JP5493568B2 - 電動機駆動装置及び電動機駆動装置の制御方法ならびに電動装置 - Google Patents

電動機駆動装置及び電動機駆動装置の制御方法ならびに電動装置 Download PDF

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Description

本発明は、多相交流電力により駆動される電動機を制御する電動機駆動装置及び電動機駆動装置の制御方法、及びそのような電動機駆動装置が組み込まれた電動装置に関する。
従来より、インバータを用いて直流電力を三相交流電力に変換し、その三相交流電力を用いて交流電動機を駆動する技術が開発されている。
このような技術において使用される電動機の駆動方法として、特に高速回転時には電動機において発生する誘起電圧を低下させるよう、界磁が発生させる磁界を弱める弱め界磁制御が知られている。また、別の駆動方法として、インバータの正極側母線と負極側母線との間に接続されたコンデンサを充放電する、すなわち、インバータの正極側母線と負極側母線との間の電圧を変動させる昇圧制御が知られている。そして、電動機のエネルギー変換効率を向上させるために、これら二つの制御方法を切り替えて適用する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特許文献1及び2に開示された技術では、コンデンサを充電するための回路が、電動機を駆動するための回路とは別個に必要となる。そのため、回路に含まれる部品点数が多くなるので望ましくない。
これに対し、電動機の中性点とインバータの負極側母線との間に電源を接続し、電動機が動作する際に電動機及びインバータを流れた電流を利用して電力変換することにより、昇圧用の回路を省略する技術が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2007−159368号公報 特開2006−311768号公報 特開平10−337047号公報
しかしながら、特許文献3に開示された技術では、昇圧制御と電動機の駆動制御に対して同じスイッチング回路が使用されるため、電動機の駆動条件によっては、エネルギー変換効率が極端に低下してしまうおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、部品点数を減らしつつ、エネルギー変換効率を向上することが可能な電動機駆動装置及び電動機駆動装置の制御方法ならびにコンプレッサを提供することにある。
請求項1または2の記載によれば、本発明の一つの形態として、複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置(1、21〜23)が提供される。係る電動機駆動装置(1、21〜23)は、交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアーム(31〜33)を有し、複数のアーム(31〜33)のそれぞれについて、第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、交流電動機(10)の各コイルが結線された中性点と、インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつインバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)と、交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する制御回路(7)とを有する。そして制御回路(7)は、交流電動機(10)に生じる誘起電圧が直流電源(2)が供給する電源電圧よりも大きい場合、誘起電圧を低下させる弱め界磁制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、誘起電圧が電源電圧よりも小さい場合、コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する。
係る構成を有することにより、この電動機駆動装置は、部品点数を減らしつつ、エネルギー変換効率を向上することができる。
特に請求項の記載によれば、制御回路(10)は、電源電圧と誘起電圧の差が所定の範囲内である場合、弱め界磁制御と昇圧制御のうちの予め定めた制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御することが好ましい。
交流電動機の組み立て誤差などの原因により、電源電圧と誘起電圧の差が小さい場合には、弱め界磁制御と昇圧制御のうち、何れがエネルギー変換効率が高い制御が異なることがある。そこで、電源電圧と誘起電圧の差が所定の範囲内である場合に、弱め界磁制御と昇圧制御のうち、何れの制御の方がエネルギー変換効率が高いかを調べておくことにより、この電動機駆動装置は、エネルギー変換効率がより高い方の制御を適切に選択することができる。
また請求項の記載によれば、電動機駆動装置(1、21〜23)は、交流電動機(10)に流れる電流を測定する電流計をさらに有し、制御回路(7)は、電源電圧と誘起電圧の差が所定の範囲内である場合、電流の値が所定値よりも高い場合、弱め界磁制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、電流の値がその所定値以下である場合、昇圧制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御することが好ましい。
これにより、この電動機駆動装置は、実際に交流電動機に流れる電流の測定結果に基づいて制御方法を選択できるので、リアルタイムにより効率の高い制御方法を選択できる。
さらに、請求項の記載によれば、制御回路(7)は、誘起電圧が電源電圧よりも小さい場合において、電源電圧と誘起電圧の合計がコンデンサ(4)の両端子間電圧よりも低い場合、弱め界磁制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御することが好ましい。
これにより、この電動機駆動装置は、交流電動機に印加される電圧を上昇させても、コンデンサの充電量が増えるだけである場合に、弱め界磁制御を選択するので、エネルギー変換効率をより向上させることができる。
さらに、請求項の記載によれば、制御回路(7)は、インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御するためのスイッチング信号の一周期における、インバータ(3)からコンデンサ(4)へ電流が流れる期間が占める比率コンデンサ(4)の両端子間電圧に乗じることにより、電源電圧を推定することが好ましい。
これにより、この電動機駆動装置は、電源電圧を測定するセンサを持たなくてもよい。なお、制御回路は、スイッチング信号の一周期における、インバータからコンデンサへ電流が流れる期間が占める比率を電源電圧に乗じることにより、コンデンサの両端子間電圧を推定してもよい。
さらに、請求項の記載によれば、電動機駆動装置(1、21〜23)は、電動機駆動装置の動作環境の状態を表す状態信号を取得する状態信号取得部(12)をさらに有し、制御回路(7)は、状態信号と回転数の組み合わせに対して予め定められた誘起電圧の指標となる値のうち、状態信号及び指定された回転数に対応する値を用いて、誘起電圧を推定することが好ましい。
これにより、この電動機駆動装置は、交流電動機の動作環境が変化する場合でも、誘起電圧を正確に推定できる。
