JPH10185356A - 吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管およびその製造方法 - Google Patents
吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管およびその製造方法Info
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- JPH10185356A JPH10185356A JP8347452A JP34745296A JPH10185356A JP H10185356 A JPH10185356 A JP H10185356A JP 8347452 A JP8347452 A JP 8347452A JP 34745296 A JP34745296 A JP 34745296A JP H10185356 A JPH10185356 A JP H10185356A
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B30/00—Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
- Y02B30/62—Absorption based systems
Landscapes
- Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】安価で耐久性のある吸収式冷凍機用伝熱管およ
びその製造方法ならびにその伝熱管で構成した蒸発器お
よび吸収器を提供する。 【解決手段】伝熱管の表面に、該伝熱管に滴下または散
布される液体の流下する方向とほぼ直交する方向に多数
の平行に伸びる微細溝を形成せしめた後、前記伝熱管を
空気中で加熱し、酸化処理する。 【効果】伝熱管の表面に形成された多数の微細溝と加熱
による酸化膜の凹凸構造との相乗効果により、伝熱管の
表面に滴下または散布された液体の接触角が小さくな
り、伝熱管の濡れ性が向上する。このため有効伝熱面積
が増加する。
びその製造方法ならびにその伝熱管で構成した蒸発器お
よび吸収器を提供する。 【解決手段】伝熱管の表面に、該伝熱管に滴下または散
布される液体の流下する方向とほぼ直交する方向に多数
の平行に伸びる微細溝を形成せしめた後、前記伝熱管を
空気中で加熱し、酸化処理する。 【効果】伝熱管の表面に形成された多数の微細溝と加熱
による酸化膜の凹凸構造との相乗効果により、伝熱管の
表面に滴下または散布された液体の接触角が小さくな
り、伝熱管の濡れ性が向上する。このため有効伝熱面積
が増加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収式冷凍機の熱
交換器に用いられるのに好適な伝熱管およびその製造方
法ならびにこの伝熱管で構成した吸収式冷凍機の蒸発器
および吸収器に関する。
交換器に用いられるのに好適な伝熱管およびその製造方
法ならびにこの伝熱管で構成した吸収式冷凍機の蒸発器
および吸収器に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機は、図7に示すように、冷
媒(水)を蒸発させる蒸発器101と、蒸発器101で
発生した冷媒蒸気を吸収する吸収器102と、吸収器1
02で希釈された吸収液(臭化リチウム等のリチウム塩
類)を加熱して冷媒を分離・蒸発させる再生器103
と、再生器103で蒸発させた冷媒蒸気を凝縮する凝縮
器104とにより構成されている。蒸発器101、吸収
器102、凝縮器104には冷水や冷却水を流す伝熱管
20が配管されている。吸収式冷凍機の作動原理は、ま
ず再生器103において、吸収器102で冷媒を吸収し
て低濃度となり吸収能力が低下した希溶液を、ガス等の
熱源により加熱して冷媒を分離させる。凝縮器104で
は、再生器103で分離された冷媒蒸気を冷却塔(図示
せず)等から循環する冷却水により冷却し、凝縮液化さ
せる。蒸発器101では、凝縮器104から送られる冷
媒液を伝熱管20上に散布又は滴下し、真空下で蒸発さ
せることにより伝熱管20内を流れる負荷回路の冷水を
冷却する。吸収器102では、再生器103で濃縮した
溶液を吸収器102の伝熱管20上に散布又は滴下し、
伝熱管20上で蒸発器101からの冷媒蒸気を吸収させ
