JP5485825B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に気化燃料を供給する燃料供給装置に関する。
従来、燃焼の開始を火花点火で制御する内燃機関では、一般に、インジェクタから燃焼室に噴射供給された液体燃料を気化させて火花点火する。しかし、特に冷間時の内燃機関始動時には、噴射された燃料が低温の気筒内壁面に付着しやすく、燃料の気化に遅れが生じる。その結果、未燃HC(炭化水素)が増大する傾向があり、また、内燃機関停止時に壁面に残るウェット成分が粒子状物質やデポジット(堆積物)を発生させる。そして、これらの未燃HCや粒子状物質等がエミッション(排出物質)として排気ポートから大気中へ排出されるという問題を引き起こす。
これに対し、特許文献1に記載の燃料供給装置は、液体燃料をメインインジェクタから噴射供給する系統と別に、燃料タンク内で蒸発した気体燃料をサブインジェクタから噴射供給する系統を設けている。そして、内燃機関始動時に液体燃料と気体燃料とを共に噴射供給することで、気筒内のウェット成分の生成を抑制し、エミッションを低減している。
特開2003−343365号公報
特許文献1に記載の従来技術は、燃料タンク内で蒸発した気体燃料の一部がサブインジェクタに到達するまでの配管途中で凝縮して液体燃料となった場合、この液体燃料を分離して排出する手段を備えていない。そのため、噴射供給される気体燃料に液体成分が混ざり、気化燃料の「気化精度」が低下する。
また、配管途中で凝縮した液体燃料を排出するための手段を設けた場合、気体燃料と液体燃料とを適切に分離することができなければ、液体燃料の排出時に気体燃料の一部が同時に排出される。すると、気体燃料の一部が有効に使用されずに消費されることとなる。
加えて、本出願人は、先に特願2010−030325を出願した。この出願に係る発明では、「第2の噴射弁(サブインジェクタ)」から噴射された液体燃料を気化させて貯留する「気化燃料室(気化チャンバ)」、及び、気化燃料室と吸気通路との連通および遮断を切り替える「パージバルブ」を設け、気化燃料室から燃焼室への気化燃料の供給をパージバルブの開閉によって制御している。
この出願に係る発明において気化燃料室で気化せずに残留した液体燃料については、上記の従来技術における問題と同様の問題が生じる。すなわち、液体燃料を気体燃料から適切に分離して排出することができなければ、吸気通路に供給される気化燃料の気化精度が低下するという問題が生じる。また、気化燃料室から液体燃料を排出する時に気化燃料の一部が同時に排出されると、生成した気体燃料の一部が有効に使用されずに消費されることとなる。この場合、気化燃料を生成するために、例えば燃料ポンプが液体燃料を汲み上げてサブインジェクタに供給するという仕事がなされている。この燃料ポンプ等の仕事によって生成された気化燃料の全体量に対する「燃焼室に供給されて有効に使用される気化燃料の量」の割合を「仕事効率」という。気化燃料の一部が有効に使用されずに消費されると、仕事効率が低下する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、気化チャンバ内に残留した液体燃料を気化燃料から適切に分離して排出することにより、気化チャンバから吸気通路に供給される気化燃料の気化精度を向上するとともに、気化燃料を生成するための仕事効率を向上する燃料供給装置を提供することにある。
請求項に記載の燃料供給装置は、内燃機関の吸気通路へ気化燃料を供給する燃料供給装置であって、気化燃料タンク、気化チャンバ噴射弁、燃料ポンプ、リターン通路部材、液面検出手段および液体排出弁を備える。
気化燃料タンクは、液体燃料を気化させるための気化チャンバを内部に形成する。
気化チャンバ噴射弁は、気化チャンバに液体燃料を噴射する。
燃料ポンプは、気化燃料タンクの重力方向下側に設けられる燃料タンク内の燃料タンク室から液体燃料を汲み上げ、気化チャンバ噴射弁に供給する。
リターン通路部材は、気化チャンバ内に残留した液体燃料を重力で燃料タンク室に戻すためのリターン通路を形成する。
液面検出手段は、リターン通路内の液面高さが所定範囲内にあるか否かを検出する
液体排出弁は、液面検出手段による液面高さの情報に基づいて開閉し、リターン通路を連通または遮断する。
具体的には、燃料供給装置は、液体排出弁を開弁することで、気化チャンバ内に残留した液体燃料を気化燃料から適切に分離して燃料タンクに排出することができる。したがって、気化チャンバ内の気化燃料中に含まれる液体成分を低減することができ、気化チャンバから吸気通路に供給される気化燃料の気化精度を向上することがきる。
さらに具体的には、燃料供給装置は、液体排出弁を開弁して気化チャンバから液体燃料を排出した後、液体燃料の排出が完了したら直ちに液体排出弁を閉弁することで、気化燃料の排出を最小限に抑える。これにより、気化燃料の浪費を抑制するので、気化燃料を生成するための燃料ポンプ等の仕事効率を向上することができる。
面検出手段は、液面に浮かべられ液面高さに応じて上昇または下降する浮きを有する。また、液体排出弁は、浮きの上昇または下降と連動し、燃料が排出される排出口を開閉する。
これにより、簡易で、故障の可能性の少ない燃料供給装置の構成が実現される。
