定されている請求項1記載の自動車のケーブルの配索構造。
- 前記可撓性筒材の前端部は前記エンジン系の部品のブラケットにクランプで固定され、
前記剛性筒材は前記フロアトンネルの一方の側壁寄りに配置され、
前記クランプは前記フロアトンネルの他方の側壁寄りに配置されて、前記可撓性筒材が車両前方側から圧縮力を受けた時に、前記剛性筒材と前記クランプの間の空間に前記可撓性筒材が収容される請求項1又は2記載の自動車のケーブルの配索構造。 - 前記ケーブルの後部は車室導入パイプを介して車室内に導入され、
前記剛性筒材の後端部と前記車室導入パイプの間に可撓性を備えた後ろ側可撓性筒材が介在して前記後ろ側可撓性筒材に前記ケーブルが挿通され、
前記後ろ側可撓性筒材はサスペンションフレームと前記フロアパネルの下面との間に通されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動車のケーブルの配索構造。
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