JP6680183B2 - インバータ制御装置及び車載流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、車載流体機械に搭載されるインバータ制御装置及び車載流体機械に関する。
永久磁石を含むロータ及びコイルが捲回されたステータを有する電動モータを駆動させるインバータの制御に用いられるものであって車載流体機械に搭載されるインバータ制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、電動モータのd軸電流と、これに直交するq軸電流とを制御することにより、インバータを制御する点、及び、レゾルバなどの回転位置センサを用いることなく、ロータの回転速度及び回転位置を推定する点について記載されている。
特開2015−208187号公報
例えば、インバータ制御装置は、電動モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部を備え、当該電流検出部の検出結果であるモータ電流と電動モータのモータ定数とに基づいて、ロータの回転位置の推定を行い、その推定結果に基づいてd軸電流及びq軸電流を制御する場合がある。この場合、ロータの回転位置の推定値と実際のロータの回転位置との誤差が大きいと、d軸電流及びq軸電流の制御に支障が生じ、電動モータの駆動に支障が生じ得る。
ここで、本発明者らは、ロータの回転位置の推定値と実際のロータの回転位置との誤差は、モータ電流及びインバータの入力電圧と相関していることを見出した。詳細には、上記誤差は、入力電圧が高い場合に大きくなり易い。一方、モータ電流が高い条件下では、上記誤差は、入力電圧に関わらず、小さくなり易い。すなわち、ロータの回転位置の推定精度は、入力電圧が高い状況下においてモータ電流が低い場合に低下し易い。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できるインバータ制御装置及び当該インバータ制御装置が搭載された車載流体機械を提供することである。
上記目的を達成するインバータ制御装置は、永久磁石を含むロータ及びコイルが捲回されたステータを有する電動モータを駆動させるインバータの制御に用いられるものであって、車載流体機械に搭載されるものであって、前記電動モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、前記電動モータのモータ定数と前記モータ電流とに基づいて、前記ロータの回転位置を推定する位置推定部と、前記位置推定部の推定結果に基づいて、前記モータ電流におけるd軸電流及びq軸電流を制御する電流制御部と、を備え、前記電流制御部は、前記インバータの入力電圧が予め定められた閾値電圧よりも高い場合には、前記d軸電流と、前記d軸電流及び前記q軸電流の合成電流とのうち少なくとも一方が予め定められた下限値よりも低くならないように制限する制限部を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、入力電圧が閾値電圧よりも高い状況においては、d軸電流及び合成電流の少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限される。これにより、ロータの回転位置の推定精度が低下し易い状況、詳細には入力電圧が高い条件下においてモータ電流が低い状況となることを抑制できる。よって、ロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記位置推定部は、少なくとも前記モータ定数に基づいて、前記電動モータに関する物理量を推定する物理量推定部を有し、前記物理量推定部の推定結果に基づいて前記ロータの回転位置を推定するものであり、前記電流検出部によって検出された前記モータ電流である実測電流は、前記物理量の推定、及び、前記物理量推定部の推定結果に基づく前記ロータの回転位置の推定のうち少なくとも一方に用いられるものであるとよい。
かかる構成によれば、電動モータに関する物理量が推定され、その推定値に基づいてロータの回転位置が推定される。そして、実測電流は、上記物理量の推定、及び、物理量に基づくロータの回転位置の推定のうち少なくとも一方に用いられる。
ここで、推定される物理量と、実際の電動モータの物理量との間には推定誤差が生じ得る。当該推定誤差は、インバータの入力電圧が高くなるほど大きくなり易い。
また、モータ電流が十分に高い場合には、入力電圧に関わらず、ロータの回転位置の推定精度に対する物理量の推定誤差の影響は小さくなり易い。一方、入力電圧が高い条件下においてモータ電流が比較的低い場合には、ロータの回転位置の推定精度に対する物理量の推定誤差の影響が大きくなり易く、ロータの回転位置の推定精度が低下し易い。
この点、本構成によれば、入力電圧が閾値電圧よりも高い状況においては、d軸電流及び合成電流の少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限される。これにより、ロータの回転位置の推定精度に対する物理量の推定誤差の影響が大きくなり易い状況となることを抑制できる。よって、物理量の推定誤差に起因してロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記物理量推定部は、前記物理量としての前記モータ電流を推定する電流推定部であり、前記位置推定部は、前記実測電流と、前記電流推定部によって推定された推定電流とに基づいて、前記ロータの回転位置を推定するとよい。
かかる構成によれば、実測電流と推定電流とに基づいて、ロータの回転位置が推定される。ここで、実測電流と推定電流との電流誤差は、インバータの入力電圧が高くなるほど大きくなり易い。また、モータ電流が電流誤差に対して十分に高い場合には、入力電圧に関わらず、電流誤差の影響は小さい。このため、モータ電流が電流誤差に対して十分に高い場合には、電流誤差に起因するロータの回転位置の推定値と実際のロータの回転位置との誤差は小さくなり易い。一方、モータ電流が比較的低い条件下において入力電圧が高い場合には、モータ電流に対して電流誤差が相対的に大きくなる。この場合、ロータの回転位置の推定精度が低下し易い。
この点、本構成によれば、電流誤差が比較的大きくなり易い状況である、入力電圧が閾値電圧よりも高い状況においては、d軸電流及び合成電流の少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限される。これにより、モータ電流に対して電流誤差が比較的大きい状況となることを抑制できる。よって、電流誤差に起因してロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記物理量推定部は、前記実測電流と前記モータ定数とに基づいて、前記物理量としての前記電動モータの拡張誘起電圧を推定する拡張誘起電圧推定部であり、前記位置推定部は、前記拡張誘起電圧推定部によって推定された前記拡張誘起電圧に基づいて、前記ロータの回転位置を推定するとよい。
