JP5485726B2 - 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法 - Google Patents

除湿装置および除湿装置の劣化判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5485726B2
JP5485726B2 JP2010014115A JP2010014115A JP5485726B2 JP 5485726 B2 JP5485726 B2 JP 5485726B2 JP 2010014115 A JP2010014115 A JP 2010014115A JP 2010014115 A JP2010014115 A JP 2010014115A JP 5485726 B2 JP5485726 B2 JP 5485726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
dehumidifying
speed
zone
dehumidification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010014115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011152494A (ja
Inventor
将行 河岡
貴洋 秋山
弘 五味
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP2010014115A priority Critical patent/JP5485726B2/ja
Publication of JP2011152494A publication Critical patent/JP2011152494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5485726B2 publication Critical patent/JP5485726B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Gases (AREA)

Description

本発明は、除湿装置の運転制御に関する。
従来、二段目の乾式除湿装置のロータのチャンバ内における再生区域の出口側において、減湿区域に近い側およびパージ区域に近い側の夫々に温度センサを配置し、2つの温度センサで測定した正常時の再生区域出口温度と、劣化診断時の再生区域出口温度とを比較することにより、ロータの劣化診断を行う技術がある(特許文献1を参照)。
また、給気露点を一定にするように除湿ロータの回転数を変化させるための技術が提案されている(特許文献2および3を参照)。
特開平10−314540号公報 特許第3266326号公報 特開2003−21378号公報
従来、例えばリチウムイオン電池の製造環境等の、低露点環境(ドライルーム)に用いられる吸着ロータ方式の乾式除湿装置の劣化診断方法として、例えば、給気露点を監視し、給気露点が上昇して除湿ロータの劣化が疑われる場合に、ロータ材の一部を抜き取ってサンプリング調査を行う方法がある。しかし、この方法では、給気露点の上昇によって除湿ロータの劣化を判定するため、低露点環境に対する給気露点を一定に保つことが出来ない。また、ロータ材の一部をサンプリングするために装置を停止する必要があり、分析に多大な手間と時間とコストを要するという問題があった。
また、従来このような問題を解決するために、再生区域出口の空気温度(パージ区域寄りと再生区域寄りの2点)が正常時と劣化時で変化することを利用して劣化診断を行う方法が提案されている。この方法は、安価で信頼性の高い温度センサを使用した方法であるが、除湿負荷が小さい場合においては、除湿ロータの劣化による空気温度の変化が非常に小さいために、温度変化を検出し劣化と判断した時には除湿ロータの劣化が相当程度進行しており、給気露点が既に上昇している虞がある。
上記した問題に鑑み、本願発明では、除湿ロータ等の除湿ユニットの劣化による給気露点の上昇を防ぎつつ、除湿ユニットの劣化診断を行うことを課題とする。
本発明は、給気露点が一定になるように除湿ユニットの区域変更速度を制御するとともに、除湿ユニットが正常な状態(劣化のない状態)であるときの区域変更速度と診断時の区域変更速度とを比較することによって、除湿ユニットの劣化による給気露点の上昇を防ぎつつ、除湿ユニットの劣化診断を行うことを可能とした。
より詳細には、本発明は、通過する空気の除湿を行うための除湿ユニットを有する除湿装置であって、前記除湿ユニットを、除湿対象の空気を通過させて除湿するための除湿区域と、温度調節された空気を通過させることで該除湿ユニットの除湿能力を再生させるた
めの再生区域と、の少なくとも2区域に区分けするための区分手段と、前記除湿ユニットを、前記区分手段によって区分された夫々の区域に対して順に繰り返し割り当てる、区域変更手段と、前記区域変更手段による区域変更の速度を、前記除湿区域を通過することで除湿された空気の湿度が所定の範囲内となるように制御する速度制御手段と、前記速度制御手段によって制御された区域変更の速度、または該速度に応じて変化する制御値に基づいて、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定する劣化判定手段と、を備える除湿装置である。
本発明は、除湿ユニットにおいて除湿および再生が繰り返されることによって、除湿ユニットの除湿能力を再生しながら除湿対象空気の除湿を行う種類の除湿装置に適用される。なお、除湿および再生に加えて、除湿ユニットの放熱処理であるパージが行われてもよい。区域変更手段による除湿ユニットの割り当ては、除湿ユニットにおいて、除湿区域および再生区域の2つの区域(更にパージが行われる場合には、除湿区域、再生区域およびパージ区域の3つの区域)が形成され、連続的または断続的にそれらの区域が移行されるように行われる。
速度制御手段は、除湿空気の湿度(給気露点)が所定の範囲内となるように、区域変更の速度を制御する。例えば、除湿ユニットが回転式の除湿ロータである場合、速度制御手段は、区域変更の速度として、除湿ロータの単位時間あたり回転数を制御する。
劣化判定手段は、速度または速度に応じて変化する制御値に基づいて、除湿ユニットの劣化の進行度を判定する。例えば、劣化判定手段は、劣化がない場合の速度または制御値と、診断時の速度または制御値と、を比較することで、劣化の進行度を判定する。劣化がない場合の速度または制御値は、予め測定されるかまたは推定されることで取得することが出来る。なお、速度に応じて変化する制御値として、例えば、ヒータの加熱量や、再生風量、パージ風量等がある。
