JP5492161B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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Description
これらのバンパ構成部材は、バルクヘッドなどの骨格部材に固定されるバンパブラケットに支持されることにより、車両前部に配設される。よって、バンパ構成部材に荷重が入力した場合には、その荷重がバンパ構成部材を支持するバンパブラケットに作用し、バンパ構成部材に入力した荷重が吸収される。
たとえば、下記特許文献によれば、車両前部で隣接して配設されるフロントグリルとヘッドライトが振動により干渉することを防止するため、フロントグリルとヘッドライトとの二つの部品を取り付け可能なバンパブラケットが開示されている。
そのため、レンズに荷重が入力した場合には、その荷重が吸収されることなく結合するライトハウジングに作用してしまい、水が浸入しないように密封して結合しているレンズとライトハウジングとの間に隙間が生じる可能性があった。
よって、ライトカバーを備えるヘッドライトにおいても、接触・衝突による荷重がライトカバーに入力した場合、荷重が吸収されることなくレンズに作用してしまい、密封して結合しているレンズとライトハウジングとの間に隙間が生じる可能性があった。
よって、本発明によれば、たとえ、レンズに荷重が作用したとしても、バンパブラケットとライトハウジングとレンズとが一体となって荷重を吸収することができるため、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じることを抑止し、ヘッドライト内に水が浸入することを回避できる。
よって、本発明によれば、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じることを抑止して、ヘッドライト内に水が浸入することを抑制できる。
そのため、ライトカバーが直接レンズの前面に取り付けられることがなく、ライトカバーとレンズとは当接しない構造となる。
よって、本発明によれば、ライトカバーとレンズとが振動により接触し、騒音を生じることを防止できる。
また、本発明によれば、グリルカバーとライトカバーとの一方又は両方が、表面が鍍金塗装されている場合にあっては、接触により塗装面が傷つくことを防止することができる。
また、バンパブラケットは、グリルベースを支持するのみならず、そのグリルベースに車両前部で隣り合うレンズにも固定されているため、隣り合って配置されるレンズとグリルカバーとの相対的な距離関係を保持することができる。よって、本発明によれば、レンズとグリルカバーとの見切り精度を高めることができ、さらに、レンズとグリルカバーとの当接による騒音の防止も図ることができる。
また、例えば、バンパ構成部材が、樹脂部材をベースに形成されるとともに、前面側に鍍金塗装されてなる場合、樹脂は鍍金に比べて熱膨張率が高いため、バンパ構成部材が熱された場合に、熱膨張率の高い樹脂部材の両端側が前方に反り返ってしまう可能性がある。
このような場合であっても、本発明によれば、バンパ構成部材の背面側にある前後規制部がバンパブラケットの係合部に係合するため、バンパ構成部材の端部が前方に反りかえることを防止することが可能となる。
実施形態に係る車両Vは、図1に示すように、前部に、車両前方から視認可能なバンパ構成部材4と、表面にライトカバー34が設けられた一対のヘッドライト3、3とを備え、さらに、ライトカバー34の内側に、一対のバンパブラケット2,2を備える構造になっている。
以下において、車両Vの前部を、単に「車両前部1」と称し、また、車両前部1に係る構造を、単に「車両前部構造」と称する。
一方で、ヘッドライト3は、図1に示すように、バンパ構成部材4の左右両側に隣接して配設されて、車両前方を照射するための部品である。
また、一対のバンパブラケット2,2は、ヘッドライト3,3に固定されて、バンパ構成部材4を支持するための部品である。
ヘッドライト3及びそのヘッドライト3に固定されるバンパブラケット2を分解した分解斜視図を図2に示す。ヘッドライト3は、図2に示すように、ライトハウジング31と、ライトハウジング31に支持される照射光源32と、照射光源32を覆うレンズ33と、バンパブラケット2を介してレンズ33の前面に設けられるライトカバー34とが、車両後方から前方に向かって順に配置されて構成される。なお、図2に図示するヘッドライト3は、左側に配設されるヘッドライト3である。また、右側のヘッドライト3は、左側のヘッドライト3と対称構造であるので説明を省略する。以下の説明において、図2に図示するヘッドライト3を基に、ヘッドライト3の構成の詳細について説明する。
ライトハウジング31は、図2に示すように、照射光源32を支持するライトハウジング本体35と、そのライトハウジング本体35を他の部品に固定する骨格部材固定部36a、フェンダブラケット固定部36b、バンパブラケット固定部36cとが一体的に形成されてなる部品である。
当該構成によれば、図4(a)に示すように、骨格部材固定部36aをバルクヘッドBHに固定することにより、ライトハウジング31を車両Vに取り付けることが可能となる。
また、照射光源32は、図2に示すように、前方を照射するための部品であり、ライトハウジング31の図示しない開口部に結合して、ライトハウジング31の前面に支持される。