かかる構成によれば、実測電流とモータ定数とによって拡張誘起電圧が推定され、その推定された拡張誘起電圧に基づいてロータの回転位置が推定される。この場合、拡張誘起電圧の推定値と実際の拡張誘起電圧との誤差は、入力電圧が高い場合に大きくなり易い。また、ロータの回転位置の推定精度に対する拡張誘起電圧の推定誤差の影響は、モータ電流が低い場合に大きくなり易い。
この点、本構成によれば、入力電圧が閾値電圧よりも高い状況においては、d軸電流及び合成電流の少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限される。これにより、ロータの回転位置の推定精度に対する拡張誘起電圧の推定誤差の影響が大きくなり易い状況となることを抑制でき、当該推定誤差に起因してロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記物理量推定部は、前記実測電流と前記モータ定数とに基づいて、前記物理量としての前記電動モータの磁束を推定する磁束推定部であり、前記位置推定部は、前記磁束推定部によって推定された前記磁束に基づいて、前記ロータの回転位置を推定するとよい。
かかる構成によれば、実測電流とモータ定数とによって磁束が推定され、その推定された磁束に基づいて、ロータの回転位置が推定される。この場合、磁束の推定値と実際の磁束との誤差は、入力電圧が高い場合に大きくなり易い。また、ロータの回転位置の推定精度に対する磁束の推定誤差の影響は、モータ電流が低い場合に大きくなり易い。
この点、本構成によれば、入力電圧が閾値電圧よりも高い状況においては、d軸電流及び合成電流の少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限される。これにより、ロータの回転位置の推定精度に対する磁束の推定誤差の影響が大きくなり易い状況となることを抑制でき、当該推定誤差に起因してロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記制限部は、前記入力電圧が高くなるに従って、前記下限値を高くするとよい。
かかる構成によれば、入力電圧に応じて下限値を設定することにより、入力電圧が高い場合において物理量の推定誤差の影響が大きくなることを抑制しつつ、入力電圧が低い場合における電力損失の増大化を抑制できる。
上記インバータ制御装置について、前記電流制御部は、外部からの前記電動モータに対する外部指令値に基づいて、前記d軸電流及び前記q軸電流の指令値であるd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する算出部を備え、前記制限部は、前記入力電圧が前記閾値電圧よりも高い場合であって、且つ、前記算出部により算出された前記d軸電流指令値及び前記両電流指令値の合成電流指令値のうち少なくとも一方の対象電流指令値が前記下限値よりも低い場合には、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値を、前記対象電流指令値が前記下限値以上となり、且つ、前記算出部によって算出された前記両電流指令値と同一トルクが出力される値に変更するものであり、前記電流制御部は、前記電動モータに流れるd軸電流及びq軸電流が前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値に近づくように前記インバータを制御するとよい。
かかる構成によれば、同一のトルクを確保しつつ、物理量の推定誤差の影響が比較的大きい状況となることを抑制できる。よって、電流制限を行うことに起因して電動モータの駆動に支障が生じることを抑制できる。
上記目的を達成する車載流体機械は、上述したインバータ制御装置と、前記インバータ制御装置によって制御されるインバータと、前記インバータによって駆動される電動モータと、を備えていることを特徴とする。かかる構成によれば、ロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制でき、それを通じて車載流体機械を好適に駆動させることができる。
上記車載流体機械が搭載される車両は、燃料電池が搭載された燃料電池車両であり、前記車載流体機械は、前記電動モータが駆動することによって前記燃料電池に水素を供給するポンプを備えた車載電動ポンプ装置であるとよい。かかる構成によれば、ロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制でき、それを通じてポンプを好適に駆動させることができる。
この発明によれば、ロータの回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
車載電動ポンプ装置、車載電動圧縮機及び車両の概要を示すブロック図。 車載電動ポンプ装置のインバータ及びインバータ制御装置を示すブロック回路図。 電動モータにパルス電圧が印加された場合の実際のu相電流及び実際の物理量に影響するu相理想電流の時間変化を模式的に示すグラフ。 電動モータにパルス電圧が印加された場合の実際のu相電流及び実際の物理量に影響するu相理想電流の時間変化を模式的に示すグラフ。 第1実施形態の指令値制御処理を示すフローチャート。 電流制限が行われた場合の使用可能な電流領域を示すグラフ。 第2実施形態の指令値制御処理を示すフローチャート。 電流制限が行われた場合の使用可能な電流領域を示すグラフ。 第1入力電圧が印加されている場合の使用可能な電流領域を示すグラフ。 第2入力電圧が印加されている場合の使用可能な電流領域を示すグラフ。 力行と回生との切替態様の一例を示すグラフ。 力行と回生との切替態様の一例を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、インバータ制御装置、当該インバータ制御装置が搭載された車載流体機械及びその車載流体機械が搭載される車両の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両100は燃料電池車両である。車両100は、燃料電池101と、水素タンク102と、車載蓄電装置103と、燃料電池制御部104と、車載電動ポンプ装置10と、車載電動圧縮機30とを備えている。
車載蓄電装置103は、直流電力の充放電が可能なものであれば任意であり、例えば二次電池や電気二重層キャパシタ等である。車載蓄電装置103は、車載電動圧縮機30及び車載電動ポンプ装置10の電源として用いられる。
燃料電池制御部104は、車両100の走行状況等に基づいて、車載電動圧縮機30及び車載電動ポンプ装置10に対して各種指令を送信するものである。