さらに請求項6または7の記載によれば、本発明の他の形態として、複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置(1、21〜23)の制御方法が提供される。係る制御方法が適用される電動機駆動装置は、交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアーム(31〜33)を有し、複数のアーム(31〜33)のそれぞれについて、第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、交流電動機(10)の各コイルの他端が結線された中性点と、インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつインバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)とを有する。そしてこの制御方法は、交流電動機(10)に生じる誘起電圧を直流電源(2)が供給する電源電圧と比較するステップと、交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、誘起電圧が電源電圧よりも大きい場合、誘起電圧を低下させる弱め界磁制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、誘起電圧が電源電圧よりも小さい場合、コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御するステップと、を含む。
特に、請求項6に記載の制御方法は、電源電圧と誘起電圧の差が所定の範囲内である場合、弱め界磁制御と昇圧制御のうちの予め定めた制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する。一方、請求項7に記載の制御方法は、電源電圧と誘起電圧の差が所定の範囲内である場合、交流電動機(10)に流れる電流の値が所定値よりも高い場合、弱め界磁制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、交流電動機(10)に流れる電流の値が所定値以下である場合、昇圧制御によりインバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する。
係る手順を含むことにより、この電動機駆動方法は、部品点数を減らしつつ、エネルギー変換効率を向上することができる。
さらに請求項8の記載によれば、本発明の他の形態として、電動装置が提供される。この電動装置は、複数のコイルがスター結線された交流電動機(103)と、交流電動機(103)を制御する、上記の何れかの電動機駆動装置(104)と、交流電動機(103)により供給される動力を用いて、所定の仕事をなす動作部(102)とを有する。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。 電動機駆動装置の制御回路により実行される、電動機の駆動処理の動作フローチャートである。 (a)は搬送波と各相に対する電圧制御信号の関係を表すタイミングチャートであり、(b)は、(a)に示された搬送波と電圧制御信号に基づいて生成されるスイッチング信号を表すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。 本発明の何れかの実施形態による電動機駆動装置により制御された電動機により駆動される電動コンプレッサを有する車載空調装置の概略構成図である。
以下、本発明の第1の実施形態による電動機駆動装置について説明する。
この電動機駆動装置は、回転子の駆動力を生じるために、回転子または固定子に設けられ、三相交流の各相の電流が流れることにより、回転する磁界を生じる複数のコイルを有する交流電動機を駆動する。そしてこの電動機駆動装置は、複数のコイルがスター結線された中性点とインバータの正極側母線または負極側母線との間に印加された直流電圧と、交流電動機に生じる誘起電圧との比較結果に基づいて、誘起電圧を低下させる弱め界磁制御または昇圧制御の何れかを選択する。
ここでは、界磁が発生させる磁界を弱めるのと同等の効果が生じる方向に流れる電流を増やす、弱め界磁制御と等価な制御も、便宜上、弱め界磁制御と呼ぶ。
なお、本実施形態において、電動機駆動装置により駆動される交流電動機は三相同期電動機である。しかし、他の実施形態では、電動機駆動装置により駆動される交流電動機は三相誘導電動機であってもよい。また他の実施形態では、電動機駆動装置により駆動される交流電動機は、三相以外の多相同期電動機または多相誘導電動機であってもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動機駆動装置1の全体構成を示す概略構成図である。電動機駆動装置1は、電動機10を駆動するために、インバータ3と、コンデンサ4と、電圧計5、6と、制御回路7とを有する。
また、電動機10を駆動するための直流電力を供給するために、電動機10に直流電源2が接続される。具体的には、直流電源2の陽極は、固定子に設けられた、各相のコイルL1〜L3がスター結線された電動機10の中性点に接続され、一方、直流電源2の陰極は、インバータ3の負極側母線35に接続されるとともに、接地される。なお、直流電源2として、直流電力を供給する様々な電源を利用することができる。例えば、直流電源2として、鉛蓄電池、リチウム・イオン電池あるいはニッケル・水素電池を用いることができる。
インバータ3は、直流電源2から供給され、電動機10を介して入力された直流電力を、制御回路7から入力された制御信号に従って三相交流電力に変換する。そのために、インバータ3は、電動機10のU相、V相、W相のそれぞれに対応する3組のアーム31、32、33を有する。これらアーム31、32、33は並列に接続される。そしてアーム31は、直列接続されたスイッチング素子SW1とSW4を有する。同様に、アーム32、33は、それぞれ、直列接続されたスイッチング素子SW2とSW5、SW3とSW6を有する。なお、ここでは、便宜上、スイッチング素子SW1〜SW3を上側スイッチング素子と呼び、スイッチング素子SW4〜SW6を下側スイッチング素子と呼ぶ。
各スイッチング素子SW1〜SW6は、例えば、トランジスタと、トランジスタを電流が流れる方向と逆向きに電流が流れるように、トランジスタと並列に接続されたダイオードを有する(例えば、NPN型トランジスタのエミッタ端子とダイオードのアノード端子が接続され、そのトランジスタのコレクタ端子とダイオードのカソード端子が接続される)。なお、スイッチング素子が有するトランジスタとして、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)またはパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を利用することができる。なお、各スイッチング素子SW1〜SW6は、電動機10の回転速度に応じてオン、オフを切り替えることが可能な他の構成を有していてもよい。
また、アーム31について、スイッチング素子SW1の一端(ダイオードのカソード端子側)は、インバータ3の正極側母線34と接続される。一方、スイッチング素子SW1の他端、すなわち、スイッチング素子SW1とSW4の中間点は、電動機10のU相端子と接続される。そしてスイッチング素子SW4の一端(ダイオードのアノード端子側)は、インバータ3の負極側母線35と接続される。同様に、アーム32について、スイッチング素子SW2の一端は、インバータ3の正極側母線34と接続される。一方、スイッチング素子SW2とSW5の中間点は、電動機10のV相端子と接続される。そしてスイッチング素子SW5の一端は、インバータ3の負極側母線35と接続される。さらに、アーム33について、スイッチング素子SW3の一端は、インバータ3の正極側母線34と接続される。一方、スイッチング素子SW3とSW6の中間点は、電動機10のW相端子と接続される。そしてスイッチング素子SW6の一端は、インバータの負極側母線35と接続される。