る。このように冷媒蒸気を連続的に吸収させることによ
り、吸収器102と蒸発器103の圧力は高真空に維持
される。吸収器102と凝縮器104の伝熱管20には
冷却水が流されており、吸収器102および凝縮器10
4で発生する吸収熱および凝縮熱を系外に運び去る役割
を果たしている。
媒(水)を蒸発させる蒸発器101と、蒸発器101で
発生した冷媒蒸気を吸収する吸収器102と、吸収器1
02で希釈された吸収液(臭化リチウム等のリチウム塩
類)を加熱して冷媒を分離・蒸発させる再生器103
と、再生器103で蒸発させた冷媒蒸気を凝縮する凝縮
器104とにより構成されている。蒸発器101、吸収
器102、凝縮器104には冷水や冷却水を流す伝熱管
20が配管されている。吸収式冷凍機の作動原理は、ま
ず再生器103において、吸収器102で冷媒を吸収し
て低濃度となり吸収能力が低下した希溶液を、ガス等の
熱源により加熱して冷媒を分離させる。凝縮器104で
は、再生器103で分離された冷媒蒸気を冷却塔(図示
せず)等から循環する冷却水により冷却し、凝縮液化さ
せる。蒸発器101では、凝縮器104から送られる冷
媒液を伝熱管20上に散布又は滴下し、真空下で蒸発さ
せることにより伝熱管20内を流れる負荷回路の冷水を
冷却する。吸収器102では、再生器103で濃縮した
溶液を吸収器102の伝熱管20上に散布又は滴下し、
伝熱管20上で蒸発器101からの冷媒蒸気を吸収させ
る。このように冷媒蒸気を連続的に吸収させることによ
り、吸収器102と蒸発器103の圧力は高真空に維持
される。吸収器102と凝縮器104の伝熱管20には
冷却水が流されており、吸収器102および凝縮器10
4で発生する吸収熱および凝縮熱を系外に運び去る役割
を果たしている。
【0003】このように吸収式冷凍機の性能は、蒸発器
101、吸収器102、凝縮器104における伝熱性
能、特に、伝熱管20の表面で相変化を伴う蒸発器10
1および伝熱管20の表面で物質移動と熱移動を伴う吸
収器102の伝熱性能に大きく依存する。
101、吸収器102、凝縮器104における伝熱性
能、特に、伝熱管20の表面で相変化を伴う蒸発器10
1および伝熱管20の表面で物質移動と熱移動を伴う吸
収器102の伝熱性能に大きく依存する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、吸収式冷凍機の
蒸発器101や吸収器102の伝熱管20には、伝熱面
を増加させるため、一般にフィンチューブやローレット
溝管等が用いられている。しかし、これらの管では滴下
した液が伝熱管表面全体に広がらず、実質的に伝熱面の
一部しか伝熱に寄与しないため、伝熱性能が悪かった。
蒸発器101や吸収器102の伝熱管20には、伝熱面
を増加させるため、一般にフィンチューブやローレット
溝管等が用いられている。しかし、これらの管では滴下
した液が伝熱管表面全体に広がらず、実質的に伝熱面の
一部しか伝熱に寄与しないため、伝熱性能が悪かった。
【0005】一般に、面の「濡れ性」、すなわち管の場
合は管上に滴下した液が管表面に広がる程度を定める指
標として「接触角」が用いられる(たとえば、株式会社
学会出版センター発行の「化学総説 NO.44 表面
の改質」(昭和59年7月25日発行)の第99頁参
照)。接触角とは、平面上の液相に接線を引いたときの
接線と平面とが液相側でなす角をいい、伝熱管について
は接触角が大きければ液と伝熱面との接触面積は小さく
なり、有効伝熱面積が小さくなる。接触角が小さければ
この逆となる。
合は管上に滴下した液が管表面に広がる程度を定める指
標として「接触角」が用いられる(たとえば、株式会社
学会出版センター発行の「化学総説 NO.44 表面
の改質」(昭和59年7月25日発行)の第99頁参
照)。接触角とは、平面上の液相に接線を引いたときの
接線と平面とが液相側でなす角をいい、伝熱管について
は接触角が大きければ液と伝熱面との接触面積は小さく
なり、有効伝熱面積が小さくなる。接触角が小さければ
この逆となる。
【0006】従来、接触角を小さくする手段として、例
えば伝熱管を構成する銅管を強アルカリ溶液に浸して、
表面に微細な凹凸を有する酸化銅被膜を形成するエボノ
ール処理が知られている。この方法は一定の効果がある
ものの、高価であり、時間が経過すると表面が剥離しや
すくなり耐久性に欠けるという問題がある。そのため吸
