JP5487390B2 - 粘性物質希釈装置 - Google Patents

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Description

本発明は高い粘性をもつ粘性物質を希釈剤で希釈させる粘性物質希釈装置に関する。
吸収式ヒートポンプ装置を例にとって背景技術について説明する。この装置は、水蒸気を凝縮させて液相水を形成する凝縮器と、凝縮器で形成された液相水を蒸発させて水蒸気を形成する蒸発器と、蒸発器で蒸発された水蒸気を吸収液に吸収させて吸収液を希釈化させ、希釈吸収液を形成する吸収器と、吸収器で形成された希釈吸収液に含まれる水分を水蒸気として蒸散させることにより吸収液を濃縮させる再生器とを有する。
上記した吸収器によれば、蒸発器で蒸発された水蒸気を吸収液に吸収させて吸収液を希釈化させ、希釈吸収液を形成する。この吸収器では、冷媒が流れる長尺な伝熱管の外表面に吸収液を付着させ、吸収液を伝熱管で冷却させつつ、水蒸気を吸収器に供給し、水蒸気を吸収液に吸収させる技術が開発されている。水蒸気を吸収する前の吸収液は、高い粘性を有しており、粘調物ともいえる。
上記した吸収器として、従来、伝熱管の外表面に、伝熱管の長手方向に沿って複数の溝を並設させると共に、伝熱管を空気中で加熱して酸化処理させて酸化膜の微細凹凸を形成させたものが知られている(特許文献1)。このものによれば、伝熱管の外表面における濡れ性が向上し、高い粘性をもつ吸収液が伝熱管の外表面に沿って広がり易くなり、吸収液が水蒸気を吸収する吸収性を高めることができる旨が記載されている。
また、吸収式ヒートポンプ装置に使用される蒸発器として、親水基をもつ酸化膜を伝熱管の外表面に形成するものが知られている(特許文献2)。このものによれば、伝熱管の外表面に付着する流体を酸化膜の親水性により広げることができると記載されている。
特開平10−185356号公報 特開平6−82126号公報
本発明は上記した従来技術を更に改善させたものであり、伝熱管等の被付着部材の外表面に付着している粘性物質が高い粘性を有するときであっても、被付着部材の外表面に付着している粘性物質を機械的に薄く広げて粘性物質を広面積化でき、粘性物質が希釈剤を吸収する面積を増加でき、粘性物質を希釈剤で効率よく希釈させるのに有利な粘性物質希釈装置および吸収式ヒートポンプ装置を提供することを課題とする。
本発明に係る粘性物質希釈装置は、(i)粘性物質およびこれを希釈させる希釈剤が供給される希釈室を有する器体と、(ii)粘性物質供給部から希釈室に供給された粘性物質を付着できるように希釈室に配置された被付着部材と、(iii)被付着部材の外表面に沿って移動可能に設けられ、移動に伴い、被付着部材の外表面に付着している粘性物質を被付着部材の外表面に沿って広げて粘性物質の吸収面積を増加させる可動体とを具備する。
本発明によれば、器体は、粘性物質および希釈剤が供給される希釈室を有する。粘性物質は、被付着部材に付着されているとき、自身が有する粘性により膜状に広がりにくい材料を意味する。被付着部材は、希釈室に供給された粘性物質を付着できるように希釈室の内部に配置されており、可動体を被付着部材の外表面に沿って移動させることができるものである。被付着部材の構造および形状は特に限定されず、例えば中空パイプ材、板材、棒材、線材などで形成できる。可動体は、被付着部材の外表面に沿って移動可能に設けられており、その構造および形状は特に限定されない。被付着部材の外表面に付着している粘性物質は、可動体の移動に伴い、被付着部材の外表面に沿って広げられて広面積化する。このため、被付着部材に付着されている粘性物質と希釈剤との接触面積が増加する。これにより粘性物質が高い粘性を有するときであっても、粘性物質は希釈剤で効率よく希釈される。粘性物質は、希釈されると、粘性が低下するため、被付着部材から離脱できる。
本発明によれば、被付着部材に付着されている粘性物質が高い粘性を有するときであっても、粘性物質を被付着部材の外表面に沿って広げられて広面積化させ得るため、粘性物質を希釈剤で効率よく希釈することができる。
実施形態1に係り、吸収器を示す断面図である。 実施形態1に係り、異なる方向から切断した吸収器を示す断面図である。 実施形態1に係り、伝熱管に移動可能に支持されている転動体付近の寸法関係を示す図である。 実施形態2に係り、吸収器を示す断面図である。 実施形態3に係り、転動体を載せている伝熱管群を示す平面図である。 実施形態4に係り、転動体の各形態を示す断面図である。 実施形態5に係り、(A)は伝熱管に取り付けられている可動体の側面図であり、(B)は伝熱管に取り付けられている可動体の断面図である。 実施形態6に係り、(A)は伝熱管に取り付けられている可動体の側面図であり、(B)は伝熱管に取り付けられている可動体の断面図である。 実施形態7に係り、伝熱管に可動体を取り付けている状態を示す断面図である。 実施形態8に係り、伝熱管に可動体を取り付けている状態を示す断面図である。 実施形態9に係り、伝熱管に可動体を取り付けている状態を示す断面図である。 吸収式ヒートポンプ装置を示すシステム図である。
本発明の一視点によれば、好ましくは、被付着部材は、被付着部材に付着している粘性物質を冷却または加熱させる熱交換器交換機能を有する。粘性物質を冷却または加熱させると、粘着物質が希釈剤を吸収し易くなる場合に適する。粘性物質の種類によっては、冷却させると、粘着物質が希釈剤を吸収し易くなる場合があり、または、加熱させると、粘着物質が希釈剤を吸収し易くなる場合がある。希釈剤としては、粘着物質を希釈できるものであれば良く、気相状または液相状の水、アルコール等の有機溶媒が例示される。本発明の一視点によれば、好ましくは、被付着部材は、被付着部材に付着している粘性物質を冷却させる冷却機能を有する。粘性物質を冷却させると、粘着物質が希釈剤を吸収し易くなる場合に適する。