また、各スイッチング素子SW1〜SW6は、制御回路7からの制御信号によって、それぞれオンまたはオフが切り替えられる。そして例えば、何れか一つのアームの上側スイッチング素子と、他のアームの下側スイッチング素子がオンになり、その他のスイッチング素子がオフとなることで、電動機10に電流が流れ、電動機10が回転する。そして、オンとなるスイッチング素子がアームごとに順に入れ替わることにより、電動機10は指示された速度で安定的に回転する。
コンデンサ4は、電動機10に流れる電流を使って昇圧及び電動機を駆動するために、直流電源2から電動機10及びインバータ3を介して印加された電圧により充電し、または放電する。そのために、コンデンサ4の一端は、インバータ3の正極側母線34と接続され、コンデンサ4の他端は、インバータ3の負極側母線と接続される。
そしてコンデンサ4は、電動機10が昇圧制御される場合、インバータ3を介して印加された電圧に応じて充電または放電される。これにより、インバータ3の正極側母線34と負極側母線35間の電圧を昇圧して電動機10が駆動される。一方、電動機10が弱め界磁制御される場合、コンデンサ4の電圧が一定の電圧に維持されるように、コンデンサ4は充電または放電動作を行うことによって電動機10が駆動される。
なお、コンデンサ4は、例えば、電解コンデンサ、フィルムコンデンサまたはセラミックコンデンサとすることができる。
電圧計5は、コンデンサの両端子間の電圧Vdcを測定する。そして電圧計5は、その測定電圧Vdcを制御回路7へ通知する。
また、電圧計6は、直流電源2の電源電圧、すなわち、電動機10の中性点とインバータ3の負極側母線35との間の電圧VLを測定する。そして電圧計6は、その測定電圧VLを制御回路7へ通知する。
なお、コンデンサの両端子間の電圧Vdcを直接測定する代わりに、電動機10の中性点と各相の端子間、すなわち、電動機10の中性点とインバータ3の正極母線間の電圧VHを電圧計により測定し、次式に従ってコンデンサの両端子間の電圧Vdcを算出してもよい。
Figure 0005493568
制御回路7は、他の装置から指令された回転速度で電動機10を回転させるよう、インバータ3の各スイッチング素子SW1〜SW6を制御する。また制御回路7は、電動機10のエネルギー変換効率を向上させるために、指示された回転速度から推定した誘起電圧と電圧計5、6の測定電圧Vdc、VLに基づいて、昇圧制御か弱め界磁制御の何れか一方を選択する。そのために、制御回路7は、センサ信号受信部11と、インターフェース部12と、制御部13と、パルス波形生成部14と、パルス出力部15とを有する。
センサ信号受信部11は、制御回路7を電圧計5、6と接続するためのインターフェース回路を有する。そしてセンサ信号受信部11は、電圧計5、6から測定電圧を受信し、その測定電圧を制御部13へ渡す。
インターフェース部12は、制御回路7を、電動機10が搭載された装置を制御する他の制御装置、例えば、電動機10が搭載された車両の制御装置と通信ネットワークを介して接続するためのインターフェース回路を有する。そしてインターフェース部12は、その通信ネットワークを介して受信した制御信号、例えば、電動機10の目標回転数を指示する回転数指令信号、電動機10の起動を指示する起動指令信号、若しくは電動機10を停止させる停止指令信号を制御部13へ渡す。
制御部13は、一つ以上のプロセッサ、メモリ及び周辺回路を有する。そして制御部13は、インターフェース部12を介して受信した制御信号に従って電動機10を駆動するよう、インバータ3の各スイッチング素子SW1〜SW6を制御する。また制御部13は、電動機10のエネルギー変換効率をできるだけ高くするために、回転数指令信号で指定された回転数と、電圧計5、6による測定電圧Vdc、VLに基づいて、昇圧制御か弱め界磁制御の何れか一方を選択する。そして制御部13は、選択された制御方法及び回転数指令信号で指定された回転数に応じて、電動機10を流れる駆動電流を調節するようインバータ3の各スイッチング素子SW1〜SW6をオンまたはオフにするタイミングを決定する。
図2は、制御部13により実行される、電動機の駆動処理の動作フローチャートである。制御部13は、予め設定された所定の周期で、この動作フローチャートに示された処理を繰り返し実行する。
先ず、制御部13は、電圧計5、6から、センサ信号受信部11を介して、コンデンサの両端子間電圧Vdcと電源電圧VLを取得する(ステップS101)。また制御部13は、インターフェース部12を介して受信した回転数指令信号で指定された電動機10の機械角回転数ωrm(rpm単位)を検出する(ステップS102)。
次に、制御部13は、機械角回転数ωrmから電動機10で生じる誘起電圧VEを推定する(ステップS103)。例えば、制御部13は、次式に従って誘起電圧VEを算出する。
Figure 0005493568
ここでKEは、誘起電圧定数であり、電動機10の構成に応じて予め求められる。またωreは、電気角回転数(rad/sec単位)である。さらにpは、電動機10の極対数(すなわち、電動機10の界磁に形成される磁極の数/2)である。
制御部13は、電源電圧VLと誘起電圧VEの差の絶対値が所定値Voff未満か否か判定する(ステップS104)。なお、所定値Voffは、例えば、電源電圧VLと誘起電圧VEとの差が、理想的な電動機10について0となる場合において、その差が電動機10の許容可能な製造ばらつきにより生じる電圧差の最大値であり、0以上の値に設定される。
ステップS104において、電源電圧VLと誘起電圧VEの差の絶対値が所定値Voff以上である場合、制御部13は、誘起電圧VEが電源電圧VLに所定のオフセット値Voff2を加えた値以上か否か判定する(ステップS105)。なお、所定のオフセット値Voff2は、例えば、電動機10の特性に応じて定められ、正の値または負の値の何れであってもよい。なお、電動機10が製造ばらつきによる影響のない理想的な電動機であれば、オフセット値Voff2は0に設定される。誘起電圧VEが(VL+Voff2)以上である場合、制御部13は弱め界磁制御を選択する(ステップS106)。この場合、インバータ3の正極側母線34と電動機10の中性点間の電圧VHを高くしても、電源電圧VLを誘起電圧VEよりも高くすることができないため、中性点と正極側母線間の電圧と、中性点と負極側母線間の電圧のバランスが崩れてしまう。そのため、電圧変動が引き起こされてしまい、エネルギー変換効率が低下する。そこで、制御部13は、弱め界磁制御を選択する。
一方、ステップS105において、VEが(VL+Voff2)未満である場合、制御部13は、コンデンサの両端子間電圧Vdcが誘起電圧VEに電源電圧VL及びオフセット値Voff2を加算した値よりも高いか否か判定する(ステップS107)。コンデンサの両端子間電圧Vdcが(VE+VL+Voff2)よりも高い場合、制御部13は弱め界磁制御を選択する(ステップS106)。この場合、電動機駆動装置1が昇圧制御を用いても、コンデンサ4の充電量が増えるだけであり、電動機10の駆動力も大きくならず、エネルギー変換効率が低下するためである。