収式冷凍機の小型化、コストダウン化には更なる伝熱性
の向上が求められる。本発明は、上記の問題点を解決す
るためのものであって、その目的とするところは、伝熱
管の表面に簡易な機械的加工および熱処理を施すことに
より、管表面に滴下または散布した液の接触角を減少さ
せ、伝熱性能と耐久性を向上させた伝熱管およびその伝
熱管の製造方法、さらにこの伝熱管で構成した吸収式冷
凍機の蒸発器、吸収器を提供することにある。
えば伝熱管を構成する銅管を強アルカリ溶液に浸して、
表面に微細な凹凸を有する酸化銅被膜を形成するエボノ
ール処理が知られている。この方法は一定の効果がある
ものの、高価であり、時間が経過すると表面が剥離しや
すくなり耐久性に欠けるという問題がある。そのため吸
収式冷凍機の小型化、コストダウン化には更なる伝熱性
の向上が求められる。本発明は、上記の問題点を解決す
るためのものであって、その目的とするところは、伝熱
管の表面に簡易な機械的加工および熱処理を施すことに
より、管表面に滴下または散布した液の接触角を減少さ
せ、伝熱性能と耐久性を向上させた伝熱管およびその伝
熱管の製造方法、さらにこの伝熱管で構成した吸収式冷
凍機の蒸発器、吸収器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次に説明する
技術手段により上記目的を達成することを特徴としてい
る。
技術手段により上記目的を達成することを特徴としてい
る。
【0008】伝熱管の表面に、該表面に滴下または散布
される液体が流下する方向とほぼ直交する方向に伸びる
複数の平行な微細溝を形成した後、該伝熱管を酸素雰囲
気中で加熱し酸化被膜を形成する。このようにして製造
した伝熱管で吸収式冷凍機の蒸発器または吸収器を構成
した。
される液体が流下する方向とほぼ直交する方向に伸びる
複数の平行な微細溝を形成した後、該伝熱管を酸素雰囲
気中で加熱し酸化被膜を形成する。このようにして製造
した伝熱管で吸収式冷凍機の蒸発器または吸収器を構成
した。
【0009】伝熱管の表面に形成される多数の微細溝の
ピッチは30μm〜200μmの範囲内にあるのが好ま
しい。また伝熱管の材質が銅である場合は加熱温度は2
40℃前後であるのが好ましい。
ピッチは30μm〜200μmの範囲内にあるのが好ま
しい。また伝熱管の材質が銅である場合は加熱温度は2
40℃前後であるのが好ましい。
【0010】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明による伝熱管の斜視図であ
る。伝熱管20は外表面に管の軸方向に平行に伸びる多
数の微細溝20aが形成された後、酸素雰囲気下、たと
えば空気中で、加熱処理されて酸化被膜が形成されてい
る。伝熱管20の材質としては、コスト、加工のしやす
さ等の理由から一般に銅管が用いられる。しかし、これ
と同等の性能の材質であれば、他の金属管を用いてもよ
い。伝熱管20の外表面に形成される多数の微細溝20
aについては、図2にその一部を拡大して示すが、溝の
深さHとピッチPにより接触角が変化するため最適な値
を選択する必要がある。溝の深さHが大きいほど接触角
が小さくなるが、0.1mm以上では接触角はそれほど変
化しない。また、溝の深さHが大きすぎると、管厚との
関係で強度や腐食耐久性が問題となる。従って、後述す
る実験結果から好ましい深さは15μm〜100μmで
ある。同様の理由からピッチPについても30μm〜2
00μmが好ましい。
る。伝熱管20は外表面に管の軸方向に平行に伸びる多
数の微細溝20aが形成された後、酸素雰囲気下、たと
えば空気中で、加熱処理されて酸化被膜が形成されてい
る。伝熱管20の材質としては、コスト、加工のしやす
さ等の理由から一般に銅管が用いられる。しかし、これ
と同等の性能の材質であれば、他の金属管を用いてもよ
い。伝熱管20の外表面に形成される多数の微細溝20
aについては、図2にその一部を拡大して示すが、溝の
深さHとピッチPにより接触角が変化するため最適な値
を選択する必要がある。溝の深さHが大きいほど接触角
が小さくなるが、0.1mm以上では接触角はそれほど変
化しない。また、溝の深さHが大きすぎると、管厚との
関係で強度や腐食耐久性が問題となる。従って、後述す
る実験結果から好ましい深さは15μm〜100μmで
ある。同様の理由からピッチPについても30μm〜2
