JP5487623B2 - 偏光子保護用光学フィルムの製造方法、偏光板、並びに表示装置 - Google Patents
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Description
第2の発明は、第1の発明に係る偏光子保護用光学フィルムの製造方法により製造された偏光子保護用光学フィルムが偏光子の少なくとも片側に貼付されている偏光板である。
第3の発明は、第2の発明に係る偏光板が使用されている表示装置である。
本発明に係わる偏光子保護用光学フィルムは、ポリプロピレンが用いられており、少なくとも片側の表面に溝が形成されているものである。図1は、本発明に係わる偏光子保護用光学フィルムの一例の表面の顕微鏡写真である。
以下に、偏光子保護用光学フィルム及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明を構成するポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体、又はプロピレンと1種または2種以上のコモノマーとの共重合体である。ポリプロピレンの製造に用いる重合方法としては、不活性溶剤を用いる溶剤重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、及び気体のモノマー中でおこなう気相重合法などが挙げられ、好ましくは塊状重合法又は気相重合法である。これらの重合法は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。ポリプロピレンの製造に用いられる重合用触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などが挙げられ、メタロセン触媒を用いることが好ましい。
チーグラー・ナッタ触媒を用いてプロピレンに共重合されるコモノマーとしては、例えば、エチレン又は/及び炭素原子数4〜20のα−オレフィンが用いられる。共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよいが、面内位相差が小さいなど光学特性の観点から、ランダム共重合体が好ましい。具体例として、プロピレン−エチレンのランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンのランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンのランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンのランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンのランダム共重合体が挙げられる。
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物およびテトラエチルジアルモキサンが挙げられる。
電子供与性化合物としては、好ましくはシクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが挙げられる。
層状ケイ酸塩の具体例としては、公知の層状ケイ酸塩であれば特に制限はなく、例えば、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族;クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族;モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、テニオライト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族;バーミキュライト等のバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族;アタパルジャイト;セピオライト;パリゴルスカイト;ベントナイト;パイロフィライト;タルク;緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
これらの中では、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族が好ましい。
これらの層状ケイ酸塩は化学処理を施すことができる。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。これらの処理には、表面の不純物を取り除く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させるなどの作用があり、その結果、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。
本発明において、偏光子保護用光学フィルムを構成するポリプロピレンには、偏光子保護用フィルムとして必要な特性を保持できる範囲であれば、所望に応じて各種の添加樹脂や添加剤を任意成分として添加することができる。添加樹脂としては、ポリプロピレン以外のオレフィン樹脂などが挙げられる。添加剤としては、例えば、透明核剤、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、アンチブロッキング剤、滑剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤のいずれを用いてもよい。有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系添加剤が挙げられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物などが用いられる。
本発明に係わる偏光子保護用光学フィルムは、後述の方法などを用いることで、少なくとも片側の表面に1本又は2本以上の溝が形成されたものである。溝の幅は1μm以下であることが好ましく、溝の深さは900nm以下であることが好ましい。偏光子保護用光学フィルムとして好適なヘーズを保持できるからである。また、良好なブロッキング耐性を得るために、溝の幅は10nm以上であることが好ましく、溝の深さは100nm以上であることが好ましい。なお、溝の幅と溝の深さの値は、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。溝の形状は、フィルムどうしの重なり箇所を減らして接触面積を小さくする観点から、網状であること又は/及び不規則であることが好ましい。