車載電動ポンプ装置10は、電動モータ11と、電動モータ11が駆動することによって水素タンク102の水素を燃料電池101に供給するポンプ12と、電動モータ11を駆動させるインバータ13と、インバータ13の制御に用いられるインバータ制御装置14とを備えている。
電動モータ11は、回転軸21と、回転軸21に固定されたロータ22と、ロータ22に対して対向配置されているステータ23と、ステータ23に捲回された3相のコイル24u,24v,24wとを有している。ロータ22は永久磁石22aを含んでいる。詳細には、永久磁石22aはロータ22内に埋め込まれている。図2に示すように、各コイル24u,24v,24wは例えばY結線されている。ロータ22及び回転軸21は、各相のコイル24u,24v,24wが所定のパターンで通電されることにより回転する。すなわち、本実施形態の電動モータ11は、3相モータである。
インバータ13は、車載蓄電装置103から電力供給を受けるものであり、車載蓄電装置103の直流電力を交流電力に変換して、その変換された交流電力を電動モータ11に出力する。
なお、本実施形態では、車載電動ポンプ装置10が「車載流体機械」に相当し、当該車載電動ポンプ装置10のインバータ制御装置14が「インバータ制御装置」に相当する。
車載電動圧縮機30は、燃料電池101に圧縮空気を供給するものである。車載電動圧縮機30は、電動モータ31と、圧縮部32と、電動モータ31を駆動させるインバータ33と、インバータ33の制御に用いられるインバータ制御装置34とを備えている。
圧縮部32は、電動モータ31が駆動することによって空気を圧縮するものである。詳細には、圧縮部32は、電動モータ31の回転軸が回転することによって、空気を圧縮し、その圧縮された空気を燃料電池101に向けて吐出する。圧縮部32の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
電動モータ31、インバータ33、インバータ制御装置34は、車載電動ポンプ装置10の対応する構成と同様である。このため、以下では、車載電動ポンプ装置10の各構成について詳細に説明し、電動モータ31、インバータ33、インバータ制御装置34の説明を省略する。
図2に示すように、車載電動ポンプ装置10のインバータ13は、u相コイル24uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル24vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル24wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。
各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以下「各スイッチング素子Qu1〜Qw2」という。)は、例えばIGBT等のパワースイッチング素子である。但し、各スイッチング素子Qu1〜Qw2は、IGBTに限られず、任意である。なお、スイッチング素子Qu1〜Qw2は、還流ダイオード(ボディダイオード)Du1〜Dw2を有している。
各u相スイッチング素子Qu1,Qu2は接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線はu相コイル24uに接続されている。第1u相スイッチング素子Qu1のコレクタは、車載蓄電装置103の正極端子(+端子)に接続されている。第2u相スイッチング素子Qu2のエミッタは、車載蓄電装置103の負極端子(−端子)に接続されている。
なお、他のスイッチング素子Qv1,Qv2,Qw1,Qw2については、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子Qu1,Qu2と同様の接続態様である。
車載電動ポンプ装置10のインバータ制御装置14は、インバータ13、詳細には各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング動作を制御する。インバータ制御装置14は、燃料電池制御部104と電気的に接続されており、外部からの電動モータ11に対する外部指令値(本実施形態では燃料電池制御部104からの指令値)に基づいて、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を周期的にON/OFFさせる。
インバータ制御装置14は、インバータ13の入力電圧Vinを検出する電圧センサ41と、電動モータ11に流れるモータ電流の実測値を検出する電流センサ42とを備えている。電流センサ42は、各相のコイル24u,24v,24wに流れる3相電流Iu,Iv,Iwを検出する。
インバータ制御装置14は、電流センサ42によって検出された3相電流Iu,Iv,Iwを、互いに直交したd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する3相/2相変換部43を有している。インバータ制御装置14は、当該3相/2相変換部43によって、d軸電流Id及びq軸電流Iqの実測値を把握可能となっている。以降の説明において、d軸電流Idの実測値をd軸実測電流Idmとし、q軸電流Iqの実測値をq軸実測電流Iqmとする。
なお、モータ電流とは、各相のコイル24u,24v,24wに流れる3相電流Iu,Iv,Iw、又は、3相電流Iu,Iv,Iwを変換することによって得られる両電流Id,Iqである。また、本実施形態では、電流センサ42及び3相/2相変換部43が「電流検出部」に相当する。
インバータ制御装置14は、電動モータ11のモータ定数とモータ電流とに基づいて、ロータ22の回転位置及び回転速度を推定する位置/速度推定部44を備えている。位置/速度推定部44は、電流センサ42の検出結果と電動モータ11のモータ定数とに基づいて、モータ電流を推定する電流推定部45を備えている。本実施形態では、位置/速度推定部44が「位置推定部」に対応し、電流推定部45が「物理量推定部」に対応する。
モータ定数とは、電動モータ11の仕様に基づいて予め定められたパラメータであり、例えばモータ抵抗値、インダクタンス、誘起電圧係数等である。モータ定数は、各相のコイル24u,24v,24wに流れる電流が理想的な正弦波であることを前提して導出されたパラメータである。
電流推定部45は、前回測定(検出)したモータ電流の実測値(例えば両実測電流Idm,Iqm)とモータ定数とに基づいて、モータ電流としてのd軸電流Id及びq軸電流Iqを推定する。詳細には、電流推定部45は、所定の周期で繰り返しモータ電流(d軸電流Id及びq軸電流Iq)の推定を行うものであり、当該推定を行う度に電流センサ42の検出結果を取得する。そして、電流推定部45は、前回の推定において取得された電流センサ42の検出結果を用いて今回の推定を行うように構成されている。