本発明の一視点によれば、好ましくは、被付着部材は、熱交換媒体が流れる通路を有する伝熱管を形成している。この場合、伝熱管の通路を流れる熱交換媒体は、被付着部材に付着した粘性物質と熱交換する。熱交換媒体は冷媒が好ましい。この場合、粘性物質が冷却された方が、粘性物質が希釈剤を吸収しやすい場合に好適する。場合によっては、粘性物質の温度が高い方が粘性物質が希釈剤を吸収しやすいときには、熱交換媒体は,温水等の暖かい媒体でも良い。
本発明の一視点によれば、好ましくは、可動体の両側には被付着部材が配置されている。この場合、可動体が被付着部材間の空間から離脱しないように、可動体の寸法は、被付着部材間の空間の空間幅よりも大きく設定されていることが好ましい。この場合、可動体が被付着部材から離脱することが抑制される。
本発明の一視点によれば、好ましくは、被付着部材がパイプ状であり、パイプの中心線に対して直交する方向に沿った断面において、可動体の両側にはパイプが配置されている。この場合、、可動体がパイプ間の空間から離脱しないように、可動体の寸法は、パイプ間の空間の空間幅よりも大きく設定されていることが好ましい。この場合、可動体が離脱することが抑制される。
本発明の一視点によれば、好ましくは、可動体は被付着部材に沿って移動できるものであり、被被着部材に沿って転動および/または滑走できるものが例示できる。可動体は球体、ローラ等の転動体が例示される。球体は、直径が各部で同一の真球状でも良く、直径が各部で相違する楕円球状や長円球状でも良い。
本発明の一視点によれば、好ましくは、可動体は、芯部と、芯部に被覆され芯部よりも衝突緩衝性および/または親水性に優れた被覆層とを備えている。芯部の母材としては、金属、セラミックス、硬質樹脂が例示される。被覆層が衝突緩衝性を有する場合には、衝突音の低減に貢献できる。被覆層が親水性を有する場合には、希釈剤が水蒸気や液相水である場合には適する。
本発明の一視点によれば、好ましくは、粘性物質希釈装置は移動物体に搭載され、移動物体の加速、減速、旋回、旋回戻し、振動のうちの少なくとも一つに基づいて発生する慣性力等の力が可動体に作用して、可動体は伝熱管の外表面に沿って移動する。この場合、可動体を移動させるための駆動源を廃止できる。移動物体としては、車両(乗用車、トラック、列車を含む)、船舶、飛翔体が挙げられる。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜図3を参照しつつ説明する。本実施形態は、車両、船体、飛翔体等の移動物体に搭載される吸収式ヒートポンプ装置(吸収式冷凍機)に使用される吸収器1に適用した場合である。図1および図2に示すように、吸収器1は、器体2と、被付着部材として機能する伝熱管4で形成された伝熱管群3と、伝熱管4に沿って移動する可動体6として機能する転動体5とを有する。
器体2は箱形状をなしており、天井壁2uと、底壁2bと、側壁2s,2saとを有する。器体2は、中空状をなす希釈室20と、粘性物質として機能する吸収液9を希釈室20に供給する粘性物質供給部として機能する吸収液供給部21と、希釈剤として機能する水蒸気を希釈室20に供給する希釈剤供給口として機能する水蒸気供給口22(水供給口)と、希釈された希釈吸収液9cを貯留させる貯留室24と、貯留室24に形成された吐出口25とを有する。
図1に示すように、吸収液供給部21は、希釈室20の上部に配置されており、高い粘性を有する高濃度の吸収液9を待機させつつ貯留させる待機室210と、待機室210と希釈室20とを連通させる複数個のノズル状の滴下口212とを有する。待機室210は、吸収液9を待機室210に供給する吸収液供給源214に繋がる。水蒸気供給口22は、器体2の側壁2sに設けられており、水としての水蒸気を供給する水蒸気供給源216(水供給源)に繋がる。
伝熱管群3は複数の伝熱管4で形成されている。伝熱管4は、高い伝熱性を有する金属等の伝熱材料で形成された通路4pを有するパイプで構成されている。パイプは金属、硬質樹脂、セラミックスを例示できる。伝熱管4の熱交換性を考慮すると、熱伝導性が高い金属が好ましい。金属の場合には、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、合金鋼が例示される。更に転動体5が金属であれば、伝熱管4の冷却作用は転動体5を介して伝熱管4上の吸収液9に及ぶ。このため、伝熱管4に付着されている粘性を有する吸収液9を転動体5および伝熱管4を介して積極的に冷却させることが期待できる。この吸収液9は低温であると、水分を吸収し易い性質を有するため、好適である。
伝熱管4の母材が金属である場合には、必要に応じて、伝熱管4の外表面40に耐腐食膜を形成しておくことができる。更に、水分等の濡れ性を高めるため、金属製の伝熱管4の外表面40に微細な凹凸構造を形成することも好ましい。伝熱管4の母材が硬質樹脂である場合には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示される。伝熱管4の母材がセラミックスである場合には、アルミナ、マグネシアが例示される。炭化珪素、ベリリア、窒化アルミニウム、窒化硼素等の伝熱性が高いセラミックスを採用しても良い。この場合、伝熱管4の耐食性を確保しつつ、伝熱管4に付着されている粘性を有する吸収液9を冷却させるのに有利となる。
