JP2023146315A - 電動圧縮機 - Google Patents

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篤志 内藤
Atsushi Naito
真二 河原
Shinji Kawahara
圭司 八代
Keiji Yashiro
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Abstract

Figure 2023146315000001
【課題】適切な直流電圧の検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる電動圧縮機を提供することである。
【解決手段】車載用電動圧縮機10が備える検出部341は、第1電圧範囲の直流電圧を検出する第1検出部342と、第2電圧範囲の直流電圧を検出する第2検出部343とを有する。第1電圧範囲と、第2電圧範囲とは、第1電圧範囲の方が、第2電圧範囲に比して広くかつ高い範囲である。回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値以上の場合、第1検出部342の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。また、回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値未満の場合、第2検出部343の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動圧縮機に関する。
従来、インバータ回路のスイッチング素子のスイッチングにより直流電圧をPWM変調して交流電圧に変換しつつ、変換した交流電圧をモータコイルに出力することでモータを駆動するモータ駆動装置に関する技術が知られている。ここで、モータ駆動装置は、車両の衝突等に伴うモータの停止時には、インバータ回路の平滑コンデンサや、モータによって駆動される駆動対象が有するキャパシタの残留電荷を速やかに放電するアクティブディスチャージ制御を行なう場合がある。特許文献1には、アクティブディスチャージ制御に係る技術が記載されている。
特開2015-208187号公報
ここで、平滑コンデンサや駆動対象が有するキャパシタの電圧に基づいて、モータを強制的に駆動させることにより、アクティブディスチャージ制御を実現する場合がある。一方で、検出部の構成によっては、平滑コンデンサや駆動対象が有するキャパシタの電荷が放電されることで、電圧が低くなると、正確な電圧を検出できない場合があった。この場合、モータ駆動装置は、電圧の検出誤差に伴い、適切にアクティブディスチャージ制御することが困難である。
また、平滑コンデンサの電圧よりもモータの誘起電圧が小さくなるように制御することによって、モータの回転数を徐々に下げて、アクティブディスチャージ制御を実現する制御方法が知られている。しかしながら、この制御方法では、平滑コンデンサや駆動対象が有するキャパシタの電圧に基づいて、モータを強制的に駆動させる場合に比して、アクティブディスチャージ制御を完了するまでに時間を要する場合があった。
上記目的を達成する電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、直流電源から供給される電力により、前記圧縮部を駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動させるスイッチング素子を有するインバータ回路と、前記直流電源が出力する直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、前記インバータ回路を制御するインバータ制御装置と、を備え、前記インバータ制御装置は、前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御する回転制御部と、を備え、前記検出部は、第1電圧範囲の前記直流電圧を検出する第1検出部と、第2電圧範囲の前記直流電圧を検出する第2検出部とを有し、前記第1電圧範囲と、前記第2電圧範囲とは、前記第1電圧範囲の方が、前記第2電圧範囲に比して広くかつ高い範囲であり、前記回転制御部は、前記第1検出部の検出結果が所定の閾値以上の場合、前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御し、前記第1検出部の検出結果が所定の閾値未満の場合、前記第2検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御する。
かかる構成によれば、適切な直流電圧の検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
上記電動圧縮機において、前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を、互いに直列に接続された第1抵抗、及び第2抵抗により分圧する第1分圧回路と、前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を、互いに直列に接続された第3抵抗、及び第4抵抗により分圧する第2分圧回路と、を備え、前記第1検出部には、前記第1分圧回路により分圧された第1直流電圧が入力され、前記第2検出部には、前記第2分圧回路により分圧された第2直流電圧が入力され、前記第1直流電圧と、前記第2直流電圧とでは、前記第2直流電圧の方が大きい電圧であってもよい。
かかる構成によれば、第2検出部は、第1検出部と同一の分解能によって直流電圧を検出する場合において、直流電圧が低下した場合であっても、適切な直流電圧の検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
上記電動圧縮機において、前記所定の閾値には、ヒステリシスが設けられてもよい。
かかる構成によれば、直流電圧が所定の閾値の近傍の値をとる場合に、適切な直流電圧の検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