また、本発明に係る除湿装置は、前記除湿対象の空気の湿度を取得する湿度取得手段と、前記除湿ユニットの劣化がないと仮定した場合の、前記湿度取得手段によって湿度が取得された除湿対象空気を除湿して湿度を前記所定の範囲内とするための区域変更の速度である好適速度を取得する好適速度取得手段と、を更に備え、前記劣化判定手段は、前記好適速度と、前記速度制御手段によって制御されている実際の速度とを比較することで、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定してもよい。
一般に、除湿ユニットが正常な状態(劣化のない状態)であれば、所定の区域変更速度(例えば、除湿ロータの定格回転数)で所定の範囲内の湿度の空気(例えば、設計露点の空気)を供給可能であるが、除湿ユニットが劣化してしまうと、区域変更速度を所定の区域変更速度以上としなければ所定の範囲内の湿度の空気を供給できない。即ち、本発明によれば、診断時において、所定の範囲内の湿度の空気を供給するように制御された区域変更速度が、正常な状態において所定の範囲内の湿度の空気を供給できる区域変更速度(好適速度)と比較してどれだけ上がっているかを把握することで、除湿ユニットの劣化の度合を診断することとしている。
また、本発明に係る除湿装置は、前記除湿対象の空気の温度と前記除湿区域を通過することで除湿された空気の温度とを取得する温度取得手段を備え、前記湿度取得手段は、予め準備された、前記除湿対象空気の温度および前記除湿された空気の温度と前記除湿対象の空気の湿度との対応関係に基づいて、前記除湿対象の空気の湿度を推定して取得してもよい。
除湿装置の除湿区域では、水蒸気の吸着熱の影響により、除湿区域を通過して除湿され
た空気の温度は、除湿前の空気の温度よりも高くなる。この温度上昇幅は、除湿前の空気の湿度が低くなるほど小さくなり、除湿前の空気の湿度が高くなるほど大きくなる。このため、除湿前後の空気の温度と除湿対象空気の湿度の関係を予め実験やシミュレーション等で調べておき、除湿前後の空気の温度に基づいて、除湿対象空気の湿度を推定することが出来る。
従来は、湿度計(露点計)によって得られた湿度や露点に従って制御を行っていたところ、推定湿度に従って制御を行うことで、湿度計(露点計)による誤測定や保守等の問題を生じることなく、安定性の高い可変制御運転を簡易に実現することが出来る。
また、本発明において、前記区分手段は、前記除湿ユニットを、前記除湿区域と、前記再生区域と、通過する空気によって該除湿ユニットの放熱を行うためのパージ区域と、に区分けし、除湿装置は、前記パージ区域に導入される空気の風量であるパージ風量を、前記速度制御手段によって制御される区域変更の速度の変化に比例して変化するように制御するパージ風量制御手段を更に備えてもよい。
特に、パージ区域の出口温度に基づいて再生に用いられる空気の風量(再生風量)を制御する場合には、パージ区域の出口における温度分布は、区域変更の速度を変化させた場合にも一定に保たれることが好ましい。このためには、総パージ風量(パージ風量*パージ時間)を一定にする必要がある。そして、パージ時間は区域変更の速度と反比例するため、総パージ風量を一定に保つためには、パージ風量は区域変更の速度に比例させることが好ましい。
例えば、区域変更の速度(除湿ロータの回転数等)を減少させた場合には、パージ区域における除湿ユニットの滞在時間が長くなるため、より少ないパージ風量で除湿ユニットを冷却することが可能となる。特に、目的室への供給風量を一定とする一般的な設計条件の下で、除湿された空気の一部をパージに用いる方式の除湿装置においては、パージ風量を減らすと必然的に除湿風量も減少することとなるため、パージ風量は、区域変更の速度と比例するように制御されることが好ましい。
また、本発明において、前記区分手段は、前記除湿ユニットを、前記除湿区域と、前記再生区域と、通過する空気によって該除湿ユニットの放熱を行うためのパージ区域と、に区分けし、除湿装置は、前記再生区域に導入される空気の風量である再生風量を、前記パージ区域を通過した空気の温度が一定となるように制御する再生風量制御手段を更に備えてもよい。
区域変更の速度が増えた場合、再生風量が不足することによって、除湿性能が低下する虞がある。このため、本発明では、パージに用いられた空気の温度が一定となるように再生風量を変化させることで、区域変更の速度の変化に応じた好適な再生風量への制御を行うこととしている。
なお、本発明において、前記除湿ユニットは、設定された速度で回転する除湿ロータであり、前記区域変更手段は、前記速度制御手段によって制御された速度に従って前記除湿ロータを回転させることで、前記除湿ロータを、前記区分手段によって区分された夫々の区域に対して順に繰り返し割り当ててもよい。
また、本発明は、除湿装置の劣化判定方法の発明としても把握可能である。例えば、本発明は、通過する空気の除湿を行うための除湿ユニットを、除湿対象の空気を通過させて除湿するための除湿区域と、温度調節された空気を通過させることで該除湿ユニットの除湿能力を再生させるための再生区域と、の少なくとも2区域に区分けするための区分手段
と、前記除湿ユニットを、前記区分手段によって区分された夫々の区域に対して順に繰り返し割り当てる、区域変更手段と、を備える除湿装置において、前記区域変更手段による区域変更の速度を、前記除湿区域を通過することで除湿された空気の湿度が所定の範囲内となるように制御する速度制御ステップと、前記速度制御手段によって制御された区域変更の速度、または該速度に応じて変化する制御値に基づいて、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定する劣化判定ステップと、を実行する、除湿装置の劣化判定方法である。
本発明によって、除湿ロータ等の除湿ユニットの劣化による給気露点の上昇を防ぎつつ、除湿ユニットの劣化診断を行うことが可能となる。