伝熱管4の内部には、熱交換媒体として機能する冷媒を流す通路4pが形成されている。冷媒は液状でも、気相状でも、ミスト状でも良いが、高い熱交換性を有する冷却水等の冷却液が好ましい。図1に示すように、伝熱管4は、U字形状および逆U字形状に曲成された複数の曲成部4mを有する。これにより希釈室20の小型化を図りつつも、伝熱管4による伝熱距離および伝熱面積が確保されている。
伝熱管4は、吸収液供給部21から希釈室20に供給された高い粘性をもつ吸収液9を付着できるように希釈室20に配置されている。このため、伝熱管4は、吸収液供給部21の滴下口212に対して重力方向の下方に位置する。このため、滴下口212から希釈室20に滴下された吸収液9を伝熱管4の外表面40に付着できる確率が増加する。図1に示すように、伝熱管4は水蒸気供給口22に対面する。これにより伝熱管4に付着している高粘性の吸収液9に対して水蒸気を吸収させ易い。伝熱管4は水平線に沿って延設されている。ここで、伝熱管4が水平線に沿って延設されているとは、伝熱管4が水平線と平行である形態の他に、図示しないものの、伝熱管4が水平線に対して所定角度(例えば30℃以内)傾斜している形態とを含む意味である。
転動体5(5f,5s,5t)は、伝熱管4の外表面40の上側の部分に沿って転動または滑走して移動できるように複数個設けられている。場合によっては単数個でも良い。転動又は滑走する転動体5の落下を抑えるため、伝熱管4の外表面40にはストッパ4kが形成されている。ストッパ4kにより、転動体5が伝熱管群3から落下することが抑えられている。
本実施形態によれば、転動体5は、下から上にかけて、第1転動体5fと第2転動体5sと第3転動体5tとで形成されている。具体的には、球状をなす転動体5は、伝熱管4の外表面40に転動可能または滑走可能に載せられている。図2は、伝熱管4の中心線P1に対して直交する方向に沿った断面を示す。図2において、転動体5の両側には伝熱管4が配置されている。
図2に示すように、伝熱管4は、中央列A1に相当する第1伝熱管41,左列A2に相当する第2伝熱管42,右列A3に相当する第3伝熱管43とされている。第1伝熱管41は、前述したようにUまたは逆U形状に曲成されているため、下から上にかけて、部位41f,41s,41t,41uを有する。第2伝熱管42も同様に、Uまたは逆U形状に曲成されているため、下から上にかけて、部位42f,42s,42t,42uを有する。第3伝熱管43も同様に、Uまたは逆U形状に曲成されているため、下から上にかけて、部位43f,43s,43t,43uを有する。
本実施形態によれば、図3から理解できるように、第1伝熱管41の部位41fと,部位41fの真上の部位41sと,第2伝熱管42の部位42fと,第3伝熱管43の部位43fとで、1組の落下防止構造を構成している。従って、第1伝熱管41の部位41f,41sと第2伝熱管42の部位42fと第3伝熱管43の部位43fとで、第1転動体5fを離脱させないように支持している。よって、図3(伝熱管4の横断方向に沿った断面図)において、第1転動体5fの両側には、第2伝熱管42および第3伝熱管43が配置されている。
ここで、図3において、第1伝熱管41の部位41s(部位41fの真上)と第2伝熱管42の部位42fとの間に存在する第1空間401の空間幅は、L12として示される。第1伝熱管41の部位41sと第3伝熱管43の部位43fとの間に存在する第2空間402の空間幅は、L13として示される。そして、第1空間401から第1転動体5fが離脱しないように、第1転動体5fの外径寸法D1(可動体6の寸法)は、第1空間401の空間幅L12よりも大きく設定されている。更に、第2空間402から第1転動体5fが離脱しないように、第1転動体5fの外径寸法D1(可動体の寸法に相当)は、第2空間402の空間幅L13よりも大きく設定されている。このように第1転動体5fについて、伝熱管群3から落下しないような落下防止構造が採用されている。
図3から理解できるように、下側の転動体5fは、第1伝熱管41の部位41fと第2伝熱管42の部位42fと第3伝熱管43の部位43fとに沿って移動できる。このため、転動体5fは、これらの部位41f,42f,43fに付着している吸収液9fを広げることができる。車両等の移動体の移動時には、第1転動体5fに慣性力の他に振動等も作用すると、第1転動体5fは上昇することも可能である。このため、図3から理解できるように、第1転動体5fは、第1転動体5fの上方に位置する第1伝熱管41の部位41sにも摺動でき、ここに付着している吸収液9sを広げることもできる。
本実施形態については、第2転動体5sおよび第3転動体5tについても、第1転動体5fと同様の落下防止構造が採用されている。
次に使用時について説明を更に加える。使用時には、水蒸気(希釈剤)が水蒸気供給口22から器体2の希釈室20に供給される。更に、吸収液供給部21の貯留室24に貯留されている粘性物質で形成されている吸収液9は、水分吸収前であるため、高い粘性をもつ。貯留室24の吸収液9は、滴下口212から希釈室20の伝熱管群3に向けて重力により滴下される。吸収液9としては、臭化リチウムおよびヨウ化リチウムのうちの少なくとも1種が例示される。
滴下された吸収液9は、被付着部材としての伝熱管群3の伝熱管4の外表面40に付着される。単に付着しただけでは、吸収液9は、高い粘性を有する粘調物であるため、伝熱管4の外表面40にほとんど広がらず、厚肉状に盛り上がる。この点本実施形態によれば、転動体5が伝熱管4の外表面40に沿って転動する。このため、伝熱管4に厚肉状に付着していた吸収液9は、転動体5の転動により伝熱管4の外表面40に沿って薄く広がり、広面積化される。このため吸収液9は水蒸気を効率よく吸収できる。