また、偏光子保護用光学フィルムと偏光子との密着性を上げるために接着剤層を形成する場合は、偏光子保護用光学フィルムか偏光子かのいずれかの側または両側に接着剤を塗布することによりおこなう。接着剤層の厚みは、乾燥後の厚みで厚くなりすぎると偏光子保護用光学フィルムの接着性の点で好ましくないことから、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.03〜5μmである。偏光子保護フィルムの片側の面のみに溝が形成されている場合は、溝が形成された側に接着剤層を設けることが好ましい。偏光子保護用光学フィルムに形成された溝を接着剤が埋めることにより、偏光板のヘーズの悪化を防止することができるからである。
易接着処理を行った面もしくは接着剤層を形成した面を介して、偏光子保護用光学フィルムと偏光子とを貼り合せた後に、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。接着剤層を形成した後にこれを貼り合わせることもできる。偏光子と偏光子保護用光学フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等によりおこなうことができる。加熱乾燥温度、乾燥時間は接着剤の種類に応じて適宜決定される。
本発明の偏光子保護用光学フィルムの製造方法は、光学フィルムの少なくとも片側の表面に所望の溝が形成される方法であれば、特に限定されるものではないが、下記に、本発明の偏光子保護用光学フィルムを好適に製造することができる方法について述べる。
このうち、上記(1)の溝形成方法(以下「ロール方式の溝形成方法」と記載する。)は、良好なブロッキング耐性を示す幅、深さ、形状、本数の溝を簡易に形成させることができ、また、設備的な負担が小さいので、好ましい。
このうち、一方のロールには、金属ロールを用いることが好ましい。金属ロールは、表面の硬度が高くかつ平滑に加工することが容易であるため、フィルムの異常変形による面内位相差のばらつきを防ぐことができるからである。また、熱伝導性が高いので表面温度を制御することが容易であり、溝を安定的に形成できるからである。
金属ロールの材料としては、一般に用いられているものであれば特に限定されず、炭素鋼、ステンレス、チタンあるいは電鋳法で製造されたニッケルなどが挙げられる。また、金属ロールの表面は、更に上記の金属表面の硬度をあげたり、上記の金属表面と樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキ、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなど、あるいはセラミック溶射等の表面処理が施されていてもよい。
金属ロールの表面は、鏡面仕上げがなされていることが好ましい。鏡面仕上げにより表面が平滑化されることによって、ポリプロピレン・フィルムに均等な圧力をかけることができ、溝を安定的に形成できるからである。
金属層の材料としては、一般に用いられているものであれば特に限定されず、炭素鋼、ステンレス、チタンあるいは電鋳法で製造されたニッケルなどが挙げられる。また、金属ロールの表面は、更に上記の金属表面の硬度をあげたり、上記の金属表面と樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキ、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなど、あるいはセラミック溶射等の表面処理が施されていてもよい。
弾性体層の材料としては、金属よりも柔軟性がある材料であればよく、例えば、シリコーン樹脂・ゴムやフッ素樹脂・ゴムなどが好適であり、複数の樹脂材料を混合又は積層して使用してもよい。
金属層の表面は、鏡面仕上げがなされることが好ましい。鏡面仕上げにより表面が平滑化されることによって、ポリプロピレン・フィルムに均等な圧力をかけることができ、溝を安定的に形成することができるからである。
また、ロール間にフィルムを通す際には、フィルムがロール間に入る角度を両ロールの中心を通る面に垂直な面を基準として20度を超えない範囲にすることで、安定した溝形成加工をおこなうことができる。
本発明の偏光板は、上記の偏光子保護用光学フィルムが、偏光子の少なくとも片面に、好ましくは接着剤層を介して、貼付されたものである。図2は、本発明の偏光板の構成例である。図2において、2は偏光子であり、その片面に接着剤層3を介して、偏光子保護用光学フィルム1が貼付され、全体として偏光板4を構成している。
PVA系偏光子としては、例えばPVA系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したものが挙げられる。これらのなかでもPVA系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適に用いられる。これら偏光子の厚さは特に制限されず、一般的に、1〜100μm程度である。
PVA系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%の範囲である。このPVA系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。PVA系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000、好ましくは1,500〜10,000の範囲である。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、PVA系フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100質量部あたり0.01〜0.5質量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100質量部あたり0.5〜10質量部程度である。この水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間は、通常30〜300秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたPVA系フィルムをホウ酸水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は通常、水100質量部あたり2〜15質量部程度、好ましくは5〜12質量部程度である。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有するのが好ましい。ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は通常、水100質量部あたり2〜20質量部程度、好ましくは5〜15質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常100〜1,200秒程度、好ましくは150〜600秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃である。