一方、コンデンサの両端子間電圧Vdcが(VE+VL+Voff2)以下である場合、制御部13は昇圧制御を選択する(ステップS108)。この場合、昇圧制御によりコンデンサの両端子間電圧Vdcを増加または減少させることで、すなわち、VHを増加または減少させることで、電動機10の各相のコイルL1〜L3に実質的に印加される電圧を変更することが可能となるためである。
またステップS104において、電源電圧VLと誘起電圧VEの差の絶対値が所定値Voff未満である場合、すなわち、誘起電圧VEと電源電圧VLが略等しい場合、制御部13は、このような場合に対して予め設定された制御方法は弱め界磁制御か否か判定する(ステップS109)。そして予め設定された制御方法が弱め界磁制御であれば、制御部13は、弱め界磁制御を選択する(ステップS106)。一方、予め設定された制御方法が弱め界磁制御でなければ、すなわち昇圧制御であれば、制御部13は昇圧制御を選択する(ステップS108)。
なお、誘起電圧VEと電源電圧VLが略等しい場合に適用される制御方法を予め決定するために、例えば、電源電圧VLが誘起電圧VEと略等しい場合において、昇圧制御または弱め界磁制御のそれぞれを適用して電動機が所定の回転数で駆動されたときに、電動機の各相の端子とインバータ間を流れる電流が予め測定される。電流が少ないほど、エネルギー消費量も少ないので、電動機のエネルギー変換効率は高い。そこで、その測定電流が少ない方の制御を、電源電圧VLが誘起電圧VEと略等しい場合に選択される制御方法として予め決定し、制御部13が有するメモリにその選択される制御方法を識別するためのフラグを記憶しておく。上記のステップS109において、制御部13は、電源電圧VLが誘起電圧VEと略等しい場合、メモリに記憶されたフラグを参照して、昇圧制御か弱め界磁制御を選択すればよい。
さらに、電源電圧VLを誘起電圧VEと略等しくなるようにインバータ3を制御し、回転数を変えつつ昇圧制御または弱め界磁制御を適用したときの測定電流を予め測定することにより、回転数ごとに選択される制御方法を予め決定してもよい。この場合には、回転数ごとに設定された上記のフラグを、対応する回転数とともにメモリに記憶しておく。そして制御部13は、上記のステップS109において、メモリに記憶された回転数のうち、現在の回転数に最も近い回転数に対応するフラグを参照して、昇圧制御か弱め界磁制御を選択すればよい。
ステップS106またはS108の後、制御部13は、選択された制御方法及び回転数指令信号で指定された回転数に応じて、インバータの各スイッチング素子SW1〜SW6をオンまたはオフにするタイミングを決定する(ステップS110)。そして制御部13は、そのタイミングに応じた電圧制御信号をパルス波形生成部14へ出力し、制御処理を終了する。
本実施形態では、制御回路7は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)制御により、各スイッチング素子SW1〜SW6をオンまたはオフにする。そこで制御部13は、各スイッチング素子SW1〜SW6をオンまたはオフにするタイミングを指定するために、電動機10の各相に対応する電圧制御信号として、パルス波形生成部14により生成される搬送波と比較するための周期信号をパルス波形生成部14へ出力する。制御部13は、例えば、この周期信号のオフセット値、振幅あるいは周期を変化させることにより、昇圧制御と弱め界磁制御を切り替えられる。そして制御部13は、電動機10を昇圧制御する場合には、例えば、コンデンサ4の両端子間電圧Vdcを、電動機10の回転数に応じて変動させる。そのため、制御部13は、インバータの正極側母線34に接続されたスイッチング素子SW1〜SW3の何れもがオフとなる期間と、スイッチング素子SW1〜SW3の何れかがオンとなる期間の比率を、目標とするコンデンサ4の両端子間電圧Vdcに応じて変えるように、電圧制御信号を生成する。一方、制御部13は、電動機10を弱め界磁制御する場合には、コンデンサ4の両端子電圧が一定に保たれるように、スイッチング素子SW1〜SW3の何れもがオフとなる期間と、スイッチング素子SW1〜SW3の何れかがオンとなる期間の比率を一定に保つように電圧制御信号を生成する。
パルス波形生成部14は、例えば、制御部13から受け取った電圧制御信号に基づいて、インバータ3の各スイッチング素子SW1〜SW6をオン/オフするスイッチング信号を生成する。
上記のように、本実施形態では、PWM制御により各スイッチング素子SW1〜SW6をオン/オフする。そこでパルス波形生成部14は、制御部13から受け取った、電動機10の各相に対応する電圧制御信号と、パルス波形生成部14が有する発振回路(図示せず)により生成される、所定の周期を持つ周期信号である搬送波とをそれぞれ比較回路(図示せず)により比較する。そしてパルス波形生成部14は、各相について、電圧制御信号が搬送波よりも高い場合、インバータ3の対応するアームの正極側母線34に接続されたスイッチング素子をオンとし、インバータ3の対応するアームの負極側母線35に接続されたスイッチング素子をオフとするスイッチング信号を生成する。
図3(a)は、搬送波と各相の電圧制御信号を表すタイミングチャートであり、図3(b)は、図3(a)に示された搬送波と電圧制御信号に基づいて生成されるスイッチング信号を表すタイミングチャートである。図3(a)及び(b)において、横軸は時間を表す。また図3(a)において、鋸歯状の波301は、搬送波を表す。また正弦波302〜304は、それぞれ、U相、V相、W相に対する電圧制御信号を表す。さらに図3(b)において、パルス状の波311〜316は、それぞれ、それらの波の左側に示されたスイッチング素子に対するスイッチング信号を表す。
例えば、搬送波301の最初の三角波とU相に対応する電圧制御信号302を比較すると、時刻t0からt1の間、搬送波301が電圧制御信号302よりも高くなっている。そのため、時刻t0からt1の間、インバータ3のU相に対応するアーム31に含まれる、正極側母線34に接続されたスイッチング素子SW1をオフとし、負極側母線35に接続されたスイッチング素子SW4をオンとするスイッチング信号が生成される。
なお、搬送波は、鋸波状の波に限られない。搬送波は、時間の経過に応じて電圧が単調増加と単調減少を繰り返すように変化する波、例えば、正弦波であってもよい。
パルス波形生成部14は、各スイッチング信号をパルス出力部15へ渡す。
パルス出力部15は、制御回路7とインバータ3の各スイッチング素子とを接続するためのインターフェース回路を有する。そしてパルス出力部15は、パルス波形生成部14から受け取った各スイッチング信号を、インバータ3の対応するスイッチング素子へ出力する。これにより、制御回路7は、所望のタイミングでインバータ3の各スイッチング素子SW1〜SW6をオンまたはオフにすることができる。そのため、制御回路7は、電動機10を、昇圧制御または弱め界磁制御の何れかにより、回転数指令信号で指定された回転数で回転させることができる。
以上説明してきたように、本発明の第1の実施形態に係る電動機駆動装置は、電動機の中性点とインバータの負極側母線の間に接続された電源電圧と誘起電圧の比較結果に基づいて、昇圧制御または弱め界磁制御のうち、エネルギー変換効率が高い方の制御を選択する。これにより、この電動機駆動装置は、昇圧用の回路をインバータと別個に有することなく、電動機のエネルギー変換効率を向上することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。図4に示されるように、第2の実施形態による電動機駆動装置21は、コンデンサ4の一端が各相のコイルL1〜L3がスター結線された電動機10の中性点と接続され、コンデンサ4の他端がインバータ3の正極側母線34に接続される点で、第1の実施形態による電動機駆動装置1と異なる。しかし、この場合も、コンデンサ4は、電動機10が昇圧制御される場合、電動機10の中性点とインバータ3の正極側母線34間の電圧に応じて、充電または放電することにより、電動機10に印加される電圧を調節する。なお、図4において、電動機駆動装置21の各構成要素には、図1に示された電動機駆動装置1の対応する構成要素と同じ参照番号を付した。