00μmが好ましい。
【0012】伝熱管20の外表面に微細溝20aを形成
する方法は種々考えられるが、簡易な方法としては、エ
メリーペーパーで管の外表面を軸方向に研磨する方法が
ある。本発明者らは#60および#100のエメリーペ
ーパーを用いて銅製伝熱管を軸方向に研磨してその外表
面に多数の微細溝を形成した。多数の微細溝を顕微鏡で
観察した結果、#100のエメリーペーパーによる微細
溝のピッチPは30〜100μm、深さHはその1/2
程度すなわち15〜50μmであり、#60のエメリー
ペーパーによる微細溝についてはピッチPは50〜20
0μm、深さHはその1/2程度すなわち25〜100
μmであった。
する方法は種々考えられるが、簡易な方法としては、エ
メリーペーパーで管の外表面を軸方向に研磨する方法が
ある。本発明者らは#60および#100のエメリーペ
ーパーを用いて銅製伝熱管を軸方向に研磨してその外表
面に多数の微細溝を形成した。多数の微細溝を顕微鏡で
観察した結果、#100のエメリーペーパーによる微細
溝のピッチPは30〜100μm、深さHはその1/2
程度すなわち15〜50μmであり、#60のエメリー
ペーパーによる微細溝についてはピッチPは50〜20
0μm、深さHはその1/2程度すなわち25〜100
μmであった。
【0013】図3は粗さの異なる4種類のエメリーペー
パー(#60、#100、#400、#2000)を用
いて多数の微細溝を形成し、接触角を調べた結果を示し
たものである。
パー(#60、#100、#400、#2000)を用
いて多数の微細溝を形成し、接触角を調べた結果を示し
たものである。
【0014】その結果、従来のエボノール処理並みの接
触角(15°前後)を得るには、エメリーペーパーの粗
さは少なくとも#100以下のものを使用する必要があ
ることがわかった。
触角(15°前後)を得るには、エメリーペーパーの粗
さは少なくとも#100以下のものを使用する必要があ
ることがわかった。
【0015】こうして外表面に多数の微細溝を形成した
伝熱管を電気炉で加熱し、酸化被膜を形成した。図4は
表面が鏡面状態(無処理)の銅管(A)と#100のエ
メリーペーパーを用いて表面に多数の微細溝を形成した
銅管(B)について、加熱処理をした後の接触角を測定
した結果を示す。接触角の測定には画像処理式接触角計
(協和界面科学(株)製CA−X型)を用いた。この結
果から、多数の微細溝を設けた後に加熱酸化処理をする
ことが伝熱上効果的であることが明らかである。加熱処
理温度が高くなるに従い管表面の接触角は小さくなって
いくが、加熱温度が250℃以上で処理したものは、表
面に形成された酸化被膜が剥がれやすくなり、耐久性が
劣化することが判明した。従って、加熱温度は240℃
前後が最適である。
伝熱管を電気炉で加熱し、酸化被膜を形成した。図4は
表面が鏡面状態(無処理)の銅管(A)と#100のエ
メリーペーパーを用いて表面に多数の微細溝を形成した
銅管(B)について、加熱処理をした後の接触角を測定
した結果を示す。接触角の測定には画像処理式接触角計
(協和界面科学(株)製CA−X型)を用いた。この結
果から、多数の微細溝を設けた後に加熱酸化処理をする
ことが伝熱上効果的であることが明らかである。加熱処
理温度が高くなるに従い管表面の接触角は小さくなって
いくが、加熱温度が250℃以上で処理したものは、表
面に形成された酸化被膜が剥がれやすくなり、耐久性が
劣化することが判明した。従って、加熱温度は240℃
前後が最適である。
【0016】本発明による吸収式冷凍機の蒸発器には、
上述の方法で製作した伝熱管をコイル状に巻いて容器
(シェル)に収めたシェルアンドコイル型や、多数の伝
熱管を管板で平行に支え円筒型の胴内に収めたシェルア
ンドチューブ型の伝熱管が用いられる。再び図7を参照
すると、凝縮器104からの冷媒液(水)を蒸発器10
1の伝熱管20の上部に滴下または散布し、冷媒液を管
表面全体に広げるとともに、重力により下段の伝熱管2
0にも滴下するように構成されており、その際伝熱管2
0の表面で蒸発が行われる。吸収器102の構成も蒸発
器101とほぼ同様である。再生器103からの濃溶液
を吸収器102の伝熱管20の上部に滴下または散布
し、液を管表面全体に広げるとともに、重力により下段
の伝熱管20にも滴下するように構成されている。その