更に、使用時には、伝熱管4の通路4pには冷媒が流れるため、伝熱管4は冷却作用を発揮させ、伝熱管4に付着している吸収液9を積極的に冷却させる。吸収液9は高温よりも低温の方が水分を吸収し易い性質を有する。このため、伝熱管4に付着している吸収液9を冷却させると、吸収液9は水蒸気を一層吸収して更に希釈される。水分を吸収した吸収液9は、粘性が低下するため、伝熱管4から重力により貯留室24に向けて落下する。落下した吸収液9は貯留室24に溜められ、吐出口25から次工程に向けて吐出される。この場合、ポンプ等の搬送源または重力により希釈吸収液9cを次工程に向けて吐出させることが好ましい。
本実施形態によれば、吸収器1は車両、船体、飛翔体等の移動物体に搭載されるタイプである。このため車両等の移動物体の加速、減速、旋回、振動に基づいて発生する慣性力等の力が、転動体5に作用する。よって、転動体5(5f,5s,5t)は、伝熱管4の外表面40に沿って転動または滑走して移動し、伝熱管4の外表面40に付着している吸収液9を広面積化させて、吸収液9が水蒸気を吸収する面積を増加させることができる。このため伝熱管4に厚肉状に付着している吸収液9を広げる動力は不要であり、コスト低減に貢献できる。
ここで、転動体5が伝熱管4に沿って転動して移動する方向を矢印M1,M2方向(図1参照)とする。矢印M1,M2方向は、車両、船体、飛翔体等の移動物体の前進後退方向に設定しても良い。この場合、移動物体の前進時または後退時における加速、減速等に起因する力は、矢印M1,M2方向に作用する。このため、移動物体の前進時または後退時における加速または減速を巧みに利用して、転動体5を伝熱管4に沿って転動または滑走させ、伝熱管4上の吸収液9を伝熱管4の外表面40に沿って薄く延ばして広げることができる。移動物体の前進または後退の頻度が旋回の頻度よりも高い場合には、矢印M1,M2方向は、車両、船体、飛翔体等の移動物体の前進後退方向に設定することができる。但し、これに限定されるものではない。
また矢印M1,M2方向は、車両、船体、飛翔体等の移動物体の旋回方向および旋回戻し方向に設定しても良い。この場合、移動物体の旋回および旋回戻しに起因する力は、矢印M1,M2方向に作用する。このため、移動物体の旋回および旋回戻しを巧みに利用して、転動体5を転動または滑走により移動させて吸収液9を伝熱管4の外表面40に沿って広げることができる。上記したように移動物体の旋回または旋回戻しの頻度が前進の頻度よりも高い場合には、矢印M1,M2方向は、車両、船体、飛翔体等の移動物体の旋回方向に設定することが好ましい。但し、これに限定されるものではない。
以上説明したように本実施形態によれば、高い粘性をもつ吸収液9は、伝熱管群3の伝熱管4の外表面40に厚肉状に付着される。単に付着しただけでは、吸収液9は、高い粘性を有する粘調物であるため、伝熱管4の外表面40に広がらないため、水蒸気の吸収効率を高めるには限界がある。しかしながら、転動体5が伝熱管4の外表面40に沿って転動または滑走により移動すれば、伝熱管4の外表面40に厚肉状に付着していた吸収液9は、転動体5の移動により伝熱管4の外表面40に沿って広がり、吸収液9の面積が増大する。よって、吸収液9が水蒸気を吸収し易くなり、吸収液9が効率よく希釈され易くなる。ここで、転動体5は真球状または疑似真球状であるため、僅かの力が転動体5に作用すれば、転動体5は簡単に転動または滑走により移動できるため、伝熱管4の外表面40における吸収液9を効率よく広げて広面積化を図ることができる。
転動体5は中空構造でも、中実構造でも良い。中実構造であれば、転動体5の質量が確保され、慣性力(F=ma)の増加に有利である。転動体5が中空構造であっても、軽量化を図り得る。
更に本実施形態によれば、前述したように、転動体5(5f,5s,5t)を第1伝熱管41と第2伝熱管42と第3伝熱管43とで離脱して落下しないように支持している。このため、車両等の移動物体の振動が大きいときであっても、転動体5が伝熱管群3から脱落することが抑えられる。故に、転動体5が伝熱管4の外表面40に沿って吸収液9を広げる効果を長期間にわたり良好に維持させることができる。転動体5f,5s,5tは互いに独立して個別に移動できるため、吸収液9を広げる効果を確保できる。
更に本実施形態によれば、図2に示すように、転動体5は球状をなしている。更に伝熱管4の外表面40の横断面形状は円形状である。このため転動体5が伝熱管4の外表面40に沿って移動または滑走により移動するにあたり、転動体5と伝熱管4との接触面積が少なくて済み、摩擦抵抗を低下させることができる。この意味においても、転動体5の移動性を確保できる効果を向上させ得る。
(実施形態2)
図4は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図4に示すように、器体2は水平線HAに対して角度θ1傾斜している。具体的には器体2の底部には介在物20mが介在している。このため伝熱管4は同方向に傾斜している。このため、車両等の移動物体の加速、減速、旋回、振動に基づいて転動体5が伝熱管4の外表面40を登り道として登ったとき、転動体5は重力により下り坂に沿って転動又は滑走する。このため、転動体5について、登りの移動と下りの移動との双方を期待でき、転動体5の移動距離の増加が期待され、伝熱管4に付着している吸収液9を広げるのに有利となる。