この電動機駆動装置21についても、制御回路7の制御部13は、図2に示した動作フローチャートに従って、電動機10を昇圧制御または弱め界磁制御する。ただし、電動機駆動装置21では、コンデンサ4の両端子間電圧Vdcと、電動機10の中性点とインバータ3の正極側母線34との間の電圧VHとの間には(1)式の関係は成立せず、VdcはVHそのものと等しい。そのため、図2に示した動作フローチャートのうち、ステップS107の判定処理において、Vdcが誘起電圧VEよりも大きい場合に、ステップS106の処理が実行され、一方、Vdcが誘起電圧VE以下である場合にステップS108の処理が実行される。
図5は、本発明の第3の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。図5示されるように、第3の実施形態による電動機駆動装置22は、直流電源2の陽極がインバータ3の正極側母線34に接続され、直流電源2の陰極が、各相のコイルL1〜L3がスター結線された電動機10の中性点と接続される点で、第1の実施形態による電動機駆動装置1と異なる。なお、図5において、電動機駆動装置21の各構成要素には、図1に示された電動機駆動装置1の対応する構成要素と同じ参照番号を付した。
この電動機駆動装置22についても、制御回路7の制御部13は、図2に示した動作フローチャートに従って、電動機10を昇圧制御または弱め界磁制御する。ただし、この電動機駆動装置22では、電動機10の中性点とインバータ3の正極側母線34間の電圧VHは、直流電源2の電源電圧と等しくなり、電動機10が昇圧制御される場合、電動機10の中性点とインバータ3の負極側母線35間の電圧VLが変動する。そして電圧計6は、電圧VHを測定する。そのため、制御部13は、図2に示した動作フローチャートのうち、ステップS104、S105及びS107の処理を実行する際、VLとVHを入れ換える。
図6は、本発明の第4の実施形態による電動機駆動装置の概略構成図である。図6に示されるように、第4の実施形態による電動機駆動装置23は、コンデンサ4の一端が各相のコイルL1〜L3がスター結線された電動機10の中性点と接続され、コンデンサ4の他端がインバータ3の負極側母線35に接続される点で、第3の実施形態による電動機駆動装置22と異なる。しかし、この場合も、コンデンサ4は、電動機10が昇圧制御される場合、電動機10の中性点とインバータ3の負極側母線35間の電圧に応じて、充電または放電することにより、電動機10に印加される電圧を調節する。なお、図6において、電動機駆動装置23の各構成要素には、図5に示された電動機駆動装置22の対応する構成要素と同じ参照番号を付した。
この電動機駆動装置23についても、制御回路7の制御部13は、図2に示した動作フローチャートに従って、電動機10を昇圧制御または弱め界磁制御する。ただし、電動機駆動装置23では、コンデンサ4の端子間電圧Vdcが、電動機10の中性点とインバータ3の負極側母線35との間の電圧VLと等しい。そのため、図2に示した動作フローチャートのステップS107の判定処理において、Vdcが誘起電圧VEよりも大きければ、ステップS106の処理が実行され、一方、Vdcが誘起電圧VE以下であれば、ステップS108の処理が実行される。また電源電圧はVHであるので、制御部13は、図2に示した動作フローチャートのステップS104及びS105の処理を実行する際、VLとVHを入れ換える。
なお、上記の各実施形態において、電動機の製造ばらつき等による誘起電圧の推定値への影響が小さい場合には、ステップS104及びS109の処理を省略してもよい。この場合、オフセット値Voffは、0に設定されてもよい。
また、コンデンサの両端子間電圧から電源電圧と誘起電圧の合計を引いた差によるエネルギー変換効率の低下が小さい場合には、ステップS107の処理を省略してもよい。
また、上記の各実施形態において、回転数指令信号で指定される電動機の回転数(機械角回転数ωrm)と、その回転数に対応する誘起電圧の関係を表す参照テーブルを、例えば測定結果またはシミュレーション結果に従って予め作成し、制御回路7の制御部13が有するメモリに記憶しておいてもよい。この場合、制御部13は、参照テーブルを参照することにより、回転数指令信号で指定される電動機の機械角回転数に対応する誘起電圧を推定できる。これにより、電動機10の製造ばらつき等により、回転数指令信号で指定される電動機の回転数と実際に生じる誘起電圧が(2)式の関係を満たさない場合でも、正確に誘起電圧を推定できる。
また、上記の各実施形態において、電動機駆動装置は、直流電源の供給電圧に対応するVLまたはVHを測定する代わりに、VLまたはVHとして、直流電源の供給電圧の規格値を用いてもよい。この場合、電動機駆動装置において、VLまたはVHを測定するための電圧計は省略されてもよい。
あるいは、上記の各実施形態において、電動機駆動装置は、VLまたはVHを測定する代わりに、コンデンサ4の両端子間電圧Vdcと、制御回路7からインバータ3へ出力されるスイッチング信号から、VLまたはVHを推定してもよい。例えば、第1の実施形態において、スイッチング信号の一周期中に、インバータ3の負極側母線35に接続された下側スイッチング素子SW4〜SW6のそれぞれについてオンとなっている期間の合計をTONとし、下側スイッチング素子SW4〜SW6のそれぞれについてオフとなっている期間の合計をTOFFとする。コンデンサ4は、下側スイッチング素子がオフとなっている期間中に、その下側スイッチング素子と対応する上側スイッチング素子を介して充電されるので、VdcとVLの間に次の関係がある。
Figure 0005493568
そこで、制御部13は、パルス波形生成部14からスイッチング信号を取得し、そのスイッチング信号から期間TON及びTOFFを求め、(3)式に、それら期間、回転数指令信号で指定された回転数及び測定電圧Vdcを入力することにより、VLを推定できる。
あるいは、VLまたはVHの測定値、あるいはVLまたはVHに対応する電源電圧の規格値を(3)式に代入することにより、制御部13は、コンデンサ4の両端子間電圧Vdcを推定してもよい。この場合には、コンデンサ4の両端子間電圧Vdcを測定するための電圧計は省略されてもよい。
さらに、制御部13は、上記の期間TON及びTOFFの代わりに、電圧制御信号を規定するパラメータを用いて、VLまたはVHを推定してもよい。上記のように、スイッチング信号は、パルス波形生成部14が発生させる搬送波と、電圧制御信号との比較結果により決定される。そのため、搬送波が固定されていれば、電圧制御信号に応じて、期間Ton及びToffも一意に決定される。すなわち、期間Ton及びToffの代わりに、電圧制御信号を規定するパラメータにより、VL及びVHを推定できる。例えば、第1の実施形態について、各相に対する電圧制御信号に対応する電圧ベクトルの大きさをVとすると、VLを次式により計算できる。
VL = A×(Vdc-V)
ただし、Aは補正係数である。また電圧ベクトルは、例えば、電圧制御信号の周期及び振幅が決定されているなら、電圧制御信号の実効値あるいは波高値とすることができる。