以降の説明において、電流推定部45によって推定されたd軸電流Idの推定値をd軸推定電流Ideとし、電流推定部45によって推定されたq軸電流Iqの推定値をq軸推定電流Iqeとする。本実施形態では、推定電流Ide,Iqeが「電動モータに関する物理量」に対応する。
位置/速度推定部44は、d軸推定電流Ideとd軸実測電流Idm等に基づいて、ロータ22の回転速度を推定し、その推定された回転速度からロータ22の回転位置を推定する。すなわち、本実施形態では、電流センサ42の検出結果は、取得される契機となった推定回に対して次回のモータ電流の推定と、推定されたモータ電流に基づく今回のロータ22の回転位置の推定とに用いられる。
詳細には、位置/速度推定部44は、所定の制御周期Tで、d軸推定電流Ideとd軸実測電流Idmとを把握する。また、位置/速度推定部44は、後述する指令値制御部47から出力されるd軸電圧指令値Vdと、電流Id,Iq(実測電流Idm,Iqm)と、モータ定数等に基づいて、各相のコイル24u,24v,24wにて誘起される誘起電圧eを算出する。そして、位置/速度推定部44は、以下の式(1)を用いて、制御周期T間におけるロータ22の進み角δθを推定する。
ωは角速度であり、Kは推定ゲインであり、Kは逆起電力定数である。
位置/速度推定部44は、推定された進み角δθに基づいて、ロータ22の回転速度及びロータ22の回転位置を推定する。
上記式(1)に示すように、位置/速度推定部44は、d軸実測電流Idmとd軸推定電流Ideとの比較結果に基づいて進み角δθを推定することにより、ロータ22の実際の回転位置と推定位置との差を「0」に収束させる。つまり、d軸実測電流Idmとd軸推定電流Ideとの比較結果は、ロータ22の回転位置及び回転速度の推定精度に寄与するパラメータである。
インバータ制御装置14は、位置/速度推定部44の推定結果に基づいて、d軸電流Id及びq軸電流Iqを制御する電流制御部46を備えている。電流制御部46は、指令値制御部47と、各スイッチング素子Qu1〜Qw2をPWM(パルス幅変調)制御するPWM制御部48とを備えている。
指令値制御部47は、燃料電池制御部104からの外部指令値、位置/速度推定部44からの回転速度の推定値及び入力電圧Vin等に基づいて、d軸電流Id及びq軸電流Iqの指令値を求める。d軸電流Idの指令値をd軸電流指令値Idrとし、q軸電流Iqの指令値をq軸電流指令値Iqrとする。
そして、指令値制御部47は、上記両電流指令値Idr,Iqrを流すのに必要なd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを算出し、その算出結果をPWM制御部48に出力する。
PWM制御部48は、電動モータ11に流れる電流Id,Iqが電流指令値Idr,Iqrに近づく(好ましくは一致する)ようにインバータ13を制御する。詳細には、PWM制御部48は、指令値制御部47から入力される両電圧指令値Vd,Vqと、入力電圧Vinと、位置/速度推定部44からのロータ22の推定位置とに基づいて、各相のコイル24u,24v,24wに印加する電圧パターンが設定されたPWM信号を生成する。そして、PWM制御部48は、そのPWM信号を用いて各スイッチング素子Qu1〜Qw2をスイッチングさせる。これにより、電流指令値Idr,Iqrと同一又はそれに近い電流Id,Iqが電動モータ11に流れる。つまり、実測電流Idm,Iqmと電流指令値Idr,Iqrとがほぼ一致する。このため、電流指令値Idr,Iqrを制御することは、電動モータ11に流れる電流Id,Iqを制御することと言える。なお、実際には、インバータ制御装置14は、フィードバック制御を行うことで、実測電流Idm,Iqmを電流指令値Idr,Iqrに近づけている。
ちなみに、電流制御部46は、両電流Id,Iqの位相を可変制御することにより、力行と回生とを切り替える。
次に、図3及び図4を用いて実測電流Idm,Iqm及び推定電流Ide,Iqeの誤差である電流誤差δIと入力電圧Vinとの間に相関関係について説明する。本実施形態では、電流誤差δIが物理量の推定誤差に対応する。
図3及び図4は、入力電圧Vinのパルス電圧が印加された場合における実際のu相電流Iuの波形及びモータ定数から導出されるu相理想電流Iueの波形を模式的に示すグラフである。図4は、図3よりも入力電圧Vinが高い場合を示している。図3及び図4中、実際のu相電流Iuを実線で示し、u相理想電流Iueを破線で示す。また、説明の便宜上、図3及び図4においては、パルス電圧を二点鎖線で示す。
図3及び図4に示すように、実際のu相電流Iuには、パルス電圧の周期に対応するリップルが重畳する。このため、実際のu相電流Iuの波形は、理想的な正弦波からずれる。このため、理想的な正弦波を前提として規定されているモータ定数を用いて推定されるd軸推定電流Ideとd軸実測電流Idmとの間には電流誤差δIが生じる。
特に、電流誤差δIは、パルス電圧の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングにて生じ易い。当該電流誤差δIは、入力電圧Vinに応じて相違する。詳細には、入力電圧Vinが高くなると、電流誤差δIが大きくなる。このため、図3及び図4に示すように、入力電圧Vinが高くなると、実際のu相電流Iuとu相理想電流Iueとの誤差δIuが大きくなる。
なお、図3及び図4では、電流センサ42は、パルス電圧の立ち下がりタイミングで、3相電流Iu,Iv,Iwを検出する。このため、位置/速度推定部44は、パルス電圧の立ち下がりタイミングで検出された3相電流Iu,Iv,Iw(換言すれば両電流Id,Iq)に基づいて、ロータ22の回転位置及び回転速度を推定していると言える。
ここで、d軸電流Id及びq軸電流Iqが、電流誤差δIに対して十分に大きければ、入力電圧Vinに関わらず、電流誤差δIの影響は無視できる。しかしながら、d軸電流Id及びq軸電流Iqが比較的小さい条件下において入力電圧Vinが高い場合には、d軸電流Id及びq軸電流Iqに対して相対的に電流誤差δIが大きくなる。このため、電流誤差δIの影響を無視することができず、ロータ22の回転位置及び回転速度の推定精度の低下が懸念される。
これに対して、本実施形態の電流制御部46は、電流誤差δIが大きくなり易い状況である入力電圧Vinが高い状況下においてはd軸電流Id及びq軸電流Iqを制限するように構成されている。当該電流制御部46の指令値制御部47にて実行される指令値制御処理について以下に説明する。
図5に示すように、指令値制御部47は、ステップS101にて、燃料電池制御部104からの外部指令値と、位置/速度推定部44からの回転速度の推定値とに基づいて、電流指令値Idr,Iqrを算出する。