(実施形態3)
図5は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。矢印MF方向は、車両、船体、飛翔体等の移動物体WAの前方を示す。矢印MH方向は、移動物体WAの後方を示す。矢印MR方向は、移動物体WAの右方を示す。矢印ML方向は、移動物体WAの左方を示す。
移動物体WAが前後方向において加速したり減速したりするとき、慣性力が転動体5に対して矢印MFまたはMR方向に作用するため、慣性力により転動体5は伝熱管4の長手方向(矢印L方向)に沿って移動する。また、移動物体WAが右方または左方に旋回したり旋回戻しをするときには、慣性力が転動体5に対して矢印MRまたはML方向に作用するため、慣性力により転動体5は伝熱管4の長手方向に沿って移動する。
図5(平面視)に示すように、このように伝熱管4の長手方向(矢印L方向)は、車両、船体、飛翔体等の移動物体MAの前後方向に対して角度θa(例えば40°以内)傾斜されていると共に、左右方向に対して角度θc(例えば60°以上)傾斜されている。この場合、移動物体MAの前進または後退により発生する慣性力によって、転動体5が伝熱管4の長手方向(矢印L方向)に沿って移動することができる。更に、移動物体MAの左方または右方への旋回によって発生する慣性力によっても、転動体5が伝熱管4の長手方向(矢印L方向)に沿って移動することができる。このように本実施形態は、平面視において、伝熱管4等の被付着部材は、長手方向に延設されており、且つ、移動物体MAの前後方向および左右方向に対してそれぞれ傾斜されている。
(実施形態4)
図6(A)〜図6(F)は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図6(A)に示す形態によれば、可動体6である転動体5は、内側に位置する球状の芯部50と、芯部50の表面に被覆され芯部50よりも衝突緩衝性に優れた被覆層51とを備えている。被覆層51は樹脂またはゴムなどの高分子材料で形成されている。車両等の移動物体の移動につれて、転動体5が伝熱管4に衝突する衝突音が発生するおそれがある。しかし被覆層51は芯部50よりも衝突緩衝性に優れているため、衝突音の低減に貢献できる。更に、芯部50は、被覆層51よりも比重が大きな材料(例えば金属、セラミックス)で形成されているため、芯部50の質量が確保され、車両等の移動物体の加速時、減速時等において慣性力(F=ma)が増加し、転動体5の転動性が確保される。
図6(B)に示す形態によれば、可動体6である転動体5は、内側に位置する球状の芯部50と、芯部50の表面に被覆され芯部50よりも親水性に優れた被覆された被覆層として機能する親水層51cとを備えている。親水層51cは、親水性をもつ樹脂で形成されている。可動体6の親水層51cの親水性により、親水層51cに含まれる水分が増加する。このため転動体5が転動するとき、伝熱管4の外表面40の吸収液9に水分を吸収させる効果を期待でき、吸収効率を高めるのに有利である。
図6(C)に示す形態によれば、球状の転動体5の重心Gは、転動体5を形成する3次元球状面の位置中心G2に対してΔG偏芯している。この場合、球状の転動体5は、互いに比重が異なる材料で形成された半球状の第1分割部52と半球状の第2分割部53とを、摩擦溶接または接着材などで結合させて形成されている。このため、転動体5が伝熱管4の外表面40に沿って転動するとき、転動体5の転動性が確保される。殊に、重心が偏芯しているため、転動体5が転動または滑走しつつ揺動する効果を期待でき、転動体5と吸収液(粘性物質)との接触頻度を増加させ得る。更に、球状の転動体5の偏った位置に凹部54を形成しても良い。この場合、転動体5の重心Gは、転動体5の球状面の位置中心G2に対してΔG偏芯している。重心が偏芯した転動体5の表面に被覆層51を被覆させても良い。凹部54に進入した粘性物質が腐食性を有する場合には、転動体5の母材としてはセラミックスを例示できる。
図6(D)に示す形態によれば、転動体5は、円筒状の外周面を有するローラで形成されている。図6(E)に示す形態によれば、転動体5は、複数の突起55を有する疑似球状体で形成されている。突起55は、伝熱管4に付着している高粘性の吸収液9(粘性物質)を掻き取る作用を発揮し易いため、吸収液9を広げ易い作用を期待できる。図6(F)に示す形態によれば、転動体5は長径および短径をもつ楕円球で形成されており、伝熱管4に沿って移動するときにおいて複雑な動作をし易いため、伝熱管40に付着している吸収液を複数方向に広げる効果を期待できる。
(実施形態5)
図7は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図7(A)は伝熱管4の側面視を示す。図7(B)は伝熱管4の横断面を示す。図7(A)(B)に示すように、伝熱管4には、これの長手方向に沿って延びるガイド部4iが形成されている。可動体6は、伝熱管4の外周面をこれの周方向に包囲するようなC形状をなすリング部60と、リング部60に保持され伝熱管4の外表面40に沿って転動する転動ローラ61と、リング部60の内面に保持された植毛状のブラシ部62とを有する。リング部60は伝熱管4の外周側に伝熱管4の長手方向に沿って移動可能に嵌められている。この場合、伝熱管4にストッパを形成させずとも、リング部60が伝熱管4から脱落することが抑制される。もちろん、ストッパを伝熱管4に予備的に形成しても良い。