また、電動機駆動装置は、電動機の駆動中において、電動機を流れる電流を測定し、その測定電流に基づいて、あるいはその測定電流及びVdcなどの測定電圧に基づいて、使用する制御方法を選択してもよい。この場合、例えば、電動機を流れる電流を測定するために、インバータ3の正極側母線34または負極側母線35のうち、直流電源2の一方の極と接続される母線に電流計が設けられる。例えば、再度図4を参照すると、負極側母線35に電流計8が設置される。そして電流計8は、電流の測定値を制御回路7へ通知する。制御回路7の制御部13は、電流計により測定された電流値をセンサ信号受信部11を介して取得する。制御部13は、電源電圧が誘起電圧VEと略等しい場合(図2に示された動作フローチャートのステップS104−Yes)、測定電流値が予め定められた所定値よりも大きければ、弱め界磁制御を選択し、一方、測定電流値がその所定値以下であれば、昇圧制御を選択する。なお、この所定値は、例えば、昇圧制御が適用されたときのエネルギー変換効率よりも弱め界磁制御が適用されたときのエネルギー変換効率の方が高くなる下限値に設定される。
さらに、制御部13は、VL及びVHと誘起電圧VEとの関係にかかわらず、測定電流値が予め定められた所定値よりも大きければ、弱め界磁制御を選択し、一方、測定電流値がその所定値以下であれば、昇圧制御を選択してもよい。
このように、制御部が電動機を流れる電流の値を用いて電動機の制御方法を決定することにより、制御部は、リアルタイムに最適な制御方法を選択することができる。
さらに、上記の各実施形態において、制御部は、誘起電圧の推定値を、電動機の動作環境を表す状態信号に従って補正してもよい。なお、動作環境を表す状態信号として、例えば、電動機内部に設置された温度センサにより取得される電動機の内部温度、あるいは電動機の周囲若しくはインバータのサーミスタ温度を検知する温度センサにより取得される電動機周囲の温度あるいはインバータのサーミスタ温度を用いることができる。また状態信号の他の例として、電動機が組み込まれた装置の内部または周囲に設置された温度センサにより取得された温度、例えば、電動機が格納された空調装置の内部温度、あるいは電動機が設置されたエンジンルームの近くに設置された外気温センサにより取得される外気温を用いることができる。
この場合、制御回路のインターフェース部は、状態信号取得部としての機能を有し、例えば、空調装置あるいは外気温センサから、温度情報を状態信号として取得し、その状態信号を制御部へ渡す。
補正値を決定するために、上記の何れかの状態信号、あるいは状態信号の組み合わせについて、様々な状態信号値に対する、電動機の機械角回転数、コンデンサの両端子間電圧Vdc、電源電圧及び電動機を流れる電流値を予め測定することにより、各状態信号値と電動機の機械角回転数の組み合わせに対する誘起電圧が求められる。そして、(1)式により算出される誘起電圧の測定値との差が補正値とされる。そして求められた補正値を、誘起電圧の推定に利用される指標値とし、その指標値と各状態信号値と電動機の機械角回転数の組み合わせとを関連付けるマップが作成される。そのマップは、制御部のメモリに予め格納される。制御部は、電動機の駆動中において誘起電圧を推定する際、電動機の回転数指令信号で指定された機械角回転数及び状態信号値を取得する。そして制御部は、メモリに記憶されたマップを参照することにより、その機械角回転数及び状態信号値に対応する指標値である補正値を決定する。そして制御部は、(1)式により算出された誘起電圧に、その補正値を加えることにより、誘起電圧の推定値を求める。あるいは、各状態信号値と電動機の機械角回転数の組み合わせに対して測定された誘起電圧そのものを指標値として、マップに格納してもよい。この場合、制御部は、動機の駆動中において誘起電圧を推定する際、メモリに記憶されたマップを参照することにより、電動機の機械角回転数及び状態信号値に対応する誘起電圧の値を、誘起電圧の推定値とする。
さらに、各状態信号値と電動機の機械角回転数の組み合わせに対する誘起電圧の測定値に対して、例えば最小二乗法を適用することにより、各状態信号値と電動機の機械角回転数の組み合わせと誘起電圧の関係を表す関数を予め決定してもよい。この場合、制御部は、電動機の駆動中において誘起電圧を推定する際、回転数指令信号に示された電動機の機械角回転数及び状態信号値を上記の関数に入力することにより、誘起電圧を決定する。
また、上記の各実施形態において、制御回路は、回転数指令信号から誘起電圧を推定するが、制御回路が電動機を駆動するための電圧指令から誘起電圧を算出してもよい。なお、電動機を駆動するための電圧指令は、誘起電圧と、電動機の抵抗およびコイルによるインピーダンスから発生する電位差との和を表わすものである。そこで制御回路は、電動機に流れる電流の測定値あるいは回転数指令信号から算出した電動機の回転数若しくは回転数センサから得た電動機の回転数に基づいて、インピーダンスにより発生する電位差を算出する。そして、制御回路は、電圧指令に表された電圧値からインピーダンスにより発生する電位差を引くことにより、誘起電圧を求めることができる。また、インピーダンスから発生する電位差は非常に小さい。そのため、制御回路は、インピーダンスにより発生する電位差を誤差として無視し、電圧指令により表された電圧そのものを誘起電圧として代用してもよい。
また、上記の各実施形態において、制御回路は、VLまたはVHの何れかよりも誘起電圧VEが大きい場合にのみ、図2の動作フローチャートにおけるステップS104〜S108の処理を実行し、従って何れかの制御方法を選択し、それ以外の場合には、それ以前に適用されている制御方法に従って、電動機を駆動してもよい。これにより、制御回路は、昇圧制御または弱め界磁制御の選択に要する演算量を軽減することができる。
上記の各実施形態またはその変形例による電動機駆動装置、及びその電動機駆動装置により制御される電動機は、様々な装置、例えば、空調装置が有するコンプレッサ、ブロアファン等のファン装置、冷却水循環に用いるオイルポンプ、車両の動力源もしくは操舵装置として利用できる。
図7は、本発明の何れかの実施形態による電動機駆動装置により制御された電動機により駆動される電動コンプレッサを有する車載空調装置の概略構成図である。車載空調装置100は、ヒートポンプ回路110と、制御装置120とを有する。ヒートポンプ回路110は、電動コンプレッサ111、コンデンサ112、レシーバ113、膨張弁114及びエバポレータ115を有する。
電動コンプレッサ111は、例えば、可変容量型のコンプレッサとすることができ、シャフト101及びシャフト101が回転可能に取り付けられた圧縮部102と、電動機103と、電動機駆動装置104とを有する。電動コンプレッサ111は、電動機103による動力を、ベルトまたはプーリを介してシャフト101に伝達してシャフト101を回転させる。そしてシャフト101に、斜板(図示せず)を介して取り付けられたシリンダ(図示せず)が圧縮部102内で移動することにより、圧縮部102内に供給された冷媒が圧縮され、高圧ガスになる。そしてこの圧縮部102が、電動機103による動力を用いる動作部となる。
電動機103は、多相交流電動機であり、上記の各実施形態における交流電動機と同様に、各相のコイルがスター結線されている。そして電動機103の中性点と、電動機駆動装置104が有するインバータの正極側母線または負極側母線との間に、直流電源(図示せず)からの直流電力が供給され、その直流電力によって回転する。なお、直流電源は、例えば、車両に搭載されたバッテリ、あるいはバッテリから供給された電圧を所定の電圧に変換し、変換された電圧を出力する電源回路とすることができる。
