JPH0573256U - 蒸発燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼環境を改善して燃焼行程における有害成
分の生成を抑制した内燃機関の燃料供給装置を提供す
る。 【構成】 シリンダヘッド１は内部に冷却水Ｃを満た
し、水温センサ１ａを備える。このシリンダヘッド１の
表面にベーパタンク２を構成する。ベーパタンク２は導
入路２ａ、導通路２ｂ、排出路２ｃ等の基本構造を備え
る。導入路２ａには流量制御弁２ｄ、ベーパタンク２内
部にはセラミックヒータ等のヒータ２ｅと攪拌機２ｆ、
Ｌセンサ２ｇを備える。ベーパタンク２内の上部にはＰ
ｖセンサ２ｈ、導通路２ｂには流量制御弁２ｉ、ＨＣセ
ンサ２ｊを備え、排出路２ｃには流量制御弁２ｋを備え
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、燃焼環境を改善して燃焼行 程における有害成分の生成を抑制した蒸発燃料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ガソリンエンジン等のような気化燃料を使用する内燃機関の燃料供給装置は、 気化器、インジェクタ等によって燃料の気化を行い、この気化燃料をエンジンに 供給する。 気化器は吸入空気の流れによる霧化を行い、また、インジェクタはその噴射ノ ズルが燃料を霧状にして吸入空気中に噴射を行う。霧化による燃料の微粒化によ って燃料は吸入空気中で蒸発して気化燃料となり、吸入空気と混合されてエンジ ンに供給される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、燃料の霧化による微粒化の限界から、その一部は霧化後の蒸発 によってもなお霧滴をなし、そのまま吸気管を通ってエンジンの気筒内に吸入さ れることがある。

【０００４】 この場合、気化燃料が気筒内に行き渡らずにクエンチングゾーンが生じ、した がって燃焼行程においては有害成分が生成されやすく、排出ガス中の有害成分濃 度の上昇を招く。

【０００５】 また、始動時等のエンジンが冷えている時は、吸入空気の温度が低いので燃料 の霧滴の気化が進まない上に、吸気管内を通過中の燃料の霧滴が吸気管の内壁面 に付着する。このため、有害成分の生成が避けられない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、内燃機関の燃料タンクから供給された液状の燃料 を受けるとともに、内燃機関の冷却水の熱を導入して液状の燃料を加熱し蒸発さ せるベーパタンクと、このベーパタンク内の気化燃料を内燃機関の吸気管に導く 導通路とから燃料供給装置を構成した。

【０００７】 また、上記ベーパタンクには、供給された液状の燃料を加熱するヒータを設け て別なる考案に係る燃料供給装置を構成した。

【０００８】

【作用】

第１の考案に係る内燃機関の燃料供給装置を構成するベーパタンクは、ベーパ タンクに接する内燃機関の冷却水の熱を受け、ベーパタンクに供給された燃料が 蒸発して気化燃料となり、導通路によって吸気管に導かれる。

【０００９】 第２の考案に係る内燃機関の燃料供給装置を構成するベーパタンクは、そのヒ ータが発する熱によって、ベーパタンクに供給された燃料が蒸発して気化燃料と なり、導通路によって吸気管に導かれる。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。 図１は、本考案に係る内燃機関の燃料供給装置の機能ブロック図である。

【００１１】 燃料供給装置は、図示せぬ内燃機関の燃料タンクから供給された液状の燃料Ａ を受けるとともに、内燃機関のシリンダヘッド１に接し、冷却水Ｃの熱を導入し て液状の燃料Ａを加熱し蒸発させるベーパタンク２と、このベーパタンク２内で 蒸発した気化燃料Ｂを内燃機関の吸気管３に導く導通路２ｂとからなる。

【００１２】 その他、ＥＣＵ（エンジンコントロールユニット）４は、各センサの検知信号 を受け、条件に応じて各機器に制御指令を送り、上記燃料供給装置およびエンジ ン制御を統括する。

【００１３】 内燃機関のシリンダヘッド１は内部に冷却水Ｃを満たし、その水温を検知する 水温センサ１ａを備える。この内燃機関の冷却水Ｃの熱を受けるべく、シリンダ ヘッド１の表面にベーパタンク２を構成する。

【００１４】 ベーパタンク２は、ベーパタンク２への供給燃料を受ける導入路２ａ、気化燃 料Ｂを内燃機関の吸気管３に導く導通路２ｂ、余剰の燃料Ａを戻す排出路２ｃ等 の基本構造を備える。

【００１５】 導入路２ａには液状燃料Ａの供給を調節する流量制御弁２ｄ、ベーパタンク２ 内部には燃料Ａを加熱するセラミックヒータ等のヒータ２ｅと燃料Ａを攪拌する 攪拌機２ｆ、燃料Ａの液面レベルを検出するＬセンサ２ｇを備える。

【００１６】 ベーパタンク２内の上部には気化燃料Ｂの圧力を検知するＰｖセンサ２ｈ、導 通路２ｂには気化燃料Ｂの流量を調節する流量制御弁２ｉと気化燃料Ｂの炭化水 素濃度を検知するＨＣセンサ２ｊをそなえる。また、排出路２ｃには余剰の燃料 Ａの排出を調節する流量制御弁２ｋを備える。