本発明によれば、適切な直流電圧の検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
車両の全体構成の一例を示す図である。 インバータ回路、及びインバータ制御装置の構成の一例を示す図である。 分圧回路と検出部の説明に用いられる図である。 車載用電動圧縮機の動作の一例を示すフローチャートである。 分圧回路と検出部の他の例の説明に用いられる図である。
[実施形態]
以下、電動圧縮機の一実施形態について説明する。本実施形態では、電動圧縮機が車載用電動圧縮機であって、当該車載用電動圧縮機は、車載用空調装置に用いられる場合について説明する。
<車両100の全体構成>
以下、車載用電動圧縮機の概要について説明する。図1に示すように、車両100に搭載されている車載用空調装置101は、車載用電動圧縮機10と、外部冷媒回路102と、空調ECU(Electronic Control Unit)103と、車載用蓄電装置104とを備えている。
外部冷媒回路102は、車載用電動圧縮機10に対して流体としての冷媒を供給する。外部冷媒回路102は、例えば、熱交換器、及び膨張弁等を有している。車載用空調装置101は、車載用電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ外部冷媒回路102によって冷媒の熱交換、及び膨張が行われることによって、車内の冷暖房を行う。
空調ECU103は、当該車載用空調装置101の全体を制御する。空調ECU103は、車内温度やカーエアコンの設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、車載用電動圧縮機10に対して指令回転速度Ncなどの各種指令を送信する。
車載用蓄電装置104は、直流電力の充放電が可能なものであれば任意であり、例えば、二次電池や電気二重層キャパシタ等である。車載用蓄電装置104は、車載用電動圧縮機10の直流電源として用いられる。
車載用電動圧縮機10は、車載用電動モータ11と、圧縮部12と、インバータ回路13と、インバータ制御装置14とを備えている。圧縮部12は、車載用電動モータ11によって駆動する。インバータ回路13は、車載用蓄電装置104を用いて車載用電動モータ11を駆動させる。インバータ制御装置14は、インバータ回路13の制御に用いられる。
車載用電動モータ11は、回転軸21と、回転軸21に固定されたロータ22と、ロータ22に対して対向配置されているステータ23と、ステータ23に捲回されたu相コイル24uと、v相コイル24vと、w相コイル24wとを備える。以降の説明において、u相コイル24uと、v相コイル24vと、w相コイル24wとを互いに区別しない場合には、「3相コイル24u,24v,24w」と記載する。
ロータ22には、永久磁石22aが含まれる。詳しくは、永久磁石22aは、ロータ22内に埋め込まれている。3相コイル24u,24v,24wは、例えば、Y結線されている。ロータ22、及び回転軸21は、3相コイル24u,24v,24wが所定のパターンで通電されることにより回転する。つまり、車載用電動モータ11は、3相モータである。
圧縮部12は、車載用電動モータ11が駆動することによって冷媒を圧縮する。詳しくは、圧縮部12は、回転軸21が回転することによって、外部冷媒回路102から供給された吸入冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出する。圧縮部12は、例えば、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等の構成により実現される。
インバータ回路13は、車載用蓄電装置104が出力する直流電力を、交流電力に変換する。これにより、車載用電動モータ11は、インバータ回路13から出力される交流電力によって駆動する。
<インバータ回路13、及びインバータ制御装置14の構成>
図2に示すように、車載用蓄電装置104と、インバータ回路13との間には、リレー105と、コイル106と、平滑コンデンサ107とが設けられている。リレー105は、車載用蓄電装置104の高圧側である正極端子に接続されている正極母線LN1に設けられる。リレー105は、インバータ制御装置14によって開状態、又は閉状態に制御される。リレー105は、閉状態において、車載用蓄電装置104と、インバータ回路13とを電気的に接続し、開状態において、車載用蓄電装置104と、インバータ回路13とを電気的に切断する。
コイル106は、正極母線LN1に設けられる。詳しくは、正極母線LN1において、コイル106は、リレー105よりもインバータ回路13側に設けられる。コイル106は、平滑コンデンサ107により発生し得る共振周波数を変更すること等を目的として設けられている。コイル106と、平滑コンデンサ107とは、所謂LCフィルタ回路を構成している。
平滑コンデンサ107は、正極母線LN1と、負極母線LN2との間に、インバータ回路13と互いに並列に接続されている。負極母線LN2は、車載用蓄電装置104の低圧側である負極端子に接続されている母線である。以降の説明において、正極母線LN1の電位を、「正極電位Vp」と記載し、負極母線LN2の電位を、「負極電位VSS」と記載する。平滑コンデンサ107は、車載用蓄電装置104が出力する直流電圧を平滑にすることを目的として設けられている。
インバータ回路13は、正極母線LN1と、負極母線LN2との間に設けられている。インバータ回路13は、スイッチング素子を有している。詳しくは、インバータ回路13は、u相コイル24uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル24vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル24wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。以降の説明において、u相スイッチング素子Qu1,Qu2、v相スイッチング素子Qv1,Qv2、及びw相スイッチング素子Qw1,Qw2を互いに区別しない場合には、「3相スイッチング素子Qu1~Qw2」と記載する。
