JP5493612B2 - 画像形成方法、トナー及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
定着に要するエネルギーを低減するため、特許文献1にはトナーを中空構造にする発明が開示されている。しかし、特許文献1に開示の技術においては中空構造の空隙が非常に大きく、定着に達するまでの現像や転写といったプロセスに経時にわたって耐えることが難しかった。また、実施例における中空トナーは空隙率が80%以上であると推定される。トナーの空隙率が高いと、べた部の画像欠損(光沢低下)やブロッキングが起こるとされている。
一方、空隙率の比較的低いトナーが、特許文献2や特許文献3に開示されている。特許文献2には空隙率2〜12%のトナーが開示され、特許文献3には空隙率0.03〜15.6%のトナーが開示されている。しかし、従来一般的に用いられている定着装置では、この程度の空隙率では定着性の向上効果は発揮できない。このように、空隙を有するトナーについて、現像などのプロセスに問題なく使用でき、かつ定着エネルギー低減に貢献できるような技術はいままでなかった。
また、特許文献4には、定着ローラの外径形状を、中央部から端部に向かうにつれ徐々に外径が大きくなり、次いで徐々に外径が小さくなることを繰り返す波状形状の定着ローラが開示されている。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明の画像形成方法は、少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー画像を接触方式の定着装置を用いて記録媒体に定着する工程を有する画像形成方法において、前記定着装置は、加熱源によって加熱される定着部材と、当該定着部材に圧接して配設された加圧部材を備え、前記定着部材と前記加圧部材が互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置であり、前記定着部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する定着ローラであり、前記加圧部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する加圧ローラであり、前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させていて、前記定着部材と前記加圧部材の線速度が少なくとも部分的に異なり、前記トナーは、長径が0.2μm以上の空隙を有し、かつ空隙率が2〜50%であることを特徴とする。
2.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成したことを特徴とする。
3.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記クラウン部と前記逆クラウン部を、軸方向に連続して形成したことを特徴とする。
4.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラ及び前記加圧ローラは弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記加圧ローラの前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定したことを特徴とする。
5.本発明の画像形成方法は、さらに、前記クラウン部及び前記逆クラウン部を、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの少なくとも記録媒体の最大通過幅全体に対応する部分に渡って配設したことを特徴とする。
6.本発明の画像形成方法は、さらに、前記クラウン部及び前記逆クラウン部を、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの記録媒体の最大通過幅の一部に対応する部分に配設したことを特徴とする。
7.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方と、前記加圧ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方に、直線部を形成したことを特徴とする。
8.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させた負荷状態において、前記定着ニップにおける前記クラウン部の頂部と前記逆クラウン部の底部との高低差を、0.16mm以上であって0.8mm以下に設定したことを特徴とする。
9.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラ及び前記加圧ローラは、金属製の芯材の外周面に弾性層を被覆して構成されたものであって、前記芯材及び前記弾性層の少なくとも一方の厚さを軸方向に渡って変化させて前記クラウン部及び逆クラウン部を形成したことを特徴とする。
10.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラを、芯材の外周面に弾性層を有しないローラで構成すると共に、当該定着ローラの前記芯材の外周面を軸方向に渡って湾曲させることにより、前記クラウン部と前記逆クラウン部を形成したことを特徴とする。
12.本発明の画像形成方法は、さらに、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの軸方向の同じ側の端部を、軸方向に位置決めすると共に、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記位置決めされた端部と反対側の端部を軸方向に変位可能に構成したことを特徴とする。
13.本発明の画像形成方法は、さらに、前記トナーの空隙がほぼ円形であることを特徴とする。
14.本発明の画像形成方法は、さらに、前記トナーは、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂と着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、水系媒体中に分散させることによって得られることを特徴とする。
15.本発明の画像形成方法は、さらに、前記油相は、活性水素と反応する官能基を有するポリマーをさらに有することを特徴とする。
トナー中に空隙を存在させることにより、加熱され外的な力が加わったときに変形をしやすくなり、従来よりも低い温度で定着できる。ただし、空隙内には空気などの気体が存在するため、その熱伝導率の低さから未定着画像の下の方まで熱が伝わりにくく、画像表面のトナーは溶融するものの紙面付近のトナーは十分に溶融できず、その結果十分な定着強度を持たせるためには従来と同等の加熱が必要である。
そこで、定着部材と加圧部材にわずかに線速度の差をもたせることで、トナーにずりの力がはたらき、変形をさらに促進するとともに、トナー内部の空隙のトナー外への脱出をも促進し、その結果未定着画像のトナーに効率良く熱を与えることができ定着性が向上するものと考えられる。