きは、排出口を内側に含む弁座に着座することで液体排出弁の弁体を兼ねる。
この構成によれば、独立した液体排出弁が不要であり、燃料供給装置の部品点数および製造コストを削減することができる。
料供給装置は、さらに、弁座に着座した浮きを弁座から離座させるための離脱手段を備える。
浮きは、例えば、リターン通路の途中に設けられ気化チャンバ内に残留した液体燃料を溜めるフロート室に収容される。ここで、フロート室の流入側は気化チャンバに連通し、フロート室の排出側は燃料タンク室に連通して、フロート室が「閉じられた空間」であるとする。フロート室の流入側の内圧は気化チャンバ内圧に等しく、フロート室の排出側の内圧は燃料タンク室内圧に等しい。そして、気化チャンバ内圧は燃料タンク室内圧より大きい。よって、「気化チャンバ内圧と燃料タンク室内圧との差圧に排出口の面積を掛けた力」が浮きに対して「吸着力」として下向きに作用し、浮きは弁座に吸着される。
この場合、浮きが吸着力に逆らって液面に浮くためには、浮きの体積を大きくし、大きな浮力が得られるようにしなければならない。しかし、フロート室のスペースの制約上、現実には浮きの体積を大きくすることが難しい。そこで、弁座に着座した浮きを弁座から強制的に離座させるための離脱手段を備えることで、浮きの体積を大きくすることなく、液体排出弁を開閉することができる。
請求項に記載の発明によると、離脱手段は、油圧または燃料圧により駆動される。
例えば、油圧シリンダなどで離脱手段を駆動することで、強力で正確な駆動ができる。
特に、請求項に記載の発明によると、離脱手段は、気化チャンバ噴射弁の燃料噴射圧により駆動される。
フロート室の液面高さは、気化チャンバ噴射弁が気化チャンバに液体燃料を噴射するときに上昇する。したがって、気化チャンバ噴射弁の燃料噴射圧を利用して離脱手段を駆動することで、液体排出弁を開弁するタイミングを気化チャンバ噴射弁の燃料噴射のタイミングに同期させ、液体燃料を効率的に排出することができる。また、別の駆動手段を設ける必要がなくなる。
請求項に記載の発明によると、離脱手段は、電磁駆動力により駆動される。
例えば、ソレノイドなどで離脱手段を駆動することで、ECU(電子制御装置)による制御が容易となる。
請求項に記載の発明によると、気化燃料タンクは、気化燃料タンク加熱手段によって加熱される。これにより、気化チャンバでの気化燃料の生成を促進することができる。
請求項に記載の発明によると、気化チャンバ噴射弁に供給される燃料は、燃料加熱手段によって加熱される。これにより、噴射される液体燃料の温度を上昇させ、気化チャンバでの気化燃料の生成を促進することができる。
本発明の第1実施形態による燃料供給装置の概略構成図である。 (b)は図1の要部拡大図であり、(a)は(b)のa−a断面図である。 本発明の第2〜第5実施形態による燃料供給装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態による燃料供給装置の要部拡大図である。 本発明の第3実施形態による燃料供給装置の要部拡大図である。 本発明の第4実施形態による燃料供給装置の要部拡大図である。 本発明の第5実施形態による燃料供給装置の要部拡大図である。 本発明の第6実施形態による燃料供給装置の概略構成図である。 本発明の第6実施形態による燃料供給装置の気化チャンバ内圧変化を示す模式図である。 本発明の第7実施形態による燃料供給装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態による燃料供給装置を図面に基づいて説明する。以下の実施形態の説明において、実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
なお、第2〜第7実施形態は、参考形態に相当する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料供給装置が適用される内燃機関システム99を図1に示す。内燃機関システム99は、4気筒の内燃機関10にガソリン等の燃料および空気を供給するシステムである。図1は、4気筒のうちの1つの気筒の断面を示している。
内燃機関10は、シリンダブロック11、シリンダヘッド12、ピストン13、点火プラグ14等を備えている。シリンダブロック11は、筒状に形成された気筒18を有し、気筒18の内部にて往復移動可能にピストン13を収容する。ピストン13は、コンロッド16を介してクランクシャフト17と連結されている。
点火プラグ14は、ECU(電子制御装置)100からの指令により火花放電用の高電圧が印加されることにより、燃焼室19内に導入された燃料混合気に火花着火する。
シリンダブロック11の外側には、熱交換室51を有する熱交換部材50が設けられている。熱交換室51には熱交換液Hwが循環し、シリンダブロック11の高熱と熱交換液Hwの低熱とが熱交換される。熱交換液Hwは、例えばエンジン冷却水である。
シリンダヘッド12には、吸気ポート22と燃焼室19との間を開閉する吸気弁21、及び、排気ポート27と燃焼室19との間を開閉する排気弁26が配設されている。燃焼室19は、気筒18の内壁面、シリンダヘッド12、吸気弁21、排気弁26およびピストン13の頂面によって囲まれる空間である。燃焼室19は、吸気弁21が開弁することにより吸気ポート22と連通し、排気弁26が開弁することにより排気ポート27と連通する。吸気ポート22は吸気通路29と連通し、排気ポート27は図示しない排気通路と連通する。