電動機駆動装置104は、上記の各実施形態の何れかの電動機駆動装置である。そして電動機駆動装置104は、電動機103で生じる誘起電圧と、電動機駆動装置104が有するコンデンサの両端子間電圧とに基づいて、昇圧制御あるいは弱め界磁制御の何れかを選択し、選択された制御方法に従って電動機103を駆動する。
コンデンサ112は、電動コンプレッサ111より送られてきた高温、高圧の冷媒ガスを冷却し、液化させる。レシーバ113は、液化された冷媒ガスを貯蔵する。また、冷却性能の低下を防ぐため、液化された冷媒に含まれるガス状の気泡を取り除き、完全に液化された冷媒のみを膨張弁114へ送る。膨張弁114は、液化された冷媒を断熱膨張させて低温、低圧化し、エバポレータ115へ送る。エバポレータ115は、低温、低圧化された冷媒と、ブロアファン(図示せず)などによってエバポレータ115に送り込まれた空気との間で熱交換を行ってその空気を冷却する。冷却された空気は、車内へ吹き出され、車内を冷房する。一方エバポレータ115における熱交換により暖められた冷媒は、再度電動コンプレッサ111へ流入する。
電動コンプレッサ111と同様に、ブロアファンも交流電動機により駆動される装置である。ブロアファンは、交流電動機により供給される動力を、ダイレクトドライブによる連結軸を介して動作部であるファンに伝達することにより、ファンを回転させる。このブロアファンも、本発明の何れかの実施形態による電動機駆動装置により交流電動機を制御することで、エネルギー変換効率の良い電動機駆動が可能となる。
制御装置(以下では、空調ECUと呼ぶ)120は、組み込み型のマイクロプロセッサ、メモリ、通信回路及びその周辺回路により構成される。そして空調ECU120は、マイクロプロセッサ上で動作するプログラム、目標室温、車室内気温などに従って、空調装置100の各部の動作を制御する。また空調ECU120は、コントロールエリアネットワーク(CAN)のような車載ネットワークを通じて、電動機103を制御する、上記の何れかの実施形態による電動機駆動装置104と相互に通信可能となっている。そして空調ECU120は、目標室温、車室内気温にしたがって、電動機103の回転数(機械角回転数)を決定する。そして空調ECU120は、その回転数を電動機駆動装置104へ通知する。
上記のように、当業者は、本発明の範囲内で様々な修正を行うことが可能である。
1、21、22、23 電動機駆動装置
2 電源
3 インバータ
31 U相アーム
32 V相アーム
33 W相アーム
4 コンデンサ
5、6 電圧計
7 制御回路
8 電流計
11 センサ信号受信部
12 インターフェース部
13 制御部
14 パルス波形生成部
15 パルス出力部
10 電動機
100 車載空調装置
110 ヒートポンプ回路
120 制御装置
111 電動コンプレッサ
112 コンデンサ
113 レシーバ
114 膨張弁
115 エバポレータ
101 シャフト
102 圧縮部
103 電動機
104 電動機駆動装置

Claims (8)

  1. 複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置であって、
    前記交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアーム(31〜33)を有し、該複数のアーム(31〜33)のそれぞれについて、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と前記第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する前記交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、
    前記交流電動機(10)の各コイルの他端が結線された中性点と、前記インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつ前記インバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)と、
    前記交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する制御回路(7)とを有し、
    前記制御回路(7)は、前記交流電動機(10)に生じる誘起電圧が前記直流電源(2)が供給する電源電圧よりも大きく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が所定の範囲よりも大きい場合、該誘起電圧を低下させる弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも小さく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲よりも大きい場合、前記コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより前記交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲内である場合、前記弱め界磁制御と前記昇圧制御のうちの予め定めた制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する、
    ことを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置であって、
    前記交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアーム(31〜33)を有し、該複数のアーム(31〜33)のそれぞれについて、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と前記第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する前記交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、
    前記交流電動機(10)の各コイルの他端が結線された中性点と、前記インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつ前記インバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)と、
    前記交流電動機(10)に流れる電流を測定する電流計と、
    前記交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する制御回路(7)とを有し、
    前記制御回路(7)は、前記交流電動機(10)に生じる誘起電圧が前記直流電源(2)が供給する電源電圧よりも大きく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が所定の範囲よりも大きい場合、該誘起電圧を低下させる弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも小さく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲よりも大きい場合、前記コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより前記交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲内である場合、前記電流の値が所定値よりも高い場合、前記弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、前記電流の値が当該所定値以下である場合、前記昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する、