3相スイッチング素子Qu1~Qw2は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワースイッチング素子により実現される。3相スイッチング素子Qu1~Qw2は、それぞれ、還流ダイオードを有している。詳しくは、u相スイッチング素子Qu1は、還流ダイオードDu1を有し、u相スイッチング素子Qu2は、還流ダイオードDu2を有し、v相スイッチング素子Qv1は、還流ダイオードDv1を有し、v相スイッチング素子Qv2は、還流ダイオードDv2を有し、w相スイッチング素子Qw1は、還流ダイオードDw1を有し、w相スイッチング素子Qw2は、還流ダイオードDw2を有する。以降の説明において、還流ダイオードDu1,Du2,Dv1,Dv2,Dw1,Dw2を互いに区別しない場合には、「還流ダイオードDu1~Dw2」と記載する。還流ダイオードDu1~Dw2のカソードは、対応する3相スイッチング素子Qu1~Qw2のコレクタに接続されており、還流ダイオードDu1~Dw2のアノードは、対応する3相スイッチング素子Qu1~Qw2のエミッタに接続されている。
u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、接続線を介して互いに直列に接続されている。接続線は、u相コイル24uに接続されている。u相スイッチング素子Qu1のコレクタは、正極母線LN1に接続されている。u相スイッチング素子Qu2のエミッタは、負極母線LN2に接続されている。v相スイッチング素子Qv1,Qv2は、接続線を介して互いに直列に接続されている。接続線は、v相コイル24vに接続されている。v相スイッチング素子Qv1のコレクタは、正極母線LN1に接続されている。v相スイッチング素子Qv2のエミッタは、負極母線LN2に接続されている。w相スイッチング素子Qw1,Qw2は、接続線を介して互いに直列に接続されている。接続線は、w相コイル24wに接続されている。w相スイッチング素子Qw1のコレクタは、正極母線LN1に接続されている。w相スイッチング素子Qw2のエミッタは、負極母線LN2に接続されている。
インバータ制御装置14は、例えば、分圧回路31と、電流センサ32と、3相/2相変換回路33と、制御部34とを備える。分圧回路31は、正極母線LN1と、負極母線LN2との間に生じる直流電圧Vinを分圧し、制御部34に出力する。直流電圧Vinは、車載用蓄電装置104が出力する直流電圧、且つ平滑コンデンサ107の両端に生じる直流であって、インバータ回路13に入力される直流電圧である。リレー105が閉状態である場合、直流電圧Vinは、例えば、1000[V]程度の電圧である。本実施形態では、分圧回路31は、コイル106と、平滑コンデンサ107とが構成する所謂LCフィルタ回路を通過した後の直流電圧が、直流電圧Vinとして入力されるものとする。分圧回路31の詳細な構成については、後述する。
電流センサ32は、車載用電動モータ11に流れるモータ電流を検出する。モータ電流とは、例えば、u相コイル24uに流れるu相電流Iuと、v相コイル24vに流れるv相電流Ivと、w相コイル24wに流れるw相電流Iwとである。以降の説明の説明において、u相電流Iu、v相電流Iv、及びw相電流Iwを互いに区別しない場合には、「3相電流Iu,Iv,Iw」と記載する。
3相/2相変換回路33は、電流センサ32によって検出された3相電流Iu,Iv,Iwを互いに直交したd軸電流Id、及びq軸電流Iqに変換する。以降の説明において、d軸電流Id、及びq軸電流Iqを互いに区別しない場合には、「2相電流Id,Iq」と記載する。d軸電流Idは、ロータ22の磁束軸方向成分の電流であり、励磁成分電流である。また、q軸電流Iqは、車載用電動モータ11のトルクに寄与するトルク成分電流である。
制御部34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めインバータ制御装置14が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体を備える記憶装置(不図示)に格納されていてもよい。記憶装置は、例えば、上記の各種記憶媒体、或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。
制御部34は、例えば、検出部341と、位置推定部344と、3相電圧指令値導出部345と、回転制御部346を備える。また、検出部341は、第1検出部342と、第2検出部343とを備える。第1検出部342、及び第2検出部343には、分圧回路31により分圧された直流電圧Vinが入力される。以降の説明において、第1検出部342、及び第2検出部343を互いに区別しない場合には、検出部341と記載する。
図3に示すように、分圧回路31は、第1分圧回路31aと、第2分圧回路31bとを備える。第1分圧回路31aは、直流電圧Vinを第1直流電圧Vin1に分圧する回路である。第2分圧回路31bは、直流電圧Vinを第2直流電圧Vin2に分圧する回路である。第1分圧回路31aは、例えば、第1抵抗R11と、第2抵抗R12と、ダイオードD1と、ダンピング抵抗R13と、バイパスコンデンサC1とを備える。第2分圧回路31bは、例えば、第3抵抗R21と、第4抵抗R22と、ダイオードD2と、ダンピング抵抗R23と、バイパスコンデンサC2とを備える。
第1抵抗R11と、第2抵抗R12とは、正極電位Vpと、負極電位VSSとの間に、互いに直列に接続されている。詳しくは、第1抵抗R11の第1端子は、正極母線LN1に接続されている。第1抵抗R11の第2端子と、第2抵抗R12の第1端子とは、接続されている。第2抵抗R12の第2端子は、負極母線LN2に接続されている。第1抵抗R11と、第2抵抗R12との接続点は、ダンピング抵抗R13を介して、第1検出部342に接続されている。第1抵抗R11と、第2抵抗R12とにより、直流電圧Vinは、第1直流電圧Vin1に分圧される。ダンピング抵抗R13は、第1直流電圧Vin1の振動を減衰させること等を目的として設けられている。バイパスコンデンサC1は、第1直流電圧Vin1の変動を抑制しつつ、第1検出部342にノイズが流入することを抑制すること等を目的として設けられている。