実施形態に係る乾式除湿装置を備えた、低露点空気を供給するためのシステムの構成を示す図である。 実施形態における除湿ロータおよびセクション分割カセットを示す斜視図である。 実施形態において、パージゾーンにおける再生ゾーン寄りの位置の出口温度を計測するために設けられる温度センサの位置を示す図である。 除湿ゾーン出口空気の露点と除湿ロータの回転数との関係を例示する図である。 ロータ正常時と劣化時における除湿ゾーン出口空気の露点とロータ回転数との関係を例示する図である。 除湿ゾーン入口空気の絶対湿度と好適ロータ回転数との関係を例示する図である。 実施形態に係る劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態において、除湿ゾーン入口湿度が変化しないために好適回転数が一定である場合の、劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る乾式除湿装置における除湿ゾーン入口絶対湿度と除湿ゾーン出入口の空気温度差の関係を示す図である。 実施形態において、図1に示す除湿装置に、パージ風量および再生風量を制御するための手段が追加された除湿装置を示す図である。 除湿ゾーン出口の露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、再生風量が固定されている場合の除湿ゾーン入口絶対湿度とヒータの加熱量の関係を示す図である。 除湿ゾーン出口の露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、再生風量が自動制御されている場合の除湿ゾーン入口絶対湿度とヒータの加熱量の関係を示す図である。 除湿ゾーン出口の露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、除湿ゾーン入口絶対湿度と再生風量の関係を示す図である。 除湿ゾーン出口の露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、除湿ゾーン入口絶対湿度とパージ風量の関係を示す図である。
以下、本発明に係る除湿装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、吸着ロータ方式の乾式除湿装置に本願発明を適用した場合について説明しているが、本願発明は、吸着ロータ方式の乾式除湿装置に限らず、除湿および再生が繰り返されることによって除湿能力の再生が行われる除湿装置であれば適用可能である。例えば、本発明は、吸湿剤を内部に配した矩形の除湿ユニットに対して、該除湿ユニットの開放端から再生空気を挿入する再生空気ダクトが配置され、該再生空気ダクトが除湿ユニットに対して相対的に往復移動する(実際にモータ等で駆動されて移動するのは再生空気ダクト
であっても除湿ユニットであってもよい)タイプの往復動式除湿装置にも適用可能である。また、本発明は、除湿ロータのゾーン分割比や除湿ロータのサイズには無関係に適用可能であり、また、複数段の除湿ロータを有する除湿装置にも適用可能である。
図1は、本実施形態に係る乾式除湿装置1を備えた、低露点室等の低露点空間に低露点空気を供給するためのシステムの構成を示す図である。また、図2は、本実施形態における除湿ロータおよびセクション分割カセットを示す斜視図である。乾式除湿装置1は、内部に合成ゼオライトやシリカゲル、塩化リチウム等の吸湿剤が基材に含浸される等して配置されていることで、その内部を通過する空気を除湿する除湿ロータ11を備える。除湿ロータ11の両端面には、セクション分割カセット12、13が配置され、除湿ロータ11に対しては、セクション分割カセット12、13を介して空気の導入および排出が行われる。ここで、除湿ロータ11は、本発明の除湿ユニットに相当し、また、セクション分割カセット12、13は、本発明の区分手段に相当する。
セクション分割カセット12、13の夫々の内部は、除湿ロータ11を、除湿ゾーン11a、再生ゾーン11b、およびパージゾーン11cに区分けするために分割されている。そして、セクション分割カセット12には、除湿ゾーン11aへ除湿対象の空気を導入するための除湿ゾーン入口12a、再生ゾーン11bから除湿能力の再生に用いられた空気を排出するための再生ゾーン出口12b、およびパージゾーン11cからパージ用空気を排出するためのパージゾーン出口12cが設けられており、セクション分割カセット13には、除湿ゾーン11aから除湿された空気を排出するための除湿ゾーン出口13a、再生ゾーン11bへ再生に用いられる空気を導入するための再生ゾーン入口13b、およびパージゾーン11cへパージ用空気を導入するためのパージゾーン入口13cが設けられている。但し、本発明に係る除湿ユニットは、少なくとも除湿ゾーン11aと再生ゾーン11bとを有していればよい。また、本発明は、各ゾーンを複数備えるような除湿ユニットにも適用可能である。
除湿ロータ11は、このようなセクション分割カセット12、13を両端に備えた状態で、ギアモータ72によって駆動されて回転する。ここで、上述の通り、セクション分割カセット12、13の内部は、除湿ロータ11を除湿ロータ11の回転方向において順に除湿ゾーン11a、再生ゾーン11bおよびパージゾーン11cに区分けするために分割されている。このため、除湿ロータ11の空気通過域は、3つのセクション(除湿ロータ11の回転方向にみて、除湿ゾーン11a、再生ゾーン11b、パージゾーン11cの順)に区画され、除湿ロータ11の回転に伴って、除湿ロータ11の各部分が除湿ゾーン11a、再生ゾーン11b、パージゾーン11cに順に対応することとなる。このため、除湿ロータ11による除湿、除湿ロータ11の除湿能力の再生、再生により高温となった除湿ロータ11のパージ、が繰り返され、乾式除湿装置1の除湿性能は維持される。なお、ギアモータ72は、制御演算装置CUによって制御される。即ち、ギアモータ72およびこれを制御する制御演算装置CUは、本発明の区域変更手段に相当する。
除湿ゾーン11a、再生ゾーン11bおよびパージゾーン11cは、夫々が除湿ロータ11の回転軸を中心とした放射状に区画されたゾーンである(図2を参照)。各ゾーンがセクション分割カセット全体において占める領域の大きさを、除湿ロータ11の回転軸を中心とする角度で表すと、本実施形態では、除湿ゾーン11aが270度、再生ゾーン11bが60度、パージゾーン11cが30度となっている(図3を参照)。また、セクション分割カセット12、13に設けられた各出入口には、夫々ダクトが接続されている。
セクション分割カセット12の除湿ゾーン入口12aには、除湿対象の空気を取り込むための除湿ダクト22が接続されている。除湿ダクト22には更に除湿ファン21が設けられており、除湿ファン21の運転によって、除湿の対象となる空気が取り込まれる。除
湿ダクト22には風量計23が設けられており、風量計23は、除湿ダクト22を介して乾式除湿装置1に取り込まれる風量を計測し、制御演算装置CUへ風量信号を送信する。