吸気通路29は、吸気管28によって形成される。吸気管28には、エアクリーナ23およびスロットル弁24が配設されている。エアクリーナ23は、吸気通路29に吸入される空気の異物を除去する。スロットル弁24は、吸入される空気量を調整する。
燃料タンク30は、シリンダブロック11の重力方向下側に設けられる。燃料タンク30内部の燃料タンク室31には、ガソリン等の液体燃料が貯留される。
燃料ポンプ33は、燃料タンク室31の液体燃料を、燃料通路部材320によって形成される燃料通路32を経由して汲み上げる。燃料ポンプ33の吐出側では、燃料通路は、燃料通路部材340によって形成される燃料通路34と、分岐通路部材350によって形成される分岐通路35とに分岐する。
燃料通路34は、高圧燃料ポンプ36の吸入側に連通する。高圧燃料ポンプ36は、燃料ポンプ33から供給された液体燃料を加圧してメインインジェクタ37に供給する。メインインジェクタ37は、高圧燃料を燃焼室19へ噴射供給する。
分岐通路35は、燃料供給装置1を構成するサブインジェクタ38に連通する。
次に、燃料供給装置1について説明する。燃料供給装置1は、気化チャンバ41内で生成した気化燃料を、気化燃料通路93およびパージバルブ95を経由して吸気通路29に供給するとともに、気化チャンバ41内で気化せずに残留した液体燃料を、リターン通路62、64を経由して燃料タンク室31に排出する。
燃料供給装置1は、気化チャンバ41を形成する気化燃料タンク40、「気化チャンバ噴射弁」としてのサブインジェクタ38、燃料ポンプ33、リターン通路部材61、63、「液面検出手段」および「液体排出弁」としてのフロート弁装置70等を備えている。
気化燃料タンク40は、内部に気化チャンバ41を形成する耐圧容器である。気化燃料タンク40は、一方の側壁である接触壁43がシリンダブロック11の外側の熱交換部材50に接触して設けられる。気化燃料タンク40は、燃焼室19における燃料の燃焼によりシリンダブロック11を介して暖められた熱交換部材50によって加熱される。熱交換部材50は、特許請求の範囲に記載の「気化燃料タンク加熱手段」に相当する。
気化燃料タンク40に隣接する熱交換室51の内壁52には、温度センサ53が設けられる。温度センサ53が検出した温度検出値は、ECU100に出力される。
気化燃料タンク40の接触壁43と対向する側壁44にはサブインジェクタ38が設けられる。サブインジェクタ38は、燃料ポンプ33から分岐通路35を経由して供給された液体燃料を接触壁43に向かって噴射する。サブインジェクタ38から噴射された液体燃料は、熱交換部材50の熱により暖められた気化チャンバ41内にて気化する。
また、分岐通路部材350の径方向外側に加熱室57が形成される。加熱室57は、加熱通路部材55によって形成される加熱通路56を経由して熱交換室51と連通する。シリンダブロック11にて暖められた熱交換室51の熱交換液Hwが加熱通路56を経由して加熱室57に流入することで、分岐通路35を通ってサブインジェクタ38に供給される液体燃料が加熱される。熱交換液Hwは、特許請求の範囲に記載の「燃料加熱手段」に相当する。
また、加熱室57より燃料ポンプ33側の分岐通路35には逆止弁39が設けられている。逆止弁39は、加熱された液体燃料が燃料ポンプ33側に逆流することを防止する。
気化チャンバ41で気化した燃料は、気化チャンバ41の上部に設けられる気化燃料通路側連通部46から気化燃料通路93に導入される。気化燃料通路93は、気化燃料通路部材930によって形成され、気化チャンバ41と吸気通路29とを連通する。気化燃料通路93に設けられるパージバルブ95は、気化チャンバ41と吸気通路29との連通および遮断を切り替える。パージバルブ95が開弁すると、気化燃料は、吸気通路29および吸気ポート22を経由して吸気と共に燃焼室19に供給される。
パージバルブ95は、例えば、所定の燃焼回数に対応する期間が経過した後、ECU100からの指令により閉弁する。すなわち、所定回数の燃焼が終了した後は、メインインジェクタ37からの噴射により燃焼室19への燃料供給が行われる。なお、パージバルブ95の閉弁までの燃焼回数は、気化燃料タンク40の容量に基づいて決定される。
ここで、ECU100は、アクセル開度やエンジン回転数等の入力情報に基づいて、メインインジェクタ37およびサブインジェクタ38の燃料噴射やパージバルブ95の開閉等を制御する。なお、図1においてECU100に入出力される制御線は、煩雑になることを避けるため一部を省略した。
気化燃料通路側連通部46の近傍には、サブインジェクタ38から噴射された液体燃料が気化燃料通路93に直接流入するのを防ぐ保護壁48が設けられている。保護壁48は、サブインジェクタ38からの噴射形状に概ね沿うように、接触壁43の上部からサブインジェクタ38の噴孔方向に傾斜して設けられている。気化燃料は、側壁44と保護壁48との間に形成される隙間49を経由して気化燃料通路側連通部46側へ流入する。