トナー中の空隙は、トナーの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観測したときに、空隙率が2〜50%の範囲であれば上記効果が得られる。トナーの空隙率は、好ましくは5〜35%、より好ましくは7〜20%である。空隙率の具体的な分析方法は後述するが、空隙率は以下の式で表される。
(空隙率)=(空隙部分の面積)/((トナー組成物部分の面積)+(空隙部分の面積))×100
トナーの空隙率が2%未満では、加熱されたときのトナー変形しやすさは変わらないため、定着性が向上されない。一方、トナーの空隙率が50%を超えると、定着以前の画像形成プロセス、例えば現像や転写などで加わる力学的なストレスによってトナーが変形したり破断したりしてしまい、表面の外添剤の被覆状態にムラができ、その結果、画像品位を劣化させることとなる。
また、トナー中に存在する空隙の長径は0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上である。トナーの空隙の長径が0.2μm未満の場合、トナー溶融時にずりの力で変形を促進させても気泡が脱出しにくく、定着性が不十分になる。また、トナーの空隙の長径が3μmを超えるような場合は、力学的なストレスに対して脆弱になるので、トナーの空隙は3μm以下であることが好ましい。
さらに、トナー中の空隙の形状は円形に近い方が、現像や転写などのストレスなどの力を分散できる観点から好ましい。
本発明において、トナー中に空隙を形成する方法としては特に限定をされないが、例えば有機溶媒中に少なくとも結着樹脂と着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、界面活性剤などを含む水系媒体中に分散、懸濁させることによってO/W分散体を得る方法において、油相の処方や分散の方法、水系媒体中の組成物の好適な選択などにより、油滴中に水系媒体の微粒子を存在させる、いわゆるW/O/W型の分散体を形成させ、得られたW/O/W型の分散体から有機溶媒を除去して水系媒体を内包した着色樹脂粒子を得て、次いで洗浄、さらに十分な乾燥を行うことで内部の水分を除去し、その結果、内部に空隙を有するトナー母体粒子を得る方法が挙げられる。
ここでいう分散質とは、具体的には、着色剤や離型剤といったものが挙げられるが、これら以外にも分散状態の制御のための分散質を添加してもかまわない。
W/O/W型の分散状態を得るためには、油相を水系媒体中に添加した後で十分に乳化分散を行い、油相液滴中に水系媒体を抱き込ませる必要がある。乳化分散工程が不十分であると、油相液滴中に水系媒体がうまく取り込まれず、空隙を形成することができない。
洗浄工程では、水系媒体を内包した着色樹脂粒子を、ろ過や遠心分離、フィルタープレス、デカンテーションなどの方法で分離し、次いで純水で残存した界面活性剤などを洗い落とすが、ある程度洗浄が進んだ段階で着色樹脂粒子を水中に分散させ、得られたスラリーを攪拌しながら結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱する。着色樹脂粒子内の水系媒体は界面活性剤などの電解質を含んでいるため浸透圧がはたらき、着色樹脂粒子の外の水分が着色樹脂粒子の中に入り込み、着色樹脂粒子内部の水系媒体部分を広げる。その結果、洗浄・乾燥後のトナー母体粒子内の空隙が大きくなる。
また、加熱による着色樹脂粒子同士の合一を防ぐ目的で、界面活性剤を適量添加してもよい。しかし、イオン性の界面活性剤を用いると、洗浄水の電解質濃度が高くなり、また電荷反発による圧縮力が着色樹脂粒子にかかるため、空隙の拡大をしにくくなる。したがって、界面活性剤の添加量は、必要最低限の量に抑えるべきである。なお、ノニオン性の界面活性剤は着色樹脂粒子に浸透し除去がしにくくなるため、最終的に出来上がるトナーに可塑効果が現れてしまい、保存安定性や電子写真プロセスでの耐ストレス性などが低下してしまうため、使用しない方が好ましい。
定着装置において、定着部材と加圧部材との間に線速度の差をもたせることにより、定着時に未定着画像上のトナーの変形とトナー内部の空隙の脱出を促進することができる。
定着部材と加圧部材の線速度差を持たせる方法としては、定着部材と加圧部材の駆動を制御して任意の線速度にすればよい。
前記線速度の差は0.5〜5mm/secの範囲に設定するのが好ましい。前記線速度の差が0.5mm/sec未満であると、トナーにかかるずりが不十分となる可能性がある。一方、5mm/secを超えるとずりが大きくなることにより画像のずれが見られるようになる。また、加圧部材の線速度が定着部材の線速度よりも大きいことが好ましい。
また、線速度は定着部材と加圧部材全体を通じで異なっていてもよいし、部分的に異なるような場合であっても本発明の効果が発揮される。
線速度が部分的に異なるような定着装置の具体例としては、例えば、定着部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する定着ローラであり、加圧部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する加圧ローラであり、定着ローラのクラウン部と加圧ローラの逆クラウン部を対応させると共に、定着ローラの逆クラウン部と加圧ローラのクラウン部を対応させて、定着ローラと加圧ローラを互いに圧接させた定着装置が挙げられる。
このうち、線速度が部分的に異なる定着装置の方が、記録用紙に伝わるずりのロスが少ないため好ましい。
この場合、定着部材と加圧部材の速度差の最大を5mm/sec以下に抑えるのが好ましい。
定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じていると、定着ローラと加圧ローラを圧接して負荷状態とした際に、軸方向に渡って定着ニップに圧力ムラが生じ、画像ノイズの発生する虞がある。そこで、上記のように、定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で互いに接触させた場合に、対応するクラウン部と逆クラウン部との間に隙間が生じないようにすることによって、画像ノイズの発生を抑制することができると共に、記録用紙の分離性を確保することが可能である。
前記定着装置は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラは弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記加圧ローラの前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定したものであってもよい。定着ローラと加圧ローラを無負荷状態で接触させた場合に、各ローラの弾性層の厚みの和を一定にすることによって、定着ローラ及び加圧ローラの回転方向における圧力ピーク値を軸方向に渡って一定にすることができる。これにより、定着ニップにおける圧力ムラを抑制することができ、画像ノイズの発生を抑制することが可能である。
前記定着装置は前記クラウン部及び前記逆クラウン部を、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの記録媒体の最大通過幅の一部に対応する部分に配設したものであってもよい。クラウン部及び逆クラウン部を、定着ローラ及び加圧ローラの記録媒体の最大通過幅の一部に対応する部分に配設することにより、記録媒体を湾曲させて定着ニップから搬出することができ、記録媒体の定着ローラへの巻き付きを抑制することができる。