外部指令値とは、例えば回転速度指令値等である。例えば、燃料電池制御部104は、車両100の運転状況等から、燃料電池101に必要な水素の流量を算出し、その流量を実現できる回転速度を算出する。そして、燃料電池制御部104は、算出された回転速度を外部指令値として指令値制御部47に出力する。
なお、外部指令値は、回転速度指令値に限られず、電動モータ11の駆動態様を規定できれば、その具体的な指令内容は任意である。また、外部指令値の出力主体は、燃料電池制御部104に限られず任意である。
また、詳細な説明は省略するが、実際には、指令値制御部47は、両電流指令値Idr,Iqrの合成電流指令値Isrが予め定められた上限値を超えないように電流指令値Idr,Iqrを算出する。
ステップS102では、指令値制御部47は、電圧センサ41の検出結果に基づいて、入力電圧Vinを把握する。
ステップS103では、指令値制御部47は、ステップS102にて把握された入力電圧Vinが予め定められた閾値電圧Vthよりも高いか否かを判定する。閾値電圧Vthは、d軸電流Id及びq軸電流Iqによっては推定精度が低下し得る入力電圧Vinに設定されていればよく、その具体的な値は任意である。
指令値制御部47は、入力電圧Vinが閾値電圧Vth以下である場合にはステップS107に進む一方、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、ステップS104に進む。
ステップS104では、指令値制御部47は、合成下限値Isthを設定する。本実施形態では、合成下限値Isthは、d軸電流Idとq軸電流Iqとの合成電流Isに対するものであり、入力電圧Vinに関わらず一定となっている。合成下限値Isthは、入力電圧Vinが閾値電圧Vthである場合における電流誤差δIとの比率が予め定められた許容比となる合成電流Is以上に設定されている。
ステップS105では、指令値制御部47は、ステップS101にて算出した両電流指令値Idr,Iqrの合成電流指令値Isrが合成下限値Isthよりも低いか否かを判定する。
指令値制御部47は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isth以上である場合には、ステップS107に進む。一方、指令値制御部47は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isthよりも低い場合には、d軸電流Id及びq軸電流Iqを制限するためにステップS106に進む。
ステップS106では、指令値制御部47は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isth以上となるように電流指令値Idr,Iqrを変更する。詳細には、指令値制御部47は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isth以上となり、且つ、ステップS101にて算出された電流指令値Idr,Iqrと同一又はそれに近いトルクが出力される電流Id,Iqを導出する。そして、指令値制御部47は、導出された電流Id,Iqを新たな電流指令値Idr,Iqrに設定する。なお、本実施形態では、合成電流指令値Isrが「対象電流指令値」に相当する。
新たな電流指令値Idr,Iqrの具体的な導出態様については任意であるが、例えば、指令値制御部47は、トルクと電流Id,Iqとの関係を示すデータ(関数データやマップデータ等)を有し、当該データを参照することによって導出する態様等が考えられる。
なお、本実施形態では、指令値制御部47は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isthと同一であり、且つ、ステップS101にて算出された電流指令値Idr,Iqrと同一又はそれに近いトルクが出力される電流Id,Iqを導出する。但し、これに限られず、指令値制御部47は、合成下限値Isthよりも高い合成電流指令値Isrとなる電流指令値Idr,Iqrを導出してもよい。
ステップS107では、指令値制御部47は、d軸電流指令値Idrと3相/2相変換部43から得られたd軸実測電流Idmとの差分に基づいて、d軸の電圧指令値であるd軸電圧指令値Vdを算出する。同様に、指令値制御部47は、q軸電流指令値Iqrと3相/2相変換部43から得られたq軸実測電流Iqmとの差分に基づいて、q軸の電圧指令値であるq軸電圧指令値Vqを算出する。この算出されたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqに基づいて、PWM制御部48が各スイッチング素子Qu1〜Qw2を制御することにより、電動モータ11に流れる電流Id,Iqが電流指令値Idr,Iqrに近づく又は一致する。
ステップS107で用いられる電流指令値Idr,Iqrは、ステップS103又はステップS105が否定判定された場合には、ステップS101にて算出された電流指令値Idr,Iqrである。一方、ステップS103及びステップS105を肯定判定した場合、すなわちステップS106の処理を実行した場合には、ステップS107で用いられる電流指令値Idr,Iqrは、ステップS106にて変更された電流指令値Idr,Iqrである。
すなわち、本実施形態では、電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、合成電流Is(合成電流指令値Isr)が合成下限値Isth以上となるように電流制限を行う。一方、電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vth以下である場合には、電流制限を行わない。
なお、ステップS101の処理を実行する電流制御部46(指令値制御部47)が「算出部」に相当し、ステップS103〜ステップS106の処理を実行する電流制御部46(指令値制御部47)が「制限部」に相当する。
次に図6を用いて本実施形態の作用について説明する。図6は、電流制限が行われている場合の使用可能な電流領域を示す図である。図6では、使用可能な電流領域をドットハッチで示し、破線は同一トルク曲線を示す。