第1検出部342は、例えば、ADコンバータにより実現される。詳しくは、第1検出部342は、0[V]から正電圧VDDまでの範囲の入力電圧を、A-D変換することにより、分圧された第1直流電圧Vin1に基づいて、直流電圧Vinを検出する。正電圧VDDとは、例えば、制御部34の動作に用いられる電圧であって、数[V]程度の電圧である。ダイオードD1は、第1直流電圧Vin1が正電圧VDDよりも大きい電圧である場合、正電圧VDDよりも大きい電圧が制御部34(つまり、第1検出部342)に印加されることを抑制する。したがって、第1検出部342には、第1直流電圧Vin1が正電圧VDDより大きい電圧である間は、正電圧VDDが入力され、直流電圧Vinが正電圧VDD以下の電圧である間は、第1直流電圧Vin1が入力される。以下、直流電圧Vinのうち、第1検出部342が検出可能な直流電圧の範囲を、「第1電圧範囲AR1」と記載する。
第3抵抗R21と、第4抵抗R22とは、正極電位Vpと、負極電位VSSとの間に、互いに直列に接続されている。詳しくは、第3抵抗R21の第1端子は、正極母線LN1に接続されている。第3抵抗R21の第2端子と、第4抵抗R22の第1端子とは、接続されている。第4抵抗R22の第2端子は、負極母線LN2に接続されている。第3抵抗R21と、第4抵抗R22との接続点は、ダンピング抵抗R23を介して、第2検出部343に接続されている。第3抵抗R21と、第4抵抗R22とにより、直流電圧Vinは、第2直流電圧Vin2に分圧される。ダンピング抵抗R23は、第2直流電圧Vin2の振動を減衰させること等を目的として設けられている。バイパスコンデンサC2は、第2直流電圧Vin2の変動を抑制しつつ、第2検出部343にノイズが流入することを抑制すること等を目的として設けられている。
第2検出部343は、例えば、ADコンバータにより実現される。詳しくは、第2検出部343は、0[V]から正電圧VDDまでの範囲の入力電圧を、A-D変換することにより、分圧された第2直流電圧Vin2に基づいて、直流電圧Vinを検出する。ダイオードD2は、第2直流電圧Vin2が正電圧VDDよりも大きい電圧である場合、正電圧VDDよりも大きい電圧が制御部34(つまり、第2検出部343)に印加されることを抑制する。したがって、第2検出部343には、第2直流電圧Vin2が正電圧VDDより大きい電圧である間は、正電圧VDDが入力され、直流電圧Vinが正電圧VDD以下の電圧である間は、第2直流電圧Vin2が入力される。以下、直流電圧Vinのうち、第2検出部343が検出可能な直流電圧の範囲を、「第2電圧範囲AR2」と記載する。
以下、第1検出部342を実現するADコンバータの分解能と、第2検出部343を実現するADコンバータの分解能とが、同一であるものとする。第1抵抗R11、第2抵抗R12、第3抵抗R21、及び第4抵抗R22は、第1直流電圧Vin1と、第2直流電圧Vin2とでは、第2直流電圧Vin2の方が大きい電圧となるように、抵抗値が設定されている。つまり、第1分圧回路31aと、第2分圧回路31bとでは、第1分圧回路31aの方が、直流電圧Vinをより小さい値の第1直流電圧Vin1に分圧する。一方で、上述したように、第1検出部342と、第2検出部343とは、いずれも正電圧VDD以下の電圧しか検出することができない。したがって、第1電圧範囲AR1と、第2電圧範囲AR2とでは、第1電圧範囲AR1の方が、第2電圧範囲AR2に比して、広くかつ高い範囲である。また、第1電圧範囲AR1には、第2電圧範囲AR2が含まれる。したがって、第1検出部342と、第2検出部343とでは、第1検出部342の方が、第2検出部343に比して、高い電圧までの範囲を検出可能である。
図2に戻り、位置推定部344は、ロータ22の回転位置、及び回転速度を推定する。位置推定部344は、例えば、2相電流Id,Iqと、2相電圧指令値Vdr,Vqrとのうち、少なくとも1つに基づいて、ロータ22の回転位置、及び実際の回転速度である実回転速度Nrを推定する。実回転速度Nrの単位は、例えば、rpm等である。位置推定部344は、所定の時間間隔毎に電流センサ32の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて、定期的にロータ22の回転位置、及び実回転速度Nrを推定する。
3相電圧指令値導出部345は、空調ECU103から取得した外部指令値と、位置推定部344によって推定された実回転速度Nrとに基づいて、3相コイル24u,24v,24wに印加する3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrを導出する。外部指令値とは、例えば、指令回転速度Ncである。指令回転速度Ncの単位は、例えば、rpm等である。空調ECU103は、車載用空調装置101の運転状況などから、必要な冷媒の流量を算出し、その流量を実現できる指令回転速度Ncを算出する。空調ECU103は、算出した指令回転速度Ncをインバータ制御装置14に出力する。
詳しくは、3相電圧指令値導出部345は、空調ECU103から取得した指令回転速度Ncと、位置推定部344によって推定された実回転速度Nrとに基づいて、d軸電流指令値Idrと、q軸電流指令値Iqrとを導出する。d軸電流指令値Idrは、d軸電流Idの目標値である。q軸電流指令値Iqrは、q軸電流Iqの目標値である。以降の説明において、d軸電流指令値Idrと、q軸電流指令値Iqrとを互いに区別しない場合には、「2相電流指令値Idr,Iqr」と記載する。