前記定着装置は前記定着ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方と、前記加圧ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方に、直線部を形成したものであってもよい。
定着ローラと加圧ローラを互いに圧接させた上記負荷状態において、定着ニップにおけるクラウン部の頂部と逆クラウン部の底部との高低差が0.16mm未満であると、定着ニップにおいて記録媒体の湾曲量が少なくなり、記録媒体を良好に分離させるために必要な記録媒体の見かけ上の剛性が得られなくなる虞がある。そのため、クラウン部の頂部と逆クラウン部の底部との高低差を0.16mm以上に設定することによって、記録媒体の見かけ上の剛性を十分に確保し、記録媒体の定着ローラへの巻き付きを確実に抑制することができる。一方、上記負荷状態において、定着ニップにおけるクラウン部の頂部と逆クラウン部の底部との高低差が0.8mmを超えると、クラウン部と逆クラウン部における回転速度差が大きくなり記録媒体にシワが発生する虞がある。そのため、クラウン部の頂部と逆クラウン部の底部との高低差を0.8mm以下に設定することによって、記録媒体にシワを発生させずに搬出することができ、良好な画像形成を行うことができる。
前記定着装置において、前記定着ローラを、芯材の外周面に弾性層を有しないローラで構成すると共に、当該定着ローラの前記芯材の外周面を軸方向に渡って湾曲させることにより、前記クラウン部と前記逆クラウン部を形成したものであってもよい。
上記のような定着ローラを適用した場合も、定着ニップを湾曲させることができるので、記録用紙の分離性を確保することが可能である。前記定着装置において、前記加圧ローラは、芯材の外周面に弾性層を被覆して構成されたものであって、当該加圧ローラの前記芯材の外周面を軸方向に渡って湾曲させることにより、前記クラウン部と前記逆クラウン部を形成したものであってもよい。
前記定着装置において、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの軸方向の同じ側の端部を、軸方向に位置決めすると共に、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記位置決めされた端部と反対側の端部を軸方向に変位可能に構成したものであることが好ましい。
定着ローラと加圧ローラのそれぞれの軸方向の同じ側の端部を軸方向に位置決めすると共に、定着ローラと加圧ローラのそれぞれの位置決めされた端部と反対側の端部を軸方向に変位可能に構成することにより、定着ローラに熱膨張による伸長が生じても、定着ローラと加圧ローラを軸方向の同じ端部側に伸長(変位)させることが可能となる。これにより、クラウン部と逆クラウン部との間の位置ずれを抑制することができ、定着ニップにおける接触圧にばらつきが生じるのを抑制することができる。
定着ローラのクラウン部と押圧部材の凹面部を対応させて配設すると共に、定着ローラの逆クラウン部と押圧部材の凸面部を対応させて配設して、定着ローラと加圧ベルトを互いに圧接させているため、定着ニップは湾曲して形成される。記録媒体を定着ニップに侵入させることによって、記録媒体を湾曲させることができ、記録媒体の見かけ上の剛性を向上させて定着ニップから搬出することができる。これにより、記録媒体を定着ニップから搬出させる際に、記録媒体が定着ローラに巻き付くことを抑制することができる。
また、クラウン部と凹面部を対応させ、逆クラウン部と凸面部を対応させて、定着ローラと加圧ベルトを圧接させるため、定着ニップにおける接触圧のばらつきを抑制することが可能である。これにより、定着した画像に光沢度ムラが発生するなどの不具合を抑制することができ、良好な画像形成を実現することができる。
図2に本発明の実施形態1に係る定着装置の一例の構成を示す。図2に示すように、定着装置27は、定着ローラ61と、その定着ローラ61に圧接して配設された加圧ローラ62を備える。定着ローラ61と加圧ローラ62が互いに圧接された箇所には定着ニップNが形成されている。
また、定着ローラ61の周囲には、定着ローラ61の表面温度を検知する温度検知装置64が配設してある。図示しない制御装置が、温度検知装置64が検知した定着ローラ61の表面温度に基づいて加熱源63の発熱量を制御することにより、定着ローラ61の表面温度が所定の定着温度となるように構成されている。加圧ローラ62は、円筒状に形成された金属製の芯材621と、その芯材621の外周面を被覆する弾性層622と、その弾性層622の外周面を被覆する離型層623を有する。
図7に、本発明の実施形態2を示す。図7に示す定着ローラ61及び加圧ローラ62は、それぞれの弾性層612,622の厚さを、軸方向に渡って変化させている。一方、定着ローラ61及び加圧ローラ62の芯材611,621及び離型層613,623は、それぞれ均一な厚さに形成されている。すなわち、実施形態2では、弾性層612,622の厚さを軸方向に渡って変化させることによって、定着ローラ61及び加圧ローラ62に、クラウン部61a,62aと逆クラウン部61b,62bを構成している。
図8に、本発明の実施形態3を示す。図8に示すように、定着ローラ61及び加圧ローラ62のそれぞれの外周面に、直線部61c,62cが形成されている。この場合、直線部61c,62cは、定着ローラ61のクラウン部61aと加圧ローラ62の逆クラウン部62bのそれぞれの一部に形成されている。詳しくは、定着ローラ61に形成された直線部61cは、クラウン部61aの頂部を構成するように配設され、加圧ローラ62に形成された直線部62cは、逆クラウン部62bの底部を構成するように配設されている。さらに、これら直線部61c,62cは、定着ローラ61又は加圧ローラ62の軸方向に対して平行を成すように配設されている。
図10に、本発明の実施形態4を示す。図10は、上記本発明の各実施形態と異なり、定着ローラ61は弾性層を有していない。すなわち、定着ローラ61は、円筒状に形成された金属製の芯材611と、その芯材611の外周面を被覆する離型層613によって構成されている。また、この場合、定着ローラ61の芯材611の外周面を軸方向に渡って湾曲させて、クラウン部61aと逆クラウン部61bを形成している。
図11に、本発明の実施形態5を示す。図11に示す定着装置27は、定着ローラ61と、加圧ベルト65と、その加圧ベルト65の内周面を押圧して加圧ベルト65を定着ローラ61に圧接させる押圧部材66を備える。また、定着ローラ61と加圧ベルト65が互いに圧接された箇所には定着ニップNが形成されている。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
<着色剤>
本発明においては着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベ
ルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナー全量中通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