図6に示すように、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、使用可能な電流領域が制限される。この場合、燃料電池制御部104からの回転速度指令値と位置/速度推定部44からの回転速度の推定値とに基づいて算出された電流指令値Idr,Iqrの座標を座標P1とする。座標P1が制限領域内にある場合、当該座標P1と同一トルクを出力でき、且つ、合成電流指令値Isrが合成下限値Isthとなる座標P2が導出され、電動モータ11には、座標P2に対応する電流Id,Iqが流れる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電動モータ11は、永久磁石22aを含むロータ22及びコイル24u,24v,24wが捲回されたステータ23を有している。インバータ制御装置14は、電動モータ11を駆動させるインバータ13の制御に用いられるものである。インバータ制御装置14は、電動モータ11に流れるモータ電流を検出する電流センサ42及び3相/2相変換部43と、電動モータ11のモータ定数とモータ電流とに基づいて、ロータ22の回転位置を推定する位置/速度推定部44とを備えている。インバータ制御装置14は、位置/速度推定部44の推定結果に基づいて、モータ電流におけるd軸電流Id及びq軸電流Iqを制御する電流制御部46を備えている。電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、合成電流Isが合成下限値Isthよりも低くならないように合成電流Isを制限する(ステップS103〜ステップS106の処理)。
かかる構成によれば、ロータ22の回転位置の推定精度が低下し易い状況、詳細には入力電圧Vinが比較的高い条件下において合成電流Isが低い状況となることを抑制できる。これにより、ロータ22の回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
(2)位置/速度推定部44は、電動モータ11のモータ定数と電流センサ42及び3相/2相変換部43によって検出されたモータ電流(詳細には前回の推定の際に測定された両実測電流Idm,Iqm)とに基づいて、電動モータ11に流れるモータ電流を推定する電流推定部45を備えている。そして、位置/速度推定部44は、d軸実測電流Idmと、電流推定部45によって推定された電動モータ11に関する物理量としてのd軸推定電流Ideとに基づいて、ロータ22の回転位置を推定する。
かかる構成によれば、d軸実測電流Idmとd軸推定電流Ideとの誤差である電流誤差δIが比較的大きくなり易い場合には、合成電流Isが合成下限値Isthよりも低くならないように制限される。これにより、合成電流Isに対して電流誤差δIが比較的大きい状況となることを抑制できる。よって、電流誤差δIに起因する推定精度の低下を抑制できる。
(3)電流制御部46は、外部からの電動モータ11に対する外部指令値(回転速度指令値)に基づいて、両電流指令値Idr,Iqrを算出する(ステップS101の処理)。電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い条件下で上記両電流指令値Idr,Iqrの合成電流指令値Isrが合成下限値Isthよりも低い場合、電流指令値Idr,Iqrを変更する。詳細には、電流制御部46は、電流指令値Idr,Iqrを、合成電流指令値Isrが合成下限値Isth以上となり、且つ、外部指令値に基づき算出された電流指令値Idr,Iqrの出力トルクと同一又はそれに近い値が得られるように変更する。そして、電流制御部46(詳細にはPWM制御部48)は、電動モータ11に流れる電流Id,Iqが電流指令値Idr,Iqrに近づく(好ましくは一致する)ようにインバータ13を制御する。これにより、同一又はそれに近いトルクを確保しつつ、合成電流Isに対して電流誤差δIが比較的大きい状況となることを抑制できる。よって、電流制限を行うことに起因して電動モータ11の駆動に支障が生じることを抑制できる。
(4)インバータ制御装置14は、車載電動ポンプ装置10の電動モータ11を駆動するインバータ13の制御に用いられるものである。車載電動ポンプ装置10は、電動モータ11が駆動することによって、車両100に搭載された燃料電池101に水素を供給するポンプ12を備えている。かかる構成によれば、電流誤差δIに起因する推定精度の低下を抑制することを通じて、ポンプ12を好適に駆動させることができる。
ここで、圧縮部32を駆動させる電動モータ31には、ポンプ12を駆動させる電動モータ11と比較して、高いd軸電流Id及びq軸電流Iqが求められる。このため、電流誤差δIの影響が小さくなり易い。
一方、ポンプ12を駆動させる電動モータ11には、圧縮部32を駆動させる電動モータ31と比較して、比較的低いd軸電流Id及びq軸電流Iqが求められる。このため、電流誤差δIの影響が大きくなり易い。この点、本実施形態では、ポンプ12に対応するインバータ制御装置14が上記電流制限を行うように構成されている。これにより、車載電動ポンプ装置10にて特に生じ易い電流誤差δIの影響が大きくなる状況を抑制でき、ポンプ12を好適に駆動させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、電流制御部46は、下限値として合成電流Isを採用し、合成電流Isが合成下限値Isthよりも低くならないように制限する構成であった。これに対して、本実施形態では、電流制御部46は、下限値としてd軸電流Idを採用し、d軸電流Idがd軸下限値Idthよりも低くならないように制限する。
詳細には、図7に示すように、電流制御部46の指令値制御部47は、ステップS201では、予め定められたd軸下限値Idthを設定する。d軸下限値Idthは、入力電圧Vinに関わらず一定である。d軸下限値Idthは、入力電圧Vinが閾値電圧Vthである場合における電流誤差δIとの比率が予め定められた許容比となるd軸電流Id以上に設定されている。
ステップS202では、指令値制御部47は、ステップS101にて算出されたd軸電流指令値Idrがd軸下限値Idthよりも低いか否かを判定する。指令値制御部47は、d軸電流指令値Idrがd軸下限値Idth以上である場合には、電流変更を行わない一方、d軸電流指令値Idrがd軸下限値Idthよりも低い場合には、ステップS203に進む。
ステップS203では、指令値制御部47は、d軸電流指令値Idrがd軸下限値Idth以上となり、且つ、ステップS101にて算出された電流指令値Idr,Iqrと同一又はそれに近いトルクが出力される電流Id,Iqを導出する。そして、指令値制御部47は、その導出された電流Id,Iqを新たな電流指令値Idr,Iqrに設定する。本実施形態では、d軸電流指令値Idrが「対象電流指令値」に相当する。なお、その他の処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本実施形態によれば、図8に示すように、入力電圧Vinが閾値電圧Vth以上の場合には、q軸電流Iqに関わらず、d軸電流Idがd軸下限値Idthよりも高い領域が使用可能な電流領域となる。これにより、進み角δθを算出するのに用いられるd軸実測電流Idm及びd軸推定電流Ideが、電流誤差δIの影響が大きくなる領域まで低くなることを抑制できる。よって、(1)〜(4)の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、ステップS104の処理が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に説明する。