気化燃料タンク41の下部には、上部リターン通路62に連通するリターン通路側連通部47が設けられる。気化チャンバ41で気化せずに残留した液体燃料は、重力で気化チャンバ41下部に溜まり、リターン通路側連通部47から上部リターン通路62を経由してフロート弁装置70へ排出される。フロート弁装置70は、下部リターン通路64を経由して燃料タンク30内の燃料タンク室31に連通する。上部リターン通路62は、上部リターン通路部材61によって形成され、下部リターン通路64は、下部リターン通路部材63によって形成される。
次に、フロート弁装置70について、図2を参照して詳しく説明する。フロート弁装置70は、ハウジング71、浮き72、燃料圧シリンダ73等から構成される。フロート弁装置70は、特許請求の範囲に記載の「液面検出手段」および「液体排出弁」に相当する。
ハウジング71は、内部にフロート室71aを形成する。フロート室71aの上部には、上部リターン通路62と連通する流入口71bが設けられる。フロート室71aの下部には、底部71eから突起する排出口71cが設けられる。フロート室71aは、排出口71cを経由して下部リターン通路64と連通する。排出口71cの上端面は、中空球状の浮き72が着座可能な環状の弁座71dを形成する。
気化チャンバ41からフロート室71aに流入した液体燃料Lqはフロート室71aの底部71eに溜まる。ここで、流入口71bが大気開放され、排出口71cが閉塞されている場合、液面高さが所定の高さより低ければ、浮き72は浮力が得られず浮くことができない。一方、液面高さが所定の高さより高くなると、浮き72は浮力Fuを得て浮く。このときの所定の液面高さを「切替高さL0」とすると、浮き72の挙動によって、液面高さが切替高さL0より低いか高いかを検出することができる。すなわち、浮き72を備えるフロート弁装置70は、「液面検出手段」として機能する。
また、浮き72は、原則として、液面高さが切替高さL0より低いとき弁座71dに着座して排出口71cを閉塞し、液体燃料Lqの排出を遮断する。また、液面高さが切替高さL0より高いとき浮力Fuにより弁座71dから離座して排出口71cを開放し、液体燃料Lqを排出可能とする。すなわち、フロート弁装置70は、浮き72を「弁体」とする「液体排出弁」として機能する。
ところが、流入口71bが気化チャンバ71bに連通し、排出口71cが燃料タンク71cに連通して、フロート室71aが「閉じられた空間」になると、浮き72の上下には差圧による吸着力Fdが発生し、浮き72は弁座71dに吸着される。
すなわち、上部リターン通路62、及び、浮き72上側の空間の内圧は気化チャンバ内圧Pchに等しく、浮き72下側の下部リターン通路64の内圧は燃料タンク室内圧Ptaに等しい。そして、気化チャンバ内圧Pchは、燃料タンク室内圧Ptaより大きい。そこで、下部リターン通路64の内径をDとすれば、浮き72の上下には、式(1)で計算される吸着力Fdが下向きに作用する。
Fd=πD2/4×(Pch−Pta)・・・式(1)
この場合、浮き72が吸着力Fdに逆らって浮くためには、浮き72の体積を大きくし、大きな浮力Fuが得られるようにしなければならない。しかし、フロート室71aのスペースの制約上、現実には浮き72の体積を大きくすることが難しい。
そのため、フロート弁装置70は、「離脱手段」としてのエッジ74を備えている。エッジ74は、燃料圧シリンダ73に一体に形成され、燃料圧シリンダ73の往復移動に伴って浮き72と弁座71dとの間にくさび状に進入する。
燃料圧シリンダ73は、ハウジング71に略水平方向に設けられたシリンダ室71fに往復移動可能に収容されている。シリンダ室71fの一方の端部には、サブインジェクタ38の燃料噴射圧を導入する燃料圧導入孔71gが形成されている。燃料圧シリンダ73は、燃料噴射圧により進み側へ駆動される。また、シリンダ室71fの他方の端部には、燃料圧シリンダ73の移動によって生ずる圧力を抜くための圧力抜き孔71hが形成されるとともに、燃料圧シリンダ73を戻り側に付勢するためのスプリング75が設けられている。燃料圧導入孔71gに燃料噴射圧が導入されないとき、燃料圧シリンダ73は戻り側に移動する。
(作用)
次に、第1実施形態の燃料供給装置1の作用について説明する。
内燃機関システム99において、燃焼室19への燃料供給は2つの系統で行なわれる。一方の系統では、燃料ポンプ33により燃料タンク室31から汲み上げられ高圧燃料ポンプ36により加圧された高圧燃料をメインインジェクタ37から燃焼室19へ噴射する。他方の系統では、燃料供給装置1で生成された気化燃料を、気化燃料通路93を経由して吸気通路29に導入し、吸気と共に燃焼室19へ供給する。燃料供給装置1は、燃料ポンプ33により燃料タンク室31から汲み上げられた液体燃料をサブインジェクタ38から気化チャンバ41へ噴射し、気化チャンバ内41で燃料を気化させて貯留する。
内燃機関システム99は、内燃機関始動時等に気化燃料通路93のパージバルブ95を開弁し、気化燃料を燃焼室19に供給する。これにより、気筒18内のウェット成分を抑制し、エミッションを低減する。また、気化チャンバ41の内圧は、気化燃料の蒸気圧によって大気圧より高圧であるため、吸気中の酸素が気化燃料に混入することを防止する。そのため、気化燃料中のHCの酸化によるデポジットの発生が抑制される。