3相電圧指令値導出部345は、導出した2相電流指令値Idr,Iqrと、3相/2相変換回路33が変換した2相電流Id,Iqとに基づいて、d軸電圧指令値Vdrと、q軸電圧指令値Vqrとを導出する。d軸電圧指令値Vdrは、車載用電動モータ11のd軸に印加する電圧の目標値であり、q軸電圧指令値Vqrは、車載用電動モータ11のq軸に印加する電圧の目標値である。以降の説明において、d軸電圧指令値Vdrと、q軸電圧指令値Vqrとを互いに区別しない場合には、「2相電圧指令値Vdr,Vqr」と記載する。
3相電圧指令値導出部345は、2相電圧指令値Vdr,Vqrに基づいてu相電圧指令値Vur、v相電圧指令値Vvr、及びw相電圧指令値Vwrを導出する。u相電圧指令値Vurは、u相コイル24uの印加電圧の目標値であり、v相電圧指令値Vvrは、v相コイル24vの印加電圧の目標値であり、w相電圧指令値Vwrは、w相コイル24wの印加電圧の目標値である。以降の説明において、u相電圧指令値Vur、v相電圧指令値Vvr、及びw相電圧指令値Vwrを互いに区別しない場合には、「3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwr」と記載する。
3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrは、電気角に応じて変化するものである。3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrは、例えば、電気角の0[°]~360[°]を1周期とした基準振幅を有する波形となっている。3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrの位相は互いに異なっており、例えば、互いに120°ずれている。3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrの波形は、正弦波、三角波、矩形波、又は、それらの波形の変形したものなど、任意である。
回転制御部346は、3相電圧指令値導出部345によって導出された3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrと、キャリア信号とに基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2のスイッチングパターン(詳細には、デューティ比)が設定されたPWM信号を相毎に生成する。
回転制御部346は、予め定められた周期で上述した通常回転制御を繰り返し実行する。予め定められた周期とは、例えば、キャリア信号の周期である。回転制御部346は、生成したPWM信号を、3相スイッチング素子Qu1~Qw2に出力する。これにより、回転制御部346は、3相スイッチング素子Qu1~Qw2のスイッチング制御を行う。つまり、インバータ制御装置14は、PWM信号を用いて3相スイッチング素子Qu1~Qw2をPWM制御する。以下、回転制御部346が、位置推定部344、及び3相電圧指令値導出部345の処理結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2をPWM制御する処理を、「通常回転制御」と記載する。
<アクティブディスチャージ制御について>
また、回転制御部346は、所定の条件を満たす場合、上述した通常回転制御に代えて、平滑コンデンサ107の残留電荷を速やかに放電する停止時放電制御(以下、アクティブディスチャージ制御)を行なう。所定の条件とは、例えば、車両100の衝突等に伴い車載用電動モータ11を停止させること等である。回転制御部346は、例えば、衝突センサによる衝突の検知の有無等に基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する。
回転制御部346は、アクティブディスチャージ制御において、リレー105を開状態に制御する。次に、回転制御部346は、平滑コンデンサ107から強制的に車載用電動モータ11に電流を流し、平滑コンデンサ107を放電させる。回転制御部346は、例えば、検出部341の検出結果が、直流電圧Vinが所定の電圧以下の値を示すまでの間、強制的に車載用電動モータ11に電流を流す制御を実行する。所定の電圧とは、例えば、平滑コンデンサ107の残留電荷が他の構成に影響することなく車両100を停止させることが可能な電圧であって、第2電圧範囲AR2内の電圧である。以下、所定の電圧が、60[V]であるものとする。
具体的には、回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値以上の場合、第1検出部342の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。また、回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値未満の場合、第2検出部343の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。所定の閾値は、例えば、予め定められた直流電圧を示す値であって、第2電圧範囲AR2内の直流電圧を示す値である。以下、所定の閾値が、200[V]を示す値であるものとする。
<動作フロー>
以下、図4を参照し、インバータ制御装置14の動作の一例について説明する。図4に示すフローチャートは、例えば、所定の時間間隔毎に繰り返し実行される。まず、回転制御部346は、所定の条件を満たすか否かを判定し、アクティブディスチャージ制御が必要か否かを判定する(ステップS100)。回転制御部346は、所定の条件を満たさないと判定した場合、通常回転制御を実行し(ステップS102)、処理をステップS100に進める。
回転制御部346は、所定の条件を満たすと判定した場合、アクティブディスチャージ制御を制御すると決定する。詳しくは、回転制御部346は、所定の条件を満たすと判定した場合、第1検出部342の検出結果が、所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が、所定の閾値以上であると判定した場合、第1検出部342の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御し、アクティブディスチャージ制御を実行する(ステップS106)。回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が、所定の閾値未満であると判定した場合、第2検出部343の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御し、アクティブディスチャージ制御を実行する(ステップS108)。