車両等の移動物体に加速、減速、旋回、振動等が発生すると、転動ローラ61の転動または滑走作用により可動体6のリング部60が伝熱管40の長手方向(矢印L方向)に沿って移動する。これにより可動体6のブラシ部62が、伝熱管4の外表面40に厚肉状に付着している吸収液9を薄く延ばし、伝熱管4の外表面40に沿って広げて広面積化させることができる。この結果、吸収液9が水蒸気を吸収させる吸収面積を増加させることができる。この場合、伝熱管4に付着している吸収液9を広げるモータ等の動力は不要であり、コスト低減に貢献できる。図7(B)に示すように、リング部60の端部60eと伝熱管4の外表面40との間には、移動抵抗を低減させるための隙間63が形成されている。隙間63は、伝熱管4の中心線P1よりも重力方向の下側に形成されている。
本実施形態によれば、図1から理解できるように、伝熱管4の外表面40の上部は滴下口212に対向するため、伝熱管4の外表面40のうち滴下口212に対向する上部では、高粘性を有する吸収液9が厚肉状に付着し易い。この点について、図7に示す本実施形態によれば、伝熱管4の外周側に嵌められているリング部60に下向きの重力が作用する。このため、リング部60の上部60uは伝熱管4の外表面40に接近する方向に変位するため、伝熱管4の上部に付着している吸収液9を掻き取る作用、広げる作用の向上を期待できる。
なお、リング部60の下側の端部60eは、伝熱管4から離れる方向に変位し隙間を形成する。このため、リング部60の移動性を確保させつつ、伝熱管4の外表面40の上部に付着されている厚肉状の吸収液9を掻き取って伸ばし易い効果を期待できる。
(実施形態6)
図8は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図8(A)は伝熱管4の側面視を示す。図8(B)は伝熱管4の横断面を示す。図8(A)(B)に示すように、可動体6は、伝熱管4の外周面を周方向に包囲するようなO形状をなすリング部60と、リング部60に保持され伝導管の外表面40に沿って転動する複数個の転動ローラ61とを有する。転動ローラ61は、リング部60の内壁面よりも径内方に突出しており、伝熱管4に外表面40に接触する。リンク部60は伝熱管4の外周側に伝熱管4の長手方向(矢印L方向)に沿って移動可能に嵌められている。このため伝熱管4にストッパを形成させずとも、リング部60が伝熱管4から脱落することが抑制される。
車両等の移動物体に加速、減速、旋回、振動等が発生すると、転動ローラ61の転動作用により可動体6が伝熱管4の長手方向(矢印L方向)に沿って移動する。これにより可動体6のリング部60が伝熱管4の外表面40の厚肉状の吸収液9を薄く延ばして伝熱管4の外表面40に沿って広げて広面積化させる。この結果、吸収液9が水蒸気を吸収させる吸収面積を増加させることができる。この場合、伝熱管4に付着している吸収液9を広げる動力は不要であり、コスト低減に貢献できる。
重力方向にリング部60は変位する。このため、図8(B)に示すように、リング部60の内壁面の下端部と伝熱管4の外表面40との間には、移動抵抗を低減させるための隙間63が形成されている。隙間63は、伝熱管4の外表面40のほぼ全周にわたり形成される。伝熱管4の中心線P1に対して下側の領域における隙間63の隙間幅をt1とする。伝熱管4の中心線P1に対して上側の領域における隙間63の隙間幅をt2とする。重力がリング部60に作用するため、隙間幅t1は隙間幅t2よりも小さくされている(t1>t2)。
本実施形態によれば、図1から理解できるように、伝熱管4の外表面40の上部は滴下口212に対向するため、伝熱管4の外表面40のうち滴下口212に対向する上部では、高粘性を有する吸収液9が厚肉状に付着し易い。この点について本実施形態によれば、t1>t2の関係とされているため、リング部60が伝熱管4の長手方向に沿って移動できる移動性を高めつつ、伝熱管4の外表面40の上部に付着されている厚肉状の吸収液9を掻き取って延ばし易い効果を期待できる。
(実施形態7)
図9は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。伝熱管群3を構成する複数個の伝熱管4は、伝熱管4の中心線P1と交差する方向に沿って且つ水平線に沿って並設されている。並設方向の両端に位置する伝熱管4には、リング形状をなす可動体6が嵌められている。図9に示すように、可動体6は、伝熱管4の外周側に嵌められたリング部60と、伝熱管4の外表面40に沿った移動性を向上させる球状をなす転動ローラ61(円筒ローラ状でも良い)をもつ。転動ローラ61はリング部60に保持されている。、車両等の移動物体が移動するとき、その慣性力により、複数の可動体6は、伝熱管4の長手方向に沿って移動可能とされている。この場合、複数の可動体6に作用する慣性力の方向は共通するため、複数の可動体6は同じ方向に併走して移動する。
ここで、図9から理解されるように、伝熱管群3における両側の可動体6には、ワイヤ、細棒等の索状体64が伝熱管40の上部において伝熱管4を横断する方向に架設されている。複数の可動体6が共通方向に伝熱管4の長手方向に沿って移動すると、複数の可動体6に架設されている索状体64が、可動体6と同じ方向に移動する。このため、可動体6を保持していない他の伝熱管4iの外表面40に厚肉状に付着している吸収液9を、索状体64が延ばして広げる作用を期待できる。このため伝熱管4に付着している吸収液9は水蒸気などの水分を効率よく吸収できる。更に、伝熱管4の通路4pには冷媒が流れるため、伝熱管4に付着している吸収液9は冷却され、この意味においても、吸収液9は水蒸気などの水分を効率よく吸収できる。水分を吸収した吸収液9は、粘性が低下するため、伝熱管4から落下する。