セクション分割カセット13の除湿ゾーン出口13aには、除湿された低露点空気を低露点空間に供給するための供給ダクト24が接続されている。除湿ダクト22から取り込まれた空気は、除湿ロータ11内の吸湿剤等の働きによって除湿され、供給ダクト24を介して乾式除湿装置1から排出される。なお、乾式除湿装置1には、目標値となる設定露点が設定されており、乾式除湿装置1が期待通りに動作している場合、除湿ダクト22から取り込まれた除湿対象の空気は、この設定露点以下まで除湿されて、供給ダクト24へ排出される。
セクション分割カセット13のパージゾーン入口13cには、再生ゾーン11bを経て再生された吸湿剤等の温度を下げるための空気を導入するためのパージ導入ダクト25が接続されている。供給ダクト24は、低露点空間に接続される他、パージゾーン11cへ空気を導入するためのパージ導入ダクト25へも接続されており、供給ダクト24に排出された空気は、一部が低露点空間に供給され、一部がパージ導入ダクト25を介してパージゾーン11cへ導入される。なお、低露点空間への供給量、およびパージゾーン11cへの導入量は、供給ダクト24に設けられた供給ダンパおよびパージ導入ダクト25に設けられたパージ導入ダンパが制御されることによって調整される。
セクション分割カセット12のパージゾーン出口12cには、パージに用いられた空気を排出するためのパージ排気ダクト26が接続されている。また、セクション分割カセット12の再生ゾーン出口12bには、除湿に用いられた吸湿剤の再生に用いられた空気を排出するための再生排気ダクト27が接続されている。パージ排気ダクト26は、再生ファン31の手前で再生排気ダクト27に合流する。このため、パージに用いられた空気および再生に用いられた空気は、再生ファン31によって吸出され、一部がシステム外へ排気される。
セクション分割カセット13の再生ゾーン入口13bには、除湿に用いられた吸湿剤の再生に用いられる空気を導入するための再生導入ダクト32が接続されている。また、再生導入ダクト32は、再生排気ダクト27に接続されており、途中に再生ヒータ33を備える。このため、パージに用いられた空気および再生に用いられた空気は、再生ファン31によって吸出された後、一部がシステム外へ排気され、一部が再生導入ダクト32へ送られる。なお、システム外への排気量、および再生導入ダクト32への導入量は、再生排気ダクト27に設けられた排気ダンパおよび再生導入ダクト32に設けられた循環ダンパが制御されることによって調整される。
再生導入ダクト32へ送られた空気は、再生ヒータ33によって加熱された後、再生ゾーン11bに導入される。再生ヒータ33は、再生ヒータ33と再生ゾーン入口13bとの間に設けられた温度センサ44の検出結果を取得する温度調節器45によって制御されることで、再生ゾーン11bに導入される再生空気の温度を、設定された再生温度まで温度調節する。除湿ロータ11の、再生ゾーン11bに対応する位置にある部分の除湿能力は、再生空気によって再生され、その後除湿ゾーン11aに対応する位置まで移動することで、再び除湿に用いられる。
図4は、除湿ゾーン出口空気の露点と除湿ロータ11の回転数(ロータ回転数)との関係を例示する図である。なお、図4から図6は何れも、本実施形態において用いられる所定規格の除湿装置において、除湿ゾーン通過面風速vを2.0 m/s(メートル/秒)とした場合における例を示している。ロータ回転数を定格一定とした場合、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xinが下がると、除湿ゾーン出口空気は、設計露点以上に除湿される
こととなる。このような場合、ロータ回転数を下げても設計仕様どおりの供給露点が得られるため、ドライルーム側に不都合はなく、且つ再生熱量を小さくできるメリットがある。
これに対して、ロータが劣化した場合においては、図5に示すようにロータ回転数が定格一定では設計露点を維持できないが、ロータ回転数を上げることで設計仕様どおりの露点が得られる。図5は、ロータ正常時と劣化時における除湿ゾーン出口空気の露点とロータ回転数との関係を例示する図である。なお、図5では、除湿ロータ11が比較的軽度に劣化している場合の除湿ゾーン出口空気の露点とロータ回転数との関係を「劣化(弱)」のグラフに示し、除湿ロータ11が比較的重度に劣化している場合の除湿ゾーン出口空気の露点とロータ回転数との関係を「劣化(強)」のグラフに示している。
図5に示す例では、正常時であれば定格回転数で設計露点の空気を供給可能であるが、ロータ劣化(弱)時では、定格回転数の約1.1倍までロータ回転数を上げなければ設計露点を満足できない。また、ロータ劣化(強)時では、定格回転数の約1.5倍のロータ回転数までロータ回転数を上げる必要がある。即ち、正常時で設計露点を満足できるロータ回転数から診断時にどれだけロータ回転数が上がっているかを判断することで、除湿ロータ11の劣化の進行度を診断することができる。
図6は、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度と好適ロータ回転数(供給露点が設計露点となる最少ロータ回転数)との関係を例示する図である。本実施形態では、除湿ゾーン入口絶対湿度と正常時に好適なロータ回転数の関係を予め実験やシミュレーション等で調べておき、関係式または好適ロータ回転数算出用マップ等の形式で、好適ロータ回転数算出用情報として、制御演算装置CUの記憶装置に記憶させる。そして、制御演算装置CUは、計測された除湿ゾーン入口絶対湿度を受け付けると、この関係式を用いた演算または好適ロータ回転数算出用マップの参照を行うことで、好適ロータ回転数を算出し、実際のロータ回転数と比較することによって、除湿ロータ11の劣化診断を行うこととしている。なお、ここでいう「好適な」ロータ回転数とは、除湿対象空気を除湿して湿度または供給露点を設定された所定の範囲内とすることが出来るロータ回転数であり、実施の形態に応じて異なる値となる。
<劣化診断処理>
図7は、本実施形態に係る劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、管理者による診断開始を指示する操作が行われたことを契機として、または予め設定されたタイミングが訪れたことを契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理の具体的な内容および順序は、本発明を実施する場合の一例であり、具体的な処理内容および処理順序は、実施の形態に適したものが適宜採用されてよい。