また、サブインジェクタ38から噴射された液体燃料のうち気化チャンバ41内で気化せずに残留した液体燃料は、上部リターン通路62を経由してフロート弁装置70のフロート室71aに流入する。サブインジェクタ38が燃料噴射しない時、フロート室71aに収容される浮き72は、気化チャンバ内圧Pchと燃料タンク室内圧Ptaとの差圧によって生じる吸着力Fdにより弁座71dに着座している。
サブインジェクタ38の燃料噴射が開始されると、燃料噴射圧が燃料圧導入孔71gからシリンダ室71fに導入され、燃料圧シリンダ73が進み側に移動する。それに伴い、燃料圧シリンダ73に一体に形成されたエッジ74が浮き72と弁座71dとの間にくさび状に進入する。これにより、エッジ74は、浮き72を弁座71dから離座させるとともに、排出口71cを閉塞する。そのため、吸着力Fdが浮き72に作用しなくなる。また、気化チャンバ41から流入した液体燃料により、フロート室71aの液面高さが切替高さL0よりも上昇し、浮き72は浮力Fuを得て浮く。
サブインジェクタ38の燃料噴射が終了すると、スプリング75の付勢力によって燃料圧シリンダ73が戻り側に移動し、それに伴い、エッジ74は排出口71cを開放する。すると、フロート室71aの液体燃料が排出口71cから下部リターン通路64を経由して燃料タンク室31に排出され、フロート室71aの液面高さが切替高さL0よりも下降する。また、浮き72に吸着力Fdが作用するため、浮き72は弁座71dに着座する。したがって、気化チャンバ41内の気化燃料が液体燃料と同時に排出されることはない。
(効果)
上記の構成により、第1実施形態の燃料供給装置1は、以下の効果を奏する。
(1)液面検出手段および液体排出弁としてのフロート弁装置70において、弁体としての浮き72は、気化チャンバ41から流入する液体燃料によりフロート室71aの液面高さが切替高さL0より高くなると開弁する。これにより、気化チャンバ41内に残留した液体燃料を適切に分離して、フロート弁装置70の排出口71cから下部リターン通路64を経由して燃料タンク室31に排出することができる。したがって、気化チャンバ41内の気化燃料中に含まれる液体成分を低減することができ、気化チャンバから吸気通路29に供給される気化燃料の気化精度を向上することがきる。
(2)浮き72は、気化チャンバ41からの液体燃料が排出口71cから排出され、フロート室71aの液面高さが切替高さL0より低くなると直ちに閉弁することで、気化燃料の排出を最小限に抑える。これにより、気化燃料の浪費を抑制するので、気化燃料を生成するための仕事効率を向上することができる。ここで、気化燃料を生成するための仕事としては、燃料ポンプ33の仕事の他、気化チャンバ加熱手段としての熱交換部材50および燃料加熱手段としての熱交換液Hwの仕事が含まれる。
(3)液面検出手段として浮き72が用いられることで、簡易で、故障の可能性が少ない燃料供給装置1の構成が実現される。また、浮き72が液体排出弁の弁体を兼ねることで、独立した液体排出弁が不要となり、燃料供給装置1の部品点数および製造コストを削減することができる。
(4)フロート弁装置70は、吸着力Fdの作用を受けて弁座71dに着座している浮き72を弁座71dから強制的に離座させるための離脱手段としてエッジ74を備える。これにより、浮き72の体積を大きくすることなく、フロート弁装置70を開閉することができる。
(5)離脱手段としてのエッジ74を備えた燃料圧シリンダ73は、サブインジェクタ38の燃料噴射圧により駆動される。フロート室71aの液面高さは、サブインジェクタ38が気化チャンバ41に液体燃料を噴射するときに上昇するため、サブインジェクタ38の燃料噴射圧を利用してエッジ74を駆動することで、浮き72を離座させるタイミングをサブインジェクタ38の燃料噴射のタイミングに同期させ、液体燃料を効率的に排出することができる。また、別の駆動手段を設ける必要がなくなる。
(6)気化燃料タンク40が熱交換部材50に接触して設けられることにより、気化チャンバ41は熱交換室51の熱によって加熱されるため、気化チャンバ41における気化燃料の生成を促進することができる。また、サブインジェクタ38は、接触壁43と対向する側壁44に設けられ加熱されている接触壁43に向かって液体燃料を噴射する。よって、サブインジェクタ38から噴射された液体燃料を効率よく気化させることができる。
(7)シリンダブロック11の熱により暖められた熱交換液Hwが分岐通路部材350の径方向外側に形成される加熱室57に流れることで、分岐通路35を通ってサブインジェクタ38に供給される液体燃料が加熱される。これにより、噴射される液体燃料の温度を上昇させ、気化チャンバ41での気化燃料の生成を促進することができる。
(第2〜第5実施形態)
続いて、本発明の第2〜第5実施形態を図3〜図7に基づいて説明する。
図3に示すように、第2〜第5実施形態の燃料供給装置2〜5は、第1実施形態の燃料供給装置1におけるフロート弁装置70に代えて独立した液面検出手段80、及び、リリーフ弁69を備えており、さらに、ECU100を備えている。
液面検出手段80は、リターン通路66の内部に設けられるか、または、リターン通路66の内部と外部とに跨って設けられる。液面検出手段80は、所定の第一高さL1、及び、第一高さL1よりも低位置側の第二高さL2においてリターン通路66内の流体が気体であるか液体であるかの気液状態を判定する。これにより、液面検出手段80は、液面の高さが所定範囲内にあるか否かを検出する。