過程で蒸発器101で発生した蒸気を吸収液が吸収す
る。
上述の方法で製作した伝熱管をコイル状に巻いて容器
(シェル)に収めたシェルアンドコイル型や、多数の伝
熱管を管板で平行に支え円筒型の胴内に収めたシェルア
ンドチューブ型の伝熱管が用いられる。再び図7を参照
すると、凝縮器104からの冷媒液(水)を蒸発器10
1の伝熱管20の上部に滴下または散布し、冷媒液を管
表面全体に広げるとともに、重力により下段の伝熱管2
0にも滴下するように構成されており、その際伝熱管2
0の表面で蒸発が行われる。吸収器102の構成も蒸発
器101とほぼ同様である。再生器103からの濃溶液
を吸収器102の伝熱管20の上部に滴下または散布
し、液を管表面全体に広げるとともに、重力により下段
の伝熱管20にも滴下するように構成されている。その
過程で蒸発器101で発生した蒸気を吸収液が吸収す
る。
【0017】次に、本発明に係る伝熱管を実際に吸収式
冷凍機の蒸発器に用いた場合の蒸発器の性能を知るため
に次のような実験を行った。
冷凍機の蒸発器に用いた場合の蒸発器の性能を知るため
に次のような実験を行った。
【0018】図5はその試験装置の概要である。高真空
(9.2torr)にした容器10の内部に伝熱管20を配
し、その上に散布管30を配した。伝熱管20は内径が
13.24mm、管厚1.32mm、直管部の長さが4
50mm、本数は8本である。伝熱管20として、従来
の微細溝を設けず単にアルカリ脱脂のみを行った銅管
(D)と、本発明による外表面に#100のエメリーペ
ーパーで軸に平行にし微細溝を設けた後、空気中で加熱
処理した銅管(C)を用いた。加熱の過程は、常温から
毎分6℃で240℃まで昇温し、240℃で60分保持
した後、毎分2℃で常温まで下げた。冷媒(水)の滴下
量は1.5リットル/分および2.0リットル/分であ
る。伝熱管20内を流れる冷水流量は16リットル/
分、冷水は入口温度が15℃、17℃、20℃の3種類
を用意した。
(9.2torr)にした容器10の内部に伝熱管20を配
し、その上に散布管30を配した。伝熱管20は内径が
13.24mm、管厚1.32mm、直管部の長さが4
50mm、本数は8本である。伝熱管20として、従来
の微細溝を設けず単にアルカリ脱脂のみを行った銅管
(D)と、本発明による外表面に#100のエメリーペ
ーパーで軸に平行にし微細溝を設けた後、空気中で加熱
処理した銅管(C)を用いた。加熱の過程は、常温から
毎分6℃で240℃まで昇温し、240℃で60分保持
した後、毎分2℃で常温まで下げた。冷媒(水)の滴下
量は1.5リットル/分および2.0リットル/分であ
る。伝熱管20内を流れる冷水流量は16リットル/
分、冷水は入口温度が15℃、17℃、20℃の3種類
を用意した。
【0019】図6は試験結果を示すグラフであり、縦軸
は熱の総コンダクタンス(総括伝熱係数Kと伝熱面積A
との積)である。グラフから明らかなように、表面処理
を施した本発明に係る伝熱管(C)の性能はアルカリ脱
脂処理のみの従来の銅管(D)に比べて著しく向上して
いることが分かる。なおEは従来のエボノール処理を施
した伝熱管の伝熱特性であり、本発明による伝熱管の性
能は従来のエボノール処理を施した伝熱管とほぼ等しい
ことがわかる。
は熱の総コンダクタンス(総括伝熱係数Kと伝熱面積A
との積)である。グラフから明らかなように、表面処理
を施した本発明に係る伝熱管(C)の性能はアルカリ脱
脂処理のみの従来の銅管(D)に比べて著しく向上して
いることが分かる。なおEは従来のエボノール処理を施
した伝熱管の伝熱特性であり、本発明による伝熱管の性
能は従来のエボノール処理を施した伝熱管とほぼ等しい
ことがわかる。
【0020】上記実施例では外表面に多数の微細溝を形
成した伝熱管について例示したが、本発明の効果は伝熱
管の内面に多数の微細溝を形成し加熱処理した場合でも
同様に得られる。また伝熱管の形状は管状に限らず、面
状(いわゆる伝熱プレート)であっても、波状であって
も、曲面であってもよい。要するに、伝熱管の表面に滴
下または散布される液体が流下する方向とほぼ直交する
方向に多数の微細溝が形成されていることが重要であ
る。
成した伝熱管について例示したが、本発明の効果は伝熱
管の内面に多数の微細溝を形成し加熱処理した場合でも
同様に得られる。また伝熱管の形状は管状に限らず、面