図9に示す索状体64は、可動体6を保持していない他の伝熱管4の外表面40に接触しても良いし、非接触でも良い。この場合、伝熱管4の外表面40に付着している吸収液9の粘性、吸収液9に要請される広面積化、索状体64の摩擦などの要因を考慮して設定できる。吸収液9の広げる効果を高めるため、索状体64は植毛部64sを有していても良い
(実施形態8)
図10は実施形態8を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。第1伝熱管群3xを構成する複数個の伝熱管4xは、伝熱管4xの中心線P1と交差する方向に沿って且つ水平線に沿って並設されている。第2伝熱管群3yを構成する複数個の伝熱管4yは、伝熱管4yの中心線P1と交差する方向に沿って且つ水平線に沿って並設されている。第1伝熱管群3xは、第2伝熱管群3yよりも重力方向の下側に位置する。第1伝熱管群3xを構成する複数の伝熱管4xには、第1可動体6xが慣性力または重力等により転動または滑走可能に載せられている。第2伝熱管群3yを構成する複数の伝熱管4yには、第1可動体6yが慣性力または重力等により転動または滑走可能に載せられている。
図10に示すように、第1可動体6xは、複数の伝熱管4xに載せられた第1回転軸65xと、第1回転軸65xの両端に設けられた第1抜け止め鍔部66xとを有する。第2可動体6yは、複数の伝熱管4yに載せられた第2回転軸65yと、第2回転軸65yの両端に設けられた第2抜け止め鍔部66yとを有する。第1伝熱管群3xと第2伝熱管群3yとは、高さ方向において互いに接近しつつ、Δhx離間している。このため第1可動体6xの第1回転軸65xが水平線に対して傾いたとしても、抜け止め鍔部66xの抜け止め作用が期待できるため、第1可動体6xは第1伝熱管群3xから落下しない。図10に示すように、第1伝熱管群3xおよび第2伝熱管群3yは千鳥配列とされており、隣設する第1伝熱管4xの間に、第2伝熱管4yが配置されている。このため、第1伝熱管4xおよび第2伝熱管4yの双方に、高粘性をもつ吸収液9を付着させるのに有利となる。
(実施形態9)
図11は実施形態9を示す。本実施形態は実施形態8と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。伝熱管群3を構成する複数個の伝熱管4は、伝熱管4の中心線P1と交差する方向に沿って且つ水平線に沿って並設されている。伝熱管群3を構成する複数の伝熱管4には、可動体6zが慣性力または重力等により転動または滑走可能に載せられている。可動体6zは、両端に設けられている球状をなす2個の転動ローラ67と、2個の転動ローラ67を繋ぐワイヤ等の索状体64とを備えている。索状体64は捻られにくいものが好ましい。
図11に示すように、転動ローラ67は、器体2の側壁2saのガイド部28のガイド溝280に転動可能に設けられている。ガイド部28からの転動ローラ67の離脱を防止する第1係合部29fと第2係合部29sとを有する。これにより係合部29f,29sの抜け止め作用が期待できるため、転動ローラ67はガイド溝280から落下せず、ひいては伝熱管群3から落下しない。
車両等の移動物体の前進、後退、旋回等に起因する慣性力は、2個の転動ローラ67について共通する方向に同程度作用する。従って、慣性力により、2個の転動ローラ67は共通する方向に連動して移動することができる。このとき、索状体64も伝熱管4の長手方向に沿って転動ローラ67と同方向に移動する。このため、図11に示すように、伝熱管4の外表面40に付着されている高粘性をもつ厚肉状の吸収液9を、索状体64で押して広げることができる。索状体64と伝熱管4との間にはΔheが形成されるように、ガイド部28のガイド面282の高さ位置が設定されている。なお、吸収液9の粘性の程度等によっては、2個の転動ローラ67間に架設されている索状体64を多少垂下させて伝熱管4の外表面40に接触させても良い。
(実施形態10)
図12は実施形態10を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。吸収式ヒートポンプ装置(吸収式冷凍機)100は、凝縮室101を有する凝縮器102と、高真空状態に維持されている蒸発室111をもつ蒸発器112と、希釈室20を有する吸収器1と、再生室131を有する再生器132とを有する。更に、再生器132の再生室131と吸収器1の希釈室20とを繋ぐ吸収液供給路142が設けられている。蒸発器112の蒸発室111と吸収器1の希釈室20とを繋ぐ水蒸気供給路140が設けられている。
図12に示すように、凝縮器102は冷媒を流す冷却パイプ103を有する。凝縮器102では、再生器132から流路151を介して供給された水蒸気を、冷却パイプ103で冷却させて凝縮させて液相水を形成すると共に、凝縮潜熱を得る。凝縮器102で形成された液相水は、流路152を介して蒸発器112に移動する。蒸発器112では、流路152の孔から液相水が蒸発室111に滴下する。滴下された液相水は、高真空状態の蒸発室111において水蒸気となる。このように蒸発器112では、凝縮器101で形成された液相水を蒸発させて水蒸気を形成させると共に、蒸発潜熱(吸熱作用)を得る。蒸発潜熱は、空調器190の冷房作用として利用される。蒸発器112で蒸発された水蒸気は、水蒸気供給路140を介して水蒸気供給口22から吸収器1の希釈室20に供給される。