第2〜第5実施形態は、それぞれ液面検出手段80の形態が異なる。
リリーフ弁69は、リターン通路66の途中に設けられ、ECU100の指令に従ってリターン通路66を連通または遮断する。リリーフ弁69が開弁することにより、気化チャンバ41内の燃料は、リターン通路66を経由して重力で燃料タンク室31に排出される。また、リリーフ弁69が閉弁することにより、燃料の排出が中止される。
(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態の液面検出手段802は、同一仕様の2組のヒータ771、772、熱電対781、782および熱起電力計791、792から構成される。
熱電対781、782は、例えばK熱電対である。第1熱電対781の測温接点の高さは第一高さL1に設定され、第2熱電対782の測温接点の高さは第一高さL1より低位置の第二高さL2に設定される。ヒータ771、772は、例えば棒状カートリッジヒータまたはシースヒータである。第1ヒータ771は、第1熱電対781の測温接点の近くに設けられ、第2ヒータ772は、第2熱電対782の測温接点の近くに設けられる。第1ヒータ771と第1熱電対781の測温接点との距離は、第2ヒータ772と第2熱電対782の測温接点との距離とほぼ等しい。第1熱起電力計791および第2熱起電力計792は、それぞれ、第1熱電対781および第2熱電対782の熱起電力から測温接点の温度を検出する。
第1ヒータ771および第2ヒータ772は、同等の電力が供給されて発熱する。ここで、液体の熱伝導率は気体の熱伝導率より10倍程度大きい。そのため、熱電対781、782の測温接点が液体Lq中にあるときはヒータの発熱に伴って伝導する熱量Qが大きく、熱電対の検出温度が急速に上昇する。一方、熱電対781、782の測温接点が気体Vp中にあるときはヒータの発熱に伴って伝導する熱量Qが小さく、熱電対の検出温度の上昇が遅い。よって、熱起電力計791、792の検出値に基づいて、第一高さL1および第二高さL2の気液状態を判定することができる。
ECU100は、液面検出手段802が第一高さL1において液体Lqを検出したときリリーフ弁69を開弁する。すると液体燃料が排出され、液面Lfが下降する。また、ECU100は、液面検出手段802が第二高さL2において気体Vpを検出したときリリーフ弁69を閉弁する。すると液体燃料の排出が中止される。その後、気化チャンバ41の液体燃料がリターン通路66に流入し、液面Lfが徐々に上昇する。そして、液面Lfが再び第一高さL1に達するとECU100はリリーフ弁69を開弁する。このようにして、液面Lfが第一高さL1および第二高さL2の間に維持されるように制御される。
(第3実施形態)
図5に示すように、第3実施形態の液面検出手段803は、同一仕様の2組の光源811、812および光量センサ821、822から構成される。また、リターン通路部材67は、光透過部材で形成される。
光源811、812は、例えばLEDである。第1光源811と第1光量センサ821とは、リターン通路66を挟んで互いに反対側であって、第一高さL1に設けられる。第2光源812および第2光量センサ822は、リターン通路66を挟んで互いに反対側であって、第一高さL1よりも低位置の第二高さL2に設けられる。
第1光源811および第2光源812が発射した光は、リターン通路66の軸線に垂直に入射し、光の一部が反対側へ透過する。第1光量センサ821および第2光量センサ822は、透過光の光量を検出する。
第1光源811および第2光源812は、同等の光量を発射する。ここで、液体の光の透過率は気体の光の透過率より小さい。そのため、光が液体Lqを透過するときは光量センサ821、822が検出する光量が少なく、光が気体Vpを透過するときは光量センサ821、822が検出する光量が多い。よって、光量センサ821、822の検出値から、第一高さL1および第二高さL2の気液状態を判定することができる。
ECU100は、第2実施形態と同様、液面Lfの高さによってリリーフ弁69を開閉する。これにより、液面Lfが第一高さL1および第二高さL2の間に維持されるように制御される。
(第4実施形態)
図6に示すように、第4実施形態の液面検出手段804は、同一仕様の2組の光源811、812、光量センサ821、822、反射鏡831、832および光ファイバ841、842から構成される。
光ファイバ841、842は、燃料タンク室31側からリターン通路66に挿入される。第1光ファイバ841の先端部は、第一高さL1に設定され、第2光ファイバ842の先端部は、第一高さL1よりも低位置の第二高さL2に設定される。
第1光源811および第2光源812が発射した光は、反射鏡831、832で反射され、第1光ファイバ841および第2光ファイバ842の芯部(コア)を伝搬する。