状(いわゆる伝熱プレート)であっても、波状であって
も、曲面であってもよい。要するに、伝熱管の表面に滴
下または散布される液体が流下する方向とほぼ直交する
方向に多数の微細溝が形成されていることが重要であ
る。
【0021】さらに本発明は吸収式冷凍機の熱交換用の
伝熱管に限定されるものではなく、同様な用途の熱交換
用伝熱管にも適用することができることはいうまでもな
い。伝熱管の表面に多数の微細溝を形成する方法は、実
施例で例示したエメリーペーパーを用いる方法の他に、
工業的には、微細なエンボス加工や内面に微細溝を形成
した引き抜きダイスを用いる方法などが考えられる。
伝熱管に限定されるものではなく、同様な用途の熱交換
用伝熱管にも適用することができることはいうまでもな
い。伝熱管の表面に多数の微細溝を形成する方法は、実
施例で例示したエメリーペーパーを用いる方法の他に、
工業的には、微細なエンボス加工や内面に微細溝を形成
した引き抜きダイスを用いる方法などが考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、伝熱管の表面に形成し
た多数の微細溝と加熱による酸化膜の凹凸構造の相乗効
果により、伝熱管表面に滴下または散布された液体の接
触角が小さくなり、管の濡れ性が向上する。これにより
伝熱管の有効伝熱面積が増加し、この伝熱管を備えた蒸
発器や吸収器の高性能化が可能になり、吸収式冷凍機の
小型化、コストダウンに寄与するという効果がある。
た多数の微細溝と加熱による酸化膜の凹凸構造の相乗効
果により、伝熱管表面に滴下または散布された液体の接
触角が小さくなり、管の濡れ性が向上する。これにより
伝熱管の有効伝熱面積が増加し、この伝熱管を備えた蒸
発器や吸収器の高性能化が可能になり、吸収式冷凍機の
小型化、コストダウンに寄与するという効果がある。
【図1】本発明による伝熱管の外観を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】図1に示した伝熱管の部分拡大斜視図である。
【図3】エメリーペーパーの粗さと接触角との関係を示
すグラフである。
すグラフである。
【図4】伝熱管の加熱処理温度と接触角との関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図5】本発明による伝熱管を吸収式冷凍機の蒸発器に
用いて蒸発器の性能を調べるための実験装置の概略線図
である。
用いて蒸発器の性能を調べるための実験装置の概略線図
である。
【図6】本発明による伝熱管を吸収式冷凍機の蒸発器に
用いて蒸発器の性能を従来の伝熱管を用いたものと比較
して示すグラフである。
用いて蒸発器の性能を従来の伝熱管を用いたものと比較
して示すグラフである。
【図7】吸収式冷凍機の基本構成を示す線図である。
10 蒸発器の容器 20 伝熱管 20a 微細溝 30 散布管 101 蒸発器 102 吸収器 103 再生器 104 凝縮器
Claims (8)
- 【請求項1】 伝熱管の表面に、該表面に滴下または散
布される液体が流下する方向とほぼ直交する方向に伸び
る複数の平行な微細溝を形成した後、該伝熱管を酸素雰
囲気中で加熱し酸化被膜を形成したことを特徴とする吸
収式冷凍機の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項2】 伝熱管の表面に、該表面に滴下または散
布される液体が流下する方向とほぼ直交する方向に伸び
る複数の平行な微細溝を形成した後、該伝熱管を酸素雰
囲気中で加熱し酸化被膜を形成することを特徴とする吸
収式冷凍機の熱交換器用伝熱管の製造方法。 - 【請求項3】 前記微細溝のピッチが30μm〜200
μmの範囲内である請求項1に記載の吸収式冷凍機の熱
交換器用伝熱管。 - 【請求項4】 銅製伝熱管の空気中での加熱温度が24
0℃前後である請求項2に記載の吸収式冷凍機の熱交換
器用伝熱管の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の伝熱管により構成した
ことを特徴とする吸収式冷凍機用蒸発器。 - 【請求項6】 請求項1に記載の伝熱管により構成した
ことを特徴とする吸収式冷凍機用吸収器。 - 【請求項7】 伝熱管が銅製の円管である請求項1また