回転制御部346は、ステップS106、又はステップS108の処理により、平滑コンデンサ107の放電が完了したか否かを判定する(ステップS110)。詳しくは、回転制御部346は、第2検出部343の検出結果が、直流電圧Vinが所定の電圧以下の値であることを示すか否かを判定する。回転制御部346は、第2検出部343の検出結果が、直流電圧Vinが所定の電圧以下の値であることを示すまでの間、ステップS104~S106の処理を繰り返す。回転制御部346は、第2検出部343の検出結果が、直流電圧Vinが所定の電圧以下の値であることを示すと判定した場合、処理を終了する。
[実施形態の作用]
以下、上記実施形態の作用について説明する。例えば、第1電圧範囲AR1が、0[V]~1000[V]程度の範囲であり、第2電圧範囲AR2が、0[V]~200[V]程度の範囲であるものとする。また、例えば、正電圧VDDが、5[V]であるものとする。この場合、第1抵抗R11、及び第2抵抗R12は、直流電圧Vinが1000[V](又は、1000[V]+マージン電圧)である場合に、第1直流電圧Vin1が5[V]となるように、抵抗値が設定される。また、第3抵抗R21、及び第4抵抗R22は、直流電圧Vinが200[V](又は、200[V]+マージン電圧)である場合に、第2直流電圧Vin2が5[V]となるように、抵抗値が設定される。
また、第1検出部342を実現するADコンバータの分解能と、第2検出部343を実現するADコンバータの分解能とが、いずれも12[bit]であるものとする。この場合、第2検出部343は、直流電圧Vinが200[V]以上である間は、直流電圧Vinを適切に検出することができない。
また、第1検出部342は、第1電圧範囲AR1の範囲(この場合、0[V]~1000[V]の範囲)において、分圧した第1直流電圧Vin1に基づいて、直流電圧Vinの変化を、0.244[V]の分解能によって検出する。一方で、第2検出部343は、第2電圧範囲AR2の範囲(この場合、0[V]~200[V]の範囲)において、分圧した第2直流電圧Vin2に基づいて、直流電圧Vinの変化を0.048[V]の分解能によって検出する。つまり、第2検出部343は、第2電圧範囲AR2の範囲において、第1検出部342に比して高い分解能により直流電圧Vinを検出することができる。
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)車載用電動圧縮機10が備える検出部341は、第1電圧範囲AR1の直流電圧を検出する第1検出部342と、第2電圧範囲AR2の直流電圧を検出する第2検出部343とを有する。第1電圧範囲AR1と、第2電圧範囲AR2とは、第1電圧範囲AR1の方が、第2電圧範囲AR2に比して広くかつ高い範囲である。回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値以上の場合、第1検出部342の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。また、回転制御部346は、第1検出部342の検出結果が所定の閾値未満の場合、第2検出部343の検出結果に基づいて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。
ここで、アクティブディスチャージ制御において、平滑コンデンサ107の直流電圧Vinを所定の電圧まで下げるに際して、第1検出部342は、直流電圧Vinが下がるほど、分解能による量子化誤差が影響し、直流電圧Vinを適切に検出することができない。詳しくは、第1検出部342の検出結果は、所定の電圧付近において、実際の直流電圧Vinよりも大きくなったり、小さくなったり変動してしまう場合がある。この場合、回転制御部346は、車載用電動モータ11に流す電流を、第1検出部342の検出誤差に併せて変動させてしまい、適切にアクティブディスチャージ制御を行うことができない。一方で、第2検出部343は、第2電圧範囲AR2を超える範囲において、直流電圧Vinを検出することができないものの、第2電圧範囲AR2内の所定の電圧付近において、直流電圧Vinを精度よく検出することができる。
かかる構成によれば、回転制御部346は、直流電圧Vinの値に応じて、第1検出部342の検出結果、又は第2検出部343の検出結果のうち、直流電圧Vinを適切に検出した検出結果を用いることができる。したがって、回転制御部346は、適切な直流電圧Vinの検出結果を用いて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御することにより、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
(2)車載用電動圧縮機10は、平滑コンデンサ107により平滑された直流電圧Vinを、互いに直列に接続された第1抵抗R11、及び第2抵抗R12により分圧する第1分圧回路31aと、平滑コンデンサ107により平滑された直流電圧Vinを、互いに直列に接続された第3抵抗R21、及び第4抵抗R22により分圧する第2分圧回路31bと、を備え、第1検出部342には、第1分圧回路31aにより分圧された第1直流電圧Vin1が入力され、第2検出部343には、第2分圧回路31bにより分圧された第2直流電圧Vin2が入力され、第1直流電圧Vin1と、第2直流電圧Vin2とでは、第2直流電圧Vin2の方が大きい電圧である。