本発明のトナー組成物には、離型剤としてワックス成分が含まれていることが好ましい。ワックス成分としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);及びジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらのうち、本発明においては、極性の低いワックスが好適に用いられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックスである。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
(無機微粒子)
本発明で得られたトナー母体の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、公知の無機微粒子及び高分子系微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明のトナーは、例えば図13に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置において使用することができる。
本発明においては、上述の感光体、帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ−等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
[有機溶媒相]
<有機溶媒>
本発明のトナーを製造するために用いられる材料について、説明する。本発明において、有機溶媒としてトナー組成物を溶解、及び/又は分散可能な溶媒で有れば特に限定するものではない。好ましいものとしては、溶剤の沸点が150℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。これらの中でも特にトナーに対する揮発性が高いので、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。トナー固形成分100質量部に対する溶剤の使用量は、通常40〜300質量部、好ましくは60〜140質量部、さらに好ましくは80〜120質量部である。
本発明において、変性ポリエステル系樹脂としてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを用いることが出来る。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
アルコール性水酸基を末端に有するポリエステルを重縮合反応により調整するため、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネートの使用比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、架橋及び/又は伸長後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(A)単独使用だけでなく、この(A)と共に、変性されていない非反応性のポリエステル(C)をトナーバインダー成分として含有させることが重要である。(C)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。(C)としては、前記(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(C)と同様である。また、(C)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(A)と(C)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(A)のポリエステル成分と(C)は類似の組成が好ましい。(A)を含有させる場合の(A)と(C)の質量比は、通常5/95〜75/25、好ましくは10/90〜25/75、さらに好ましくは12/88〜25/75、特に好ましくは12/88〜22/78である。(A)の質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
ポリエステル(C)のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されるピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(C)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(C)の酸価は通常0.5〜40、好ましくは5〜35である。酸価が高すぎると負帯電性となりやすい傾向があり、好ましくない。この範囲を越えるものは高温高湿度下、低温低湿度下の環境下において、環境の影響を受けやすく、画像の劣化を招きやすい。
後述する様に、上記のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、活性水素化合物と伸長及び/または架橋反応させることにより、より高分子量のものとされる。
本発明において、架橋剤及び/又は伸長剤として、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により架橋及び/又伸長は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
本発明においては、架橋及び/又伸長の触媒として、第3級アミン化合物が挙げられる。第3級アミン化合物であれば、いずれも使用可能で、特に限定されない。第3級アミン化合物としては、アミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、及びアミジンなどが挙げられる。アミンとしては、芳香族アミン(トリフェニルアミン、トリアリルアミンなど)、脂環式アミン(N−メチルピペリジンなど);及び脂肪族アミン(トリエチルアミン、トリメチルアミンなど)などが挙げられる。アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタンとしては、トリエタンチオールアミン、トリメタンチオールアミンなどが挙げられる。また、アミジンとしては、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5)などが挙げられる。これら第3級アミン化合物の中でも構造式(I)の化合物がより好ましい。
本発明では、上記のとおり、ポリエステルプレポリマー(A)はとアミン(B)類との反応によって得られるウレア変性ポリエステル系樹脂をトナーバインダーとして用いることを特徴としており、また、非反応性ポリエステル等の他成分(着色剤マスターバッチの際に用いる樹脂を含む)も併用される。本発明において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常40〜70℃、好ましくは45〜55℃である。40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。架橋及び/又は伸長されたポリエステル樹脂の共存により、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても良好な保存性を示す。トナーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて1000Paとなる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて100Pa・sとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