    ことを特徴とする電動機駆動装置。
  3. 前記制御回路(7)は、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも小さい場合において、前記電源電圧と前記誘起電圧の合計が前記コンデンサ(4)の両端子間電圧よりも低い場合、前記弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御する、請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  4. 前記制御回路(7)は、前記インバータの各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御するためのスイッチング信号の一周期における、前記インバータ(3)から前記コンデンサ(4)へ電流が流れる期間が占める比率前記コンデンサ(4)の両端子間電圧に乗じることにより、前記電源電圧を推定する、請求項に記載の電動機駆動装置。
  5. 前記交流電動機(10)の動作環境の状態を表す状態信号を取得する状態信号取得部(12)をさらに有し、
    前記制御回路(7)は、前記状態信号と前記回転数の組み合わせに対して予め定められた誘起電圧の指標となる値のうち、前記状態信号及び前記指定された回転数に対応する値を用いて、前記誘起電圧を推定する、請求項1〜4の何れか一項に記載の電動機駆動装置。
  6. 複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置の制御方法であって、
    前記電動機駆動装置は、
    前記交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアームを有し、該複数のアームのそれぞれについて、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と前記第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する前記交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、
    前記交流電動機(10)の各コイルの他端が結線された中性点と、前記インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつ前記インバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)とを有し、
    前記制御方法は、
    前記交流電動機(10)に生じる誘起電圧を前記直流電源(2)が供給する電源電圧と比較するステップと、
    前記交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも大きく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が所定の範囲よりも大きい場合、前記誘起電圧を低下させる弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも小さく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲よりも大きい場合、前記コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより前記交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲内である場合、前記弱め界磁制御と前記昇圧制御のうちの予め定めた制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御するステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  7. 複数のコイルがスター結線された交流電動機(10)を駆動する電動機駆動装置の制御方法であって、
    前記電動機駆動装置は、
    前記交流電動機(10)の複数のコイルのそれぞれに対応し、かつ正極側母線に接続された第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と負極側母線との間に直列接続された第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)を有する複数のアームを有し、該複数のアームのそれぞれについて、前記第1のスイッチング素子(SW1〜SW3)と前記第2のスイッチング素子(SW4〜SW6)の中点が、対応する前記交流電動機(10)のコイルの一端と接続されたインバータ(3)と、
    前記交流電動機(10)の各コイルの他端が結線された中性点と、前記インバータ(3)の正極側母線または負極側母線との間に直流電圧を印加する直流電源(2)から供給され、かつ前記インバータ(3)を経由する電流により充電されるコンデンサ(4)と、 前記交流電動機(10)に流れる電流を測定する電流計とを有し、
    前記制御方法は、
    前記交流電動機(10)に生じる誘起電圧を前記直流電源(2)が供給する電源電圧と比較するステップと、
    前記交流電動機(10)が指定された回転数で回転するように、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも大きく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が所定の範囲よりも大きい場合、前記誘起電圧を低下させる弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、前記誘起電圧が前記電源電圧よりも小さく、かつ、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲よりも大きい場合、前記コンデンサ(4)の充電量を変化させることにより前記交流電動機(10)に印加される電圧を変える昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、一方、前記電源電圧と前記誘起電圧の差が前記所定の範囲内である場合、前記電流の値が所定値よりも高い場合、前記弱め界磁制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御し、前記電流の値が当該所定値以下である場合、前記昇圧制御により前記インバータ(3)の各スイッチング素子(SW1〜SW6)を制御するステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  8. 複数のコイルがスター結線された交流電動機(103)と、
    前記交流電動機を制御する請求項1〜5の何れか一項に記載された電動機駆動装置(104)と、
    前記交流電動機により供給される動力を用いて、所定の仕事をなす動作部と、
    を有する電動装置。
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