かかる構成によれば、第2検出部343は、第1検出部342と同一の分解能によって直流電圧Vinを検出する場合において、第2電圧範囲AR2内の直流電圧を、第1検出部342に比して精度よく検出することができる。したがって、回転制御部346は、直流電圧Vinが低下した場合であっても、適切な直流電圧Vinの検出結果を用いて、3相スイッチング素子Qu1~Qw2を制御することにより、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態および以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○所定の閾値には、ヒステリシスが設けられてもよい。この場合、直流電圧Vinが増加する方向と、直流電圧Vinが減少する方向とで、所定の閾値が異なる。例えば、直流電圧Vinは、所定の閾値が示す直流電圧の近傍の値をとり、且つ所定の閾値が示す直流電圧の付近で変動する場合がある。この場合、直流電圧Vinの変動に伴い、回転制御部346が、第1検出部342の検出結果と、第2検出部343の検出結果とを逐次参照すると、車載用電動モータ11に流す電流が変動する場合がある。かかる構成によれば、回転制御部346は、適切な直流電圧Vinの検出結果に基づいて、アクティブディスチャージ制御を行うことができる。
○検出部341は、過電圧を検出する過電圧検出部347を備えていてもよい。以下、過電圧検出部347を備える場合の分圧回路31の詳細について説明する。分圧回路31の構成のうち、上述した構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図5に示すように、この場合、分圧回路31は、第1分圧回路31a-1と、第2分圧回路31bとを備える。第1分圧回路31a-1は、第1分圧回路31aが備える構成に加えて、分圧抵抗R14と、ダンピング抵抗R15と、バイパスコンデンサC3とを備える。
第1分圧回路31a-1において、第1抵抗R11と、第2抵抗R12と、分圧抵抗R14とは、正極電位Vpと、負極電位VSSとの間に、互いに直列に接続されている。詳しくは、第1抵抗R11の一端は、正極母線LN1に接続され、他端は、第2抵抗R12の一端に接続されている。第2抵抗R12の一端は、第1抵抗R11の一端に接続され、他端は、分圧抵抗R14の一端に接続されている。分圧抵抗R14の一端は、第2抵抗R12の一端に接続され、他端は、負極母線LN2に接続されている。第2抵抗R12と、分圧抵抗R14との接続点は、ダンピング抵抗R15を介して、過電圧検出部347に接続されている。第1抵抗R11、及び第2抵抗R12の合成抵抗と、分圧抵抗R14とにより、直流電圧Vinは、第3直流電圧Vin3に分圧される。ダンピング抵抗R15は、第3直流電圧Vin3の振動を減衰させること等を目的として設けられている。バイパスコンデンサC3は、第3直流電圧Vin3の変動を抑制しつつ、過電圧検出部347にノイズが流入することを抑制すること等を目的として設けられている。
過電圧検出部347は、例えば、ADコンバータにより実現される。詳しくは、過電圧検出部347は、0[V]から正電圧VDDまでの範囲の入力電圧を、A-D変換することにより、分圧された第3直流電圧Vin3に基づいて、直流電圧Vinを検出する。ここで、第1抵抗R11、第2抵抗R12、分圧抵抗R14、第1検出部342、及び過電圧検出部347の接続関係により、第1直流電圧Vin1と、第3直流電圧Vin3とでは、第3直流電圧Vin3の方が小さい電圧である。つまり、第1電圧範囲AR1と、過電圧検出部347が検出可能な直流電圧の範囲とでは、後者の方が広い範囲である。回転制御部346は、第3直流電圧Vin3に基づいて、過電圧検出部347により検出された直流電圧Vinが過電圧閾値以上であることを示す場合、インバータ回路13に過電圧が印加されていると判定する。過電圧閾値は、例えば、第1電圧範囲AR1のうち、最も高い直流電圧よりも大きい値であって、且つ過電圧検出部347が検出可能な直流電圧の範囲内の直流電圧を示す値である。回転制御部346は、インバータ回路13に過電圧が印加されていると判定した場合、リレー105を開状態に制御し、アクティブディスチャージ制御を行う。
かかる構成によれば、回転制御部346は、インバータ回路13に過電圧が印加され続けることを抑制しつつ、アクティブディスチャージ制御により、平滑コンデンサ107の残留電荷を速やかに放電することができる。
○上述した、第1電圧範囲AR1の範囲、第2電圧範囲AR2の範囲、正電圧VDDの値、所定の電圧、所定の閾値、第1検出部342、及び第2検出部343の分解能については、一例であり、これに限られない。
○回転制御部346は、平滑コンデンサ107の放電が完了した場合、アクティブディスチャージ制御が完了したと判定する場合について説明したが、これに限られない。回転制御部346は、平滑コンデンサ107の他、インバータ回路13が有するキャパシタ、又は圧縮部12が有するキャパシタの放電が完了した場合に、アクティブディスチャージ制御が完了したと判定してもよい。この場合、検出部341は、インバータ回路13が有するキャパシタや、圧縮部12が有するキャパシタにより生じる電圧を直流電圧Vinとして検出する。
○3相コイル24u,24v,24wの結線態様は、Y結線に限られず任意であり、例えば、デルタ結線でもよい。
○3相スイッチング素子Qu1~Qw2は、IGBTに限られず、任意であり、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)でもよい。
○リレー105は、負極母線LN2に設けられていてもよい。
○位置推定部344の具体的な構成は任意である。例えば、位置推定部344は、2相電流Id,Iqと、d軸電圧指令値Vdrとモータ定数等とに基づいて3相コイル24u,24v,24wにて誘起される誘起電圧を算出する誘起電圧算出部を有してもよい。この場合、位置推定部344は、誘起電圧、及びd軸電流Id等に基づいて、ロータ22の回転位置、及び実回転速度Nrを推定してもよい。
○回転制御部346は、導出した2相電圧指令値Vdr,Vqrを位置推定部344に出力してもよい。この場合、位置推定部344は、2相電圧指令値Vdr,Vqrの少なくとも1つをロータ22の位置、及び実回転速度Nrの推定に用いる。