<水系媒体>
本発明において、後記樹脂微粒子を分散させて水系媒体相を形成する水系媒体としては、水単独でも良いが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上の組み合わせても使用することができる。
本発明のトナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
<水系媒体中でのトナー製造法>
本発明に用いる水性相には、予め樹脂微粒子を添加することにより使用する。水性相に用いる水は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
上記のとおり、トナー粒子は、ポリエステルプレポリマー(A)を含む有機溶媒相をアミン類(B)、第3級アミン類とともに、上記水系媒体相中に分散させて、水系媒体相中で伸長及び/または架橋反応させ、ウレア変性ポリエステルを形成する工程を経て形成される。水性相でポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水性相に有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、変性されていないポリエステル樹脂などは、水性相で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合後、有機溶媒に溶解、又は分散させた後、水性相にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水性相で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
ポリエステルプレポリマー(A)の有機溶媒相に含まれる固形成分100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)等を含む有機溶媒相を、乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(タイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
分散剤を使用した場合には、分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長及び/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合を行ったり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
トナーの空隙率は、具体的には以下のように求められる。
まず、トナーをエポキシ樹脂により包埋したものを、ダイヤモンドカッターを有するミクロトームにより切削してトナー包埋エポキシ樹脂の薄片を作製する。
薄片を透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観測し、倍率2000倍でのトナー断面写真を撮影する。撮影した画像をルーゼックス画像解析によりトナー組成物部分(結着樹脂や着色剤などの、色の濃い部分)と空隙部分(白く見える部分)の面積を算出し、下記の式に従って空隙率を算出する。
(空隙率)=(空隙部分の面積)/((トナー組成物部分の面積)+(空隙部分の面積))×100
また、空隙部分について長径を測定し、その体積平均値を以下の式から算出し、空隙の長径とする。
(空隙の長径)=(個々の空隙の長径)/空隙の数
[未変性ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220質量部(以下、「部」と記す)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物561部、テレフタル酸218部、アジピン酸48部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応させ、さらに1.3〜2.0kPa(10〜15mmHg)の減圧で5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、180℃、常圧で2時間反応させ、[未変性ポリエステル1]を得た。[未変性ポリエステル1〕は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、ガラス転移温度(Tg)43℃、酸価25であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物218部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物460部、テレフタル酸140部、イソフタル酸145部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。
次に、1.3〜2.3kPa(10〜18mmHg)の減圧下で、6時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸24部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[未変性ポリエステル2]を合成した。
得られた[未変性ポリエステル2]は、数平均分子量が7600、重量平均分子量が21000、酸価が15mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応させ、さらに1.3〜2.0kPa(10〜15mmHg)の減圧で5時間反応させて[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応させて[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。[イソシアネート変性ポリエステル1]の遊離イソシアネートは1.53質量%であった。
(マスターバッチ1)
カーボンブラック40部、[未変性ポリエステル1]60部及び水30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[未変性ポリエステル1]210部、パラフィンワックス(融点74℃)]4部及び酢酸エチル422部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]636部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[未変性ポリエステル1]の72質量%酢酸エチル溶液332部、[未変性ポリエステル2]の62質量%酢酸エチル溶液433部及び酢酸エチル65部を加え、上記条件のビーズミルで1パスした。次いで、容器に[マスターバッチ1]82部及び酢酸エチル50部を追加して10時間混合し、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50質量%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液140部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]959部とイソホロンジアミン7.5部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数12,000〜15,000rpmで調整しながら1分間混合した後、回転数を3000rpmに落として20分間混合して[乳化スラリー1]を得た。