レンズ33は、図2に示すように、ライトハウジング31に結合するレンズ本体37と、そのレンズ本体37の前面側の中央部であって後方に向かって凹む収容部38と、収容部38内に形成された位置決めピン39aとブラケット固定孔39b、39bとが一体的に形成されてなる部品である。
また、位置決めピン39aは、図2に示すように、収容部38に固定されるバンパブラケット2の位置を決定するために、収容部38の左側に突出形成されたピン状の部分である。なお、ライトカバー34については後述する。
一対のバンパブラケット2、2は、左右対称な形状を有するように形成されており、車両Vの左右両側であって、図2に示すように、レンズ33の収容部38に配置される。
なお、図3に図示するバンパブラケット2は、車両Vの左側に配置されるバンパブラケット2であり、説明の便宜上、図3に示すバンパブラケット2を基に説明する。
これによって、レンズ33の収容部38に収容されるブラケット延出部本体21の取り付け位置を容易に決定することができるとともに、レンズ33とブラケット延出部本体21との見切りの精度も向上させることができる。
次に、ライトカバー34について説明する。ライトカバー34は、図1に示すように、レンズ33の前面側に取り付けられる意匠的部品であって、樹脂材料をレンズ33の収容部38に収容可能な形状に成形してなる部品である。
また、ライトカバー34は、表面側に鍍金塗装されているとともに、背面側に固定爪24に係合可能なバンパブラケット係合部(不図示)が形成されている。
このライトカバー延出部34aは、ライトカバー34をバンパブラケット2に取り付けた場合、バンパブラケット2の当接規制部14の上方側に位置して、当接規制部14に上下方向で対向するように形成されている(図11(b)参照)。
これによれば、振動によりライトカバー34が上下方向に移動したとしても、ライトカバー延出部34aがバンパブラケット2の当接規制部14に当接して、ライトカバー34の下方への移動が規制される。
一方で、バンパブラケット2は、図5(a)に示すように、背面側で、後方延出部12がライトハウジング31のバンパブラケット固定部36cにビス止めされて、ライトハウジング31に固定されている。
なお、本実施形態のヘッドライト3とバンパブラケット2によれば、図5(b)に示すように、ライトカバー34の取り付けにより、バンパブラケット2のブラケット延出部20が覆われるものの、バンパブラケット2のバンパ支持部10の方は露出しており、後述するバンパ構成部材4の取り付けが可能となる。
次に、バンパ構成部材4について説明する。バンパ構成部材4は、図6に示すように、グリルベース40と、そのグリルベース40の前面に取り付けられるとともに車両前部1においてヘッドライト3のライトカバー34に隣接(図1参照)するグリルカバー50と、グリルベース40の下部に取り付けられるフロントバンパ70と、グリルベース40の上部に取り付けられるアッパブラケット80との各部品が組み合わされて一体的になっている。
グリルベース40は、図7及び図8に示すように、グリルベース本体41と、グリルベース本体41の下部側に形成された開口部42と、グリルベース本体41に形成されたビス止め孔43と、グリルベース本体41の下部側に形成されたクリップ孔44と、グリルベース本体41の背面の左右両側に形成された第1突出部46とが一体的に形成されてなる部品である。
これによって、図6及び図7に示すように、グリルベース本体41の前面上部側にグリルカバー50を、また、グリルベース本体41の上部側にアッパブラケット80をビス止めにより固定することができる。
グリルカバー50は、図6〜図8(主に図8)に示すように、グリルベース40の前面上部側に取り付けられる部品であって、略平板状に形成された平板部51と、平板部51の背面側の周縁に形成された複数の穴である穴部51a(図10(b)参照)と、平板部51の背面の左右両側に、前後規制部54と、グリルカバー延出部55と、後方に向かって突出する第2突出部56とが一体的に形成されてなる。
これによれば、図11(a)に示すように、前後規制部54がバンパブラケット2の係合部15に上下方向に係合するため、グリルカバー50の左右両側の前後方向における移動を抑止できる。
これによれば、振動によりグリルカバー50が上方に移動したとしても、グリルカバー50のグリルカバー延出部55が上方に位置するバンパブラケット2の当接規制部14に当接して、グリルカバー50の上方への移動が規制される。
フロントバンパ70は、図6に示すように、車両前部1の下部部分を覆うための部品であって、所定の形状に形成されている。また、フロントバンパ70は、図7に示すように、背面の上部側には、グリルベース40のクリップ孔44に挿入して係合するクリップ爪71が形成されている。
また、アッパブラケット80は、グリルベース40の背面側から、グリルベース40のビス止め孔43を挿通するビスが、アッパブラケット80の図示しない固定孔に固定して、グリルベース40の上部側に固定される。
以上の結合により、バンパ構成部材4は、図1に示すように、バンパブラケット2に支持されて、車両前部1に配設されることとなる。
よって、バンパブラケット2とライトハウジング31が、レンズ33に入力された荷重を吸収することができ、レンズ33とライトハウジング31との間に隙間が生じることを抑止し、ヘッドライト3内に水が浸入する可能性が低減される。
よって、ヘッドライト3が車両前方から接触・衝突したとしても、バンパブラケット2が荷重を吸収するため、レンズ33とライトハウジング31との間に隙間が生じることを抑止して、ヘッドライト3内に水が浸入する可能性が低減される。