吸収器1では、粘性物質としての高濃度の吸収液9が、吸収液供給路142の滴下口212から重力により滴下する。滴下された高濃度の吸収液9は、希釈室20において水蒸気を吸収する。この結果、高濃度の吸収液9が希釈化され、希釈吸収液9cとなる。
吸収器1の希釈室20において形成された希釈吸収液9cは、流路146のポンプ180(搬送源)を介して再生器132の再生室131に移動する。再生室131に移動した希釈吸収液9cは、燃焼バーナや電気ヒータなどの加熱部160により加熱され、水蒸気を形成させる。形成された水蒸気は、流路151から凝縮室121に供給される。これにより希釈吸収液9cは再生室131において濃縮されて高濃度の吸収液9となる。高い濃度の吸収液9は、再生室131から吸収液供給路142を介して再び吸収器1の吸収液供給部21に帰還され、吸収液供給部21の滴下口212から吸収器1の希釈室20に滴下される。
ここで、吸収液9は臭化リチウムまたはヨウ化リチウムが例示される。このように吸収式ヒートポンプ装置では、凝縮器102で凝縮熱が得られて加熱作用が得られる。また、蒸発器112では、蒸発潜熱により吸熱作用が得られて冷却作用が得られる。
上記した吸収式ヒートポンプ装置における吸収器1は、上記した各実施形態に係る吸収器1で構成されている。このため、吸収器1の吸収液供給部の滴下口212から、高濃度の吸収液9が吸収器1の希釈室20に滴下される。このように滴下された吸収液9は、水蒸気供給口22から希釈室20に供給された水蒸気を吸収し、希釈されて希釈吸収液9cとなる。この場合、上記した実施形態において説明したように、伝熱管4に付着した高濃度の吸収液9は、転動体5または可動体6により広げられて広面積化される。このため吸収液9が高粘性物質であっても、水蒸気を効率よく吸収することができる。
(その他)上記した実施形態1によれば、被付着部材として、冷却作用を果たす伝熱管4が採用されているが、これに限らず、伝熱管4に代えて、単なる中空パイプ、棒材、平板材、網材を被付着部材として希釈室20に配置しても良い。この場合、中空パイプ、棒材、平板材、網材等で形成されている被付着部材に、高粘性をもつ吸収液9が付着される。この場合、希釈室20を冷却させる冷却部を希釈室20に設け、吸収液を冷却させることが好ましい。冷却部としては、冷却水等の冷却液を流す構造でも良いし、冷凍サイクルの冷却ヘッドを用いても良い。
上記した実施形態によれば、転動体5および可動体6は、車両等の移動物体の移動または振動に伴い、伝熱管4に沿って移動するが、これに限らず、モータ等の駆動源の駆動で転動体5および可動体6が移動することにしても良い。この場合、駆動源は、希釈室20の内部に設けても良いし、外部に設けても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
本発明は粘性物質を希釈剤で希釈させる粘性物質希釈装置に適用でき、例えば吸収式ヒートポンプ装置における吸収器に適用できる。
図中、1は吸収器、2は器体、20は希釈室、21は吸収液供給部、210は大気室、212は滴下口、22は水蒸気供給口、24は貯留室、28はガイド部、3は伝熱管群(被付着部材)、4は伝熱管、4pは通路、40は外表面、41は第1伝熱管、42は第2伝熱管、43は第3伝熱管、5,5f,5s,5tは転動体、50は芯部、51は被覆層、6は可動体、60はリング部、61は転動ローラ、64は索状体、100はヒートポンプ装置、102は凝縮器、112は蒸発器、132は再生器、WAは移動物体を示す。

Claims (6)

  1. 吸収式ヒートポンプ装置における吸収器に用いられる粘性物質希釈装置であって、
    粘性物質およびこれを希釈させる希釈剤が供給される希釈室を有する器体と、
    前記希釈室に供給された粘性物質を付着できるように前記希釈室に配置された被付着部材と、
    前記被付着部材の外表面に沿って移動可能に設けられ、慣性力による移動に伴い、前記被付着部材の前記外表面に付着している粘性物質を前記被付着部材の前記外表面に沿って広げて粘性物質の吸収面積を増加させる可動体と、
    前記被付着部材の外表面に形成され、前記可動体が前記被付着部材から落下することを抑制するストッパとを具備する粘性物質希釈装置。
  2. 請求項1において、前記被付着部材は、前記被付着部材に付着している粘性物質を冷却させる冷却機能を有する粘性物質希釈装置。
  3. 請求項1または2において、前記可動体の両側には前記被付着部材が配置されており、前記可動体が前記被付着部材間の空間から離脱しないように、前記可動体の寸法は、前記被付着部材間の空間の空間幅よりも大きく設定されている粘性物質希釈装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちの一項において、前記可動体は、芯部と、前記芯部に被覆され芯部よりも衝突緩衝性および/または親水性に優れた被覆層とを備えている粘性物質希釈装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちの一項において、移動物体に搭載され、前記移動物体の加速、減速、旋回、旋回戻し、振動のうちの少なくとも一つに基づいて発生する慣性力が前記可動体に作用して、前記可動体は前記伝熱管の前記外表面に沿って移動する粘性物質希釈装置。
  6. 請求項1〜請求項5のうちの一項において、前記可動体は、前記被付着部材の外表面に沿って転動または滑走する転動体で形成されている粘性物質希釈装置。
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