第1光源811および第2光源812は、同等の光量を発射する。ここで、液体中での光の屈折率は気体中での光の屈折率より大きい。また、固体である光ファイバ841、842における光の屈折率は液体中での光の屈折率に近い。そのため、光ファイバ841、851の先端部851、852が液体Lq中にあるときは光を透過し、先端部851、852が気体Vp中にあるときは光を反射する。光量センサ821、822は、反射光の光量を検出する。よって、光量センサ821、822の検出値から、第一高さL1および第二高さL2の気液状態を判定することができる。
ECU100は、第2実施形態と同様、液面Lfの高さによってリリーフ弁69を開閉する。これにより、液面Lfが第一高さL1および第二高さL2の間に維持されるように制御される。
(第5実施形態)
図7に示すように、第5実施形態の液面検出手段805は、2つの電極861、862、交流電圧源87、抵抗値がRである抵抗88、及び、3つの電圧計891、892、893から構成される。
電極861、862は、例えば銅板である。電極861、862は、リターン通路66中で一定の距離を隔てて略平行に設置されている。交流電圧源87は、電極861、862間に交流電圧を印加する。
電圧計891、892、893は、それぞれ電源電圧Vo、抵抗88の両端電圧Vr、電極861、862間の容量両端電圧Vcを測定する。ECU100は、これらの測定値より、下式(2)、(3)を用いて電極861、862間の静電容量Cpを計算する(インピーダンス測定法)。なお、式(2)中のfは交流周波数である。
Cp=Vv/(4πf・R・Vc2)・・・式(2)
Vv={(−Vo+Vc+Vr)(Vo−Vc+Vr)(Vo+Vc−Vr)
(Vo+Vc+Vr)}1/2・・・式(3)
ここで、液体の誘電率は気体の光の誘電率より大きいため、液体Lqが電極861、862と接触する高さ、すなわち液面Lfが高いほど静電容量Cpが大きくなり、液面Lfが低いほど静電容量Cpが小さくなる。よって、電圧計891〜893の検出値に基づき、第一高さL1から第二高さL2までの範囲で液面Lfの高さを算出することができる。
ECU100は、第2実施形態と同様、液面Lfの高さによってリリーフ弁69を開閉する。これにより、液面Lfが第一高さL1および第二高さL2の間に維持されるように制御される。
(第2〜第5実施形態の効果)
以上の第2〜第5実施形態では、液体と気体の物性差を利用した様々な液面検出手段による検出情報に基づいて、気化チャンバ41内に残留した液体燃料を効率的に排出することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図8、図9に基づいて説明する。
第6実施形態の燃料供給装置6は、第2〜5実施形態の燃料供給装置2〜5の液面検出手段802〜805に代えて圧力センサ90を備えている。圧力センサ90は、気化燃料タンク40に設けられ、気化チャンバ41の内圧を検出して、ECU100に出力する。また、第6実施形態の燃料供給装置6は、第2〜第5実施形態の燃料供給装置2〜5と同様、リターン通路66にリリーフ弁69が設けられる。
サブインジェクタ38が気体チャンバ41に燃料噴射すると、気化チャンバ内圧Pchが上昇し、時刻t0で上限閾値Pvoを超える。すると、圧力センサ90からの検出信号に基づいて、ECU100はリリーフ弁69を開弁する。そのため、重質の液体HCを含む液体燃料がリターン通路66に排出され始める。
このとき、液体の管路粘性抵抗により、液体燃料の排出開始から排出完了までにいくらかの時間を要する。液体燃料の排出中、気化チャンバ41内に液体燃料が残留する間は、液体燃料の蒸気圧によって、気化チャンバ内圧Pchはほぼ一定値に保持される。
時刻t1で液体燃料の排出が完了すると気化チャンバ41から気体が排出され始める。ここで、気体の管路粘性抵抗は小さいので、気化チャンバ内圧Pchは急激に減少する。
時刻t2で気化チャンバ内圧Pchが下限閾値Pvc未満となると、圧力センサ90からの検出信号に基づき、ECU100は、液体の排出が完了したとみなしてリリーフ弁69を閉弁する。
これにより、内圧検出手段としての圧力センサ90の検出情報に基づいて、気化チャンバ41内に残留した液体燃料を効率的に排出することができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を図10に基づいて説明する。
図10に示すように、第7実施形態の燃料供給装置7は、圧力センサを備えていない点以外は第6実施形態と同様である。ECU100は、サブインジェクタ38の燃料噴射が終了すると同時にリリーフ弁69を開弁し、液体燃料がリターン通路66に排出される。ここで、燃料噴射が終了してから液体燃料排出完了までの時間を多数回測定し、データ分布から、液体排出が高い確率で完了する有効排出時間を求める。例えば排出時間の平均値に標準偏差の3倍を加えた値を有効排出時間とすれば、有効排出時間内に99.7%の確率で液体排出が完了することとなる。そこで、燃料噴射終了から有効排出時間後にリリーフ弁69を閉弁することで、気化チャンバ41内に残留する液体燃料をほぼ確実に排出することができる。
これにより、液面検出手段、内圧検出手段のいずれも設けることなく、気化チャンバ41内に残留した液体燃料を簡易的に排出することができる。
(その他の実施形態)