なお、図7に示された劣化診断処理に先立って、本実施形態に係る乾式除湿装置1は、制御演算装置CUによってロータ回転数が制御されることで、効率的な運転を実現している。制御演算装置CUは、除湿ゾーン出口13aに設置した露点センサ(湿度センサ)47の出力信号をもとに除湿ゾーン出口13aの露点温度を算出し、除湿ゾーン出口13aの露点温度(給気露点)が予め設定した露点温度(例えば、−50℃)で一定になるように、例えばPID制御を用いてロータ回転数を制御する。より具体的には、制御演算装置CUは、給気露点が設定値よりも低い場合はロータ回転数を下げ、設定値よりも高い場合にはロータ回転数を上げる制御を行い、給気露点を一定に保つ。このため、図5を用いて説明した通り、本実施形態に係る除湿装置1は、ロータ劣化時には、定格回転数以上にロータ回転数を上げることで、設計露点を満足している。
ステップS101では、診断時のロータ回転数ωPVが取得される。制御演算装置CUは、現在(診断時)のロータ回転数を、ロータを駆動するギアモータ72から取得する。なお、本実施形態において、ロータ回転数は制御演算装置CUによって制御されているため、制御演算装置CUは、自らが保持している制御パラメータを読み出すことで、ロータ回転数を取得してもよい。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102およびS103では、除湿ゾーン入口12aの絶対湿度xinが取得され、取得された絶対湿度xinに応じたロータ正常時における好適回転数ωBESTが算出される。制御演算装置CUは、除湿ゾーン入口12aに設置した露点センサ48の出力信号を受信し、受信した露点センサ48による測定結果から、除湿ゾーン入口12aの絶対湿度xinを取得する(ステップS102)。そして、制御演算装置CUは計測された除湿ゾーン入口絶対湿度を受け付けると、予め制御演算装置CUの記憶装置に記憶させた関係式または好適ロータ回転数算出用マップを用いて、ステップS102で取得された除湿ゾーン入口12aの絶対湿度xinに応じた、ロータ正常時における好適回転数ωBESTを算出する(ステップS103)。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、診断時におけるロータの劣化の進行度が判断される。制御演算装置CUは、ステップS103で算出されたロータ正常時における好適回転数ωBESTと、ステップS101で取得された診断時のロータ回転数ωPVとを用いて、以下の式(1)で示される演算処理を行うことにより、診断時におけるロータの状態Rstateを算出する。ここで、除湿ロータ11の状態Rstateが1以上であれば、正常時よりも回転数が上がっていることになるので、ロータが劣化していると判断できる。
state = ωPV/ωBEST ・・・式(1)
ロータの状態Rstateが算出されると、制御演算装置CUは、算出された状態Rstateを所定の閾値と比較することで、除湿ロータ11の劣化の進行度を判断する。除湿ロータ11の状態Rstateが閾値(例えば、1.5)未満である場合、除湿ロータ11の劣化の進行度は許容の範囲内であると判定され、本フローチャートに示された処理は終了する。除湿ロータ11の状態Rstateが閾値以上である場合、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、除湿ロータ11の劣化警報が出力される。本実施形態では、閾値は1.5に設定されており、制御演算装置CUは、除湿ロータ11の状態Rstateが1.5以上である場合、劣化警報を出力する。劣化警報が出力されることによって、ユーザは除湿ロータ11のメンテナンス時期を知り、適切なメンテナンスを行うことが出来る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、除湿ロータ11の状態Rstateは、上記説明した警報のための閾値の他に、除湿ロータ11の寿命(交換時期)を判断するための閾値と比較されてもよい。また、除湿ロータ11の寿命は、複数回行われた過去の劣化診断の結果から予測されてもよい。ロータの回転数が上がると、後述する再生風量自動制御やパージ風量自動制御等の自動制御を行っている場合、ヒータの加熱量、再生風量、および冷却に必要なパージ風量等が増加する。このため、除湿ロータ11の回転数が上がり続けると、ヒータ容量、再生ファン31の能力、冷却コイル容量、除湿ファン21の能力が不足する虞がある。これらの能力が不足すると、除湿ゾーン出口露点が悪化するため、除湿ゾーン出口露点を確保できる最高回転数ωmaxは、これらの機器能力に応じて決定される。即ち、最高回転数ωmaxが除湿ロータ11の寿命(交換時期)を判断するための閾値となる。
<効果>
本発明によれば、従来は除湿ゾーン出口13aの露点温度が悪化しなければ判断できなかった除湿ロータ11の劣化について、除湿ゾーン出口13aの露点温度を悪化させることなく、且つロータの劣化によって給気露点が上昇する前に、ロータの劣化を把握し、ロータの劣化診断を行うことが可能である。また、装置稼働状態で劣化診断が可能なため、従来のサンプリング調査のように装置を停止する必要がない。
なお、除湿ゾーン入口12aの湿度が変化しない場合(例えば、外気湿度が年間を通して高く、除湿ゾーン入口12a側に備えた外気処理用の冷却コイルで常に除湿されるような場合)においては、好適回転数ωBESTが一定であるため、除湿ゾーン入口12aの湿度を測定する必要はなく、ロータ回転数の変化のみでロータの劣化を診断することができる。図8は、本実施形態において、除湿ゾーン入口湿度が変化しないために好適回転数ωBESTが一定である場合の、劣化診断処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、図7に示されたフローチャートを用いて説明した劣化診断処理に対して、ステップS102およびS103に相当する処理が省略されている点以外は概略同様であるため、同様のステップについては同一の符号を付し、処理内容の詳細な説明については省略する。
<除湿ゾーン出入口温度に基づく湿度推定>
なお、除湿ゾーン入口12aの湿度は、露点センサ(湿度センサ)48等の測定器を用いる方法に代えて、除湿ゾーン出入口12a、13aに設置した温度センサによって得られた温度差から算出することとしてもよい。温度センサは露点センサ(湿度センサ)等に比べ安価であり、空気中の汚染物質(ガスや粉塵)の影響を受けにくくメンテナンスが容易であるため、温度センサを用いることで、安価に信頼性を高めることが出来る。
除湿ダクト22の除湿ゾーン入口12a近傍には、除湿対象の空気の温度を計測するための温度センサ(図示は省略する)が設けられており、供給ダクト24の除湿ゾーン出口13a近傍には、除湿された供給空気の温度を計測するための温度センサ(図示は省略する)が設けられている。これらの温度センサは、除湿ダクト22を介して乾式除湿装置1に取り込まれる空気の温度(入口空気温度T)、および供給ダクト24を介して低露点空間またはパージ導入ダクト25へ送られる空気の温度(出口空気温度T)を計測し、制御演算装置CUへ計測された温度TおよびTを送信する。