<脱溶剤>
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下の操作を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。この超音波アルカリ洗浄を再度行った(超音波アルカリ洗浄2回)。
(3):(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
また、得られたトナー母体をエポキシ樹脂で包埋し、切削して得られた薄片を走査型透過電子顕微鏡で写真を撮影し、トナーの空隙を測定したところ、ほぼ円形の空隙が見られ、空隙率は6%、空隙の長径は1.1μmであった。
次いで、このトナー母体100部に、疎水性シリカ0.5部と疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[トナー1]を得た。
[トナー1]の倍率2000倍での断面写真を図15に示す。図16は図15の部分拡大図である。
リコー社製ipsio C220を用いて、A4縦通紙(リコー社製、タイプ6200Y目紙)で先端20mmに、[トナー1]による幅36mmのべた帯画像(トナー付着量9g/m2)を印字した未定着画像を作成した。
この未定着画像を、リコー社製ipsio C220の定着装置の定着ローラと加圧ローラの速度を任意に設定できるように改造した定着装置を用い、定着ローラの線速度を119.6mm/sec、加圧ローラの線速度を120.4mm/sec(定着ローラと加圧ローラの線速度の差は0.8mm/sec)定着ローラの表面温度が160±2℃の状態で通紙を行った。
定着後の画像について、上島製作所製 描画試験器 AD−401を使用し、評価画像上にサファイヤ針125μR、針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視により観察してひっかき傷(走行跡)の発生状況を観察したところ、走行した引っ掻き跡(白く画像欠損となる部分)はまったく残らなかった。定着性評価1についての評価は、下記の評価基準で行った。
◎:走行した引っ掻き跡(白く画像欠損となる部分)が全く認められない。
○:僅かに引っ掻き跡が認められる。
×:引っ掻き跡がはっきりと認められる。
リコー社製ipsio C220を用いて、A4縦通紙(リコー社製 タイプ6200Y目紙)で先端20mmに、[トナー1]による幅36mmのべた帯画像(トナー付着量9g/m2)を印刷した未定着画像を作製し(図14参照)、先端17mm程度を切断して、先端余白が3mmのベタ帯の未定着画像を得た。
この未定着画像を、リコー社製ipsio C220の定着装置の定着ローラを図3に示すようなローラ(金属製の芯材611として内径29.0mm、クラウン部61aにおける厚みが1.7mm、逆クラウン部61bにおける厚みが1.4mm、クラウン部61aの周期が60mmのsin曲線で形成されるアルミ製の芯材、弾性層612として厚みが1.7mmのシリコンゴム、離型層613としてPFAからなる)に、加圧ローラを図4に示すようなローラ(金属製の芯材621として内径29.0mm、クラウン部62aにおける厚みが1.7mm、逆クラウン部62bにおける厚みが1.4mm、クラウン部62aの周期が60mmのsin曲線で形成されるアルミ製の芯材、弾性層622として厚みが1.7mmのシリコンゴム、離型層623としてPFAからなる)に取り替えた定着装置を用いて、定着装置の定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を6.8rad/s(定着ローラ及び加圧ローラの外径が最大となる部分の外径は35.8mmであるので線速度の最大部分は121.7mm/sec、外径が最小となる部分の外径は35.0mmであるので線速度の最小部分は119.0mm/secであり、その速度差が2.7mm/sec、定着ローラの表面温度が160±2℃の状態で通紙を行ったところ、問題なく通紙を行うことができた。
また、定着後の画像について、上島製作所製 描画試験器 AD−401を用いて定着評価1と同様の評価を行った。
リコー社製IPSiO SP C220のトナーカートリッジにトナーを150g入れ、IPSiO SP C220で白紙を連続で2000枚出力した。2000枚目の白紙画像を目視で観察したところ、地汚れの発生はまったく見られなかった。現像プロセス耐久性についての評価は、下記の評価基準で行った。
◎:地汚れは全く見られない。
○:紙を斜めにしてみると僅かに地汚れが見られる。
△:紙を斜めにしてみると明らかに地汚れが見られる。
×:明らかに地汚れしている
[トナー2の製造方法]
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[未変性ポリエステル1]180部、[パラフィンワックス(融点74℃)]17部及び酢酸エチル422部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し[原料溶解液2]を得た。
[原料溶解液2]619部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[未変性ポリエステル1]の72質量%酢酸エチル溶液333部、[未変性ポリエステル2]の62質量%酢酸エチル溶液431部及び酢酸エチル65部を加え、1時間混合した。次いで、容器に[マスターバッチ1]127部と酢酸エチル60部を加え、2時間混合した後、上記条件のビーズミルで1パスし[顔料・WAX分散液2]を得た。[顔料・WAX分散液2]の固形分濃度(130℃、30分)が50質量%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液140部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相2]を得た。
<乳化工程>
[顔料・WAX分散液2]959部とイソホロンジアミン7.5部をTKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相2]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10,000〜12,000rpmで調整しながら1分間混合した後、回転数を5000rpmに落として20分間混合して[乳化スラリー2]を得た。
以下、実施例1と同様にして[トナー母体2]を得た。[トナー母体2]の体積平均粒径(Dv)は6.4μm、個数平均粒径(Dn)は5.8μmで、Dv/Dnは1.12、平均円形度は0.977であった。