こうして、ヨウ素又は二色性染料が吸着配向されたPVA系フィルムからなる偏光子が得られる。
PVA系樹脂の重合度等は特に限定されないが、接着性などが良好になることから、平均重合度100〜3000程度、好ましくは500〜3000、平均ケン化度85〜100モル%程度、好ましくは90〜100モル%程度のものを用いることが好ましい。
偏光子と偏光子保護用光学フィルムとの貼り合わせの方法は、ロールラミネーター等により行うことができる。なお、加熱乾燥温度、乾燥時間は接着剤の種類に応じて適宜決定される。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン、紫外線硬化型エポキシアクリレート、紫外線硬化型(ポリ)エステルアクリレート、紫外線硬化型オキセタン等から選ばれる一種類以上の紫外線硬化樹脂が挙げられる。
ハードコート層の厚みは、0.1〜100μmが好ましく、特に好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは2〜20μmである。また、ハードコート層の間にプライマー処理をすることもできる。
本発明の偏光板は、表示用の各種装置に好ましく使用することができる。本発明の表示装置としては、液晶セルを含む液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」という)表示装置、タッチパネル等が挙げられ、本発明の偏光板を使用するものであれば、表示装置の種類の限定はない。また、液晶ディスプレイの場合、表示装置は、一般に、液晶セル、光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては、上記した本発明の偏光板を用いる点を除いて、表示装置の構成には特に限定はない。例えば、液晶セルの片側又は両側に偏光板を配置した表示装置や、照明システムとしてバックライト又は反射板を用いたものなどの適宜な表示装置が例示される。また、液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。なお、表示装置を構成するに際しては、例えば、拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明の偏光板は、例えば液晶セルなどに積層して使用される。本発明の表示装置の例として、図3に、液晶セルを含む液晶ディスプレイの構成例を示す。図3において、6は液晶セルを示す。この液晶セル6は、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型等や、ツイストネマチック型、スーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型などのものが例示される。この液晶セル6の上に、粘着剤層(図示せず)を介して、位相差板(複屈折板)5が積層され、この上に、粘着剤層(図示せず)を介して、偏光板4が積層されたものである。偏光板4は、中心に偏光子2を有し、その両側の表面に、接着剤層3を介して、偏光子保護用光学フィルム1が積層されている。偏光板4と位相差板5、位相差板5と液晶セル6の積層に際しては、予め偏光板4、位相差板5及び液晶セル6に粘着剤層を設けておくこともできる。
前記粘着剤には、光学的透明性、適度な濡れ性、凝集性、接着性などの粘着特性、耐候性、耐熱性などに優れることが求められる。さらに吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着剤層が求められる。
塗工方法は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等、各種方法が可能であるが、グラビアコートが最も一般的である。
また、粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1μm〜500μmであり、5μm〜200μmが好ましく、特に10μm〜100μmが好ましい。
本発明の偏光板は、有機EL表示装置にも好適に使用し得る。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、これらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、一般には複屈折層によって楕円偏光となるが、複屈折層がλ/4板でしかも偏光板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、複屈折層で再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
本発明の偏光板は、タッチパネルにも好適に使用し得る。一般に、タッチパネルは、操作者が表示画面の上部に設けられた透明な面をペン、または指でタッチすることで、装置、システムの操作を行うものである。画面上を直接タッチすることは、カーソルを方向キーで押して位置を確定することに比べれば、より直接的であり、また直感的でもあることから、近年、非常に多用されるようになっている。また、近年、携帯電話、およびPDA(Personal Digital Assistants;個人用の携帯情報端末)等の携帯端末市場の成長は著しく、太陽光のもとでの視認性、および薄型軽量が強く要求されるようになった。タッチパネルには種々の方式があり、その得失により使い分けられている。タッチパネルには、抵抗膜方式、光学式、静電容量結合方式(アナログ容量結合方式とも呼ばれる)、赤外線方式、超音波式、および電磁誘導式等の方式がある。ここでは、抵抗膜方式のタッチパネルの例で説明する。