図9は、本実施形態に係る乾式除湿装置1における除湿ゾーン入口絶対湿度xと除湿ゾーン出入口12a、13aの空気温度差ΔTpro = T−Tの関係を示す図である。除湿ゾーン11aでは、水蒸気の吸着熱の影響により出口空気温度Tは入口空気温度Tよりも高くなる。この温度上昇幅ΔTproは、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xが低くなるほど小さくなり、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xが高くなるほど大きくなる。この除湿ゾーン出入口12a、13aの空気温度差ΔTproと除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xの関係を予め実験やシミュレーション等で調べておき、関係式(例えば、以下に示す式(2))または湿度推定処理用マップ等の形式で、推定湿度情報として、制御演算装置CUの記憶装置に記憶させる。そして、制御演算装置CUは、除湿ゾーン出入口12a、13aの空気の温度T、Tの測定値を受け付けると、この関係式を用いた演算または湿度推定処理用マップの参照を行うことで、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xを推定する。パージゾーン11cでの冷却が十分に行われ、パージゾーン11cから除湿ゾーン11aへの熱移行がない条件では、除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xは、入口空気温度Tと出口空気温度Tから以下の式(2)で定まり、制御演算装置CUは、除湿ゾーン出入口12a、13aの空気の温度T、Tを式(2)に代入して演算することで、ロータ回転数・再生温度・除湿風量等とは無関係に除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xを推定できる。
= f (T, T) ・・・式(2)
制御演算装置CUは、この除湿ゾーン入口空気の絶対湿度xを用いて、湿度が低いときにはロータ回転数を下げ(あるいは再生温度を下げ)、湿度が高いときにはロータ回転数を上げる(あるいは再生温度を上げる)ように可変制御を行う。
<パージ風量および再生風量の制御>
本実施形態において、ロータ回転数を変化させるにあたっては、以下に説明するパージ風量の制御、および再生風量の制御の何れかまたは両方を、ロータ回転数の制御と併せて実行することとしてもよい。図10は、本実施形態において、図1に示す除湿装置1に、パージ風量および再生風量を制御するための手段が追加された除湿装置1bを示す図である。
はじめに、パージ風量の制御について説明する。パージ風量が一定であると、ロータ回転数が増えた場合に、パージゾーン11cでの冷却が不十分になることによって、除湿性能が低下する虞がある。このため、パージ風量は、ロータ回転数と比例するように制御されることが好ましい。制御演算装置CUは、ロータ回転数に応じた差圧目標値を算出し、パージゾーン出入口12c、13cの差圧センサ51の指示値が目標値と一致するように、インバータ52によって制御される再生ファン31の回転数、および排気モータダンパ53の開度、のうち少なくとも一方を制御する。
除湿ロータ11の回転数を減少させた場合には、パージゾーン11cでの除湿ロータ滞在時間が長くなるため、より少ないパージ風量で除湿ロータ11の冷却が可能となる。特に、除湿風量の一部をパージ風量に用いる形式のシステムにおいて供給風量を一定に制御している場合、パージ風量を減らせば必然的に除湿風量も減少することになるので、再生ファン31の回転数(インバータ52によって制御される)やパージ流路に設けたダンパ53の開度等を調節して、パージ風量がロータ回転数と比例するように制御することが好ましい。好適ロータ回転数に対応した好適パージ面風速は以下に示す式(3)で算出する。
好適パージ面風速 = 定格パージ面風速×好適ロータ回転数/定格ロータ回転数
・・・式(3)
次に、再生風量の制御について説明する。再生風量が一定であると、ロータ回転数が増えた場合に再生風量が不足することによって、除湿性能が低下する虞がある。このため、再生風量は、ロータ回転数の変化に応じて変化させることが好ましい。制御演算装置CUは、温度センサ41によって測定されるパージゾーン出口温度が一定になるように再生モータダンパ55の開度を制御することにより、再生風量を、ロータ回転数が変化しても好適な再生風量に制御する。
本実施形態に係る除湿装置1bでは、本発明に係る除湿ゾーン入口空気の絶対湿度に基づいてロータ回転数を制御する処理に先立って(または同時に)、再生風量の制御が行われる。なお、再生風量とは、再生ゾーン11bに導入されることで、除湿ロータ11の除湿能力の再生に用いられる空気(ここでは高温に加熱された空気)の風量である。再生導入ダクト32に設けられた再生ファン31は、再生ファン31より下流に設けられた風量計46において計測される風量が、設定された目標再生風量(本実施形態では、以下に説明する方法で決定される好適再生風量が目標再生風量に設定される)となるように制御される。但し、再生風量の制御には、実施の形態に応じてその他の方法が採用されてもよい。また、実施の形態によっては、後述する再生風量の制御は、省略されてもよい。
従来、ロータの再生は再生ゾーン11bで完全に完了され、パージゾーン11cではロータの冷却のみが行われていた。このため、従来、水分脱離の終了後にロータに与えられる熱は、再生およびパージにおける処理効率を低下させるものであった。これに対して、本実施形態では、再生風量の制御では、再生ゾーン11bで完全に再生が完了しなくても、パージゾーン11cにおいてロータの蓄熱によりパージ空気が加熱されて除湿能力が再生されることに着目し、パージゾーン11cにおいて再生を完了させることとしている。即ち、パージゾーン11cにおける再生ゾーン11b寄りの位置の出口温度が、再生ゾーン11bにおける最もパージゾーン11cよりの位置の出口温度に比べてより高温で且つ再生完了温度以上となるように、再生風量を制御することとした。