本実施形態では、電流制御部46の指令値制御部47は、ステップS104にて、入力電圧Vinに応じて異なる合成下限値Isthを設定する。詳細には、指令値制御部47は、入力電圧Vinが高くなるに従って合成下限値Isthを高く設定する。
入力電圧Vinに対する合成下限値Isthの変化態様は、任意であるが、例えばリニアに変化させる態様等が考えられる。但し、これに限られず、階段状や指数関数状に変化させてもよい。
図9及び図10を用いて本実施形態の作用について説明する。図9は入力電圧Vinが第1入力電圧V1である場合の使用可能な電流領域を示し、図10は入力電圧Vinが第1入力電圧V1よりも高い第2入力電圧V2である場合の使用可能な電流領域を示す。
図9及び図10に示すように、入力電圧Vinに応じて使用可能な電流領域が変化する。詳細には、入力電圧Vinが第2入力電圧V2である場合の方が、入力電圧Vinが第1入力電圧V1である場合と比較して、使用可能な電流領域が小さくなっている。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を奏する。
(5)入力電圧Vinが高くなるに従って合成下限値Isthが高くなっている。これにより、電流誤差δIが大きくなる分だけ合成下限値Isthが高くなるため、電流誤差δIの影響が大きくなることを抑制できる。これにより、より好適に電流制限を行うことができる。
詳述すると、仮に合成下限値Isthを、閾値電圧Vthに対応させて設定した場合において、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも十分に高くなると、電流誤差δIが合成下限値Isthに対して相対的に大きくなり、電流誤差δIの影響が大きくなる不都合が生じ得る。かといって、合成下限値Isthを十分に高くすると、入力電圧Vinが閾値電圧Vthに近い値である場合には、必要以上に電流制限が行われることとなり、電力損失の増大化等といった不都合が懸念される。
これに対して、本実施形態では、入力電圧Vinに応じて合成下限値Isthが変更されるため、合成下限値Isthを、入力電圧Vinに対応した適切な値にできる。よって、上記不都合を抑制できる。
なお、本実施形態では、下限値として合成下限値Isthを採用したが、これに限られず、第2実施形態のようにd軸下限値Idthを採用してもよい。
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせても良い。例えば、電流制御部46は、d軸電流指令値Idrがd軸下限値Idthよりも低い、又は、合成電流指令値Isrが合成下限値Isthよりも低い場合には、電流指令値Idr,Iqrの変更を行ってもよい。また、電流制御部46は、d軸電流指令値Idrがd軸下限値Idthよりも低く、且つ、合成電流指令値Isrが合成下限値Isthよりも低い場合に、電流指令値Idr,Iqrの変更を行ってもよい。この場合、d軸下限値Idth及び合成下限値Isthをそれぞれ異なる値に設定することにより、電流Id,Iqの使用領域の設定の自由度の向上を図ることができる。要は、電流制御部46は、d軸電流Id、及び、合成電流Isの少なくとも一方が下限値よりも低くならないように制限すればよい。
○ 図11に示すように、電流制御部46は、合成下限値Isthによる電流制限が行われている状況において力行と回生とを切り替えてもよい。この場合、例えば、電流制御部46は、合成下限値Isthの半円に沿うように両電流Id,Iqを制御してもよい。
○ 図12に示すように、電流制御部46は、d軸下限値Idthによる電流制限が行われている状況において力行と回生とを切り替えてもよい。この場合、例えば、電流制御部46は、d軸下限値Idthに沿うように両電流Id,Iqを制御してもよい。
○ 各実施形態では、電流制御部46(指令値制御部47)は、電流指令値Idr,Iqrを、同一トルクが出力可能な値に変更する構成であったが、これに限られず、下限値以上となればその変更態様については任意である。例えば、電流制御部46は、d軸電流指令値Idrのみを変更する構成であってもよい。また、電流制御部46は、下限値が合成下限値Isthである場合にはq軸電流指令値Iqrのみを変更する構成であってもよい。
○ 位置/速度推定部44は、q軸実測電流Iqm及びq軸推定電流Iqeに基づいて推定してもよい。この場合、下限値としては、合成下限値Isth又はq軸下限値を採用するとよい。
○ 車載電動圧縮機30のインバータ制御装置34が上記電流制限を行ってもよい。すなわち、車載流体機械とは、車載電動ポンプ装置10に限られず、車載電動圧縮機30であってもよい。
○ 車載電動圧縮機30の圧縮対象は、空気に限られず任意であり、例えば冷媒等であってもよい。
○ 位置/速度推定部44は、推定電流Ide,Iqeを用いることなくロータ22の位置を推定してもよい。例えば、位置/速度推定部44は、電流推定部45に代えて、拡張誘起電圧eγ,eδを推定する拡張誘起電圧推定部を物理量推定部として備えてもよい。拡張誘起電圧推定部は、例えば、モータ定数と実測電流Idm,Iqmと両電圧指令値Vd,Vqとに基づいて、拡張誘起電圧eγ,eδを推定する。そして、位置/速度推定部44は、拡張誘起電圧推定部による拡張誘起電圧eγ,eδの推定値に基づいて、ロータ22の回転位置の推定値と実際のロータ22の回転位置との誤差を算出し、当該誤差に基づいて上記推定値を実際のロータ22の回転位置に近づける構成でもよい。本別例においては、拡張誘起電圧eγ,eδが「電動モータに関する物理量」に対応する。また、本別例では、電流センサ42の検出結果である実測電流Idm,Iqmは、物理量としての拡張誘起電圧eγ,eδの推定に用いられる。
上記別例によれば、拡張誘起電圧eγ,eδの推定値と実際の拡張誘起電圧eγ,eδとの間には推定誤差が生じる。拡張誘起電圧eγ,eδの推定誤差は、入力電圧Vinが高くなるほど大きくなる。そして、モータ電流(換言すれば電流指令値Idr,Iqr)が小さくなるほど、ロータ22の回転位置の推定精度に対する拡張誘起電圧eγ,eδの推定誤差の影響は大きくなり易い。したがって、本別例においても、上記のように、電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、電流制限を行うとよい。これにより、拡張誘起電圧eγ,eδの推定誤差に起因してロータ22の回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。