よって、実施形態の車両前部構造によれば、ライトカバー34がレンズ33に直接取り付けられ、振動によりライトカバー34とレンズ33とが接触して騒音を生じるという事態を回避できる。
さらに、実施形態の車両前部構造によれば、ライトカバー34をレンズ33に直接取り付けた場合に比べて、ライトカバー34の取り付け精度を向上させることができるとともに、収容部38に配設されるライトカバー34とレンズ33との見切り精度を向上させることができる。
よって、ライトカバー34専用のブラケットは不要になり、部品点数の増加を防止できる。また、併せて、ライトカバー34専用のブラケットの取り付け工数の増加も防止でき、ひいてはコストダウンを図ることが可能である。
さらに、グリルカバー50を支持するバンパブラケット2は、グリルカバー50に隣接するレンズ33に固定されているため、隣り合って配置されるレンズ33とグリルカバー50との相対的な距離関係を保持することができる。
よって、レンズ33とグリルカバー50との見切り精度を高めることができ、さらに、レンズ33とグリルカバー50との当接による騒音の防止も図ることができる
しかしながら、実施形態のグリルカバー50において、図11(a)に示すように、前後規制部54がバンパブラケット2の係合部15に係合しているため、グリルカバー50の両端部が前方変位することが規制されている。
よって、実施形態の車両前部構造によれば、グリルカバー50が熱せられた場合であっても、グリルカバー50の両端部が前方に反り返ることを防止できる。
よって、バンパブラケット2の当接規制部14が、ライトカバー34又はグリルカバー50が接触する方向に移動したとしても、ライトカバー延出部34a又はグリルカバー延出部55がバンパブラケット2の当接規制部14に当接するため、ライトカバー34とグリルカバー50との接触による騒音を回避できる。
また、グリルカバー50とライトカバー34は、表面が鍍金塗装されているが、接触により塗装面が傷つくことを防止することができる。
2 バンパブラケット
3 ヘッドライト
4 バンパ構成部材
10 バンパ支持部
20 ブラケット延出部
31 ライトハウジング
32 照射光源
33 レンズ
34 ライトカバー
40 グリルベース
50 グリルカバー
70 フロントバンパ
80 アッパブラケット
BH バルクヘッド(骨格部材)
V 車両
Claims (5)
- 車両前部に配設されるバンパ構成部材と、
前記車両前部の左右両側に設けられ、前記バンパ構成部材を支持する一対のバンパブラケットと、
前記車両前部の左右両側に設けられるとともに前記バンパ構成部材に隣接し、車両前方を照射する一対のヘッドライトと、を備える車両前部構造であり、
前記ヘッドライトは、
車幅方向の内方で車両の骨格部材に固定されるとともに、車両前方を照射する照射光源を支持するライトハウジングと、
前記ライトハウジングに対して車両前方に配置されるとともに、前記照射光源を覆うようにシール部材を介して前記ライトハウジングに結合するレンズと、を有し、
前記バンパブラケットは、
前記バンパ構成部材を支持するバンパ支持部と、
前記バンパ支持部の背面から後方に延出して前記ライトハウジングに固定される後方延出部と、
前記バンパ支持部から前記レンズの前面の上下方向中央部に向かって延出し、前記レンズの前面に固定されるブラケット延出部と、を有し、
前記レンズは、前記バンパブラケットと前記ライトハウジングとで前後方向から挟み込まれることを特徴とする車両前部構造。 - 前記ヘッドライトは、さらに、前記レンズの前面側に設けられるライトカバーを有し、
前記ブラケット延出部は、前記ライトカバーを車両前方側で支持することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記バンパ構成部材は、車両前部内に外気を導通可能とするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、
前記グリルカバーは、前記車両前部において前記ヘッドライトのライトカバーに隣接しており、
前記ライトカバーと前記グリルカバーには、互いに隣接する端部近傍の背面から対向して車両後方に延出する一対の対向延出部が形成されており、
前記バンパブラケットは、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの背面に形成された前記一対の対向延出部の間に介在して、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの端部同士の当接を防止する当接規制部を有していることを特徴とする請求項2に記載の車両前部構造。 - 前記バンパ構成部材は、車両前部内に外気を導通可能にするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、
前記グリルカバーは、車両前部において前記ヘッドライトのレンズに隣接しており、
前記バンパブラケットは、前記グリルカバーを支持することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両前部構造。 - 前記バンパ構成部材は、背面に車両後方に延びる前後規制部を有し、
前記バンパブラケットは、前記前後規制部に係合して、前記バンパ構成部材における車両前後方向の変位を規制する係合部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両前部構造。
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