また、得られたトナー母体をエポキシ樹脂で包埋し、切削して得られた薄片を走査型透過電子顕微鏡で写真を撮影し、トナーの空隙を測定したところ、ほぼ円形の空隙が見られ、空隙率は3%、空隙の長径は0.8μmであった。
次いで、このトナー母体100部に、疎水性シリカ0.5部と疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[トナー2]を得た。
以下、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の[濾過ケーキ1]と同様の方法で作製した濾過ケーキにイオン交換水150部を加え、実施例1の[分散スラリー1]と同様の方法で得られた分散スラリー100部を減圧濾過した後、以下の操作を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。この超音波アルカリ洗浄を再度行った(超音波アルカリ洗浄2回)。
(3):(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する操作を2回行った。
(5):(4)の濾過ケーキにイオン交換水150部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、撹拌棒及び温度計をセットした加熱可能な容器に移し、攪拌をしながら20分かけて60℃に昇温し、そのまま60℃で1時間攪拌を続けた後、10分かけて室温(18〜24℃)に戻し、冷却後のスラリーを減圧濾過した。
(6):(5)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ3]を得た。
以下、実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
以下、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3の60℃での攪拌時間を1時間から2時間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、[トナー4]を得た。このトナーの評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例3の60℃での攪拌時間を1時間から4時間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、[トナー5]を得た。このトナーの評価結果を表1に示す。
[トナー6の製造方法]
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[未変性ポリエステル1]210部、パラフィンワックス(融点74℃)]4部及び酢酸エチル422部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]636部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[未変性ポリエステル1]の72質量%酢酸エチル溶液630部及び酢酸エチル65部を加え、上記条件のビーズミルで1パスした。その後、容器に[マスターバッチ1]82部及び酢酸エチル50部を追加して10時間混合し、[顔料・WAX分散液6]を得た。[顔料・WAX分散液6]の固形分濃度(130℃、30分)が50質量%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
[顔料・WAX分散液6]959部とイソホロンジアミン7.5部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]160部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合し、その後[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数12,000〜15,000rpmで調整しながら1分間混合した後、回転数を3000rpmに落として20分間混合して[乳化スラリー6]を得た。
<脱溶剤>
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー6]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー6]を得た。
[分散スラリー6]100部を減圧濾過した後、以下の操作を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。この超音波アルカリ洗浄を再度行った(超音波アルカリ洗浄2回)。
(3):(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する操作を2回行った。
(5):(4)の濾過ケーキにイオン交換水150部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、撹拌棒及び温度計をセットした加熱可能な容器に移し、攪拌をしながら20分かけて60℃に昇温し、そのまま60℃で4時間攪拌を続けた後、10分かけて室温(18〜24℃)に戻し、冷却後のスラリーを減圧濾過した。
(6):(5)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ6]を得た。
また、得られたトナー母体をエポキシ樹脂で包埋し、切削して得られた薄片を走査型透過電子顕微鏡で写真を撮影し、トナーの空隙を測定したところ、ほぼ円形の空隙が見られ、空隙率は31%、空隙の長径は2.2μmであった。
次いで、このトナー母体100部に、疎水性シリカ0.5部と疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[トナー6]を得た。このトナーの評価結果を表1に示す。
[未変性ポリエステル1]310部、[未変性ポリエステル2]196部、[マスターバッチ1]91部及びパラフィンワックス(融点74℃)12部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出し混練機(PCM−30、池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練し、得られた混合物を冷却プレスローラで厚み2mmに圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM、川崎重工業社製)で体積平均粒径が10〜12μmになるまで粉砕した。次いで、ジェット粉砕機(IDS、日本ニューマチック工業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機 タイプ100ATP、ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、体積平均粒径(Dv)が6.8μmのトナー母体を得た。
このトナー母体100部に、疎水性シリカ0.5部と疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[トナー101]を得た。