図3は、本実施形態において、パージゾーン11cにおける再生ゾーン11b寄りの位置の出口温度を計測するために設けられる温度センサ41の位置を示す図である。図に示された位置に設置された温度センサ41によって再生完了温度が検知されるように再生風量を制御することで、再生風量を、再生ゾーン11bにおいては再生を完全には完了させず、パージゾーン11cにおいてロータの蓄熱で加熱されたパージ空気によって再生が完了するような再生風量とし、装置の効率を向上させることとしている。なお、ここでいう、パージゾーン11cにおける再生ゾーン11b寄りの位置とは、パージゾーン11cの中心よりも、再生ゾーン11b側により近い位置を指す。
<劣化診断方法のバリエーション>
上記説明した劣化診断処理では、好適回転数ωBESTと診断時のロータ回転数ωPVとを比較することによって、除湿ロータ11の劣化の進行度を判定することとしているが、ロータの回転数を正常値と比較する代わりに、ロータの回転数に応じて変化するヒータの加熱量、再生風量(再生風量制御を追加した場合)、パージ風量(パージ風量制御を追加した場合)を正常値と比較することによっても、劣化診断を行うことが出来る。
はじめに、ヒータ加熱量に基づく劣化診断方法について説明する。除湿ロータによる水分吸着量が一定である場合、ロータ回転数の上昇に伴ってヒータの加熱量は増加する。図11および図12は、除湿ゾーン出口13aの露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、除湿ゾーン入口絶対湿度とヒータの加熱量の関係を示す図である。図11は再生風量が固定されている場合の関係を示し、図12は再生風量が自動制御されている場合の関係を示す。図11および図12に示された関係によれば、再生風量制御の有無にかかわらず、ヒータの加熱量の増加から劣化が判断できることが分かる。
制御演算装置CUは、診断時のヒータ加熱量を、正常な状態(劣化のない状態)において給気露点を設定範囲に維持可能な好適ヒータ加熱量と比較することで、劣化診断を行うことが出来る。なお、ヒータ加熱量の増加を検出する方法としては、蒸気弁開度、蒸気流量、電気ヒータの電力値を参照する方法の他に、再生風量が固定の場合であればヒータの入口温度を参照する方法がある。
次に、再生風量に基づく劣化診断方法について説明する。上記説明した再生風量の制御を採用した場合においては、ロータ回転数の上昇に伴って再生風量は増加する。図13は、除湿ゾーン出口13aの露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、除湿ゾーン入口絶対湿度と再生風量の関係を示す図である。制御演算装置CUは、診断時の再生風量を、正常な状態(劣化のない状態)において給気露点を設定範囲に維持可能な好適再生風量と比較することで、劣化診断を行うことが出来る。
次に、パージ風量に基づく劣化診断方法について説明する。上記説明したパージ風量の制御を採用した場合においては、パージ風量の増加からロータの劣化が判断できる。図14は、除湿ゾーン出口13aの露点が一定になるようにロータ回転数を制御した時の、除
湿ゾーン入口絶対湿度とパージ風量の関係を示す図である。制御演算装置CUは、診断時のパージ風量を、正常な状態(劣化のない状態)において給気露点を設定範囲に維持可能な好適パージ風量と比較することで、劣化診断を行うことが出来る。
1、1b 乾式除湿装置
11 除湿ロータ
11a 除湿ゾーン
11b 再生ゾーン
11c パージゾーン
12、13 セクション分割カセット

Claims (6)

  1. 通過する空気の除湿を行うための除湿ユニットを有する除湿装置であって、
    前記除湿ユニットを、除湿対象の空気を通過させて除湿するための除湿区域と、温度調節された空気を通過させることで該除湿ユニットの除湿能力を再生させるための再生区域と、の少なくとも2区域に区分けするための区分手段と、
    前記除湿ユニットを、前記区分手段によって区分された夫々の区域に対して順に繰り返し割り当てる、区域変更手段と、
    前記区域変更手段による区域変更の速度を、前記除湿区域を通過することで除湿された空気の湿度が所定の範囲内となるように制御する速度制御手段と、
    前記速度制御手段によって制御された区域変更の速度、または該速度に応じて変化する制御値に基づいて、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定する劣化判定手段と、
    を備える除湿装置。
  2. 前記除湿対象の空気の湿度を取得する湿度取得手段と、
    前記除湿ユニットの劣化がないと仮定した場合の、前記湿度取得手段によって湿度が取得された除湿対象空気を除湿して湿度を前記所定の範囲内とするための区域変更の速度である好適速度を取得する好適速度取得手段と、を更に備え、
    前記劣化判定手段は、前記好適速度と、前記速度制御手段によって制御されている実際の速度とを比較することで、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定する、
    請求項1に記載の除湿装置。
  3. 前記除湿対象の空気の温度と前記除湿区域を通過することで除湿された空気の温度とを取得する温度取得手段を備え、
    前記湿度取得手段は、予め準備された、前記除湿対象空気の温度および前記除湿された空気の温度と前記除湿対象の空気の湿度との対応関係に基づいて、前記除湿対象の空気の湿度を推定して取得する、
    請求項2に記載の除湿装置。
  4. 前記区分手段は、前記除湿ユニットを、前記除湿区域と、前記再生区域と、通過する空気によって該除湿ユニットの放熱を行うためのパージ区域と、に区分けし、
    前記パージ区域に導入される空気の風量であるパージ風量を、前記速度制御手段によって制御される区域変更の速度の変化に比例して変化するように制御するパージ風量制御手段を更に備える、
    請求項1から3の何れか一項に記載の除湿装置。
  5. 前記区分手段は、前記除湿ユニットを、前記除湿区域と、前記再生区域と、通過する空気によって該除湿ユニットの放熱を行うためのパージ区域と、に区分けし、
    前記再生区域に導入される空気の風量である再生風量を、前記パージ区域を通過することでパージに用いられた空気の温度が一定となるように制御する再生風量制御手段を更に備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載の除湿装置。
  6. 通過する空気の除湿を行うための除湿ユニットを、除湿対象の空気を通過させて除湿するための除湿区域と、温度調節された空気を通過させることで該除湿ユニットの除湿能力を再生させるための再生区域と、の少なくとも2区域に区分けするための区分手段と、前記除湿ユニットを、前記区分手段によって区分された夫々の区域に対して順に繰り返し割り当てる、区域変更手段と、を備える除湿装置において、