(ア)第1実施形態では、燃料圧シリンダ73は、サブインジェクタ38の燃料噴射圧によって駆動される。しかし、燃料噴射圧以外の燃料圧、または作動油等の油圧によってシリンダを駆動し、離脱手段としてのエッジを作動させてもよい。あるいは、ソレノイド等の電磁駆動力による駆動手段を用いてもよい。この場合、ECUによる制御が容易となる。
(イ)第2〜第5実施形態では、液面検出手段802〜805は、いずれもリターン通路66内の第一高さL1および第二高さL2の二箇所で気液状態を判定する。しかし、液面検出手段は、三箇所以上の高さでの気液状態を判定してもよい。
例えば、第二高さよりも少し高位置の第三高さにおける気液状態を判定し、第三高さにおいて流体が気体であると判定したとき液体排出弁の弁開度を絞り、排出速度を遅くするという制御をしてもよい。これにより、第一高さから第三高さまでは排出速度を速くして液体燃料を効率的に排出することができる。また、第三高さから第二高さまでは排出速度を遅くすることで、閉弁タイミングの遅れによる気体燃料の排出を防止することができ、液体燃料と気体燃料との分離精度をより高めることができる。
(ウ)上記実施形態では、気化燃料タンク40は、シリンダブロック11に隣接する熱交換部材50によって加熱され、分岐通路35を流れる燃料は、加熱室57の熱交換液Hwによって加熱される。しかし、気化燃料タンクおよび燃料は、その他の熱源を利用して加熱されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1、2、3、4、5、6、7・・・燃料供給装置、
10 ・・・内燃機関、
11 ・・・シリンダブロック、
29 ・・・吸気通路、
30 ・・・燃料タンク、
31 ・・・燃料タンク室、
32、34・・・燃料通路、
33 ・・・燃料ポンプ、
35 ・・・分岐通路、
36 ・・・高圧燃料ポンプ、
37 ・・・メインインジェクタ、
38 ・・・サブインジェクタ(気化チャンバ噴射弁)、
40 ・・・気化燃料タンク、
41 ・・・気化チャンバ、
50 ・・・熱交換部材(気化燃料タンク加熱手段)、
61 ・・・上部リターン通路部材、
62 ・・・上部リターン通路、リターン通路、
63 ・・・下部リターン通路部材、
64 ・・・下部リターン通路、リターン通路、
65、67・・・リターン通路部材、
66 ・・・リターン通路、
69 ・・・リリーフ弁(液体排出弁)、
70 ・・・フロート弁装置(液面検出手段、液体排出弁)、
71c ・・・排出口、
71d ・・・弁座、
72 ・・・浮き(弁体)、
73 ・・・燃料圧シリンダ、
74 ・・・エッジ(離脱手段)、
80、802、803、804、805・・・液面検出手段、
90 ・・・圧力センサ(内圧検出手段)、
93 ・・・気化燃料通路、
99 ・・・内燃機関システム、
100 ・・・ECU(弁開閉制御手段)、
Hw ・・・熱交換液(燃料加熱手段)、
L1 ・・・第一高さ、
L2 ・・・第二高さ、
Lq ・・・液体、液体燃料、
Vp ・・・気体、気化燃料、
Pch ・・・気化チャンバ内圧、
Pta ・・・燃料タンク室内圧、
Pvo ・・・上限閾値、
Pvc ・・・下限閾値。

Claims (6)

  1. 内燃機関の吸気通路へ気化燃料を供給する燃料供給装置であって、
    液体燃料を気化させるための気化チャンバを内部に形成する気化燃料タンクと、
    前記気化チャンバに液体燃料を噴射する気化チャンバ噴射弁と、
    前記気化燃料タンクの重力方向下側に設けられる燃料タンク内の燃料タンク室から液体燃料を汲み上げ、前記気化チャンバ噴射弁に供給する燃料ポンプと、
    前記気化チャンバ内に残留した液体燃料を重力で前記燃料タンク室に戻すためのリターン通路を形成するリターン通路部材と、
    前記リターン通路内の液面高さが所定範囲内にあるか否かを検出する液面検出手段と、
    前記液面検出手段による液面高さの検出情報に基づいて開閉し、前記リターン通路を連通または遮断する液体排出弁と、
    を備え、
    前記液面検出手段は、液面に浮かべられ液面の高さに応じて上昇または下降する浮きを有し、
    前記液体排出弁は、前記浮きの上昇または下降と連動し、燃料が排出される排出口を開閉し、
    前記浮きは、前記排出口を内側に含む弁座に着座することで前記液体排出弁の弁体を兼ねており、
    前記弁座に着座した浮きを前記弁座から離座させるための離脱手段を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記離脱手段は、油圧または燃料圧により駆動されることを特徴とする請求項に記載の燃料供給装置。
  3. 前記離脱手段は、前記気化チャンバ噴射弁の燃料噴射圧により駆動されることを特徴とする請求項に記載の燃料供給装置。
  4. 前記離脱手段は、電磁駆動力により駆動されることを特徴とする請求項に記載の燃料供給装置。
  5. 前記気化燃料タンクは、気化燃料タンク加熱手段によって加熱されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  6. 前記気化チャンバ噴射弁に供給される燃料は、燃料加熱手段によって加熱されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
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