以下、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3の60℃での攪拌時間を1時間から7時間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、[トナー102]を得た。このトナーの評価結果を表1に示す。また、[トナー102]の倍率2000倍での断面写真を図17に示す。
本発明によれば、さらに、定着以前の画像形成プロセス(たとえば現像など)において性能劣化が少なく、保存安定性に優れたトナーを提供することができる。また、さらに低エネルギーでの定着を可能にすることができる。
本発明によれば、上述したトナーを好適に製造することができる。
本発明によれば、従来の乾式トナーを用いた画像形成装置よりも低エネルギーでの定着を可能にすることができる。
本発明によれば、さらに、定着以前の画像形成プロセス(たとえば現像など)において性能劣化が少なく、保存安定性に優れたトナーを提供することができる。
61 定着ローラ
61a クラウン部
61b 逆クラウン部
61c 直線部
62 加圧ローラ
62a クラウン部
62b 逆クラウン部
62c 直線部
63 加熱源
65 加圧ベルト
66 押圧部材
66a 凸面部
66b 凹面部
101 プロセスカートリッジ
102 感光体
103帯電手段
104 現像手段
105 クリーニング手段
660 押圧面
611 芯材
612 弾性層
621 芯材
622 弾性層
H 高低差
N 定着ニップ
P 記録用紙
Q 頂部
U 底部
W 記録媒体の最大通過幅
Claims (15)
- 少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー画像を接触方式の定着装置を用いて記録媒体に定着する工程を有する画像形成方法において、
前記定着装置は、加熱源によって加熱される定着部材と、当該定着部材に圧接して配設された加圧部材を備え、前記定着部材と前記加圧部材が互いに圧接して形成された定着ニップに記録媒体を通過させることにより、当該記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置であり、
前記定着部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する定着ローラであり、
前記加圧部材は、外周面がクラウン状に形成されたクラウン部と、外周面が逆クラウン状に形成された逆クラウン部を、それぞれ少なくとも1つずつ有する加圧ローラであり、
前記定着ローラの前記クラウン部と前記加圧ローラの前記逆クラウン部を対応させると共に、前記定着ローラの前記逆クラウン部と前記加圧ローラの前記クラウン部を対応させて、前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させていて、
前記定着部材と前記加圧部材の線速度が少なくとも部分的に異なり、
前記トナーは、長径が0.2μm以上の空隙を有し、かつ空隙率が2〜50%である
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、対応させて配設した前記クラウン部と前記逆クラウン部との間に隙間が生じないように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記クラウン部と前記逆クラウン部を、軸方向に連続して形成した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラ及び前記加圧ローラは弾性層を有するものであって、前記定着ローラと前記加圧ローラとを無負荷状態で互いの前記クラウン部と前記逆クラウン部を接触させて配設した場合に、軸方向の任意の断面における前記定着ローラ及び前記加圧ローラの前記弾性層の厚みの和が一定となるように設定した
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記クラウン部及び前記逆クラウン部を、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの少なくとも記録媒体の最大通過幅全体に対応する部分に渡って配設した
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記クラウン部及び前記逆クラウン部を、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの記録媒体の最大通過幅の一部に対応する部分に配設した
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方と、前記加圧ローラの前記クラウン部及び前記逆クラウン部の少なくとも一方に、直線部を形成した
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラと前記加圧ローラを互いに圧接させた負荷状態において、前記定着ニップにおける前記クラウン部の頂部と前記逆クラウン部の底部との高低差を、0.16mm以上であって0.8mm以下に設定した
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラ及び前記加圧ローラは、金属製の芯材の外周面に弾性層を被覆して構成されたものであって、前記芯材及び前記弾性層の少なくとも一方の厚さを軸方向に渡って変化させて前記クラウン部及び逆クラウン部を形成した
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラを、芯材の外周面に弾性層を有しないローラで構成すると共に、当該定着ローラの前記芯材の外周面を軸方向に渡って湾曲させることにより、前記クラウン部と前記逆クラウン部を形成した
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記加圧ローラは、芯材の外周面に弾性層を被覆して構成されたものであって、当該加圧ローラの前記芯材の外周面を軸方向に渡って湾曲させることにより、前記クラウン部と前記逆クラウン部を形成した
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの軸方向の同じ側の端部を、軸方向に位置決めすると共に、前記定着ローラと前記加圧ローラのそれぞれの前記位置決めされた端部と反対側の端部を軸方向に変位可能に構成した
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記トナーの空隙がほぼ円形である
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記トナーは、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂と着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、水系媒体中に分散させることによって得られる
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記油相は、活性水素と反応する官能基を有するポリマーをさらに有する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
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