○3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrを導出する具体的な構成は任意である。例えば、回転制御部346は、マップデータを用いて任意の3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwr導出してもよい。この場合、マップデータは、空調ECU103から取得した指令回転速度Ncと、位置推定部344によって推定された実回転速度Nrと、3相電圧指令値Vur,Vvr,Vwrとが互いに対応付けられたデータである。
○実回転速度Nrを把握するための構成は、位置推定部344に限られず任意であり、専用のセンサ(レゾルバ)を採用してもよい。すなわち、速度把握部は、実回転速度Nrを推定することによって把握する構成に限られず、レゾルバ等といった実際に検出する構成でもよい。
○車載用電動圧縮機10は、車載用空調装置101に用いられる構成に限られず、他の装置に用いられるものであってもよい。例えば、車両100が燃料電池車両である場合には、車載用電動圧縮機10は燃料電池に空気を供給する空気供給装置に用いられてもよい。すなわち、圧縮対象の流体は、冷媒に限られず、空気など任意である。また、車載用電動圧縮機10は、車載以外の装置に用いられてもよい。この場合、車載用電動圧縮機10は、電動圧縮機の一例である。
○車載用電動モータ11は、車載用電動圧縮機10に用いられるものに限られず、車両に搭載されるものであれば任意である。例えば、車載用電動モータ11は、車両を走行させる走行用モータであってもよい。
○上述において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10…車載用電動圧縮機、11…車載用電動モータ、12…圧縮部、13…インバータ回路、14…インバータ制御装置、21…回転軸、22…ロータ、22a…永久磁石、23…ステータ、24u…u相コイル、24v…v相コイル、24w…w相コイル、31…分圧回路、31a,31a-1…第1分圧回路、31b…第2分圧回路、32…電流センサ、33…相変換回路、34…制御部、100…車両、101…車載用空調装置、102…外部冷媒回路、103…空調ECU、104…車載用蓄電装置、105…リレー、106…コイル、107…平滑コンデンサ、341…検出部、342…第1検出部、343…第2検出部、344…位置推定部、345…相電圧指令値導出部、346…回転制御部、347…過電圧検出部、AR1…第1電圧範囲、AR2…第2電圧範囲、C1,C2,C3…バイパスコンデンサ、D1,D2…ダイオード、Du1,Du2,Dv1,Dv2,Dw1,Dw2…還流ダイオード、Id…d軸電流、Idr…d軸電流指令値、Iq…q軸電流、Iqr…q軸電流指令値、Iqr…相電流指令値、Iu…u相電流、Iv…v相電流、Iw…w相電流、LN1…正極母線、LN2…負極母線、Nc…指令回転速度、Nr…実回転速度、Qu1,Qu2…u相スイッチング素子、Qv1,Qv2…v相スイッチング素子、Qw1,Qw2…w相スイッチング素子、R11…第1抵抗、R12…第2抵抗、R14…分圧抵抗、R13,R15,R23…ダンピング抵抗、R21…第3抵抗、R22…第4抵抗、VDD…正電圧、Vdr…d軸電圧指令値、Vin…直流電圧、Vin1…第1直流電圧、Vin2…第2直流電圧、Vin3…第3直流電圧、Vp…正極電位、Vqr…q軸電圧指令値、VSS…負極電位、Vur…u相電圧指令値、Vvr…v相電圧指令値、Vwr…w相電圧指令値。

Claims (3)

  1. 流体を圧縮する圧縮部と、
    直流電源から供給される電力により、前記圧縮部を駆動する電動モータと、
    前記電動モータを駆動させるスイッチング素子を有するインバータ回路と、
    前記直流電源が出力する直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、
    前記インバータ回路を制御するインバータ制御装置と、を備え、
    前記インバータ制御装置は、
    前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御する回転制御部と、を備え、
    前記検出部は、第1電圧範囲の前記直流電圧を検出する第1検出部と、第2電圧範囲の前記直流電圧を検出する第2検出部とを有し、
    前記第1電圧範囲と、前記第2電圧範囲とは、前記第1電圧範囲の方が、前記第2電圧範囲に比して広くかつ高い範囲であり、
    前記回転制御部は、前記第1検出部の検出結果が所定の閾値以上の場合、前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御し、前記第1検出部の検出結果が所定の閾値未満の場合、前記第2検出部の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子を制御する、
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を、互いに直列に接続された第1抵抗、及び第2抵抗により分圧する第1分圧回路と、
    前記平滑コンデンサにより平滑された前記直流電圧を、互いに直列に接続された第3抵抗、及び第4抵抗により分圧する第2分圧回路と、を備え、
    前記第1検出部には、前記第1分圧回路により分圧された第1直流電圧が入力され、
    前記第2検出部には、前記第2分圧回路により分圧された第2直流電圧が入力され、
    前記第1直流電圧と、前記第2直流電圧とでは、前記第2直流電圧の方が大きい電圧である、
    請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記所定の閾値には、ヒステリシスが設けられる、
    請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
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