本発明の偏光子保護用光学フィルムと偏光子からなる偏光板とλ/4板を、λ/4板の面内の遅相軸と偏光板の偏光軸との角度が実質的に45°になるように積層すると円偏光板が得られる。実質的に45°とは、40〜50°であることを意味する。λ/4板の面内の遅相軸と偏光膜の偏光軸との角度は、41〜49°であることが好ましく、42〜48°であることがより好ましく、43〜47°であることがさらに好ましく、44〜46°であることが最も好ましい。
本発明に係わる偏光子保護用光学フィルムを使用した円偏光板、又は直線偏光板は、透過型・反射型どちらのタッチパネルにも使用できる。
(1)フィルム表面の観察
共焦点レーザー顕微鏡(ライカマイクロシステムズ株式会社製、TCS−SP5)を用いて、光学フィルムの表面を100倍の対物レンズで反射方式にて観察した。光学フィルムに形成された溝の本数は、撮影画像で光学フィルムの略幅方向(成形加工時のフィルム流れ方向に対して略直角方向)に100μm長に相当する線を引き、その線を横切る溝の数を目視で計数した。
(2)ブロッキング耐性
光学フィルムをロール状に巻き取ることで、光学フィルムの金属ロール側の表面と積層構造ロール側又はエアーナイフ側の表面とを重ね合わせた。その巻取ロールを40℃80%RHの高温槽内に2日間保存することで促進試験をおこなった。室温で放熱させた後、巻取ロールからフィルムを手で引き出した際に、ブロッキングによるフィルム間の張り付きの有無を目視で観察し、ブロッキング耐性を下記の基準で評価した。
○:良好(フィルム間の張り付きがない又はほとんどない)
×:劣る(フィルムの張り付きがある)
(3)ヘーズ
JIS K7105に準拠し、光源光を金属ロール側の表面から入射して、光学フィルムのヘーズを測定した。
(4)内部ヘーズ
光学フィルムの金属ロール側の表面に、汎用のハードコート樹脂溶液又は接触液を表面に存在するおうとつが十分に覆い隠れる程度の厚みで積層又は塗布した。ハードコート樹脂が積層された又は接触液が塗布された光学フィルムのヘーズを上記(3)に従って測定し、得られた値を内部ヘーズとした。
(5)中心線平均表面粗さ
JIS B0601に準拠して、原子間力顕微鏡(ビーコインスツルメンツ社製、ナノスコープV)を用いて、スキャン範囲100μmで、光学フィルムの積層構造ロール側又はエアーナイフ側の中心線平均表面粗さを測定した。
(6)面内位相差
位相差測定機(王子計測機器株式会社製、KOBRA(登録商標)−WR)を用いて、波長589.3nm、入射角0度の条件で、光源光を金属ロール側の表面から入射して、光学フィルムの面内位相差を測定した。
ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、ウィンテック(登録商標)、メタロセン触媒を用いて重合されたポリプロピレン、融点142℃、曲げ弾性率900MPa、表1で「mPP」と記載)を200℃で加熱溶融させた。溶融させたポリプロピレンをTダイリップから押出速度7m/minで厚み100μmになるように単層押出しをおこない、フィルム形状に成形した。次に、押出し直後のフィルムを金属ロール(材質ステンレス、表面に鏡面仕上げ)と積層構造ロール(表面層の材質ステンレス、弾性体層の材質ゴム、金属層の表面に鏡面仕上げ)とで下記の挟圧条件で挟圧し、偏光子保護用光学フィルムを作製した。挟圧後のフィルムは巻き取ってロールにした。なお、本実施例にて用いた製造装置では、金属ロールの位置は固定されているので、積層構造ロールの金属ロールに対する線圧を挟圧力とした。
(挟圧条件)
金属ロール表面温度 :50℃
積層構造ロール表面温度 :50℃
挟圧力(積層構造ロールの線圧) :6N/mm
挟圧条件の挟圧力を3N/mmにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
挟圧条件の挟圧力を8N/mmにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
挟圧条件の挟圧力を10N/mmにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
挟圧条件の積層構造ロール表面温度を70℃にした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
実施例1のポリプロピレンに代えて、ポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、プライムポリプロ(登録商標)F219DA、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたポリプロピレン、融点148℃、曲げ弾性率1100MPa、表1で「rPP」と記載)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
実施例1の積層構造ロールに代えて、エアーナイフ(エアー噴射量100m3/min)を用いて、挟圧力をゼロにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護用光学フィルムを得た。
2:偏光子
3:接着剤層
4:偏光板
5:位相差板(複屈折板)
6:液晶セル
Claims (3)
- 溶融させたポリプロピレンをフィルム状に成形する第1工程と、
前記第1工程で成形されたポリプロピレンフィルムを、表面が鏡面仕上げされた金属ロールと、表面が鏡面仕上げされた金属層を弾性体層上に有し表面温度が30℃を超え70℃以下の積層構造ロールとの間で挟圧力の範囲が2.5〜10N/mmで挟圧して、上記ポリプロピレンフィルムの積層構造ロールに接した側の表面のみに幅が10nm以上1μm以下、深さが100nm以上900nm以下であり、形状が不規則であるか、網状であるか、又は網状であって不規則であるかのいずれかであって、本数が1本又は2本以上の溝を形成する第2工程と、を有する
ことを特徴とする偏光子保護用光学フィルムの製造方法。 - 請求項1に記載された偏光子保護用光学フィルムの製造方法により製造された偏光子保護用光学フィルムが偏光子の少なくとも片側に貼付されていることを特徴とする偏光板。
- 請求項2に記載された偏光板が使用されていることを特徴とする表示装置。
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