    前記区域変更手段による区域変更の速度を、前記除湿区域を通過することで除湿された空気の湿度が所定の範囲内となるように制御する速度制御ステップと、
    前記速度制御手段によって制御された区域変更の速度、または該速度に応じて変化する制御値に基づいて、前記除湿ユニットの劣化の進行度を判定する劣化判定ステップと、
    を実行する、除湿装置の劣化判定方法。
JP2010014115A 2010-01-26 2010-01-26 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法 Active JP5485726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010014115A JP5485726B2 (ja) 2010-01-26 2010-01-26 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010014115A JP5485726B2 (ja) 2010-01-26 2010-01-26 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011152494A JP2011152494A (ja) 2011-08-11
JP5485726B2 true JP5485726B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=44538835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010014115A Active JP5485726B2 (ja) 2010-01-26 2010-01-26 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5485726B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5654960B2 (ja) * 2011-08-08 2015-01-14 新菱冷熱工業株式会社 省エネ除湿システム
JP6128394B2 (ja) * 2014-06-24 2017-05-17 Dic株式会社 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
DE102015204678A1 (de) * 2015-03-16 2016-09-22 Robert Bosch Gmbh Batteriekonditionierung mit Sorptionsmittelregeneration
JP6859398B2 (ja) * 2019-07-03 2021-04-14 新菱冷熱工業株式会社 除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05200231A (ja) * 1992-01-27 1993-08-10 Kobe Steel Ltd 乾式除湿装置
JP3167087B2 (ja) * 1994-10-18 2001-05-14 新日本製鐵株式会社 吸着剤の寿命・劣化の判定方法
JP3313916B2 (ja) * 1994-11-16 2002-08-12 高砂熱学工業株式会社 二段式乾式減湿システムにおけるロータの劣化診断方法とロータの交換時期の予測方法
JP3753752B2 (ja) * 1994-12-08 2006-03-08 高砂熱学工業株式会社 乾式減湿装置におけるロータの劣化診断方法とロータの交換時期の予測方法
JPH0947630A (ja) * 1995-08-11 1997-02-18 Toshiba Corp 自己診断機能付き加熱再生式空気冷却乾燥装置及びその診断方法
JP2004188371A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Fuji Heavy Ind Ltd 脱湿装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011152494A (ja) 2011-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5390242B2 (ja) 除湿装置および除湿装置の制御方法
CN102207314B (zh) 吸附解吸装置及被吸附物交换状态监视方法
CN102441320B (zh) 除湿装置和除湿装置的控制方法
US9777933B2 (en) Apparatus and method for control of solid desiccant dehumidifiers
JP6446097B1 (ja) 空気調和システム、空気調和方法および環境試験室
JP5485726B2 (ja) 除湿装置および除湿装置の劣化判定方法
JP5814671B2 (ja) 除湿装置及びその制御方法
JP5107379B2 (ja) 低露点室の露点温度の制御方法及び除湿システム
JP5576619B2 (ja) 除湿装置および除湿装置の制御方法
JP2010247041A5 (ja)
WO2012011271A1 (ja) ガス除去システム
KR101769620B1 (ko) 제습 장치 및 제습 장치의 제어 방법
JP5164864B2 (ja) 除湿装置の乾燥方法
JP5570717B2 (ja) 乾式減湿装置の運転方法
JP6442150B2 (ja) 乾式減湿装置およびその運転方法
JP3795630B2 (ja) 乾式減湿装置のロータの劣化診断方法
JP2015188860A5 (ja) 乾式減湿装置およびその運転方法
JP5597048B2 (ja) 吸脱着装置およびロータ回転数制御方法
JPH08155248A (ja) 乾式減湿装置におけるロータの劣化診断方法とロータの交換時期の予測方法
JP3313916B2 (ja) 二段式乾式減湿システムにおけるロータの劣化診断方法とロータの交換時期の予測方法
JP5654960B2 (ja) 省エネ除湿システム
JP5681379B2 (ja) 乾式減湿装置の運転方法
JP2011230098A5 (ja)
CN218221797U (zh) 一种压缩气体的干燥器系统
CN117471039A (zh) 测试装置和测试方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5485726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150