【００１７】 吸気管３の先は分岐してインテークパイプ３ａ…をなし、図示せぬ内燃機関の 各気筒に接続する。吸気管３には吸入空気Ｄの流量を調節するスロットルバルブ ３ｂと給気圧を検知するＰｂセンサ３ｃを備える。吸気管３の吸入空気Ｄと導通 路２ｂの気化燃料Ｂは吸気管３内において混合されて燃料混合気Ｅをなし、イン テークパイプ３ａ…を介して各気筒に供給される。

【００１８】 ＥＣＵ４は、排気管５を流れる排出ガスＦ中の酸素濃度を検知するＯ２センサ ５ａを含めた各センサの検知信号を受け、条件に応じて各機器に制御指令を送る 。

【００１９】 以上のごとき構成からなる本考案に係る燃料供給装置の作用を説明する。

【００２０】 燃料供給装置の導入路２ａから流入した液状燃料Ａはベーパタンク２内に溜ま り、Ｌセンサ２ｇが燃料Ａの液面レベルを検出する。この信号によってＥＣＵ４ が導入路２ａからの液状燃料Ａの供給を調節する流量制御弁２ｄおよび、排出路 ２ｃからの余剰の燃料Ａの排出を調節する流量制御弁２ｋを調節し、ベーパタン ク２内には所定量の液状燃料Ａが保たれる。

【００２１】 ベーパタンク２は、内燃機関のシリンダヘッド１に接し、冷却水Ｃの熱を導入 して液状の燃料Ａを加熱し蒸発させる。この時、攪拌機２ｆが燃料Ａを攪拌して 効率よく加熱される。冷却水Ｃの温度が低い時は、水温センサ１ａの検知信号を 受けたＥＣＵ４により、セラミックヒータ等のヒータ２ｅに通電して燃料Ａを加 熱する

【００２２】 ベーパタンク２内で蒸発した気化燃料Ｂは、導通路２ｂによって内燃機関の吸 気管３に導かれる。この時、ベーパタンク２内の上部のＰｖセンサ２ｈの出力、 導通路２ｂのＨＣセンサ２ｊの出力、吸気管３のＰｂセンサ３ｃの出力、排気管 ５のＯ２センサ５ａを含めた各センサの検知信号に基づき、ＥＣＵ４が条件に応 じて各機器に制御指令を送り、この制御指令により流量制御弁２ｉは吸気管３の スロットルバルブ３ｂの開度に応じて気化燃料Ｂの流量を調節する。

【００２３】 吸気管３の吸入空気Ｄと導通路２ｂの気化燃料Ｂは吸気管３内において混合さ れて燃料の液滴を含まない所定混合比の燃料混合気Ｅをなし、インテークパイプ ３ａ…を介して各気筒に供給される。

【００２４】 なお、上記実施例に係るベーパタンクの位置は、冷却水の熱を導入することが できる位置とし、シリンダヘッド部に限るものではない。

【００２５】

【考案の効果】

以上に説明したごとく、第１の考案によれば、冷却水の熱を導入するベーパタ ンクによって燃料供給装置を構成したので、冷却水の熱によって液状燃料が加熱 蒸発され、この気化燃料が吸入空気と混合されて完全な燃料混合気が形成される 。

【００２６】 この燃料混合気は燃料の液滴を含まないので、所定の濃度に形成された燃料混 合気を気筒内に供給することができる。したがって、気筒内においてクエンチン グゾーンを生じることがなく、燃焼行程においては有害成分を所定値に規定する ことができる。

【００２７】 また、第２の考案によれば、ベーパタンクにヒータを設けたので、内燃機関の 冷却水の温度が低い時においても、完全な燃料混合気を形成することができる。 したがって、始動時等の内燃機関の冷却水の温度が低い時においても、有害成分 を所定値に規定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る内燃機関の燃料供給装置の機能ブ
ロック図

【符号の説明】

１ …シリンダヘッド １ａ…水温センサ ２ …ベーパタンク ２ｂ…導通路 ２ｅ…ヒータ ２ｆ…攪拌機 ２ｈ…圧力センサ ３ …吸気管 Ａ …液状燃料 Ｂ …気化燃料 Ｃ …冷却水 Ｄ …吸入空気 Ｅ …燃料混合気

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の燃料タンクから供給された液
   状の燃料を受けるとともに、内燃機関の冷却水の熱を導
   入して液状の燃料を加熱し蒸発させるベーパタンクと、
   このベーパタンク内で蒸発した気化燃料を内燃機関の吸
   気管に導く導通路とからなることを特徴とする蒸発燃料
   供給装置。
2. 【請求項２】 内燃機関の燃料タンクから供給された液
   状の燃料を受けるとともに、内燃機関の冷却水の熱を導
   入して液状の燃料を加熱し蒸発させるベーパタンクと、
   このベーパタンク内に設けられて液状の燃料を加熱する
   ヒータと、上記ベーパタンク内の気化燃料を内燃機関の
   吸気管に導く導通路とからなることを特徴とする蒸発燃
   料供給装置。