は3に記載の吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項8】 伝熱管が銅製の平面プレートから成る請
求項1または3に記載の吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8347452A JPH10185356A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8347452A JPH10185356A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10185356A true JPH10185356A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=18390336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8347452A Pending JPH10185356A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 吸収式冷凍機の熱交換器用伝熱管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10185356A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000079187A1 (fr) * | 1999-06-22 | 2000-12-28 | Societe Meusienne De Constructions Mecaniques | Tube pouvant etre utilise dans des techniques d'evaporation de fluide, notamment de fluide alimentaire |
WO2011013296A1 (ja) | 2009-07-30 | 2011-02-03 | アイシン精機株式会社 | 粘性物質希釈装置 |
JP2011033247A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Aisin Seiki Co Ltd | 粘性物質希釈装置 |
-
1996
- 1996-12-26 JP JP8347452A patent/JPH10185356A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000079187A1 (fr) * | 1999-06-22 | 2000-12-28 | Societe Meusienne De Constructions Mecaniques | Tube pouvant etre utilise dans des techniques d'evaporation de fluide, notamment de fluide alimentaire |
FR2795337A1 (fr) * | 1999-06-22 | 2000-12-29 | Meusienne Const Mec | Tube pouvant etre utilise dans des techniques d'evaporation de fluide, notamment de fluide alimentaire |
WO2011013296A1 (ja) | 2009-07-30 | 2011-02-03 | アイシン精機株式会社 | 粘性物質希釈装置 |
JP2011033247A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Aisin Seiki Co Ltd | 粘性物質希釈装置 |
US8506156B2 (en) | 2009-07-30 | 2013-08-13 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Device for diluting viscous substance |
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A02 | Decision of refusal |
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