なお、電流センサ42の検出結果は、推定する物理量が電流(推定電流Ide,Iqe)である場合には当該電流の推定と位置/速度推定部44によるロータ22の回転位置の推定とに用いられ、推定する物理量が拡張誘起電圧eγ,eδである場合には拡張誘起電圧推定部による拡張誘起電圧eγ,eδの推定に用いられる。すなわち、電流センサ42の検出結果は、物理量の推定、及び、当該物理量を用いたロータ22の回転位置の推定の少なくとも一方に用いられればよい。
○ 位置/速度推定部44は、電流推定部45に代えて、電動モータ11に関する物理量として、電動モータ11にて発生している磁束を推定する磁束推定部を物理量推定部として備えてもよい。磁束推定部は、モータ定数及び実測電流Idm,Iqm等に基づいて、磁束を推定する。そして、位置/速度推定部44は、推定された磁束に基づいて、ロータ22の回転位置を推定してもよい。この場合であっても、磁束の推定値と実際に電動モータ11にて発生している磁束との間には推定誤差が生じる。当該磁束の推定誤差は、入力電圧Vinが高くなるほど大きくなる。そして、モータ電流が小さくなるほど、ロータ22の回転位置の推定精度に対する磁束の推定誤差の影響は大きくなり易い。したがって、本別例においても、上記のように、電流制御部46は、入力電圧Vinが閾値電圧Vthよりも高い場合には、電流制限を行うとよい。これにより、磁束の推定誤差に起因してロータ22の回転位置の推定精度が低下することを抑制できる。また、物理量推定部は、少なくともモータ定数に基づいて物理量を推定できるように構成されていればよい。
○ 上記各実施形態及び上記各別例を適宜組み合わせてもよい。
10…車載電動ポンプ装置(車載流体機械)、11…電動モータ、12…ポンプ、13…インバータ、14…インバータ制御装置、22a…永久磁石、22…ロータ、23…ステータ、24u,24v,24w…コイル、30…車載電動圧縮機、42…電流センサ、44…位置/速度推定部、45…電流推定部、46…電流制御部、47…指令値制御部、48…PWM制御部、100…車両、101…燃料電池、Id…d軸電流、Iq…q軸電流、Is…合成電流、Idm,Iqm…実測電流、Ide,Iqe…推定電流、Idr,Iqr…電流指令値、Isth…合成下限値、Idth…d軸下限値、δI…電流誤差。

Claims (7)

  1. 永久磁石を含むロータ及びコイルが捲回されたステータを有する電動モータを駆動させるインバータの制御に用いられるものであって、車載流体機械に搭載されるインバータ制御装置において、
    前記電動モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、
    前記電動モータのモータ定数と前記モータ電流とに基づいて、前記ロータの回転位置を推定する位置推定部と、
    前記位置推定部の推定結果に基づいて、前記モータ電流におけるd軸電流及びq軸電流を制御する電流制御部と、
    を備え、
    前記電流制御部は、
    外部からの前記電動モータに対する外部指令値に基づいて、前記d軸電流及び前記q軸電流の指令値であるd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する算出部と、
    前記インバータの入力電圧が予め定められた閾値電圧よりも高い状況下において、前記算出部により算出された前記d軸電流指令値が予め定められたd軸下限値よりも低く、且つ、前記算出部により算出された前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値の合成電流指令値が予め定められた合成下限値よりも低い場合には、前記d軸電流指令値が前記d軸下限値以上となり且つ前記合成電流指令値が前記合成下限値以上となるように前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値を変更する制限部と、
    を備え、
    前記電流制御部は、前記電動モータに流れるd軸電流及びq軸電流が前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値に近づくように前記インバータを制御することを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記位置推定部は、少なくとも前記モータ定数に基づいて、前記電動モータに関する物理量を推定する物理量推定部を有し、前記物理量推定部の推定結果に基づいて前記ロータの回転位置を推定するものであり、
    前記電流検出部によって検出された前記モータ電流である実測電流は、前記物理量の推定、及び、前記物理量推定部の推定結果に基づく前記ロータの回転位置の推定のうち少なくとも一方に用いられるものである請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記物理量推定部は、前記物理量としての前記モータ電流を推定する電流推定部であり、
    前記位置推定部は、前記実測電流と、前記電流推定部によって推定された推定電流とに基づいて、前記ロータの回転位置を推定する請求項2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記物理量推定部は、前記実測電流と前記モータ定数とに基づいて、前記物理量としての前記電動モータの拡張誘起電圧を推定する拡張誘起電圧推定部であり、
    前記位置推定部は、前記拡張誘起電圧推定部によって推定された前記拡張誘起電圧に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する請求項2に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記物理量推定部は、前記実測電流と前記モータ定数とに基づいて、前記物理量としての前記電動モータの磁束を推定する磁束推定部であり、
    前記位置推定部は、前記磁束推定部によって推定された前記磁束に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する請求項2に記載のインバータ制御装置。
  6. 請求項1〜のうちいずれか一項に記載のインバータ制御装置と、
    前記インバータ制御装置によって制御されるインバータと、
    前記インバータによって駆動される電動モータと、
    を備えていることを特徴とする車載流体機械。
  7. 前記車載流体機械が搭載される車両は、燃料電池が搭載された燃料電池車両であり、
    前記車載流体機械は、前記電動モータが駆動することによって前記燃料電池に水素を供給するポンプを備えた車載電動ポンプ装置である請求項に記載の車載流体機械。
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